JPH0685195U - 舶用プロペラー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 プロペラー羽根と水との間の摩擦抵抗を減少
することで、推進効率の向上を図る高性能の舶用プロペ
ラーを提供する。 【構成】 船体内に付設された水タンク８内部に設けら
れ、圧縮エアを導入して上記水タンク８内に微小気泡を
発生する水中気泡発生装置９〜１９を有し、上記水中気
泡発生装置で発生した気泡を含む水をプロペラー軸４，
プロペラーボス２０及びプロペラー羽根２の内部へ導水
管６を経てプロペラー羽根２の前縁に配設された複数の
噴出口５から噴出するようにしたこと。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、舶用プロペラー、特に、対水摩擦損失を少なくした高効率の舶用プ ロペラーに関する。

【０００２】

【従来の技術】

船舶の船尾部では、従来、図２側面図に示すように、船尾部船体０１のボッシ ング０３をプロペラー軸０４が貫通し、その後端にプロペラー０２が取り付けら れている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

舶用プロペラーは、水中で回転することで、大きな推進力を発生するのである が、その際、プロペラー羽根表面と水との間に摩擦力が働くことは避けられない 。その結果、プロペラーに供給されるエネルギは、推力として役立つのであるが 、その一部は摩擦損失となる。 そこで、このプロペラー羽根表面と水との間の摩擦力を減少することができれ ば、プロペラーの推進効率はそれだけ大きくなることになる。

【０００４】 本考案はこのような事情に鑑みて提案されたもので、摩擦抵抗を減少し、推進 効率の向上を図る高性能の舶用プロペラーを提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

そのために本考案は、船体内に付設された水タンク内部に設けられ、圧縮エア を導入して上記水タンク内に微小気泡を発生する水中気泡発生装置を有し、上記 水中気泡発生装置で発生した気泡を含む水をプロペラー軸，プロペラーボス及び プロペラー羽根の内部へ導水管を経てプロペラー羽根前淵に配設された複数の噴 出口から噴出するようにしたことを特徴とする。

【０００６】

【作用】

このような構成によれば、プロペラー羽根の前縁から、微小気泡を含む水が噴 出し、この水に含まれる微小気泡により、プロペラー羽根表面の摩擦力が減少し 、プロペラー効率が向上する。

【０００７】

【実施例】

本考案の一実施例を図面について説明すると、図１において、プロペラー羽根 ２の前縁には複数の水噴出口５が設けられ、プロペラー羽根２，ボス２０，プロ ペラー軸４の内部にはそれぞれ互いに連通する導水管６が設けられている。導水 管６はポンプ７を介して竪円筒状タンク８の上端に接続している。 タンク８の内部には、水平軸を有する短円筒状容器９が設置され、円筒状容器 ９の開口端は多孔性の気泡放出板１０で閉塞されている。なお、円筒状容器９の 外周面９ａを多孔性気泡放出板としてもよい。円筒状容器９は水平回転軸１１， 大歯車１２，小歯車１３を介してモーター１４に接続するとともに、回転軸１１ 内の軸方向通気管１６はコンプレッサー１５に接続している。

【０００８】 タンク８には船底外板１に設けられた取水口１９から取水管１８を介して海水 が取り入れられるようになっている。２１はプロペラー軸４を囲むジャケット， ６ａはプロペラー軸に放射状に複数個開けられた導水孔である。プロペラー軸４ の先端は図示省略のエンジン等の駆動源に接続されている。

【０００９】 このような装置において、モーター１４を駆動すると、タンク８内の円筒状容 器９が回転し、容器表面の多孔性の気泡放出板１０上に流れが生ずる。このとき 、コンプレッサー１５を作動させ通気管１６を介して空気を送ると、気泡放出板 １０上に微小気泡が発生する。 発生した微小気泡は回転による剪断力を受けて更に微細化され、微小気泡を含 む水がポンプ７に吸引され導水管６を通ってプロペラー羽根２表面に噴出し、微 小気泡によりプロペラー羽根表面の摩擦力が減少する。ここで、気泡放出板１０ の回転数を増せば増すほど、気泡に作用する遠心力は大になり、気泡は小径のう ちにちぎられるから、発生気泡は小径となる。

【００１０】

【考案の効果】

要するに本考案によれば、船体内に付設された水タンク内部に設けられ、圧縮 エアを導入して上記水タンク内に微小気泡を発生する水中気泡発生装置を有し、 上記水中気泡発生装置で発生した気泡を含む水をプロペラー軸，プロペラーボス 及びプロペラー羽根の内部へ導水管を経てプロペラー羽根前淵に配設された複数 の噴出口から噴出するようにしたことにより、摩擦抵抗を減少し、推進効率の向 上を図る高性能の舶用プロペラーを得るから、本考案は産業上極めて有益なもの である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す全体系統図である。

【図２】慣用の舶用プロペラーを有する船舶の船尾部を
示す側面図である。

【符号の説明】

１ 船体外板 ２ プロペラー羽根 ３ 船尾ボス ４ プロペラー軸 ５ 噴出口 ６ 導水管 ７ ポンプ ８ タンク ９ 円筒状容器 ９ａ 外周面 １０ 気泡放出板 １１ 回転軸 １２ 大歯車 １３ 小歯車 １４ モーター １５ コンプレッサー １６ 通気管 １７ 気泡 １８ 取水管 １９ 取水口 ２０ プロペラーボス ２１ ジャケット

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 船体内に付設された水タンク内部に設け
   られ、圧縮エアを導入して上記水タンク内に微小気泡を
   発生する水中気泡発生装置を有し、上記水中気泡発生装
   置で発生した気泡を含む水をプロペラー軸，プロペラー
   ボス及びプロペラー羽根の内部へ導水管を経てプロペラ
   ー羽根前縁に配設された複数の噴出口から噴出するよう
   にしたことを特徴とする舶用プロペラー。