JPH0683671B2 - 油脂のエステル交換反応方法 - Google Patents

油脂のエステル交換反応方法

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JPH0683671B2
JPH0683671B2 JP60201411A JP20141185A JPH0683671B2 JP H0683671 B2 JPH0683671 B2 JP H0683671B2 JP 60201411 A JP60201411 A JP 60201411A JP 20141185 A JP20141185 A JP 20141185A JP H0683671 B2 JPH0683671 B2 JP H0683671B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、リパーゼ(脂質分解酵素)を用いる油脂のエ
ステル交換反応方法に関する。
更に詳しくは、リパーゼを生産する微生物を培養して得
られたリパーゼを含んだ培養液に水不溶性担体を加えた
後、乾燥して得られたリパーゼ製剤を用いる油脂のエス
テル交換反応方法に関するものである。
油脂のエステル交換反応は、マーガリン、シヨートニン
グ等の加工脂の製造において、水素添加と並ぶ重要な技
術である。
〔従来の技術〕
油脂のエステル交換反応は、従来より、化学的な手法、
即ちアルカリ金属アルコラート、アルカリ金属、アルカ
リ金属水酸化物等のアルカリ性物質を触媒として用いる
方法により行われてきた。しかし、この方法では、油脂
中の脂肪酸の位置について無差別な交換がおこるため、
得られる油脂の脂肪酸の位置について特異性が全く認め
られない。即ち、従来の化学的方法によるエステル交換
は、油脂の脂肪酸の位置について非選択的であることが
欠点とされている。
最近、非選択的な従来方法にかわつて、油脂のエステル
交換を位置特異的に行わしめる方法が開発されてきてい
る。
即ち、油脂を加水分解する酵素であるリパーゼを用いる
油脂のエステル交換方法がその代表的な例である(特開
昭52-104506号公報)。
この方法によれば、リパーゼを活性化させるため反応系
中に水分が存在する事を必須の要件としている。この水
分量は、0.2〜1.0%と少量ではあるが、リパーゼは本
来、水の存在下では油脂を加水分解する酵素であるた
め、少量の水が存在する限り、油脂の加水分解によるジ
グリセリド等の副生成、あるいは、交換脂の収率低下を
裂けることができない。
副生成物であるジグリセリド等は、交換脂が目指す油脂
の特性を大幅に損うため、これを除去するために煩雑な
分離精製工程を要する。このように、前記公知の方法は
満足できるものではない。
かかる実情において、前記公知の方法が有する欠点を克
服し、油脂の加水分解を抑制し、エステル交換を効率よ
く行わしめるための方法が種々提案されている。具体的
にこれらを示すならば次の通りである。
(イ) 油脂のエステル交換に際し、リパーゼの活性化
剤として水に代わる物質として低級多価アルコールを用
い、油脂の加水分解を抑制する方法(特公昭57-6480号
公報)。
(ロ) 油脂のエステル交換反応が、油と水(リパーゼ
は水溶性である)とから成る不均一系の界面でおこる点
に着目し、この不均一な反応系に界面活性剤(乳化剤)
を加えることにより、界面での油脂とリパーゼの接触を
効率よく行わせる方法(特開昭57-198798号公報)。
(ハ) 自重の数百倍の水を吸収する特徴を有する吸水
性樹脂を用い水分量をコントロールすることにより、エ
ステル交換速度を高める方法(特開昭58-116689号公
報)。
(ニ) 油脂のエステル交換に際し、高融点の脂肪酸を
用いるかわりに、融点の低い該脂肪酸の低級アルコール
のエステルを用いることにより、反応をより均一に行な
う方法(特公昭57-27159号公報)。
(ホ) 油脂のエステル交換に際し、反応系中の水分量
を溶剤蒸気を乾燥循環することでコントロールすること
によりエステル交換速度を高め、同時に油脂の加水分解
を抑制する方法(特表昭58-500638号公報)。
しかしながら、これら公知の方法は、それぞれいくつか
の欠点を有するため、いずれも十分満足のできる方法と
は言えない。これらの欠点を具体的に示すならば次の通
りである。
(イ)の方法については、リパーゼ活性化剤として水の代
わりにグリセリンのような低級多価アルコールを用いる
のが特徴である。しかしながら、本発明者らの検討結果
によれば、加水分解反応がある程度抑制される効果は認
められるが、エステル交換反応速度が極めて遅く、目的
とする反応率を得るために1週間近い反応時間を要する
という欠点が見い出された。
(ロ)の方法では、界面活性化剤(乳化剤)の添加によ
り、油層と水層との界面における油脂とリパーゼの接触
が効果的に行われ、エステル交換が選択的に進むとされ
ている。即ち、酵素蛋白の表面での逆ミセルの形成等の
作用によつて、リパーゼと基質とのコンプレツクスを作
りやすい状態が提供され、その結果、エステル交換の反
応性が良好なものになるためと考えられている。
しかしながら、該公報中の実施例に開示されている如
く、加水分解反応の抑制は不十分であり、更には、エス
テル交換脂中に界面活性剤(乳化剤)が残存し、これが
油脂の物性を損う恐れがある。従つて、エステル交換脂
よりこれら乳化剤を除去する必要があり、これは煩雑な
処理工程を要するなど工業的な実施を考えた場合障害と
なる。
(ハ)の方法についても、油脂の加水分解を十分抑制する
ことができず、更には、樹脂中に不純物として存在する
原料モノマーが油脂中へ溶出する恐れがある。又、本発
明者らの追試によれば、吸水性樹脂は、水分との接触で
膨潤をおこし、反応容器の器壁等へ付着する。これは、
リパーゼの回収再使用を考えた場合、リパーゼの損失を
招く。
(ニ)の方法では、油脂のエステル交換に先立つて、先
ず、脂肪酸のエステルを別途製造しなければならない。
従つて、これは工程の煩雑化を招く。
(ホ)の方法では、反応系中の水分を溶剤循環乾燥により
系外へ除去するまでの間、多量の水分量によるリパーゼ
の失活が起る恐れがある。これは、リパーゼを回収再使
用する際の大きな障害となる。
叙上の如く、従来の公知の方法は、そのいずれもが、い
くつかの欠点を有し、工業的な利用を考えた場合、これ
らの欠点が障害となる。
前記公知方法以外にも、種々の方法が提案されている
が、油脂の加水分解を抑制し、エステル交換のみを行わ
しめる具体的な方法は未だ見い出されていない。
かかる実情において、本発明者らは、油脂の加水分解を
抑制し、エステル交換のみを効率よく行わしめる方法に
ついて鋭意検討した結果、新規で且つ簡便なリパーゼ活
性化法により得られる調製酵素を用いることにより、該
目的が達成できる事を見い出し、先に特許出願した(特
願昭59-110334号)。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら、前記の方法はいずれも酵素剤を油脂のエ
ステル交換反応に適用する方法であり、微生物が本来生
産するエステル交換活性を保持させる点については考慮
されていない。すなわち、一般によく行なわれているよ
うな微生物を培養して得られた培養液に糖類(ラクトー
ス、グルコース等)を添加した後乾燥粉末化する方法で
は、リパーゼのエステル交換活性が充分維持されている
とは言えない。
かかる実情において、本発明者らは微生物を培養して得
られた培養液に含まれるリパーゼのエステル交換活性を
乾燥、粉末化後も維持させることを目的に鋭意検討した
結果、該目的を達成する上で有効なリパーゼ製剤の製造
法を見い出し、それに基き本発明を完成した。
〔問題点を解決するための手段〕
即ち、本発明はリパーゼを生産する微生物を培養して得
られたリパーゼを含んだ培養液に水不溶性の担体を加
え、これを乾燥して得たリパーゼ製剤(A)とリパーゼ
活性化剤(B)からなる混合物に油脂(C)を加えて製
造されたエステル交換活性を有する調製酵素を用い、リ
パーゼ活性化剤を存在下でエステル交換反応を行うこと
を特徴とする油脂のエステル交換反応方法に関するもの
である。
本発明は、具体的には次の如くである。即ち、リパーゼ
を生産する微生物を培養して得られたリパーゼを含んだ
培養液に水不溶性の担体を加えた後、乾燥、粉末化して
得られたリパーゼ製剤(A)にリパーゼ活性化剤(B)
及び油脂(C)を加えてこれらを反応させることにより
油脂を分解させ、その後に分解生成物から別等により
油脂分を除去して調製酵素を得る。この調製酵素を用い
油脂のエステル交換反応を行う。本発明の方法により、
油脂のエステル交換反応速度を増大させ、かつ、望まし
くない油脂の加水分解も抑制する事ができる。
本発明方法を更に詳細に説明すると次の通りである。先
ず、リパーゼ製剤(A)はリパーゼを生産する微生物を
培養して得られたリパーゼを含んだ培養液及び水不溶性
の担体からなる混合物を乾燥することにより製造するこ
とができる。乾燥方法については凍結乾燥が好ましい
が、常圧乾燥あるいは減圧乾燥等の方法でもかまわな
い。乾燥温度については一般に酵素の失活が起こりにく
い低温で処理する方がよい。
本発明で使用するリパーゼについては、リパーゼによる
エステル交換反応で選択性が不良であると、アルカリ金
属触媒を用いる従来のエステル交換反応に対する格別な
優位性が認められないので、実用的には何らかの選択
性、例えばグリセリドに作用する位置の選択性とか脂肪
酸の種類に対する選択性などを有するものがよい。具体
的には、リパーゼを生産する微生物としてはグリセリド
の1,3位に特異性を有するリゾプス(Rhizopus)属、ア
スペルギルス(Aspergillus)属、ムコール(Mucor)属
及び不飽和脂肪酸に特異性を有するゲオトリクム(Geot
richum)属の微生物(菌類)を用いるとよい。また、キ
ヤンデイダ(Candida)属の微生物(酵母)を用いるこ
ともできる。例えばリゾプス・デレマー(Rhizopus del
emar)、リゾプス・ヤポニカス(Phizopus japonicu
s)、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus nigar)、
ムコール・ヤポニカス(Mucor japonicus)、ゲオトリ
クム・キヤンデイダム(Geotrichum candidum)、キヤ
ンデイダ・シリンドラシエ(Candida cylindracea)な
どである。
微生物の培養法については公知の技術でよく、例えばふ
すまを用いる固体培養法あるいは液体培養法が用いられ
る。固体培養法では、微生物を培養後、培地を水で抽出
することにより培養液が得られる。培養液は必要に応じ
て限外過による濃縮あるいは塩析・透析操作により濃
縮できる。
水不溶性の担体は、セライト、ケイソウ土、カオリナイ
ト、パーライト、シリカゲル、活性炭あるいはセルロー
スパウダーなど酵素活性に悪影響を与えないものであれ
ば使用できる。これらの水不溶性の担体は、通常単独で
用いられるが、2種以上組み合わせて用いてもよい。ま
た、これらの水不溶性の担体にグルコース、ラクトース
などの単糖類または二糖類を併用して用いても差しつか
えない。
調製酵素については、その製造方法は次に示す通りであ
る。即ち、リパーゼ活性化剤(例えば水あるいは2価又
は3価の低級アルコール)(B)と前記の特定のリパー
ゼ製剤(A)から成る混合物に油脂(C)を加えて、こ
れらを反応させる事により、油脂を分解させた後、分解
生成物から、別等により油脂分を除去する事により、
調製酵素が得られる。得られた調製酵素は、そのままの
形で、あるいは必要に応じてリパーゼ活性を損わない溶
剤類(炭化水素類)で洗浄し、更に必要に応じて乾燥処
理を施した後、これを、油脂、脂肪酸及び溶剤類(炭化
水素類)から成る反応混合物に加え反応させる事によ
り、あるいは油脂相互(油脂と油脂)及び溶剤類(炭化
水素類)から成る混合物に加え反応させる事により、油
脂のエステル交換を行う事ができる。
エステル交換反応で得られた交換脂から、液‐液抽出、
アルカリ中和、又は真空もしくは分子蒸留等従来公知の
分離、精製手段を単独又は適宜併用して、脂肪酸、少量
のモノグリセリド、ジグリセリド等を除去することによ
り、精製交換脂を得ることができる。
本発明で用いる油脂としては、一般的な植物性の油脂、
動物性の油脂もしくは加工油脂、あるいは、これらの混
合油脂が挙げられる。具体例としては、大豆油、綿実
油、ナタネ油、オリーブ油、コーン油、ヤシ油、サフラ
ワー油、牛脂、ラード、魚油等が挙げられる。更に、エ
ステル交換反応でカカオバター代用脂を目的とする場合
には、グリセリドの2位にオレイン酸を多量に含有する
油脂、例えば、パーム油、オリーブ、ツバキ油、サザン
カ油、サル脂、イリツペ脂、コクム脂、シア脂、モーラ
脂、フルワラ脂、ボルネオタロー脂又はこれらの分別油
脂を用いることができる。尚、調製酵素を製造する際に
使用する油脂と、エステル交換反応で使用する油脂は、
互いに独立して任意に選択することができるが、エステ
ル交換で使用する油脂あるいはこれに近い組成の油脂を
調製酵素製造時に使用するのが望ましい。
油脂のエステル交換は油脂と脂肪酸、又は油脂と油脂を
反応させることによつて行われる。
脂肪酸としては、炭素数8〜22の直鎖で通常自然界に存
在するものが使用される。例えば、パルミチン酸、ステ
アリン酸、オレイン酸等である。
エステル交換に際しては、前記脂肪酸以外に、脂肪酸の
アルコールエステルを用いることができる。脂肪酸のア
ルコールエステルとしては、前記脂肪酸(炭素数8〜22
の直鎖脂肪酸)と炭素数1〜6の直鎖飽和一価アルコー
ルのエステル化物が用いられる。例えば、パルミチン酸
メチル、パルミチン酸エチル、ステアリン酸メチル、ス
テアリン酸エチル等を使用することができる。油脂は、
前記した油脂(一般的な植物性油脂、動物性油脂もしく
は加工油脂あるいはこれらの混合油脂)の中から任意に
目的に応じて選ぶことができる。
本発明のエステル交換反応を溶剤中で実施する際に用い
る溶剤としては、リパーゼに対して不活性な有機溶剤を
用いることができる。この種の有機溶剤としては、n-ヘ
キサン、工業用ヘキサン、石油エーテル、石油ベンジン
等が挙げられる。尚、調製酵素製造時に用いる溶剤とし
て、エステル交換で使用する溶剤を用いることができ
る。
本発明方法のより具体的な方法は以下に示す通りであ
る。まず、リパーゼ製剤は次のようにして製造される。
即ち、リパーゼを生産する微生物を培養して得られたリ
パーゼを含んだ培養液100重量部に対し水不溶性の担体
1〜200重量部を加え攪拌後20℃以下で乾燥することに
よりリパーゼ製剤が得られる。
次に調製酵素は次のようにして製造される。即ち、リパ
ーゼ製剤、油脂及びリパーゼ活性化剤(水あるいは2価
又は3価の低級アルコール)から調製酵素を得る。これ
は油脂100重量部に対してリパーゼ製剤1〜100重量部及
びリパーゼ活性化剤0.1〜20重量部を各々加え、20〜80
℃で1〜24時間反応させることにより油脂の分解を行
う。分解温度は、前記した温度の範囲で行なわれるがリ
パーゼの作用に適した温度を選んで行うのが望ましい。
油脂の分解生成物から、別等により油脂部を除去して
調製酵素を得る。この調製酵素は、必要に応じて、リパ
ーゼの活性を損わない不活性有機溶剤、例えば前記した
n-ヘキサン、石油エーテル等の炭化水素類で調製酵素を
洗浄後、乾燥処理(加熱乾燥等は、酵素の活性を損うた
め望ましくない)を施す。
叙上の如くして調製された調製酵素を用い、油脂のエス
テル交換反応は次の如く行なう。即ち、油脂100重量部
に対して、25〜300重量部の脂肪酸(あるいは脂肪酸の
アルコールエステル又は他の油脂)、調製酵素0.1〜100
重量部及びリパーゼ活性化剤(水あるいは2価又は3価
の低級アルコール)0.01〜10重量部、更に必要に応じて
て0〜1000重量部の不活性有機溶剤から成る混合物を、
20〜80℃でかきまぜることにより行なわれる。
本発明のエステル交換反応は、通常前記温度範囲で行わ
れるが、リパーゼの作用に適した温度を選んで行う事が
望ましい。
エステル交換反応を終了した反応液中より、脂肪酸、少
量のモノグリセリド等を液‐液抽出、アルカリ中和、又
は真空もしくは分子蒸留等従来の分離・精製手段を単独
又は適宜併用する事により容易に除去する事ができる。
かくして、精製交換脂を得る事ができる。
〔発明の効果〕
本発明の効果又は利点は、リパーゼによる油脂のエステ
ル交換反応方法においてエステル交換のみを短時間で効
率よく行わしめ、併せて、油脂の加水分解反応を抑制す
る事ができる点であり、本発明は極めて生産性の高い方
法を提供するものである。
〔実施例〕
以下に、本発明を参考例、実施例、比較例等をもつて詳
細に説明する。尚、これらの例中の%はすべて重量基準
である。
参考例1(リパーゼ製剤の製造例) リゾプス・デレマー(Rhizopus delemar)をバクトソイ
トン(Bacto soytone:培地用ペプトン、米国DIFCO LABO
RATORIES 社製)5.0%、グルコース2.0%、硝酸ナトリ
ウム(NaNO3)0.1%、燐酸二水素カリウム(KH2PO4)0.
1%及び硫酸マグネシウム(MgSO4)0.05%からなる液体
培地1.5中で26℃にて5日間通気撹拌培養を行い、リ
パーゼを含む培養液を1.2得た。得られた培養液を限
外過にて脱塩し200mlまで濃縮した。次にこの濃縮液1
00容量部に対してセライト20重量部を加え撹拌後凍結乾
燥を行い24重量部のリパーゼ製剤(3000ユニツト/g)を
得た。
参考例2(調製酵素の製造法) パーム油軟質部50g、参考例1で得られたリパーゼ製剤1
0g及びイオン交換水0.5gを、40℃で12時間密閉容器中で
かきまぜ酵素反応(加水分解)を行つた。反応終了後、
不溶性物質(セライト及びリパーゼの混合物)を別に
より分取し、次いで、n-ヘキサン20mlで3回洗浄し完全
に油脂分を除いた。次いで、減圧下、20〜30℃にて1時
間乾燥することにより調製酵素を得た。
実施例1(調製酵素を用いたエステル交換反応) 参考例2で得た調製酵素を8g、パーム油中融点部(沃素
価〔IV〕=34、ジグリセリド含量1%)50g、ステアリ
ン酸50g、イオン交換水0.075g及びn-ヘキサン200mlを40
℃で2日間密閉容器中でかきまぜ酵素反応(エステル交
換反応)を行つた。反応終了後生成物より脂肪酸を留去
し生成油中のステアリン酸含量を常法にて求めエステル
交換反応率を算出した。また高速液体クロマトグラフイ
ーによりジグリセリド含量(%)を求めた。その結果を
表1に示した。
比較例1(参考例1のリパーゼ製剤を用いない調製酵素
を用いたエステル交換反応) 参考例1においてセライトに代えてラクトース20重量部
を用いたほかは参考例1と同じ方法及び条件で処理して
リパーゼ粉末(リパーゼ製剤)を得た。このものを10
g、セライト6.25g、パーム油軟質部50g及びイオン交換
水0.5gを、参考例2と同じ方法で処理して調製酵素を得
た。得られた調製酵素を13g、パーム油中融点部50g、ス
テアリン酸50g、イオン交換水0.075g及びn-ヘキサン200
mlを40℃で2日間密閉容器中でかきまぜ酵素反応を行つ
た。反応終了後に実施例1と同じ方法でエステル交換反
応率とジグリセリド含量(%)を求めた。表1にその結
果を示した。
比較例2(リパーゼ製剤を用いたエステル交換反応) 調製酵素の代わりに参考例1で得たリパーゼ製剤を8g用
いたほかは実施例1と同じ方法でエステル交換反応を行
い、エステル交換反応率及びジグリセリド含量(%)を
求めた。その結果を表1に示した。
比較例3(リパーゼ粉末を用いたエステル交換反応) 参考例1においてセライトに代えてラクトース20重量部
を用いたほかは参考例1と同じ方法及び条件で処理して
リパーゼ粉末(リパーゼ製剤)を得た。このものを8g、
セライト5g、パーム油中融点部50g、ステアリン酸50g、
イオン交換水0.075g及びn-ヘキサン200mlを40℃で7日
間密閉容器中でかきまぜ酵素反応(エステル交換反応)
を行つた。実施例1と同様にして反応終了後反応率及び
ジグリセリド含量(%)を求め表1にその結果を示し
た。表1から明らかなようにリパーゼ製剤を用いない調
製酵素(比較例1)及びリパーゼ製剤単独(比較例2)
においても相当なエステル交換活性を有しているが、リ
パーゼ製剤を用いた調製酵素(実施例1)では更に強力
なエステル交換活性を有していることは明らかである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】リパーゼを生産する微生物を培養して得ら
    れたリパーゼを含んだ培養液に水不溶性の担体を加え、
    これを乾燥して得たリパーゼ製剤(A)と活性化剤
    (B)から成る混合物に油脂(C)を加えて製造された
    エステル交換活性を有する調製酵素を用い、リパーゼ活
    性化剤の存在下でエステル交換反応を行うことを特徴と
    する油脂のエステル交換反応方法。
  2. 【請求項2】リパーゼを生産する微生物がリゾプス(Rh
    izopus)属、アスペルギルス(Aspergillus)属、ムコ
    ール(Mucor)属、ゲオトリクム(Geotrichum)属また
    はキヤンデイダ(Candida)属の微生物である特許請求
    の範囲第1項記載の油脂のエステル交換反応方法。
  3. 【請求項3】水不溶性の担体がセライト、ケイソウ土、
    カオリナイト、パーライト、シリカゲル、活性炭及びセ
    ルロースパウダーからなる群から選ばれた担体の1種ま
    たは2種以上である特許請求の範囲第1項記載の油脂の
    エステル交換反応方法。
  4. 【請求項4】リパーゼ活性化剤が水あるいは2価又は3
    価の低級アルコールのいずれかである特許請求の範囲第
    1項記載の油脂のエステル交換反応方法。
  5. 【請求項5】調製酵素が、リパーゼを生産する微生物を
    培養して得られたリパーゼを含んだ培養液に水不溶性の
    担体を加え、これを乾燥して得たリパーゼ製剤(A)と
    リパーゼ活性化剤(B)からなる混合物に油脂(C)を
    加えて、これらを反応させることにより油脂を分解させ
    た後に分解生成物から濾別等により油脂分を除去するこ
    とにより得られるものである特許請求の範囲第1項記載
    の油脂のエステル交換反応方法。
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