JPH0684297B2 - 坐 剤 - Google Patents

坐 剤

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JPH0684297B2
JPH0684297B2 JP9933087A JP9933087A JPH0684297B2 JP H0684297 B2 JPH0684297 B2 JP H0684297B2 JP 9933087 A JP9933087 A JP 9933087A JP 9933087 A JP9933087 A JP 9933087A JP H0684297 B2 JPH0684297 B2 JP H0684297B2
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acid
enzyme
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徹治 岩崎
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は坐剤に関する。更に詳しくは、エステラーゼ活
性を有する酵素を含有し、直腸中での薬物の放出を長時
間コントロールできる坐剤に関する。
〔従来の技術及びその問題点〕
坐剤とは体温や分泌液によって徐々に溶けるような基剤
中に薬物を混和したもので、少量の薬物(通常10重量%
以内)と多量の基剤よりなり成形加工されたものであ
る。
坐剤の投与部位である直腸は本来吸収が目的の組織であ
る小腸とは異なり、構造は単調で、絨毛もなく、薬物を
溶かしこみ、吸収しやすくするための分泌液にも乏し
い。従って、投与後の直腸からの吸収性は坐剤の連続相
である基剤の物性により大きく左右される。
このような直腸の生理的特徴から、坐剤においては、い
かに薬物を少量の分泌液を介して粘膜面から吸収させる
かということが大きな問題であった。
そこで、各種化合物を添加することにより薬物の吸収を
改善する方法が提案されている(特開昭56-122310、同5
6-138112号各公報)。
ところで、従来より坐剤の基剤としては、体温より若干
低い融点を有する化合物、例えば油脂類、ロウ類、炭化
水素類、脂肪酸エステル類等が使われている。そのた
め、添加剤の選択範囲も限られたものにならざるを得な
い。
更に、従来提案されている方法では必ずしも十分満足の
ゆく吸収が得られず、また、持続性(徐放性)の点でも
満足ゆくものではなかった。
〔問題点を解決するための手段〕
そこで、本発明者らは鋭意研究を行った結果、体温より
やや高めの融点を有するエステル化合物を基剤とし、エ
ステラーゼ活性を有する酵素を含有させることにより薬
物の徐放性が可能となると共に吸収力が著しく高められ
ること、更には、添加剤の選択幅も広くなることを見出
し本発明を完成した。
即ち、本発明は、エステル化合物を基剤とし、エステラ
ーゼ活性を有する酵素を含有することを特徴とする坐剤
を提供するものである。
本発明に用いられるエステラーゼ活性を有する酵素とし
ては微生物由来、動物由来、植物由来のいずれの酵素も
使用でき、基剤の特徴に合わせ適当に選ぶことができ
る。微生物由来の酵素としてはアスペルギルス属、リゾ
プス属、ムコール属、バチルス属、キャンディダ属、コ
レトトリキューム属、スクレロティニア属等の微生物由
来のリパーゼが挙げられる。動物由来のものとしては牛
のすい臓や肝臓から得られるリパーゼが挙げられ、植物
由来のものとしてはヤシの実から得られるリパーゼが挙
げられる。また枯草菌由来のリパーゼ(分子量18万)も
使用できる。
本発明に用いられるエステル化合物は特に限定されず、
融点が体温以上のものであればよい。あまり融点が高す
ぎると薬物放出し始めるのに時間がかかるので、37.0〜
60.0℃の範囲のものが好ましい。より好ましくは50℃以
下である。このようなエステル化合物の具体例として
は、次の(1)〜(3)に示すもの等が挙げられる。
(1)アルコールと脂肪酸のエステル アルコールとしてはグリセリン、ソルビトール、マンニ
トール、ポリエチレングリコール、ショ糖、グルコー
ス、フルクトース、ガラクトース、高級アルコール等が
例示され、脂肪酸としては炭素数6〜30の直鎖、分岐鎖
の飽和又は不飽和脂肪酸等が例示される。
(2)天然油脂又はそのエステル交換物 ヤシ油、パーム油、それらのエステル交換物等が例示さ
れる。
(3)ロウ類 本発明において、坐剤に含まれる薬物は特に限定され
ず、例えば催眠鎮静剤である抱水クロラール、フェノバ
ルビタールナトリウム、解熱鎮痛消炎剤であるアセトア
ミノフェン、アスピリン、アミノピリン、オキシフェン
ブタゾン、スルピリン、インドメタシン、ジクロフェナ
ックナトリウム、自律神経遮断剤である臭化ブチルスコ
ポラミン、鎮咳去痰剤であるジプロフィリン、下剤浣腸
剤であるビサコジル、ホルモン剤であるベタメタゾン、
ケメプロスト、泌尿生殖器官用剤である硝酸エコナゾー
ル、硝酸ミコナゾール、抗悪性腫瘍剤であるテガフー
ル、フルオロウラシル、サラゾスルファピリジン、他に
エリスロマイシン、アンピシンナトリウムなどが挙げら
れる。
本発明の実施に当たり、必要に応じ基剤に流動パラフィ
ン、マイクロクリスタルワックス、ワセリン、又はベヘ
ン酸、ステアリン酸などの脂肪酸を加えることができ、
徐放の目的で、サイクロデキストリン、レシチン、アル
ギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリ
ウム、ポリアクリル酸ナトリウム、アラビアガム、グア
ーガムなどを加えることができる。更に、安全性の高い
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオ
シキエチレンソルビトール脂肪酸エステルなどを用いる
ことができる。
〔作用〕
本発明の坐剤が徐放性があるのは、直腸中で腸液の存在
下に酵素が作用し基剤であるエステル化合物を分解し、
薬物が溶出するためであり、吸収性が高いのは必ずしも
明確ではないが、エステル化合物の分解により生じた脂
肪酸やアルコールの作用によるものと考えられる。
〔発明の効果〕
本発明で提供される坐剤の最大の特徴は、エステラーゼ
活性を有する酵素を含有させることにより、坐剤の基剤
として融点が体温以上のエステル化合物を用いることが
可能になったことである。このため、坐薬製剤中から坐
薬原体の徐放化が可能になり、抗生物質、リューマチ剤
に対しても坐薬化が可能になったことである。
〔実施例〕
以下、実施例により本発明を詳述するが、本発明はこれ
らにより限定されるものではない。
尚、実施例及び比較例において、坐薬製剤の調製は以下
に示す方法により行った。
〈坐薬製剤調製法〉 坐薬の調製はすべて溶融法にて行った。即ち、坐薬基剤
を45〜47℃で加温融解し、薬物、酵素を添加して十分攪
拌後、坐剤成形器に注入して成形した。これらの坐剤1
個の重量は1gである。
実施例1 坐薬原体としてインドメタシン50mg、基剤として脂肪酸
トリグリセライド900mg{融点42℃、脂肪酸組成(ステ
アリン酸35%、パルチミン酸20%、ミリスチン酸11%、
ラウリン酸34%)}、酵素としてコレトトリキューム、
ラゲナリュウム(Colletotrichum lagenarium)由来リ
パーゼ粉末50mgを用い坐薬製剤を調製した。
実施例2 坐薬原体としてインドメタシン50mg、基剤としてソルビ
トールテトラ脂肪酸エステル900mg{融点40℃、脂肪酸
組成(ベヘン酸10%、ステアリン酸15%、パルミチン酸
15%、ミリスチン酸15%、ラウリン酸45%)}、酵素と
してバチルス ズブチリス(Bacillus subtilis)由来
リパーゼ粉末50mgを用い坐薬製剤を調製した。
実施例3 坐薬原体として塩酸プロプラノロール10mg、基剤として
脂肪酸ジグリセライド920mg{融点42℃、脂肪酸組成
(ベヘン酸19%、ステアリン酸15%、パルミチン酸15
%、ミリスチン酸11%、ラウリン酸40%}、酵素として
キャンディダ シリンドラシエ(Candida cylindrace
a)由来のリパーゼ粉末70mgを用い坐薬製剤を調製し
た。
比較例1 坐薬原体としてインドメタシン50mg、基剤として脂肪酸
トリグリセライド950mg{実施例1で使用したものと同
じもの}を用い坐薬製剤を調製した。
比較例2 坐薬原体としてインドメタシン50mg、基剤として脂肪酸
ジグリセライド950mg{融点36.5℃、ステアリン酸10
%、パルミチン酸12%、ミリスチン酸15%、ラウリン酸
63%}を用い坐薬製剤を調製した。
比較例3 坐薬原体として塩酸プロプラノロール10mg、基剤として
ラウリルアルコールと脂肪酸のモノエステル化物{融点
36.9℃、脂肪酸組成(パルミチン酸22%、ミリスチン酸
16%、ラウリン酸62%}を用い坐薬製剤を調製した。
実施例1〜3及び比較例1〜3で得られた坐薬製剤につ
いて、坐薬製剤からの薬物放出試験、及びウサギにおけ
る直腸吸収試験を以下に示す方法によって行った。
坐薬製剤からの薬物放出試験結果を表1に、ウサギにお
け直腸吸収試験結果を表2に示す。
〈坐薬製剤からの薬物放出試験法〉 村西(薬局,18,69(1967))の放出試験装置で行っ
た。
尚、薬物の定量は分光光度計を用いて定量した。
〈ウサギにおける直腸吸収試験〉 48時間絶食した白色雄性家兎(体重2.5〜3.5kg)12羽を
1群としたクロスオーバー法で行った。
坐薬製剤投与後肛門をプラスチック製クリップではさみ
薬物の漏出を防いだ。
血液は坐薬製剤投与直前及び投与後0.5,1,2,4,6,8,12時
間に耳静脈より採取し、直ちに3000rpmで10分間遠心分
離し、得られた血清を薬物定量の試料とした。数値は血
清1ml中の有効成分含量μgで表した。
以上の結果、高融点基剤とエステラーゼ活性を有する酵
素を併用することにより徐放効果を示すことが明確にな
った。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エステル化合物を基剤とし、エステラーゼ
    活性を有する酵素を含有することを特徴とする坐剤。
  2. 【請求項2】エステル化合物が体温以上の融点を有する
    ものである特許請求の範囲第1項記載の坐剤。
JP9933087A 1987-04-22 1987-04-22 坐 剤 Expired - Lifetime JPH0684297B2 (ja)

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JP9933087A JPH0684297B2 (ja) 1987-04-22 1987-04-22 坐 剤

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RU2070806C1 (ru) * 1991-06-25 1996-12-27 Пфайзер Инк. Пищевая композиция низкокалорийного заменителя жира, пищевые продукты, способ производства пищевых продуктов, способ получения смеси эфиров сорбита и жирной кислоты со степенью замещения 4 жирнокислотных групп и смесь эфиров сорбита и жирной кислоты со степенью замещения 4 жирнокислотных групп

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