JPH0682621A - カラーフィルターの製造法 - Google Patents

カラーフィルターの製造法

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JPH0682621A
JPH0682621A JP23832292A JP23832292A JPH0682621A JP H0682621 A JPH0682621 A JP H0682621A JP 23832292 A JP23832292 A JP 23832292A JP 23832292 A JP23832292 A JP 23832292A JP H0682621 A JPH0682621 A JP H0682621A
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順一郎 谷本
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 最外表面に透明導電層を有する透明基板の少
なくとも透明導電層上に感光性塗膜を形成し、次いで少
なくとも光透過率が3段階に異なるパターンを有するマ
スクを介して露光する工程と、感光性塗膜を現像除去
し、露出した導電層上に着色塗料を電着塗装し着色層を
形成する操作を、マスクの光透過率の順に対応するパタ
ーン部分について順次繰り返して着色層を形成する工程
とを含むカラーフィルターの製造法であって、前記電着
塗装する際の電圧を、電着塗装を順次繰り返す毎に低く
することを特徴とするカラーフィルターの製造法。 【効果】 本発明は、高度な微細加工技術を必要とせ
ず、着色層のパターン形状の自由度を大きくすることが
でき、一回の露光ですべてのパターニングが可能で、更
に大型化への対処も容易であって、特に精度の良い遮光
層を有するカラーフィルターを得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はカラーフィルターの製造
法に関し、特にカラー液晶表示装置用等として好適なカ
ラーフィルターの製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、一般に使用されているカラーフィ
ルターの製造法としては、透明基板を染料や顔料を含ん
だバインダーによって着色する染色法、印刷法、顔料分
散法等がある。
【0003】しかしながら、前記染色法は、基板上の樹
脂薄膜を色素で選択染色する方法であるので、色替えの
度に防染及びフォトリソグラフィー工程を行なう必要が
あり、また前記印刷法では防染の必要はないが、色パタ
ーンの微細化に限界が生じ、多色化が進むほど印刷位置
の精度が悪くなるという問題がある。更に前記顔料分散
法では微細パターンは可能であるものの、色替えの度に
高精度のフォトリソグラフィー工程を経ねばならず工程
がきわめて複雑化するという欠点がある。
【0004】一方、これらの欠点を解消するために、特
開昭59−114572号公報において、電着塗装法に
よるカラーフィルターの製造法が提案されている。該方
法では、まず基板上に形成された透明導電膜をパターニ
ングして透明電極を形成し、該パターン化透明電極の同
じ色に着色される箇所にのみ電圧を印加し、着色電着浴
中で電着して着色層を形成する。次に別の色に着色され
る箇所にのみ電圧を印加し電着処理して別の着色層を形
成する。しかしこの方法は、まず高精度を必要とする透
明電極のパターニングを最初に行なわなければならず、
後工程での取扱いに多大の注意が必要であり、微細パタ
ーンの一部でも断線すると以後の着色工程が困難となる
ため製造上好ましくない。さらにパターン化透明電極
は、微細部分であってもすべて電気的に連続していなけ
ればならず、パターン形状の自由度に制約がある。
【0005】また特開昭63−210901号公報にお
いて、ポジ型感光性樹脂組成物を用いて同じ色に着色さ
れる箇所のみのパターンを有するマスクを介して露光、
現像し電着によって着色層を形成し、その後この露光・
現像・電着の工程を所望回数繰り返すという方法が提案
されているが、該方法は工程が複雑であり十分に簡略化
されたとはいえず、更に未露光部のキノンジアジド化合
物も現像時にアルカリ水溶液に曝すと変質して感光性が
著しく変化し、以後の露光・現像が困難になるという欠
点がある。
【0006】これらの電着法においては、着色層形成の
ための透明電極が、液晶駆動用の電極としても使用され
ることになるが、透明電極上に形成される着色層は絶縁
体であるため、液晶の駆動電圧が非常に高くなる。そこ
で現在前記方法に基づいて形成される着色層上には、更
に液晶駆動用の透明電極を設けて駆動電圧を低下させて
いるのが現状である。また前記方法において使用されて
いる透明電極は、光透過率が80〜85%であるため、
透明電極を2層設けることは、光透過率を低下させ、着
色表示基板としての性能が劣るという問題が生じる。こ
のような問題を解決するために、特開平1−22379
号公報において、原板上に着色層を形成し、これを透明
基板上に転写する方法が提案されているが、該方法では
各色毎に転写を行なうため、転写の度に高精度のアライ
メントが必要であり、製造法が煩雑となる。
【0007】一方、カラーフィルターを有するデバイス
の高性能化への要望から、コントラストの向上や色純度
の低下防止が望まれ、その解決策として一般に、カラー
フィルターの各画素間部分に非透光性膜を形成する方法
が知られている。該非透光性膜の形成方法としては、例
えば、予め非透光性膜パターンが形成された基板上にア
ライメントしながら画素を形成していく方法又は予め画
素パターンの形成された基板上にアライメントしながら
非透光性膜パターンを形成していく方法等が用いられて
いる。
【0008】しかしながら、これらの方法では、いずれ
も画素パターンと、非透光性膜パターンとの間にアライ
メント操作を行なう必要があるため、この精度により画
素パターン間に透光部のない一致したサイズの非透光性
膜パターンを形成することは困難である。更にこれらの
重なり部分が生じる場合には、カラーフィルター上に段
差が生じ、構造的に要求の強い平坦性に優れるカラーフ
ィルターを製造することは困難である。
【0009】また上述の方法はいずれもアラインメント
のために高精度の加工技術が要求され、ワークサイズの
大型化の要求、すなわち画面寸法の大型化や多面付によ
るコストダウンの要求に対しての対応が困難である。
【0010】これらの欠点を解決するために、本発明者
らは、特願平3−43596において、各画素を順次電
着塗装により形成する方法を提案している。
【0011】しかしながら、各画素間を遮光するブラッ
クマトリックスを各画素と同様に電着法により形成する
場合、遮光性の高いカーボンブラックを含有する黒色塗
料は、形成された塗膜に導電性があるため、他の色の塗
料と同様に扱うのが困難である。即ち、黒色塗膜を形成
してから他の色を電着すると、透明導電層上だけでなく
黒色塗膜上にも他の色の電着膜が形成され、カラーフィ
ルターの平坦性が損なわれるという問題がある。一方、
他の画素の形成を終えてから、画素のない部分に黒色塗
料を電着塗装する方法は、最も精度が要求される黒色遮
光層を製造するには、精度が不足する傾向にある。
【0012】これらを克服するために、例えば、カーボ
ンブラックではなく他の顔料混合系を使用した黒色塗料
を用いる方法、若しくは黒色以外の画素を形成し終えた
カラーフィルターの表面全体に黒色色素を含有する光硬
化性樹脂を塗布し、背面(基板側)から露光することに
より各画素を遮光部分として利用し、各画素の無い部分
のみを露光して該部分のみの光硬化性樹脂を硬化させ、
各画素のある部分の光硬化性樹脂を現像除去して黒色塗
膜を形成する方法等が提案されている。
【0013】しかしながら、顔料混合系黒色塗料では、
黒色濃度が不足し、また背面露光による方法において
も、各画素の遮光性がその性質上不足するために、いず
れも良好な黒色遮光層を得ることができないのが現状で
ある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的
は、高度な微細加工技術を必要とせず、着色層のパター
ン形状の自由度が大きく、カラーフィルター画素間に間
隙なく非透光性層を配置でき、しかも大型化への対処も
容易であり、かつ大量生産が容易で簡便な、カラーフィ
ルターの製造法を提供することにある。
【0015】本発明の別の目的は、駆動電圧を低下で
き、光透過率の低下もなく、更に改めて透明電極の形成
工程を必要としないカラーフィルターの製造法を提供す
ることにある。
【0016】本発明の他の目的は、高精度にパターン化
された遮光層を有するカラーフィルターを簡便に製造で
きるカラーフィルターの製造法を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、着色層の
パターン形状の自由度が大きく、大型化にも対処可能な
カラーフィルターの製造法について研究の結果、ポジ型
又はネガ型感光性樹脂と特定のパターンを有するマスク
とを組み合わせるという簡便な工程により優れた性能を
有するカラーフィルターが得られることを見いだした。
【0018】すなわち、本発明によれば、(A−1)最
外表面に透明導電層を有する透明基板の少なくとも透明
導電層上にポジ型感光性塗膜を形成し、次いで少なくと
も光透過率が3段階に異なるパターンを有するマスクを
介して露光する工程と、(B−1)該パターン部分のポ
ジ型感光性塗膜を現像除去し、露出した導電層上に着色
塗料を電着塗装し着色層を形成する操作を、マスクの光
透過率の大きい順に対応するパターン部分について順次
繰り返すことにより着色層を形成する工程とを含むカラ
ーフィルターの製造法であって、前記電着塗装する際の
電圧を、電着塗装を順次繰り返す毎に低くすることを特
徴とするカラーフィルターの製造法が提供される。
【0019】また本発明によれば、(A−2)最外表面
に透明導電層を有する透明基板の少なくとも透明導電層
上にネガ型感光性塗膜を形成し、次いで少なくとも光透
過率が3段階に異なるパターンを有するマスクを介して
露光する工程と、(B−2)該パターン部分のネガ型感
光性塗膜を現像除去し、露出した導電層上に着色塗料を
電着塗装し着色層を形成する操作を、マスクの光透過率
の小さい順に対応するパターン部分について順次繰り返
すことにより着色層を形成する工程とを含むカラーフィ
ルターの製造法であって、前記電着塗装する際の電圧
を、電着塗装を順次繰り返す毎に低くすることを特徴と
するカラーフィルターの製造法が提供される。
【0020】以下、本発明をさらに詳細に説明する。
【0021】本発明のカラーフィルターの製造法におい
ては、先ず最外表面に透明導電層を有する基板の少なく
とも透明導電層上にポジ型又はネガ型感光性塗膜を形成
し、少なくとも光透過率が3段階に異なるパターンを有
するマスクを介して露光する工程を行う(以下、ポジ型
感光性塗膜を用いる場合を(A−1)工程、またネガ型
感光性塗膜を用いる場合を(A−2)工程という)(ま
た(A−1)工程及び(A−2)工程を総称して(A)
工程という)。
【0022】本発明に使用する最外表面に透明導電層を
有する基板とは、基板上に透明導電層が形成された板状
のものであれば特に制限されず、例えばガラス、プラス
チック板、その他の板状物の表面に透明な導電層を形成
した基板等が挙げられる。基板の表面は、カラーフィル
ターの性能上、平滑であることが望ましく、必要によっ
ては表面を研磨して使用することもできる。
【0023】前記基板の材料としては、例えばガラス、
各種の積層板類、各種のプラスチック類板又はその他の
板上絶縁物の表面に、前記透明導電層及び遮光層を形成
した基板等が挙げられる。
【0024】本発明に用いる透明導電層としては、例え
ば、酸化スズ、酸化インジウム又は酸化アンチモン等を
成分とする材料が挙げられ、膜厚は通常20〜300n
mであるのが好ましい。また該透明導電層の形成方法は
特に制限されず、例えばスプレー法、CVD法、スパッ
タリング法、真空蒸着法等の公知の方法が挙げられる。
該透明導電層は、カラーフィルターの性能上、できる限
り透明度の高いものを用いることが望ましい。
【0025】前記基板の透明導電層上にポジ型又はネガ
型感光性塗膜を形成する方法は、特に限定されないが、
公知の方法、例えば電着法、吹き付け法、浸漬塗装法、
ロールコート法、スクリーン印刷法、スピンコーターで
塗装する方法等で、透明導電層上に塗布することにより
形成することができる。
【0026】本発明の(A−1)工程に用いるポジ型感
光性塗膜を形成するためのポジ型感光性塗料としては、
塗膜形成能と感光性とを有する樹脂(以下、ポジ型感光
性塗料用樹脂という)、又は該ポジ型感光性塗料用樹脂
と染料及び/又は顔料等とを有機溶媒や水などに分散あ
るいは溶解した塗料等を挙げることができる。該ポジ型
感光性塗料は、染料及び/又は顔料を含んでいても、含
んでいなくとも良い。
【0027】本発明において好ましく使用されるポジ型
感光性塗料用樹脂としては、露光部分が現像液によって
溶出されるものであれば特に限定されるものではなく、
例えばキノンジアジド基を有する樹脂、ジアゾメルドラ
ム酸又はニトロベンジルエステル等を含有する樹脂若し
くはこれらの樹脂を有する樹脂組成物等を好ましく挙げ
ることができ、具体的には例えばアクリル樹脂、エポキ
シ樹脂、ウレタン樹脂、ポリブタジエン樹脂等に、アミ
ノ基、アンモニウム、スルホニウム等のオニウム基と水
酸基とを導入し、更にキノンジアジドスルホン酸化合物
をエステル化反応により付加した樹脂で、蟻酸、酢酸、
プロピオン酸、乳酸などの酸あるいは酸性物質で水に可
溶化及び/又は分散される樹脂等のキノンジアジド基を
有するカチオン性の樹脂組成物;アクリル樹脂、ポリエ
ステル樹脂、マレイン化油樹脂、ポリブタジエン樹脂、
エポキシ樹脂等にカルボキシル基等と水酸基とを導入
し、更にキノンジアジドスルホン酸化合物をエステル化
反応により付加した樹脂で、トリエチルアミン、ジエチ
ルアミン、ジメチルエタノールアミン、アンモニア等の
塩基性物質で水に可溶化及び/又は分散される樹脂等の
キノンジアジド基を有するアニオン性の樹脂組成物;造
膜機能を有する樹脂及びヒドロキシル基を有する化合物
と、キノンジアジドスルホン酸誘導体又はイソシアナ−
ト基を有するキノンジアジド化合物とを反応させて得ら
れる樹脂を適宜混合した組成物等を挙げることができ、
特に工程簡略化や公害防止の点から、水に可溶化及び/
又は分散しうる樹脂の使用が好ましい。また前記組成物
における混合割合は、露光条件や現像条件によって任意
選択することができる。
【0028】本発明の(A−2)工程に用いるネガ型感
光性塗膜を形成するためのネガ型感光性塗料としては、
塗膜形成能と感光性とを有する樹脂(以下、ネガ型感光
性塗料用樹脂という)、光重合開始剤及び必要により染
料及び/又は顔料等とを有機溶媒や水などに分散あるい
は溶解した塗料等を挙げることができる。該ネガ型感光
性塗料は、染料及び/又は顔料を含んでいても、含んで
いなくとも良い。
【0029】前記ネガ型感光性塗料用樹脂としては、光
によって架橋しうるエチレン性二重結合が導入された樹
脂が挙げられ、具体的にはアクリロイル基、メタクリロ
イル基等の(メタ)アクリロイル基及び/又はシンナモ
イル基等の感光性基を分子中に有する、一般に分子量5
00〜10000程度のプレポリマー又は樹脂等を挙げ
ることができる。該プレポリマー又は樹脂としては、例
えばエポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)
アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート等の
プレポリマー;アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン
樹脂、ポリブタジエン樹脂等に、アミノ基、アンモニウ
ム、スルホニウム等のオニウム基と前記感光性基とを導
入した樹脂で、有機溶媒に溶解及び/又は分散するか、
又は蟻酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸などの酸あるいは
酸性物質で水に可溶化及び/又は分散されるカチオン性
の樹脂;アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、マレイン化
油樹脂、ポリブタジエン樹脂、エポキシ樹脂等にカルボ
キシル基等と前記感光性基とを導入した樹脂を、有機溶
媒に溶解及び/又は分散するか、又はトリエチルアミ
ン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、アン
モニア等の塩基性物質で水に可溶化及び/又は分散され
るアニオン性の樹脂等を挙げることができ、特に工程簡
略化や公害防止の点から、水に可溶化及び/又は分散し
うるプレポリマー又は樹脂の使用が好ましい。
【0030】また前記ネガ型感光性塗料用樹脂には、ネ
ガ型感光性塗膜の感光性や粘度などを調整するために低
分子量の(メタ)アクリレート類を添加してもよく、具
体的には、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、3−
フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ
ート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、トリ
シクロデカン(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール
ジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ
アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレー
ト、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリ
ス(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート等が
例示され、これらは混合物として使用してもよい。これ
らの(メタ)アクリレート類の配合割合は、ネガ型感光
性塗料用樹脂100重量部に対して0〜50重量部、好
ましくは0〜30重量部である。(メタ)アクリレート
類の配合割合が50重量部を越えると塗膜に粘着性が出
やすくなり好ましくない。
【0031】前記光重合開始剤は公知のものでよく、例
えばベンゾイン及びそのエーテル類、ベンジルアルキル
ケタール類、ベンゾフェノン誘導体、アントラキノン誘
導体、チオキサントン誘導体等が挙げられ、さらに必要
によって増感剤を添加してもよい。光重合開始剤の添加
量は、前記ネガ型感光性塗料用樹脂100重量部に対
し、好ましくは0.1〜30重量部、特に好ましくは
0.5〜20重量部の範囲である。光重合開始剤の添加
量が0.1重量部未満では光硬化性が不足し、また30
重量部を越えると硬化が進みすぎて塗膜強度が不足し、
かつ不経済であるため好ましくない。
【0032】前記ポジ型又はネガ型感光性塗料に用いる
プレポリマー又は樹脂等の各成分を分散又は溶解するた
めに使用する、有機溶媒としては、前記プレポリマー又
は樹脂を分散又は溶解しうるものであればよく、各種の
グリコールエーテル類、例えば、エチレングリコールモ
ノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエ
ーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、プ
ロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレング
リコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコール
ジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエ
ーテル等;ケトン類、例えば、アセトン、メチルエチル
ケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、
イソホロン等;エーテル類、例えば、ジブチルエーテ
ル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等;アルコール
類、例えば、メトキシブタノール、ジアセトンアルコー
ル、ブタノール、イソプロパノール等;炭化水素類、例
えば、トルエン、キシレン、ヘキサン等;エステル類、
例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸2−メトキシエ
チル、酢酸2−メトキシプロピル、安息香酸エチル等;
酸アミド類、例えば、ジメチルホルムアミド、N,N−
ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等を挙げ
ることができ、使用に際しては単独若しくは混合物とし
て用いることができる。
【0033】またこれらの有機溶媒は、可溶化や分散を
容易にし、浴安定性の向上、平滑塗膜を得る等のため
に、前記カチオン性の樹脂又はアニオン性の樹脂を水に
可溶化させる際及び/又は分散させる際に添加すること
もできる。
【0034】必要により前記ポジ型又はネガ型感光性塗
料に配合される染料及び/又は顔料の色相は、目的に応
じ適宜選択でき、例えば感光性塗料の解像度を改善する
ためには、露光時に解析の大きい長波長の光線を除去す
る目的で400〜500nmの波長の光を吸収する染
料、例えばオイルイエロー、紫外線吸収剤、トリヒドロ
キシベンゾフェノン等を配合することが望ましい。ま
た、目的とする色相に応じて、前記染料及び/又は顔料
をその特性を損なわない限りにおいて、2種以上混合し
て用いることもできる。
【0035】該染料及び/又は顔料には、塗料の安定
性、必要により電着特性、塗膜の耐久性等を損なわない
ものを選択することが望ましい。この点から染料として
は油溶性あるいは分散性染料が好ましく、具体的には例
えばアゾ系、アントラキノン系、ベンゾジフラン系、縮
合メチン系等が挙げられる。また顔料としては、例えば
アゾレーキ系、キナクリドン系、フタロシアニン系、イ
ソインドリノン系、アントラキノン系、チオインジゴ系
等の有機顔料、黄鉛、酸化鉄、クロムバーミリオン、ク
ロムグリーン、群青、紺青、コバルトブルー、コバルト
グリーン、エメラルドグリーン、チタンホワイト、カー
ボンブラック等の無機顔料が適している。また、目的と
する色相に応じ、前記染料及び/又は顔料を、その特性
を損なわない限りにおいて、2種類以上混合して用いる
こともできる。なお、染料及び/又は顔料については適
宜「COLOUR INDEX」等を参照すればよい。
【0036】該染料及び/又は顔料の使用割合は、目
的、色相、使用する染料及び/又は顔料の種類、感光性
塗料の乾燥時の膜厚等により適宜選択され、好ましくは
感光性塗料全体に対して、0.1〜10重量%、特に好
ましくは0.5〜5.0重量%程度が適している。
【0037】前記ポジ型感光性塗料を調製するには、ポ
ジ型感光性塗料用樹脂、有機溶媒及び/又は水、必要に
応じて染料及び/又は顔料、酸性物質又は塩基性物質、
染料あるいは顔料の分散助剤、塗膜の平滑性をよくする
レベリング剤、粘度調整剤、消泡剤等の各種助剤類等を
混合し、一般的に使用されるサンドミル、ロールミル、
アトライター等の分散機を用いて充分に分散させ、所望
の濃度に希釈する方法等により得ることができる。
【0038】前記ネガ型感光性塗料を調製するには、ネ
ガ型感光性塗料用樹脂、光重合開始剤、有機溶媒及び/
又は水、必要に応じて染料及び/又は顔料、酸性物質又
は塩基性物質、染料あるいは顔料の分散助剤、塗膜の平
滑性をよくするレベリング剤、粘度調整剤、消泡剤等の
各種助剤類等を混合し、前記ポジ型感光性塗料の調製と
同様にして分散させ、所望の濃度に希釈して得ることが
できる。
【0039】このようにして得られるポジ型又はネガ型
感光性塗料により形成される感光性塗膜の膜厚は特に制
限されず、カラーフィルターに要求される性能等に応じ
て適宜選択できるが、乾燥時に通常0.3〜20μm、
好ましくは1〜15μm程度であればよい。該膜厚を調
整するには、例えば感光性塗膜を電着法で形成する場
合、電圧、電着時間、液温等の電着条件を調整すること
により制御できるが、通常は後述の着色塗料の電着塗装
と同様の条件で行うことができる。またネガ型感光性塗
膜を用いる場合には、膜厚を通常5〜15μm程度に厚
くするか、若しくはネガ型感光性塗膜を通常0.3〜1
0μm程度の膜厚で形成した後にポリビニルアルコール
等の酸素遮断膜を形成すると、酸素による硬化阻害作用
の軽減、マスクの汚染防止、ピンホールの生成防止等の
点で好ましい。
【0040】本発明において、前記ポジ型又はネガ型感
光性塗膜を露光するには、少なくとも光透過率が3段階
に異なるパターンを有するマスクを介して行う。
【0041】ここで光透過率とは、露光に使用する光線
が、該マスクを透過する前後における強度の比率をい
う。また該マスクのパターンの異なる光透過率の段数
は、少なくとも3段階あれば良く、使用する着色塗料の
種類の数に応じて決定でき、各段階間の光透過率の差は
露光条件や後述の現像条件に応じて適宜選択することが
できる。一般にはそれぞれの光透過率の相対的な差を大
きくする方が露光量、露光時間の調整が容易となるため
に好ましいが、光透過率の差が小さい場合であっても露
光量を増大し、あるいは露光時間を長くすることで同一
目的を達成することができる。従って、光透過率の相対
的な差は特に限定されないが、通常5%以上の有意差を
有することが好ましい。
【0042】前記露光は通常紫外線を多量に発生できる
装置を用いて行うことができ、例えば、高圧水銀灯、超
高圧水銀灯、メタルハライドランプ等を光源として用い
ることができ、必要によっては紫外線以外の他の放射線
を使用してもよい。露光条件は、用いるポジ型又はネガ
型感光性塗料、露光装置、前記マスク等に応じて適宜選
択できる。
【0043】本発明の製造方法においては、少なくとも
光透過率が3段階に異なるパターンを有するマスクを介
して露光を行うことにより、(A−1)工程においては
ポジ型の感光性塗膜に、(A−2)工程においてはネガ
型の感光性塗膜に、マスクのパターンの光透過率の異な
る段階の数と同数の、異なる露光状態を形成することが
できる。
【0044】本発明の製造法では、前記(A−1)工程
に次いで、該パターン部分のポジ型感光性塗膜を現像除
去し、露出した透明導電層上に着色塗料を電着塗装し着
色層を形成する操作を、マスクの光透過率の大きい順に
対応するパターン部分について順次繰り返すことにより
着色層を形成する工程(以下、(B−1)工程という)
又は前記(A−2)工程に次いで、該パターン部分のネ
ガ型感光性塗膜を現像除去し、露出した透明導電層上に
着色塗料を電着塗装し着色層を形成する操作を、マスク
の光透過率の小さい順に対応するパターン部分について
順次繰り返すことにより着色層を形成する工程(以下、
(B−2)工程という)を行う(また(B−1)工程お
よび(B−2)工程を総称して(B)工程という)。
【0045】即ち、該(B−1)工程では、まずマスク
の光透過率が最大であるパターンに対応する部分のポジ
型感光性塗膜を選択的に現像除去し、露出した透明導電
層上に着色塗料を電着塗装し着色層を形成し、次いでマ
スクの光透過率が次に大きいパターンに対応する部分の
ポジ型感光性塗膜のみを選択的に現像除去し、露出した
透明導電層上に着色層を形成するという工程を順次繰り
返すことにより着色層を形成することができる。また該
(B−2)工程では、まずマスクの光透過率が最少であ
るパターンに対応する部分のネガ型感光性塗膜のみを選
択的に現像除去し、露出した透明導電層上に着色塗料を
電着塗装し着色層を形成し、次いでマスクの光透過率が
次に小さいパターンに対応する部分のネガ型感光性塗膜
を選択的に現像除去し、露出した透明導電層上に着色層
を形成するという工程を順次繰り返すことにより着色層
を形成することができる。
【0046】本発明の製造方法では、前記(B)工程を
繰り返す毎に、該(B)工程の電着塗装の電圧を低くす
る。
【0047】前記ポジ型又はネガ型感光性塗膜を選択的
に現像除去する条件は、選択的に除去すべき部分の露光
量、使用するポジ型又はネガ型感光性塗料の現像液に対
する溶解性、現像液の種類や濃度、さらには現像温度、
現像時間によって変わりうるものであり、ポジ型又はネ
ガ型感光性塗料の調製に使用する樹脂等に適した条件を
適宜選択すればよい。
【0048】前記現像液としては具体的には例えば、ネ
ガ型感光性塗料の調製にカチオン性の樹脂を使用する場
合の現像液としては、酸性物質を溶解した水溶液を使用
することができる。該酸性物質としては、蟻酸、酢酸、
プロピオン酸、乳酸等の有機酸や塩酸、リン酸等の無機
酸を挙げることができ、例えば乳酸水溶液を現像液に使
用する場合は、乳酸濃度は通常0.01〜50重量%、
好ましくは0.05〜25重量%、温度は通常10〜7
0℃、好ましくは15〜50℃、現像時間は通常2〜6
00秒、好ましくは30〜300秒等の範囲から適宜選
択すれば良い。またネガ型感光性塗料の調製にアニオン
性の樹脂を使用する場合の現像液としては、塩基性物質
を溶解した水溶液等を使用することができる。該塩基性
物質としては、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、
メタ珪酸ナトリウム、テトラアルキルアンモニウムヒド
ロキシド、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等を挙げ
ることができ、例えば炭酸ナトリウム水溶液を現像液に
使用する場合、炭酸ナトリウム濃度は通常0.01〜2
5重量%、好ましくは0.05〜20重量%、温度は通
常10〜70℃、好ましくは15〜50℃、現像時間は
通常2〜600秒、好ましくは30〜300秒等の範囲
から適宜選択すれば良い。
【0049】更にポジ型感光性塗料を使用した場合の現
像液としては、通常塩基性物質を溶解した水溶液等を使
用することができる。該塩基性物質としては、炭酸ナト
リウム、炭酸水素ナトリウム、メタ珪酸ナトリウム、テ
トラアルキルアンモニウムヒドロキシド、水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム等を挙げることができ、例えばメ
タ珪酸ナトリウム水溶液を現像液に使用する場合、メタ
珪酸ナトリウム濃度は通常0.01〜25重量%、好ま
しくは0.05〜20重量%、温度は通常10〜70
℃、好ましくは15〜50℃、現像時間は通常2〜60
0秒、好ましくは30〜300秒等の範囲から適宜選択
すれば良い。
【0050】更にまた、ポジ型又はネガ型感光性塗膜の
現像液として有機溶媒を使用してもよく、例えばアルコ
ール類、グリコールエーテル類、ケトン類、塩素化炭化
水素類等を使用することもできる。またこれらの現像液
には濡れ性改良や消泡のために界面活性剤や消泡剤を添
加してもよく、特に毒性や作業環境性等の点で水溶液系
の現像液を使用するのが好ましい。
【0051】またネガ型感光性塗膜上に酸素遮断膜を形
成した場合、前記現像に先立って該酸素遮断膜を除去す
る必要がある。該除去法は特に制限されず、使用した酸
素遮断膜の種類に応じて適宜の方法を選択することがで
きる。具体的には例えば、酸素遮断膜にポリビニルアル
コールを使用した場合には、除去液としては脱イオン水
或いは脱イオン水に界面活性剤を添加した水溶液等を用
いることができる。この際、除去工程を迅速に行うため
に、30〜60℃に加温して前記除去液で除去すること
もできる。
【0052】次ぎに(B)工程においては、前記現像
後、露出した透明導電層上に着色塗料を電着塗装し、着
色層を形成する。この際、第1回目の着色工程の際に黒
色の着色を行うと、最も精度が要求される黒色遮光層の
精度を高め易いために、非常に好ましい。
【0053】該着色塗料は、例えば樹脂成分としてカチ
オン性又はアニオン性の樹脂を使用し、着色成分として
染料及び/又は顔料を加え、更に酸性又は塩基性物質を
使用して水に溶解及び/又は分散させた塗料等を用いる
ことができ、更にまた着色塗料における樹脂の溶解及び
/又は分散を容易ならしめるため、浴安定性の向上のた
め又は平滑塗膜を得る等のために有機溶媒等を添加して
もよい。この際(B−1)工程の着色塗料の樹脂成分に
は、カチオン性の樹脂を用いることが望ましい。また
(A−2)工程のネガ型感光性塗膜にカチオン性の樹脂
を用いた場合には、(B−2)工程の着色塗料に、アニ
オン性の樹脂を用いるのが望ましく、(A−2)工程の
ネガ型感光性塗膜にアニオン性の樹脂を用いた場合に
は、(B−2)工程の着色塗料に、カチオン性の樹脂を
用いるのが望ましいが、必ずしもこれらの組合せに限定
されえるものではない。
【0054】前記着色塗料の樹脂成分として用いるカチ
オン性の樹脂としては、例えばアクリル樹脂、エポキシ
樹脂、ウレタン樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリアミド
樹脂等に、アミノ基、アンモニウム、スルホニウム等の
オニウム基を導入した樹脂で、蟻酸、酢酸、プロピオン
酸、乳酸等の酸あるいは酸性物質で水に可溶化又は分散
される樹脂等を挙げることができる。
【0055】また、前記着色塗料の樹脂成分として用い
るアニオン性の樹脂としては、例えばアクリル樹脂、ポ
リエステル樹脂、マレイン化油樹脂、ポリブタジエン樹
脂、エポキシ樹脂等にカルボキシル基等を導入した樹脂
で、トリエチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタ
ノールアミン、アンモニア等の塩基性物質で水に可溶化
又は分散される樹脂等を挙げることができる。更にま
た、着色塗料の造膜成分は感光性を有するものであって
もよく、前記(A−2)工程におけるネガ型感光性塗膜
に使用するプレポリマーや樹脂の中で電着に適するもの
を用いることもでき、光重合開始剤を併用してもよい。
更には、着色塗料の樹脂成分には、熱硬化性の強い電着
樹脂、例えばアクリル樹脂とメラミン樹脂とを混合した
ものを用いても良い。
【0056】(B)工程において用いる着色塗料は、光
透過率が異なる部分ごとに種類、色相、色濃度、色明暗
の異なるものを使用することが望ましいが、重複して同
じものを用いることもできる。
【0057】着色塗料の色相は、目的に応じ適宜選択す
ることができる。例えば(A)工程において使用する感
光性塗料と(B)工程において使用する着色塗料、さら
には(B)工程において着色塗料を電着塗装する工程を
複数回行う場合に使用する各々の着色塗料には色相の異
なるものを用いることができる。
【0058】前記着色塗料に使用する染料及び/又は顔
料は、目的とする色相に応じ選択されるが、得られる塗
膜の透明性、塗料の安定性、電着特性、塗膜の耐久性等
について問題の生じないものを選択することが望まし
く、具体的には前述の感光性塗料に所望により配合され
る染料及び/又は顔料として具体的に列挙した染料又は
顔料を好ましく挙げることができる。また目的とする色
相に応じ、上記染料及び/又は顔料を、その性状を損な
わない限りにおいて、2種類以上混合して用いることも
できる。
【0059】前記着色塗料の調製は、樹脂、染料及び/
又は顔料、酸性物質又は塩基性物質および必要により有
機溶剤や、染料あるいは顔料の分散助剤、塗膜の平滑性
をよくするレベリング剤、粘度調整剤、消泡剤等の各種
助剤類等を混合し、一般的に使用されるサンドミル、ロ
ールミル、アトライター等の分散機を用いて充分に分散
させ、その後、水で所定の濃度、好ましくは固形分含量
約4〜25重量%、特に好ましくは7〜20重量%に希
釈して電着に適する塗料とする方法等により行なうこと
ができる。このようにして得られる着色塗料は、透明導
電層上に電着塗装することによって着色層を形成させ
る。
【0060】該着色層の膜厚は特に制限されず、カラー
フィルターに要求される性能に応じて適宜選択できる
が、乾燥時に通常0.3〜5μm、好ましくは1〜3μ
m程度であればよい。
【0061】前記電着塗装の条件は、使用する着色塗料
の種類、目的とする着色層の膜厚に応じて適宜選択され
るが、電圧は通常5〜500V、好ましくは10〜30
0Vの直流であるのが好ましく、電着時間は通常5〜3
00秒、好ましくは10〜200秒、液温は通常10〜
35℃、好ましくは15〜30℃であるのが望ましい。
この際所望の膜厚を得る電着時間が経過したところで通
電を停止し、基板を浴から取り出し、余剰に付着した浴
液を水等でよく洗浄し乾燥することにより着色層を形成
することができる。
【0062】ここで、本発明においては、既に形成され
た着色層と、これから電着する着色塗料との混色を防ぐ
ため、電着塗装の電圧を、直前に形成した着色層の電着
時の電圧よりも低くする。この際、電着塗装の電圧は、
直前に形成した着色層の電着時の電圧の40〜98%、
特に50〜95%とするのが好ましい。また第1回目に
形成する着色層が黒色である場合、第2回目以降の電着
塗装の電圧は、第1回目の通常40〜80%、好ましく
は40〜70%程度であるのが望ましい。また、設定電
圧までの立上り時間(スイープタイム)を、好ましくは
2秒以上、特に好ましくは10〜20秒程度とるのが望
ましい。
【0063】該乾燥条件は、後工程の条件等により適宜
選択できるが、通常は着色層表面の水分が乾燥し得る条
件であれば良く、例えば150℃以下、好ましくは60
℃〜120℃で、通常0.5分〜1時間、好ましくは5
〜30分程度乾燥させるのが望ましい。ここで乾燥温度
が150℃よりも高いと未現像のポジ型又はネガ型感光
性塗膜が熱により硬化することがあり、後の現像作業が
困難となるため好ましくない。
【0064】以上の(A)工程及び(B)工程により目
的とするカラーフィルターを製造することができるが、
必要により更に加熱・硬化又は光硬化等を行い、耐候性
や耐薬品性等を更に向上させることもできる。該加熱・
硬化を行う際の条件としては、例えば温度を通常100
〜250℃、好ましくは150〜250℃とし、5分〜
1時間、好ましくは15〜40分間の条件にて行うこと
ができる。
【0065】以下、図1、図2及び図3を参照して本発
明の工程を説明するが、本発明はこれに限定されるもの
ではない。
【0066】図1は、本発明の一実施態様を示す工程図
であり、この工程に沿って本発明を実施することができ
る。
【0067】図2は、本発明の(A−1)工程に用いる
ポジマスクの実施態様のうち光透過率が4段階に異なる
ポジマスクの拡大模式図であって、1は光透過率100
%の第1の色相当部分、2は光透過率80%の第2の色
相当部分、3は光透過率25%の第3の色相当部分、4
は光透過率5%の第4の色相当部分を示す。また図3
は、本発明の(A−2)工程に用いるネガマスクの実施
態様のうち光透過率が4段階に異なるネガマスクの拡大
模式図であって、5は光透過率0%の第1の色相当部
分、6は光透過率25%の第2の色相当部分、7は光透
過率80%の第3の色相当部分、8は光透過率100%
の第4の色相当部分を示す。
【0068】次に図2のポジマスクを使用した際の本発
明の方法の例を説明すると、まず表面に透明導電層を有
する透明基板上にポジ型感光性塗膜を形成し、乾燥した
基板上に、図2に示される光透過率が4段階に異なるポ
ジマスクを介して露光した後、第1回目の現像を行い、
該ポジマスクの光透過率100%の第1の色相当部分1
に該当する部分の導電層を露出させ、第1の色の着色塗
料を入れた電着浴で電着塗装後水洗し、加熱乾燥する。
【0069】次いで第2回目の現像(第1回目の現像と
は条件が異なる)を行い、ポジマスクの光透過率が80
%の第2の色相当部分2に該当する部分の透明導電層を
露出させ、第2の色の着色塗料を入れた電着浴で電着塗
装し(第1回目の着色よりも低い電圧で行う)、水洗、
加熱乾燥する。
【0070】さらに第3回目の現像(第1回目および第
2回目の現像とは条件が異なる)を行い、ポジマスクの
光透過率が25%の第3の色相当部分3に該当する部分
の透明導電層を露出させ、第3の色の着色塗料を入れた
電着浴で電着塗装し(第1回目及び第2回目の着色より
も低い電圧で行う)、水洗、加熱乾燥する。
【0071】更にまた第4回目の現像(第1〜3回目の
現像とは条件が異なる)を行い、ポジマスクの光透過率
が5%の第4の色相当部分4に該当する部分の透明導電
層を露出させ、第4の色の着色塗料を入れた電着浴で電
着塗装し(第1回目、第2回目及び第3回目の着色より
も低い電圧で行う)、水洗、加熱乾燥することによって
本発明のカラーフィルターを得ることができる。
【0072】
【発明の効果】本発明のカラーフィルターの製造法は、
高度な微細加工技術を必要とせず、着色層のパターン形
状の自由度を大きくすることができ、一回の露光ですべ
てのパターニングが可能で、更に大型化への対処も容易
である。また光透過率の低下のないカラーフィルター
を、簡便に、しかも大量生産することができるので工業
的にも極めて有用である。更にまた、本発明の製造法に
よれば、非常に精度の良い遮光層を有するカラーフィル
ターを製造することができる。
【0073】
【実施例】以下に本発明を合成例および実施例によって
具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるもの
ではない。尚、以下例中において部は重量部を示す。
【0074】
【合成例1】カチオン性ポジ型感光性塗料(X−1)の合成 不飽和化合物(x−1)の合成 グリシド−ル148部、ジブチル錫ジラウリレ−ト0.
8部、ヒドロキノンモノメチルエ−テル0.2部及び2
−エトキシエチルアセテ−ト82部を、温度計、撹拌装
置、還流冷却管、ガス導入管及び滴下漏斗が装着された
1リットルのセパラブルフラスコに仕込み、50℃に昇
温した。次いで系内に空気を吹き込みながらメタクリロ
イルオキシエチルイソシアナ−ト319部を1時間かけ
て滴下し、赤外線吸収スペクトルでイソシアナ−ト基の
吸収がほとんど無くなるまで反応を行った後、4−ヒド
ロキシ安息香酸276部を追加し、110℃に昇温し
た。酸価が5以下、エポキシ当量が11000以上であ
ることを確認して反応を終了し、不飽和化合物(x−
1)を得た。
【0075】カチオン性ポジ型感光性樹脂(x−2)の
合成 温度計、撹拌装置、還流冷却管および滴下漏斗の付いた
1リットルのセパラブルフラスコに、ジエチレングリコ
−ルモノエチルエ−テル238部を仕込み、130℃に
昇温した。次いでこれに、前記(x−1)145部、イ
ソブチルメタクリレ−ト83部、エチルアクリレ−ト1
67部、エチルメタクリレ−ト78部、ジメチルアミノ
エチルメタクリレ−ト41部及びt−ブチルペルオキシ
−2−エチルヘキサノエ−ト12部を混合した溶液を3
時間かけて滴下し、30分経過した後ジエチレングリコ
−ルモノエチルエーテル25部とt−ブチルペルオキシ
−2−エチルヘキサノエ−ト2部との混合溶液を30分
かけて滴下した。次いで同温度にて2時間保持して、反
応を終了した。得られたアクリル樹脂系溶液500部を
温度計、撹拌装置、還流冷却管、窒素導入管および滴下
漏斗を備えた3リットルのセパラブルフラスコに取り、
更にアセトン1570部及び1,2−ナフトキノンジア
ジド−5−スルホニルクロリド60.1部を加えて室温
でよく撹拌した後、トリエチルアミン26.7部を1時
間かけて滴下し、更に2時間反応させた。得られた溶液
を濾過して不純物を除去した後、約20倍量のよく撹拌
された水に約1時間かけて滴下し、析出した樹脂を回収
し、減圧下にて水分を除去して、茶褐色のカチオン性ポ
ジ型感光性樹脂(x−2)を得た。
【0076】カチオン性ポジ型感光性塗料(X−1)の
合成 カチオン性ポジ型感光性樹脂(x−2)500gをメチ
ルエチルケトン333.3gに溶解し、中和剤として酢
酸11.7gを加えて十分に撹拌し、均一化した後、脱
イオン水をゆっくりと加えながら高速ミキサーで激しく
かき混ぜながら水分散させてカチオン性ポジ型感光性塗
料(X−1)水溶液(カチオン電着型)を調製した。
【0077】
【合成例2】アニオン性ポジ型感光性塗料(X−2)の合成 アニオン性樹脂(x−3)の合成 「日石ポリブタジエンB−1000」(日本石油化学
(株)製、商品名、数平均分子量1,000、沃素価4
30、1,2−結合65%)1,000g、無水マレイ
ン酸751g、キシレン10gおよびトリメチルハイド
ロキノン5.0gを、温度計、撹拌装置、還流冷却管お
よび窒素吹き込み管を付けた3リットルのセパラブルフ
ラスコに仕込み、窒素下にて190℃で5時間反応させ
た。次いで未反応無水マレイン酸およびキシレンを留去
させ、全酸価480mgKOH/gのマレイン化ポリブタ
ジエンを得た。
【0078】次に還流冷却管を付けた2リットルのセパ
ラブルフラスコに、前記マレイン化ポリブタジエン50
0g、フェノキシエタノ−ル218g及びジエチレング
リコ−ルジメチルエ−テル205gを仕込み、均一に溶
解させてから、窒素気流下で130℃にて3時間反応さ
せた。次いで同温にてベンジルアミン61gを30分か
けて滴下した後、165℃に昇温し、同温にて7時間反
応を行い、半エステル基およびイミド基を有するアニオ
ン性樹脂(x−3)溶液を得た。
【0079】感光性樹脂(x−4)の合成 「日石ポリブタジエンB−1000」(日本石油化学
(株)製、商品名、数平均分子量1,000、沃素価4
30、1,2−結合65%)1,000g、無水マレイ
ン酸388g、キシレン10gおよびトリメチルハイド
ロキノン3.0gを、温度計、撹拌装置、還流冷却管お
よび窒素吹き込み管を付けた3リットルのセパラブルフ
ラスコに仕込み、窒素下にて190℃で5時間反応させ
た。次いで未反応無水マレイン酸およびキシレンを留去
させ、全酸価320mgKOH/gのマレイン化ポリブタ
ジエンを得た。
【0080】次に温度計、撹拌装置、還流冷却管及び窒
素吹き込み管を付けた2リットルのセパラブルフラスコ
に、前記マレイン化ポリブタジエン500g、フェノキ
シエタノ−ル300gを仕込み、均一に溶解させてか
ら、窒素気流下で130℃にて3時間反応させた。次い
で室温まで冷却した後、2−(2−アミノエチル)アミ
ノエタノ−ル149gを1時間かけて滴下した後、12
5℃に昇温し、同温にて4時間反応を行い、イミド基を
有するポリアミン樹脂溶液を得た。
【0081】別に還流冷却管を付けた5リットルのセパ
ラブルフラスコに、1,2−ナフトキノンジアジドスル
ホニルクロリド269g、ジオキサン1900g及び
「キョ−ワ−ド1000」(協和化学工業(株)製、商
品名)300gを仕込み、前記ポリアミン樹脂溶液64
5gを30℃にて2時間かけて滴下し、同温にて更に5
時間反応を行い、得られた溶液を濾過した後、フェノキ
シエタノ−ル440gを加え、減圧下にてジオキサンを
除去し、感光性樹脂(x−4)を得た。
【0082】得られた樹脂(x−4)溶液は、溶液10
0gあたり150mg当量のナフトキノンジアジド基を
含有し、不揮発分は60.0重量%であった。
【0083】アニオン性ポジ型感光性樹脂(x−5)の
合成 前記(x−3)樹脂溶液750g及び感光性樹脂(x−
4)溶液670gを十分に混合した後、トリエチルアミ
ン60gを加えて十分に中和し、アニオン性ポジ型感光
性樹脂(x−5)溶液を得た。
【0084】アニオン性ポジ型感光性塗料(X−2)の
合成 アニオン性ポジ型感光性樹脂(x−5)溶液500g
に、脱イオン水をゆっくりと加えながら高速ミキサーで
激しくかき混ぜ、水分散させてアニオン性ポジ型感光性
塗料(X−2)水溶液(アニオン電着型)を調製した。
【0085】
【合成例3】カチオン性ネガ型感光性塗料(X−3)の合成 アミン付加エポキシ化ポリブタジエン(x−6)の合成 エポキシ化液状ポリブタジエン(日本石油化学(株)
製、商品名「E−1000−8」、数平均分子量1,0
00、オキシラン酸素量8%)1,000gを、温度
計、撹拌装置および還流冷却管が装着された2リットル
のセパラブルフラスコに仕込み、系内を窒素置換した
後、メチルエタノールアミン231.2gを加え、17
0℃で5時間反応させた。次に減圧下に未反応のメチル
エタノールアミンを留去し、アミン価が230.4mmol
/100gのアミン付加エポキシ化ポリブタジエン(x
−6)を得た。
【0086】不飽和基含有イソシアネート(x−7)化
合物の合成 温度計、撹拌装置、還流冷却管および滴下漏斗の付いた
加熱および冷却可能な2リットルの丸底フラスコに、
2,4−トリレンジイソシアナート435.5gおよび
ジエチレングリコールジメチルエーテル266.1gを
仕込み、40℃に加熱した後、2−ヒドロキシエチルア
クリレート362.8gを滴下漏斗から滴下した。この
際200ppmのパラベンゾキノンも添加した。2−ヒド
ロキシエチルアクリレートの滴下により発熱が見られる
が、必要に応じて冷却し同温度に保った。2−ヒドロキ
シエチルアクリレートの滴下終了後、70℃まで昇温
し、同温度で3時間反応させ、赤外線吸収スペクトル分
析によりイソシアナート基の吸収強度が反応開始前のほ
ぼ1/2になったことを確認後、冷却し不飽和基含有イ
ソシアナート化合物(x−7)を得た。
【0087】カチオン性樹脂(x−8)の合成 2リットルのセパラブルフラスコ中で、(x−6)50
0gをジエチレングリコールジメチルエーテル166.
7gに溶解し、(x−7)713.4g((x−6)中
のヒドロキシル基1当量に対してイソシアナート基0.
8当量)を40℃で滴下し、さらに同温度で1時間反応
させて、赤外線吸収スペクトル分析によりイソシアナー
ト基が消失したことを確認し、(x−6)に(x−7)
を付加したカチオン性樹脂(x−8)を得た。
【0088】カチオン性ネガ型感光性塗料(X−3)の
合成 カチオン性樹脂(x−8)溶液500gに光重合開始剤
として、商品名「Irgacure907」(チバ−ガ
イギー社製)27.0g、商品名「KAYACURE
DETX」(日本化薬株式会社)3.0gおよび商品名
「カーボンブラック#5B」(三菱化成工業株式会社
製)37.5gを撹拌下に加えて混合後、中和剤として
酢酸16.7gを加えて充分に撹拌し、再度均一化した
後、脱イオン水をゆっくりと加えながら高速ミキサーで
激しくかき混ぜながら水分散させてカチオン性ネガ型感
光性塗料(X−3)水溶液(カチオン電着型)を調製し
た。
【0089】
【合成例4】アニオン性ネガ型感光性塗料(X−4)の合成 半エステル化物(x−9)溶液の合成 「日石ポリブタジエンB−1000」(日本石油化学
(株)製、商品名、数平均分子量1,000、沃素価4
30、1,2−結合65%)1,000g、無水マレイ
ン酸554g、キシレン10gおよびトリメチルハイド
ロキノン3.0gを、温度計、撹拌装置、還流冷却管お
よび窒素吹き込み管を付けた3リットルのセパラブルフ
ラスコに仕込み、窒素下にて190℃で5時間反応させ
た。次いで未反応無水マレイン酸およびキシレンを留去
させ、全酸価400mgKOH/gのマレイン化ポリブタ
ジエンを得た。
【0090】得られたマレイン化ポリブタジエン400
g、ジエチレングリコールジメチルエーテル188.5
gおよびハイドロキノン0.4gを還流冷却管の付いた
2リットルのセパラブルフラスコに仕込み、80℃に昇
温し撹拌し均一にした。次いで2−ヒドロキシエチルア
クリレート165.6gおよびトリエチルアミン20g
を加え、同温度で2時間反応させ、マレイン化ポリブタ
ジエンの半エステル化物(x−9)溶液を得た。得られ
た半エステル化物(x−9)溶液の全酸価は105mgK
OH/gであり、不揮発分は75.0重量%であった。
【0091】アニオン性ネガ型感光性塗料(X−4)の
合成 得られた半エステル化物(x−9)溶液500gに光重
合開始剤として、商品名「Irgacure907」
(チバ−ガイギー社製)27.0g、商品名「KAYA
CURE DETX」(日本化薬株式会社)3.0gお
よび商品名「カーボンブラック#5B」(三菱化成工業
株式会社製)37.5gを撹拌下に加えて混合後、中和
剤としてトリエチルアミン33.7gを加えて十分に撹
拌し、再度均一化した後、脱イオン水をゆっくりと加え
ながら高速ミキサーで激しくかき混ぜながら水分散させ
てアニオン性ネガ型感光性塗料(X−4)水溶液(アニ
オン電着型)を調製した。
【0092】
【合成例5】着色塗料(Y−1,Y−2,Y−3)の調製 カチオン性樹脂(x−8)溶液、光重合開始剤および顔
料を撹拌下に混合し、実験室用三本ロールミル(小平製
作所製)にて、顔料粒径が0.2μm以下となるまで分
散した。粒径の測定はコールターカウンターN4(コー
ルターカウンター社製)を用いた。得られた分散混合物
に、中和剤である酢酸を加えて充分に撹拌し、再度均一
化した後、脱イオン水をゆっくりと加えながら高速ミキ
サーで激しくかき混ぜながら水分散させて、固形分濃度
10重量%の着色塗料(Y−1,Y−2,Y−3)を調
製した。得られた3色の着色塗料(カチオン電着型)水
溶液の組成を表1に示す(表1中の数値はいずれも重量
部である)。
【0093】
【表1】
【0094】
【合成例6】着色塗料(Y−4,Y−5,Y−6)の調製 半エステル化物(x−9)溶液および顔料を撹拌下に混
合し、実験室用三本ロールミル(小平製作所製)にて、
顔料粒径が0.2μm以下となるまで分散した。粒径の
測定は、コールターカウンターN4(コールターカウン
ター社製)を用いた。次いで得られた分散混合物に、中
和剤であるトリエチルアミンを加えて充分に撹拌し再度
均一化した後、脱イオン水をゆっくりと加えながら高速
ミキサーで激しくかき混ぜながら水分散させて固形分濃
度10重量%の着色塗料(Y−4,Y−5,Y−6)を
調製した。得られた3色の着色塗料(アニオン電着型)
水溶液の組成を表2に示す(表2中の数値はいずれも重
量部である)。
【0095】
【表2】
【0096】
【合成例7】黒色塗料(Y−7)の調製 カチオン性樹脂(x−8)溶液500gに、光重合開始
剤として商品名「Irgacure 907」(チバー
ガイギー社製)27.0g、商品名「KAYACURE
DETX」(日本化薬(株)製)3.0gおよび商品
名「カーボンブラック#5B」(三菱化成工業(株)
製)37.5gを撹拌下に加えて混合後、実験室用三本
ロールミル(小平製作所製)にて、カーボンブラック粒
径が0.2μm以下となるまで分散した。粒径の測定
は、コールターカウンターN4(コールターカウンター
社製)を用いた。得られた分散混合物に、中和剤である
酢酸16.7gを加えて充分に撹拌し、再度均一化した
後、脱イオン水をゆっくりと加えながら高速ミキサーで
激しくかき混ぜて水分散させ、固形分濃度15重量%の
黒色塗料(Y−7)(カチオン電着型)を調製した。
【0097】
【合成例8】黒色塗料(Y−8)の調製 半エステル化物(x−9)溶液500gに、光重合開始
剤として商品名「Irgacure 907」(チバー
ガイギー社製)27.0g、商品名「KAYACURE
DETX」(日本化薬(株)製)3.0gおよび商品
名「カーボンブラック#5B」(三菱化成工業(株)
製)37.5gを撹拌下に加えて混合後、実験室用三本
ロールミル(小平製作所製)にて、カーボンブラック粒
径が0.2μm以下となるまで分散した。粒径の測定
は、コールターカウンターN4(コールターカウンター
社製)を用いた。得られた分散混合物に、中和剤である
トリエチルアミン33.7gを加えて充分に撹拌し、再
度均一化した後、脱イオン水をゆっくりと加えながら高
速ミキサーで激しくかき混ぜて水分散させ、固形分濃度
15重量%の着色塗料(Y−8)を調製した。
【0098】
【合成例9】黒色塗料(Y−9)及び着色塗料(Y−10、Y−1
1、Y−12)の調製 アクリル樹脂(東亜合成化学(株)製、商品名「アロン
S−4030」)をトリエチルアミンでpHが約8とな
るまで中和し、これに脱イオン水を加えた樹脂水溶液
(S)を調製した。
【0099】次に、樹脂水溶液(S)に、撹拌下でカー
ボンブラック、アゾ金属塩赤顔料、フタロシアニングリ
ーン、フタロシアニンブルーをそれぞれ加え、黒色、赤
色、緑色及び青の顔料分散液を各々作成した。
【0100】さらにこれとは別に、前記アクリル樹脂に
メラミン樹脂(商品名「M−66B」、住友化学(株)
製)を混合した後、トリエチルアミンでpHが約8とな
るまで中和し、これに脱イオン水を加えた樹脂水溶液
(T)を作成した。
【0101】前記各色の顔料分散液に対して、樹脂水溶
液(T)を加えることにより、表3に示される組成の黒
色塗料(Y−9)及び着色塗料(Y−10、Y−11、
Y−12)を得た。尚、得られた塗料は、熱硬化性であ
り、かつアニオン型の電着性を有するものである。
【0102】
【表3】
【0103】
【実施例1】膜厚80nmのITO(インジウム−錫酸
化物)膜を表面に有する1.1mmのパイレックスガラ
ス基板(以下、原板1という)を陰極とし、カチオン性
ポジ型感光性塗料(X−1)水溶液を入れたステンレス
スチール製ビーカーを陽極として、直流電圧40V、2
5℃の条件で60秒間電着した。原板1をイオン交換水
で洗浄した後、80℃で5分間乾燥、冷却したところ原
板1の透明導電層上に粘着性のない膜厚2μmのポジ型
感光性塗膜が形成された。
【0104】次いで図2に示す光透過率が4段階に異な
るパターンを有するポジマスクを、該塗膜上に密着し、
高圧水銀ランプを有するUV露光装置((株)オーク製
作所製、商品名「JL−3300」)を使用して500
mJ/cm2の紫外線を照射した。次に濃度0.3重量%
のメタ珪酸ナトリウム水溶液で現像したところ、ポジマ
スクの光透過率が最も高い部分1に対応する部分のポジ
型感光性塗膜が選択的に除去され、ITO膜面が露出さ
れた。
【0105】水洗、乾燥後、原板1を陰極とし、黒色塗
料(Y−7)を入れたステンレススチール製ビーカーを
陽極として、直流電圧50Vを25℃で10秒間印加
し、電着した。原板1をイオン交換水で洗浄した後、8
0℃で10分間乾燥し、常温で粘着性を示さない膜厚2
μmの黒色の着色層を形成した。
【0106】次いで1.3重量%のメタ珪酸ナトリウム
水溶液で現像したところ、黒色の着色層、ポジマスクの
光透過率が3番目に高い部分に対応する部分3及びポジ
マスクの光透過率が最も低い部分4に対応する部分には
何の変化も認められず、ポジマスクの光透過率が2番目
に高い部分2に対応する部分のポジ型感光性塗料が選択
的に除去された。次に水洗、乾燥後、着色塗料(Y−
7)の電着と同様にして、着色塗料(Y−1)を、直流
電圧25V、25℃の条件で30秒間電着した後、イオ
ン交換水で洗浄したところ、先に形成した黒色の着色層
等には全く変化が見られず、赤色の着色層が形成され
た。80℃で5分間乾燥し、次いで3.0重量%のメタ
珪酸ナトリウム水溶液で現像したところ、黒色及び赤色
の着色層に変化は認められず、またポジマスクの光透過
率が最も低い部分4に対応する部分にも変化は認められ
ず、ポジマスクの光透過率が3番目に高い部分3に対応
する部分のポジ型感光性塗料が選択的に除去された。次
いで水洗、乾燥後、黒色塗料(Y−7)の電着と同様に
して、着色塗料(Y−2)を、直流電圧23V、25℃
の条件で40秒間電着した。原板1をイオン交換水で洗
浄したところ、先に形成した黒色、赤色の着色層、ポジ
マスクの光透過率が最も低い部分4に対応する部分のポ
ジ型感光性塗料部分には全く変化が見られず、緑色の着
色層が形成された。 80℃で10分間乾燥し、更に原
板1全体に500mJ/cm2の紫外線を照射し、次に
全体を150℃で10分間加熱処理し、濃度0.3重量
%のメタ珪酸ナトリウム水溶液で現像したところ、残存
するポジマスクの光透過率が最も低い部分4に対応する
部分のポジ型感光性塗料部分が除去された。水洗、乾燥
後、黒色塗料(Y−7)の電着と同様にして、着色塗料
(Y−3)を、直流電圧20V、25℃の条件で1分間
電着した。原板1をイオン交換水で洗浄したところ、先
に形成した黒色、赤色の着色層、緑色の着色層には全く
変化がみられず、青色の着色層が形成された。硬化を完
全に行わせるために、180℃で30分間焼き付け、透
明性、均一性に優れ、精度の良い黒色遮光層を有するカ
ラーフィルターが得られた。
【0107】
【実施例2】膜厚80nmのITO(インジウム−錫酸
化物)膜を表面に有する1.1mmのパイレックスガラ
ス基板(以下、原板2という)を陽極とし、アニオン性
ポジ型感光性塗料(X−2)水溶液を入れたステンレス
スチール製ビーカーを陰極として、直流電圧45V、2
5℃の条件で2分間電着した。原板2をイオン交換水で
洗浄した後、80℃で5分間乾燥したところ原板2の透
明導電層上に粘着性のない膜厚2μmのポジ型感光性塗
膜が形成された。
【0108】次いで図2に示す光透過率が4段階に異な
るパターンを有するポジマスクを、該塗膜上に密着し、
高圧水銀ランプを有するUV露光装置((株)オーク製
作所製、商品名「JL−3300」)を使用して500
mJ/cm2の紫外線を照射した。次に濃度0.5重量%
のメタ珪酸ナトリウム水溶液で現像したところ、ポジマ
スクの光透過率が最も高い部分1に対応する部分のポジ
型感光性塗料が選択的に除去され、ITO膜面が露出さ
れた。
【0109】水洗、乾燥後、原板2を陰極とし、黒色塗
料(Y−7)を入れたステンレススチール製ビーカーを
陽極として、直流電圧50Vを25℃で10秒間印加
し、電着した。原板2をイオン交換水で洗浄した後、8
0℃で10分間乾燥し、常温で粘着性を示さない膜厚2
μmの黒色の着色層を形成した。
【0110】次いで1.5重量%のメタ珪酸ナトリウム
水溶液で現像したところ、黒色の着色層、ポジマスクの
光透過率が3番目に高い部分3に対応する部分及びポジ
マスクの光透過率が最も低い部分4に対応する部分には
何の変化も認められず、ポジマスクの光透過率が2番目
に高い部分2に対応する部分のポジ型感光性塗料が選択
的に除去された。次に水洗、乾燥後、着色塗料(Y−
7)の電着と同様にして、着色塗料(Y−1)を、直流
電圧25V、25℃の条件で30秒間電着した後、イオ
ン交換水で洗浄したところ、先に形成した黒色の着色層
等には全く変化が見られず、赤色の着色層が形成され
た。80℃で10分間乾燥し、次いで4.0重量%のメ
タ珪酸ナトリウム水溶液で現像したところ、黒色及び赤
色の着色層に変化は認められず、またポジマスクの光透
過率が最も低い部分4に対応する部分にも変化は認めら
れず、ポジマスクの光透過率が3番目に高い部分3に対
応する部分のポジ型感光性塗料が選択的に除去された。
次いで水洗、乾燥後、黒色塗料(Y−7)の電着と同様
にして、着色塗料(Y−2)を、直流電圧23V、25
℃の条件で40秒間電着した。原板2をイオン交換水で
洗浄したところ、先に形成した黒色、赤色の着色層、ポ
ジマスクの光透過率が最も低い部分4に対応する部分の
ポジ型感光性塗料部分には全く変化が見られず、緑色の
着色層が形成された。
【0111】80℃で10分間乾燥し、更に原板2全体
に500mJ/cm2の紫外線を照射し、次に全体を1
50℃で10分間加熱処理し、濃度0.3重量%のメタ
珪酸ナトリウム水溶液で現像したところ、残存するポジ
マスクの光透過率が最も低い部分4に対応する部分のポ
ジ型感光性塗料部分が除去された。水洗、乾燥後、黒色
塗料(Y−7)の電着と同様にして、着色塗料(Y−
3)を、直流電圧20V、25℃の条件で1分間電着し
た。原板2をイオン交換水で洗浄したところ、先に形成
した黒色、赤色の着色層、緑色の着色層には全く変化が
みられず、青色の着色層が形成された。硬化を完全に行
わせるために、180℃で30分間焼き付け、透明性、
均一性に優れ、精度の良い黒色遮光層を有するカラーフ
ィルターが得られた。
【0112】
【実施例3】膜厚80nmのITO(インジウム−錫酸
化物)膜を表面に有する1.1mmのパイレックスガラ
ス基板(以下、原板3という)を陰極とし、カチオン性
ネガ型感光性塗料(X−3)水溶液を入れたステンレス
スチール製ビーカーを陽極として、直流電圧30V、2
5℃の条件で3分間電着した。原板3をイオン交換水で
洗浄した後、80℃で5分間乾燥、冷却した。さらにポ
リビニルアルコールをスピンコート法で膜厚3μmに均
一に塗布し、80℃で10分間乾燥したところ、原板3
の透明導電層上に粘着性のない膜厚2μmの均一なネガ
型感光性塗膜及びポリビニルアルコール膜が形成され
た。
【0113】次いで図3に示す光透過率が4段階に異な
るパターンを有するネガマスクを、該塗膜上に密着し、
高圧水銀ランプを有するUV露光装置((株)オーク製
作所製、商品名「JL−3300」)を使用して500
mJ/cm2の紫外線を照射した。次に濃度0.05重量
%の乳酸水溶液で現像したところ、ネガマスクの光透過
率が最も低い部分5に対応する部分のネガ型感光性塗料
が選択的に除去され、ITO膜面が露出された。
【0114】水洗、乾燥後、原板3を陽極とし、黒色塗
料(Y−8)を入れたステンレススチール製ビーカーを
陰極として、直流電圧50Vを25℃で10秒間印加
し、電着した。原板3をイオン交換水で洗浄した後、8
0℃で10分間乾燥し、常温で粘着性を示さない膜厚2
μmの黒色の着色層を形成した。
【0115】次いで0.5重量%の乳酸水溶液で現像し
たところ、黒色の着色層、ネガマスクの光透過率が3番
目に低い部分7に対応する部分及びネガマスクの光透過
率が最も高い部分8に対応する部分のネガ型感光性塗膜
には何の変化も認められず、ネガマスクの光透過率が2
番目に低い部分6に対応する部分のネガ型感光性塗膜が
選択的に除去された。
【0116】次に水洗、乾燥後、黒色塗料(Y−8)の
電着と同様にして、着色塗料(Y−4)を、直流電圧2
5V、25℃の条件で30秒間電着した後、イオン交換
水で洗浄したところ、先に形成した黒色の着色層等には
全く変化が見られず、赤色の着色層が形成された。80
℃で10分間乾燥し、次いで3.0重量%の乳酸水溶液
で現像したところ、黒色及び赤色の着色層に変化は認め
られず、またネガマスクの光透過率が最も高い部分8に
対応する部分にも変化は認められず、ネガマスクの光透
過率が3番目に低い部分7に対応する部分のネガ型感光
性塗膜が選択的に除去された。
【0117】次いで水洗、乾燥後、黒色塗料(Y−8)
の電着と同様にして、着色塗料(Y−5)を、直流電圧
23V、25℃の条件で40秒間電着した。原板3をイ
オン交換水で洗浄したところ、先に形成した黒色、赤色
の着色層、ネガマスクの光透過率が最も高い部分8に対
応する部分のネガ型感光性塗膜には全く変化が見られ
ず、緑色の着色層が形成された。次いで80℃で10分
間乾燥し、7.0重量%の乳酸水溶液で現像したとこ
ろ、着色層に変化は認められず、残存するカチオン性ネ
ガ型感光性塗膜、即ち光照射量が最も多い部分8のネガ
型感光性塗膜のみが選択的に除去された。
【0118】水洗、乾燥後、黒色塗料(Y−8)の電着
と同様にして、着色塗料(Y−6)を、直流電圧20
V、25℃の条件で1分間電着した。原板3をイオン交
換水で洗浄したところ、先に形成した黒色、赤色及び緑
色の着色層には全く変化がみられず、青色の着色層が形
成された。次いで80℃で10分間乾燥した後、硬化を
完全に行わせるために、170℃で30分間焼き付け
た。硬化後の各着色層及び遮光層の膜厚はいずれも2.
0μmであり、透明性に優れた均一な着色層を有するカ
ラーフィルターが得られた。
【0119】
【実施例4】膜厚80nmのITO(インジウム−錫酸
化物)膜を表面に有する1.1mmのパイレックスガラ
ス基板(以下、原板4という)を陽極とし、アニオン性
ネガ型感光性塗料(X−4)水溶液を入れたステンレス
スチール製ビーカーを陰極として、直流電圧25V、2
5℃の条件で3分間電着した。原板4をイオン交換水で
洗浄した後、80℃で10分間乾燥、冷却した。さらに
ポリビニルアルコールをスピンコート法で膜厚3μmに
均一に塗布し、80℃で10分間乾燥したところ、原板
4の透明導電層上に粘着性のない膜厚2μmの均一なネ
ガ型感光性塗膜及びポリビニルアルコール膜が形成され
た。
【0120】次いで図3に示す光透過率が4段階に異な
るパターンを有するネガマスクを、該塗膜上に密着し、
高圧水銀ランプを有するUV露光装置((株)オーク製
作所製、商品名「JL−3300」)を使用して600
mJ/cm2の紫外線を照射した。次に濃度0.1重量%
の炭酸ナトリウム水溶液で現像したところ、ネガマスク
の光透過率が最も低い部分5に対応する部分のネガ型感
光性塗膜が選択的に除去され、ITO膜面が露出され
た。
【0121】水洗、乾燥後、原板4を陰極とし、黒色塗
料(Y−7)を入れたステンレススチール製ビーカーを
陽極として、直流電圧50Vを25℃で10秒間印加
し、電着した。原板4をイオン交換水で洗浄した後、8
0℃で10分間乾燥し、黒色の着色層を形成した。
【0122】次いで0.75重量%の炭酸ナトリウム水
溶液で現像したところ、黒色の着色層、ネガマスクの光
透過率が3番目に低い部分7に対応する部分及びネガマ
スクの光透過率が最も高い部分8に対応する部分のネガ
型感光性塗膜には何の変化も認められず、ネガマスクの
光透過率が2番目に低い部分6に対応する部分のネガ型
感光性塗膜が選択的に除去された。
【0123】次に水洗、乾燥後、黒色塗料(Y−7)の
電着と同様にして、着色塗料(Y−1)を、直流電圧2
5V、25℃の条件で30秒間電着した後、イオン交換
水で洗浄したところ、先に形成した黒色の着色層等には
全く変化が見られず、赤色の着色層が形成された。80
℃で10分間乾燥し、次いで5.0重量%のメタ珪酸ナ
トリウム水溶液で現像したところ、黒色及び赤色の着色
層に変化は認められず、またネガマスクの光透過率が最
も高い部分8に対応する部分にも変化は認められず、ネ
ガマスクの光透過率が3番目に低い部分7に対応する部
分のネガ型感光性塗膜が選択的に除去された。
【0124】次いで水洗、乾燥後、黒色塗料(Y−7)
の電着と同様にして、着色塗料(Y−2)を、直流電圧
23V、25℃の条件で40秒間電着した。原板4をイ
オン交換水で洗浄したところ、先に形成した黒色、赤色
の着色層及びネガマスクの光透過率が最も高い部分8に
対応する部分のネガ型感光性塗膜には全く変化が見られ
ず、緑色の着色層が形成された。次いで80℃で10分
間乾燥し、7.0重量%のメタ珪酸ナトリウム水溶液で
現像したところ、黒色、赤色及び青色の着色層に変化は
認められず、残存するアニオン性ネガ型感光性塗膜、即
ち光照射量が最も多い部分8のネガ型感光性塗膜のみが
選択的に除去された。
【0125】水洗、乾燥後、黒色塗料(Y−7)の電着
と同様にして、着色塗料(Y−3)を、直流電圧20
V、25℃の条件で1分間電着した。原板4をイオン交
換水で洗浄したところ、先に形成した黒色、赤色及び緑
色の着色層には全く変化がみられず、青色の着色層が形
成された。次いで80℃で10分間乾燥した後、硬化を
完全に行わせるために、170℃で30分間焼き付け
た。硬化後の各着色層及び遮光層の膜厚はいずれも2.
0μmであり、透明性に優れた均一な着色層を有するカ
ラーフィルターが得られた。
【0126】
【実施例5】膜厚100nmのITO(インジウム−錫
酸化物)膜を表面に有する0.7mmのパイレックスガ
ラス基板(以下、原板5という)に、ポジ型フォトレジ
スト(東京応化株式会社製、商品名「OFPR−80
0」)をスピンコーターで塗布し、80℃で10分間乾
燥し、膜厚2.5μmのポジ型感光性塗膜が形成され
た。
【0127】次いで光透過率が4段階に異なるパターン
を有するポジマスク(図示せず)を、該塗膜上に密着
し、高圧水銀ランプを有するUV露光装置((株)オー
ク製作所製、商品名「JL−3300」)を使用して7
0mJ/cm2の紫外線を照射した。この際、ポジマスク
の最も光透過率の高い部分に対応するポジ型感光性塗膜
には、70mJ/cm2の紫外線が、2番目に光透過率の
高い部分に対応するポジ型感光性塗膜には、56mJ/
cm2の紫外線が、3番目に光透過率の高い部分に対応す
るポジ型感光性塗膜には、17.5mJ/cm2の紫外線
が照射され、最も光照射率の低い部分に相当する感光性
塗膜には紫外線は照射されなかった。
【0128】次に濃度2.4重量%のテトラメチルアン
モニウムヒドロキシド水溶液で現像したところ、ポジマ
スクの光透過率が最も高い部分のポジ型感光性塗膜が選
択的に除去され、ITO膜面が露出された。
【0129】水洗、乾燥後、原板5を陽極とし、アニオ
ン電着性を有する黒色塗料(Y−9)を入れたステンレ
ススチール製ビーカーを陰極として、直流電圧50Vを
25℃で10秒間印加し、電着した。原板5をイオン交
換水で洗浄した後、120℃で10分間乾燥・一部硬化
した。
【0130】次いで濃度3.5重量%のテトラメチルア
ンモニウムヒドロキシド水溶液で現像したところ、黒色
の着色層、ポジマスクの光透過率が3番目に高い部分に
対応する部分及びポジマスクの光透過率が最も低い部分
に対応する部分には何の変化も認められず、ポジマスク
の光透過率が2番目に高い部分に対応する部分のポジ型
感光性塗膜が選択的に除去された。次に水洗、乾燥後、
黒色塗料(Y−9)の電着と同様にして、着色塗料(Y
−10)を、直流電圧25V、25℃の条件で30秒間
電着した後、イオン交換水で洗浄したところ、先に形成
した黒色の着色層等には全く変化が見られず、赤色の着
色層が形成された。120℃で10分間乾燥し・一部硬
化し、濃度5.5重量%のテトラメチルアンモニウムヒ
ドロキシド水溶液で現像したところ、黒色及び赤色の着
色層に変化は認められず、またポジマスクの光透過率が
最も低い部分に対応する部分にも変化は認められず、ポ
ジマスクの光透過率が3番目に高い部分に対応する部分
のポジ型感光性塗膜が選択的に除去された。
【0131】次いで水洗、乾燥後、黒色塗料(Y−9)
の電着と同様にして、着色塗料(Y−11)を、直流電
圧23V、25℃の条件で40秒間電着した。原板5を
イオン交換水で洗浄したところ、先に形成した黒色、赤
色の着色層、ポジマスクの光透過率が最も低い部分に対
応する部分のポジ型感光性塗膜部分には全く変化が見ら
れず、緑色の着色層が形成された。
【0132】120℃で10分間乾燥・一部硬化し、更
に原板5全体に500mJ/cmの紫外線を照射し、次
に全体を150℃で10分間加熱処理し、濃度2.4重
量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で
現像したところ、残存するポジマスクの光透過率が最も
低い部分に対応する部分のポジ型感光性塗膜部分が除去
された。水洗、乾燥後、黒色塗料(Y−9)の電着と同
様にして、着色塗料(Y−12)を、直流電圧20V、
25℃の条件で1分間電着した。原板5をイオン交換水
で洗浄したところ、先に形成した黒色、赤色の着色層、
緑色の着色層には全く変化がみられず、青色の着色層が
形成された。硬化を完全に行わせるために、180℃で
30分間焼き付け、透明性、均一性に優れ、精度の良い
黒色遮光層を有するカラーフィルターが得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施態様を示す工程図であ
る。
【図2】図2は本発明の実施例1及び2で使用したポジ
マスクの拡大模式図である。
【図3】図3は本発明の実施例3及び4で使用したネガ
マスクの拡大模式図である。
【符号の説明】
1 第1の色相当部分(光透過率100%) 2 第2の色相当部分(光透過率80%) 3 第3の色相当部分(光透過率25%) 4 第4の色相当部分(光透過率5%) 5 第1の色相当部分(光透過率0%) 6 第2の色相当部分(光透過率25%) 7 第3の色相当部分(光透過率80%) 8 第4の色相当部分(光透過率100%)
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年8月30日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0132
【補正方法】変更
【補正内容】
【0132】120℃で10分間乾燥・一部硬化し、更
に原板5全体に500mJ/cm2 の紫外線を照射し、
次に全体を150℃で10分間加熱処理し、濃度2.4
重量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液
で現像したところ、残存するポジマスクの光透過率が最
も低い部分に対応する部分のポジ型感光性塗膜部分が除
去された。水洗、乾燥後、黒色塗料(Y−9)の電着と
同様にして、着色塗料(Y−12)を、直流電圧20
V、25℃の条件で1分間電着した。原板5をイオン交
換水で洗浄したところ、先に形成した黒色、赤色の着色
層、緑色の着色層には全く変化がみられず、青色の着色
層が形成された。硬化を完全に行わせるために、180
℃で30分間焼き付け、透明性、均一性に優れ、精度の
良い黒色遮光層を有するカラーフィルターが得られた。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A−1)最外表面に透明導電層を有す
    る透明基板の少なくとも透明導電層上にポジ型感光性塗
    膜を形成し、次いで少なくとも光透過率が3段階に異な
    るパターンを有するマスクを介して露光する工程と、
    (B−1)該パターン部分のポジ型感光性塗膜を現像除
    去し、露出した導電層上に着色塗料を電着塗装し着色層
    を形成する操作を、マスクの光透過率の大きい順に対応
    するパターン部分について順次繰り返すことにより着色
    層を形成する工程とを含むカラーフィルターの製造法で
    あって、 前記電着塗装する際の電圧を、電着塗装を順次繰り返す
    毎に低くすることを特徴とするカラーフィルターの製造
    法。
  2. 【請求項2】 (A−2)最外表面に透明導電層を有す
    る透明基板の少なくとも透明導電層上にネガ型感光性塗
    膜を形成し、次いで少なくとも光透過率が3段階に異な
    るパターンを有するマスクを介して露光する工程と、
    (B−2)該パターン部分のネガ型感光性塗膜を現像除
    去し、露出した導電層上に着色塗料を電着塗装し着色層
    を形成する操作を、マスクの光透過率の小さい順に対応
    するパターン部分について順次繰り返すことにより着色
    層を形成する工程とを含むカラーフィルターの製造法で
    あって、 前記電着塗装する際の電圧を、電着塗装を順次繰り返す
    毎に低くすることを特徴とするカラーフィルターの製造
    法。
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