JP3240304B2 - 安定化リボザイム - Google Patents

安定化リボザイム

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JP3240304B2
JP3240304B2 JP22446191A JP22446191A JP3240304B2 JP 3240304 B2 JP3240304 B2 JP 3240304B2 JP 22446191 A JP22446191 A JP 22446191A JP 22446191 A JP22446191 A JP 22446191A JP 3240304 B2 JP3240304 B2 JP 3240304B2
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和誠 多比良
博継 宮代
諭 西川
則子 湯山
香央理 中川
富美子 西川
英勝 前田
浩 井筒
隆 嶋山
淳 大川
宗一 岡部
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Showa Denko Materials Co Ltd
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Hitachi Chemical Co Ltd
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Showa Denko Materials Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、安定化リボザイムに関
するものであり、更に詳しくは、標的RNAを特異的に
切断するリボザイムの機能は維持したまま、リボザイム
を人為的に改変して安定化分子もしくは構造としたもの
に関するものであり、これは医薬、動物薬、農薬あるい
は試薬等の分野で有効に利用されうるものである。
【0002】
【従来の技術】従来、すべての酵素はタンパク質から構
成されていると確信されていたが、1981年に酵素活
性を有するRNA分子、すなわちリボザイムが発見さ
れ、従来の酵素に関する概念は打ち破られた。この画期
的発見はコロラド大学のチェック(T. Chech)らによっ
てなされたもので、彼らは原生動物のテトラヒメナのリ
ボソームRNA(rRNA)前駆体はタンパク質の力を
借りずに、遺伝情報を伝達する上で不必要なイントロン
(IVS)をセルフスプライシングにより取り除くこと
を証明した(Cell ,Vol.31, p.147-157(1982);Nature ,
Vol.308, p.820-825(1984)) 。
【0003】その後、ホスホジエステル結合をセルフス
プライシングする触媒機能を有するRNA分子が次々と
見出されているほか、他のRNA分子を切断するRNA
分子( リボザイム) も見つかっている。このような中
で、最近、ハセロフ(J. Haseloff )とジャーラック
(W.L.Gerlach )は、数種の植物ウイルスのリボザイム
の間で共通に保存されている塩基配列に着目し、触媒活
性部位がわずか24塩基で構成された短鎖リボザイム
を、遺伝子操作技術及び酵素の手法を用いて構築するこ
とに成功した(Nature ,Vol.334,p.585-591(1988) ;特
表平3-502638号公報)。また、大塚らは非自己のRNA
分子の切断を触媒する活性な短鎖リボザイムを化学合成
で調製している(特開平2−195883号公報)。
図1は短鎖リボザイムの構造と作用部位を説明するもの
で、リボザイムは、標的であるRNA分子の塩基配列を
認識して塩基対を形成する結合部位Cと、24個の特定
の塩基配列を有する領域B(触媒活性部位を含む)から
構成されており、標的RNAは標的RNAのA部分(G
UC)に隣接する位置(図1中、矢印で示す)で切断さ
れる。なお、このA部分の配列はGUCのみでなく、他
の配列も可能である。
【0004】リボザイムは、リボザイムの核酸塩基配列
に基づいてリボザイムRNAをコードするDNAを合成
し、これをプラスミドに挿入し、更にこの組換えプラス
ミドを形質転換して得られたクローンを適当な制限酵素
で切断してリボザイムRNAをコードするDNA断片を
取得し、これを鋳型としてイン・ビトロ(in vitro)で
転写することにより、あるいは化学的合成法によってリ
ボヌクレオチドを順次連結することにより得られること
は前記の文献中に記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】自然界にはRNA分解
酵素が広く分布している。リボザイムはこのRNA分解
酵素によって容易に分解を受け失活するので、安定性に
問題がある。本発明は、特異的なRNA分解活性は維持
したままで、RNA分解酵素の攻撃に対しては抵抗性を
有する安定な修飾リボザイム、すなわち安定化リボザイ
ムを提供し、医薬、動物薬、農薬あるいは試薬等の分野
に有効に利用することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
種々検討した結果、リボザイムを構成する分子もしくは
構造の非触媒領域内で、構成するモノリボヌクレオチド
の1又は2以上を、それに相当するモノデオキシリボヌ
クレオチドに置換するか、及び/又は、リボザイムのリ
ン酸エステル結合〔−O−P(=O)(OH)−O−〕
の1又は2以上を、チオリン酸エステル結合〔−O−P
(=S)(OH)−O−又は−O−P(=O)(SH)
−O−〕とするかにより、リボザイムはその特異的なR
NA分解活性は維持したままで、RNA分解酵素の攻撃
に対して抵抗性を有する安定な修飾リボザイム、すなわ
ち安定化リボザイムとなることを見出し、本発明を完成
した。
【0007】すなわち、本発明が提供する安定化リボザ
イムとしては、下記の(1)〜(12)がある。 (1)リボザイムの部分的な領域内で、構成するモノリ
ボヌクレオチドの1又は2以上が、それに相当するモノ
デオキシリボヌクレオチドに置換されて成る、安定化リ
ボザイム。
【0008】(2)リボザイムの部分的な領域内で、リ
ボザイムのリン酸エステル結合〔−O−P(=O)(O
H)−O−〕の1又は2以上が、チオリン酸エステル結
合〔−O−P(=S)(OH)−O−又は−O−P(=
O)(SH)−O−〕である、安定化リボザイム。 (3)リボザイムの部分的な領域内で、構成するモノリ
ボヌクレオチドの1又は2以上が、それに相当するモノ
デオキシリボヌクレオチドに置換されて成り、かつ、上
記領域内で、リン酸エステル結合〔−O−P(=O)
(OH)−O−〕の1又は2以上が、チオリン酸エステ
ル結合〔−O−P(=S)(OH)−O−又は−O−P
(=O)(SH)−O−〕である、安定化リボザイム。
【0009】(4)リボザイムの部分的な領域がリボザ
イムの非触媒領域である、上記(1)ないし(3)のいずれ
かの安定化リボザイム。 (5)リボザイムが式(I)で表されるものである上記
(1)ないし(4)のいずれかの安定化リボザイム。
【0010】
【化17】
【0011】(式(I)中、A、G、C、及びUはそれぞ
れアデニンモノリボヌクレオチド、グアニンモノリボヌ
クレオチド、シトシンモノリボヌクレオチド、ウラシル
モノリボヌクレオチドを表し、Bは0(((Y)P と(Y)q
が分離した状態を意味する)、結合((Y)P と(Y)q がリ
ン酸結合した状態を意味する)、又はモノリボヌクレオ
チドないしオリゴリボヌクレオチドを表し、Xは上記
A,G,C及びUのいずれか任意のモノリボヌクレオチ
ドを表し、Yは相補することのできる上記A、G、C及
びUのいずれか任意のモノリボヌクレオチドを表し、m
及びnはそれぞれ異ってもよい1以上の整数を表し、p
及びqは0以上の整数を表し、*は相補的なリボヌクレ
オチド間の塩基対を表す。) (6)リボザイムが式(II)で表されるものである上記
(1)ないし(4)のいずれかの安定化リボザイム。
【0012】
【化18】
【0013】(式(II)中、A、G、C、U、X、m、
n、及び*は式(I) と同じ意味を表す。) (7)リボザイムが式(III) で表されるものである上記
(1)ないし(4)のいずれかの安定化リボザイム。
【0014】
【化19】
【0015】(式(III) 中、A、G、C、U、X、Y、
B、m、n、p、q及び*は式(I)と同じ意味を表し、
Dは結合((Y)r と(Y)s がリン酸結合した状態を意味す
る)、又はモノリボヌクレオチドで乃至オリゴリボヌク
レオチドを表し、Eは0((Y)v と(Y)w が分離した状態
を意味する)、結合((Y)v と(Y)w がリン酸結合した状
態を意味する)、又はモノリボヌクレオチド乃至オリゴ
リボヌクレオチドを表し、l、o、r、s、v及びwは
それぞれ異なってもよい0以上の整数を表す。) (8)リボザイムが式(IV)で表されるものである上記
(1)ないし(4)のいずれかの安定化リボザイム。
【0016】
【化20】
【0017】(式(IV)中、A、G、C、U、X、Y、
B、D、E、m、n、l、o、r、s、v及びwは及び
*は式(III) と同じ意味を表す。) (9)式(V) で表される安定化リボザイム。
【0018】
【化21】
【0019】(式(V) 中、A、G、C、U、X、m、n
及び*は式(I) と同じ意味を表し、下線付きのは上記
A、G、C及びUのいずれか任意のモノリボヌクレオチ
ドの、それぞれに相当するモノデオキシリボヌクレオチ
ドを表す。) (10)式(VI)で表される安定化リボザイム。
【0020】
【化22】
【0021】(式(VI)中、A、G、C、U、X、m、n
及び*は式(I)と同じ意味を表し、下線付きの
、及びはそれぞれアデニンモノリボヌクレオチド、
グアニンモノリボヌクレオチド、シトシンモノリボヌク
レオチド及びそれらいずれかの任意のモノリボヌクレオ
チドの、それぞれに相当するモノデオキシリボヌクレオ
チドを表す。) (11)式(VII) で表される安定化リボザイム。
【0022】
【化23】
【0023】(式(VII) 中、A、G、C、U、X、m、
n及び*は式(I) と同じ意味を表し、網かけのA、G、
C、及びXはそれぞれアデニンモノリボヌクレオチド、
グアニンモノリボヌクレオチド、シトシンモノリボヌク
レオチド及び任意のモノリボヌクレオチドのリン酸エス
テル結合〔−O−P(=O)(OH)−O−〕が、チオ
リン酸エステル結合〔−O−P(=S)(OH)−O−
又は−O−P(=O)(SH)−O−〕であるものを表
す。) (12)式(VIII)で表される安定化リボザイム。
【0024】
【化24】
【0025】(式(VIII)中、A、G、C、U、X、m、
n及び*は式(I)と同じ意味を表し、二重下線のA、
G、C、及びXはそれぞれアデニンモノリボヌクレオチ
ド、グアニンモノリボヌクレオチド、シトシンモノリボ
ヌクレオチド及びそれらいずれか任意のモノリボヌクレ
オチドの、それぞれに相当するモノデオキシリボヌクレ
オチドであり、かつ、そのリン酸エステル結合〔−O−
P(=O)(OH)−O−〕がチオリン酸エステル結合
〔−O−P(=S)(OH)−O−又は−O−P(=
O)(SH)−O−〕であるものを表す。) 本発明において、式(I)〜式(VIII)で表されるリボザイ
ム又は安定化リボザイムの3' 又は5' 末端の水酸基は
リン酸化されたものであっても、遊離のものであっても
どちらでもよい。
【0026】本発明におけるリボザイムとしては、天然
のリボザイム、天然のリボザイム中の塩基対を形成する
結合部位C及び特定の塩基配列を有する領域から構築し
た短鎖リボザイム、更には短鎖リボザイムの3' 末端又
は3' 、5' 両末端がヘアピン構造をとるようにリボヌ
クレオチドが付加されたRNA分子等があるが、RNA
分子の大きさは合成の容易さ、医薬等への応用を考慮す
るとできるだけ小さいほうがよい。 これらリボザイム
の更に具体的なものとしては、テトラヒメナのrRNA
の自己切断部位から設計された(標的RNAを切断する
ことのできる)RNA、アボガドサンブロッチウイロイ
ドRNAやイモリのサテライトDNA由来RNAの自己
切断部位から設計された(標的RNAを切断することの
できる)RNA、タバコリングスポットウイルスのサテ
ライトRNAの自己切断部位から設計された(標的RN
Aを切断することのできる)RNA、デルタ肝炎ウイル
スのゲノムRNAの自己切断部位から設計された(標的
RNAを切断することのできる)RNA等を挙げること
ができる。
【0027】リボザイムを構成するモノリボヌクレオチ
ドは通常、それぞれアデニン、シトシン、グアニン及び
ウラシルを塩基としてもつアデニンモノリボヌクレオチ
ド、シトシンモノリボヌクレオチド、グアニンモノリボ
ヌクレオチド及びウラシルモノリボヌクレオチドであ
る。本発明において、構成するモノリボヌクレオチドに
相当するモノデオキシリボヌクレオチドとは、アデニン
モノリボヌクレオチドに対しては2'−デオキシアデニ
ンモノリボヌクレオチドのことであり、シトシンモノリ
ボヌクレオチド対しては2'−デオキシシトシンモノリ
ボヌクレオチドのことであり、グアニンモノリボヌクレ
オチド対しては2' −デオキシグアニンモノリボヌクレ
オチドのことであり、ウラシルモノリボヌクレオチド対
しては2'−デオキシチミンモノリボヌクレオチド又は
2'−デオキシウラシルモノリボヌクレオチドのことで
ある。
【0028】本発明において、リボザイムの部分的な領
域とは、リボザイム分子全体をさすのではなく、それを
構成するモノリボヌクレオチドの1又は2以上が連結し
たある部分の領域を指し、このような領域はリボザイム
内に1又は2か所以上存在する。リボザイムの構造はそ
の機能の面から、RNA切断活性に直接関与する触媒部
位(図1においては、Bで表される領域の中の丸印で示
した部分)、標的RNAと相補的塩基対を形成する結合
部位(図1においては、Cで表される部位)及びその他
の領域(図1においては、Bで表される領域から触媒部
位を除いた部位)に分けられる。RNA切断活性に直接
関与する触媒部位以外の標的RNAと相補的塩基対を形
成する結合部位及びその他の領域を、本発明ではリボザ
イムの非触媒領域という。
【0029】本発明において、構成するモノリボヌクレ
オチドの1又は2以上が、それに相当するモノデオキシ
リボヌクレオチドに置換され、及び/又はリン酸エステ
ル結合〔−O−P(=O)(OH)−O−〕の1又は2
以上が、チオリン酸エステル結合〔−O−P(=S)
(OH)−O−もしくは−O−P(=O)(SH)−O
−〕とされるリボザイムの領域は、上記でいう意味のリ
ボザイムの非触媒領域がよい。これらの置換又はチオリ
ン酸エステル化をリボザイムの触媒領域内で行わせる
と、標的RNAを切断する触媒活性が低下し、あるいは
失われる。
【0030】また、チオリン酸エステル結合には、R型
及びS型の立体異性体が存在するが、いずれでもよく、
RS混合型であってもよい。本発明は下記(13)〜
(14)のとおり、安定化リボザイムの製造方法も提供
する。 (13)核酸塩基の活性基並びに2'−及び5' −水酸
基は保護基で保護され、3' −水酸基は架橋構造を介し
て担体に結合しているモノリボヌクレオシド又は核酸塩
基の活性基並びに3'-及び5'-水酸基は保護基で保護さ
れ、2' −水酸基は架橋構造を介して担体に結合してい
るモノリボヌクレオシド或いはこれらの混合物、又は、
核酸塩基の活性基並びに5' −水酸基は保護され、3'
−水酸基は架橋構造を介して担体に結合しているモノデ
オキシリボヌクレオシド(固相)から、(a)5' −水
酸基の保護基をはずしたのち、固相を洗浄し、(b)核
酸塩基の活性基並びに2' −及び5' −水酸基が保護基
で保護されたリボヌクレオシド−3' −O−(β−シア
ノエチル)ホスホアミダイト又は核酸塩基の活性基並び
に5' −水酸基が保護基で保護されたデオキシリボヌク
レオシド−3' −O−(β−シアノエチル)ホスホアミ
ダイトを反応させ、次いで固相を洗浄し、(c)未反応
の5' −水酸基をアセチル化し、次いで固相を洗浄する
工程、及び酸化剤で酸化し、次いで固相を洗浄する工程
を任意の順序で行ない、(d)以下、(a)〜(c)を
繰り返し、(e)固相をアルカリ処理して、2' −また
は3' −水酸基と担体のあいだの結合を切り、(f)他
の保護基をはずす、ことを特徴とする上記(1)ないし
(12)のいずれかの安定化リボザイムの製造方法。
【0031】(14)酸化剤がヨウ素および/またはテ
トラエチルチウラムジサルファイドを含むものである上
記(13)の製造方法。本発明の製造方法は、いわゆる
固相化学合成法のうちの、ベータシアノエチルホスホア
ミダイト法に基礎を置くものであるが、メチルホスホア
ミダイトを用いた場合もチオフェノールによる処理を追
加するだけで同様な製造が可能である。
【0032】核酸塩基の活性基としてはアミノ基があ
り、この保護基には例えば、ベンゾイル基、アニソイル
基、イソブチリル基等がある。固相から5' −水酸基の
保護基をはずすには、トリクロル酢酸又はジクロロ酢酸
のジクロロメタン溶液等を用いることができる。2' −
水酸基の保護基には例えば、t−ブチルジメチルシリル
基等があり、また5' −水酸基の保護基には例えば、ジ
メトキシトリチル基、モノメトキシトリチル基、トリチ
ル基等がある。
【0033】未反応の5' −水酸基のアセチル化は1−
メチルイミダゾールもしくはジメチルアミノピリジンを
含む無水酢酸等によって、行うことができる。固相の洗
浄は、通常、アセトニトリルを用いて行う。酸化剤とし
ては、リン酸エステル結合を生成させるときは、ヨウ
素、水、ピリジン及びテトラヒドロフラン含有液等を用
い、チオリン酸エステル結合を生成させるときは、テト
ラエチルチウラムジサルファイド等を用いる。
【0034】固相から目的の安定化リボザイムを切り出
すにはアルカリ溶液、例えば15〜30%アンモニア等
が用いられる。このようにして合成した安定化リボザイ
ムは、逆相、イオン交換等のカラムクロマトグラフィ
ー、ポリアクリルアミドゲル電気泳動、アガロースゲル
電気泳動等の通常、核酸の精製によく用いられる方法の
一つ、又はそれらの組合せにより精製する。
【0035】更に、本発明は下記(15)及び(16)
のとおり、安定化リボザイムの使用方法あるいは用途を
提供する。 (15)標的RNAを上記(1)ないし(12)のいず
れかの安定化リボザイムと反応させることを特徴とす
る、標的RNAの切断又は不活化方法。 (16)上記(1)ないし(12)のいずれかの安定化
リボザイム或いはその混合物を有効成分とする医薬、動
物薬、農薬又は試薬。
【0036】標的RNAとしては、種々病原性のウィル
ス由来のRNA、ガン遺伝子由来のRNA、細胞の増殖
・分化に関係する遺伝子由来のRNA等がある。切断又
は不活化の反応の条件は5〜500 mMのマグネシウム又
はマンガンイオンの存在下、pH8.0±3.0、温度
20〜70℃で行う。医薬としては例えば、エイズ、白
血病、各種悪性腫瘍、流行性結膜炎等の治療用医薬があ
る。
【0037】動物薬としては例えば、牛、豚、ニワト
リ、イヌ、ネコ等の各種ウィルス病の治療用動物薬があ
る。農薬としては例えば、タバコモザイク病、イネ萎縮
病、キュウリモザイク病等の各種植物ウィルス病に対す
る農薬等がある。試薬としては例えば、RNA分析用や
RNAプロセシシング用等の研究用生化学試薬や診断薬
等がある。
【0038】
【実施例】以下実施例により、本発明を詳細に説明す
る。 実施例1 式(IX)で表される安定化リボザイムの合成
【0039】
【化25】
【0040】(式(IX)中、A、G、U、C及び*は式
(V) と同じ意味を示し、下線付きのはデオキシグアニ
ンモノリボヌクレオチド、下線付きのはデオキシシト
シンモノリボヌクレオチドを示す) DNA/RNA合成装置(アプライドバイオシステムズ
社製、380B型)にdC−CPGカラム(シトシン量
1μmol)を装着したのち、バージョン1.34の
プログラムを用いてベータシアノエチルホスホアミダイ
ト法で式(IX)の安定化リボザイムを合成した。
【0041】合成工程は次の(1) 〜(5) のとおりであ
る。(1) 2%(w/v) トリクロル酢酸のジクロルメタ
ン溶液を1.6 ml/minで50秒間カラムに流し
て、5' 水酸基のジメトキシトリチル基をはずし、(2)
アセトニトリルでカラムを洗浄したのち、5' −O−ジ
メトキシトリチルデオキシグアノシン−N2−イソブチ
ル−N,N−ジイソプロピルアミノエチルホスホアミダ
イトのアセトニトリル溶液(77mg/ml)及び4%
(w/v) テトラゾールのアセトニトリル溶液の1:1
(容量比)混合液を1.5ml/minで10秒間給液
したのち、30秒間保持して、縮合反応を起こさせてホ
スファイト結合を形成させ、(3)アセトニトリルでカラ
ムを洗浄後、10%(v/v)無水酢酸及び10%(v
/v)2,6−ルチジンを含むテトラヒドロフラン溶液
と16%(v/v)1−メチルイミダゾールを含むテト
ラヒドロフラン溶液の1:1(容量比)混合液を1.5
ml/minで20秒間流し、未反応の5' 水酸基をア
セチル化し、(4) アセトニトリルで洗浄後、3%(w/
v) ヨウ素、20%(v/v) ピリジン、及び2%(v
/v) H2Oを含むテトラヒドロフラン溶液を1.6
ml/minで25秒間流した後20秒間放置しホスフ
ァイト結合をホスフェート結合に酸化したのち、アセト
ニトリルで洗浄し、(5) 上記の(1) 〜(4) の工程を、式
(IX)に示した3' 側からの3番目以降の核酸塩基配列に
従って繰り返す。
【0042】ここで、工程(2) のアミダイト試薬は、A
の場合、5' −O−ジメトキシトリチル−2' −O− t
−ブチルジメチルシリル−アデノシン−N6−ベンゾイ
ル−N,N'−ジイソプロピルアミノシアノエチルホス
ホアミダイト、Gの場合、5'−O−ジメトキシトリチ
ル2' −O− t−ブチルジメチルシリル−グアノシン−
2−イソブチリル−N,N−ジイソプロピルアミノシ
アノエチルホスホアミダイト、Cの場合、5' −O−ジ
メトキシトリチル−2' −O− t−ブチルジメチルシリ
ル−シチジン−N4−ベンゾイル−N,N' −ジイソプ
ロピルアミノシアノエチルホスホアミダイト、Uの場
合、5' −O−ジメトキシトリチル−2'−O− t−ブ
チルジメチルシリル−ウリジン−N,N'-ジイソプロピ
ルアミノシアノエチルホスホアミダイト、下線付き
場合、5' −O−ジメトキシトリチルデオキシグアノシ
ン−N2−イソブチル−N,N' −ジイソプロピルアミ
ノシアノエチルホスホアミダイト、下線付きの場合、
5' −O−ジメトキシトリチル−シチジン−N4−ベン
ゾイル−N,N' −ジイソプロピルアミノシアノエチル
ホスホアミダイトを用い、アミダイト試薬の糖部分がデ
オキシリボースの場合は上述と同じ条件のもの、リボー
スの場合は、アミダイト試薬のアセトニトリル溶液( 7
7mg/ml) と4%(w/v) テトラゾールのアセト
ニトリル溶液の1:1(容量比)混合液を用い、1.5
ml/minで10秒間給液したのち、10分間保持し
て反応させた。
【0043】全てのアミダイト試薬の反応を終えた後、
5’水酸基の保護基を工程(1) と同様の方法で除去し、
30%アンモニアとエタノールの3:1(容量比)混合
液を18秒間流し、つづいて15分間放置してカラムか
ら合成物を切り出し、この切り出す操作を更に3回繰り
返した。この合成物を、55℃で8時間処理し、核酸塩
基とリン酸基の保護基をはずした.アンモニアとエタノ
ールを減圧して除去したのち、適当量の水に溶解し、波
長260nmの吸光度を測定した。水を減圧除去したの
ち、波長260nmの吸光度が10となるように1Mテ
トラブチルアンモニウムフルオライドのテトラヒドロフ
ラン溶液(以下TBAFと略す)に溶解し、室温で12
時間放置し2’水酸基の保護基を除去した。次に、加え
たTBAFと同量の0.1Mトリエチルアンモニウム−
酢酸緩衝液(以下TEAAと略す)を加えた後、凍結乾
燥した。
【0044】凍結乾燥物にTEAAを1ml加えて溶解
し、OPCカラムで精製した。すなわち、まず、5ml
のアセトニトリル、次いで5mlの2MのTEAAの順
でカラムを洗浄し、これに凍結乾燥物溶解液を1〜2滴
/秒で流し、通過液を再び同様にカラムに流して目的物
を吸着させた。5mlのTEAA、つづいて10mlの
脱イオン水の順でカラムを洗浄した。その後、50%ア
セトニトリル1.8mlを1〜2滴/秒で流し、目的物
を溶出した。
【0045】溶出液は更にFPLC(ファルマシア社
製)で精製した。カラムは、PepRPC HR10/
10を用い、カラム温度40℃、流速2ml/minで
10%(v/v)アセトニトリルを含むTEAAを移動
相として用いた。粗精製物をカラムに負荷した後、移動
相中のアセトニトリル濃度を1時間かけて10%(v/
v)から60%(v/v)に直線的に増加させることに
よって目的物を溶出した。なお、溶出液は254nmの
吸光度を測定して目的物の溶出位置をモニターした。
【0046】実施例2 式(X) で表される安定化リボザ
イムの合成
【0047】
【化26】
【0048】(式(X) 中、A、G、U、C、下線付きの
及び*は式(VI)と同じ意味を示す。) 核酸
塩基配列に従い、実施例1と同様の方法で式(X) で表さ
れる安定化リボザイムの合成及び精製を行った。 実施例3 式(XI)で表される安定化リボザイムの合成
【0049】
【化27】
【0050】(式(XI)中、A、G、U、C、網かけA、
G、C及び*は式(VII) と同じ意味を示す。) 核酸塩基配列に従い、実施例1もしくは2と同様の方法
で式(XI)で表される安定化リボザイムの合成及び精製を
行った。ただし、チオリン酸結合を形成させる反応を行
う場合には、(4) の工程においては、3%(w/v)ヨ
ウ素、20%(v/v)ピリジン、及び2%(v/v)
H Oを含むテトラヒドロフラン溶液を1.6 ml/
minで25秒間流す代わりに、15%テトラエチルチ
ウラムジサルファイドを含むアセトニトリル溶液を1.
6 ml/minで23分間流した後15分間放置し
た。
【0051】実施例4 式(XII) で表される安定化リボ
ザイムの合成
【0052】
【化28】
【0053】(式(XII) 中、A、G、U、C、2重下線
のA、G、C及び*は式(VIII)と同じ意味を示す。) 核酸塩基配列に従い、実施例1もしくは2と同様の方法
で式(XII) で表される安定化リボザイムの合成及び精製
を行った。ただし、チオリン酸結合を形成させる反応を
行う場合には、(4) の工程においては、3%(w/v)
ヨウ素、20%(v/v)ピリジン、及び20%(v/
v)H Oを含むテトラヒドロフラン溶液を1.6 m
l/minで25秒間流す代わりに、15%テトラエチ
ルチウラムジサルファイドを含むアセトニトリル溶液を
1.6 ml/minで23秒間流した後15分間放置
した。
【0054】比較例1 式(XIII)で表されるリボザイム
の合成
【0055】
【化29】
【0056】式(XIII) 中、A、G、U、C、及び*は
式(I)と同じ意味を示す。) 核酸塩基配列に従い、実施例1と同様の方法で式(XIII)
で表されるリボザイムの合成及び精製を行った。 試験例1 安定化リボザイムの純度試験 実施例1〜4で得られた安定化リボザイム( 式IX〜XII
の化合物)及び比較のためのリボザイム(式XIIIの化合
物)各0.3〜3.0μgをとり、それぞれに10×カ
イネーションバッファー(100mM 塩化マグネシウ
ム及び100mMメルカプトエタノールを含む500m
M Tris−HCl緩衝液、pH7.6、)1μl、
[γ− P]ATP(370メガベクレル/mlで18
5テラベクレル/mmolのものを5倍に希釈した)
0.5μl、T4ポリヌクレオチドキナーゼ(宝酒造)
0.5μlを加え、精製水を加えて全量を10μlとし
た後、37℃で30分間反応させ、5’末端を Pでリ
ン酸化して標識した後、70℃で10分間加熱処理し、
T ポリヌクレオチドキナーゼを失活させた。これを2
0%アクリルアミドゲル中、1800ボルトの電圧で約
3時間電気泳動し、オートラジオグラフィーで分析した
(図2)。32Pで標識された目的物( 式IX〜XIIの化合
物)及び比較のためのリボザイム(式XIIIの化合物)
は、いずれも核酸塩基配列から計算される大きさと一致
し、不純物をほとんど含んでいなかった。
【0057】試験例2 安定化リボザイムの血清中での
安定性試験 実施例1〜4で得られた安定化リボザイム( 式IX〜XII
の化合物)及び比較のためのリボザイム(式XIIIの化合
物)各1.8μgをとり、それぞれに10×カイネーシ
ョンバッファー(100mM 塩化マグネシウム及び1
00mMメルカプトエタノール500mMを含むTri
s−HCl緩衝液、pH7.6)6μl、[γ− P]
ATP(370メガベクレル/mlで185テラベクレ
ル/mmolのものを5倍希釈)3μl、T ポリヌク
レオチドキナーゼ(宝酒造)1μlを加え、精製水を加
えて全量を60μlとした後、37℃で30分間反応さ
せ、5’末端を Pで標識した後、70℃で10分間加
熱処理し、T ポリヌクレオチドキナーゼを失活させ
た。この各リボザイム溶液の10μlをとり、10μl
のストップ溶液(9M 尿素、50%シュクロース、5
0mM EDTA、0.1%キシレンシアノール及び
0.1%ブロモフェノールブルーを含む)に加え、時間
0のサンプルとした。残りの各リボザイム溶液50μl
に、100倍希釈した牛血清を5.5μl加えて37℃
に保温した。この後、5分、30分、1時間、3時間、
6時間目にそれぞれ10μlずつをサンプリングして1
0μlのストップ溶液に加え、−80℃に保存した。こ
れらのサンプルは、20%ポリアクリルアミドゲル電気
泳動を行い、オートラジオグラフィーで分析した(図
3、図4及び図5)。
【0058】図3、図4及び図5の結果から、比較のた
めに用いたリボザイム(式XIIIの化合物)は、反応開始
後3時間でほとんど全てが分解していたが、本発明の安
定化リボザイム(式IX〜XIIの化合物)はいずれも3時
間後では部分的に分解されるのみであり、6時間後でも
式XI〜XII 化合物の安定化リボザイムは完全には分解さ
れず、安定であることがわかる。
【0059】試験例3 安定化リボザイムの標的RNA
の切断活性 実施例1〜4で得られた安定化リボザイム( 式IX〜XII
の化合物)及び比較のためのリボザイム(式XIIIの化合
物)各2pmolをとり、それぞれに100mM 塩化
マグネシウム溶液10μl及び200mM Tris−
HCl( pH8.0) 緩衝液10μlを加え、精製水を
加えて全量で36μlとした。予め調製しておいた、
5’末端を Pで標識したRNA基質(5' −GCCG
UCCCCCG−3' )の800pmol溶液4μlを
加えて37℃で反応を開始した。この後、0分、10
分、20分、40分、80分後にそれぞれ10μlずつ
をサンプリングして、10μlのストップ溶液に加え、
−80℃に保存した。
【0060】これらの保存サンプルを20%ポリアクリ
ルアミドゲル電気泳動にかけ、オートラジオグラフィー
で分析した(図6、図7及び図8)。図6、図7及び図
8の結果から、本発明の安定化リボザイム(式IX〜XII
の化合物)は、比較に用いたリボザイム(式XIIIの化合
物)と同様に、標的RNAを切断する活性をもつことが
わかる。
【0061】なお、本明細書において濃度を表す%は、
断らない限り重量%のことである。
【0062】
【発明の効果】本発明は、従来のリボザイムよりRNA
分解酵素等に対して抵抗性を有する、新規な安定化リボ
ザイムを提供する。また、本発明の安定化リボザイムは
配列特異的に標的RNAを切断し、不活化することがで
きるので、RNAが原因で起こる病気の治療用医薬、動
物薬あるいは農薬に広く応用される。更に、RNAを切
断する制限酵素として、診断薬、生化学試薬等の試薬と
しても応用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 リボザイムの2次構造と標的RNAの切断箇
所を示す模式図である。
【図2】 本発明の安定化リボザイムの純度を示すポリ
アクリルアミドゲル電気泳動図である。
【図3】 本発明の安定化リボザイム(式IX及びXの化
合物)と血清を反応させたときの安定化リボザイムの経
時変化をみたポリアクリルアミドゲル電気泳動図であ
る。
【図4】 本発明の安定化リボザイム(式XI及びXIIの
化合物)と血清を反応させたときの安定化リボザイムの
経時変化をみたポリアクリルアミドゲル電気泳動図であ
る。
【図5】 リボザイム(式XIIIの化合物)と血清を反応
させたときのリボザイムの経時変化をみたポリアクリル
アミドゲル電気泳動図(比較実験)である。
【図6】 本発明の安定化リボザイム(式IX及びXの化
合物)と標的RNAを反応させたときの、標的RNAの
経時変化をみたポリアクリルアミドゲル電気泳動図であ
る。
【図7】 本発明の安定化リボザイム(式XI及びXIIの
化合物)と標的RNAを反応させたときの、標的RNA
の経時変化をみたポリアクリルアミドゲル電気泳動図で
ある。
【図8】 リボザイム(式XIIIの化合物)と標的RNA
を反応させたときの、標的RNAの経時変化をみたポリ
アクリルアミドゲル電気泳動図(比較実験)である。
【符号の説明】
IX:式IXの化合物 X:式Xの化合物 X
I:式XIの化合物 XII:式XIIの化合物 XIII:式XIIIの化合物 V a:反応前 b:反応後5分
c:反応後30分 d:反応後1時間 e:反応後3時間 0:反応後0分 10:反応後10分 2
0:反応後20分 40:反応後40分 60:反応後60分 8
0:反応後80分 ↓:電気泳動方向 →:11塩基長さのRNAの
電気泳動位置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西川 諭 茨城県つくば市東1丁目1番3号 工業 技術院微生物工業技術研究所内 (72)発明者 湯山 則子 茨城県つくば市東1丁目1番3号 工業 技術院微生物工業技術研究所内 (72)発明者 中川 香央理 茨城県つくば市東1丁目1番3号 工業 技術院微生物工業技術研究所内 (72)発明者 西川 富美子 茨城県つくば市東1丁目1番3号 工業 技術院微生物工業技術研究所内 (72)発明者 前田 英勝 茨城県つくば市東1丁目1番3号 工業 技術院微生物工業技術研究所内 (72)発明者 井筒 浩 茨城県つくば市和台48番 日立化成工業 株式会社 筑波開発研究所内 (72)発明者 嶋山 隆 東京都新宿区西新宿二丁目1番1号 日 立化成工業株式会社内 (72)発明者 大川 淳 兵庫県神戸市西区室谷2丁目2番3号 長瀬産業株式会社内 (72)発明者 岡部 宗一 兵庫県神戸市西区室谷2丁目2番3号 長瀬産業株式会社内 審査官 上條 肇 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12N 9/00 C12N 9/16 - 9/22 C12N 15/09 - 15/11 C12N 15/55 C12Q 1/68 BIOSIS(DIALOG) JICSTファイル(JOIS) MEDLINE(STN) WPI(DIALOG)

Claims (17)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(I)ないし(IV)のいずれかで表さ
    れるリボザイムの部分的な領域内で、構成するモノリボ
    ヌクレオチドの1又は2以上が、それに相当するモノデ
    オキシリボヌクレオチドに置換されて成る、安定化リボ
    ザイム。 【化1】 (式(I)中、A、G、C、及びUはそれぞれアデニン
    モノリボヌクレオチド、グアニンモノリボヌクレオチ
    ド、シトシンモノリボヌクレオチド、ウラシルモノリボ
    ヌクレオチドを表し、Bは0((Y)pと(Y)qが分離した状
    態を意味する)、結合((Y)pと(Y)qがリン酸結合した状態
    を意味する)、又はモノリボヌクレオチドないしオリゴ
    リボヌクレオチドを表し、Xは上記A、G、C及びUの
    いずれか任意のモノリボヌクレオチドを表し、Yは相補
    することのできる上記A、G、C及びUのいずれか任意
    のモノリボヌクレオチドを表し、m及びnはそれぞれ異
    ってもよい1以上の整数を表し、p及びqは0以上の整
    数を表し、*は相補的なリボヌクレオチド間の塩基対を
    表す。) 【化2】 (式(II)中、A、G、C、U、X、m、n、及び*は
    式(I)と同じ意味を表す。) 【化3】 (式(III)中、A、G、C、U、X、Y、B、m、
    n、p、q及び*は式(I)と同じ意味を表し、Dは結
    合((Y)rと(Y)sがリン酸結合した状態を意味する)、又は
    モノリボヌクレオチド乃至オリゴリボヌクレオチドを表
    し、Eは0((Y)vと(Y)wが分離した状態を意味する)、結
    合((Y)vと(Y)wがリン酸結合した状態を意味する)、又は
    モノリボヌクレオチド乃至オリゴリボヌクレオチドを表
    し、l、o、r、s、v及びwはそれぞれ異なってもよ
    い0以上の整数を表す。) 【化4】 (式(IV)中、A、G、C、U、X、Y、B、D、E、
    m、n、l、o、r、s、v、w及び*は式(III)と
    同じ意味を表す。)
  2. 【請求項2】 式(I)ないし(IV)のいずれかで表さ
    れるリボザイムの部分的な領域内で、リボザイムのリン
    酸エステル結合〔-O-P(=O)(OH)-O-〕の1又は2
    以上が、チオリン酸エステル結合〔-O-P(=S)(OH)-
    O-又は-O-P(=O)(SH)-O-〕である、安定化リボザ
    イム。 【化5】 (式(I)中、A、G、C、及びUはそれぞれアデニン
    モノリボヌクレオチド、グアニンモノリボヌクレオチ
    ド、シトシンモノリボヌクレオチド、ウラシルモノリボ
    ヌクレオチドを表し、Bは0((Y)pと(Y)qが分離した状
    態を意味する)、結合((Y)pと(Y)qがリン酸結合した状態
    を意味する)、又はモノリボヌクレオチドないしオリゴ
    リボヌクレオチドを表し、Xは上記A、G、C及びUの
    いずれか任意のモノリボヌクレオチドを表し、Yは相補
    することのできる上記A、G、C及びUのいずれか任意
    のモノリボヌクレオチドを表し、m及びnはそれぞれ異
    ってもよい1以上の整数を表し、p及びqは0以上の整
    数を表し、*は相補的なリボヌクレオチド間の塩基対を
    表す。) 【化6】 (式(II)中、A、G、C、U、X、m、n、及び*は
    式(I)と同じ意味を表す。) 【化7】 (式(III)中、A、G、C、U、X、Y、B、m、
    n、p、q及び*は式(I)と同じ意味を表し、Dは結
    合((Y)rと(Y)sがリン酸結合した状態を意味する)、又は
    モノリボヌクレオチド乃至オリゴリボヌクレオチドを表
    し、Eは0((Y)vと(Y)wが分離した状態を意味する)、結
    合((Y)vと(Y)wがリン酸結合した状態を意味する)、又は
    モノリボヌクレオチド乃至オリゴリボヌクレオチドを表
    し、l、o、r、s、v及びwはそれぞれ異なってもよ
    い0以上の整数を表す。) 【化8】 (式(IV)中、A、G、C、U、X、Y、B、D、E、
    m、n、l、o、r、s、v、w及び*は式(III)と
    同じ意味を表す。)
  3. 【請求項3】 式(I)ないし(IV)のいずれかで表さ
    れるリボザイムの部分的な領域内で、構成するモノリボ
    ヌクレオチドの1又は2以上が、それに相当するモノデ
    オキシリボヌクレオチドに置換されて成り、かつ、上記
    領域内で、リン酸エステル結合〔-O-P(=O)(OH)-O
    -〕の1又は2以上が、チオリン酸エステル結合〔-O-
    P(=S)(OH)-O-又は-O-P(=O)(SH)-O-〕であ
    る、安定化リボザイム。 【化9】 (式(I)中、A、G、C、及びUはそれぞれアデニン
    モノリボヌクレオチド、グアニンモノリボヌクレオチ
    ド、シトシンモノリボヌクレオチド、ウラシルモノリボ
    ヌクレオチドを表し、Bは0((Y)pと(Y)qが分離した状
    態を意味する)、結合((Y)pと(Y)qがリン酸結合した状態
    を意味する)、又はモノリボヌクレオチドないしオリゴ
    リボヌクレオチドを表し、Xは上記A、G、C及びUの
    いずれか任意のモノリボヌクレオチドを表し、Yは相補
    することのできる上記A、G、C及びUのいずれか任意
    のモノリボヌクレオチドを表し、m及びnはそれぞれ異
    ってもよい1以上の整数を表し、p及びqは0以上の整
    数を表し、*は相補的なリボヌクレオチド間の塩基対を
    表す。) 【化10】 (式(II)中、A、G、C、U、X、m、n、及び*は
    式(I)と同じ意味を表す。) 【化11】 (式(III)中、A、G、C、U、X、Y、B、m、
    n、p、q及び*は式(I)と同じ意味を表し、Dは結
    合((Y)rと(Y)sがリン酸結合した状態を意味する)、又は
    モノリボヌクレオチド乃至オリゴリボヌクレオチドを表
    し、Eは0((Y)vと(Y)wが分離した状態を意味する)、結
    合((Y)vと(Y)wがリン酸結合した状態を意味する)、又は
    モノリボヌクレオチド乃至オリゴリボヌクレオチドを表
    し、l、o、r、s、v及びwはそれぞれ異なってもよ
    い0以上の整数を表す。) 【化12】 (式(IV)中、A、G、C、U、X、Y、B、D、E、
    m、n、l、o、r、s、v、w及び*は式(III)と
    同じ意味を表す。)
  4. 【請求項4】 リボザイムの部分的な領域がリボザイム
    の非触媒領域である、請求項1ないし3のいずれか1項
    に記載の安定化リボザイム。
  5. 【請求項5】 式(V)で表される安定化リボザイム。 【化13】 (式(V)中、A、G、C、U、X、m、n及び*は式
    (I)と同じ意味を表し、下線付きXは上記A、G、C
    及びUのいずれか任意のモノリボヌクレオチドの、それ
    ぞれに相当するモノデオキシリボヌクレオチドを表
    す。)
  6. 【請求項6】 式(VI)で表される安定化リボザイム。 【化14】 (式(VI)中、A、G、C、U、X、m、n及び*は式
    (I)と同じ意味を表し、下線付きのA、G、C、及び
    Xはそれぞれアデニンモノリボヌクレオチド、グアニン
    モノリボヌクレオチド、シトシンモノリボヌクレオチド
    及びそれらいずれか任意のモノリボヌクレオチドの、そ
    れぞれに相当するモノデオキシリボヌクレオチドを表
    す。)
  7. 【請求項7】 式(VII)で表される安定化リボザイ
    ム。 【化15】 (式(VII)中、A、G、C、U、X、m、n及び*は
    式(I)と同じ意味を表し、網かけのA、G、C、及び
    Xはそれぞれアデニンモノリボヌクレオチド、グアニン
    モノリボヌクレオチド、シトシンモノリボヌクレオチド
    及び任意のモノリボヌクレオチドのリン酸エステル結合
    〔-O-P(=O)(OH)-O-〕が、チオリン酸エステル結
    合〔-O-P(=S)(OH)-O-又は-O-P(=O)(SH)-O
    -〕であるものを表す。)
  8. 【請求項8】 式(VIII)で表される安定化リボザイ
    ム。 【化16】 (式(VIII)中、A、G、C、U、X、m、n及び*は
    式(I)と同じ意味を表し、二重下線のA、G、C、及
    びXはそれぞれアデニンモノリボヌクレオチド、グアニ
    ンモノリボヌクレオチド、シトシンモノリボヌクレオチ
    ド及びそれらいずれか任意のモノリボヌクレオチドの、
    それぞれに相当するモノデオキシリボヌクレオチドであ
    り、かつ、そのリン酸エステル結合〔-O-P(=O)(O
    H)-O-〕がチオリン酸エステル結合〔-O-P(=S)(O
    H)-O-又は-O-P(=O)(SH)-O-〕であるものを表
    す。)
  9. 【請求項9】 リボザイムの部分的な領域内の、構成す
    るモノリボヌクレオチドの1又は2以上を、それに相当
    するモノデオキシリボヌクレオチドに置換することを特
    徴とする、安定化リボザイムの製造方法。
  10. 【請求項10】 リボザイムの部分的な領域内の、リン
    酸エステル結合〔-O-P(=O)(OH)-O-〕の1又は2
    以上を、チオリン酸エステル結合〔-O-P(=S)(OH)-
    O-又は-O-P(=O)(SH)-O-〕とすることを特徴とす
    る、安定化リボザイムの製造方法。
  11. 【請求項11】 リボザイムの部分的な領域内の、構成
    するモノリボヌクレオチドの1又は2以上を、それに相
    当するモノデオキシリボヌクレオチドに置換し、かつ、
    上記領域内の、リン酸エステル結合〔-O-P(=O)(O
    H)-O-〕の1又は2以上を、チオリン酸エステル結合
    〔-O-P(=S)(OH)-O-又は-O-P(=O)(SH)-O-〕
    とすることを特徴とする、安定化リボザイムの製造方
    法。
  12. 【請求項12】 リボザイムの部分的な領域がリボザイ
    ムの非触媒領域である、請求項9ないし11のいずれか
    1項に記載の安定化リボザイムの製造方法。
  13. 【請求項13】 核酸塩基の活性基並びに2'-及び5'-水
    酸基は保護基で保護され、3'-水酸基は架橋構造を介し
    て担体に結合しているモノリボヌクレオシド又は核酸塩
    基の活性基並びに3'-及び5'-水酸基は保護基で保護さ
    れ、2'-水酸基は架橋構造を介して担体に結合している
    モノリボヌクレオシド或いはこれらの混合物、又は、核
    酸塩基の活性基並びに5'-水酸基は保護基で保護され、
    3'-水酸基は架橋構造を介して担体に結合しているモノ
    デオキシリボヌクレオシド(固相)から、 (a)5'-水酸基の保護基をはずしたのち、固相を洗浄
    し、 (b)核酸塩基の活性基並びに2'-及び5'-水酸基は保護
    基で保護されたリボヌクレオシド-3-O-(β-シアノエチ
    ル)ホスホアミダイト又は核酸塩基の活性基並びに5'-水
    酸基が保護基で保護されたデオキシリボヌクレオシド-3
    -O-(β-シアノエチル)ホスホアミダイトを反応させ、
    次いで固相を洗浄し、 (c)未反応の5'-水酸基をアセチル化し、次いで固相
    を洗浄する工程、及び酸化剤で酸化し、次いで洗浄する
    工程を任意の順序で行い、 (d)以下、(a)〜(c)を繰り返し、 (e)固相をアルカリ処理して、2'-または3'-水酸基と
    担体のあいだの結合を切り、 (f)他の保護基をはずす、 ことを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記
    載の安定化リボザイムの製造方法。
  14. 【請求項14】 核酸塩基の活性基並びに2'-及び5'-水
    酸基は保護基で保護され、3'-水酸基は架橋構造を介し
    て担体に結合しているモノリボヌクレオシド又は核酸塩
    基の活性基並びに3'-及び5'-水酸基は保護基で保護さ
    れ、2'-水酸基は架橋構造を介して担体に結合している
    モノリボヌクレオシド或いはこれらの混合物、又は、核
    酸塩基の活性基並びに5'-水酸基は保護基で保護され、
    3'-水酸基は架橋構造を介して担体に結合しているモノ
    デオキシリボヌクレオシド(固相)から、 (a)5'-水酸基の保護基をはずしたのち、固相を洗浄
    し、 (b)核酸塩基の活性基並びに2'-及び5'-水酸基は保護
    基で保護されたリボヌクレオシド-3-O-(β-シアノエチ
    ル)ホスホアミダイト又は核酸塩基の活性基並びに5'-水
    酸基が保護基で保護されたデオキシリボヌクレオシド-3
    -O-(β-シアノエチル)ホスホアミダイトを反応させ、
    次いで固相を洗浄し、 (c)未反応の5'-水酸基をアセチル化し、次いで固相
    を洗浄する工程、及び酸化剤で酸化し、次いで洗浄する
    工程を任意の順序で行い、 (d)以下、(a)〜(c)を繰り返し、 (e)固相をアルカリ処理して、2'-または3'-水酸基と
    担体のあいだの結合を切り、 (f)他の保護基をはずす、 ことを特徴とする請求項9ないし12のいずれか1項に
    記載の安定化リボザイムの製造方法。
  15. 【請求項15】 酸化剤がヨウ素及び/又はテトラエチ
    ルチウラムジサルファイドを含むものである請求項13
    又は14記載の安定化リボザイムの製造方法。
  16. 【請求項16】 標的RNAを請求項1ないし8のいず
    れか1項に記載の安定化リボザイム又は請求項9ないし
    14のいずれか1項に記載の安定化リボザイムの製造方
    法により製造された安定化リボザイムと反応させること
    を特徴とする、標的RNAの切断又は不活化法。
  17. 【請求項17】 請求項1ないし8のいずれか1項に記
    載の安定化リボザイム又は請求項9ないし14のいずれ
    か1項に記載の安定化リボザイムの製造方法により製造
    された安定化リボザイム若しくはそれらの混合物を有効
    成分とするRNA切断用試薬
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