JPH0685213A - 半導体素子 - Google Patents
半導体素子Info
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- JPH0685213A JPH0685213A JP4233440A JP23344092A JPH0685213A JP H0685213 A JPH0685213 A JP H0685213A JP 4233440 A JP4233440 A JP 4233440A JP 23344092 A JP23344092 A JP 23344092A JP H0685213 A JPH0685213 A JP H0685213A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 電圧を印加する必要がなく、線型特性を示
し、高速処理が可能であり、光コンピュータ及び光ニュ
ーロコンピューター等に応用することができる半導体素
子を提供する。 【構成】 Siがドーピングされて深い不純物準位を有
するA1As層2(2a,2b,2c,2d)と、不純
物原子がドーピングされていないGaAs層1(1a,
1b,1c,1d)とを交互に積層して構成されてい
る。そして、A1As層2とGaAs層1との積層方向
に書き込み用外部光を入射して前記書き込み用外部光の
一部又は全部を吸収させる。この光吸収によって電子を
価電子帯から前記深い不純物準位に励起させておき、電
子が前記深い不純物準位に捕獲されている間に、外部信
号光を入射する。
し、高速処理が可能であり、光コンピュータ及び光ニュ
ーロコンピューター等に応用することができる半導体素
子を提供する。 【構成】 Siがドーピングされて深い不純物準位を有
するA1As層2(2a,2b,2c,2d)と、不純
物原子がドーピングされていないGaAs層1(1a,
1b,1c,1d)とを交互に積層して構成されてい
る。そして、A1As層2とGaAs層1との積層方向
に書き込み用外部光を入射して前記書き込み用外部光の
一部又は全部を吸収させる。この光吸収によって電子を
価電子帯から前記深い不純物準位に励起させておき、電
子が前記深い不純物準位に捕獲されている間に、外部信
号光を入射する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光コンピュータ又は光
ニューロコンピュータ用の光変調素子又は光記憶素子等
として機能する半導体素子に関する。
ニューロコンピュータ用の光変調素子又は光記憶素子等
として機能する半導体素子に関する。
【0002】
【従来の技術】図3は従来の光記憶素子の一例を示す(I
EEE,ED-29,No.9(1982)第1382頁)。この光記憶素子にお
いては、InPからなるn型エミッタ層21と、InG
aAsPからなるp型ベース層22と、InGaAsP
からなるn型コレクタ層23と、InPからなるn型ク
ラッド層24と、InGaAsPからなるn型活性層2
5と、InPからなるp型クラッド層26とが積層され
て構成されている。
EEE,ED-29,No.9(1982)第1382頁)。この光記憶素子にお
いては、InPからなるn型エミッタ層21と、InG
aAsPからなるp型ベース層22と、InGaAsP
からなるn型コレクタ層23と、InPからなるn型ク
ラッド層24と、InGaAsPからなるn型活性層2
5と、InPからなるp型クラッド層26とが積層され
て構成されている。
【0003】このように構成された光記憶素子において
は、入力光が入射していない状態で、p型クラッド層2
6がn型エミッタ層21に対して正となる電圧をこの光
しきい値素子に印加し、順方向阻止状態にしておく。こ
の場合に、p型ベース層22とn型コレクタ層23とで
形成されるpn接合が逆方向バイアスされており、キャ
リアの移動に対して障壁となって電流が阻止される。こ
の順方向阻止状態において、所定の入力光強度以上の入
力光をn型エミッタ層21側から入射すると、p型ベー
ス層22で光吸収が生じ、図3のエネルギーバンド図に
示すように、光の吸収によって発生した電子がn型活性
層25内にドリフト移動する。そして、この電子がn型
活性層25で正孔と再結合し、n型活性層25から発光
が生じる。この光がp型クラッド層26から出射する。
このようにして、光スイッチング動作が行なわれる。更
に、n型活性層25とp型クラッド層26との界面で発
光した光は、素子内のp型ベース層22にも入射するた
め、一旦オン状態になった素子は、入力光の入射を止め
ても、オン状態を維持し、発光しつづける。即ち、オン
状態を記憶する。
は、入力光が入射していない状態で、p型クラッド層2
6がn型エミッタ層21に対して正となる電圧をこの光
しきい値素子に印加し、順方向阻止状態にしておく。こ
の場合に、p型ベース層22とn型コレクタ層23とで
形成されるpn接合が逆方向バイアスされており、キャ
リアの移動に対して障壁となって電流が阻止される。こ
の順方向阻止状態において、所定の入力光強度以上の入
力光をn型エミッタ層21側から入射すると、p型ベー
ス層22で光吸収が生じ、図3のエネルギーバンド図に
示すように、光の吸収によって発生した電子がn型活性
層25内にドリフト移動する。そして、この電子がn型
活性層25で正孔と再結合し、n型活性層25から発光
が生じる。この光がp型クラッド層26から出射する。
このようにして、光スイッチング動作が行なわれる。更
に、n型活性層25とp型クラッド層26との界面で発
光した光は、素子内のp型ベース層22にも入射するた
め、一旦オン状態になった素子は、入力光の入射を止め
ても、オン状態を維持し、発光しつづける。即ち、オン
状態を記憶する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の光記憶素子においては、そのスイッチング速度
がp型ベース層22からn型活性層25までの電子の移
動時間に依存する。そして、ベース層22と活性層25
との間に介在する各層は、いずれも電子移動速度が小さ
いInGaAsP及びInPで形成されているため、ス
イッチング速度を高めるためには限界がある。
た従来の光記憶素子においては、そのスイッチング速度
がp型ベース層22からn型活性層25までの電子の移
動時間に依存する。そして、ベース層22と活性層25
との間に介在する各層は、いずれも電子移動速度が小さ
いInGaAsP及びInPで形成されているため、ス
イッチング速度を高めるためには限界がある。
【0005】そこで、従来、ベース層22から活性層2
5までの距離を短くして、スイッチング速度を高める手
段が採用されている。具体的には、ベース層22と活性
層25との間の半導体層を薄膜化する。しかし、この場
合には、n型クラッド層24が薄くなることによって、
このクラッド層24を通過してしまう正孔が増大し、活
性層25内への正孔の閉じ込め効率が低下して出力光強
度が低下するという別の問題点が生じる。
5までの距離を短くして、スイッチング速度を高める手
段が採用されている。具体的には、ベース層22と活性
層25との間の半導体層を薄膜化する。しかし、この場
合には、n型クラッド層24が薄くなることによって、
このクラッド層24を通過してしまう正孔が増大し、活
性層25内への正孔の閉じ込め効率が低下して出力光強
度が低下するという別の問題点が生じる。
【0006】また、上述の光記憶素子においては、電圧
を印加する必要があり、入力光を発光する発光素子等と
の3次元集積化を考える上で、極めて不利である。即
ち、発光素子と光記憶素子との間に、金属電極又は高ド
ーピング半導体層を設ける必要性が生じ、作製上又は構
造上の困難性がある。
を印加する必要があり、入力光を発光する発光素子等と
の3次元集積化を考える上で、極めて不利である。即
ち、発光素子と光記憶素子との間に、金属電極又は高ド
ーピング半導体層を設ける必要性が生じ、作製上又は構
造上の困難性がある。
【0007】また、上述の光記憶素子は、必然的にある
強度以上の光が入射しないとオン状態にはならないとい
うしきい値特性を有する。このため、しきい値以下の光
強度の入力光に対しては、素子は何の変化も示さない。
すなわち、特性が線型ではない。
強度以上の光が入射しないとオン状態にはならないとい
うしきい値特性を有する。このため、しきい値以下の光
強度の入力光に対しては、素子は何の変化も示さない。
すなわち、特性が線型ではない。
【0008】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、電圧を印加する必要がなく、線型特性を示
し、高速処理が可能であり、光コンピュータ及び光ニュ
ーロコンピューター等に応用することができる半導体素
子を提供することを目的とする。
のであって、電圧を印加する必要がなく、線型特性を示
し、高速処理が可能であり、光コンピュータ及び光ニュ
ーロコンピューター等に応用することができる半導体素
子を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係る半導体素子
は、不純物原子がドーピングされて深い不純物準位を有
する第1の半導体層と、不純物原子がドーピングされて
いない第2の半導体層とを交互に積層して構成されてい
る。このことは、一般に、半導体を構成する原子とドー
ピングした不純物原子との組み合わせの違いにより、半
導体の禁制帯内に形成される不純物準位のエネルギーの
深さが異なるという現象を利用している。そして、前記
第1及び第2の半導体層の積層方向に書き込み用外部光
を入射して前記書き込み用外部光の一部又は全部を吸収
させ、光吸収によって電子を価電子帯から前記深い不純
物準位に励起させておき、前記電子が前記深い不純物準
位に捕獲されている間に、外部信号光を入射することに
より機能することを特徴とする即ち、半導体素子に光透
過率を記憶させるために、第1及び第2の半導体層の積
層方向に、予め決められた光強度を有する外部光を、透
過率書き込み用光として入射させる。その後、外部信号
光を入射させることにより、信号光強度と半導体素子の
光透過率との積として与えられる強度の出力光が得られ
る。これにより、積演算が実行される。
は、不純物原子がドーピングされて深い不純物準位を有
する第1の半導体層と、不純物原子がドーピングされて
いない第2の半導体層とを交互に積層して構成されてい
る。このことは、一般に、半導体を構成する原子とドー
ピングした不純物原子との組み合わせの違いにより、半
導体の禁制帯内に形成される不純物準位のエネルギーの
深さが異なるという現象を利用している。そして、前記
第1及び第2の半導体層の積層方向に書き込み用外部光
を入射して前記書き込み用外部光の一部又は全部を吸収
させ、光吸収によって電子を価電子帯から前記深い不純
物準位に励起させておき、前記電子が前記深い不純物準
位に捕獲されている間に、外部信号光を入射することに
より機能することを特徴とする即ち、半導体素子に光透
過率を記憶させるために、第1及び第2の半導体層の積
層方向に、予め決められた光強度を有する外部光を、透
過率書き込み用光として入射させる。その後、外部信号
光を入射させることにより、信号光強度と半導体素子の
光透過率との積として与えられる強度の出力光が得られ
る。これにより、積演算が実行される。
【0010】
【作用】前記書き込み用外部光は、半導体素子内におい
て吸収され、その結果、価電子帯にある電子を第1の半
導体層の深い不純物準位に励起する。このような励起を
受ける電子の数は、入射させる書き込み用外部光の強度
が強いほど、増大する。逆に、励起される電子の数が多
いほど、入射した外部光が失うエネルギーは大きい。一
方、第1の半導体層内の深い不純物準位は、価電子帯か
ら励起された電子によって占有されると、さらにそれ以
上の電子を捕獲することができなくなる。即ち、価電子
帯から深い不純物準位に電子を励起するためには、電子
によって占有されていない深い不純物準位が存在するこ
とが必要である。換言すれば、深い不純物準位のほとん
どがすでに電子によって占有されている状態にある半導
体素子に外部光を入射しても、価電子帯からの電子の励
起は少ない。このため、外部光の半導体素子内でのエネ
ルギー損失が少なくなり、結果として、半導体素子の光
透過率は大きくなる。
て吸収され、その結果、価電子帯にある電子を第1の半
導体層の深い不純物準位に励起する。このような励起を
受ける電子の数は、入射させる書き込み用外部光の強度
が強いほど、増大する。逆に、励起される電子の数が多
いほど、入射した外部光が失うエネルギーは大きい。一
方、第1の半導体層内の深い不純物準位は、価電子帯か
ら励起された電子によって占有されると、さらにそれ以
上の電子を捕獲することができなくなる。即ち、価電子
帯から深い不純物準位に電子を励起するためには、電子
によって占有されていない深い不純物準位が存在するこ
とが必要である。換言すれば、深い不純物準位のほとん
どがすでに電子によって占有されている状態にある半導
体素子に外部光を入射しても、価電子帯からの電子の励
起は少ない。このため、外部光の半導体素子内でのエネ
ルギー損失が少なくなり、結果として、半導体素子の光
透過率は大きくなる。
【0011】ところで、不純物準位が浅いと、励起され
た電子が価電子帯中の正孔と再結合するまでの時間、即
ち不純物準位による捕獲時間が短い。このため、書き込
み用外部光によって書き込まれた記憶、即ち半導体素子
中の光透過率に関する記憶が消えるまでの時間も短い。
一般に、深い不純物準位においては、電子の捕獲時間が
長い。この事実を利用すると、書き込み用外部光の入射
によって、価電子帯から深い不純物準位に電子を励起し
た後、電子が深い不純物準位に捕獲されている間に、信
号光を入射させることが可能となる。その結果、書き込
み用外部光によって書き込まれた光透過率に関する記憶
が消えない内に、信号光を入射させることができ、光を
用いた積演算が実現できる。
た電子が価電子帯中の正孔と再結合するまでの時間、即
ち不純物準位による捕獲時間が短い。このため、書き込
み用外部光によって書き込まれた記憶、即ち半導体素子
中の光透過率に関する記憶が消えるまでの時間も短い。
一般に、深い不純物準位においては、電子の捕獲時間が
長い。この事実を利用すると、書き込み用外部光の入射
によって、価電子帯から深い不純物準位に電子を励起し
た後、電子が深い不純物準位に捕獲されている間に、信
号光を入射させることが可能となる。その結果、書き込
み用外部光によって書き込まれた光透過率に関する記憶
が消えない内に、信号光を入射させることができ、光を
用いた積演算が実現できる。
【0012】本発明に係る半導体素子においては、第1
の半導体層を構成する原子とドーピングした不純物原子
とが最近接して位置することになるので、第1の半導体
層に深い不純物準位が形成される。一方、本発明の第1
の半導体層と第2の半導体層の構成原子が不規則に配列
した所謂混晶半導体においては、ドーピングした不純物
を、第1の半導体層を構成する原子にのみ最近接させる
ことができず、また、そのように最近接している不純物
の密度を制御することもできない。即ち、本発明の半導
体素子においては、不純物ドーピング量による深い不純
物密度の制御を容易に行うことができる。そして、半導
体素子に光透過率を記憶させるために、半導体素子の積
層方向に、予め決められた光強度を有する外部光を、透
過率書き込み用光として入射させる。その後、信号光を
入射させることにより、信号光強度と半導体素子の光透
過率との積である出力光が得られ、即ち、積演算が実行
される。
の半導体層を構成する原子とドーピングした不純物原子
とが最近接して位置することになるので、第1の半導体
層に深い不純物準位が形成される。一方、本発明の第1
の半導体層と第2の半導体層の構成原子が不規則に配列
した所謂混晶半導体においては、ドーピングした不純物
を、第1の半導体層を構成する原子にのみ最近接させる
ことができず、また、そのように最近接している不純物
の密度を制御することもできない。即ち、本発明の半導
体素子においては、不純物ドーピング量による深い不純
物密度の制御を容易に行うことができる。そして、半導
体素子に光透過率を記憶させるために、半導体素子の積
層方向に、予め決められた光強度を有する外部光を、透
過率書き込み用光として入射させる。その後、信号光を
入射させることにより、信号光強度と半導体素子の光透
過率との積である出力光が得られ、即ち、積演算が実行
される。
【0013】本発明においては、書き込み用外部光の強
度を変化させることにより、その後の信号光に対する半
導体素子の光透過率を制御することができる。これによ
って、例えば、発光素子アレイと受光素子アレイとの間
に本発明の半導体素子からなるアレイを介在させた光結
合を考えると、まず半導体素子の光透過率を設定するた
めに、要求する光透過率の分布に対応させて、各発光素
子からの書き込み光の強度を分布させて、各半導体素子
に光入射する。
度を変化させることにより、その後の信号光に対する半
導体素子の光透過率を制御することができる。これによ
って、例えば、発光素子アレイと受光素子アレイとの間
に本発明の半導体素子からなるアレイを介在させた光結
合を考えると、まず半導体素子の光透過率を設定するた
めに、要求する光透過率の分布に対応させて、各発光素
子からの書き込み光の強度を分布させて、各半導体素子
に光入射する。
【0014】次に、各半導体素子に光透過率が記憶され
ている時間内に、入力分布に対応した発光強度を有する
入力光を各発光素子から各半導体素子に光入射する。そ
の結果、各受光素子から得られる光電流値を測定するこ
とによって、入力光強度と光透過率との積を知ることが
できる。これによって、ニューラルネットで多用される
積和演算などの処理を並列にかつ高速に行うことがで
き、しかも光透過率、即ちニューラルネットでいうとこ
ろのシナプス結合強度を可変にすることができる。
ている時間内に、入力分布に対応した発光強度を有する
入力光を各発光素子から各半導体素子に光入射する。そ
の結果、各受光素子から得られる光電流値を測定するこ
とによって、入力光強度と光透過率との積を知ることが
できる。これによって、ニューラルネットで多用される
積和演算などの処理を並列にかつ高速に行うことがで
き、しかも光透過率、即ちニューラルネットでいうとこ
ろのシナプス結合強度を可変にすることができる。
【0015】更に、半導体素子の光透過率を変更するた
めに、外部から電気的な制御信号を半導体素子に直接加
える必要がない。従って、半導体素子表面に電極を設け
る必要がなく、発光素子アレイ,半導体素子アレイ,受
光素子アレイを用いた3次元集積化が容易になる。
めに、外部から電気的な制御信号を半導体素子に直接加
える必要がない。従って、半導体素子表面に電極を設け
る必要がなく、発光素子アレイ,半導体素子アレイ,受
光素子アレイを用いた3次元集積化が容易になる。
【0016】更にまた、光透過率の変更も光を用いて行
うために、並列にかつ高速に行うことができる。更に、
半導体素子の光透過率を変更するための制御光の波長
は、入力光の波長と同じにすることができるために、発
光素子は一種類となり、制御光と入力光の波長が異なる
場合に比べて制作が容易となり、かつ集積度も上がる。
うために、並列にかつ高速に行うことができる。更に、
半導体素子の光透過率を変更するための制御光の波長
は、入力光の波長と同じにすることができるために、発
光素子は一種類となり、制御光と入力光の波長が異なる
場合に比べて制作が容易となり、かつ集積度も上がる。
【0017】
【実施例】次に、本発明の実施例について、添付の図面
を参照して説明する。
を参照して説明する。
【0018】図1は本発明の実施例に係る半導体素子を
示す概略図、図2は発光素子と受光素子と本実施例の半
導体素子とを使用して光結合回路を作製し、積演算を行
う方式を説明するための図である。
示す概略図、図2は発光素子と受光素子と本実施例の半
導体素子とを使用して光結合回路を作製し、積演算を行
う方式を説明するための図である。
【0019】本実施例の半導体素子は、図1に示すよう
に、化合物半導体であるGaAs基板3上に、化合物半
導体AlAs層2(2a,2b,2c,2d)と、Ga
As層1(1a,1b,1c,1d)とを交互に周期的
に積層したものである。GaAs層1の厚さは例えば3
分子層(Gaのl原子層とAsのl原子層を合わせてG
aAsのl分子層とする)であり、AlAs層2の厚さ
は例えば1分子層である(Alのl原子層とAsのl原
子層を合わせてAlAsのl分子層とする)。そして、
AlAs層2(2a,2b,2c,2d)にのみ、Si
原子がドーピングされている。また、GaAs基板3の
所定の領域は選択エッチングにより除去されて開口部4
が設けられており、この開口部4においては、GaAs
層1とAlAs層2とが交互に積層された構造のみを有
する。
に、化合物半導体であるGaAs基板3上に、化合物半
導体AlAs層2(2a,2b,2c,2d)と、Ga
As層1(1a,1b,1c,1d)とを交互に周期的
に積層したものである。GaAs層1の厚さは例えば3
分子層(Gaのl原子層とAsのl原子層を合わせてG
aAsのl分子層とする)であり、AlAs層2の厚さ
は例えば1分子層である(Alのl原子層とAsのl原
子層を合わせてAlAsのl分子層とする)。そして、
AlAs層2(2a,2b,2c,2d)にのみ、Si
原子がドーピングされている。また、GaAs基板3の
所定の領域は選択エッチングにより除去されて開口部4
が設けられており、この開口部4においては、GaAs
層1とAlAs層2とが交互に積層された構造のみを有
する。
【0020】一般に知られているように、ある程度以上
の厚さを有する半導体層を考えた場合、AlAsの禁制
帯幅はGaAsに比べて大きく、キャリア電子及び正孔
に対して、AlAs層はエネルギーバリア層として作用
し、GaAs層はエネルギー井戸層として作用する。し
かし、本発明の実施例に示したような厚さが数分子層の
薄膜においては、このような作用は極めて小さく、禁制
帯のエネルギー幅等については、むしろ積層構造全体を
一つのGa0.75Al0.25As化合物半導体として扱うこ
とが、一般的である。即ち、本発明の半導体素子におい
ては、エネルギー的には、Ga0.75Al0.25Asの禁制
帯中に、Si原子とAl原子が最近接することによって
できた深い不純物準位が形成されているとみなすことが
できる。このため、このAlAs層2とGaAs層1と
の積層方向に書き込み用外部光を入射してその一部又は
全部を吸収させ、この光吸収によって電子を価電子帯か
ら深い不純物準位に励起させておき、電子が前記深い不
純物準位に捕獲されている間に、外部信号光を前記書き
込み用外部光と同一の方向に入射させると、この半導体
素子から出力光が出力される。
の厚さを有する半導体層を考えた場合、AlAsの禁制
帯幅はGaAsに比べて大きく、キャリア電子及び正孔
に対して、AlAs層はエネルギーバリア層として作用
し、GaAs層はエネルギー井戸層として作用する。し
かし、本発明の実施例に示したような厚さが数分子層の
薄膜においては、このような作用は極めて小さく、禁制
帯のエネルギー幅等については、むしろ積層構造全体を
一つのGa0.75Al0.25As化合物半導体として扱うこ
とが、一般的である。即ち、本発明の半導体素子におい
ては、エネルギー的には、Ga0.75Al0.25Asの禁制
帯中に、Si原子とAl原子が最近接することによって
できた深い不純物準位が形成されているとみなすことが
できる。このため、このAlAs層2とGaAs層1と
の積層方向に書き込み用外部光を入射してその一部又は
全部を吸収させ、この光吸収によって電子を価電子帯か
ら深い不純物準位に励起させておき、電子が前記深い不
純物準位に捕獲されている間に、外部信号光を前記書き
込み用外部光と同一の方向に入射させると、この半導体
素子から出力光が出力される。
【0021】次に、実際に本実施例の半導体素子を製造
し、その信号光の入出力により積演算した結果について
説明する。図2に示すように、GaAs基板3を選択的
に複数の箇所で除去することにより、積層構造のみから
なる複数の半導体素子を作製した。そして、この半導体
素子の基板側の開口部4に発光素子(発光ダイオード又
はレーザダイオード)5を配置し、GaAs層1とAl
As層2との積層体側に受光素子6を配置した。
し、その信号光の入出力により積演算した結果について
説明する。図2に示すように、GaAs基板3を選択的
に複数の箇所で除去することにより、積層構造のみから
なる複数の半導体素子を作製した。そして、この半導体
素子の基板側の開口部4に発光素子(発光ダイオード又
はレーザダイオード)5を配置し、GaAs層1とAl
As層2との積層体側に受光素子6を配置した。
【0022】この半導体素子に光透過率を記憶させるた
めに、発光素子5から、書き込み用光(透過率制御光)
として波長約1.55μmの外部光を発光し、これを半導体
素子の積層方向に入射させる。その後、書き込み用光と
同じ発光源の発光素子5から、信号入力光として、同一
波長1.55μmの外部光を、半導体素子の積層方向に入射
させた。信号出力光を受光素子6にて受光した結果、信
号出力光は半導体素子内で変調を受け、信号入力光強度
の約55%の強度となって出射したことが判明した。
めに、発光素子5から、書き込み用光(透過率制御光)
として波長約1.55μmの外部光を発光し、これを半導体
素子の積層方向に入射させる。その後、書き込み用光と
同じ発光源の発光素子5から、信号入力光として、同一
波長1.55μmの外部光を、半導体素子の積層方向に入射
させた。信号出力光を受光素子6にて受光した結果、信
号出力光は半導体素子内で変調を受け、信号入力光強度
の約55%の強度となって出射したことが判明した。
【0023】変調度を信号出力光強度/信号入力光強度
の比で表すと、この変調度は、書き込み用光の強度と、
書き込み用光を入射してから信号入力光を入射するまで
の時間の双方に依存した。更に、半導体素子内のAlA
s層内にドーピングしたSiの密度によっても変化し
た。図2においては、実際に得られる出力は、受光素子
6により信号出力光が電流に変換されたものである。そ
こで、信号入力光が発光素子5から発光する時間と、受
光素子6から起電流を検出する時間との間で同期をと
り、受光素子6からの起電流値をもとに、書き込み用光
の強度を更新することにより、フィードバック型の積演
算が実現できた。
の比で表すと、この変調度は、書き込み用光の強度と、
書き込み用光を入射してから信号入力光を入射するまで
の時間の双方に依存した。更に、半導体素子内のAlA
s層内にドーピングしたSiの密度によっても変化し
た。図2においては、実際に得られる出力は、受光素子
6により信号出力光が電流に変換されたものである。そ
こで、信号入力光が発光素子5から発光する時間と、受
光素子6から起電流を検出する時間との間で同期をと
り、受光素子6からの起電流値をもとに、書き込み用光
の強度を更新することにより、フィードバック型の積演
算が実現できた。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
発光素子から出力された書き込み用光を使用して光透過
率を連続的に変化させることができると共に、その光透
過率を有限時間だけ記憶することができる。そして、そ
の有限時間内に、同一の発光素子から任意の発光強度を
有する入力光を入射することにより、入力光強度と光透
過率との積を知ることができる。この値をもとにして修
正された発光強度を有する書き込み用光を、同一の発光
素子から入射することにより、光透過率を修正すること
ができる。これの繰り返しによって、ニューラルネット
で多用される積和演算等の処理を並列に且つ高速に行う
ことができ、しかも積演算を可変にすることができる。
更に、光透過率を変更するために、半導体素子に外部か
ら電気的な制御信号を直接加える必要がなく光で行うた
めに、光透過率の変更も並列に且つ高速に行うことがで
きる。更に、半導体素子の光透過率を変更するための書
き込み用光の波長は、入力光の波長と同じにすることが
できるために、発光素子は一種類となり、書き込み用光
と入力光の波長が異なる場合に比して、製作が容易とな
り、且つ集積度も上がる。
発光素子から出力された書き込み用光を使用して光透過
率を連続的に変化させることができると共に、その光透
過率を有限時間だけ記憶することができる。そして、そ
の有限時間内に、同一の発光素子から任意の発光強度を
有する入力光を入射することにより、入力光強度と光透
過率との積を知ることができる。この値をもとにして修
正された発光強度を有する書き込み用光を、同一の発光
素子から入射することにより、光透過率を修正すること
ができる。これの繰り返しによって、ニューラルネット
で多用される積和演算等の処理を並列に且つ高速に行う
ことができ、しかも積演算を可変にすることができる。
更に、光透過率を変更するために、半導体素子に外部か
ら電気的な制御信号を直接加える必要がなく光で行うた
めに、光透過率の変更も並列に且つ高速に行うことがで
きる。更に、半導体素子の光透過率を変更するための書
き込み用光の波長は、入力光の波長と同じにすることが
できるために、発光素子は一種類となり、書き込み用光
と入力光の波長が異なる場合に比して、製作が容易とな
り、且つ集積度も上がる。
【0025】このように、本発明によれば、電圧を印加
する必要がなく、線型特性を示し、高速処理が可能であ
り、光コンピュータ及び光ニューロコンピューター等に
応用することができる半導体素子を得ることができる。
する必要がなく、線型特性を示し、高速処理が可能であ
り、光コンピュータ及び光ニューロコンピューター等に
応用することができる半導体素子を得ることができる。
【図1】本発明の実施例に係る半導体素子を示す断面図
である。
である。
【図2】同じく、その光記憶素子としての使用状態を示
す断面図である。
す断面図である。
【図3】従来の光記憶素子の一例を示す図である。
1,1a,1b,1c,1d;ノンドープGaAs層 2,2a,2b,2c,2d;SiドープAlAs層 3;GaAs基板 4;開口部 5;発光素子 6;受光素子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G11C 17/02 H01L 27/15 8934−4M
Claims (2)
- 【請求項1】 不純物原子がドーピングされて深い不純
物準位を有する第1の半導体層と不純物原子がドーピン
グされていない第2の半導体層とを交互に積層して構成
され、前記第1及び第2の半導体層の積層方向に書き込
み用外部光を入射して前記書き込み用外部光の一部又は
全部を吸収させ、光吸収によって電子を価電子帯から前
記深い不純物準位に励起させておき、前記電子が前記深
い不純物準位に捕獲されている間に、外部信号光を入射
することにより機能することを特徴とする半導体素子。 - 【請求項2】 前記第1の半導体層がA1Asであり、
前記第2の半導体層がGaAsであり、前記不純物原子
がSiであることを特徴とする請求項1に記載の半導体
素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4233440A JPH0685213A (ja) | 1992-09-01 | 1992-09-01 | 半導体素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4233440A JPH0685213A (ja) | 1992-09-01 | 1992-09-01 | 半導体素子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0685213A true JPH0685213A (ja) | 1994-03-25 |
Family
ID=16955080
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4233440A Pending JPH0685213A (ja) | 1992-09-01 | 1992-09-01 | 半導体素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0685213A (ja) |
-
1992
- 1992-09-01 JP JP4233440A patent/JPH0685213A/ja active Pending
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