JPH0682A - 安定化リボザイム - Google Patents
安定化リボザイムInfo
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- JPH0682A JPH0682A JP4158389A JP15838992A JPH0682A JP H0682 A JPH0682 A JP H0682A JP 4158389 A JP4158389 A JP 4158389A JP 15838992 A JP15838992 A JP 15838992A JP H0682 A JPH0682 A JP H0682A
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Abstract
で、構成するモノリボヌクレオチドの1又は2以上が、
それに相当するモノデオキシリボヌクレオチドに置換さ
れて成り、かつ、リボザイムの触媒領域を含む部分的な
領域内で、リボザイムのリン酸エステル結合〔−O−P
(=O)(OH)−O−〕の1又は2以上が、チオリン
酸エステル結合〔−O−P(=S)(OH)−O−又は
−O−P(=O)(SH)−O−〕である、安定化リボ
ザイム。 【効果】従来のリボザイムと同様にRNA分解活性を維
持しながら、かつRNA分解酵素等に対して抵抗性を有
する、新規な安定化リボザイムを提供する。
Description
するものであり、更に詳しくは、標的RNAを特異的に
切断するリボザイムの機能は維持したまま、リボザイム
を人為的に改変して安定化分子もしくは構造とした安定
化リボザイムに関するものであり、これは医薬、動物
薬、農薬あるいは試薬等に有効に利用されうるものであ
る。
成されていると確信されていたが、1981年に酵素活
性を有するRNA分子、すなわちリボザイムが発見さ
れ、従来の酵素に関する概念は打ち破られた。この画期
的発見はコロラド大学のチェック(T. Chech)らによっ
てなされたもので、原生動物のテトラヒメナのリボソー
ムRNA(rRNA)前駆体はタンパク質の力を借りず
に、遺伝情報を伝達する上で不必要なイントロン(IV
S)をセルフスプライシングで取り除くことが証明され
た(Cell ,Vol.31, p.147-157(1982);Nature ,Vol.308,
p.820-825(1984))。その後、ホスホジエステル結合を
セルフスプライシングする触媒機能を有するRNA分子
が次々と見出されているほか、他のRNA分子を切断す
るRNA分子(リボザイム)も見つかっている。
eloff)とジャーラック(W.L.Gerlach)は、数種の植物
ウイルスのリボザイムの間で共通に保存されている塩基
配列に着目し、標的RNA結合領域を除くリボザイム分
子の大きさがわずか24塩基で構成された短鎖リボザイ
ムを、遺伝子操作技術及び酵素の手法を用いて構築する
ことに成功した(Nature ,Vol.334,p.585-591(1988);
特表平3-502638号公報)。また、大塚らは非自己のRN
A分子の切断を触媒する活性な短鎖リボザイムを化学合
成で調製している(特開平2−195883号公報)。
説明するものである。リボザイムは、標的であるRNA
分子の塩基配列を認識して塩基対を形成する結合領域C
と、24個の特定の塩基配列を有する領域B(A、G又
はUを丸印で囲った触媒活性部位を含む)から構成され
ており、標的RNAは標的RNA中のA領域(GUC)
に隣接する位置(図1中、矢印で示す)で切断される。
なお、このA領域の配列はGUCのみではなく、他の配
列でも切断されることが知られている。
に基づいてリボザイムRNAをコードするDNAを合成
し、これをプラスミドに挿入し、更にこの組換えプラス
ミドを形質転換して得られるクローンを適当な制限酵素
で切断してリボザイムRNAをコードするDNA断片を
取得し、これを鋳型としてイン・ビトロ(in vitro)で
転写することにより、あるいは化学的合成法によってリ
ボヌクレオチドを順次連結することにより得られること
は前記の文献中に記載されている。
酵素が広く分布している。リボザイムはこのRNA分解
酵素によって容易に分解を受け失活するので、安定性に
問題がある。本発明は、リボザイムの特異的なRNA分
解活性を維持したままで、RNA分解酵素の攻撃に対し
抵抗性を有する安定な修飾リボザイム、すなわち安定化
リボザイムを提供し、医薬、動物薬、農薬あるいは試薬
等に有効に利用することを目的とする。
め、本発明者らはリボザイムを安定化する種々の修飾方
法を検討した結果、リボザイムのリン酸エステル結合
〔−O−P(=O)(OH)−O−〕の一又は二以上
を、チオリン酸エステル結合〔−O−P(=S)(O
H)−O−又は−O−P(=O)(SH)−O−〕とす
ることにより、あるいはそれに加えて、リボザイムを構
成する分子もしくは構造の非触媒領域(図1において、
A、G又はUを丸印で囲った部位以外の領域)内で、構
成するモノリボヌクレオチドの一又は二以上を、それに
相当するモノデオキシリボヌクレオチドに置換すること
により、リボザイムはその特異的なRNA分解活性を維
持したままで、RNA分解酵素の攻撃に対して抵抗性を
有する安定な修飾リボザイム、すなわち安定化リボザイ
ムとなることを見出し、本発明を完成した。
に関するものである。 (1)リボザイムの触媒領域以外の部分的な領域内で、
構成するモノリボヌクレオチドの1又は2以上が、それ
に相当するモノデオキシリボヌクレオチドに置換されて
成り、かつ、リボザイムの触媒領域を含む部分的な領域
内で、リボザイムのリン酸エステル結合〔−O−P(=
O)(OH)−O−〕の1又は2以上が、チオリン酸エ
ステル結合〔−O−P(=S)(OH)−O−又は−O
−P(=O)(SH)−O−〕である、安定化リボザイ
ム。
イム。
モノリボヌクレオチド、グアニンモノリボヌクレオチ
ド、シトシンモノリボヌクレオチド、ウラシルモノリボ
ヌクレオチドを表し、網掛けのA、網掛けのG及び網掛
けのCはそれぞれアデニンモノデオキシリボヌクレオチ
ド、グアニンモノデオキシリボヌクレオチド、シトシン
モノデオキシリボヌクレオチドを表し、網掛けのXはア
デニンモノデオキシリボヌクレオチド、グアニンモノデ
オキシリボヌクレオチド、シトシンモノデオキシリボヌ
クレオチド、チミンモノデオキシリボヌクレオチドのい
ずれか任意のモノデオキシリボヌクレオチドを表し、s
はチオリン酸エステル結合〔−O−P(=S)(OH)
−O−又は−O−P(=O)(SH)−O−〕を表し、
m及びnはそれぞれ異ってもよい1又は2以上の以上の
整数を表し、*は相補的なヌクレオチド間の塩基対を表
す。)
イム。
G、網掛けのC、網掛けのX、s、m、n及び* は式
(I)と同じ意味を表す。)
が保護基で保護され、3'−水酸基は架橋構造を介して
担体に結合しているモノデオキシリボヌクレオシド(固
相)から、(a)5'−水酸基の保護基をはずしたの
ち、固相を洗浄し、(b)核酸塩基の活性基並びに2'
−及び5'−水酸基が保護基で保護されたリボヌクレオ
シド−3'−O−(β−シアノエチル)ホスホアミダイ
ト又は核酸塩基の活性基並びに5'−水酸基が保護基で
保護されたデオキシリボヌクレオシド−3'−O−(β
−シアノエチル)ホスホアミダイトを反応させ、次いで
固相を洗浄し、(c)未反応の5'−水酸基をアセチル
化したのち固相を洗浄する工程、及び酸化剤で酸化した
のち固相を洗浄する工程を、任意の順序で行い、(d)
以下、(a)〜(c)を繰り返し、(e)固相をアルカ
リ処理して、3'−水酸基と担体のあいだの結合を切
り、(f)他の保護基をはずす、ことを特徴とする上記
(1)又は(2)のいずれかの安定化リボザイムの製造
方法。
チルチウラムジサルファイドを含むものである上記
(3)の製造方法。
のいずれかの安定化リボザイムと反応させることを特徴
とする、標的RNAの切断又は不活化方法。
安定化リボザイムを有効成分とする医薬、動物薬、農薬
又は試薬。
る安定化リボザイムは、3'−又は5'−末端の水酸基が
リン酸化されたものであっても、遊離のものであっても
どちらでもよい。また、式(I)又は式(II)で表され
る安定化リボザイムのチオリン酸エステル結合には、R
型及びS型の立体異性体が存在するが、いずれでもよ
く、RS混合型であってもよい。本発明の安定化リボザ
イムの製造方法は、いわゆる固相化学合成法のうちの、
ベータシアノエチルホスホアミダイト法に基礎を置くも
のであるが、メチルホスホアミダイトを用いた場合もチ
オフェノールによる処理を追加するだけで同様に安定化
リボザイムの製造が可能である。
があり、この保護基としては例えば、ベンゾイル基、ア
ニソイル基、イソブチリル基等がある。固相から5'−
水酸基の保護基をはずすには、ジクロロ酢酸又はトリク
ロロ酢酸のジクロロメタン溶液等を用いることができ
る。2'−水酸基の保護基には例えば、t−ブチルジメ
チルシリル基等があり、また5'−水酸基の保護基には
例えば、ジメトキシトリチル基、モノメトキシトリチル
基、トリチル基等がある。
メチルイミダゾールもしくはジメチルアミノピリジンを
含む無水酢酸等によって、行うことができる。固相の洗
浄は、通常、アセトニトリルを用いて行う。酸化剤とし
ては、リン酸エステル結合を生成させるときは、ヨウ
素、水、ピリジン及びテトラヒドロフラン含有液等を用
い、チオリン酸エステル結合を生成させるときは、テト
ラエチルチウラムジサルファイド、3H,1,2−ベン
ゾジチオール−1,1−ジオキサイド等を用いる。
すにはアルカリ溶液、例えば15〜30%アンモニア等
が用いられる。このようにして合成した安定化リボザイ
ムは、逆相、イオン交換等のカラムクロマトグラフィ
ー、ポリアクリルアミドゲル電気泳動、アガロースゲル
電気泳動等の通常、核酸の精製によく用いられる方法の
一つ、又はそれらの組合せにより精製する。
切断又は不活化するので、医薬、動物薬、農薬等として
有効に利用される。標的RNAとしては、種々病原性の
ウィルス由来のRNA、ガン遺伝子由来のRNA、細胞
の増殖・分化に関係する遺伝子由来のRNA等がある。
切断又は不活化の反応は、適宜好適な条件を選べばよい
が、例えば、5〜500mMのマグネシウム又はマンガ
ンイオンの存在下、pH8.0±3.0、温度20〜7
0℃で行うとよい。
種悪性腫瘍、流行性結膜炎等の治療用医薬がある。動物
薬としては例えば、牛、豚、ニワトリ、イヌ、ネコ等の
各種ウィルス病の治療用動物薬がある。農薬としては例
えば、タバコモザイク病、イネ萎縮病、キュウリモザイ
ク病等の各種植物ウィルス病に対する農薬等がある。試
薬としては例えば、RNA分析用やRNAプロセシシン
グ用等の研究用生化学試薬や診断薬等がある。
る。 実施例1 次式(III)で表される安定化リボザイムの
合成
のG、網掛けのC、s及び* は、式(I)と同じ意味を
示す。)
オシステムズ社製、380B型)にdC−CPGカラム
(シトシン量:1μmol)を装着した後、バージョン
1.34のプログラムを用いて、以下の(1)〜(5)の
手順で、式(III)の安定化リボザイムを合成した。
ロルメタン溶液を1.6ml/minで50秒間カラム
に流して、5'−水酸基のジメトキシトリチル基を外
す。 (2)アセトニトリルでカラムを洗浄した後、5’−O
−ジメトキシトリチルデオキシグアノシン−N2−イソ
ブチル−N,N−ジイソプロピルアミノエチルホスホア
ミダイトのアセトニトリル溶液(77/ml)及び4%
(w/v)テトラゾールのアセトニトリル溶液の1:1
(容量比)混合液を1.5ml/minで10秒間給液
し、30秒間保持し、縮合反応を起こさせてホスファイ
ト結合を形成させる。 (3)アセトニトリルでカラムを洗浄後、10%(v/
v)無水酢酸及び10%(v/v)2,6−ルチジンを
含むテトラヒドロフラン溶液と16%(v/v)1−メ
チルイミダゾールを含むテトラヒドロフラン溶液の1:
1(容量比)混合液を1.5ml/minで20秒間流
し、未反応の5'−水酸基をアセチル化する。 (4)アセトニトリルで洗浄後、15%テトラエチルチ
ウラムジサルファイドを含むアセトニトリル溶液を1.
6 ml/minで23秒間流し、15分間放置し、ホスファ
イト結合をチオリン酸結合に酸化し、再びアセトニトリ
ルで洗浄する。 (5)上記の(1)〜(4)の工程を、式(III)に示した
3’側からの3番目以降の核酸塩基配列に従って繰り返
す。
Aの場合、5’−O−ジメトキシトリチル−2’−O−
t−ブチルジメチルシリル−アデノシン−N6−ベンゾ
イル−N,N’−ジイソプロピルアミノシアノエチルホ
スホアミダイト、Gの場合、5’−O−ジメトキシトリ
チル−2’−O−t−ブチルジメチルシリル−グアノシ
ン−N2−イソブチリル−N,N’−ジイソプロピルア
ミノシアノエチルホスホアミダイト、Cの場合、5’−
O−ジメトキシトリチル−2’−O−t−ブチルジメチ
ルシリル−シチジン−N4−ベンゾイル−N,N’−ジ
イソプロピルアミノシアノエチルホスホアミダイト、U
の場合、5’−O−ジメトキシトリチル−2’−O−t
−ブチルジメチルシリル−ウリジン−N,N’−ジイソ
プロピルアミノシアノエチルホスホアミダイト、網掛け
のAの場合、5’−O−ジメトキシトリチルデオキシア
デノシン−N6−ベンゾイル−N,N’−ジイソプロピ
ルアミノシアノエチルホスホアミダイト、網掛けのGの
場合、5’−O−ジメトキシトリチルデオキシグアノシ
ン−N2−イソブチリル−N,N’−ジイソプロピルア
ミノシアノエチルホスホアミダイト、網掛けのCの場
合、5’−O−ジメトキシトリチルデオキシシチジン−
N4−ベンゾイル−N,N’−ジイソプロピルアミノシ
アノエチルホスホアミダイトを用い、アミダイト試薬の
糖部分がデオキシリボースの場合は上述と同じ条件のも
の、リボースの場合は、アミダイト試薬のアセトニトリ
ル溶液(77mg/ml)と4%(w/v)テトラゾー
ルのアセトニトリル溶液の1:1(容量比)混合液を用
い、1.5ml/minで10秒間給液した後、10分
間保持して反応させた。また、チオリン酸結合ではな
く、ホスファイト結合を形成させる場合は、手順(4)
の「15%テトラエチルチウラムジサルファイドを含む
アセトニトリル溶液を1.6ml/minで23秒間流
し、15分間放置」する代わりに、「3%(w/v)ヨ
ウ素、20%(v/v)ピリジン、及び2%(v/v)H
2Oを含むテトラヒドロフラン溶液を1.6ml/minで2
5秒間流し、20秒間放置」し、ホスファイト結合をホ
スフェート結合に酸化した。
後、5'−水酸基の保護基を手順(1)と同様の方法で除
去し、30%アンモニアとエタノールの3:1(容量
比)混合液を18秒間流し、15分間放置したのちカラ
ムから合成物を切り出した。この切り出しの操作は更に
3回繰り返した。次に合成物を、55℃で8時間処理
し、核酸塩基及びリン酸基の保護基を外した。アンモニ
アとエタノールを減圧して除去後、適当量の水に溶解
し、波長260nmの吸光度を測定した。水を減圧除去
した後、波長260nmの吸光度が10となるように1
Mテトラブチルアンモニウムフルオライドのテトラヒド
ロフラン溶液(以下TBAFと略す)に溶解し、室温で
12時間放置し、2'−水酸基の保護基を除去した。加
えたTBAFと同容量の0.1Mトリエチルアンモニウ
ム−酢酸緩衝液(以下TEAAと略す)を加え、凍結乾
燥した。
イドバイオシステムズ社製)で精製した。すなわち、カ
ラムを先ず、5mlのアセトニトリル、次いで5mlの
2MのTEAAの順で洗浄し、これに予めTEAA1m
lで溶解した凍結乾燥物溶解液を1〜2滴/秒の速さで
流し、通過液を再び同様にカラムに流して目的物を吸着
させた。5mlのTEAA、続いて10mlの脱イオン
水の順でカラムを洗浄後、50%(v/v)アセトニト
リル1.8mlを1〜2滴/秒で流し、目的物を溶出し
た。
製)で精製した。すなわち、カラムはPepRPC H
R10/10、カラム温度は40℃、流速は2ml/m
inとし、移動相は初期濃度が10%(v/v)のアセ
トニトリルを含むTEAAとして、カラムに溶出液を負
荷後、移動相中のアセトニトリル濃度を1時間かけて1
0%(v/v)から60%(v/v)に直線的に増加さ
せ、目的物を溶出した。なお、目的物の溶出位置は25
4nmの吸光度を測定し、モニターした。
ボザイムの合成
G、網掛けのC、s及び* は、式(I)と同じ意味を示
す。)
成装置(アプライドバイオシステムズ社製、380B
型)にdC−CPGカラム(シトシン量:1μmol)
を装着し、バージョン1.34のプログラムを用いて、
式(IV)の安定化リボザイムを合成し、OPCカラム及
びFPLCにより精製した。
ボザイムの合成
G、網掛けのC、s及び* は、式(I)と同じ意味を示
す。)
成装置(アプライドバイオシステムズ社製、380B
型)にdC−CPGカラム(シトシン量:1μmol)
を装着し、バージョン1.34のプログラムを用いて、
式(V)の安定化リボザイムを合成し、OPCカラム及
びFPLCにより精製した。
の合成
じ意味を示す。)
成装置(アプライドバイオシステムズ社製、380B
型)にC−CPGカラム(シトシン量:1μmol)を
装着し、バージョン1.34のプログラムを用いて、式
(VI)の安定化リボザイムを合成し、OPCカラム及び
FPLCにより精製した。
(III)、(IV)及び(V)の化合物)、並びに比較の
ため合成したリボザイム(式(VI)の化合物)をそれぞ
れ0.3〜3.0μgとり、それぞれに10×カイネー
ションバッファー(100mM 塩化マグネシウム及び
100mM メルカプトエタノールを含む500mM T
ris−HCl緩衝液、pH7.6)1.0μl、[γ
−32P]ATP(370メガベクレル/mlで185テ
ラベクレル/mmolのものの5倍希釈液)0.5μ
l、T4ポリヌクレオチドキナーゼ(宝酒造)0.5μ
l及び精製水を加えて全量をそれぞれ10μlとし、3
7℃で30分間反応させた。このようにして、5'−末
端をリン酸化して32Pで標識した後、70℃で10分間
加熱処理して、T4ポリヌクレオチドキナーゼを失活さ
せた。これを20%アクリルアミドゲル中、1800ボ
ルトの電圧で約3時間電気泳動し、オートラジオグラフ
ィーで分析した(図2)。32Pで標識した安定化リボザ
イム又は合成リボザイムは、いずれも核酸塩基配列から
計算される大きさと一致し、不純物をほとんど含まない
ことが分かった。
安定性試験 実施例1、2及び3で合成した安定化リボザイム(式
(III)、(IV)及び(V)の化合物)、並びに比較の
ため合成したリボザイム(式(VI)の化合物)を各2.
4μgとり、それぞれに10×カイネーションバッファ
ー(100mM塩化マグネシウム及び100mM メル
カプトエタノールを含む500mM Tris−HCl
緩衝液、pH7.6)6μl、[γ−32P]ATP(3
70メガベクレル/mlで185テラベクレル/mmo
lのものの5倍希釈液)3.0μl、T4ポリヌクレオ
チドキナーゼ(宝酒造)1.0μl及び精製水を加え、
それぞれ全量を60μlとし、37℃で30分間反応さ
せた。このようにして、5’−末端をリン酸化して32P
で標識した後、70℃で10分間加熱処理してT4ポリ
ヌクレオチドキナーゼを失活させた。この32Pで標識し
た安定化リボザイム又は合成リボザイム溶液をそれぞれ
10μlとり、それぞれに反応停止液(9M尿素、50
mM EDTA、0.1%キシレンシアノール及び0.
1%ブロモフェノールブルーを含む)10μlを加え、
反応時間0のサンプルとした。残りの各安定化リボザイ
ム又はリボザイム溶液50μlに対し、精製水で1%の
濃度に希釈した牛血清5.5μlを加えて37℃に保温
した。保温開始後5分、1時間、3時間、6時間後にそ
れぞれ10μlずつをサンプリングシし、同量の反応停
止液に加え、分析するまで−80℃に保存した。分析
時、これらのサンプルを室温で融解後、20%ポリアク
リルアミドゲル中で電気泳動を行ない、イメージアナラ
イザを用いて分析した(図3)。
□印で示す。)は反応3時間後で約80%、6時間後に
約90%であるのに対し、本発明の式(III)の安定化
リボザイムの分解(△印で示す。)は、3時間後で約5
%、6時間後で約10%であるに過ぎず、また、本発明
の式(IV)の安定化リボザイムの分解(▽印で示す。)
は、3時間後で約35%、6時間後で約40%で、いず
れの安定化リボザイムも牛血清に対してかなり安定であ
ることが分かった。
切断活性 標的となるRNA(5’末端を32P標識した5’−GC
CGUCCCCCG−3’)10μMを基質とし、25
mM MgCl2を含む50mMトリス−塩酸緩衝液(p
H8.0)20μl中、実施例1、2もしくは3で合成
した安定化リボザイム(式(III)、(IV)又は(V)
の化合物)又は比較のため合成したリボザイム(式(V
I)の化合物)を0.05μMの濃度で、37℃で反応
させた。反応開始後、10、20、30及び40分後に
5μlずつをサンプリングし、それぞれに反応停止液
(9M尿素、50mM EDTA、0.1%キシレンシ
アノール、及び0.1%ブロモフェノールブルーを含
む)5μlを加えて、分析するまで−80℃に保存し
た。分析時、これらのサンプルを室温で融解後、20%
ポリアクリルアミドゲル中で電気泳動を行ない、イメー
ジアナライザを用いて分析した(図4)。
式(IV)で表される安定化リボザイム(図4中、△印又
は▽印で示す。)は、比較に用いたリボザイム(図4
中、□印で示す。)と同等もしくはそれよりもやや劣る
標的RNA切断能を維持していることが分かる。
分解酵素等に対して抵抗性を有する、新規な安定化リボ
ザイムを提供する。また、本発明の安定化リボザイムは
配列特異的に標的RNAを切断し、不活化することがで
きるので、RNAが原因で起こる病気の治療用医薬、動
物薬あるいは農薬に広く応用される。更に、RNAを切
断する制限酵素として診断薬、生化学試薬等の試薬とし
ても応用できるものである。
を示す模式図である。
イム)のポリアクリルアミドゲル電気泳動図である。
イム)を牛血清とともに反応させたときの安定化リボザ
イムの経時変化を示すグラフである。
較:合成リボザイム)を反応させたときの、標的RNA
の経時変化を示すグラフである。
Claims (7)
- 【請求項1】リボザイムの触媒領域以外の部分的な領域
内で、構成するモノリボヌクレオチドの1又は2以上
が、それに相当するモノデオキシリボヌクレオチドに置
換されて成り、かつ、リボザイムの触媒領域を含む部分
的な領域内で、リボザイムのリン酸エステル結合〔−O
−P(=O)(OH)−O−〕の1又は2以上が、チオ
リン酸エステル結合〔−O−P(=S)(OH)−O−
又は−O−P(=O)(SH)−O−〕である、安定化
リボザイム。 - 【請求項2】式(I)で表される安定化リボザイム。 【化1】 (式(I)中、A、G、C、及びUはそれぞれアデニン
モノリボヌクレオチド、グアニンモノリボヌクレオチ
ド、シトシンモノリボヌクレオチド、ウラシルモノリボ
ヌクレオチドを表し、網掛けのA、網掛けのG及び網掛
けのCはそれぞれアデニンモノデオキシリボヌクレオチ
ド、グアニンモノデオキシリボヌクレオチド、シトシン
モノデオキシリボヌクレオチドを表し、網掛けのXはア
デニンモノデオキシリボヌクレオチド、グアニンモノデ
オキシリボヌクレオチド、シトシンモノデオキシリボヌ
クレオチド、チミンモノデオキシリボヌクレオチドのい
ずれか任意のモノデオキシリボヌクレオチドを表し、s
はチオリン酸エステル結合〔−O−P(=S)(OH)
−O−又は−O−P(=O)(SH)−O−〕を表し、
m及びnはそれぞれ異ってもよい1又は2以上の整数を
表し、*は相補的なヌクレオチド間の塩基対を表す。) - 【請求項3】式(II)で表される安定化リボザイム。 【化2】 (式(II)中、A、G、C、U、網掛けのA、網掛けの
G、網掛けのC、網掛けのX、s、m、n及び* は式
(I)と同じ意味を表す。) - 【請求項4】核酸塩基の活性基及び5'−水酸基が保護
基で保護され、3'−水酸基は架橋構造を介して担体に
結合しているモノデオキシリボヌクレオシド(固相)か
ら、(a)5'−水酸基の保護基をはずしたのち、固相
を洗浄し、(b)核酸塩基の活性基並びに2'−及び5'
−水酸基が保護基で保護されたリボヌクレオシド−3'
−O−(β−シアノエチル)ホスホアミダイト又は核酸
塩基の活性基並びに5'−水酸基が保護基で保護された
デオキシリボヌクレオシド−3'−O−(β−シアノエ
チル)ホスホアミダイトを反応させ、次いで固相を洗浄
し、(c)未反応の5'−水酸基をアセチル化したのち
固相を洗浄する工程、及び酸化剤で酸化したのち固相を
洗浄する工程を、任意の順序で行い、(d)以下、
(a)〜(c)を繰り返し、(e)固相をアルカリ処理
して、3'−水酸基と担体のあいだの結合を切り、
(f)他の保護基をはずす、ことを特徴とする請求項1
又は請求項2のいずれかに記載の安定化リボザイムの製
造方法。 - 【請求項5】酸化剤がヨウ素及び/又はテトラエチルチ
ウラムジサルファイドを含むものである請求項3記載の
製造方法。 - 【請求項6】標的RNAを請求項1又は請求項2のいず
れかに記載の安定化リボザイムと反応させることを特徴
とする、標的RNAの切断又は不活化方法。 - 【請求項7】請求項1又は請求項2のいずれかに記載の
安定化リボザイムを有効成分とする医薬、動物薬、農薬
又は試薬。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4158389A JPH0682A (ja) | 1992-06-18 | 1992-06-18 | 安定化リボザイム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4158389A JPH0682A (ja) | 1992-06-18 | 1992-06-18 | 安定化リボザイム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0682A true JPH0682A (ja) | 1994-01-11 |
Family
ID=15670663
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4158389A Pending JPH0682A (ja) | 1992-06-18 | 1992-06-18 | 安定化リボザイム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0682A (ja) |
-
1992
- 1992-06-18 JP JP4158389A patent/JPH0682A/ja active Pending
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