JPH0553010A - カラーフイルターの製造法 - Google Patents

カラーフイルターの製造法

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JPH0553010A
JPH0553010A JP2287492A JP2287492A JPH0553010A JP H0553010 A JPH0553010 A JP H0553010A JP 2287492 A JP2287492 A JP 2287492A JP 2287492 A JP2287492 A JP 2287492A JP H0553010 A JPH0553010 A JP H0553010A
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conductive layer
transparent conductive
film
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JP2287492A
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English (en)
Inventor
Yukio Yamashita
幸男 山下
Haruyoshi Sato
晴義 佐藤
Toru Nakamura
徹 中村
Hitoshi Yuasa
仁士 湯浅
Yutaka Otsuki
裕 大月
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Eneos Corp
Original Assignee
Nippon Oil Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 配向膜並びに表面に透明導電層を有する基板
の透明導電層上に感光性塗膜を形成し、光透過率が3段
階以上に異なるパターンを有するマスクを介する露光工
程、該パターン部分の感光性塗膜を現像除去し、透明導
電層を露出させ、該露出導電層上に着色塗料を電着塗装
し着色層を形成する操作を、前記パターン部分について
順次繰り返す工程及び該着色層、透明導電層及び配向膜
を転写用基板上に転写する工程を含むカラーフィルター
の製造法。 【効果】 本発明は、高度な微細加工技術を必要とせ
ず、着色層のパターン形状の自由度を大きくすることが
でき、一回の露光ですべてのパターニングが可能で、更
に大型化への対処も容易である。また着色層と透明基板
との間に電極を設ける必要がないので、駆動電圧を低下
でき、光透過率の低下のないカラーフィルターを、簡便
に、しかも大量生産することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はカラーフィルターの製造
法に関し、特にカラー液晶表示装置用等として好適なカ
ラーフィルターの製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、一般に使用されているカラーフィ
ルターの製造法としては、透明基板を染料や顔料を含ん
だバインダーによって着色する染色法、印刷法、顔料分
散法等がある。
【0003】しかしながら、前記染色法は、基板上の樹
脂薄膜を色素で選択染色する方法であるので、色替えの
度に防染およびフォトリソグラフィー工程を行なう必要
があり、また前記印刷法では防染の必要はないが、色パ
ターンの微細化に限界が生じ、多色化が進むほど印刷位
置の精度が悪くなるという問題がある。更に前記顔料分
散法では微細パターンは可能であるものの、色替えの度
に高精度のフォトリソグラフィー工程を経ねばならず工
程がきわめて複雑化するという欠点がある。
【0004】一方、これらの欠点を解消するために、特
開昭59−114572号公報において、電着塗装法に
よるカラーフィルターの製造法が提案されている。該方
法では、まず基板上に形成された透明導電膜をパターニ
ングして透明電極を形成し、該パターン化透明電極の同
じ色に着色される箇所にのみ電圧を印加し、着色電着浴
中で電着して着色層を形成する。次に別の色に着色され
る箇所にのみ電圧を印加し電着処理して別の着色層を形
成する。しかしこの方法は、まず高精度を必要とする透
明電極のパターニングを最初に行なわなければならず、
後工程での取扱いに多大の注意が必要であり、微細パタ
ーンの一部でも断線すると以後の着色工程が困難となる
ため製造上好ましくない。さらにパターン化透明電極
は、微細部分であってもすべて電気的に連続していなけ
ればならず、パターン形状の自由度に制約がある。
【0005】また特開昭63−210901号公報にお
いて、ポジ型感光性樹脂組成物を用いて同じ色に着色さ
れる箇所のみのパターンを有するマスクを介して露光、
現像し電着によって着色層を形成し、その後この露光・
現像・電着の工程を所望回数繰り返すという方法が提案
されているが、該方法は工程が複雑であり十分に簡略化
されたとはいえず、更に未露光部のキノンジアジド化合
物も現像時にアルカリ水溶液に曝すと変質して感光性が
著しく変化し、以後の露光・現像が困難になるという欠
点がある。
【0006】これらの電着法においては、着色層形成の
ための透明電極が、液晶駆動用の電極としても使用され
ることになるが、透明電極上に形成される着色層は絶縁
体であるため、液晶の駆動電圧が非常に高くなる。そこ
で現在前記方法に基づいて形成される着色層上には、更
に液晶駆動用の透明電極を設けて駆動電圧を低下させて
いるのが現状である。また前記方法において使用されて
いる透明電極は、光透過率が80〜85%であるため、
透明電極を2層設けることは、光透過率を低下させ、着
色表示基板としての性能が劣るという問題が生じる。こ
のような問題を解決するために、特開平1−22379
号公報において、原板上に着色層を形成し、これを透明
基板上に転写する方法が提案されているが、該方法では
各色毎に転写を行なうため、転写の度に高精度のアライ
メントが必要であり、製造法が煩雑となる。
【0007】一方、カラーフィルターを有するデバイス
の高性能化への要望から、コントラストの向上や色純度
の低下防止が望まれ、その解決策として一般に、カラー
フィルターの各画素間部分に非透光性膜を形成する方法
が知られている。該非透光性膜の形成方法としては、例
えば、予め非透光性膜パターンが形成された基板上にア
ライメントしながら画素を形成していく方法又は予め画
素パターンの形成された基板上にアライメントしながら
非透光性膜パターンを形成していく方法等が用いられて
いる。
【0008】しかしながら、これらの方法では、いずれ
も画素パターンと、非透光性膜パターンとの間にアライ
メント操作を行なう必要があるため、この精度により画
素パターン間に透光部のない一致したサイズの非透光性
膜パターンを形成することは困難である。更にこれらの
重なり部分が生じる場合には、カラーフィルター上に段
差が生じ、構造的に要求の強い平坦性に優れるカラーフ
ィルターを製造することは困難である。
【0009】また上述の方法はいずれもアラインメント
のために高精度の加工技術が要求され、ワークサイズの
大型化の要求、すなわち画面寸法の大型化や多面付によ
るコストダウンの要求に対しての対応が困難である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】したがって本発明の目
的は、高度な微細加工技術を必要とせず、着色層のパタ
ーン形状の自由度が大きく、カラーフィルター画素間に
間隙なく非透光性層を配置でき、しかも大型化への対処
も容易であり、かつ大量生産が容易で簡便な、カラーフ
ィルターの製造法を提供するものである。
【0011】本発明の別の目的は、駆動電圧を低下で
き、光透過率の低下もなく、更に改めて透明電極の形成
工程を必要としないカラーフィルターの製造法を提供す
るものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、着色層の
パターン形状の自由度が大きく、大型化にも対処可能な
カラーフィルターの製造法について研究の結果、ポジ型
またはネガ型感光性樹脂と特定のマスクを組み合わせる
という簡便な工程により優れた性能を有するカラーフィ
ルターが得られることを見いだした。
【0013】すなわち、本発明によれば、(A−1)配
向膜を有し、且つ最外表面に透明導電層を有する基板の
透明導電層上にポジ型感光性塗膜を形成し、少なくとも
光透過率が3段階に異なるパターンを有するマスクを介
して露光する工程と、(B−1)該パターン部分のポジ
型感光性塗膜を現像除去し、透明導電層を露出させ、露
出した該導電層上に着色塗料を電着塗装し着色層を形成
する操作を、マスクの光透過率の大きい順に対応するパ
ターン部分について順次繰り返すことにより着色層を形
成する工程と、(Z−1)転写用基板上に、該着色層、
透明導電層及び配向膜を転写する工程とを含むことを特
徴とするカラーフィルターの製造法が提供される。
【0014】また本発明によれば、(A−2)配向膜を
有し、且つ最外表面に透明導電層を有する基板の透明導
電層上にネガ型感光性塗膜を形成し、少なくとも光透過
率が3段階に異なるパターンを有するマスクを介して露
光する工程と、(B−2)該パターン部分のネガ型感光
性塗膜を現像除去し、透明導電層を露出させ、露出した
該導電層上に着色塗料を電着塗装し着色層を形成する操
作を、マスクの光透過率の小さい順に対応するパターン
部分について順次繰り返すことにより着色層を形成する
工程と、(Z−2)転写用基板上に、該着色層、透明導
電層及び配向膜を転写する工程とを含むことを特徴とす
るカラーフィルターの製造法が提供される。
【0015】更に本発明によれば、前記(A−1)工程
と、前記(B−1)工程と、前記(C−1)光照射量が
異なる露光部分のうち、少なくとも1箇所の部分のポジ
型感光性塗膜を現像除去して露出した透明導電層上に選
択的に金属層を形成する工程と、(Z−3)転写用基板
上に、該着色層、透明導電層、配向膜及び金属層を転写
する工程とを含むことを特徴とするカラーフィルターの
製造法が提供される。
【0016】更にまた本発明によれば、前記(A−2)
工程と、前記(B−2)工程と、前記(C−2)光照射
量が異なる露光部分のうち、少なくとも1箇所の部分の
ネガ型感光性塗膜を現像除去して露出した透明導電層上
に選択的に金属層を形成する工程と、(Z−4)転写用
基板上に、該着色層、透明導電層、配向膜及び金属層を
転写する工程とを含むことを特徴とするカラーフィルタ
ーの製造法が提供される。
【0017】また本発明によれば、前記(A−1)工程
と、前記(B−1)工程と、前記(C−1)工程と、
(D−1)前記金属層上に着色塗料を電着塗装し、着色
層形成する工程と、(Z−5)転写用基板上に、該着色
層、透明導電層及び配向膜と、金属層及び該金属層上に
形成した着色層とを転写する工程とを含むことを特徴と
するカラーフィルターの製造法が提供される。
【0018】更に本発明によれば、前記(A−2)工程
と、前記(B−2)工程と、前記(C−2)工程と、
(D−2)前記金属層上に着色塗料を電着塗装し、着色
層形成する工程と、(Z−6)転写用基板上に、該着色
層、透明導電層、配向膜及び金属層と、金属層及び該金
属層上に形成した着色層とを転写する工程とを含むこと
を特徴とするカラーフィルターの製造法が提供される。
【0019】以下、本発明をさらに詳細に説明する。
【0020】本発明のカラーフィルターの製造法におい
ては、先ず、配向膜を有し、且つ最外表面に透明導電層
を有する基板の透明導電層上にポジ型またはネガ型感光
性塗膜を形成し、少なくとも光透過率が3段階に異なる
パターンを有するマスクを介して露光する工程を行う
(以下、ポジ型感光性塗膜を用いる場合を(A−1)工
程、またネガ型感光性塗膜を用いる場合を(A−2)工
程という)(また(A−1)工程および(A−2)工程
を総称して(A)工程という)。
【0021】本発明に使用する配向膜を有し、且つ最外
表面に透明導電層を有する基板とは、基板上に配向膜が
形成されており、その上に透明導電層が形成された板状
のものであれば特に制限されない。
【0022】該基板の材料としては、例えば金属板また
は板状絶縁物等を挙げることができ、具体的にはガラ
ス、各種の積層板類、各種のプラスチック類または金属
等が挙げられる。基板の表面はカラーフィルターの性能
上、平滑であることが望ましく、必要によっては表面を
研磨して使用することもできる。また後工程での転写を
容易ならしめるために基板表面と配向膜との間に剥離層
を形成させておくことが好ましく、該剥離層としては、
通常シリコーン、ポリテトラフルオロエチレン等の薄膜
が有用である。
【0023】本発明に使用する配向膜には、通常液晶配
向膜に使用される配向膜と同様なものを用いることがで
きる。
【0024】該配向膜に使用する材料は、カラーフィル
ターに要求される性能などに悪影響を及ぼさないものが
好ましく、例えば無機材料としてはシリカ、有機材料と
してはポリイミド、ポリフェニレンスルフィド、エポキ
シ樹脂、アクリル樹脂等を挙げることができる。該配向
膜の膜厚はカラーフィルターに要求される性能に応じて
適宜選定可能であるが、通常0.01〜3μmが望まし
い。また配向膜の形成方法としては、例えば斜方蒸着
法、グレーティング法、ラビング法等が挙げられ、特に
ラビング法により配向処理を行う方法は、転写工程終了
後にも行うことができるため特に好ましい。また、プラ
ズマ重合法等によって基板表面で重合を行わせ、配向膜
を形成させることもできる。
【0025】本発明に用いる透明導電層としては、例え
ば、酸化スズ、酸化インジウムまたは酸化アンチモン等
を成分とする材料が挙げられ、膜厚は通常20〜300
nmであるのが好ましい。また該透明導電層の形成方法
は特に制限されず、例えばスプレー法、CVD法、スパ
ッタリング法、真空蒸着法等の公知の方法が挙げられ
る。該透明導電層は、カラーフィルターの性能上、でき
る限り透明度の高いものを用いることが望ましい。
【0026】前記基板の透明導電層上にポジ型またはネ
ガ型感光性塗膜を形成する方法は、特に限定されない
が、公知の方法、例えば電着法、吹き付け法、浸漬塗装
法、ロールコート法、スクリーン印刷法、スピンコータ
ーで塗装する方法等で、透明導電層上に塗布することに
より形成することができる。
【0027】本発明の(A−1)工程に用いるポジ型感
光性塗膜を形成するためのポジ型感光性塗料としては、
塗膜形成能と感光性とを有する樹脂(以下、ポジ型感光
性塗料用樹脂という)、または該ポジ型感光性塗料用樹
脂と染料および/または顔料等とを有機溶媒や水などに
分散あるいは溶解した塗料等を挙げることができる。該
ポジ型感光性塗料は、染料および/または顔料を含んで
いても、含んでいなくともよいが、目的とするカラーフ
ィルターの一構成部分となる色相に染料および/または
顔料を含んでいると、後述する(B)工程の繰返し回数
を1回省略することができ好適である。
【0028】本発明において好ましく使用されるポジ型
感光性塗料用樹脂としては、露光部分が現像液によって
溶出されるものであれば特に限定されるものではなく、
例えばキノンジアジド基を有する樹脂、ジアゾメルドラ
ム酸又はニトロベンジルエステル等を含有する樹脂若し
くはこれらの樹脂を有する樹脂組成物等を好ましく挙げ
ることができ、具体的には例えばアクリル樹脂、エポキ
シ樹脂、ウレタン樹脂、ポリブタジエン樹脂等に、アミ
ノ基、アンモニウム、スルホニウム等のオニウム基と水
酸基とを導入し、更にキノンジアジドスルホン酸化合物
をエステル化反応により付加した樹脂で、蟻酸、酢酸、
プロピオン酸、乳酸などの酸あるいは酸性物質で水に可
溶化および/または分散される樹脂等のキノンジアジド
基を有するカチオン性の樹脂組成物;アクリル樹脂、ポ
リエステル樹脂、マレイン化油樹脂、ポリブタジエン樹
脂、エポキシ樹脂等にカルボキシル基等と水酸基とを導
入し、更にキノンジアジドスルホン酸化合物をエステル
化反応により付加した樹脂で、トリエチルアミン、ジエ
チルアミン、ジメチルエタノールアミン、アンモニア等
の塩基性物質で水に可溶化および/または分散される樹
脂等のキノンジアジド基を有するアニオン性の樹脂組成
物;造膜機能を有する樹脂及びヒドロキシル基を有する
化合物と、キノンジアジドスルホン酸誘導体又はイソシ
アナ−ト基を有するキノンジアジド化合物とを反応させ
て得られる樹脂を適宜混合した組成物等を挙げることが
でき、特に工程簡略化や公害防止の点から、水に可溶化
および/または分散しうる樹脂の使用が好ましい。また
前記組成物における混合割合は、露光条件や現像条件に
よって任意選択することができる。
【0029】本発明の(A−2)工程に用いるネガ型感
光性塗膜を形成するためのネガ型感光性塗料としては、
塗膜形成能と感光性とを有する樹脂(以下、ネガ型感光
性塗料用樹脂という)、更には光重合開始剤および必要
により染料および/または顔料等とを有機溶媒や水など
に分散あるいは溶解した塗料等を挙げることができる。
該ネガ型感光性塗料は、染料および/または顔料を含ん
でいても、含んでいなくともよいが、目的とするカラー
フィルターの一構成部分となる色相に染料および/また
は顔料を含んでいると、後述する(B)工程の繰返し回
数を1回省略することができ好適である。
【0030】該ネガ型感光性塗料用樹脂としては、光に
よって架橋しうるエチレン性二重結合を導入した樹脂が
挙げられ、具体的にはアクリロイル基、メタクリロイル
基等の(メタ)アクリロイル基および/またはシンナモ
イル基等の感光性基を分子中に有する、一般に分子量5
00〜10,000程度のプレポリマーまたは樹脂等を
挙げることができる。該プレポリマー又は樹脂として
は、例えばエポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン
(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレ
ート等のプレポリマー;アクリル樹脂、エポキシ樹脂、
ウレタン樹脂、ポリブタジエン樹脂等に、アミノ基、ア
ンモニウム、スルホニウム等のオニウム基と前記感光性
基とを導入した樹脂で、有機溶媒に溶解および/または
分散するか、または蟻酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸な
どの酸あるいは酸性物質で水に可溶化および/または分
散されるカチオン性の樹脂;アクリル樹脂、ポリエステ
ル樹脂、マレイン化油樹脂、ポリブタジエン樹脂、エポ
キシ樹脂等にカルボキシル基等と前記感光性基とを導入
した樹脂を、有機溶媒に溶解および/または分散する
か、またはトリエチルアミン、ジエチルアミン、ジメチ
ルエタノールアミン、アンモニア等の塩基性物質で水に
可溶化および/または分散されるアニオン性の樹脂等を
挙げることができ、特に工程簡略化や公害防止の点か
ら、水に可溶化および/または分散しうるプレポリマー
または樹脂の使用が好ましい。
【0031】また前記ネガ型感光性塗料用樹脂には、ネ
ガ型感光性塗膜の感光性や粘度などを調整するために低
分子量の(メタ)アクリレート類を添加してもよく、具
体的には、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、3−
フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ
ート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、トリ
シクロデカン(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール
ジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ
アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレー
ト、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリ
ス(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート等が
例示され、これらは混合物として使用してもよい。これ
らの(メタ)アクリレート類の配合割合は、感光性塗料
用樹脂100重量部に対して0〜50重量部、好ましく
は0〜30重量部である。(メタ)アクリレート類の配
合割合が50重量部を越えると塗膜に粘着性が出やすく
なり好ましくない。
【0032】前記光重合開始剤は公知のものでよく、例
えばベンゾインおよびそのエーテル類、ベンジルアルキ
ルケタール類、ベンゾフェノン誘導体、アントラキノン
誘導体、チオキサントン誘導体等が挙げられ、さらに必
要によって増感剤を添加してもよい。光重合開始剤の添
加量は、前記ネガ型感光性塗料用樹脂100重量部に対
し、好ましくは0.1〜30重量部、特に好ましくは
0.5〜20重量部の範囲である。光重合開始剤の添加
量が0.1重量部未満では光硬化性が不足し、また30
重量部を越えると硬化が進みすぎて塗膜強度が不足し、
かつ不経済であるため好ましくない。
【0033】前記ポジ型またはネガ型感光性塗料に用い
る樹脂等の各成分を分散または溶解するために使用す
る、有機溶媒としては、上述のプレポリマーまたは樹脂
を溶解しうるものであればよく、各種のグリコールエー
テル類、例えば、エチレングリコールモノブチルエーテ
ル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレ
ングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコ
ールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノフ
ェニルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテ
ル、トリエチレングリコールジメチルエーテル等;ケト
ン類、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチル
イソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン等;
エーテル類、例えば、ジブチルエーテル、ジオキサン、
テトラヒドロフラン等;アルコール類、例えば、メトキ
シブタノール、ジアセトンアルコール、ブタノール、イ
ソプロパノール等;炭化水素類、例えば、トルエン、キ
シレン、ヘキサン等;エステル類、例えば、酢酸エチ
ル、酢酸ブチル、酢酸2−メトキシエチル、酢酸2−メ
トキシプロピル、安息香酸エチル等;酸アミド類、例え
ば、ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトア
ミド、ジメチルスルホキシド等を挙げることができ、使
用に際しては単独若しくは混合物として用いることがで
きる。
【0034】またこれらの有機溶媒は、可溶化や分散を
容易にするため、浴安定性の向上のため、平滑塗膜を得
る等のために、前記カチオン性の樹脂またはアニオン性
の樹脂の水溶化時または水分散時において添加すること
もできる。
【0035】必要により感光性塗料に配合される染料お
よび/または顔料の色相は、目的に応じ適宜選択できる
が、光もれを防止するためには暗色のものが好ましく、
特に黒色、濃紺、濃紫、濃茶等の色相が好ましい。
【0036】また、該染料および/または顔料には、塗
料の安定性、必要により電着特性、塗膜の耐久性等を損
なわないものを選択することが望ましい。この点から染
料としては油溶性あるいは分散性染料が好ましく、具体
的には例えばアゾ系、アントラキノン系、ベンゾジフラ
ン系、縮合メチン系等が挙げられる。また顔料として
は、例えばアゾレーキ系、キナクリドン系、フタロシア
ニン系、イソインドリノン系、アントラキノン系、チオ
インジゴ系等の有機顔料、黄鉛、酸化鉄、クロムバーミ
リオン、クロムグリーン、群青、紺青、コバルトブル
ー、コバルトグリーン、エメラルドグリーン、チタンホ
ワイト、カーボンブラック等の無機顔料が適している。
また、目的とする色相に応じ、前記染料および/または
顔料を、その特性を損なわない限りにおいて、2種類以
上混合して用いることもできる。なお、染料および/ま
たは顔料については適宜「COLOUR INDEX」
等を参照すればよい。
【0037】該染料および/または顔料の使用割合は、
目的、色相、使用する染料および/または顔料の種類、
感光性塗料の乾燥時の膜厚等により適宜選択され、好ま
しくは感光性塗料全体に対して、3〜70重量%、特に
好ましくは5〜60重量%程度が適している。
【0038】さらに、該染料および/または顔料の種類
や使用割合により、得られる塗膜を透光性又は遮光性に
もすることができ、目的により適宜選択できる。例えば
顔料としてカーボンブラック等を、ポジ型またはネガ型
感光性塗料全体に対して3〜50重量%の範囲で用いる
ことにより、黒色かつ遮光性の塗膜を得ることができ
る。該黒色かつ遮光性の塗膜は、光もれを防止する目的
においては特に好ましい。また該染料および/または顔
料の色には白色も含まれる。更にまた使用する染料およ
び/または顔料は、良好な塗膜を得るために精製して不
純物を除去して使用するのが好ましい。さらにポジ型ま
たはネガ型感光性塗料に、該染料や顔料の分散助剤、塗
膜の平滑性をよくするレベリング剤、粘度調整剤、消泡
剤等の各種助剤類等を添加してもよい。
【0039】前記ポジ型感光性塗料を調製するには、ポ
ジ型感光性塗料用樹脂、有機溶媒および/または水、必
要に応じて染料および/または顔料、酸性物質または塩
基性物質、染料あるいは顔料の分散助剤、塗膜の平滑性
をよくするレベリング剤、粘度調整剤、消泡剤等の各種
助剤類等を混合し、一般的に使用されるサンドミル、ロ
ールミル、アトライター等の分散機を用いて充分に分散
させ、所望の濃度に希釈する方法等により得ることがで
きる。
【0040】前記ネガ型感光性塗料を調製するには、ネ
ガ型感光性塗料用樹脂、光重合開始剤、有機溶媒および
/または水、必要に応じて染料および/または顔料、酸
性物質または塩基性物質、染料あるいは顔料の分散助
剤、塗膜の平滑性をよくするレベリング剤、粘度調整
剤、消泡剤等の各種助剤類等を混合し、前記ポジ型感光
性塗料の調製と同様にして分散させ、所望の濃度に希釈
して得ることができる。
【0041】このようにして得られるポジ型またはネガ
型感光性塗料により形成される感光性塗膜の膜厚は特に
制限されず、カラーフィルターに要求される性能等に応
じて適宜選択できるが、乾燥時に通常0.3〜20μ
m、好ましくは1〜15μm程度であればよい。該膜厚
を調整するには、例えば感光性塗膜を電着法で形成する
場合、電圧、電着時間、液温等の電着条件を調整するこ
とにより制御できるが、通常は後述の着色塗料の電着塗
装と同様の条件で行うことができる。またネガ型感光性
塗膜を着色層として用いない場合には、着色剤を添加せ
ずに、膜厚を通常5〜15μm程度に厚くするのが、酸
素による硬化阻害作用の軽減、ピンホールの生成防止等
の点で好ましい。
【0042】本発明において、前記ポジ型またはネガ型
感光性塗膜を露光するには、少なくとも光透過率が3段
階に異なるパターンを有するマスクを介して行う必要が
ある。ここで光透過率とは、露光に使用する光線が、該
マスクを透過する前後における強度の比率をいう。また
該マスクのパターンの異なる光透過率の段数は、少なく
とも3段階あれば良く、使用する着色塗料の種類の数に
応じて決定でき、各段階間の光透過率の差は露光条件や
後述の現像条件に応じて適宜選択することができる。一
般にはそれぞれの光透過率の相対的な差を大きくする方
が露光量、露光時間の調整が容易となるために好ましい
が、光透過率の差が小さい場合であっても露光量を増大
し、あるいは露光時間を長くすることで同一目的を達成
することができる。従って、光透過率の相対的な差は特
に限定されないが、通常5%以上の有意差を有すること
が好ましい。
【0043】前記露光は通常紫外線を多量に発生できる
装置を用いて行うことができ、例えば、高圧水銀灯、超
高圧水銀灯、メタルハライドランプ等を光源として用い
ることができ、必要によっては紫外線以外の他の放射線
を使用してもよい。露光条件は、用いる感光性塗料、露
光装置、前記マスク等に応じて適宜選択できる。
【0044】本発明の製造方法においては、少なくとも
光透過率が3段階に異なるパターンを有するマスクを介
して露光を行うことにより、(A−1)工程においては
ポジ型の感光性塗膜に、(A−2)工程においてはネガ
型の感光性塗膜に、マスクのパターンの光透過率の異な
る段階の数と同数の、異なる露光状態を形成することが
できる。
【0045】本発明の製造法では、前記(A−1)工程
に次いで、該パターン部分のポジ型感光性塗膜を現像除
去し、透明導電層を露出させ、露出した透明導電層上に
着色塗料を電着塗装し着色層を形成する操作を、マスク
の光透過率の大きい順に対応するパターン部分について
順次繰り返すことにより着色層を形成する(以下、(B
−1)工程という)、または前記(A−2)工程に次い
で、該パターン部分のネガ型感光性塗膜を現像除去し、
透明導電層を露出させ、露出した透明導電層上に着色塗
料を電着塗装し着色層を形成する操作を、マスクの光透
過率の小さい順に対応するパターン部分について順次繰
り返すことにより着色層を形成する(以下、(B−2)
工程という)(また(B−1)工程および(B−2)工
程を総称して(B)工程という)。すなわち、該(B−
1)工程では、まずマスクの光透過率が最大であるパタ
ーンに対応する部分のポジ型感光性塗膜を選択的に現像
除去し、露出した透明導電層上に着色塗料を電着塗装し
着色層を形成し、次いでマスクの光透過率が次に大きい
パターンに対応する部分のポジ型感光性塗膜のみを選択
的に現像除去し、露出した透明導電層上に着色塗料を電
着塗装し着色層を形成するという工程を順次繰り返すこ
とにより着色層を形成することができる。また該(B−
2)工程では、まずマスクの光透過率が最少であるパタ
ーンに対応する部分のネガ型感光性塗膜のみを選択的に
現像除去し、露出した透明導電層上に着色塗料を電着塗
装し着色層を形成し、次いでマスクの光透過率が次に小
さいパターンに対応する部分のネガ型感光性塗膜を選択
的に現像除去し、露出した透明導電層上に着色塗料を電
着塗装し着色層を形成するという工程を順次繰り返すこ
とにより着色層を形成することができる。
【0046】前記ポジ型またはネガ型感光性塗膜を選択
的に現像除去する条件は、選択的に除去すべき部分の露
光量、使用するポジ型またはネガ型感光性塗料の現像液
に対する溶解性、現像液の種類や濃度、さらには現像温
度、現像時間によって変わりうるものであり、ポジ型ま
たはネガ型感光性塗料の調製に使用する樹脂等に適した
条件を適宜選択すればよい。
【0047】具体的には例えば、ネガ型感光性塗料の調
製にカチオン性の樹脂を使用する場合の現像液として
は、酸性物質を溶解した水溶液を使用することができ
る。該酸性物質としては、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、
乳酸等の有機酸や塩酸、リン酸等の無機酸を挙げること
ができ、例えば乳酸水溶液を現像液に使用する場合は、
乳酸濃度は通常0.01〜50重量%、好ましくは0.
05〜25重量%、温度は通常10〜70℃、好ましく
は15〜50℃、現像時間は通常2〜600秒、好まし
くは4〜300秒等の範囲から適宜選択すれば良い。ま
たネガ型感光性塗料の調製にアニオン性の樹脂を使用す
る場合の現像液としては、塩基性物質を溶解した水溶液
等を使用することができる。該塩基性物質としては、炭
酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、メタ珪酸ナトリウ
ム、テトラアルキルアンモニウムヒドロキシド、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム等を挙げることができ、例
えば炭酸ナトリウム水溶液を現像液に使用する場合、炭
酸ナトリウム濃度は通常0.01〜25重量%、好まし
くは0.05〜20重量%、温度は通常10〜70℃、
好ましくは15〜50℃、現像時間は通常2〜600
秒、好ましくは4〜300秒等の範囲から適宜選択すれ
ば良い。
【0048】更にポジ型感光性塗料を使用した場合の現
像液としては、通常塩基性物質を溶解した水溶液等を使
用することができる。該塩基性物質としては、炭酸ナト
リウム、炭酸水素ナトリウム、メタ珪酸ナトリウム、テ
トラアルキルアンモニウムヒドロキシド、水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム等を挙げることができ、例えばメ
タ珪酸ナトリウム水溶液を現像液に使用する場合、メタ
珪酸ナトリウム濃度は通常0.01〜25重量%、好ま
しくは0.05〜20重量%、温度は通常10〜70
℃、好ましくは15〜50℃、現像時間は通常2〜60
0秒、好ましくは4〜300秒等の範囲から適宜選択す
れば良い。
【0049】更にまた、ポジ型またはネガ型感光性塗膜
の現像液として有機溶媒を使用してもよく、例えばアル
コール類、グリコールエーテル類、ケトン類、塩素化炭
化水素類等を使用することもできる。またこれらの現像
液には濡れ性改良や消泡のために界面活性剤や消泡剤を
添加してもよく、特に毒性や作業環境性等の点で水溶液
系の現像液を使用するのが好ましい。
【0050】次に前記現像後、露出した透明導電層上
に、着色塗料を電着塗装し、着色層を形成する。
【0051】該着色塗料は、例えば樹脂成分としてカチ
オン性またはアニオン性の樹脂を使用し、着色成分とし
て染料および/または顔料を加え、更に酸性または塩基
性物質を使用して水に溶解および/または分散させた塗
料等を用いることができ、更にまた着色塗料における樹
脂の溶解および/または分散を容易ならしめるため、浴
安定性の向上のため又は平滑塗膜を得る等のために有機
溶媒等を添加してもよい。
【0052】前記カチオン性の樹脂としては、例えばア
クリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリブタジ
エン樹脂、ポリアミド樹脂等に、アミノ基、アンモニウ
ム、スルホニウム等のオニウム基を導入した樹脂で、蟻
酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸等の酸あるいは酸性物質
で水に可溶化または分散される樹脂等を挙げることがで
きる。
【0053】また、前記アニオン性の樹脂としては、例
えばアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、マレイン化油樹
脂、ポリブタジエン樹脂、エポキシ樹脂等にカルボキシ
ル基等を導入した樹脂で、トリエチルアミン、ジエチル
アミン、ジメチルエタノールアミン、アンモニア等の塩
基性物質で水に可溶化または分散される樹脂等を挙げる
ことができる。更にまた、着色塗料の造膜成分は感光性
を有するものであってもよく、前記(A−2)工程にお
けるネガ型感光性塗膜に使用するプレポリマーや樹脂の
中で電着に適するものを用いることもでき、光重合開始
剤を併用してもよい。
【0054】(B)工程において用いる着色塗料は、光
透過率が異なる部分ごとに種類、色相、色濃度、色明暗
の異なるものを使用することが望ましいが、重複して同
じものを用いることもできる。
【0055】着色塗料の色相は、目的に応じ適宜選択す
ることができる。例えば(A)工程において使用する感
光性塗料と(B)工程において使用する着色塗料、さら
には(B)工程において着色塗料を電着塗装する工程を
複数回行う場合に使用する各々の着色塗料には色相の異
なるものを用いることができる。
【0056】前記着色塗料に使用する染料および/また
は顔料は、目的とする色相に応じ選択されるが、得られ
る塗膜の透明性、塗料の安定性、電着特性、塗膜の耐久
性等について問題の生じないものを選択することが望ま
しく、この点から染料としては、油溶性あるいは分散性
染料、具体的には例えばアゾ系、アントラキノン系、ベ
ンゾジフラノン系、縮合メチン系等が挙げられ、顔料と
しては例えばアゾレーキ系、キナクリドン系、フタロシ
アニン系、イソインドリノン系、アントラキノン系、チ
オインジゴ系等の有機顔料、黄鉛、酸化鉄、クロムバー
ミリオン、クロムグリーン、群青、紺青、コバルトブル
ー、コバルトグリーン、エメラルドグリーン、チタンホ
ワイト、カーボンブラック等の無機顔料を挙げることが
できる。また目的とする色相に応じ、上記染料および/
または顔料を、その性状を損なわない限りにおいて、2
種類以上混合して用いることもできる。
【0057】前記着色塗料の調製は、樹脂、染料および
/または顔料、酸性物質または塩基性物質および必要に
より有機溶剤や、染料あるいは顔料の分散助剤、塗膜の
平滑性をよくするレベリング剤、粘度調整剤、消泡剤等
の各種助剤類等を混合し、一般的に使用されるサンドミ
ル、ロールミル、アトライター等の分散機を用いて充分
に分散させ、その後、水で所定の濃度、好ましくは固形
分含量約4〜25重量%、特に好ましくは7〜20重量
%に希釈して電着に適する塗料とする方法等により行な
うことができる。このようにして得られる着色塗料は、
透明導電層上に電着塗装することによって着色層を形成
させる。
【0058】該着色層の膜厚は特に制限されず、カラー
フィルターに要求される性能に応じて適宜選択できる
が、乾燥時に通常0.3〜5μm、好ましくは1〜3μ
m程度であればよい。
【0059】前記電着塗装の条件は、使用する着色塗料
の種類、目的とする着色層の膜厚に応じて適宜選択され
るが、電圧は通常5〜500V、好ましくは10〜30
0Vの直流であるのが好ましく、電着時間は通常5〜3
00秒、好ましくは10〜200秒、液温は通常10〜
35℃、好ましくは15〜30℃であるのが望ましい。
この際所望の膜厚を得る電着時間が経過したところで通
電を停止し、基板を浴から取り出し、余剰に付着した浴
液を水等でよく洗浄し乾燥することにより着色層を形成
することができる。
【0060】該乾燥条件は、後工程の条件等により適宜
選択できるが、通常は着色層表面の水分が乾燥し得る条
件であれば良く、例えば120℃以下、好ましくは30
℃〜100℃で、通常0.5分〜1時間、好ましくは1
〜30分程度乾燥させるのが望ましい。ここで乾燥温度
が120℃よりも高いと未現像のポジ型またはネガ型感
光性塗膜が熱により硬化することがあり、後の現像作業
が困難となるため好ましくない。
【0061】更に本発明の製造法においては、必要に応
じポジ型感光性塗膜又はネガ型感光性塗膜の光照射量の
異なる露光部分のうち、少なくとも1箇所の露光部分の
感光性塗膜を現像除去して露出した導電層上に、選択的
に金属層を形成する工程(以下(C)工程と称す)を更
に必要に応じて、前記金属層上に着色塗料を電着塗装
し、着色層を形成する工程(以下ポジ型電着感光性塗膜
を用いた場合を(D−1)工程、ネガ型電着感光性塗膜
を用いた場合を(D−2)工程と称す)(また(D−
1)工程及び(D−2)工程を総称して(D)工程と称
す)。
【0062】特に前記(B)工程により得られる着色層
のパターン間に存在する間隙に、選択的に金属層を形成
するのが好ましく、ネガ型感光性塗膜の場合には、(A
−2)工程に次いで(C−2)工程を行い、(D−2)
工程を行った後、(B−2)工程を行うのが好ましく、
またポジ型感光性塗膜の場合には、(A−1)工程に次
いで(B−1)工程を行い、(C−1)工程を行った
後、更に必要に応じて(D−1)工程を行うのが好まし
い。即ち、前記(B)工程、(C)工程、(D)工程の
順序は、任意であり、例えばネガ型感光性塗膜の場合に
は、(B−2)工程に先立って、露光量が最も少ない部
分について現像を行い、金属層を形成することが好まし
く、この際(D−2)工程において金属層上に着色塗料
が電着されるが実用上差し支えはない。前記(D)工程
において、金属層上に形成される着色層の色相は、好ま
しくは(B)工程に用いる着色塗料の中で暗色の着色塗
料を用いるのが好ましい。
【0063】前記金属層の形成とは、好ましくは、
(B)工程において着色層を形成した後若しくは着色層
を形成する前に、少なくとも1箇所のパターン部分及び
/又は基板上に残存しているポジ型又はネガ型感光性塗
膜を現像除去し、次いで露出した導電層を電気メッキ法
や無電界メッキ法等により処理することによって行うこ
とができる。前記処理は、通常使用される各種のメッキ
液を用い、通常の処理条件の中からカラーフィルターに
要求される性能に合わせて適宜選択すればよい。
【0064】金属層として使用できる金属としては、
銅、ニッケル、銀、金等のメッキ処理等が可能な一般の
金属材料又は該金属材料の2種以上からなる合金、更に
は該金属材料の2種以上をメッキ液中で混合した金属等
を好ましく挙げることができる。また該金属層の厚さ
は、カラーフィルターに要求される性能等に応じて適宜
選択できるが、通常10nm〜5μm、好ましくは10
nm〜3μm程度であればよい。なお、該金属層厚を着
色層厚と略一致させるように形成することにより、カラ
ーフィルターを著しく平坦化することができるので特に
好ましい。
【0065】本発明の製造法においては、前記(C)工
程により、選択的に露出された導電層上に金属層がメッ
キ等により形成されるので、例えば、着色層間隙にセル
フアラインの形で金属層を形成することができる。この
ようなカラーフィルターは、前述のコントラストの向
上、色純度の向上等の他に、電極補助線としての機能を
合わせ持たせることも可能となり、大画面ディスプレー
における信号遅延やセル内発熱等の低減効果を有する。
【0066】本発明の製造法においては、少なくとも前
記(B)工程により得られる着色層を、転写用基板に転
写する工程(以下ポジ型電着感光性塗膜を用いた場合を
(Z−1)工程、ネガ型電着感光性塗膜を用いた場合を
(Z−2)工程と称す)を行う。また(C−1)工程、
(C−2)工程を行う場合には、少なくとも着色層及び
金属層を転写用基板に転写する工程(以下ポジ型電着感
光性塗膜を用いた場合を(Z−3)工程、ネガ型電着感
光性塗膜を用いた場合を(Z−4)工程と称す)を行
い、更に(D−1)工程、(D−2)工程を行う場合に
は、少なくとも着色層と、金属層及び該金属層上に形成
した着色層とを転写用基板に転写する工程(以下ポジ型
電着感光性塗膜を用いた場合を(Z−5)工程、ネガ型
電着感光性塗膜を用いた場合を(Z−6)工程と称す)
(また前記(Z−1)工程、(Z−2)工程、(Z−
3)工程、(Z−4)工程、(Z−5)工程、(Z−
6)工程を総称して(Z)工程と称す)を行う。
【0067】前記転写用の基板は、特に限定されるもの
ではないが、透明基板、半透明基板、着色基板等、用途
に応じて種々選択することができるが、好ましくはガラ
ス又はプラスチック等の透明基板を用いることができ、
具体的には例えば、ガラス、ポリエステル、ポリスルホ
ン、トリ酢酸セルロース、ポリカーボネート、ポリイミ
ド、ポリスチレン、ポリメチルペンテン等を好ましく用
いることができる。
【0068】前記転写は、着色層、透明導電層および配
向膜が、同時に転写のための基板に転写されるような条
件下に行われればよい。
【0069】前記転写の条件は、基板の材質、配向膜の
形成に使用される材料、透明導電層の材質、着色層に使
用される樹脂の性質や転写用基板の表面状態や材質、更
には転写時の温度、圧力、時間等によって適宜選択する
ことができる。一般的には、例えば転写時の温度は室温
〜150℃が好ましく、特に室温〜120℃が好まし
い。圧力は、0.05〜10kgf/cm2が好まし
く、特に0.1〜5kgf/cm2が好ましい。また時
間は2秒〜1時間が好ましく、特に5秒〜30分が好ま
しい。
【0070】前記転写時の加圧は、プレス、ラミネータ
ー、ゴム被覆ローラ等を用いることができ、この際必要
に応じて加熱しても良い。また着色層が感光性である場
合には、光照射により硬化させて転写することもでき、
更には必要により、加熱と光照射を同時に行うこともで
きる。更に該転写を容易に行なうために、転写用の基板
表面に光硬化性、感圧性又はホットメルト型等の透明接
着剤等を塗布しておくこともできる。また転写工程終了
後、再度加熱や光照射を行なって十分に硬化させ、耐候
性および耐薬品性等をより一層向上させることもでき
る。具体的には、前記再加熱を行なう場合、使用する樹
脂によっても異なるが、好ましくは50〜250℃、特
に好ましくは100〜200℃の範囲で、5分〜1時
間、特に10〜30分の範囲で加熱するのが望ましい。
【0071】更にまた転写後の表面に導電層を有する基
板は再使用することもできる。
【0072】以上の(A)工程、(B)工程、(Z)工
程、必要に応じて行う(C)工程及び更に必要に応じて
行う(D)工程により目的とするカラーフィルターを製
造することができるが、必要により更に加熱・硬化又は
光硬化等を行い、耐候性や耐薬品性等を更に向上させる
こともできる。該加熱・硬化を行う際の条件としては、
例えば温度を通常100〜250℃、好ましくは150
〜250℃とし、5分〜1時間、好ましくは15〜40
分間の条件にて行うことができる。
【0073】以下、図1、図2、図3および図4を参照
して本発明の工程を説明するが、本発明はこれに限定さ
れるものではない。
【0074】図1は、本発明の一実施態様を示す工程図
であり、図2は、本発明に用いるマスクの実施態様のう
ち光透過率が4段階に異なるポジマスクの拡大模式図で
あって、1は光透過率1%の遮光膜もしくは第4の色相
当部分、2は光透過率100%の第1の色相当部分、3
は光透過率25%の第2の色相当部分、4は光透過率5
%の第3の色相当部分を示す。また図3は、本発明に用
いるマスクの実施態様のうち光透過率が4段階に異なる
ネガマスクの拡大模式図であって、5は光透過率100
%の遮光膜もしくは第4の色相当部分、6は光透過率1
%の第1の色相当部分、7は光透過率5%の第2の色相
当部分、8は光透過率25%の第3の色相当部分を示
す。更に図4は、転写の工程を示す工程図であって、9
は基板、10は配向膜、11は透明導電層、12は着色
層及び金属層、13は転写用基板を示す。
【0075】まず配向膜を有し、且つ最外表面に透明導
電層を有する基板の透明導電層上にポジ型またはネガ型
感光性塗膜(遮光膜とする場合には黒色に着色され、金
属遮光層を設ける場合には色相は任意である)を形成
し、例えば図2または図3に示される光透過率が4段階
に異なるネガマスクもしくはポジマスクを介して露光し
た後、第1回目の現像を行い、ポジマスクの光透過率が
最も大きい部分2またはネガマスクの光透過率の最も小
さい部分6に該当する透明導電層を露出させ、第1の色
の着色塗料を入れた電着浴で電着塗装後、水洗する。
【0076】次いで第2回目の現像(第1回目の現像と
は条件が異なる)を行い、ポジマスクの光透過率が2番
目に大きい第2の色相当部分3に該当する部分またはネ
ガマスクの光透過率が2番目に小さい第2の色相当部分
7に該当する部分の透明導電層を露出させ、第2の色の
着色塗料を入れた電着浴で電着塗装し、水洗する。
【0077】さらに第3回目の現像(第1回目および第
2回目の現像とは条件が異なる)を行い、ポジマスクの
光透過率が3番目に大きい第3の色相当部分4に該当す
る部分またはネガマスクの光透過率が3番目に小さい第
3の色相当部分8に該当する部分の透明導電層を露出さ
せ、第3の色の着色塗料を入れた電着浴で電着塗装後、
水洗する。この際、前記ポジ型またはネガ型感光性塗膜
を黒色とした場合には、乾燥し、遮光層を含む着色層を
形成し、後述の4回目の現像は行わない。
【0078】遮光層を別途電着塗装や金属メッキで作製
する場合、第4回目の現像(第1回目、第2回目及び第
3回目の現像とは条件が異なる)を行い、ポジマスクの
光透過率が最も少ない第4の色相部分1に該当する部分
又はネガマスクの光透過率が最も多い第4の色相部分5
に該当する部分を現像除去して導電層を露出させ、第4
の色の着色塗料の電着塗装した着色層若しくはメッキに
よる金属遮光層の形成を行い水洗する。
【0079】次に図4において、この基板9上の配向膜
10および透明導電層11上に形成された着色層及び金
属層12を、転写用の基板13に転写することによっ
て、本発明のカラーフィルターを得ることができる。
【0080】本発明においては、ポジ型またはネガ型感
光性塗料としてカチオン性樹脂を水に溶解および/また
は分散させた塗料を用い、ポジ型またはネガ型感光性塗
膜を形成し、アニオン性樹脂を用いて調製した着色塗料
により着色層を形成する方法またはこれとは逆にポジ型
またはネガ型感光性塗料としてアニオン性樹脂を水に溶
解および/または分散させた樹脂成分等を用い、ポジ型
またはネガ型感光性塗膜を形成し、カチオン性樹脂によ
り調製した着色塗料を用いて着色層を形成する方法等が
特に好ましい。
【0081】
【発明の効果】本発明のカラーフィルターの製造法は、
高度な微細加工技術を必要とせず、着色層のパターン形
状の自由度を大きくすることができ、一回の露光ですべ
てのパターニングが可能で、更に大型化への対処も容易
である。また着色層と透明基板との間に電極を設ける必
要がないので、駆動電圧を低下でき、光透過率の低下の
ないカラーフィルターを、簡便に、しかも大量生産する
ことができるので工業的にも極めて有用である。
【0082】
【実施例】以下に本発明を合成例および実施例によって
具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるもの
ではない。尚、以下例中において部は重量部を示す。
【0083】
【合成例1】カチオン性ポジ型感光性塗料(X−1)の合成 不飽和化合物(x−1)の合成 グリシド−ル148部、ジブチル錫ジラウリレ−ト0.
8部、ヒドロキノンモノメチルエ−テル0.2部及び2
−エトキシエチルアセテ−ト82部を、温度計、撹拌装
置、還流冷却管、ガス導入管及び滴下漏斗が装着された
1リットルのセパラブルフラスコに仕込み、50℃に昇
温した。次いで系内に空気を吹き込みながらメタクリロ
イルオキシエチルイソシアナ−ト319部を1時間かけ
て滴下し、赤外線吸収スペクトルでイソシアナ−ト基の
吸収がほとんど無くなるまで反応を行った後、4−ヒド
ロキシ安息香酸276部を追加し、110℃に昇温し
た。酸価が5以下、エポキシ当量が11000以上であ
ることを確認して反応を終了し、不飽和化合物(x−
1)を得た。
【0084】カチオン性ポジ型感光性樹脂(x−2)の
合成 温度計、撹拌装置、還流冷却管および滴下漏斗の付いた
1リットルのセパラブルフラスコに、ジエチレングリコ
−ルモノエチルエ−テル238部を仕込み、130℃に
昇温した。次いでこれに、前記(x−1)145部、イ
ソブチルメタクリレ−ト83部、エチルアクリレ−ト1
67部、エチルメタクリレ−ト78部、ジメチルアミノ
エチルメタクリレ−ト41部及びt−ブチルペルオキシ
−2−エチルヘキサノエ−ト12部を混合した溶液を3
時間かけて滴下し、30分経過した後ジエチレングリコ
−ルモノエチルエーテル25部とt−ブチルペルオキシ
−2−エチルヘキサノエ−ト2部との混合溶液を30分
かけて滴下した。次いで同温度にて2時間保持して、反
応を終了した。得られたアクリル樹脂系溶液500部を
温度計、撹拌装置、還流冷却管、窒素導入管および滴下
漏斗を備えた3リットルのセパラブルフラスコに取り、
更にアセトン1570部及び1,2−ナフトキノンジア
ジド−5−スルホニルクロリド60.1部を加えて室温
でよく撹拌した後、トリエチルアミン26.7部を1時
間かけて滴下し、更に2時間反応させた。得られた溶液
を濾過して不純物を除去した後、約20倍量のよく撹拌
された水に約1時間かけて滴下し、析出した樹脂を回収
し、減圧下にて水分を除去して、茶褐色のカチオン性ポ
ジ型感光性樹脂(x−2)を得た。
【0085】カチオン性ポジ型感光性塗料(X−1)の
合成 カチオン性ポジ型感光性樹脂(x−2)500gをメチ
ルエチルケトン333.3gに溶解し、次いで商品名
「カーボンブラック#5B」(三菱化成工業株式会社
製)50gを撹拌下に加えて混合後、実験室用三本ロー
ルミル(小平製作所製)にて、カーボンブラック粒径が
0.2μm以下となるまで分散した。粒径の測定はコー
ルターカウンターN4(コールターカウンター社製)を
用いた。前記得られた分散混合物に、中和剤として酢酸
11.7gを加えて十分に撹拌し、再度均一化した後、
脱イオン水をゆっくりと加えながら高速ミキサーで激し
くかき混ぜながら水分散させて固形分濃度15重量%の
黒色のカチオン性ポジ型感光性塗料(X−1)水溶液
(カチオン電着型)を調製した。
【0086】
【合成例2】アニオン性ポジ型感光性塗料(X−2)の合成 アニオン性樹脂(x−3)の合成 「日石ポリブタジエンB−1000」(日本石油化学
(株)製、商品名、数平均分子量1,000、沃素価4
30、1,2−結合65%)1,000g、無水マレイ
ン酸751g、キシレン10gおよびトリメチルハイド
ロキノン5.0gを、温度計、撹拌装置、還流冷却管お
よび窒素吹き込み管を付けた3リットルのセパラブルフ
ラスコに仕込み、窒素下にて190℃で5時間反応させ
た。次いで未反応無水マレイン酸およびキシレンを留去
させ、全酸価480mgKOH/gのマレイン化ポリブタ
ジエンを得た。
【0087】次に還流冷却管を付けた2リットルのセパ
ラブルフラスコに、前記マレイン化ポリブタジエン50
0g、フェノキシエタノ−ル218g及びジエチレング
リコ−ルジメチルエ−テル205gを仕込み、均一に溶
解させてから、窒素気流下で130℃にて3時間反応さ
せた。次いで同温にてベンジルアミン61gを30分か
けて滴下した後、165℃に昇温し、同温にて7時間反
応を行い、半エステル基およびイミド基を有するアニオ
ン性樹脂(x−3)溶液を得た。
【0088】感光性樹脂(x−4)の合成 「日石ポリブタジエンB−1000」(日本石油化学
(株)製、商品名、数平均分子量1,000、沃素価4
30、1,2−結合65%)1,000g、無水マレイ
ン酸388g、キシレン10gおよびトリメチルハイド
ロキノン3.0gを、温度計、撹拌装置、還流冷却管お
よび窒素吹き込み管を付けた3リットルのセパラブルフ
ラスコに仕込み、窒素下にて190℃で5時間反応させ
た。次いで未反応無水マレイン酸およびキシレンを留去
させ、全酸価320mgKOH/gのマレイン化ポリブタ
ジエンを得た。
【0089】次に温度計、撹拌装置、還流冷却管及び窒
素吹き込み管を付けた2リットルのセパラブルフラスコ
に、前記マレイン化ポリブタジエン500g、フェノキ
シエタノ−ル300gを仕込み、均一に溶解させてか
ら、窒素気流下で130℃にて3時間反応させた。次い
で室温まで冷却した後、2−(2−アミノエチル)アミ
ノエタノ−ル149gを1時間かけて滴下した後、12
5℃に昇温し、同温にて4時間反応を行い、イミド基を
有するポリアミン樹脂溶液を得た。
【0090】別に還流冷却管を付けた5リットルのセパ
ラブルフラスコに、1,2−ナフトキノンジアジドスル
ホニルクロリド269g、ジオキサン1900g及び
「キョ−ワ−ド1000」(協和化学工業(株)製、商
品名)300gを仕込み、前記ポリアミン樹脂溶液64
5gを30℃にて2時間かけて滴下し、同温にて更に5
時間反応を行い、得られた溶液を濾過した後、フェノキ
シエタノ−ル440gを加え、減圧下にてジオキサンを
除去し、感光性樹脂(x−4)を得た。
【0091】得られた樹脂(x−4)溶液は、溶液10
0gあたり150mg当量のナフトキノンジアジド基を
含有し、不揮発分は60.0重量%であった。
【0092】アニオン性ポジ型感光性樹脂(x−5)の
合成 前記(x−3)樹脂溶液750g及び感光性樹脂(x−
4)溶液670gを十分に混合した後、トリエチルアミ
ン60gを加えて十分に中和し、アニオン性ポジ型感光
性樹脂(x−5)溶液を得た。
【0093】アニオン性ポジ型感光性塗料(X−2)の
合成 アニオン性ポジ型感光性樹脂(x−5)溶液500gに
商品名「カーボンブラック#5B」(三菱化成工業株式
会社製)35gを撹拌下に加えて混合後、実験室用三本
ロールミル(小平製作所製)にて、カーボンブラック粒
径が0.2μm以下となるまで分散した。粒径の測定は
コールターカウンターN4(コールターカウンター社
製)を用いた。前記得られた分散混合物に、脱イオン水
をゆっくりと加えながら高速ミキサーで激しくかき混ぜ
ながら水分散させて固形分濃度15重量%の黒色のアニ
オン性ポジ型感光性塗料(X−2)水溶液(アニオン電
着型)を調製した。
【0094】
【合成例3】カチオン性ネガ型感光性塗料(X−3)の合成 アミン付加エポキシ化ポリブタジエン(x−6)の合成 エポキシ化液状ポリブタジエン(日本石油化学(株)
製、商品名「E−1000−8」、数平均分子量1,0
00、オキシラン酸素量8%)1,000gを、温度
計、撹拌装置および還流冷却管が装着された2リットル
のセパラブルフラスコに仕込み、系内を窒素置換した
後、メチルエタノールアミン231.2gを加え、17
0℃で5時間反応させた。次に減圧下に未反応のメチル
エタノールアミンを留去し、アミン価が230.4mmol
/100gのアミン付加エポキシ化ポリブタジエン(x
−6)を得た。
【0095】不飽和基含有イソシアネート(x−7)化
合物の合成 温度計、撹拌装置、還流冷却管および滴下漏斗の付いた
加熱および冷却可能な2リットルの丸底フラスコに、
2,4−トリレンジイソシアナート435.5gおよび
ジエチレングリコールジメチルエーテル266.1gを
仕込み、40℃に加熱した後、2−ヒドロキシエチルア
クリレート362.8gを滴下漏斗から滴下した。この
際200ppmのパラベンゾキノンも添加した。2−ヒド
ロキシエチルアクリレートの滴下により発熱が見られる
が、必要に応じて冷却し同温度に保った。2−ヒドロキ
シエチルアクリレートの滴下終了後、70℃まで昇温
し、同温度で3時間反応させ、赤外線吸収スペクトル分
析によりイソシアナート基の吸収強度が反応開始前のほ
ぼ1/2になったことを確認後、冷却し不飽和基含有イ
ソシアナート化合物(x−7)を得た。
【0096】カチオン性樹脂(x−8)の合成 2リットルのセパラブルフラスコ中で、(x−6)50
0gをジエチレングリコールジメチルエーテル166.
7gに溶解し、(x−7)713.4g((x−6)中
のヒドロキシル基1当量に対してイソシアナート基0.
8当量)を40℃で滴下し、さらに同温度で1時間反応
させて、赤外線吸収スペクトル分析によりイソシアナー
ト基が消失したことを確認し、(x−6)に(x−7)
を付加したカチオン性樹脂(x−8)を得た。
【0097】カチオン性ネガ型感光性塗料(X−3)の
合成 カチオン性樹脂(x−8)溶液500gに光重合開始剤
として、商品名「Irgacure907」(チバ−ガ
イギー社製)27.0g、商品名「KAYACURE
DETX」(日本化薬株式会社)3.0gおよび商品名
「カーボンブラック#5B」(三菱化成工業株式会社
製)37.5gを撹拌下に加えて混合後、実験室用三本
ロールミル(小平製作所製)にて、カーボンブラック粒
径が0.2μm以下となるまで分散した。粒径の測定は
コールターカウンターN4(コールターカウンター社
製)を用いた。前記得られた分散混合物に、中和剤とし
て酢酸16.7gを加えて十分に撹拌し、再度均一化し
た後、脱イオン水をゆっくりと加えながら高速ミキサー
で激しくかき混ぜながら水分散させて固形分濃度15重
量%の黒色のカチオン性ネガ型感光性塗料(X−3)水
溶液(カチオン電着型)を調製した。
【0098】
【合成例4】アニオン性ネガ型感光性塗料(X−4)の合成 半エステル化物(x−9)溶液の合成 「日石ポリブタジエンB−1000」(日本石油化学
(株)製、商品名、数平均分子量1,000、沃素価4
30、1,2−結合65%)1,000g、無水マレイ
ン酸554g、キシレン10gおよびトリメチルハイド
ロキノン3.0gを、温度計、撹拌装置、還流冷却管お
よび窒素吹き込み管を付けた3リットルのセパラブルフ
ラスコに仕込み、窒素下にて190℃で5時間反応させ
た。次いで未反応無水マレイン酸およびキシレンを留去
させ、全酸価400mgKOH/gのマレイン化ポリブタ
ジエンを得た。
【0099】得られたマレイン化ポリブタジエン400
g、ジエチレングリコールジメチルエーテル188.5
gおよびハイドロキノン0.4gを還流冷却管の付いた
2リットルのセパラブルフラスコに仕込み、80℃に昇
温し撹拌し均一にした。次いで2−ヒドロキシエチルア
クリレート165.6gおよびトリエチルアミン20g
を加え、同温度で2時間反応させ、マレイン化ポリブタ
ジエンの半エステル化物(x−9)溶液を得た。得られ
た半エステル化物(x−9)溶液の全酸価は105mgK
OH/gであり、不揮発分は75.0重量%であった。
【0100】アニオン性ネガ型感光性塗料(X−4)の
合成 得られた半エステル化物(x−9)溶液500gに光重
合開始剤として、商品名「Irgacure907」
(チバ−ガイギー社製)27.0g、商品名「KAYA
CURE DETX」(日本化薬株式会社)3.0gお
よび商品名「カーボンブラック#5B」(三菱化成工業
株式会社製)37.5gを撹拌下に加えて混合後、実験
室用三本ロールミル(小平製作所製)にて、カーボンブ
ラック粒径が0.2μm以下となるまで分散した。粒径
の測定はコールターカウンターN4(コールターカウン
ター社製)を用いた。前記得られた分散混合物に、中和
剤としてトリエチルアミン33.7gを加えて十分に撹
拌し、再度均一化した後、脱イオン水をゆっくりと加え
ながら高速ミキサーで激しくかき混ぜながら水分散させ
て固形分濃度15重量%の黒色のアニオン性ネガ型感光
性塗料(X−4)水溶液(アニオン電着型)を調製し
た。
【0101】
【合成例5】カチオン性ポジ型感光性塗料(X−5)の合成 カチオン性ポジ型感光性樹脂(x−2)500gをメチ
ルエチルケトン333.3gに溶解し、脱イオン水をゆ
っくりと加えながら高速ミキサーで激しくかき混ぜ、水
分散させてカチオン性ポジ型感光性塗料(X−5)水溶
液(カチオン電着型)を調製した。
【0102】
【合成例6】アニオン性ポジ型感光性塗料(X−6)の合成 アニオン性ポジ型感光性樹脂(x−5)溶液500gに
脱イオン水をゆっくりと加えながら高速ミキサーで激し
くかき混ぜ、水分散させてアニオン性ポジ型感光性塗料
(X−6)水溶液(アニオン電着型)を調製した。
【0103】
【合成例7】カチオン性ネガ型感光性塗料(X−7)の合成 カチオン性樹脂(x−8)500gに、光重合開始剤と
して、商品名「Irgacure907」(チバガイギ
ー社製)27.0g及び商品名「KAYACURE D
ETX」(日本化薬(株)製)3.0gを撹拌下に加え
て混合した後、中和剤として酢酸16.7gを加えて十
分に撹拌し、再度均一化した後、脱イオン水をゆっくり
と加えながら高速ミキサーで激しくかき混ぜ、水分散さ
せてカチオン性ネガ型感光性塗料(X−7)水溶液(カ
チオン電着型)を調製した。
【0104】
【合成例8】アニオン性ネガ型感光性塗料(X−8)の合成 半エステル化物(x−9)溶液500gに、光重合開始
剤として、商品名「Irgacure907」(チバガ
イギー社製)27.0g及び商品名「KAYACURE
DETX」(日本化薬(株)製)3.0gに、更に中
和剤としてトリエチルアミン33.7gを加えて十分に
撹拌し、再度均一化した後、脱イオン水をゆっくりと加
えながら高速ミキサーで激しくかき混ぜ、水分散させて
アニオン性ネガ型感光性塗料(X−8)水溶液(アニオ
ン電着型)を調製した。
【0105】
【合成例9】着色塗料(Y−1,Y−2,Y−3)の調製 カチオン性樹脂(x−8)溶液、光重合開始剤および顔
料を撹拌下に混合し、実験室用三本ロールミル(小平製
作所製)にて、顔料粒径が0.2μm以下となるまで分
散した。粒径の測定はコールターカウンターN4(コー
ルターカウンター社製)を用いた。得られた分散混合物
に、中和剤である酢酸を加えて充分に撹拌し、再度均一
化した後、脱イオン水をゆっくりと加えながら高速ミキ
サーで激しくかき混ぜながら水分散させて、固形分濃度
10重量%の着色塗料(Y−1,Y−2,Y−3)を調
製した。得られた3色の着色塗料(カチオン電着型)水
溶液の組成を表1に示す(表1中の数値はいずれも重量
部である)。
【0106】
【表1】
【0107】
【合成例10】着色塗料(Y−4,Y−5,Y−6)の調製 半エステル化物(x−9)溶液および顔料を撹拌下に混
合し、実験室用三本ロールミル(小平製作所製)にて、
顔料粒径が0.2μm以下となるまで分散した。粒径の
測定は、コールターカウンターN4(コールターカウン
ター社製)を用いた。次いで得られた分散混合物に、中
和剤であるトリエチルアミンを加えて充分に撹拌し再度
均一化した後、脱イオン水をゆっくりと加えながら高速
ミキサーで激しくかき混ぜながら水分散させて固形分濃
度10重量%の着色塗料(Y−4,Y−5,Y−6)を
調製した。得られた3色の着色塗料(アニオン電着型)
水溶液の組成を表2に示す(表2中の数値はいずれも重
量部である)。
【0108】
【表2】
【0109】
【合成例11】黒色塗料(Y−7)の調製 カチオン性樹脂(x−8)溶液500gに、光重合開始
剤として「Irgacure 907」(チバーガイギ
ー社製、商品名)27.0g、「KAYACURE D
ETX」(日本化薬(株)製、商品名)3.0gおよび
カーボンブラック#5B(三菱化成工業(株)製品)3
7.5gを撹拌下に加えて混合後、実験室用三本ロール
ミル(小平製作所製)にて、カーボンブラック粒径が
0.2μm以下となるまで分散した。粒径の測定は、コ
ールターカウンターN4(コールターカウンター社製)
を用いた。得られた分散混合物に、中和剤である酢酸1
6.7gを加えて充分に撹拌し、再度均一化した後、脱
イオン水をゆっくりと加えながら高速ミキサーで激しく
かき混ぜて水分散させ、固形分濃度15重量%の黒色塗
料(Y−7)(カチオン電着型)を調製した。
【0110】
【合成例12】黒色塗料(Y−8)の調製 半エステル化物(x−9)溶液500gに、光重合開始
剤として「Irgacure 907」(チバーガイギ
ー社製、商品名)27.0g、「KAYACURE D
ETX」(日本化薬(株)製、商品名)3.0gおよび
カーボンブラック#5B(三菱化成工業(株)製品)3
7.5gを撹拌下に加えて混合後、実験室用三本ロール
ミル(小平製作所製)にて、カーボンブラック粒径が
0.2μm以下となるまで分散した。粒径の測定は、コ
ールターカウンターN4(コールターカウンター社製)
を用いた。得られた分散混合物に、中和剤であるトリエ
チルアミン33.7gを加えて充分に撹拌し、再度均一
化した後、脱イオン水をゆっくりと加えながら高速ミキ
サーで激しくかき混ぜて水分散させ、固形分濃度15重
量%の着色塗料(Y−8)を調製した。
【0111】
【合成例13】紫外線硬化型感圧性接着剤の合成 2−エチルヘキシルアクリレート80重量部、テトラヒ
ドロフルフリルアクリレート5重量部、アクリル酸15
重量部、α,α’−アゾビスイソブチロニトリル4重量
部およびトルエン200重量部の混合物を、窒素気流中
で撹拌しながら、80℃で8時間反応させ、共重合体溶
液を得た。次いで100℃まで昇温し、グリシジルメタ
クリレート5重量部、トリエチルベンジルアンモニウム
クロリド0.5重量部およびメトキノン0.1重量部の
混合液を30分間かけて滴下し、同温度で20時間反応
させてプレポリマーを得た。得られたプレポリマーに光
重合開始剤として、「Irgacure 907」(チ
バーガイギー社製、商品名)5重量部を添加して、紫外
線硬化型感圧性接着剤とした。
【0112】
【実施例1】表面にシリコーン樹脂層(50nm厚)を
有する厚さ1mmのガラス板に、スピンコート法によっ
て0.8μmのポリイミド膜を形成し、その上に200
nmの厚さとなるようにITO(インジウム−錫酸化
物)膜をスパッタリングで付けた基板(以下、原板1と
いう)を陰極とし、黒色のカチオン性ポジ型感光性塗料
(X−1)水溶液を入れたステンレススチール製ビーカ
ーを陽極として、直流電圧40V、25℃の条件で60
秒間電着した。原板1をイオン交換水で洗浄した後、8
0℃で5分間乾燥、冷却したところ粘着性のない膜厚2
μmの黒色の均一塗膜が形成された。
【0113】次いで図2に示す光透過率が4段階に異な
るパターンを有するポジマスクを該塗膜上に密着し、高
圧水銀ランプを有するUV露光装置((株)オーク製作
所製、商品名「JL−3300」)を使用して500m
J/cm2の紫外線を照射した。次に濃度0.3重量%の
メタ珪酸ナトリウム水溶液で現像したところ、ポジマス
クの光透過率の最も高い部分の黒色ポジ型感光性塗料が
選択的に除去され、ITO膜面が露出された。水洗、乾
燥後、原板1を陰極とし、着色塗料(Y−1)を入れた
ステンレススチール製ビーカーを陽極として、直流電圧
25Vを25℃で3分間印加し、電着した。原板1をイ
オン交換水で洗浄した後、80℃で5分間乾燥し、常温
で粘着性を示さない膜厚2μmの赤色の着色層2を形成
した。次いで1.3重量%のメタ珪酸ナトリウム水溶液
で現像したところ、赤色の着色層2および遮光層に相当
する黒色ポジ型感光性塗料部分1には何の変化も認めら
れず、ポジマスクの光透過率が2番目に高い部分の黒色
ポジ型感光性塗料が選択的に除去された。次に水洗、乾
燥後、着色塗料(Y−1)の電着と同様にして、着色塗
料(Y−2)を、直流電圧25V、25℃の条件で3分
間電着した後、イオン交換水で洗浄したところ、先に形
成した赤色の着色層2および遮光層に相当する黒色ポジ
型感光性塗料部分1には全く変化が見られず、緑色の着
色層3が形成された。80℃で5分間乾燥し、次いで
3.0重量%のメタ珪酸ナトリウム水溶液で現像したと
ころ、赤色および緑色の着色層に変化は認められず、ま
た遮光膜となる黒色ポジ型感光性塗料部分1にも変化は
認められず、ポジマスクの光透過率が3番目に高い部分
の黒色ポジ型感光性塗料が選択的に除去された。次いで
水洗、乾燥後、着色塗料(Y−1)の電着と同様にし
て、着色塗料(Y−3)を、直流電圧25V、30℃の
条件で3分間電着した。原板1をイオン交換水で洗浄し
たところ、先に形成した赤色、緑色の着色層および遮光
層に相当する黒色ポジ型感光性塗料部分1には全く変化
が見られず、青色の着色層4が形成された。80℃で5
分間乾燥し、遮光層を有する着色層を得た。
【0114】次いで得られた着色層、透明導電層および
配向膜を転写するための透明ガラス基板上に、合成例1
3で調製した紫外線硬化型感圧性接着剤を、スピンコー
ト法によって0.1μmとなるように塗布し、原板1の
着色層表面が前記接着剤に接触するように、ゴムローラ
を用いて圧着して着色層、透明導電層およびポリイミド
膜を転写し、原板1を剥離した。次いで更に硬化を完全
に行なわせるために、150℃で30分間焼き付けた。
着色層上面にITO膜(透明導電層)およびポリイミド
膜を有する透明性に優れた均一な着色層を有するカラー
フィルターが得られた。
【0115】
【実施例2】厚さ0.5mmのポリテトラフルオロエチ
レン表面を、回転ロール法によってラビングした後、該
表面上にスピンコート法によって0.5μmのポリイミ
ド膜を形成し、更にその上に150nmの厚さとなるよ
うにITO(インジウム−錫酸化物)膜をスパッタリン
グで付けた基板(以下、原板2という)を陽極とし、黒
色アニオン性ポジ型感光性塗料(X−2)水溶液を入れ
たステンレススチール製ビーカーを陰極として、直流電
圧45V、25℃の条件で2分間電着した。原板2をイ
オン交換水で洗浄した後、80℃で5分間乾燥したとこ
ろ粘着性のない膜厚1.8μmの黒色の均一塗膜が形成
された。
【0116】次いで図2に示す光透過率が4段階に異な
るパターンを有するポジマスクを該塗膜上に密着し、実
施例1と同様にUV露光装置を使用して500mJ/cm
2の紫外線を照射した。次に濃度0.5重量%のメタ珪
酸ナトリウム水溶液で現像したところ、ポジマスクの光
透過率の最も高い部分の黒色ポジ型感光性塗料が選択的
に除去され、ITO膜が露出された。水洗、乾燥後、原
板2を陰極とし、着色塗料(Y−1)を入れたステンレ
ススチール製ビーカーを陽極として、直流電圧30V、
25℃の条件で3分間電着した。原板2をイオン交換水
で洗浄した後、80℃で5分間乾燥し、赤色の着色層2
を形成した。次いで1.5重量%のメタ珪酸ナトリウム
水溶液で現像したところ、赤色の着色層2および遮光層
に相当する黒色ポジ型感光性塗料部分1には何ら変化は
認められず、ポジマスクの光透過率が2番目に高い部分
の黒色ポジ型感光性塗料が選択的に除去された。次に水
洗、乾燥後、着色塗料(Y−1)の電着と同様にして、
着色塗料(Y−2)を、直流電圧30V、25℃の条件
で3分間電着した後、原板2をイオン交換水で洗浄した
ところ、先に形成した赤色の着色層2および遮光層に相
当する黒色ポジ型感光性塗料部分1には全く変化が見ら
れず、緑色の着色層3が形成された。80℃で5分間乾
燥し、次いで4重量%のメタ珪酸ナトリウム水溶液で現
像したところ、赤色および緑色の着色層に変化は認めら
れず、また遮光層に相当する黒色ポジ型感光性塗料部分
1にも変化は認められず、ポジマスクの光透過率が3番
目に高い部分の黒色ポジ型感光性塗料が選択的に除去さ
れた。次いで水洗、乾燥後、着色塗料(Y−1)の電着
と同様にして、着色塗料(Y−3)を、直流電圧30
V、25℃の条件で3分間電着した。原板2をイオン交
換水で洗浄したところ、先に形成した赤色、緑色の着色
層および遮光層に相当する黒色ポジ型感光性塗料部分1
には全く変化が見られず、青色の着色層4が形成され
た。80℃で5分間乾燥し、遮光層を有する着色層を得
た。
【0117】次いで透明ガラス基板上に、原板2の着色
層表面が接触するように、ラミネーター圧2kgf/c
2、ロール温度100℃、ラミネーター速度300m
m/分で着色層、透明導電層およびポリイミド膜を転写
し、原板2を剥がした。更に硬化を完全に行なわせるた
めに、160℃で20分間焼き付けた。着色層上面にI
TO膜(透明導電層)およびポリイミド膜を有し、透明
性に優れた均一な着色層を有するカラーフィルターが得
られた。
【0118】
【実施例3】実施例2で使用した基板と同一の基板(以
下、原板3という)を陰極とし、黒色のカチオン性ネガ
型感光性塗料(X−3)水溶液を入れたステンレススチ
ール製ビーカーを陽極として、直流電圧30V、25℃
の条件で、3分間電着した。原板3をイオン交換水で洗
浄した後、80℃で5分間乾燥、冷却したところ、粘着
性のない膜厚2μmの黒色の均一塗膜が形成された。
【0119】次いで図3に示す光透過率が4段階に異な
るネガマスクを該塗膜上に密着させ、高圧水銀ランプを
有するUV露光装置((株)オーク製作所製、商品名
「JL−3300」)を使用して500mJ/cm2の紫
外線を照射した後、濃度0.05重量%の乳酸水溶液で
現像したところ、ネガマスクの光透過率の最も低い部分
の黒色ネガ型感光性塗膜が選択的に除去され、ITO膜
面が露出された。
【0120】水洗、乾燥後、原板3を陽極とし、着色塗
料(Y−4)を入れたステンレススチール製ビーカーを
陰極として、直流電圧25V、25℃の条件で、3分間
電着した。原板3をイオン交換水で洗浄した後、30℃
で5分間乾燥し、常温で粘着性を示さない膜厚2μmの
赤色の着色層6が形成された。
【0121】次いで0.5重量%の乳酸水溶液で現像し
たところ、赤色の着色層6および遮光層に相当する黒色
ネガ型感光性塗膜部分5には何の変化も認められず、ネ
ガマスクの光透過率の2番目に低い部分の黒色ネガ形感
光性塗膜が除去された。
【0122】水洗、乾燥後、着色塗料(Y−4)の電着
と同様にして着色塗料(Y−5)を、直流電圧25V、
25℃の条件で、3分間電着した後、イオン交換水で洗
浄したところ、先に形成した赤色の着色層6および遮光
層に相当する黒色ネガ型感光性塗膜部分5には全く変化
が見られず、緑色の着色層7が形成された。80℃で5
分間乾燥し、次いで3.0重量%の乳酸水溶液で現像し
たところ、赤色および緑色の着色層に変化は認められ
ず、また遮光膜となる黒色ネガ型感光性塗膜部分5にも
変化は認められず、ネガマスクの光透過率の3番目に低
い部分の黒色感光性塗膜が除去された。
【0123】水洗、乾燥後、着色塗料(Y−4)の電着
と同様にして着色塗料(Y−6)を、直流電圧25V、
25℃の条件で、3分間電着した。原板3をイオン交換
水で洗浄したところ、先に形成した赤色、緑色の着色層
および遮光層に相当する黒色ネガ型感光性塗膜部分5に
は全く変化が見られず、青色の着色層8が形成された。
80℃で5分乾燥し、遮光層を有する着色膜を得た。
【0124】次いで透明ガラス基板上に原板3の着色層
表面が接触するようにしてラミネーター圧2kgf/cm
2、ロール温度100℃、ラミネーター速度300mm/
分で着色膜、透明導電層およびポリイミド膜を転写し、
原板3をはがした。さらに硬化を完全に行なわせるた
め、160℃で20分間焼付け、着色層上面にITO膜
(透明導電層)およびポリイミド膜を有し透明性に優れ
た均一な着色層を有するカラーフィルターが得られた。
【0125】
【実施例4】実施例1で使用した基板と同一の基板(以
下、原板4という)を陽極とし、黒色のアニオン性ネガ
型感光性塗料(X−4)水溶液を入れたステンレススチ
ール製ビーカーを陰極として、直流電圧25V、25℃
の条件で3分間電着した。
【0126】原板4をイオン交換水で洗浄した後、80
℃で5分間乾燥、冷却したところ、粘着性のない膜厚
1.8μmの黒色の均一塗膜が形成された。
【0127】次いで図3に示す光透過率が4段階に異な
るネガマスクを該塗膜上に密着し、実施例1で用いたU
V露光装置を使用して600mJ/cm2の紫外線を照射
した。 濃度0.1重量%の炭酸ナトリウム水溶液で現
像したところ、ネガマスクの光透過率の最も低い部分の
黒色ネガ型感光性塗膜が選択的に除去され、ITO膜が
露出された。
【0128】水洗、乾燥後、原板4を陰極とし、着色塗
料(Y−1)を入れたステンレススチール製ビーカーを
陽極として、直流電圧30V、25℃の条件で、3分間
電着した。原板4をイオン交換水で洗浄した後、80℃
で5分間乾燥し、赤色の着色層を形成した。次いで0.
75重量%の炭酸ナトリウム水溶液で現像したところ、
赤色の着色層6および遮光層に相当する黒色ネガ型感光
性塗膜部分5には何の変化も認められず、ネガマスクの
光透過率の2番目に低い部分の黒色ネガ型感光性塗膜が
除去されていた。
【0129】水洗、乾燥後、着色塗料(Y−1)の電着
と同様にして着色塗料(Y−2)を、直流電圧30V、
25℃の条件で、3分間電着した。原板4をイオン交換
水で洗浄したところ、先に形成した赤色の着色層6およ
び遮光層に相当する黒色ネガ型感光性塗膜部分5には全
く変化が見られず、緑色の着色層7が形成された。80
℃で5分間乾燥し、次いで5重量%のメタ珪酸ナトリウ
ム水溶液で現像したところ、赤色および緑色の着色層に
変化は認められず、また遮光層に相当する黒色ネガ型感
光性塗膜部分5にも変化は認められず、ネガマスクの光
透過率の3番目に低い部分の黒色ネガ型感光性塗膜が除
去された。
【0130】水洗、乾燥後、着色塗料(Y−1)の電着
と同様にして着色塗料(Y−3)を、直流電圧30V、
25℃の条件で、3分間電着した。原板4をイオン交換
水で洗浄したところ、先に形成した赤色、緑色の着色層
および遮光層に相当する黒色ネガ型感光性塗膜部分5に
は全く変化が見られず、青色の着色層8が形成された。
80℃で5分間乾燥し、遮光層を有する着色膜を得た。
【0131】次いで合成例13で得た紫外線硬化型感圧
性接着剤をスピンコート法によって0.1μmに塗装し
た透明ガラス基板上に、原板4の着色層表面が接触する
ようにしてゴムローラーを用いて圧着して着色層、透明
導電層およびポリイミド膜を転写し、200mJ/cm2
の紫外線を照射した後、原板4をはがした。次いでさら
に硬化を完全に行なわせるため、150℃で30分間焼
付けた。着色層上面にITO膜(透明導電層)およびポ
リイミド膜を有する透明性に優れた均一な着色層を持っ
たカラーフィルターが得られた。
【0132】
【実施例5】厚さ0.5mmのポリテトラフルオロエチ
レン表面を、回転ロール法によってラビングした後、該
表面上にスピンコート法によって0.5μmのポリイミ
ド膜を形成し、更にその上に150nmの厚さとなるよ
うにITO(インジウム−錫酸化物)膜をスパッタリン
グで付けた基板(以下、原板5と称す)を陰極とし、カ
チオン性ポジ型感光性塗料(X−5)を入れたステンレ
ススチール製ビーカーを陽極として、直流電圧40V、
25℃の条件で60秒間電着した。原板5をイオン交換
水で洗浄した後、80℃で5分間乾燥、冷却したとこ
ろ、粘着性のない膜厚2μmの均一塗膜が形成された。
【0133】次いで図2に示す光透過率が4段階に異な
るポジマスクを該塗膜上に密着し、実施例1で用いたU
V露光装置を使用して200mJ/cm2の紫外線を照射
した。 次いで濃度0.3重量%のメタ珪酸ナトリウム
水溶液で現像したところ、ポジマスクの光透過率の最も
高い部分に相当するポジ型感光性塗料が選択的に除去さ
れ、ITO膜が露出された。水洗、乾燥後、原板5を陰
極とし、着色塗料(Y−1)を入れたステンレススチー
ル製ビーカーを陽極として、直流電圧25V、25℃の
条件で、3分間電着した。原板5をイオン交換水で洗浄
した後、80℃で5分間乾燥し、常温で粘着性を示さな
い膜厚2μmの赤色の着色層2を形成した。
【0134】次いで1.3重量%のメタ珪酸ナトリウム
水溶液で現像したところ、赤色の着色層2および遮光層
に相当する部分のポジ型感光性塗膜部分1には何の変化
も認められず、ポジマスクの光透過率の2番目に高い部
分3に相当する黒色ポジ型感光性塗膜が選択的に除去さ
れた。
【0135】水洗、乾燥後、原板5を陰極とし、着色塗
料(Y−2)を入れたステンレススチール製ビーカーを
陽極として、直流電圧25V、25℃の条件で、3分間
電着した。原板5をイオン交換水で洗浄したところ、先
に形成した赤色の着色層2および遮光層に相当するポジ
型感光性塗膜部分1には全く変化が見られず、緑色の着
色層3が形成された。80℃で5分間乾燥し、次いで
3.0重量%のメタ珪酸ナトリウム水溶液で現像したと
ころ、赤色および緑色の着色層に変化は認められず、ま
た遮光層に相当するポジ型感光性塗膜部分1にも変化は
認められず、ポジマスクの光透過率の3番目に高い部分
4に相当するポジ型感光性塗膜が選択的に除去された。
【0136】水洗、乾燥後、原板5を陰極とし、着色塗
料(Y−3)を入れたステンレススチール製ビーカーを
陽極として、直流電圧25V、25℃の条件で、3分間
電着した。原板5をイオン交換水で洗浄したところ、先
に形成した赤色、緑色の着色層および遮光層に相当する
ポジ型感光性塗膜部分1には全く変化が見られず、青色
の着色層4が形成された。80℃で5分間乾燥した。
【0137】次いで7.0重量%のメタ珪酸ナトリウム
水溶液で現像したところ、着色層に変化は認められず、
遮光層に相当する部分、即ちポジマスクの光透過率が最
も低い部分1に相当する部分のポジ型感光性塗膜が選択
的に除去された。
【0138】乾燥後、得られた着色層を硬化させるため
に、160℃にて20分間焼き付けた。
【0139】次いで原板5を陰極とし、45℃のニッケ
ルメッキ浴中にて0.1A/cmの電流密度で3分間電
気メッキを行った。水洗、乾燥して、非透光性(遮光
性)のニッケルメッキ層及び着色層を有する原板5を得
た。
【0140】次いで得られた着色層、ニッケルメッキ
層、透明電極層及び配向膜を転写するための透明ガラス
基板上に、合成例13で得られた紫外線硬化型感圧性接
着剤をスピンコート法によって0.1μmとなるように
塗布し、原板5の着色層表面が該接着剤表面と接触する
ようにして、ゴムローラーを用いて圧着し、着色層、ニ
ッケルメッキ層、透明導電層およびポリイミド膜を転写
し、原板5を剥離した。さらに硬化を完全に行なわせる
ため、150℃で30分間焼付け、着色層上面にITO
膜(透明導電層)およびポリイミド膜を有し、透明性に
優れた均一な着色層を有するカラーフィルターが得られ
た。
【0141】
【実施例6】厚さ0.5mmのポリテトラフルオロエチ
レン表面を、回転ロール法によってラビングした後、該
表面上にスピンコート法によって0.5μmのポリイミ
ド膜を形成し、更にその上に150nmの厚さとなるよ
うにITO(インジウム−錫酸化物)膜をスパッタリン
グで付けた基板(以下、原板6という)を陽極とし、ア
ニオン性ポジ型感光性塗料(X−6)水溶液を入れたス
テンレススチール製ビーカーを陰極として、直流電圧4
5V、25℃の条件で2分間電着した。原板2をイオン
交換水で洗浄した後、80℃で5分間乾燥したところ粘
着性のない膜厚2.0μmの均一塗膜が形成された。
【0142】次いで図2に示す光透過率が4段階に異な
るパターンを有するポジマスクを該塗膜上に密着し、実
施例1と同様にUV露光装置を使用して500mJ/cm
2の紫外線を照射した。次に濃度0.5重量%のメタ珪
酸ナトリウム水溶液で現像したところ、ポジマスクの光
透過率の最も高い部分のポジ型感光性塗料が選択的に除
去され、ITO膜が露出された。水洗、乾燥後、原板6
を陰極とし、着色塗料(Y−1)を入れたステンレスス
チール製ビーカーを陽極として、直流電圧30V、25
℃の条件で3分間電着した。原板6をイオン交換水で洗
浄した後、80℃で5分間乾燥し、赤色の着色層2を形
成した。次いで1.5重量%のメタ珪酸ナトリウム水溶
液で現像したところ、赤色の着色層2には何ら変化は認
められず、ポジマスクの光透過率が2番目に高い部分の
ポジ型感光性塗料のみが選択的に除去された。次に水
洗、乾燥後、着色塗料(Y−1)の電着と同様にして、
着色塗料(Y−2)を、直流電圧30V、25℃の条件
で3分間電着した後、原板6をイオン交換水で洗浄した
ところ、先に形成した赤色の着色層2には全く変化が見
られず、緑色の着色層3が形成された。80℃で5分間
乾燥し、次いで4重量%のメタ珪酸ナトリウム水溶液で
現像したところ、赤色および緑色の着色層に変化は認め
られず、ポジマスクの光透過率が3番目に高い部分のポ
ジ型感光性塗料が選択的に除去された。次いで水洗、乾
燥後、着色塗料(Y−1)の電着と同様にして、着色塗
料(Y−3)を、直流電圧30V、25℃の条件で3分
間電着した。原板6をイオン交換水で洗浄したところ、
先に形成した赤色及び緑色の着色層には全く変化が見ら
れず、青色の着色層4が形成された。
【0143】次いで80℃で5分間乾燥し、7.0重量
%のメタ珪酸ナトリウム水溶液で現像したところ、着色
層に変化は認められず、残存するカチオン性ポジ型感光
性塗料の塗膜、即ち光照射量が最も少ない部分1の感光
性塗膜のみが選択的に除去された。着色塗料(Y−1)
の電着と同様にして、黒色塗料(Y−7)を、30V、
25℃の条件で3分間電着した後、イオン交換水で洗浄
して、80℃にて5分間乾燥し、冷却したところ、赤
色、緑色、青色及び黒色の着色層を有する原板6を得
た。
【0144】次いで透明ガラス基板上に、原板6の着色
層表面が接触するようにして、ラミネーター圧2kgf
/cm、ロール温度100℃、ラミネーター速度300
mm/分で、着色層、透明導電層およびポリイミド膜を
転写し、原板6を剥がした。さらに硬化を完全に行なわ
せるため、160℃で20分間焼付け、着色層上面にI
TO膜(透明導電層)およびポリイミド膜を有し、透明
性に優れた均一な着色層を有するカラーフィルターが得
られた。
【0145】
【実施例7】実施例6で使用した基板と同一の基板(以
下、原板7という)を陰極とし、カチオン性ネガ型感光
性塗料(X−7)水溶液を入れたステンレススチール製
ビーカーを陽極として、直流電圧30V、25℃の条件
で、3分間電着した。原板7をイオン交換水で洗浄した
後、80℃で5分間乾燥、冷却したところ、粘着性のな
い膜厚2μmの黒色の均一塗膜が形成された。
【0146】次いで図3に示す光透過率が4段階に異な
るネガマスクを該塗膜上に密着させ、実施例1と同様の
UV露光装置を使用して500mJ/cm2の紫外線を照
射した後、濃度0.05重量%の乳酸水溶液で現像した
ところ、ネガマスクの光透過率の最も低い部分のネガ型
感光性塗膜が選択的に除去され、ITO膜面が露出され
た。
【0147】水洗、乾燥後、原板7を陽極とし、着色塗
料(Y−4)を入れたステンレススチール製ビーカーを
陰極として、直流電圧25V、25℃の条件で、3分間
電着した。原板7をイオン交換水で洗浄した後、30℃
で5分間乾燥し、常温で粘着性を示さない膜厚2μmの
赤色の着色層6が形成された。
【0148】次いで0.5重量%の乳酸水溶液で現像し
たところ、赤色の着色層6および遮光層に相当するネガ
型感光性塗膜部分5には何の変化も認められず、ネガマ
スクの光透過率が2番目に低い部分のネガ型感光性塗膜
が除去された。
【0149】水洗、乾燥後、着色塗料(Y−4)の電着
と同様にして着色塗料(Y−5)を、直流電圧25V、
25℃の条件で、3分間電着した後、イオン交換水で洗
浄したところ、先に形成した赤色の着色層6および遮光
層に相当するネガ型感光性塗膜部分5には全く変化が見
られず、緑色の着色層7が形成された。80℃で5分間
乾燥し、次いで3.0重量%の乳酸水溶液で現像したと
ころ、赤色および緑色の着色層に変化は認められず、ま
た遮光膜に相当する部分のネガ型感光性塗膜部分5にも
変化は認められず、ネガマスクの光透過率の3番目に低
い部分の感光性塗膜が除去された。
【0150】水洗、乾燥後、着色塗料(Y−4)の電着
と同様にして着色塗料(Y−6)を、直流電圧25V、
25℃の条件で、3分間電着した。原板7をイオン交換
水で洗浄したところ、先に形成した赤色、緑色の着色層
および遮光層に相当する部分のネガ型感光性塗膜部分5
には全く変化が見られず、青色の着色層8が形成され
た。 次いで80℃で5分間乾燥し、7.0重量%の乳
酸水溶液で現像したところ、着色層に変化は認められ
ず、残存するカチオン性ネガ型感光性塗料の塗膜、即ち
光照射量が最も多い部分5の感光性塗膜のみが選択的に
除去された。露出されたITO面を陽極とし、黒色塗料
(Y−8)を直流電流25V、25℃の条件で3分間電
着した後、原板7をイオン交換水で洗浄した後、80℃
にて5分間乾燥し、常温で粘着性を示さない膜厚2μm
の黒色の遮光層5が形成され、黒色、赤色、緑色及び青
色の着色層を有する原板7を得た。
【0151】次いで透明ガラス基板上に原板7の着色層
表面が接触するようにして、ラミネーター圧2kgf/
cm2、ロール温度100℃、ラミネーター速度300mm
/分で着色層、透明導電層およびポリイミド膜を転写
し、原板7を剥がした。さらに硬化を完全に行なわせる
ため、160℃で20分間焼付け、着色層上面にITO
膜(透明導電層)およびポリイミド膜を有し透明性に優
れた均一な着色層を有するカラーフィルターが得られ
た。
【0152】
【実施例8】実施例6で使用した基板と同一の基板(以
下、原板8という)を陽極とし、黒色のアニオン性ネガ
型感光性塗料(X−8)水溶液を入れたステンレススチ
ール製ビーカーを陰極として、直流電圧25V、25℃
の条件で3分間電着した。
【0153】原板8をイオン交換水で洗浄した後、80
℃で5分間乾燥、冷却したところ、粘着性のない膜厚
1.8μmの黒色の均一塗膜が形成された。
【0154】次いで図3に示す光透過率が4段階に異な
るネガマスクを該塗膜上に密着し、実施例1で用いたU
V露光装置を使用して600mJ/cm2の紫外線を照射
した。 濃度0.1重量%の炭酸ナトリウム水溶液で現
像したところ、ネガマスクの光透過率の最も低い部分6
のネガ型感光性塗膜が選択的に除去され、ITO膜が露
出された。
【0155】水洗、乾燥後、原板8を陰極とし、着色塗
料(Y−1)を入れたステンレススチール製ビーカーを
陽極として、直流電圧30V、25℃の条件で、3分間
電着した。原板8をイオン交換水で洗浄した後、80℃
で5分間乾燥し、赤色の着色層を形成した。次いで0.
75重量%の炭酸ナトリウム水溶液で現像したところ、
赤色の着色層6および遮光層に相当するネガ型感光性塗
膜部分5には何の変化も認められず、ネガマスクの光透
過率の2番目に低い部分7のネガ型感光性塗膜が除去さ
れた。
【0156】水洗、乾燥後、着色塗料(Y−1)の電着
と同様にして着色塗料(Y−2)を、直流電圧30V、
25℃の条件で、3分間電着した。原板8をイオン交換
水で洗浄したところ、先に形成した赤色の着色層6およ
び遮光層に相当するネガ型感光性塗膜部分5には全く変
化が見られず、緑色の着色層7が形成された。80℃で
5分間乾燥し、次いで5.0重量%のメタ珪酸ナトリウ
ム水溶液で現像したところ、赤色および緑色の着色層に
変化は認められず、また遮光層に相当するネガ型感光性
塗膜部分5にも変化は認められず、ネガマスクの光透過
率が3番目に低い部分8のネガ型感光性塗膜が除去され
た。
【0157】水洗、乾燥後、着色塗料(Y−1)の電着
と同様にして着色塗料(Y−3)を、直流電圧30V、
25℃の条件で、3分間電着した。原板8をイオン交換
水で洗浄したところ、先に形成した赤色、緑色の着色層
および遮光層に相当するネガ型感光性塗膜部分5には全
く変化が見られず、青色の着色層8が形成された。次い
で80℃で5分間乾燥した後、7.0重量%のメタ珪酸
ナトリウム水溶液で現像したところ、着色層に変化は認
められず、残存部分(遮光層に相当する部分)の感光性
塗膜のみが選択的に除去された。乾燥後、得られた着色
層を硬化させるために160℃にて、20分間焼き付け
た。次いで原板8を陰極とし、45℃の銅メッキ浴中に
て0.1A/cmの電流密度で2.5分間電気メッキを
行った。水洗、乾燥し、非透光性(遮光性)の銅メッキ
層及び着色層を有する原板8を得た。
【0158】次いで合成例13で得た紫外線硬化型感圧
性接着剤をスピンコート法によって0.1μmに塗装し
た透明ガラス基板上に、原板8の着色層表面が接触する
ようにしてゴムローラーを用いて圧着して着色層、銅メ
ッキ層、透明導電層およびポリイミド膜を転写し、20
0mJ/cm2の紫外線を照射した後、原板8を剥がし
た。次いでさらに硬化を完全に行なわせるため、150
℃で30分間焼付け、着色層上面にITO膜(透明導電
層)およびポリイミド膜を有する透明性に優れた均一な
着色層を持ったカラーフィルターが得られた。
【0159】
【実施例9】実施例6で使用した基板と同一の基板(以
下、原板9という)を陰極とし、カチオン性ネガ型感光
性塗料(X−7)水溶液を入れたステンレススチール製
ビーカーを陽極として、直流電圧30V、25℃の条件
で3分間電着した。
【0160】原板9をイオン交換水で洗浄した後、80
℃で5分間乾燥、冷却したところ、粘着性のない膜厚2
μmの均一塗膜が形成された。
【0161】次いで図3に示す光透過率が4段階に異な
るネガマスクを該塗膜上に密着し、実施例1で用いたU
V露光装置を使用して500mJ/cm2の紫外線を照射
した。 次いで濃度0.05重量%の乳酸水溶液で現像
したところ、ネガマスクの光透過率の最も低い部分のネ
ガ型感光性塗膜が選択的に除去され、ITO膜が露出さ
れた。
【0162】水洗、乾燥後、原板9を陽極とし、着色塗
料(Y−4)を入れたステンレススチール製ビーカーを
陰極として、直流電圧25V、25℃の条件で、3分間
電着した。原板9をイオン交換水で洗浄した後、80℃
で5分間乾燥し、常温で粘着性を示さない膜厚2μmの
赤色の着色層6を形成した。次いで0.5重量%の乳酸
水溶液で現像したところ、赤色の着色層6および遮光層
に相当するネガ型感光性塗膜部分5には何の変化も認め
られず、ネガマスクの光透過率の2番目に低い部分のネ
ガ型感光性塗膜が除去された。
【0163】水洗、乾燥後、着色塗料(Y−4)の電着
と同様にして着色塗料(Y−5)を、直流電圧25V、
25℃の条件で、3分間電着した。原板9をイオン交換
水で洗浄したところ、先に形成した赤色の着色層6およ
び遮光層に相当するネガ型感光性塗膜部分5には全く変
化が見られず、緑色の着色層7が形成された。80℃で
5分間乾燥し、次いで3.0重量%の乳酸水溶液で現像
したところ、赤色および緑色の着色層に変化は認められ
ず、また遮光層に相当するネガ型感光性塗膜部分5にも
何の変化も認められず、ネガマスクの光透過率が3番目
に低い部分のネガ型感光性塗膜が除去された。
【0164】水洗、乾燥後、着色塗料(Y−4)の電着
と同様にして着色塗料(Y−6)を、直流電圧25V、
25℃の条件で、3分間電着した。原板9をイオン交換
水で洗浄したところ、先に形成した赤色、緑色の着色層
および遮光層に相当する部分のネガ型感光性塗膜部分5
には全く変化が見られず、青色の着色層8が形成され
た。 次いで80℃で5分間乾燥した後、7.0重量%
の乳酸水溶液で現像したところ、着色層に変化は認めら
れず、残存するカチオン性ネガ型感光性塗料、即ち光照
射量の最も多い部分5の感光性塗膜のみが選択的に除去
された。乾燥後、得られた着色層を硬化させるために1
60℃で20分間焼き付けた。
【0165】次いで原板9を陰極とし、45℃の銅メッ
キ浴中にて0.1A/cmの電流密度で2.5分間電気
メッキを行った。
【0166】水洗、乾燥して、非透光性(遮光性)の銅
メッキ層5及び着色層を有する原板9を得た。
【0167】次いで合成例13で得た紫外線硬化型感圧
性接着剤をスピンコート法によって0.1μmに塗装し
た透明ガラス基板上に、原板9の着色層表面が接触する
ようにしてゴムローラーを用いて圧着して着色層、銅メ
ッキ層、透明導電層およびポリイミド膜を転写し、20
0mJ/cm2の紫外線を照射した後、原板9を剥がし
た。次いでさらに硬化を完全に行なわせるため、150
℃で30分間焼付け、着色層上面にITO膜(透明導電
層)およびポリイミド膜を有する透明性に優れた均一な
着色層を持ったカラーフィルターが得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様を示す工程図である。
【図2】本発明の実施例1、2、5及び6で使用したポ
ジマスクの拡大模式図である。
【図3】本発明の実施例3、4、7、8及び9で使用し
たネガマスクの拡大模式図である。
【図4】本発明の転写工程を示す模式図である。
【符号の説明】
1 遮光膜または第4の色相当部分(光透過率1%) 2 第1の色相当部分(光透過率100%) 3 第2の色相当部分(光透過率25%) 4 第3の色相当部分(光透過率5%) 5 遮光膜または第4の色相当部分(光透過率100
%) 6 第1の色相当部分(光透過率1%) 7 第2の色相当部分(光透過率5%) 8 第3の色相当部分(光透過率25%)
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年9月11日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はカラーフィルターの製造
法に関し、特にカラー液晶表示装置用等として好適なカ
ラーフィルターの製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、一般に使用されているカラーフィ
ルターの製造法としては、透明基板を染料や顔料を含ん
だバインダーによって着色する染色法、印刷法、顔料分
散法等がある。
【0003】しかしながら、前記染色法は、基板上の樹
脂薄膜を色素で選択染色する方法であるので、色替えの
度に防染およびフォトリソグラフィー工程を行なう必要
があり、また前記印刷法では防染の必要はないが、色パ
ターンの微細化に限界が生じ、多色化が進むほど印刷位
置の精度が悪くなるという問題がある。更に前記顔料分
散法では微細パターンは可能であるものの、色替えの度
に高精度のフォトリソグラフィー工程を経ねばならず工
程がきわめて複雑化するという欠点がある。
【0004】一方、これらの欠点を解消するために、特
開昭59−114572号公報において、電着塗装法に
よるカラーフィルターの製造法が提案されている。該方
法では、まず基板上に形成された透明導電膜をパターニ
ングして透明電極を形成し、該パターン化透明電極の同
じ色に着色される箇所にのみ電圧を印加し、着色電着浴
中で電着して着色層を形成する。次に別の色に着色され
る箇所にのみ電圧を印加し電着処理して別の着色層を形
成する。しかしこの方法は、まず高精度を必要とする透
明電極のパターニングを最初に行なわなければならず、
後工程での取扱いに多大の注意が必要であり、微細パタ
ーンの一部でも断線すると以後の着色工程が困難となる
ため製造上好ましくない。さらにパターン化透明電極
は、微細部分であってもすべて電気的に連続していなけ
ればならず、パターン形状の自由度に制約がある。
【0005】また特開昭63−210901号公報にお
いて、ポジ型感光性樹脂組成物を用いて同じ色に着色さ
れる箇所のみのパターンを有するマスクを介して露光、
現像し電着によって着色層を形成し、その後この露光・
現像・電着の工程を所望回数繰り返すという方法が提案
されているが、該方法は工程が複雑であり十分に簡略化
されたとはいえず、更に未露光部のキノンジアジド化合
物も現像時にアルカリ水溶液に曝すと変質して感光性が
著しく変化し、以後の露光・現像が困難になるという欠
点がある。
【0006】これらの電着法においては、着色層形成の
ための透明電極が、液晶駆動用の電極としても使用され
ることになるが、透明電極上に形成される着色層は絶縁
体であるため、液晶の駆動電圧が非常に高くなる。そこ
で現在前記方法に基づいて形成される着色層上には、更
に液晶駆動用の透明電極を設けて駆動電圧を低下させて
いるのが現状である。また前記方法において使用されて
いる透明電極は、光透過率が80〜85%であるため、
透明電極を2層設けることは、光透過率を低下させ、着
色表示基板としての性能が劣るという問題が生じる。こ
のような問題を解決するために、特開平1−22379
号公報において、原板上に着色層を形成し、これを透明
基板上に転写する方法が提案されているが、該方法では
各色毎に転写を行なうため、転写の度に高精度のアライ
メントが必要であり、製造法が煩雑となる。
【0007】一方、カラーフィルターを有するデバイス
の高性能化への要望から、コントラストの向上や色純度
の低下防止が望まれ、その解決策として一般に、カラー
フィルターの各画素間部分に非透光性膜を形成する方法
が知られている。該非透光性膜の形成方法としては、例
えば、予め非透光性膜パターンが形成された基板上にア
ライメントしながら画素を形成していく方法又は予め画
素パターンの形成された基板上にアライメントしながら
非透光性膜パターンを形成していく方法等が用いられて
いる。
【0008】しかしながら、これらの方法では、いずれ
も画素パターンと、非透光性膜パターンとの間にアライ
メント操作を行なう必要があるため、この精度により画
素パターン間に透光部のない一致したサイズの非透光性
膜パターンを形成することは困難である。更にこれらの
重なり部分が生じる場合には、カラーフィルター上に段
差が生じ、構造的に要求の強い平坦性に優れるカラーフ
ィルターを製造することは困難である。
【0009】また上述の方法はいずれもアラインメント
のために高精度の加工技術が要求され、ワークサイズの
大型化の要求、すなわち画面寸法の大型化や多面付によ
るコストダウンの要求に対しての対応が困難である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】したがって本発明の目
的は、高度な微細加工技術を必要とせず、着色層のパタ
ーン形状の自由度が大きく、カラーフィルター画素間に
間隙なく非透光性層を配置でき、しかも大型化への対処
も容易であり、かつ大量生産が容易で簡便な、カラーフ
ィルターの製造法を提供するものである。
【0011】本発明の別の目的は、駆動電圧を低下で
き、光透過率の低下もなく、更に改めて透明電極の形成
工程を必要としないカラーフィルターの製造法を提供す
るものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、着色層の
パターン形状の自由度が大きく、大型化にも対処可能な
カラーフィルターの製造法について研究の結果、ポジ型
またはネガ型感光性樹脂と特定のマスクを組み合わせる
という簡便な工程により優れた性能を有するカラーフィ
ルターが得られることを見いだした。
【0013】すなわち、本発明によれば、(A−1)配
向膜を有し、且つ最外表面に透明導電層を有する基板の
透明導電層上にポジ型感光性塗膜を形成し、少なくとも
光透過率が3段階に異なるパターンを有するマスクを介
して露光する工程と、(B−1)該パターン部分のポジ
型感光性塗膜を現像除去し、透明導電層を露出させ、露
出した該導電層上に着色塗料を電着塗装し着色層を形成
する操作を、マスクの光透過率の大きい順に対応するパ
ターン部分について順次繰り返すことにより着色層を形
成する工程と、(Z−1)転写用基板上に、該着色層、
透明導電層及び配向膜を転写する工程とを含むことを特
徴とするカラーフィルターの製造法が提供される。
【0014】また本発明によれば、(A−2)配向膜を
有し、且つ最外表面に透明導電層を有する基板の透明導
電層上にネガ型感光性塗膜を形成し、少なくとも光透過
率が3段階に異なるパターンを有するマスクを介して露
光する工程と、(B−2)該パターン部分のネガ型感光
性塗膜を現像除去し、透明導電層を露出させ、露出した
該導電層上に着色塗料を電着塗装し着色層を形成する操
作を、マスクの光透過率の小さい順に対応するパターン
部分について順次繰り返すことにより着色層を形成する
工程と、(Z−2)転写用基板上に、該着色層、透明導
電層及び配向膜を転写する工程とを含むことを特徴とす
るカラーフィルターの製造法が提供される。
【0015】更に本発明によれば、前記(A−1)工程
と、前記(B−1)工程と、前記(C−1)光照射量が
異なる露光部分のうち、少なくとも1箇所の部分のポジ
型感光性塗膜を現像除去して露出した透明導電層上に選
択的に金属層を形成する工程と、(Z−3)転写用基板
上に、該着色層、透明導電層、配向膜及び金属層を転写
する工程とを含むことを特徴とするカラーフィルターの
製造法が提供される。
【0016】更にまた本発明によれば、前記(A−2)
工程と、前記(B−2)工程と、前記(C−2)光照射
量が異なる露光部分のうち、少なくとも1箇所の部分の
ネガ型感光性塗膜を現像除去して露出した透明導電層上
に選択的に金属層を形成する工程と、(Z−4)転写用
基板上に、該着色層、透明導電層、配向膜及び金属層を
転写する工程とを含むことを特徴とするカラーフィルタ
ーの製造法が提供される。
【0017】また本発明によれば、前記(A−1)工程
と、前記(B−1)工程と、前記(C−1)工程と、
(D−1)前記金属層上に着色塗料を電着塗装し、着色
層形成する工程と、(Z−5)転写用基板上に、該着色
層、透明導電層及び配向膜と、金属層及び該金属層上に
形成した着色層とを転写する工程とを含むことを特徴と
するカラーフィルターの製造法が提供される。
【0018】更に本発明によれば、前記(A−2)工程
と、前記(B−2)工程と、前記(C−2)工程と、
(D−2)前記金属層上に着色塗料を電着塗装し、着色
層形成する工程と、(Z−6)転写用基板上に、該着色
層、透明導電層、配向膜及び金属層と、金属層及び該金
属層上に形成した着色層とを転写する工程とを含むこと
を特徴とするカラーフィルターの製造法が提供される。
【0019】以下、本発明をさらに詳細に説明する。
【0020】本発明のカラーフィルターの製造法におい
ては、先ず、配向膜を有し、且つ最外表面に透明導電層
を有する基板の透明導電層上にポジ型またはネガ型感光
性塗膜を形成し、少なくとも光透過率が3段階に異なる
パターンを有するマスクを介して露光する工程を行う
(以下、ポジ型感光性塗膜を用いる場合を(A−1)工
程、またネガ型感光性塗膜を用いる場合を(A−2)工
程という)(また(A−1)工程および(A−2)工程
を総称して(A)工程という)。
【0021】本発明に使用する配向膜を有し、且つ最外
表面に透明導電層を有する基板とは、基板上に配向膜が
形成されており、その上に透明導電層が形成された板状
のものであれば特に制限されない。
【0022】該基板の材料としては、例えば金属板また
は板状絶縁物等を挙げることができ、具体的にはガラ
ス、各種の積層板類、各種のプラスチック類または金属
等が挙げられる。基板の表面はカラーフィルターの性能
上、平滑であることが望ましく、必要によっては表面を
研磨して使用することもできる。また後工程での転写を
容易ならしめるために基板表面と配向膜との間に剥離層
を形成させておくことが好ましく、該剥離層としては、
通常シリコーン、ポリテトラフルオロエチレン等の薄膜
が有用である。
【0023】本発明に使用する配向膜には、通常液晶配
向膜に使用される配向膜と同様なものを用いることがで
きる。
【0024】該配向膜に使用する材料は、カラーフィル
ターに要求される性能などに悪影響を及ぼさないものが
好ましく、例えば無機材料としてはシリカ、有機材料と
してはポリイミド、ポリフェニレンスルフィド、エポキ
シ樹脂、アクリル樹脂等を挙げることができる。該配向
膜の膜厚はカラーフィルターに要求される性能に応じて
適宜選定可能であるが、通常0.01〜3μmが望まし
い。また配向膜の形成方法としては、例えば斜方蒸着
法、グレーティング法、ラビング法等が挙げられ、特に
ラビング法により配向処理を行う方法は、転写工程終了
後にも行うことができるため特に好ましい。また、プラ
ズマ重合法等によって基板表面で重合を行わせ、配向膜
を形成させることもできる。
【0025】本発明に用いる透明導電層としては、例え
ば、酸化スズ、酸化インジウムまたは酸化アンチモン等
を成分とする材料が挙げられ、膜厚は通常20〜300
nmであるのが好ましい。また該透明導電層の形成方法
は特に制限されず、例えばスプレー法、CVD法、スパ
ッタリング法、真空蒸着法等の公知の方法が挙げられ
る。該透明導電層は、カラーフィルターの性能上、でき
る限り透明度の高いものを用いることが望ましい。
【0026】前記基板の透明導電層上にポジ型またはネ
ガ型感光性塗膜を形成する方法は、特に限定されない
が、公知の方法、例えば電着法、吹き付け法、浸漬塗装
法、ロールコート法、スクリーン印刷法、スピンコータ
ーで塗装する方法等で、透明導電層上に塗布することに
より形成することができる。
【0027】本発明の(A−1)工程に用いるポジ型感
光性塗膜を形成するためのポジ型感光性塗料としては、
塗膜形成能と感光性とを有する樹脂(以下、ポジ型感光
性塗料用樹脂という)、または該ポジ型感光性塗料用樹
脂と染料および/または顔料等とを有機溶媒や水などに
分散あるいは溶解した塗料等を挙げることができる。該
ポジ型感光性塗料は、染料および/または顔料を含んで
いても、含んでいなくともよいが、目的とするカラーフ
ィルターの一構成部分となる色相に染料および/または
顔料を含んでいると、後述する(B)工程の繰返し回数
を1回省略することができ好適である。
【0028】本発明において好ましく使用されるポジ型
感光性塗料用樹脂としては、露光部分が現像液によって
溶出されるものであれば特に限定されるものではなく、
例えばキノンジアジド基を有する樹脂、ジアゾメルドラ
ム酸又はニトロベンジルエステル等を含有する樹脂若し
くはこれらの樹脂を有する樹脂組成物等を好ましく挙げ
ることができ、具体的には例えばアクリル樹脂、エポキ
シ樹脂、ウレタン樹脂、ポリブタジエン樹脂等に、アミ
ノ基、アンモニウム、スルホニウム等のオニウム基と水
酸基とを導入し、更にキノンジアジドスルホン酸化合物
をエステル化反応により付加した樹脂で、蟻酸、酢酸、
プロピオン酸、乳酸などの酸あるいは酸性物質で水に可
溶化および/または分散される樹脂等のキノンジアジド
基を有するカチオン性の樹脂組成物;アクリル樹脂、ポ
リエステル樹脂、マレイン化油樹脂、ポリブタジエン樹
脂、エポキシ樹脂等にカルボキシル基等と水酸基とを導
入し、更にキノンジアジドスルホン酸化合物をエステル
化反応により付加した樹脂で、トリエチルアミン、ジエ
チルアミン、ジメチルエタノールアミン、アンモニア等
の塩基性物質で水に可溶化および/または分散される樹
脂等のキノンジアジド基を有するアニオン性の樹脂組成
物;造膜機能を有する樹脂及びヒドロキシル基を有する
化合物と、キノンジアジドスルホン酸誘導体又はイソシ
アナ−ト基を有するキノンジアジド化合物とを反応させ
て得られる樹脂を適宜混合した組成物等を挙げることが
でき、特に工程簡略化や公害防止の点から、水に可溶化
および/または分散しうる樹脂の使用が好ましい。また
前記組成物における混合割合は、露光条件や現像条件に
よって任意選択することができる。
【0029】本発明の(A−2)工程に用いるネガ型感
光性塗膜を形成するためのネガ型感光性塗料としては、
塗膜形成能と感光性とを有する樹脂(以下、ネガ型感光
性塗料用樹脂という)、更には光重合開始剤および必要
により染料および/または顔料等とを有機溶媒や水など
に分散あるいは溶解した塗料等を挙げることができる。
該ネガ型感光性塗料は、染料および/または顔料を含ん
でいても、含んでいなくともよいが、目的とするカラー
フィルターの一構成部分となる色相に染料および/また
は顔料を含んでいると、後述する(B)工程の繰返し回
数を1回省略することができ好適である。
【0030】該ネガ型感光性塗料用樹脂としては、光に
よって架橋しうるエチレン性二重結合を導入した樹脂が
挙げられ、具体的にはアクリロイル基、メタクリロイル
基等の(メタ)アクリロイル基および/またはシンナモ
イル基等の感光性基を分子中に有する、一般に分子量5
00〜10,000程度のプレポリマーまたは樹脂等を
挙げることができる。該プレポリマー又は樹脂として
は、例えばエポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン
(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレ
ート等のプレポリマー;アクリル樹脂、エポキシ樹脂、
ウレタン樹脂、ポリブタジエン樹脂等に、アミノ基、ア
ンモニウム、スルホニウム等のオニウム基と前記感光性
基とを導入した樹脂で、有機溶媒に溶解および/または
分散するか、または蟻酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸な
どの酸あるいは酸性物質で水に可溶化および/または分
散されるカチオン性の樹脂;アクリル樹脂、ポリエステ
ル樹脂、マレイン化油樹脂、ポリブタジエン樹脂、エポ
キシ樹脂等にカルボキシル基等と前記感光性基とを導入
した樹脂を、有機溶媒に溶解および/または分散する
か、またはトリエチルアミン、ジエチルアミン、ジメチ
ルエタノールアミン、アンモニア等の塩基性物質で水に
可溶化および/または分散されるアニオン性の樹脂等を
挙げることができ、特に工程簡略化や公害防止の点か
ら、水に可溶化および/または分散しうるプレポリマー
または樹脂の使用が好ましい。
【0031】また前記ネガ型感光性塗料用樹脂には、ネ
ガ型感光性塗膜の感光性や粘度などを調整するために低
分子量の(メタ)アクリレート類を添加してもよく、具
体的には、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、3−
フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ
ート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、トリ
シクロデカン(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール
ジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ
アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレー
ト、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリ
ス(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート等が
例示され、これらは混合物として使用してもよい。これ
らの(メタ)アクリレート類の配合割合は、感光性塗料
用樹脂100重量部に対して0〜50重量部、好ましく
は0〜30重量部である。(メタ)アクリレート類の配
合割合が50重量部を越えると塗膜に粘着性が出やすく
なり好ましくない。
【0032】前記光重合開始剤は公知のものでよく、例
えばベンゾインおよびそのエーテル類、ベンジルアルキ
ルケタール類、ベンゾフェノン誘導体、アントラキノン
誘導体、チオキサントン誘導体等が挙げられ、さらに必
要によって増感剤を添加してもよい。光重合開始剤の添
加量は、前記ネガ型感光性塗料用樹脂100重量部に対
し、好ましくは0.1〜30重量部、特に好ましくは
0.5〜20重量部の範囲である。光重合開始剤の添加
量が0.1重量部未満では光硬化性が不足し、また30
重量部を越えると硬化が進みすぎて塗膜強度が不足し、
かつ不経済であるため好ましくない。
【0033】前記ポジ型またはネガ型感光性塗料に用い
る樹脂等の各成分を分散または溶解するために使用す
る、有機溶媒としては、上述のプレポリマーまたは樹脂
を溶解しうるものであればよく、各種のグリコールエー
テル類、例えば、エチレングリコールモノブチルエーテ
ル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレ
ングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコ
ールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノフ
ェニルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテ
ル、トリエチレングリコールジメチルエーテル等;ケト
ン類、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチル
イソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン等;
エーテル類、例えば、ジブチルエーテル、ジオキサン、
テトラヒドロフラン等;アルコール類、例えば、メトキ
シブタノール、ジアセトンアルコール、ブタノール、イ
ソプロパノール等;炭化水素類、例えば、トルエン、キ
シレン、ヘキサン等;エステル類、例えば、酢酸エチ
ル、酢酸ブチル、酢酸2−メトキシエチル、酢酸2−メ
トキシプロピル、安息香酸エチル等;酸アミド類、例え
ば、ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトア
ミド、ジメチルスルホキシド等を挙げることができ、使
用に際しては単独若しくは混合物として用いることがで
きる。
【0034】またこれらの有機溶媒は、可溶化や分散を
容易にするため、浴安定性の向上のため、平滑塗膜を得
る等のために、前記カチオン性の樹脂またはアニオン性
の樹脂の水溶化時または水分散時において添加すること
もできる。
【0035】必要により感光性塗料に配合される染料お
よび/または顔料の色相は、目的に応じ適宜選択できる
が、光もれを防止するためには暗色のものが好ましく、
特に黒色、濃紺、濃紫、濃茶等の色相が好ましい。
【0036】また、該染料および/または顔料には、塗
料の安定性、必要により電着特性、塗膜の耐久性等を損
なわないものを選択することが望ましい。この点から染
料としては油溶性あるいは分散性染料が好ましく、具体
的には例えばアゾ系、アントラキノン系、ベンゾジフラ
ン系、縮合メチン系等が挙げられる。また顔料として
は、例えばアゾレーキ系、キナクリドン系、フタロシア
ニン系、イソインドリノン系、アントラキノン系、チオ
インジゴ系等の有機顔料、黄鉛、酸化鉄、クロムバーミ
リオン、クロムグリーン、群青、紺青、コバルトブル
ー、コバルトグリーン、エメラルドグリーン、チタンホ
ワイト、カーボンブラック等の無機顔料が適している。
また、目的とする色相に応じ、前記染料および/または
顔料を、その特性を損なわない限りにおいて、2種類以
上混合して用いることもできる。なお、染料および/ま
たは顔料については適宜「COLOUR INDEX」
等を参照すればよい。
【0037】該染料および/または顔料の使用割合は、
目的、色相、使用する染料および/または顔料の種類、
感光性塗料の乾燥時の膜厚等により適宜選択され、好ま
しくは感光性塗料全体に対して、3〜70重量%、特に
好ましくは5〜60重量%程度が適している。
【0038】さらに、該染料および/または顔料の種類
や使用割合により、得られる塗膜を透光性又は遮光性に
もすることができ、目的により適宜選択できる。例えば
顔料としてカーボンブラック等を、ポジ型またはネガ型
感光性塗料全体に対して3〜34重量%の範囲で用いる
ことにより、黒色かつ遮光性の塗膜を得ることができ
る。該黒色かつ遮光性の塗膜は、光もれを防止する目的
においては特に好ましい。また該染料および/または顔
料の色には白色も含まれる。更にまた使用する染料およ
び/または顔料は、良好な塗膜を得るために精製して不
純物を除去して使用するのが好ましい。さらにポジ型ま
たはネガ型感光性塗料に、該染料や顔料の分散助剤、塗
膜の平滑性をよくするレベリング剤、粘度調整剤、消泡
剤等の各種助剤類等を添加してもよい。
【0039】前記ポジ型感光性塗料を調製するには、ポ
ジ型感光性塗料用樹脂、有機溶媒および/または水、必
要に応じて染料および/または顔料、酸性物質または塩
基性物質、染料あるいは顔料の分散助剤、塗膜の平滑性
をよくするレベリング剤、粘度調整剤、消泡剤等の各種
助剤類等を混合し、一般的に使用されるサンドミル、ロ
ールミル、アトライター等の分散機を用いて充分に分散
させ、所望の濃度に希釈する方法等により得ることがで
きる。
【0040】前記ネガ型感光性塗料を調製するには、ネ
ガ型感光性塗料用樹脂、光重合開始剤、有機溶媒および
/または水、必要に応じて染料および/または顔料、酸
性物質または塩基性物質、染料あるいは顔料の分散助
剤、塗膜の平滑性をよくするレベリング剤、粘度調整
剤、消泡剤等の各種助剤類等を混合し、前記ポジ型感光
性塗料の調製と同様にして分散させ、所望の濃度に希釈
して得ることができる。
【0041】このようにして得られるポジ型またはネガ
型感光性塗料により形成される感光性塗膜の膜厚は特に
制限されず、カラーフィルターに要求される性能等に応
じて適宜選択できるが、乾燥時に通常0.3〜20μ
m、好ましくは1〜15μm程度であればよい。該膜厚
を調整するには、例えば感光性塗膜を電着法で形成する
場合、電圧、電着時間、液温等の電着条件を調整するこ
とにより制御できるが、通常は後述の着色塗料の電着塗
装と同様の条件で行うことができる。またネガ型感光性
塗膜を着色層として用いない場合には、着色剤を添加せ
ずに、膜厚を通常5〜15μm程度に厚くするのが、酸
素による硬化阻害作用の軽減、ピンホールの生成防止等
の点で好ましい。
【0042】本発明において、前記ポジ型またはネガ型
感光性塗膜を露光するには、少なくとも光透過率が3段
階に異なるパターンを有するマスクを介して行う必要が
ある。ここで光透過率とは、露光に使用する光線が、該
マスクを透過する前後における強度の比率をいう。また
該マスクのパターンの異なる光透過率の段数は、少なく
とも3段階あれば良く、使用する着色塗料の種類の数に
応じて決定でき、各段階間の光透過率の差は露光条件や
後述の現像条件に応じて適宜選択することができる。一
般にはそれぞれの光透過率の相対的な差を大きくする方
が露光量、露光時間の調整が容易となるために好ましい
が、光透過率の差が小さい場合であっても露光量を増大
し、あるいは露光時間を長くすることで同一目的を達成
することができる。従って、光透過率の相対的な差は特
に限定されないが、通常5%以上の有意差を有すること
が好ましい。
【0043】前記露光は通常紫外線を多量に発生できる
装置を用いて行うことができ、例えば、高圧水銀灯、超
高圧水銀灯、メタルハライドランプ等を光源として用い
ることができ、必要によっては紫外線以外の他の放射線
を使用してもよい。露光条件は、用いる感光性塗料、露
光装置、前記マスク等に応じて適宜選択できる。
【0044】本発明の製造方法においては、少なくとも
光透過率が3段階に異なるパターンを有するマスクを介
して露光を行うことにより、(A−1)工程においては
ポジ型の感光性塗膜に、(A−2)工程においてはネガ
型の感光性塗膜に、マスクのパターンの光透過率の異な
る段階の数と同数の、異なる露光状態を形成することが
できる。
【0045】本発明の製造法では、前記(A−1)工程
に次いで、該パターン部分のポジ型感光性塗膜を現像除
去し、透明導電層を露出させ、露出した透明導電層上に
着色塗料を電着塗装し着色層を形成する操作を、マスク
の光透過率の大きい順に対応するパターン部分について
順次繰り返すことにより着色層を形成する(以下、(B
−1)工程という)、または前記(A−2)工程に次い
で、該パターン部分のネガ型感光性塗膜を現像除去し、
透明導電層を露出させ、露出した透明導電層上に着色塗
料を電着塗装し着色層を形成する操作を、マスクの光透
過率の小さい順に対応するパターン部分について順次繰
り返すことにより着色層を形成する(以下、(B−2)
工程という)(また(B−1)工程および(B−2)工
程を総称して(B)工程という)。すなわち、該(B−
1)工程では、まずマスクの光透過率が最大であるパタ
ーンに対応する部分のポジ型感光性塗膜を選択的に現像
除去し、露出した透明導電層上に着色塗料を電着塗装し
着色層を形成し、次いでマスクの光透過率が次に大きい
パターンに対応する部分のポジ型感光性塗膜のみを選択
的に現像除去し、露出した透明導電層上に着色塗料を電
着塗装し着色層を形成するという工程を順次繰り返すこ
とにより着色層を形成することができる。また該(B−
2)工程では、まずマスクの光透過率が最少であるパタ
ーンに対応する部分のネガ型感光性塗膜のみを選択的に
現像除去し、露出した透明導電層上に着色塗料を電着塗
装し着色層を形成し、次いでマスクの光透過率が次に小
さいパターンに対応する部分のネガ型感光性塗膜を選択
的に現像除去し、露出した透明導電層上に着色塗料を電
着塗装し着色層を形成するという工程を順次繰り返すこ
とにより着色層を形成することができる。
【0046】前記ポジ型またはネガ型感光性塗膜を選択
的に現像除去する条件は、選択的に除去すべき部分の露
光量、使用するポジ型またはネガ型感光性塗料の現像液
に対する溶解性、現像液の種類や濃度、さらには現像温
度、現像時間によって変わりうるものであり、ポジ型ま
たはネガ型感光性塗料の調製に使用する樹脂等に適した
条件を適宜選択すればよい。
【0047】具体的には例えば、ネガ型感光性塗料の調
製にカチオン性の樹脂を使用する場合の現像液として
は、酸性物質を溶解した水溶液を使用することができ
る。該酸性物質としては、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、
乳酸等の有機酸や塩酸、リン酸等の無機酸を挙げること
ができ、例えば乳酸水溶液を現像液に使用する場合は、
乳酸濃度は通常0.01〜50重量%、好ましくは0.
05〜25重量%、温度は通常10〜70℃、好ましく
は15〜50℃、現像時間は通常2〜600秒、好まし
くは4〜300秒等の範囲から適宜選択すれば良い。ま
たネガ型感光性塗料の調製にアニオン性の樹脂を使用す
る場合の現像液としては、塩基性物質を溶解した水溶液
等を使用することができる。該塩基性物質としては、炭
酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、メタ珪酸ナトリウ
ム、テトラアルキルアンモニウムヒドロキシド、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム等を挙げることができ、例
えば炭酸ナトリウム水溶液を現像液に使用する場合、炭
酸ナトリウム濃度は通常0.01〜25重量%、好まし
くは0.05〜20重量%、温度は通常10〜70℃、
好ましくは15〜50℃、現像時間は通常2〜600
秒、好ましくは4〜300秒等の範囲から適宜選択すれ
ば良い。
【0048】更にポジ型感光性塗料を使用した場合の現
像液としては、通常塩基性物質を溶解した水溶液等を使
用することができる。該塩基性物質としては、炭酸ナト
リウム、炭酸水素ナトリウム、メタ珪酸ナトリウム、テ
トラアルキルアンモニウムヒドロキシド、水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム等を挙げることができ、例えばメ
タ珪酸ナトリウム水溶液を現像液に使用する場合、メタ
珪酸ナトリウム濃度は通常0.01〜25重量%、好ま
しくは0.05〜20重量%、温度は通常10〜70
℃、好ましくは15〜50℃、現像時間は通常2〜60
0秒、好ましくは4〜300秒等の範囲から適宜選択す
れば良い。
【0049】更にまた、ポジ型またはネガ型感光性塗膜
の現像液として有機溶媒を使用してもよく、例えばアル
コール類、グリコールエーテル類、ケトン類、塩素化炭
化水素類等を使用することもできる。またこれらの現像
液には濡れ性改良や消泡のために界面活性剤や消泡剤を
添加してもよく、特に毒性や作業環境性等の点で水溶液
系の現像液を使用するのが好ましい。
【0050】次に前記現像後、露出した透明導電層上
に、着色塗料を電着塗装し、着色層を形成する。
【0051】該着色塗料は、例えば樹脂成分としてカチ
オン性またはアニオン性の樹脂を使用し、着色成分とし
て染料および/または顔料を加え、更に酸性または塩基
性物質を使用して水に溶解および/または分散させた塗
料等を用いることができ、更にまた着色塗料における樹
脂の溶解および/または分散を容易ならしめるため、浴
安定性の向上のため又は平滑塗膜を得る等のために有機
溶媒等を添加してもよい。
【0052】前記カチオン性の樹脂としては、例えばア
クリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリブタジ
エン樹脂、ポリアミド樹脂等に、アミノ基、アンモニウ
ム、スルホニウム等のオニウム基を導入した樹脂で、蟻
酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸等の酸あるいは酸性物質
で水に可溶化または分散される樹脂等を挙げることがで
きる。
【0053】また、前記アニオン性の樹脂としては、例
えばアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、マレイン化油樹
脂、ポリブタジエン樹脂、エポキシ樹脂等にカルボキシ
ル基等を導入した樹脂で、トリエチルアミン、ジエチル
アミン、ジメチルエタノールアミン、アンモニア等の塩
基性物質で水に可溶化または分散される樹脂等を挙げる
ことができる。更にまた、着色塗料の造膜成分は感光性
を有するものであってもよく、前記(A−2)工程にお
けるネガ型感光性塗膜に使用するプレポリマーや樹脂の
中で電着に適するものを用いることもでき、光重合開始
剤を併用してもよい。
【0054】(B)工程において用いる着色塗料は、光
透過率が異なる部分ごとに種類、色相、色濃度、色明暗
の異なるものを使用することが望ましいが、重複して同
じものを用いることもできる。
【0055】着色塗料の色相は、目的に応じ適宜選択す
ることができる。例えば(A)工程において使用する感
光性塗料と(B)工程において使用する着色塗料、さら
には(B)工程において着色塗料を電着塗装する工程を
複数回行う場合に使用する各々の着色塗料には色相の異
なるものを用いることができる。
【0056】前記着色塗料に使用する染料および/また
は顔料は、目的とする色相に応じ選択されるが、得られ
る塗膜の透明性、塗料の安定性、電着特性、塗膜の耐久
性等について問題の生じないものを選択することが望ま
しく、この点から染料としては、油溶性あるいは分散性
染料、具体的には例えばアゾ系、アントラキノン系、ベ
ンゾジフラノン系、縮合メチン系等が挙げられ、顔料と
しては例えばアゾレーキ系、キナクリドン系、フタロシ
アニン系、イソインドリノン系、アントラキノン系、チ
オインジゴ系等の有機顔料、黄鉛、酸化鉄、クロムバー
ミリオン、クロムグリーン、群青、紺青、コバルトブル
ー、コバルトグリーン、エメラルドグリーン、チタンホ
ワイト、カーボンブラック等の無機顔料を挙げることが
できる。また目的とする色相に応じ、上記染料および/
または顔料を、その性状を損なわない限りにおいて、2
種類以上混合して用いることもできる。
【0057】前記着色塗料の調製は、樹脂、染料および
/または顔料、酸性物質または塩基性物質および必要に
より有機溶剤や、染料あるいは顔料の分散助剤、塗膜の
平滑性をよくするレベリング剤、粘度調整剤、消泡剤等
の各種助剤類等を混合し、一般的に使用されるサンドミ
ル、ロールミル、アトライター等の分散機を用いて充分
に分散させ、その後、水で所定の濃度、好ましくは固形
分含量約4〜25重量%、特に好ましくは7〜20重量
%に希釈して電着に適する塗料とする方法等により行な
うことができる。このようにして得られる着色塗料は、
透明導電層上に電着塗装することによって着色層を形成
させる。
【0058】該着色層の膜厚は特に制限されず、カラー
フィルターに要求される性能に応じて適宜選択できる
が、乾燥時に通常0.3〜5μm、好ましくは1〜3μ
m程度であればよい。
【0059】前記電着塗装の条件は、使用する着色塗料
の種類、目的とする着色層の膜厚に応じて適宜選択され
るが、電圧は通常5〜500V、好ましくは10〜30
0Vの直流であるのが好ましく、電着時間は通常5〜3
00秒、好ましくは10〜200秒、液温は通常10〜
35℃、好ましくは15〜30℃であるのが望ましい。
この際所望の膜厚を得る電着時間が経過したところで通
電を停止し、基板を浴から取り出し、余剰に付着した浴
液を水等でよく洗浄し乾燥することにより着色層を形成
することができる。
【0060】該乾燥条件は、後工程の条件等により適宜
選択できるが、通常は着色層表面の水分が乾燥し得る条
件であれば良く、例えば120℃以下、好ましくは30
℃〜100℃で、通常0.5分〜1時間、好ましくは1
〜30分程度乾燥させるのが望ましい。ここで乾燥温度
が120℃よりも高いと未現像のポジ型またはネガ型感
光性塗膜が熱により硬化することがあり、後の現像作業
が困難となるため好ましくない。
【0061】更に本発明の製造法においては、必要に応
じポジ型感光性塗膜又はネガ型感光性塗膜の光照射量の
異なる露光部分のうち、少なくとも1箇所の露光部分の
感光性塗膜を現像除去して露出した導電層上に、選択的
に金属層を形成する工程(以下(C)工程と称す)を更
に必要に応じて、前記金属層上に着色塗料を電着塗装
し、着色層を形成する工程(以下ポジ型電着感光性塗膜
を用いた場合を(D−1)工程、ネガ型電着感光性塗膜
を用いた場合を(D−2)工程と称す)(また(D−
1)工程及び(D−2)工程を総称して(D)工程と称
す)。
【0062】特に前記(B)工程により得られる着色層
のパターン間に存在する間隙に、選択的に金属層を形成
するのが好ましく、ネガ型感光性塗膜の場合には、(A
−2)工程に次いで(C−2)工程を行い、(D−2)
工程を行った後、(B−2)工程を行うのが好ましく、
またポジ型感光性塗膜の場合には、(A−1)工程に次
いで(B−1)工程を行い、(C−1)工程を行った
後、更に必要に応じて(D−1)工程を行うのが好まし
い。即ち、前記(B)工程、(C)工程、(D)工程の
順序は、任意であり、例えばネガ型感光性塗膜の場合に
は、(B−2)工程に先立って、露光量が最も少ない部
分について現像を行い、金属層を形成することが好まし
く、この際(D−2)工程において金属層上に着色塗料
が電着されるが実用上差し支えはない。前記(D)工程
において、金属層上に形成される着色層の色相は、好ま
しくは(B)工程に用いる着色塗料の中で暗色の着色塗
料を用いるのが好ましい。
【0063】前記金属層の形成とは、好ましくは、
(B)工程において着色層を形成した後若しくは着色層
を形成する前に、少なくとも1箇所のパターン部分及び
/又は基板上に残存しているポジ型又はネガ型感光性塗
膜を現像除去し、次いで露出した導電層を電気メッキ法
や無電メッキ法等により処理することによって行うこ
とができる。前記処理は、通常使用される各種のメッキ
液を用い、通常の処理条件の中からカラーフィルターに
要求される性能に合わせて適宜選択すればよい。
【0064】金属層として使用できる金属としては、
銅、ニッケル、銀、金等のメッキ処理等が可能な一般の
金属材料又は該金属材料の2種以上からなる合金、更に
は該金属材料の2種以上をメッキ液中で混合した金属等
を好ましく挙げることができる。また該金属層の厚さ
は、カラーフィルターに要求される性能等に応じて適宜
選択できるが、通常10nm〜5μm、好ましくは10
nm〜3μm程度であればよい。なお、該金属層厚を着
色層厚と略一致させるように形成することにより、カラ
ーフィルターを著しく平坦化することができるので特に
好ましい。
【0065】本発明の製造法においては、前記(C)工
程により、選択的に露出された導電層上に金属層がメッ
キ等により形成されるので、例えば、着色層間隙にセル
フアラインの形で金属層を形成することができる。この
ようなカラーフィルターは、前述のコントラストの向
上、色純度の向上等の他に、電極補助線としての機能を
合わせ持たせることも可能となり、大画面ディスプレー
における信号遅延やセル内発熱等の低減効果を有する。
【0066】本発明の製造法においては、少なくとも前
記(B)工程により得られる着色層を、転写用基板に転
写する工程(以下ポジ型電着感光性塗膜を用いた場合を
(Z−1)工程、ネガ型電着感光性塗膜を用いた場合を
(Z−2)工程と称す)を行う。また(C−1)工程、
(C−2)工程を行う場合には、少なくとも着色層及び
金属層を転写用基板に転写する工程(以下ポジ型電着感
光性塗膜を用いた場合を(Z−3)工程、ネガ型電着感
光性塗膜を用いた場合を(Z−4)工程と称す)を行
い、更に(D−1)工程、(D−2)工程を行う場合に
は、少なくとも着色層と、金属層及び該金属層上に形成
した着色層とを転写用基板に転写する工程(以下ポジ型
電着感光性塗膜を用いた場合を(Z−5)工程、ネガ型
電着感光性塗膜を用いた場合を(Z−6)工程と称す)
(また前記(Z−1)工程、(Z−2)工程、(Z−
3)工程、(Z−4)工程、(Z−5)工程、(Z−
6)工程を総称して(Z)工程と称す)を行う。
【0067】前記転写用の基板は、特に限定されるもの
ではないが、透明基板、半透明基板、着色基板等、用途
に応じて種々選択することができるが、好ましくはガラ
ス又はプラスチック等の透明基板を用いることができ、
具体的には例えば、ガラス、ポリエステル、ポリスルホ
ン、トリ酢酸セルロース、ポリカーボネート、ポリイミ
ド、ポリスチレン、ポリメチルペンテン等を好ましく用
いることができる。
【0068】前記転写は、着色層、透明導電層および配
向膜が、同時に転写のための基板に転写されるような条
件下に行われればよい。
【0069】前記転写の条件は、基板の材質、配向膜の
形成に使用される材料、透明導電層の材質、着色層に使
用される樹脂の性質や転写用基板の表面状態や材質、更
には転写時の温度、圧力、時間等によって適宜選択する
ことができる。一般的には、例えば転写時の温度は室温
〜150℃が好ましく、特に室温〜120℃が好まし
い。圧力は、0.05〜10kgf/cm2が好まし
く、特に0.1〜5kgf/cm2が好ましい。また時
間は2秒〜1時間が好ましく、特に5秒〜30分が好ま
しい。
【0070】前記転写時の加圧は、プレス、ラミネータ
ー、ゴム被覆ローラ等を用いることができ、この際必要
に応じて加熱しても良い。また着色層が感光性である場
合には、光照射により硬化させて転写することもでき、
更には必要により、加熱と光照射を同時に行うこともで
きる。更に該転写を容易に行なうために、転写用の基板
表面に光硬化性、感圧性又はホットメルト型等の透明接
着剤等を塗布しておくこともできる。また転写工程終了
後、再度加熱や光照射を行なって十分に硬化させ、耐候
性および耐薬品性等をより一層向上させることもでき
る。具体的には、前記再加熱を行なう場合、使用する樹
脂によっても異なるが、好ましくは50〜250℃、特
に好ましくは100〜200℃の範囲で、5分〜1時
間、特に10〜30分の範囲で加熱するのが望ましい。
【0071】更にまた転写後の基板は再使用することも
できる。
【0072】以上の(A)工程、(B)工程、(Z)工
程、必要に応じて行う(C)工程及び更に必要に応じて
行う(D)工程により目的とするカラーフィルターを製
造することができるが、必要により更に加熱・硬化又は
光硬化等を行い、耐候性や耐薬品性等を更に向上させる
こともできる。該加熱・硬化を行う際の条件としては、
例えば温度を通常100〜250℃、好ましくは150
〜250℃とし、5分〜1時間、好ましくは15〜40
分間の条件にて行うことができる。
【0073】以下、図1、図2、図3および図4を参照
して本発明の工程を説明するが、本発明はこれに限定さ
れるものではない。
【0074】図1は、本発明の一実施態様を示す工程図
であり、図2は、本発明に用いるマスクの実施態様のう
ち光透過率が4段階に異なるポジマスクの拡大模式図で
あって、1は光透過率1%の遮光膜もしくは第4の色相
当部分、2は光透過率100%の第1の色相当部分、3
は光透過率25%の第2の色相当部分、4は光透過率5
%の第3の色相当部分を示す。また図3は、本発明に用
いるマスクの実施態様のうち光透過率が4段階に異なる
ネガマスクの拡大模式図であって、5は光透過率100
%の遮光膜もしくは第4の色相当部分、6は光透過率1
%の第1の色相当部分、7は光透過率5%の第2の色相
当部分、8は光透過率25%の第3の色相当部分を示
す。更に図4は、転写の工程を示す工程図であって、9
は基板、10は配向膜、11は透明導電層、12は着色
層及び金属層、13は転写用基板を示す。
【0075】まず配向膜を有し、且つ最外表面に透明導
電層を有する基板の透明導電層上にポジ型またはネガ型
感光性塗膜(遮光膜とする場合には黒色に着色され、金
属遮光層を設ける場合には色相は任意である)を形成
し、例えば図2または図3に示される光透過率が4段階
に異なるネガマスクもしくはポジマスクを介して露光し
た後、第1回目の現像を行い、ポジマスクの光透過率が
最も大きい部分2またはネガマスクの光透過率の最も小
さい部分6に該当する透明導電層を露出させ、第1の色
の着色塗料を入れた電着浴で電着塗装後、水洗する。
【0076】次いで第2回目の現像(第1回目の現像と
は条件が異なる)を行い、ポジマスクの光透過率が2番
目に大きい第2の色相当部分3に該当する部分またはネ
ガマスクの光透過率が2番目に小さい第2の色相当部分
7に該当する部分の透明導電層を露出させ、第2の色の
着色塗料を入れた電着浴で電着塗装し、水洗する。
【0077】さらに第3回目の現像(第1回目および第
2回目の現像とは条件が異なる)を行い、ポジマスクの
光透過率が3番目に大きい第3の色相当部分4に該当す
る部分またはネガマスクの光透過率が3番目に小さい第
3の色相当部分8に該当する部分の透明導電層を露出さ
せ、第3の色の着色塗料を入れた電着浴で電着塗装後、
水洗する。この際、前記ポジ型またはネガ型感光性塗膜
を黒色とした場合には、乾燥し、遮光層を含む着色層を
形成し、後述の4回目の現像は行わない。
【0078】遮光層を別途電着塗装や金属メッキで作製
する場合、第4回目の現像(第1回目、第2回目及び第
3回目の現像とは条件が異なる)を行い、ポジマスクの
光透過率が最も少ない第4の色相部分1に該当する部分
又はネガマスクの光透過率が最も多い第4の色相部分5
に該当する部分を現像除去して導電層を露出させ、第4
の色の着色塗料の電着塗装した着色層若しくはメッキに
よる金属遮光層の形成を行い水洗する。
【0079】次に図4において、この基板9上の配向膜
10および透明導電層11上に形成された着色層及び金
属層12を、転写用の基板13に転写することによっ
て、本発明のカラーフィルターを得ることができる。
【0080】本発明においては、ポジ型またはネガ型感
光性塗料としてカチオン性樹脂を水に溶解および/また
は分散させた塗料を用い、ポジ型またはネガ型感光性塗
膜を形成し、アニオン性樹脂を用いて調製した着色塗料
により着色層を形成する方法またはこれとは逆にポジ型
またはネガ型感光性塗料としてアニオン性樹脂を水に溶
解および/または分散させた樹脂成分等を用い、ポジ型
またはネガ型感光性塗膜を形成し、カチオン性樹脂によ
り調製した着色塗料を用いて着色層を形成する方法等が
特に好ましい。
【0081】
【発明の効果】本発明のカラーフィルターの製造法は、
高度な微細加工技術を必要とせず、着色層のパターン形
状の自由度を大きくすることができ、一回の露光ですべ
てのパターニングが可能で、更に大型化への対処も容易
である。また着色層と透明基板との間に電極を設ける必
要がないので、駆動電圧を低下でき、光透過率の低下の
ないカラーフィルターを、簡便に、しかも大量生産する
ことができるので工業的にも極めて有用である。
【0082】
【実施例】以下に本発明を合成例および実施例によって
具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるもの
ではない。尚、以下例中において部は重量部を示す。
【0083】
【合成例1】カチオン性ポジ型感光性塗 料(X−1)の合成 不飽和化合物(x−1)の 合成 グリシド−ル148部、ジブチル錫ジラウリレ−ト0.
8部、ヒドロキノンモノメチルエ−テル0.2部及び2
−エトキシエチルアセテ−ト82部を、温度計、撹拌装
置、還流冷却管、ガス導入管及び滴下漏斗が装着された
1リットルのセパラブルフラスコに仕込み、50℃に昇
温した。次いで系内に空気を吹き込みながらメタクリロ
イルオキシエチルイソシアナ−ト319部を1時間かけ
て滴下し、赤外線吸収スペクトルでイソシアナ−ト基の
吸収がほとんど無くなるまで反応を行った後、4−ヒド
ロキシ安息香酸276部を追加し、110℃に昇温し
た。酸価が5以下、エポキシ当量が11000以上であ
ることを確認して反応を終了し、不飽和化合物(x−
1)を得た。
【0084】カチオン性ポジ型感光 性樹脂(x−2)の
合成 温度計、撹拌装置、還流冷却管および滴下漏斗の付いた
1リットルのセパラブルフラスコに、ジエチレングリコ
−ルモノエチルエ−テル238部を仕込み、130℃に
昇温した。次いでこれに、前記(x−1)145部、イ
ソブチルメタクリレ−ト83部、エチルアクリレ−ト1
67部、エチルメタクリレ−ト78部、ジメチルアミノ
エチルメタクリレ−ト41部及びt−ブチルペルオキシ
−2−エチルヘキサノエ−ト12部を混合した溶液を3
時間かけて滴下し、30分経過した後ジエチレングリコ
−ルモノエチルエーテル25部とt−ブチルペルオキシ
−2−エチルヘキサノエ−ト2部との混合溶液を30分
かけて滴下した。次いで同温度にて2時間保持して、反
応を終了した。得られたアクリル樹脂系溶液500部を
温度計、撹拌装置、還流冷却管、窒素導入管および滴下
漏斗を備えた3リットルのセパラブルフラスコに取り、
更にアセトン1570部及び1,2−ナフトキノンジア
ジド−5−スルホニルクロリド60.1部を加えて室温
でよく撹拌した後、トリエチルアミン26.7部を1時
間かけて滴下し、更に2時間反応させた。得られた溶液
を濾過して不純物を除去した後、約20倍量のよく撹拌
された水に約1時間かけて滴下し、析出した樹脂を回収
し、減圧下にて水分を除去して、茶褐色のカチオン性ポ
ジ型感光性樹脂(x−2)を得た。
【0085】カチオン性ポジ型感光 性塗料(X−1)の
合成 カチオン性ポジ型感光性樹脂(x−2)500gをメチ
ルエチルケトン333.3gに溶解し、次いで商品名
「カーボンブラック#5B」(三菱化成工業株式会社
製)50gを撹拌下に加えて混合後、実験室用三本ロー
ルミル(小平製作所製)にて、カーボンブラック粒径が
0.2μm以下となるまで分散した。粒径の測定はコー
ルターカウンターN4(コールターカウンター社製)を
用いた。前記得られた分散混合物に、中和剤として酢酸
11.7gを加えて十分に撹拌し、再度均一化した後、
脱イオン水をゆっくりと加えながら高速ミキサーで激し
くかき混ぜながら水分散させて固形分濃度15重量%の
黒色のカチオン性ポジ型感光性塗料(X−1)水溶液
(カチオン電着型)を調製した。
【0086】
【合成例2】アニオン性ポジ型感光性塗 料(X−2)の合成 アニオン性樹脂(x−3) の合成 「日石ポリブタジエンB−1000」(日本石油化学
(株)製、商品名、数平均分子量1,000、沃素価4
30、1,2−結合65%)1,000g、無水マレイ
ン酸751g、キシレン10gおよびトリメチルハイド
ロキノン5.0gを、温度計、撹拌装置、還流冷却管お
よび窒素吹き込み管を付けた3リットルのセパラブルフ
ラスコに仕込み、窒素下にて190℃で5時間反応させ
た。次いで未反応無水マレイン酸およびキシレンを留去
させ、全酸価480mgKOH/gのマレイン化ポリブタ
ジエンを得た。
【0087】次に還流冷却管を付けた2リットルのセパ
ラブルフラスコに、前記マレイン化ポリブタジエン50
0g、フェノキシエタノ−ル218g及びジエチレング
リコ−ルジメチルエ−テル205gを仕込み、均一に溶
解させてから、窒素気流下で130℃にて3時間反応さ
せた。次いで同温にてベンジルアミン61gを30分か
けて滴下した後、165℃に昇温し、同温にて7時間反
応を行い、半エステル基およびイミド基を有するアニオ
ン性樹脂(x−3)溶液を得た。
【0088】感光性樹脂(x−4) の合成 「日石ポリブタジエンB−1000」(日本石油化学
(株)製、商品名、数平均分子量1,000、沃素価4
30、1,2−結合65%)1,000g、無水マレイ
ン酸388g、キシレン10gおよびトリメチルハイド
ロキノン3.0gを、温度計、撹拌装置、還流冷却管お
よび窒素吹き込み管を付けた3リットルのセパラブルフ
ラスコに仕込み、窒素下にて190℃で5時間反応させ
た。次いで未反応無水マレイン酸およびキシレンを留去
させ、全酸価320mgKOH/gのマレイン化ポリブタ
ジエンを得た。
【0089】次に温度計、撹拌装置、還流冷却管及び窒
素吹き込み管を付けた2リットルのセパラブルフラスコ
に、前記マレイン化ポリブタジエン500g、フェノキ
シエタノ−ル300gを仕込み、均一に溶解させてか
ら、窒素気流下で130℃にて3時間反応させた。次い
で室温まで冷却した後、2−(2−アミノエチル)アミ
ノエタノ−ル149gを1時間かけて滴下した後、12
5℃に昇温し、同温にて4時間反応を行い、イミド基を
有するポリアミン樹脂溶液を得た。
【0090】別に還流冷却管を付けた5リットルのセパ
ラブルフラスコに、1,2−ナフトキノンジアジドスル
ホニルクロリド269g、ジオキサン1900g及び
「キョ−ワ−ド1000」(協和化学工業(株)製、商
品名)300gを仕込み、前記ポリアミン樹脂溶液64
5gを30℃にて2時間かけて滴下し、同温にて更に5
時間反応を行い、得られた溶液を濾過した後、フェノキ
シエタノ−ル440gを加え、減圧下にてジオキサンを
除去し、感光性樹脂(x−4)を得た。
【0091】得られた樹脂(x−4)溶液は、溶液10
0gあたり150mg当量のナフトキノンジアジド基を
含有し、不揮発分は60.0重量%であった。
【0092】アニオン性ポジ型感光 性樹脂(x−5)の
合成 前記(x−3)樹脂溶液750g及び感光性樹脂(x−
4)溶液670gを十分に混合した後、トリエチルアミ
ン60gを加えて十分に中和し、アニオン性ポジ型感光
性樹脂(x−5)溶液を得た。
【0093】アニオン性ポジ型感光 性塗料(X−2)の
合成 アニオン性ポジ型感光性樹脂(x−5)溶液500gに
商品名「カーボンブラック#5B」(三菱化成工業株式
会社製)35gを撹拌下に加えて混合後、実験室用三本
ロールミル(小平製作所製)にて、カーボンブラック粒
径が0.2μm以下となるまで分散した。粒径の測定は
コールターカウンターN4(コールターカウンター社
製)を用いた。前記得られた分散混合物に、脱イオン水
をゆっくりと加えながら高速ミキサーで激しくかき混ぜ
ながら水分散させて固形分濃度15重量%の黒色のアニ
オン性ポジ型感光性塗料(X−2)水溶液(アニオン電
着型)を調製した。
【0094】
【合成例3】カチオン性ネガ型感光性塗 料(X−3)の合成 アミン付加エポキシ化ポリ ブタジエン(x−6)の合 エポキシ化液状ポリブタジエン(日本石油化学(株)
製、商品名「E−1000−8」、数平均分子量1,0
00、オキシラン酸素量8%)1,000gを、温度
計、撹拌装置および還流冷却管が装着された2リットル
のセパラブルフラスコに仕込み、系内を窒素置換した
後、メチルエタノールアミン231.2gを加え、17
0℃で5時間反応させた。次に減圧下に未反応のメチル
エタノールアミンを留去し、アミン価が230.4mmol
/100gのアミン付加エポキシ化ポリブタジエン(x
−6)を得た。
【0095】不飽和基含有イソシア ネート(x−7)化
合物の 合成 温度計、撹拌装置、還流冷却管および滴下漏斗の付いた
加熱および冷却可能な2リットルの丸底フラスコに、
2,4−トリレンジイソシアナート435.5gおよび
ジエチレングリコールジメチルエーテル266.1gを
仕込み、40℃に加熱した後、2−ヒドロキシエチルア
クリレート362.8gを滴下漏斗から滴下した。この
際200ppmのパラベンゾキノンも添加した。2−ヒド
ロキシエチルアクリレートの滴下により発熱が見られる
が、必要に応じて冷却し同温度に保った。2−ヒドロキ
シエチルアクリレートの滴下終了後、70℃まで昇温
し、同温度で3時間反応させ、赤外線吸収スペクトル分
析によりイソシアナート基の吸収強度が反応開始前のほ
ぼ1/2になったことを確認後、冷却し不飽和基含有イ
ソシアナート化合物(x−7)を得た。
【0096】カチオン性樹脂(x− 8)の合成 2リットルのセパラブルフラスコ中で、(x−6)50
0gをジエチレングリコールジメチルエーテル166.
7gに溶解し、(x−7)713.4g((x−6)中
のヒドロキシル基1当量に対してイソシアナート基0.
8当量)を40℃で滴下し、さらに同温度で1時間反応
させて、赤外線吸収スペクトル分析によりイソシアナー
ト基が消失したことを確認し、(x−6)に(x−7)
を付加したカチオン性樹脂(x−8)を得た。
【0097】カチオン性ネガ型感光 性塗料(X−3)の
合成 カチオン性樹脂(x−8)溶液500gに光重合開始剤
として、商品名「Irgacure907」(チバ−ガ
イギー社製)27.0g、商品名「KAYACURE
DETX」(日本化薬株式会社)3.0gおよび商品名
「カーボンブラック#5B」(三菱化成工業株式会社
製)37.5gを撹拌下に加えて混合後、実験室用三本
ロールミル(小平製作所製)にて、カーボンブラック粒
径が0.2μm以下となるまで分散した。粒径の測定は
コールターカウンターN4(コールターカウンター社
製)を用いた。前記得られた分散混合物に、中和剤とし
て酢酸16.7gを加えて十分に撹拌し、再度均一化し
た後、脱イオン水をゆっくりと加えながら高速ミキサー
で激しくかき混ぜながら水分散させて固形分濃度15重
量%の黒色のカチオン性ネガ型感光性塗料(X−3)水
溶液(カチオン電着型)を調製した。
【0098】
【合成例4】アニオン性ネガ型感光性塗 料(X−4)の合成 半エステル化物(x−9) 溶液の合成 「日石ポリブタジエンB−1000」(日本石油化学
(株)製、商品名、数平均分子量1,000、沃素価4
30、1,2−結合65%)1,000g、無水マレイ
ン酸554g、キシレン10gおよびトリメチルハイド
ロキノン3.0gを、温度計、撹拌装置、還流冷却管お
よび窒素吹き込み管を付けた3リットルのセパラブルフ
ラスコに仕込み、窒素下にて190℃で5時間反応させ
た。次いで未反応無水マレイン酸およびキシレンを留去
させ、全酸価400mgKOH/gのマレイン化ポリブタ
ジエンを得た。
【0099】得られたマレイン化ポリブタジエン400
g、ジエチレングリコールジメチルエーテル188.5
gおよびハイドロキノン0.4gを還流冷却管の付いた
2リットルのセパラブルフラスコに仕込み、80℃に昇
温し撹拌し均一にした。次いで2−ヒドロキシエチルア
クリレート165.6gおよびトリエチルアミン20g
を加え、同温度で2時間反応させ、マレイン化ポリブタ
ジエンの半エステル化物(x−9)溶液を得た。得られ
た半エステル化物(x−9)溶液の全酸価は105mgK
OH/gであり、不揮発分は75.0重量%であった。
【0100】アニオン性ネガ型感光 性塗料(X−4)の
合成 得られた半エステル化物(x−9)溶液500gに光重
合開始剤として、商品名「Irgacure907」
(チバ−ガイギー社製)27.0g、商品名「KAYA
CURE DETX」(日本化薬株式会社)3.0gお
よび商品名「カーボンブラック#5B」(三菱化成工業
株式会社製)37.5gを撹拌下に加えて混合後、実験
室用三本ロールミル(小平製作所製)にて、カーボンブ
ラック粒径が0.2μm以下となるまで分散した。粒径
の測定はコールターカウンターN4(コールターカウン
ター社製)を用いた。前記得られた分散混合物に、中和
剤としてトリエチルアミン33.7gを加えて十分に撹
拌し、再度均一化した後、脱イオン水をゆっくりと加え
ながら高速ミキサーで激しくかき混ぜながら水分散させ
て固形分濃度15重量%の黒色のアニオン性ネガ型感光
性塗料(X−4)水溶液(アニオン電着型)を調製し
た。
【0101】
【合成例5】カチオン性ポジ型感光性塗 料(X−5)の合成 カチオン性ポジ型感光性樹脂(x−2)500gをメチ
ルエチルケトン333.3gに溶解し、中和剤として酢
酸11.7gを加えて十分に撹拌して均一化した後、脱
イオン水をゆっくりと加えながら高速ミキサーで激しく
かき混ぜ、水分散させてカチオン性ポジ型感光性塗料
(X−5)水溶液(カチオン電着型)を調製した。
【0102】
【合成例6】アニオン性ポジ型感光性塗 料(X−6)の合成 アニオン性ポジ型感光性樹脂(x−5)溶液500gに
脱イオン水をゆっくりと加えながら高速ミキサーで激し
くかき混ぜ、水分散させてアニオン性ポジ型感光性塗料
(X−6)水溶液(アニオン電着型)を調製した。
【0103】
【合成例7】カチオン性ネガ型感光性塗 料(X−7)の合成 カチオン性樹脂(x−8)500gに、光重合開始剤と
して、商品名「Irgacure907」(チバガイギ
ー社製)27.0g及び商品名「KAYACURE D
ETX」(日本化薬(株)製)3.0gを撹拌下に加え
て混合した後、中和剤として酢酸16.7gを加えて十
分に撹拌し、再度均一化した後、脱イオン水をゆっくり
と加えながら高速ミキサーで激しくかき混ぜ、水分散さ
せてカチオン性ネガ型感光性塗料(X−7)水溶液(カ
チオン電着型)を調製した。
【0104】
【合成例8】アニオン性ネガ型感光性塗 料(X−8)の合成 半エステル化物(x−9)溶液500gに、光重合開始
剤として、商品名「Irgacure907」(チバガ
イギー社製)27.0g及び商品名「KAYACURE
DETX」(日本化薬(株)製)3.0gに、更に中
和剤としてトリエチルアミン33.7gを加えて十分に
撹拌し、再度均一化した後、脱イオン水をゆっくりと加
えながら高速ミキサーで激しくかき混ぜ、水分散させて
アニオン性ネガ型感光性塗料(X−8)水溶液(アニオ
ン電着型)を調製した。
【0105】
【合成例9】着色塗料(Y−1,Y−2 ,Y−3)の調製 カチオン性樹脂(x−8)溶液、光重合開始剤および顔
料を撹拌下に混合し、実験室用三本ロールミル(小平製
作所製)にて、顔料粒径が0.2μm以下となるまで分
散した。粒径の測定はコールターカウンターN4(コー
ルターカウンター社製)を用いた。得られた分散混合物
に、中和剤である酢酸を加えて充分に撹拌し、再度均一
化した後、脱イオン水をゆっくりと加えながら高速ミキ
サーで激しくかき混ぜながら水分散させて、固形分濃度
10重量%の着色塗料(Y−1,Y−2,Y−3)を調
製した。得られた3色の着色塗料(カチオン電着型)水
溶液の組成を表1に示す(表1中の数値はいずれも重量
部である)。
【0106】
【表1】
【0107】
【合成例10】着色塗料(Y−4,Y−5 ,Y−6)の調製 半エステル化物(x−9)溶液および顔料を撹拌下に混
合し、実験室用三本ロールミル(小平製作所製)にて、
顔料粒径が0.2μm以下となるまで分散した。粒径の
測定は、コールターカウンターN4(コールターカウン
ター社製)を用いた。次いで得られた分散混合物に、中
和剤であるトリエチルアミンを加えて充分に撹拌し再度
均一化した後、脱イオン水をゆっくりと加えながら高速
ミキサーで激しくかき混ぜながら水分散させて固形分濃
度10重量%の着色塗料(Y−4,Y−5,Y−6)を
調製した。得られた3色の着色塗料(アニオン電着型)
水溶液の組成を表2に示す(表2中の数値はいずれも重
量部である)。
【0108】
【表2】
【0109】
【合成例11】黒色塗料(Y−7)の調製 カチオン性樹脂(x−8)溶液500gに、光重合開始
剤として「Irgacure 907」(チバーガイギ
ー社製、商品名)27.0g、「KAYACURE D
ETX」(日本化薬(株)製、商品名)3.0gおよび
カーボンブラック#5B(三菱化成工業(株)製品)3
7.5gを撹拌下に加えて混合後、実験室用三本ロール
ミル(小平製作所製)にて、カーボンブラック粒径が
0.2μm以下となるまで分散した。粒径の測定は、コ
ールターカウンターN4(コールターカウンター社製)
を用いた。得られた分散混合物に、中和剤である酢酸1
6.7gを加えて充分に撹拌し、再度均一化した後、脱
イオン水をゆっくりと加えながら高速ミキサーで激しく
かき混ぜて水分散させ、固形分濃度15重量%の黒色塗
料(Y−7)(カチオン電着型)を調製した。
【0110】
【合成例12】黒色塗料(Y−8)の調製 半エステル化物(x−9)溶液500gに、光重合開始
剤として「Irgacure 907」(チバーガイギ
ー社製、商品名)27.0g、「KAYACURE D
ETX」(日本化薬(株)製、商品名)3.0gおよび
カーボンブラック#5B(三菱化成工業(株)製品)3
7.5gを撹拌下に加えて混合後、実験室用三本ロール
ミル(小平製作所製)にて、カーボンブラック粒径が
0.2μm以下となるまで分散した。粒径の測定は、コ
ールターカウンターN4(コールターカウンター社製)
を用いた。得られた分散混合物に、中和剤であるトリエ
チルアミン33.7gを加えて充分に撹拌し、再度均一
化した後、脱イオン水をゆっくりと加えながら高速ミキ
サーで激しくかき混ぜて水分散させ、固形分濃度15重
量%の着色塗料(Y−8)を調製した。
【0111】
【合成例13】紫外線硬化型感圧性接着剤 の合成 2−エチルヘキシルアクリレート80重量部、テトラヒ
ドロフルフリルアクリレート5重量部、アクリル酸15
重量部、α,α’−アゾビスイソブチロニトリル4重量
部およびトルエン200重量部の混合物を、窒素気流中
で撹拌しながら、80℃で8時間反応させ、共重合体溶
液を得た。次いで100℃まで昇温し、グリシジルメタ
クリレート5重量部、トリエチルベンジルアンモニウム
クロリド0.5重量部およびメトキノン0.1重量部の
混合液を30分間かけて滴下し、同温度で20時間反応
させてプレポリマーを得た。得られたプレポリマーに光
重合開始剤として、「Irgacure 907」(チ
バーガイギー社製、商品名)5重量部を添加して、紫外
線硬化型感圧性接着剤とした。
【0112】
【実施例1】表面にシリコーン樹脂層(50nm厚)を
有する厚さ1mmのガラス板に、スピンコート法によっ
て0.8μmのポリイミド膜を形成し、その上に200
nmの厚さとなるようにITO(インジウム−錫酸化
物)膜をスパッタリングで付けた基板(以下、原板1と
いう)を陰極とし、黒色のカチオン性ポジ型感光性塗料
(X−1)水溶液を入れたステンレススチール製ビーカ
ーを陽極として、直流電圧40V、25℃の条件で60
秒間電着した。原板1をイオン交換水で洗浄した後、8
0℃で5分間乾燥、冷却したところ粘着性のない膜厚2
μmの黒色の均一塗膜が形成された。
【0113】次いで図2に示す光透過率が4段階に異な
るパターンを有するポジマスクを該塗膜上に密着し、高
圧水銀ランプを有するUV露光装置((株)オーク製作
所製、商品名「JL−3300」)を使用して500m
J/cm2の紫外線を照射した。次に濃度0.3重量%の
メタ珪酸ナトリウム水溶液で現像したところ、ポジマス
クの光透過率の最も高い部分2に相当する黒色ポジ型感
光性塗料が選択的に除去され、ITO膜面が露出され
た。水洗、乾燥後、原板1を陰極とし、着色塗料(Y−
1)を入れたステンレススチール製ビーカーを陽極とし
て、直流電圧25Vを25℃で3分間印加し、電着し
た。原板1をイオン交換水で洗浄した後、80℃で5分
間乾燥し、常温で粘着性を示さない膜厚2μmの赤色の
着色層を形成した。次いで1.3重量%のメタ珪酸ナト
リウム水溶液で現像したところ、赤色の着色層および遮
光層に相当する黒色ポジ型感光性塗料部分には何の変化
も認められず、ポジマスクの光透過率が2番目に高い部
3に相当する黒色ポジ型感光性塗料が選択的に除去さ
れた。次に水洗、乾燥後、着色塗料(Y−1)の電着と
同様にして、着色塗料(Y−2)を、直流電圧25V、
25℃の条件で3分間電着した後、イオン交換水で洗浄
したところ、先に形成した赤色の着色層および遮光層に
相当する黒色ポジ型感光性塗料部 は全く変化が見ら
れず、緑色の着色層が形成された。80℃で5分間乾燥
し、次いで3.0重量%のメタ珪酸ナトリウム水溶液で
現像したところ、赤色および緑色の着色層に変化は認め
られず、また遮光膜となる黒色ポジ型感光性塗料部分に
も変化は認められず、ポジマスクの光透過率が3番目に
高い部分4に相当する黒色ポジ型感光性塗料が選択的に
除去された。次いで水洗、乾燥後、着色塗料(Y−1)
の電着と同様にして、着色塗料(Y−3)を、直流電圧
25V、30℃の条件で3分間電着した。原板1をイオ
ン交換水で洗浄したところ、先に形成した赤色、緑色の
着色層および遮光層に相当する黒色ポジ型感光性塗料部
分には全く変化が見られず、青色の着色層が形成され
た。80℃で5分間乾燥し、遮光層を有する着色層を得
た。
【0114】次いで得られた着色層、透明導電層および
配向膜を転写するための透明ガラス基板上に、合成例1
3で調製した紫外線硬化型感圧性接着剤を、スピンコー
ト法によって0.1μmとなるように塗布し、原板1の
着色層表面が前記接着剤に接触するように、ゴムローラ
を用いて圧着して着色層、透明導電層およびポリイミド
膜を転写し、原板1を剥離した。次いで更に硬化を完全
に行なわせるために、150℃で30分間焼き付けた。
着色層上面にITO膜(透明導電層)およびポリイミド
膜を有する透明性に優れた均一な着色層を有するカラー
フィルターが得られた。
【0115】
【実施例2】厚さ0.5mmのポリテトラフルオロエチ
レン表面を、回転ロール法によってラビングした後、該
表面上にスピンコート法によって0.5μmのポリイミ
ド膜を形成し、更にその上に150nmの厚さとなるよ
うにITO(インジウム−錫酸化物)膜をスパッタリン
グで付けた基板(以下、原板2という)を陽極とし、黒
色アニオン性ポジ型感光性塗料(X−2)水溶液を入れ
たステンレススチール製ビーカーを陰極として、直流電
圧45V、25℃の条件で2分間電着した。原板2をイ
オン交換水で洗浄した後、80℃で5分間乾燥したとこ
ろ粘着性のない膜厚1.8μmの黒色の均一塗膜が形成
された。
【0116】次いで図2に示す光透過率が4段階に異な
るパターンを有するポジマスクを該塗膜上に密着し、実
施例1と同様にUV露光装置を使用して500mJ/cm
2の紫外線を照射した。次に濃度0.5重量%のメタ珪
酸ナトリウム水溶液で現像したところ、ポジマスクの光
透過率の最も高い部分 に相当する黒色ポジ型感光性塗
料が選択的に除去され、ITO膜が露出された。水洗、
乾燥後、原板2を陰極とし、着色塗料(Y−1)を入れ
たステンレススチール製ビーカーを陽極として、直流電
圧30V、25℃の条件で3分間電着した。原板2をイ
オン交換水で洗浄した後、80℃で5分間乾燥し、赤色
の着色層を形成した。次いで1.5重量%のメタ珪酸ナ
トリウム水溶液で現像したところ、赤色の着色層および
遮光層に相当する黒色ポジ型感光性塗料部分には何ら変
化は認められず、ポジマスクの光透過率が2番目に高い
部分3に相当する黒色ポジ型感光性塗料が選択的に除去
された。次に水洗、乾燥後、着色塗料(Y−1)の電着
と同様にして、着色塗料(Y−2)を、直流電圧30
V、25℃の条件で3分間電着した後、原板2をイオン
交換水で洗浄したところ、先に形成した赤色の着色層お
よび遮光層に相当する黒色ポジ型感光性塗料部分には全
く変化が見られず、緑色の着色層が形成された。80℃
で5分間乾燥し、次いで4重量%のメタ珪酸ナトリウム
水溶液で現像したところ、赤色および緑色の着色層に変
化は認められず、また遮光層に相当する黒色ポジ型感光
性塗料部分にも変化は認められず、ポジマスクの光透過
率が3番目に高い部分 に相当する黒色ポジ型感光性塗
料が選択的に除去された。次いで水洗、乾燥後、着色塗
料(Y−1)の電着と同様にして、着色塗料(Y−3)
を、直流電圧30V、25℃の条件で3分間電着した。
原板2をイオン交換水で洗浄したところ、先に形成した
赤色、緑色の着色層および遮光層に相当する黒色ポジ型
感光性塗料部分には全く変化が見られず、青色の着色
形成された。80℃で5分間乾燥し、遮光層を有する
着色層を得た。
【0117】次いで透明ガラス基板上に、原板2の着色
層表面が接触するように、ラミネーター圧2kgf/c
2、ロール温度100℃、ラミネーター速度300m
m/分で着色層、透明導電層およびポリイミド膜を転写
し、原板2を剥がした。更に硬化を完全に行なわせるた
めに、160℃で20分間焼き付けた。着色層上面にI
TO膜(透明導電層)およびポリイミド膜を有し、透明
性に優れた均一な着色層を有するカラーフィルターが得
られた。
【0118】
【実施例3】実施例2で使用した基板と同一の基板(以
下、原板3という)を陰極とし、黒色のカチオン性ネガ
型感光性塗料(X−3)水溶液を入れたステンレススチ
ール製ビーカーを陽極として、直流電圧30V、25℃
の条件で、3分間電着した。原板3をイオン交換水で洗
浄した後、80℃で5分間乾燥、冷却したところ、粘着
性のない膜厚2μmの黒色の均一塗膜が形成された。
【0119】次いで図3に示す光透過率が4段階に異な
るネガマスクを該塗膜上に密着させ、高圧水銀ランプを
有するUV露光装置((株)オーク製作所製、商品名
「JL−3300」)を使用して500mJ/cm2の紫
外線を照射した後、濃度0.05重量%の乳酸水溶液で
現像したところ、ネガマスクの光透過率の最も低い部分
6に相当する黒色ネガ型感光性塗膜が選択的に除去さ
れ、ITO膜面が露出された。
【0120】水洗、乾燥後、原板3を陽極とし、着色塗
料(Y−4)を入れたステンレススチール製ビーカーを
陰極として、直流電圧25V、25℃の条件で、3分間
電着した。原板3をイオン交換水で洗浄した後、30℃
で5分間乾燥し、常温で粘着性を示さない膜厚2μmの
赤色の着色層が形成された。
【0121】次いで0.5重量%の乳酸水溶液で現像し
たところ、赤色の着色層および遮光層に相当する黒色ネ
ガ型感光性塗膜部分には何の変化も認められず、ネガマ
スクの光透過率の2番目に低い部分7に相 当する黒色ネ
ガ形感光性塗膜が除去された。
【0122】水洗、乾燥後、着色塗料(Y−4)の電着
と同様にして着色塗料(Y−5)を、直流電圧25V、
25℃の条件で、3分間電着した後、イオン交換水で洗
浄したところ、先に形成した赤色の着色層および遮光層
に相当する黒色ネガ型感光性塗膜部分には全く変化が見
られず、緑色の着色層が形成された。80℃で5分間乾
燥し、次いで3.0重量%の乳酸水溶液で現像したとこ
ろ、赤色および緑色の着色層に変化は認められず、また
遮光膜となる黒色ネガ型感光性塗膜部分にも変化は認め
られず、ネガマスクの光透過率の3番目に低い部分8に
相当する黒色感光性塗膜が除去された。
【0123】水洗、乾燥後、着色塗料(Y−4)の電着
と同様にして着色塗料(Y−6)を、直流電圧25V、
25℃の条件で、3分間電着した。原板3をイオン交換
水で洗浄したところ、先に形成した赤色、緑色の着色層
および遮光層に相当する黒色ネガ型感光性塗膜部分に
全く変化が見られず、青色の着色層が形成された。80
℃で5分乾燥し、遮光層を有する着色膜を得た。
【0124】次いで透明ガラス基板上に原板3の着色層
表面が接触するようにしてラミネーター圧2kgf/cm
2、ロール温度100℃、ラミネーター速度300mm/
分で着色膜、透明導電層およびポリイミド膜を転写し、
原板3をはがした。さらに硬化を完全に行なわせるた
め、160℃で20分間焼付け、着色層上面にITO膜
(透明導電層)およびポリイミド膜を有し透明性に優れ
た均一な着色層を有するカラーフィルターが得られた。
【0125】
【実施例4】実施例1で使用した基板と同一の基板(以
下、原板4という)を陽極とし、黒色のアニオン性ネガ
型感光性塗料(X−4)水溶液を入れたステンレススチ
ール製ビーカーを陰極として、直流電圧25V、25℃
の条件で3分間電着した。
【0126】原板4をイオン交換水で洗浄した後、80
℃で5分間乾燥、冷却したところ、粘着性のない膜厚
1.8μmの黒色の均一塗膜が形成された。
【0127】次いで図3に示す光透過率が4段階に異な
るネガマスクを該塗膜上に密着し、実施例1で用いたU
V露光装置を使用して600mJ/cm2の紫外線を照射
した。濃度0.1重量%の炭酸ナトリウム水溶液で現像
したところ、ネガマスクの光透過率の最も低い部分6に
相当する黒色ネガ型感光性塗膜が選択的に除去され、I
TO膜が露出された。
【0128】水洗、乾燥後、原板4を陰極とし、着色塗
料(Y−1)を入れたステンレススチール製ビーカーを
陽極として、直流電圧30V、25℃の条件で、3分間
電着した。原板4をイオン交換水で洗浄した後、80℃
で5分間乾燥し、赤色の着色層を形成した。次いで0.
75重量%の炭酸ナトリウム水溶液で現像したところ、
赤色の着色層および遮光層に相当する黒色ネガ型感光性
塗膜部分には何の変化も認められず、ネガマスクの光透
過率の2番目に低い部分7に相当する黒色ネガ型感光性
塗膜が除去されていた。
【0129】水洗、乾燥後、着色塗料(Y−1)の電着
と同様にして着色塗料(Y−2)を、直流電圧30V、
25℃の条件で、3分間電着した。原板4をイオン交換
水で洗浄したところ、先に形成した赤色の着色層および
遮光層に相当する黒色ネガ型感光性塗膜部分には全く変
化が見られず、緑色の着色層が形成された。80℃で5
分間乾燥し、次いで5重量%のメタ珪酸ナトリウム水溶
液で現像したところ、赤色および緑色の着色層に変化は
認められず、また遮光層に相当する黒色ネガ型感光性塗
膜部分にも変化は認められず、ネガマスクの光透過率の
3番目に低い部分8に相当する黒色ネガ型感光性塗膜が
除去された。
【0130】水洗、乾燥後、着色塗料(Y−1)の電着
と同様にして着色塗料(Y−3)を、直流電圧30V、
25℃の条件で、3分間電着した。原板4をイオン交換
水で洗浄したところ、先に形成した赤色、緑色の着色層
および遮光層に相当する黒色ネガ型感光性塗膜部分に
全く変化が見られず、青色の着色層が形成された。80
℃で5分間乾燥し、遮光層を有する着色膜を得た。
【0131】次いで合成例13で得た紫外線硬化型感圧
性接着剤をスピンコート法によって0.1μmに塗装し
た透明ガラス基板上に、原板4の着色層表面が接触する
ようにしてゴムローラーを用いて圧着して着色層、透明
導電層およびポリイミド膜を転写し、200mJ/cm2
の紫外線を照射した後、原板4をはがした。次いでさら
に硬化を完全に行なわせるため、150℃で30分間焼
付けた。着色層上面にITO膜(透明導電層)およびポ
リイミド膜を有する透明性に優れた均一な着色層を持っ
たカラーフィルターが得られた。
【0132】
【実施例5】厚さ0.5mmのポリテトラフルオロエチ
レン表面を、回転ロール法によってラビングした後、該
表面上にスピンコート法によって0.5μmのポリイミ
ド膜を形成し、更にその上に150nmの厚さとなるよ
うにITO(インジウム−錫酸化物)膜をスパッタリン
グで付けた基板(以下、原板5と称す)を陰極とし、カ
チオン性ポジ型感光性塗料(X−5)を入れたステンレ
ススチール製ビーカーを陽極として、直流電圧40V、
25℃の条件で60秒間電着した。原板5をイオン交換
水で洗浄した後、80℃で5分間乾燥、冷却したとこ
ろ、粘着性のない膜厚2μmの均一塗膜が形成された。
【0133】次いで図2に示す光透過率が4段階に異な
るポジマスクを該塗膜上に密着し、実施例1で用いたU
V露光装置を使用して200mJ/cm2の紫外線を照射
した。次いで濃度0.3重量%のメタ珪酸ナトリウム水
溶液で現像したところ、ポジマスクの光透過率の最も高
い部分に相当するポジ型感光性塗料が選択的に除去さ
れ、ITO膜が露出された。水洗、乾燥後、原板5を陰
極とし、着色塗料(Y−1)を入れたステンレススチー
ル製ビーカーを陽極として、直流電圧25V、25℃の
条件で、3分間電着した。原板5をイオン交換水で洗浄
した後、80℃で5分間乾燥し、常温で粘着性を示さな
い膜厚2μmの赤色の着色層を形成した。
【0134】次いで1.3重量%のメタ珪酸ナトリウム
水溶液で現像したところ、赤色の着色層および遮光層に
相当する部分のポジ型感光性塗膜部分には何の変化も認
められず、ポジマスクの光透過率の2番目に高い部分3
に相当する黒色ポジ型感光性塗膜が選択的に除去され
た。
【0135】水洗、乾燥後、原板5を陰極とし、着色塗
料(Y−2)を入れたステンレススチール製ビーカーを
陽極として、直流電圧25V、25℃の条件で、3分間
電着した。原板5をイオン交換水で洗浄したところ、先
に形成した赤色の着色層および遮光層に相当するポジ型
感光性塗膜部分には全く変化が見られず、緑色の着色
形成された。80℃で5分間乾燥し、次いで3.0重
量%のメタ珪酸ナトリウム水溶液で現像したところ、赤
色および緑色の着色層に変化は認められず、また遮光層
に相当するポジ型感光性塗膜部分にも変化は認められ
ず、ポジマスクの光透過率の3番目に高い部分4に相当
するポジ型感光性塗膜が選択的に除去された。
【0136】水洗、乾燥後、原板5を陰極とし、着色塗
料(Y−3)を入れたステンレススチール製ビーカーを
陽極として、直流電圧25V、25℃の条件で、3分間
電着した。原板5をイオン交換水で洗浄したところ、先
に形成した赤色、緑色の着色層および遮光層に相当する
ポジ型感光性塗膜部分には全く変化が見られず、青色の
着色層が形成された。80℃で5分間乾燥した。
【0137】次いで7.0重量%のメタ珪酸ナトリウム
水溶液で現像したところ、着色層に変化は認められず、
遮光層に相当する部分、即ちポジマスクの光透過率が最
も低い部分1に相当する部分のポジ型感光性塗膜が選択
的に除去された。
【0138】乾燥後、得られた着色層を硬化させるため
に、160℃にて20分間焼き付けた。
【0139】次いで原板5を陰極とし、45℃のニッケ
ルメッキ浴中にて0.1A/cmの電流密度で3分間電
気メッキを行った。水洗、乾燥して、非透光性(遮光
性)のニッケルメッキ層及び着色層を有する原板5を得
た。
【0140】次いで得られた着色層、ニッケルメッキ
層、透明電極層及び配向膜を転写するための透明ガラス
基板上に、合成例13で得られた紫外線硬化型感圧性接
着剤をスピンコート法によって0.1μmとなるように
塗布し、原板5の着色層表面が該接着剤表面と接触する
ようにして、ゴムローラーを用いて圧着し、着色層、ニ
ッケルメッキ層、透明導電層およびポリイミド膜を転写
し、原板5を剥離した。さらに硬化を完全に行なわせる
ため、150℃で30分間焼付け、着色層上面にITO
膜(透明導電層)およびポリイミド膜を有し、透明性に
優れた均一な着色層を有するカラーフィルターが得られ
た。
【0141】
【実施例6】厚さ0.5mmのポリテトラフルオロエチ
レン表面を、回転ロール法によってラビングした後、該
表面上にスピンコート法によって0.5μmのポリイミ
ド膜を形成し、更にその上に150nmの厚さとなるよ
うにITO(インジウム−錫酸化物)膜をスパッタリン
グで付けた基板(以下、原板6という)を陽極とし、ア
ニオン性ポジ型感光性塗料(X−6)水溶液を入れたス
テンレススチール製ビーカーを陰極として、直流電圧4
5V、25℃の条件で2分間電着した。原板2をイオン
交換水で洗浄した後、80℃で5分間乾燥したところ粘
着性のない膜厚2.0μmの均一塗膜が形成された。
【0142】次いで図2に示す光透過率が4段階に異な
るパターンを有するポジマスクを該塗膜上に密着し、実
施例1と同様にUV露光装置を使用して00mJ/cm
2の紫外線を照射した。次に濃度0.5重量%のメタ珪
酸ナトリウム水溶液で現像したところ、ポジマスクの光
透過率の最も高い部分2に相当するポジ型感光性塗料が
選択的に除去され、ITO膜が露出された。水洗、乾燥
後、原板6を陰極とし、着色塗料(Y−1)を入れたス
テンレススチール製ビーカーを陽極として、直流電圧3
0V、25℃の条件で3分間電着した。原板6をイオン
交換水で洗浄した後、80℃で5分間乾燥し、赤色の着
層を形成した。次いで1.5重量%のメタ珪酸ナトリ
ウム水溶液で現像したところ、赤色の着色層には何ら変
化は認められず、ポジマスクの光透過率が2番目に高い
部分3に相当するポジ型感光性塗料のみが選択的に除去
された。次に水洗、乾燥後、着色塗料(Y−1)の電着
と同様にして、着色塗料(Y−2)を、直流電圧30
V、25℃の条件で3分間電着した後、原板6をイオン
交換水で洗浄したところ、先に形成した赤色の着色層に
は全く変化が見られず、緑色の着色層が形成された。8
0℃で5分間乾燥し、次いで4重量%のメタ珪酸ナトリ
ウム水溶液で現像したところ、赤色および緑色の着色層
に変化は認められず、ポジマスクの光透過率が3番目に
高い部分4に相当するポジ型感光性塗料が選択的に除去
された。次いで水洗、乾燥後、着色塗料(Y−1)の電
着と同様にして、着色塗料(Y−3)を、直流電圧30
V、25℃の条件で3分間電着した。原板6をイオン交
換水で洗浄したところ、先に形成した赤色及び緑色の着
色層には全く変化が見られず、青色の着色層が形成され
た。
【0143】次いで80℃で5分間乾燥し、7.0重量
%のメタ珪酸ナトリウム水溶液で現像したところ、着色
層に変化は認められず、残存するカチオン性ポジ型感光
性塗料の塗膜、即ち光照射量が最も少ない部分1に相当
する感光性塗膜のみが選択的に除去された。着色塗料
(Y−1)の電着と同様にして、黒色塗料(Y−7)
を、30V、25℃の条件で3分間電着した後、イオン
交換水で洗浄して、80℃にて5分間乾燥し、冷却した
ところ、赤色、緑色、青色及び黒色の着色層を有する原
板6を得た。
【0144】次いで透明ガラス基板上に、原板6の着色
層表面が接触するようにして、ラミネーター圧2kgf
/cm、ロール温度100℃、ラミネーター速度300
mm/分で、着色層、透明導電層およびポリイミド膜を
転写し、原板6を剥がした。さらに硬化を完全に行なわ
せるため、160℃で20分間焼付け、着色層上面にI
TO膜(透明導電層)およびポリイミド膜を有し、透明
性に優れた均一な着色層を有するカラーフィルターが得
られた。
【0145】
【実施例7】実施例6で使用した基板と同一の基板(以
下、原板7という)を陰極とし、カチオン性ネガ型感光
性塗料(X−7)水溶液を入れたステンレススチール製
ビーカーを陽極として、直流電圧30V、25℃の条件
で、3分間電着した。原板7をイオン交換水で洗浄した
後、80℃で5分間乾燥、冷却したところ、粘着性のな
い膜厚2μmの黒色の均一塗膜が形成された。
【0146】次いで図3に示す光透過率が4段階に異な
るネガマスクを該塗膜上に密着させ、実施例1と同様の
UV露光装置を使用して00mJ/cm2の紫外線を照
射した後、濃度0.05重量%の乳酸水溶液で現像した
ところ、ネガマスクの光透過率の最も低い部分6に相当
ネガ型感光性塗膜が選択的に除去され、ITO膜面
が露出された。
【0147】水洗、乾燥後、原板7を陽極とし、着色塗
料(Y−4)を入れたステンレススチール製ビーカーを
陰極として、直流電圧25V、25℃の条件で、3分間
電着した。原板7をイオン交換水で洗浄した後、0℃
で5分間乾燥し、常温で粘着性を示さない膜厚2μmの
赤色の着色層が形成された。
【0148】次いで0.5重量%の乳酸水溶液で現像し
たところ、赤色の着色層および遮光層に相当するネガ型
感光性塗膜部分には何の変化も認められず、ネガマスク
の光透過率が2番目に低い部分7に相当するネガ型感光
性塗膜が除去された。
【0149】水洗、乾燥後、着色塗料(Y−4)の電着
と同様にして着色塗料(Y−5)を、直流電圧25V、
25℃の条件で、3分間電着した後、イオン交換水で洗
浄したところ、先に形成した赤色の着色層および遮光層
に相当するネガ型感光性塗膜部分には全く変化が見られ
ず、緑色の着色層が形成された。80℃で5分間乾燥
し、次いで3.0重量%の乳酸水溶液で現像したとこ
ろ、赤色および緑色の着色層に変化は認められず、また
遮光膜に相当する部分のネガ型感光性塗膜部分にも変化
は認められず、ネガマスクの光透過率の3番目に低い部
8に相当する感光性塗膜が除去された。
【0150】水洗、乾燥後、着色塗料(Y−4)の電着
と同様にして着色塗料(Y−6)を、直流電圧25V、
25℃の条件で、3分間電着した。原板7をイオン交換
水で洗浄したところ、先に形成した赤色、緑色の着色層
および遮光層に相当する部分のネガ型感光性塗膜部分に
は全く変化が見られず、青色の着色層が形成された。次
いで80℃で5分間乾燥し、7.0重量%の乳酸水溶液
で現像したところ、着色層に変化は認められず、残存す
るカチオン性ネガ型感光性塗料の塗膜、即ち光照射量が
最も多い部分5に相 当する感光性塗膜のみが選択的に除
去された。露出されたITO面を陽極とし、黒色塗料
(Y−8)を直流電流25V、25℃の条件で3分間電
着した後、原板7をイオン交換水で洗浄した後、80℃
にて5分間乾燥し、常温で粘着性を示さない膜厚2μm
の黒色の遮光層が形成され、黒色、赤色、緑色及び青色
の着色層を有する原板7を得た。
【0151】次いで透明ガラス基板上に原板7の着色層
表面が接触するようにして、ラミネーター圧2kgf/
cm2、ロール温度100℃、ラミネーター速度300mm
/分で着色層、透明導電層およびポリイミド膜を転写
し、原板7を剥がした。さらに硬化を完全に行なわせる
ため、160℃で20分間焼付け、着色層上面にITO
膜(透明導電層)およびポリイミド膜を有し透明性に優
れた均一な着色層を有するカラーフィルターが得られ
た。
【0152】
【実施例8】実施例6で使用した基板と同一の基板(以
下、原板8という)を陽極とし、黒色のアニオン性ネガ
型感光性塗料(X−8)水溶液を入れたステンレススチ
ール製ビーカーを陰極として、直流電圧25V、25℃
の条件で3分間電着した。
【0153】原板8をイオン交換水で洗浄した後、80
℃で5分間乾燥、冷却したところ、粘着性のない膜厚
1.8μmの黒色の均一塗膜が形成された。
【0154】次いで図3に示す光透過率が4段階に異な
るネガマスクを該塗膜上に密着し、実施例1で用いたU
V露光装置を使用して00mJ/cm2の紫外線を照射
した。濃度0.1重量%の炭酸ナトリウム水溶液で現像
したところ、ネガマスクの光透過率の最も低い部分6
相当するネガ型感光性塗膜が選択的に除去され、ITO
膜が露出された。
【0155】水洗、乾燥後、原板8を陰極とし、着色塗
料(Y−1)を入れたステンレススチール製ビーカーを
陽極として、直流電圧30V、25℃の条件で、3分間
電着した。原板8をイオン交換水で洗浄した後、80℃
で5分間乾燥し、赤色の着色層を形成した。次いで0.
75重量%の炭酸ナトリウム水溶液で現像したところ、
赤色の着色層および遮光層に相当するネガ型感光性塗膜
分には何の変化も認められず、ネガマスクの光透過率
の2番目に低い部分7に相当するネガ型感光性塗膜が除
去された。
【0156】水洗、乾燥後、着色塗料(Y−1)の電着
と同様にして着色塗料(Y−2)を、直流電圧30V、
25℃の条件で、3分間電着した。原板8をイオン交換
水で洗浄したところ、先に形成した赤色の着色層および
遮光層に相当するネガ型感光性塗膜部分には全く変化が
見られず、緑色の着色層が形成された。80℃で5分間
乾燥し、次いで5.0重量%のメタ珪酸ナトリウム水溶
液で現像したところ、赤色および緑色の着色層に変化は
認められず、また遮光層に相当するネガ型感光性塗膜部
分にも変化は認められず、ネガマスクの光透過率が3番
目に低い部分8に相当するネガ型感光性塗膜が除去され
た。
【0157】水洗、乾燥後、着色塗料(Y−1)の電着
と同様にして着色塗料(Y−3)を、直流電圧30V、
25℃の条件で、3分間電着した。原板8をイオン交換
水で洗浄したところ、先に形成した赤色、緑色の着色層
および遮光層に相当するネガ型感光性塗膜部分には全く
変化が見られず、青色の着色層が形成された。次いで8
0℃で5分間乾燥した後、7.0重量%のメタ珪酸ナト
リウム水溶液で現像したところ、着色層に変化は認めら
れず、残存部分(遮光層に相当する部分)の感光性塗
膜、即ち光照射量 が最も多い部分5に相当す るネガ型感
光性塗膜のみが選択的に除去された。乾燥後、得られた
着色層を硬化させるために160℃にて、20分間焼き
付けた。次いで原板8を陰極とし、45℃の銅メッキ浴
中にて0.1A/cmの電流密度で2.5分間電気メッ
キを行った。水洗、乾燥し、非透光性(遮光性)の銅メ
ッキ層及び着色層を有する原板8を得た。
【0158】次いで合成例13で得た紫外線硬化型感圧
性接着剤をスピンコート法によって0.1μmに塗装し
た透明ガラス基板上に、原板8の着色層表面が接触する
ようにしてゴムローラーを用いて圧着して着色層、銅メ
ッキ層、透明導電層およびポリイミド膜を転写し、20
0mJ/cm2の紫外線を照射した後、原板8を剥がし
た。次いでさらに硬化を完全に行なわせるため、150
℃で30分間焼付け、着色層上面にITO膜(透明導電
層)およびポリイミド膜を有する透明性に優れた均一な
着色層を持ったカラーフィルターが得られた。
【0159】
【実施例9】実施例6で使用した基板と同一の基板(以
下、原板9という)を陰極とし、カチオン性ネガ型感光
性塗料(X−7)水溶液を入れたステンレススチール製
ビーカーを陽極として、直流電圧30V、25℃の条件
で3分間電着した。
【0160】原板9をイオン交換水で洗浄した後、80
℃で5分間乾燥、冷却したところ、粘着性のない膜厚2
μmの均一塗膜が形成された。
【0161】次いで図3に示す光透過率が4段階に異な
るネガマスクを該塗膜上に密着し、実施例1で用いたU
V露光装置を使用して00mJ/cm2の紫外線を照射
した。次いで濃度0.05重量%の乳酸水溶液で現像し
たところ、ネガマスクの光透過率の最も低い部分6に相
当するネガ型感光性塗膜が選択的に除去され、ITO膜
が露出された。
【0162】水洗、乾燥後、原板9を陽極とし、着色塗
料(Y−4)を入れたステンレススチール製ビーカーを
陰極として、直流電圧25V、25℃の条件で、3分間
電着した。原板9をイオン交換水で洗浄した後、80℃
で5分間乾燥し、常温で粘着性を示さない膜厚2μmの
赤色の着色層を形成した。次いで0.5重量%の乳酸水
溶液で現像したところ、赤色の着色層および遮光層に相
当するネガ型感光性塗膜部分には何の変化も認められ
ず、ネガマスクの光透過率の2番目に低い部分7に相当
するネガ型感光性塗膜が除去された。
【0163】水洗、乾燥後、着色塗料(Y−4)の電着
と同様にして着色塗料(Y−5)を、直流電圧25V、
25℃の条件で、3分間電着した。原板9をイオン交換
水で洗浄したところ、先に形成した赤色の着色層および
遮光層に相当するネガ型感光性塗膜部分には全く変化が
見られず、緑色の着色層が形成された。80℃で5分間
乾燥し、次いで3.0重量%の乳酸水溶液で現像したと
ころ、赤色および緑色の着色層に変化は認められず、ま
た遮光層に相当するネガ型感光性塗膜部分5にも何の変
化も認められず、ネガマスクの光透過率が3番目に低い
部分8に相当するネガ型感光性塗膜が除去された。
【0164】水洗、乾燥後、着色塗料(Y−4)の電着
と同様にして着色塗料(Y−6)を、直流電圧25V、
25℃の条件で、3分間電着した。原板9をイオン交換
水で洗浄したところ、先に形成した赤色、緑色の着色層
および遮光層に相当する部分のネガ型感光性塗膜部分に
は全く変化が見られず、青色の着色層が形成された。次
いで80℃で5分間乾燥した後、7.0重量%の乳酸水
溶液で現像したところ、着色層に変化は認められず、残
存するカチオン性ネガ型感光性塗料、即ち光照射量の最
も多い部分5に相当 する感光性塗膜のみが選択的に除去
された。乾燥後、得られた着色層を硬化させるために1
60℃で20分間焼き付けた。
【0165】次いで原板9を陰極とし、45℃の銅メッ
キ浴中にて0.1A/cmの電流密度で2.5分間電気
メッキを行った。
【0166】水洗、乾燥して、非透光性(遮光性)の銅
メッキ層及び着色層を有する原板9を得た。
【0167】次いで合成例13で得た紫外線硬化型感圧
性接着剤をスピンコート法によって0.1μmに塗装し
た透明ガラス基板上に、原板9の着色層表面が接触する
ようにしてゴムローラーを用いて圧着して着色層、銅メ
ッキ層、透明導電層およびポリイミド膜を転写し、20
0mJ/cm2の紫外線を照射した後、原板9を剥がし
た。次いでさらに硬化を完全に行なわせるため、150
℃で30分間焼付け、着色層上面にITO膜(透明導電
層)およびポリイミド膜を有する透明性に優れた均一な
着色層を持ったカラーフィルターが得られた。
【手続補正書】
【提出日】平成4年9月14日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はカラーフィルターの製造
法に関し、特にカラー液晶表示装置用等として好適なカ
ラーフィルターの製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、一般に使用されているカラーフィ
ルターの製造法としては、透明基板を染料や顔料を含ん
だバインダーによって着色する染色法、印刷法、顔料分
散法等がある。
【0003】しかしながら、前記染色法は、基板上の樹
脂薄膜を色素で選択染色する方法であるので、色替えの
度に防染およびフォトリソグラフィー工程を行なう必要
があり、また前記印刷法では防染の必要はないが、色パ
ターンの微細化に限界が生じ、多色化が進むほど印刷位
置の精度が悪くなるという問題がある。更に前記顔料分
散法では微細パターンは可能であるものの、色替えの度
に高精度のフォトリソグラフィー工程を経ねばならず工
程がきわめて複雑化するという欠点がある。
【0004】一方、これらの欠点を解消するために、特
開昭59−114572号公報において、電着塗装法に
よるカラーフィルターの製造法が提案されている。該方
法では、まず基板上に形成された透明導電膜をパターニ
ングして透明電極を形成し、該パターン化透明電極の同
じ色に着色される箇所にのみ電圧を印加し、着色電着浴
中で電着して着色層を形成する。次に別の色に着色され
る箇所にのみ電圧を印加し電着処理して別の着色層を形
成する。しかしこの方法は、まず高精度を必要とする透
明電極のパターニングを最初に行なわなければならず、
後工程での取扱いに多大の注意が必要であり、微細パタ
ーンの一部でも断線すると以後の着色工程が困難となる
ため製造上好ましくない。さらにパターン化透明電極
は、微細部分であってもすべて電気的に連続していなけ
ればならず、パターン形状の自由度に制約がある。
【0005】また特開昭63−210901号公報にお
いて、ポジ型感光性樹脂組成物を用いて同じ色に着色さ
れる箇所のみのパターンを有するマスクを介して露光、
現像し電着によって着色層を形成し、その後この露光・
現像・電着の工程を所望回数繰り返すという方法が提案
されているが、該方法は工程が複雑であり十分に簡略化
されたとはいえず、更に未露光部のキノンジアジド化合
物も現像時にアルカリ水溶液に曝すと変質して感光性が
著しく変化し、以後の露光・現像が困難になるという欠
点がある。
【0006】これらの電着法においては、着色層形成の
ための透明電極が、液晶駆動用の電極としても使用され
ることになるが、透明電極上に形成される着色層は絶縁
体であるため、液晶の駆動電圧が非常に高くなる。そこ
で現在前記方法に基づいて形成される着色層上には、更
に液晶駆動用の透明電極を設けて駆動電圧を低下させて
いるのが現状である。また前記方法において使用されて
いる透明電極は、光透過率が80〜85%であるため、
透明電極を2層設けることは、光透過率を低下させ、着
色表示基板としての性能が劣るという問題が生じる。こ
のような問題を解決するために、特開平1−22379
号公報において、原板上に着色層を形成し、これを透明
基板上に転写する方法が提案されているが、該方法では
各色毎に転写を行なうため、転写の度に高精度のアライ
メントが必要であり、製造法が煩雑となる。
【0007】一方、カラーフィルターを有するデバイス
の高性能化への要望から、コントラストの向上や色純度
の低下防止が望まれ、その解決策として一般に、カラー
フィルターの各画素間部分に非透光性膜を形成する方法
が知られている。該非透光性膜の形成方法としては、例
えば、予め非透光性膜パターンが形成された基板上にア
ライメントしながら画素を形成していく方法又は予め画
素パターンの形成された基板上にアライメントしながら
非透光性膜パターンを形成していく方法等が用いられて
いる。
【0008】しかしながら、これらの方法では、いずれ
も画素パターンと、非透光性膜パターンとの間にアライ
メント操作を行なう必要があるため、この精度により画
素パターン間に透光部のない一致したサイズの非透光性
膜パターンを形成することは困難である。更にこれらの
重なり部分が生じる場合には、カラーフィルター上に段
差が生じ、構造的に要求の強い平坦性に優れるカラーフ
ィルターを製造することは困難である。
【0009】また上述の方法はいずれもアラインメント
のために高精度の加工技術が要求され、ワークサイズの
大型化の要求、すなわち画面寸法の大型化や多面付によ
るコストダウンの要求に対しての対応が困難である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】したがって本発明の目
的は、高度な微細加工技術を必要とせず、着色層のパタ
ーン形状の自由度が大きく、カラーフィルター画素間に
間隙なく非透光性層を配置でき、しかも大型化への対処
も容易であり、かつ大量生産が容易で簡便な、カラーフ
ィルターの製造法を提供するものである。
【0011】本発明の別の目的は、駆動電圧を低下で
き、光透過率の低下もなく、更に改めて透明電極の形成
工程を必要としないカラーフィルターの製造法を提供す
るものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、着色層の
パターン形状の自由度が大きく、大型化にも対処可能な
カラーフィルターの製造法について研究の結果、ポジ型
またはネガ型感光性樹脂と特定のマスクを組み合わせる
という簡便な工程により優れた性能を有するカラーフィ
ルターが得られることを見いだした。
【0013】すなわち、本発明によれば、(A−1)配
向膜を有し、且つ最外表面に透明導電層を有する基板の
透明導電層上にポジ型感光性塗膜を形成し、少なくとも
光透過率が3段階に異なるパターンを有するマスクを介
して露光する工程と、(B−1)該パターン部分のポジ
型感光性塗膜を現像除去し、透明導電層を露出させ、露
出した該導電層上に着色塗料を電着塗装し着色層を形成
する操作を、マスクの光透過率の大きい順に対応するパ
ターン部分について順次繰り返すことにより着色層を形
成する工程と、(Z−1)転写用基板上に、該着色層、
透明導電層及び配向膜を転写する工程とを含むことを特
徴とするカラーフィルターの製造法が提供される。
【0014】また本発明によれば、(A−2)配向膜を
有し、且つ最外表面に透明導電層を有する基板の透明導
電層上にネガ型感光性塗膜を形成し、少なくとも光透過
率が3段階に異なるパターンを有するマスクを介して露
光する工程と、(B−2)該パターン部分のネガ型感光
性塗膜を現像除去し、透明導電層を露出させ、露出した
該導電層上に着色塗料を電着塗装し着色層を形成する操
作を、マスクの光透過率の小さい順に対応するパターン
部分について順次繰り返すことにより着色層を形成する
工程と、(Z−2)転写用基板上に、該着色層、透明導
電層及び配向膜を転写する工程とを含むことを特徴とす
るカラーフィルターの製造法が提供される。
【0015】更に本発明によれば、前記(A−1)工程
と、前記(B−1)工程と、前記(C−1)光照射量が
異なる露光部分のうち、少なくとも1箇所の部分のポジ
型感光性塗膜を現像除去して露出した透明導電層上に選
択的に金属層を形成する工程と、(Z−3)転写用基板
上に、該着色層、透明導電層、配向膜及び金属層を転写
する工程とを含むことを特徴とするカラーフィルターの
製造法が提供される。
【0016】更にまた本発明によれば、前記(A−2)
工程と、前記(B−2)工程と、前記(C−2)光照射
量が異なる露光部分のうち、少なくとも1箇所の部分の
ネガ型感光性塗膜を現像除去して露出した透明導電層上
に選択的に金属層を形成する工程と、(Z−4)転写用
基板上に、該着色層、透明導電層、配向膜及び金属層を
転写する工程とを含むことを特徴とするカラーフィルタ
ーの製造法が提供される。
【0017】また本発明によれば、前記(A−1)工程
と、前記(B−1)工程と、前記(C−1)工程と、
(D−1)前記金属層上に着色塗料を電着塗装し、着色
層形成する工程と、(Z−5)転写用基板上に、該着色
層、透明導電層及び配向膜と、金属層及び該金属層上に
形成した着色層とを転写する工程とを含むことを特徴と
するカラーフィルターの製造法が提供される。
【0018】更に本発明によれば、前記(A−2)工程
と、前記(B−2)工程と、前記(C−2)工程と、
(D−2)前記金属層上に着色塗料を電着塗装し、着色
層形成する工程と、(Z−6)転写用基板上に、該着色
層、透明導電層、配向膜及び金属層と、金属層及び該金
属層上に形成した着色層とを転写する工程とを含むこと
を特徴とするカラーフィルターの製造法が提供される。
【0019】以下、本発明をさらに詳細に説明する。
【0020】本発明のカラーフィルターの製造法におい
ては、先ず、配向膜を有し、且つ最外表面に透明導電層
を有する基板の透明導電層上にポジ型またはネガ型感光
性塗膜を形成し、少なくとも光透過率が3段階に異なる
パターンを有するマスクを介して露光する工程を行う
(以下、ポジ型感光性塗膜を用いる場合を(A−1)工
程、またネガ型感光性塗膜を用いる場合を(A−2)工
程という)(また(A−1)工程および(A−2)工程
を総称して(A)工程という)。
【0021】本発明に使用する配向膜を有し、且つ最外
表面に透明導電層を有する基板とは、基板上に配向膜が
形成されており、その上に透明導電層が形成された板状
のものであれば特に制限されない。
【0022】該基板の材料としては、例えば金属板また
は板状絶縁物等を挙げることができ、具体的にはガラ
ス、各種の積層板類、各種のプラスチック類または金属
等が挙げられる。基板の表面はカラーフィルターの性能
上、平滑であることが望ましく、必要によっては表面を
研磨して使用することもできる。また後工程での転写を
容易ならしめるために基板表面と配向膜との間に剥離層
を形成させておくことが好ましく、該剥離層としては、
通常シリコーン、ポリテトラフルオロエチレン等の薄膜
が有用である。
【0023】本発明に使用する配向膜には、通常液晶配
向膜に使用される配向膜と同様なものを用いることがで
きる。
【0024】該配向膜に使用する材料は、カラーフィル
ターに要求される性能などに悪影響を及ぼさないものが
好ましく、例えば無機材料としてはシリカ、有機材料と
してはポリイミド、ポリフェニレンスルフィド、エポキ
シ樹脂、アクリル樹脂等を挙げることができる。該配向
膜の膜厚はカラーフィルターに要求される性能に応じて
適宜選定可能であるが、通常0.01〜3μmが望まし
い。また配向膜の形成方法としては、例えば斜方蒸着
法、グレーティング法、ラビング法等が挙げられ、特に
ラビング法により配向処理を行う方法は、転写工程終了
後にも行うことができるため特に好ましい。また、プラ
ズマ重合法等によって基板表面で重合を行わせ、配向膜
を形成させることもできる。
【0025】本発明に用いる透明導電層としては、例え
ば、酸化スズ、酸化インジウムまたは酸化アンチモン等
を成分とする材料が挙げられ、膜厚は通常20〜300
nmであるのが好ましい。また該透明導電層の形成方法
は特に制限されず、例えばスプレー法、CVD法、スパ
ッタリング法、真空蒸着法等の公知の方法が挙げられ
る。該透明導電層は、カラーフィルターの性能上、でき
る限り透明度の高いものを用いることが望ましい。
【0026】前記基板の透明導電層上にポジ型またはネ
ガ型感光性塗膜を形成する方法は、特に限定されない
が、公知の方法、例えば電着法、吹き付け法、浸漬塗装
法、ロールコート法、スクリーン印刷法、スピンコータ
ーで塗装する方法等で、透明導電層上に塗布することに
より形成することができる。
【0027】本発明の(A−1)工程に用いるポジ型感
光性塗膜を形成するためのポジ型感光性塗料としては、
塗膜形成能と感光性とを有する樹脂(以下、ポジ型感光
性塗料用樹脂という)、または該ポジ型感光性塗料用樹
脂と染料および/または顔料等とを有機溶媒や水などに
分散あるいは溶解した塗料等を挙げることができる。該
ポジ型感光性塗料は、染料および/または顔料を含んで
いても、含んでいなくともよいが、目的とするカラーフ
ィルターの一構成部分となる色相に染料および/または
顔料を含んでいると、後述する(B)工程の繰返し回数
を1回省略することができ好適である。
【0028】本発明において好ましく使用されるポジ型
感光性塗料用樹脂としては、露光部分が現像液によって
溶出されるものであれば特に限定されるものではなく、
例えばキノンジアジド基を有する樹脂、ジアゾメルドラ
ム酸又はニトロベンジルエステル等を含有する樹脂若し
くはこれらの樹脂を有する樹脂組成物等を好ましく挙げ
ることができ、具体的には例えばアクリル樹脂、エポキ
シ樹脂、ウレタン樹脂、ポリブタジエン樹脂等に、アミ
ノ基、アンモニウム、スルホニウム等のオニウム基と水
酸基とを導入し、更にキノンジアジドスルホン酸化合物
をエステル化反応により付加した樹脂で、蟻酸、酢酸、
プロピオン酸、乳酸などの酸あるいは酸性物質で水に可
溶化および/または分散される樹脂等のキノンジアジド
基を有するカチオン性の樹脂組成物;アクリル樹脂、ポ
リエステル樹脂、マレイン化油樹脂、ポリブタジエン樹
脂、エポキシ樹脂等にカルボキシル基等と水酸基とを導
入し、更にキノンジアジドスルホン酸化合物をエステル
化反応により付加した樹脂で、トリエチルアミン、ジエ
チルアミン、ジメチルエタノールアミン、アンモニア等
の塩基性物質で水に可溶化および/または分散される樹
脂等のキノンジアジド基を有するアニオン性の樹脂組成
物;造膜機能を有する樹脂及びヒドロキシル基を有する
化合物と、キノンジアジドスルホン酸誘導体又はイソシ
アナ−ト基を有するキノンジアジド化合物とを反応させ
て得られる樹脂を適宜混合した組成物等を挙げることが
でき、特に工程簡略化や公害防止の点から、水に可溶化
および/または分散しうる樹脂の使用が好ましい。また
前記組成物における混合割合は、露光条件や現像条件に
よって任意選択することができる。
【0029】本発明の(A−2)工程に用いるネガ型感
光性塗膜を形成するためのネガ型感光性塗料としては、
塗膜形成能と感光性とを有する樹脂(以下、ネガ型感光
性塗料用樹脂という)、更には光重合開始剤および必要
により染料および/または顔料等とを有機溶媒や水など
に分散あるいは溶解した塗料等を挙げることができる。
該ネガ型感光性塗料は、染料および/または顔料を含ん
でいても、含んでいなくともよいが、目的とするカラー
フィルターの一構成部分となる色相に染料および/また
は顔料を含んでいると、後述する(B)工程の繰返し回
数を1回省略することができ好適である。
【0030】該ネガ型感光性塗料用樹脂としては、光に
よって架橋しうるエチレン性二重結合を導入した樹脂が
挙げられ、具体的にはアクリロイル基、メタクリロイル
基等の(メタ)アクリロイル基および/またはシンナモ
イル基等の感光性基を分子中に有する、一般に分子量5
00〜10,000程度のプレポリマーまたは樹脂等を
挙げることができる。該プレポリマー又は樹脂として
は、例えばエポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン
(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレ
ート等のプレポリマー;アクリル樹脂、エポキシ樹脂、
ウレタン樹脂、ポリブタジエン樹脂等に、アミノ基、ア
ンモニウム、スルホニウム等のオニウム基と前記感光性
基とを導入した樹脂で、有機溶媒に溶解および/または
分散するか、または蟻酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸な
どの酸あるいは酸性物質で水に可溶化および/または分
散されるカチオン性の樹脂;アクリル樹脂、ポリエステ
ル樹脂、マレイン化油樹脂、ポリブタジエン樹脂、エポ
キシ樹脂等にカルボキシル基等と前記感光性基とを導入
した樹脂を、有機溶媒に溶解および/または分散する
か、またはトリエチルアミン、ジエチルアミン、ジメチ
ルエタノールアミン、アンモニア等の塩基性物質で水に
可溶化および/または分散されるアニオン性の樹脂等を
挙げることができ、特に工程簡略化や公害防止の点か
ら、水に可溶化および/または分散しうるプレポリマー
または樹脂の使用が好ましい。
【0031】また前記ネガ型感光性塗料用樹脂には、ネ
ガ型感光性塗膜の感光性や粘度などを調整するために低
分子量の(メタ)アクリレート類を添加してもよく、具
体的には、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、3−
フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ
ート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、トリ
シクロデカン(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール
ジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ
アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレー
ト、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリ
ス(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート等が
例示され、これらは混合物として使用してもよい。これ
らの(メタ)アクリレート類の配合割合は、感光性塗料
用樹脂100重量部に対して0〜50重量部、好ましく
は0〜30重量部である。(メタ)アクリレート類の配
合割合が50重量部を越えると塗膜に粘着性が出やすく
なり好ましくない。
【0032】前記光重合開始剤は公知のものでよく、例
えばベンゾインおよびそのエーテル類、ベンジルアルキ
ルケタール類、ベンゾフェノン誘導体、アントラキノン
誘導体、チオキサントン誘導体等が挙げられ、さらに必
要によって増感剤を添加してもよい。光重合開始剤の添
加量は、前記ネガ型感光性塗料用樹脂100重量部に対
し、好ましくは0.1〜30重量部、特に好ましくは
0.5〜20重量部の範囲である。光重合開始剤の添加
量が0.1重量部未満では光硬化性が不足し、また30
重量部を越えると硬化が進みすぎて塗膜強度が不足し、
かつ不経済であるため好ましくない。
【0033】前記ポジ型またはネガ型感光性塗料に用い
る樹脂等の各成分を分散または溶解するために使用す
る、有機溶媒としては、上述のプレポリマーまたは樹脂
を溶解しうるものであればよく、各種のグリコールエー
テル類、例えば、エチレングリコールモノブチルエーテ
ル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレ
ングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコ
ールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノフ
ェニルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテ
ル、トリエチレングリコールジメチルエーテル等;ケト
ン類、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチル
イソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン等;
エーテル類、例えば、ジブチルエーテル、ジオキサン、
テトラヒドロフラン等;アルコール類、例えば、メトキ
シブタノール、ジアセトンアルコール、ブタノール、イ
ソプロパノール等;炭化水素類、例えば、トルエン、キ
シレン、ヘキサン等;エステル類、例えば、酢酸エチ
ル、酢酸ブチル、酢酸2−メトキシエチル、酢酸2−メ
トキシプロピル、安息香酸エチル等;酸アミド類、例え
ば、ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトア
ミド、ジメチルスルホキシド等を挙げることができ、使
用に際しては単独若しくは混合物として用いることがで
きる。
【0034】またこれらの有機溶媒は、可溶化や分散を
容易にするため、浴安定性の向上のため、平滑塗膜を得
る等のために、前記カチオン性の樹脂またはアニオン性
の樹脂の水溶化時または水分散時において添加すること
もできる。
【0035】必要により感光性塗料に配合される染料お
よび/または顔料の色相は、目的に応じ適宜選択できる
が、光もれを防止するためには暗色のものが好ましく、
特に黒色、濃紺、濃紫、濃茶等の色相が好ましい。
【0036】また、該染料および/または顔料には、塗
料の安定性、必要により電着特性、塗膜の耐久性等を損
なわないものを選択することが望ましい。この点から染
料としては油溶性あるいは分散性染料が好ましく、具体
的には例えばアゾ系、アントラキノン系、ベンゾジフラ
ン系、縮合メチン系等が挙げられる。また顔料として
は、例えばアゾレーキ系、キナクリドン系、フタロシア
ニン系、イソインドリノン系、アントラキノン系、チオ
インジゴ系等の有機顔料、黄鉛、酸化鉄、クロムバーミ
リオン、クロムグリーン、群青、紺青、コバルトブル
ー、コバルトグリーン、エメラルドグリーン、チタンホ
ワイト、カーボンブラック等の無機顔料が適している。
また、目的とする色相に応じ、前記染料および/または
顔料を、その特性を損なわない限りにおいて、2種類以
上混合して用いることもできる。なお、染料および/ま
たは顔料については適宜「COLOUR INDEX」
等を参照すればよい。
【0037】該染料および/または顔料の使用割合は、
目的、色相、使用する染料および/または顔料の種類、
感光性塗料の乾燥時の膜厚等により適宜選択され、好ま
しくは感光性塗料全体に対して、3〜70重量%、特に
好ましくは5〜60重量%程度が適している。
【0038】さらに、該染料および/または顔料の種類
や使用割合により、得られる塗膜を透光性又は遮光性に
もすることができ、目的により適宜選択できる。例えば
顔料としてカーボンブラック等を、ポジ型またはネガ型
感光性塗料全体に対して3〜34重量%の範囲で用いる
ことにより、黒色かつ遮光性の塗膜を得ることができ
る。該黒色かつ遮光性の塗膜は、光もれを防止する目的
においては特に好ましい。また該染料および/または顔
料の色には白色も含まれる。更にまた使用する染料およ
び/または顔料は、良好な塗膜を得るために精製して不
純物を除去して使用するのが好ましい。さらにポジ型ま
たはネガ型感光性塗料に、該染料や顔料の分散助剤、塗
膜の平滑性をよくするレベリング剤、粘度調整剤、消泡
剤等の各種助剤類等を添加してもよい。
【0039】前記ポジ型感光性塗料を調製するには、ポ
ジ型感光性塗料用樹脂、有機溶媒および/または水、必
要に応じて染料および/または顔料、酸性物質または塩
基性物質、染料あるいは顔料の分散助剤、塗膜の平滑性
をよくするレベリング剤、粘度調整剤、消泡剤等の各種
助剤類等を混合し、一般的に使用されるサンドミル、ロ
ールミル、アトライター等の分散機を用いて充分に分散
させ、所望の濃度に希釈する方法等により得ることがで
きる。
【0040】前記ネガ型感光性塗料を調製するには、ネ
ガ型感光性塗料用樹脂、光重合開始剤、有機溶媒および
/または水、必要に応じて染料および/または顔料、酸
性物質または塩基性物質、染料あるいは顔料の分散助
剤、塗膜の平滑性をよくするレベリング剤、粘度調整
剤、消泡剤等の各種助剤類等を混合し、前記ポジ型感光
性塗料の調製と同様にして分散させ、所望の濃度に希釈
して得ることができる。
【0041】このようにして得られるポジ型またはネガ
型感光性塗料により形成される感光性塗膜の膜厚は特に
制限されず、カラーフィルターに要求される性能等に応
じて適宜選択できるが、乾燥時に通常0.3〜20μ
m、好ましくは1〜15μm程度であればよい。該膜厚
を調整するには、例えば感光性塗膜を電着法で形成する
場合、電圧、電着時間、液温等の電着条件を調整するこ
とにより制御できるが、通常は後述の着色塗料の電着塗
装と同様の条件で行うことができる。またネガ型感光性
塗膜を着色層として用いない場合には、着色剤を添加せ
ずに、膜厚を通常5〜15μm程度に厚くするのが、酸
素による硬化阻害作用の軽減、ピンホールの生成防止等
の点で好ましい。
【0042】本発明において、前記ポジ型またはネガ型
感光性塗膜を露光するには、少なくとも光透過率が3段
階に異なるパターンを有するマスクを介して行う必要が
ある。ここで光透過率とは、露光に使用する光線が、該
マスクを透過する前後における強度の比率をいう。また
該マスクのパターンの異なる光透過率の段数は、少なく
とも3段階あれば良く、使用する着色塗料の種類の数に
応じて決定でき、各段階間の光透過率の差は露光条件や
後述の現像条件に応じて適宜選択することができる。一
般にはそれぞれの光透過率の相対的な差を大きくする方
が露光量、露光時間の調整が容易となるために好ましい
が、光透過率の差が小さい場合であっても露光量を増大
し、あるいは露光時間を長くすることで同一目的を達成
することができる。従って、光透過率の相対的な差は特
に限定されないが、通常5%以上の有意差を有すること
が好ましい。
【0043】前記露光は通常紫外線を多量に発生できる
装置を用いて行うことができ、例えば、高圧水銀灯、超
高圧水銀灯、メタルハライドランプ等を光源として用い
ることができ、必要によっては紫外線以外の他の放射線
を使用してもよい。露光条件は、用いる感光性塗料、露
光装置、前記マスク等に応じて適宜選択できる。
【0044】本発明の製造方法においては、少なくとも
光透過率が3段階に異なるパターンを有するマスクを介
して露光を行うことにより、(A−1)工程においては
ポジ型の感光性塗膜に、(A−2)工程においてはネガ
型の感光性塗膜に、マスクのパターンの光透過率の異な
る段階の数と同数の、異なる露光状態を形成することが
できる。
【0045】本発明の製造法では、前記(A−1)工程
に次いで、該パターン部分のポジ型感光性塗膜を現像除
去し、透明導電層を露出させ、露出した透明導電層上に
着色塗料を電着塗装し着色層を形成する操作を、マスク
の光透過率の大きい順に対応するパターン部分について
順次繰り返すことにより着色層を形成する(以下、(B
−1)工程という)、または前記(A−2)工程に次い
で、該パターン部分のネガ型感光性塗膜を現像除去し、
透明導電層を露出させ、露出した透明導電層上に着色塗
料を電着塗装し着色層を形成する操作を、マスクの光透
過率の小さい順に対応するパターン部分について順次繰
り返すことにより着色層を形成する(以下、(B−2)
工程という)(また(B−1)工程および(B−2)工
程を総称して(B)工程という)。すなわち、該(B−
1)工程では、まずマスクの光透過率が最大であるパタ
ーンに対応する部分のポジ型感光性塗膜を選択的に現像
除去し、露出した透明導電層上に着色塗料を電着塗装し
着色層を形成し、次いでマスクの光透過率が次に大きい
パターンに対応する部分のポジ型感光性塗膜のみを選択
的に現像除去し、露出した透明導電層上に着色塗料を電
着塗装し着色層を形成するという工程を順次繰り返すこ
とにより着色層を形成することができる。また該(B−
2)工程では、まずマスクの光透過率が最少であるパタ
ーンに対応する部分のネガ型感光性塗膜のみを選択的に
現像除去し、露出した透明導電層上に着色塗料を電着塗
装し着色層を形成し、次いでマスクの光透過率が次に小
さいパターンに対応する部分のネガ型感光性塗膜を選択
的に現像除去し、露出した透明導電層上に着色塗料を電
着塗装し着色層を形成するという工程を順次繰り返すこ
とにより着色層を形成することができる。
【0046】前記ポジ型またはネガ型感光性塗膜を選択
的に現像除去する条件は、選択的に除去すべき部分の露
光量、使用するポジ型またはネガ型感光性塗料の現像液
に対する溶解性、現像液の種類や濃度、さらには現像温
度、現像時間によって変わりうるものであり、ポジ型ま
たはネガ型感光性塗料の調製に使用する樹脂等に適した
条件を適宜選択すればよい。
【0047】具体的には例えば、ネガ型感光性塗料の調
製にカチオン性の樹脂を使用する場合の現像液として
は、酸性物質を溶解した水溶液を使用することができ
る。該酸性物質としては、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、
乳酸等の有機酸や塩酸、リン酸等の無機酸を挙げること
ができ、例えば乳酸水溶液を現像液に使用する場合は、
乳酸濃度は通常0.01〜50重量%、好ましくは0.
05〜25重量%、温度は通常10〜70℃、好ましく
は15〜50℃、現像時間は通常2〜600秒、好まし
くは4〜300秒等の範囲から適宜選択すれば良い。ま
たネガ型感光性塗料の調製にアニオン性の樹脂を使用す
る場合の現像液としては、塩基性物質を溶解した水溶液
等を使用することができる。該塩基性物質としては、炭
酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、メタ珪酸ナトリウ
ム、テトラアルキルアンモニウムヒドロキシド、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム等を挙げることができ、例
えば炭酸ナトリウム水溶液を現像液に使用する場合、炭
酸ナトリウム濃度は通常0.01〜25重量%、好まし
くは0.05〜20重量%、温度は通常10〜70℃、
好ましくは15〜50℃、現像時間は通常2〜600
秒、好ましくは4〜300秒等の範囲から適宜選択すれ
ば良い。
【0048】更にポジ型感光性塗料を使用した場合の現
像液としては、通常塩基性物質を溶解した水溶液等を使
用することができる。該塩基性物質としては、炭酸ナト
リウム、炭酸水素ナトリウム、メタ珪酸ナトリウム、テ
トラアルキルアンモニウムヒドロキシド、水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム等を挙げることができ、例えばメ
タ珪酸ナトリウム水溶液を現像液に使用する場合、メタ
珪酸ナトリウム濃度は通常0.01〜25重量%、好ま
しくは0.05〜20重量%、温度は通常10〜70
℃、好ましくは15〜50℃、現像時間は通常2〜60
0秒、好ましくは4〜300秒等の範囲から適宜選択す
れば良い。
【0049】更にまた、ポジ型またはネガ型感光性塗膜
の現像液として有機溶媒を使用してもよく、例えばアル
コール類、グリコールエーテル類、ケトン類、塩素化炭
化水素類等を使用することもできる。またこれらの現像
液には濡れ性改良や消泡のために界面活性剤や消泡剤を
添加してもよく、特に毒性や作業環境性等の点で水溶液
系の現像液を使用するのが好ましい。
【0050】次に前記現像後、露出した透明導電層上
に、着色塗料を電着塗装し、着色層を形成する。
【0051】該着色塗料は、例えば樹脂成分としてカチ
オン性またはアニオン性の樹脂を使用し、着色成分とし
て染料および/または顔料を加え、更に酸性または塩基
性物質を使用して水に溶解および/または分散させた塗
料等を用いることができ、更にまた着色塗料における樹
脂の溶解および/または分散を容易ならしめるため、浴
安定性の向上のため又は平滑塗膜を得る等のために有機
溶媒等を添加してもよい。
【0052】前記カチオン性の樹脂としては、例えばア
クリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリブタジ
エン樹脂、ポリアミド樹脂等に、アミノ基、アンモニウ
ム、スルホニウム等のオニウム基を導入した樹脂で、蟻
酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸等の酸あるいは酸性物質
で水に可溶化または分散される樹脂等を挙げることがで
きる。
【0053】また、前記アニオン性の樹脂としては、例
えばアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、マレイン化油樹
脂、ポリブタジエン樹脂、エポキシ樹脂等にカルボキシ
ル基等を導入した樹脂で、トリエチルアミン、ジエチル
アミン、ジメチルエタノールアミン、アンモニア等の塩
基性物質で水に可溶化または分散される樹脂等を挙げる
ことができる。更にまた、着色塗料の造膜成分は感光性
を有するものであってもよく、前記(A−2)工程にお
けるネガ型感光性塗膜に使用するプレポリマーや樹脂の
中で電着に適するものを用いることもでき、光重合開始
剤を併用してもよい。
【0054】(B)工程において用いる着色塗料は、光
透過率が異なる部分ごとに種類、色相、色濃度、色明暗
の異なるものを使用することが望ましいが、重複して同
じものを用いることもできる。
【0055】着色塗料の色相は、目的に応じ適宜選択す
ることができる。例えば(A)工程において使用する感
光性塗料と(B)工程において使用する着色塗料、さら
には(B)工程において着色塗料を電着塗装する工程を
複数回行う場合に使用する各々の着色塗料には色相の異
なるものを用いることができる。
【0056】前記着色塗料に使用する染料および/また
は顔料は、目的とする色相に応じ選択されるが、得られ
る塗膜の透明性、塗料の安定性、電着特性、塗膜の耐久
性等について問題の生じないものを選択することが望ま
しく、この点から染料としては、油溶性あるいは分散性
染料、具体的には例えばアゾ系、アントラキノン系、ベ
ンゾジフラノン系、縮合メチン系等が挙げられ、顔料と
しては例えばアゾレーキ系、キナクリドン系、フタロシ
アニン系、イソインドリノン系、アントラキノン系、チ
オインジゴ系等の有機顔料、黄鉛、酸化鉄、クロムバー
ミリオン、クロムグリーン、群青、紺青、コバルトブル
ー、コバルトグリーン、エメラルドグリーン、チタンホ
ワイト、カーボンブラック等の無機顔料を挙げることが
できる。また目的とする色相に応じ、上記染料および/
または顔料を、その性状を損なわない限りにおいて、2
種類以上混合して用いることもできる。
【0057】前記着色塗料の調製は、樹脂、染料および
/または顔料、酸性物質または塩基性物質および必要に
より有機溶剤や、染料あるいは顔料の分散助剤、塗膜の
平滑性をよくするレベリング剤、粘度調整剤、消泡剤等
の各種助剤類等を混合し、一般的に使用されるサンドミ
ル、ロールミル、アトライター等の分散機を用いて充分
に分散させ、その後、水で所定の濃度、好ましくは固形
分含量約4〜25重量%、特に好ましくは7〜20重量
%に希釈して電着に適する塗料とする方法等により行な
うことができる。このようにして得られる着色塗料は、
透明導電層上に電着塗装することによって着色層を形成
させる。
【0058】該着色層の膜厚は特に制限されず、カラー
フィルターに要求される性能に応じて適宜選択できる
が、乾燥時に通常0.3〜5μm、好ましくは1〜3μ
m程度であればよい。
【0059】前記電着塗装の条件は、使用する着色塗料
の種類、目的とする着色層の膜厚に応じて適宜選択され
るが、電圧は通常5〜500V、好ましくは10〜30
0Vの直流であるのが好ましく、電着時間は通常5〜3
00秒、好ましくは10〜200秒、液温は通常10〜
35℃、好ましくは15〜30℃であるのが望ましい。
この際所望の膜厚を得る電着時間が経過したところで通
電を停止し、基板を浴から取り出し、余剰に付着した浴
液を水等でよく洗浄し乾燥することにより着色層を形成
することができる。
【0060】該乾燥条件は、後工程の条件等により適宜
選択できるが、通常は着色層表面の水分が乾燥し得る条
件であれば良く、例えば120℃以下、好ましくは30
℃〜100℃で、通常0.5分〜1時間、好ましくは1
〜30分程度乾燥させるのが望ましい。ここで乾燥温度
が120℃よりも高いと未現像のポジ型またはネガ型感
光性塗膜が熱により硬化することがあり、後の現像作業
が困難となるため好ましくない。
【0061】更に本発明の製造法においては、必要に応
じポジ型感光性塗膜又はネガ型感光性塗膜の光照射量の
異なる露光部分のうち、少なくとも1箇所の露光部分の
感光性塗膜を現像除去して露出した導電層上に、選択的
に金属層を形成する工程(以下(C)工程と称す)を更
に必要に応じて、前記金属層上に着色塗料を電着塗装
し、着色層を形成する工程(以下ポジ型電着感光性塗膜
を用いた場合を(D−1)工程、ネガ型電着感光性塗膜
を用いた場合を(D−2)工程と称す)(また(D−
1)工程及び(D−2)工程を総称して(D)工程と称
す)。
【0062】特に前記(B)工程により得られる着色層
のパターン間に存在する間隙に、選択的に金属層を形成
するのが好ましく、ネガ型感光性塗膜の場合には、(A
−2)工程に次いで(C−2)工程を行い、(D−2)
工程を行った後、(B−2)工程を行うのが好ましく、
またポジ型感光性塗膜の場合には、(A−1)工程に次
いで(B−1)工程を行い、(C−1)工程を行った
後、更に必要に応じて(D−1)工程を行うのが好まし
い。即ち、前記(B)工程、(C)工程、(D)工程の
順序は、任意であり、例えばネガ型感光性塗膜の場合に
は、(B−2)工程に先立って、露光量が最も少ない部
分について現像を行い、金属層を形成することが好まし
く、この際(D−2)工程において金属層上に着色塗料
が電着されるが実用上差し支えはない。前記(D)工程
において、金属層上に形成される着色層の色相は、好ま
しくは(B)工程に用いる着色塗料の中で暗色の着色塗
料を用いるのが好ましい。
【0063】前記金属層の形成とは、好ましくは、
(B)工程において着色層を形成した後若しくは着色層
を形成する前に、少なくとも1箇所のパターン部分及び
/又は基板上に残存しているポジ型又はネガ型感光性塗
膜を現像除去し、次いで露出した導電層を電気メッキ法
や無電メッキ法等により処理することによって行うこ
とができる。前記処理は、通常使用される各種のメッキ
液を用い、通常の処理条件の中からカラーフィルターに
要求される性能に合わせて適宜選択すればよい。
【0064】金属層として使用できる金属としては、
銅、ニッケル、銀、金等のメッキ処理等が可能な一般の
金属材料又は該金属材料の2種以上からなる合金、更に
は該金属材料の2種以上をメッキ液中で混合した金属等
を好ましく挙げることができる。また該金属層の厚さ
は、カラーフィルターに要求される性能等に応じて適宜
選択できるが、通常10nm〜5μm、好ましくは10
nm〜3μm程度であればよい。なお、該金属層厚を着
色層厚と略一致させるように形成することにより、カラ
ーフィルターを著しく平坦化することができるので特に
好ましい。
【0065】本発明の製造法においては、前記(C)工
程により、選択的に露出された導電層上に金属層がメッ
キ等により形成されるので、例えば、着色層間隙にセル
フアラインの形で金属層を形成することができる。この
ようなカラーフィルターは、前述のコントラストの向
上、色純度の向上等の他に、電極補助線としての機能を
合わせ持たせることも可能となり、大画面ディスプレー
における信号遅延やセル内発熱等の低減効果を有する。
【0066】本発明の製造法においては、少なくとも前
記(B)工程により得られる着色層を、転写用基板に転
写する工程(以下ポジ型電着感光性塗膜を用いた場合を
(Z−1)工程、ネガ型電着感光性塗膜を用いた場合を
(Z−2)工程と称す)を行う。また(C−1)工程、
(C−2)工程を行う場合には、少なくとも着色層及び
金属層を転写用基板に転写する工程(以下ポジ型電着感
光性塗膜を用いた場合を(Z−3)工程、ネガ型電着感
光性塗膜を用いた場合を(Z−4)工程と称す)を行
い、更に(D−1)工程、(D−2)工程を行う場合に
は、少なくとも着色層と、金属層及び該金属層上に形成
した着色層とを転写用基板に転写する工程(以下ポジ型
電着感光性塗膜を用いた場合を(Z−5)工程、ネガ型
電着感光性塗膜を用いた場合を(Z−6)工程と称す)
(また前記(Z−1)工程、(Z−2)工程、(Z−
3)工程、(Z−4)工程、(Z−5)工程、(Z−
6)工程を総称して(Z)工程と称す)を行う。
【0067】前記転写用の基板は、特に限定されるもの
ではないが、透明基板、半透明基板、着色基板等、用途
に応じて種々選択することができるが、好ましくはガラ
ス又はプラスチック等の透明基板を用いることができ、
具体的には例えば、ガラス、ポリエステル、ポリスルホ
ン、トリ酢酸セルロース、ポリカーボネート、ポリイミ
ド、ポリスチレン、ポリメチルペンテン等を好ましく用
いることができる。
【0068】前記転写は、着色層、透明導電層および配
向膜が、同時に転写のための基板に転写されるような条
件下に行われればよい。
【0069】前記転写の条件は、基板の材質、配向膜の
形成に使用される材料、透明導電層の材質、着色層に使
用される樹脂の性質や転写用基板の表面状態や材質、更
には転写時の温度、圧力、時間等によって適宜選択する
ことができる。一般的には、例えば転写時の温度は室温
〜150℃が好ましく、特に室温〜120℃が好まし
い。圧力は、0.05〜10kgf/cm2が好まし
く、特に0.1〜5kgf/cm2が好ましい。また時
間は2秒〜1時間が好ましく、特に5秒〜30分が好ま
しい。
【0070】前記転写時の加圧は、プレス、ラミネータ
ー、ゴム被覆ローラ等を用いることができ、この際必要
に応じて加熱しても良い。また着色層が感光性である場
合には、光照射により硬化させて転写することもでき、
更には必要により、加熱と光照射を同時に行うこともで
きる。更に該転写を容易に行なうために、転写用の基板
表面に光硬化性、感圧性又はホットメルト型等の透明接
着剤等を塗布しておくこともできる。また転写工程終了
後、再度加熱や光照射を行なって十分に硬化させ、耐候
性および耐薬品性等をより一層向上させることもでき
る。具体的には、前記再加熱を行なう場合、使用する樹
脂によっても異なるが、好ましくは50〜250℃、特
に好ましくは100〜200℃の範囲で、5分〜1時
間、特に10〜30分の範囲で加熱するのが望ましい。
【0071】更にまた転写後の基板は再使用することも
できる。
【0072】以上の(A)工程、(B)工程、(Z)工
程、必要に応じて行う(C)工程及び更に必要に応じて
行う(D)工程により目的とするカラーフィルターを製
造することができるが、必要により更に加熱・硬化又は
光硬化等を行い、耐候性や耐薬品性等を更に向上させる
こともできる。該加熱・硬化を行う際の条件としては、
例えば温度を通常100〜250℃、好ましくは150
〜250℃とし、5分〜1時間、好ましくは15〜40
分間の条件にて行うことができる。
【0073】以下、図1、図2、図3および図4を参照
して本発明の工程を説明するが、本発明はこれに限定さ
れるものではない。
【0074】図1は、本発明の一実施態様を示す工程図
であり、図2は、本発明に用いるマスクの実施態様のう
ち光透過率が4段階に異なるポジマスクの拡大模式図で
あって、1は光透過率1%の遮光膜もしくは第4の色相
当部分、2は光透過率100%の第1の色相当部分、3
は光透過率25%の第2の色相当部分、4は光透過率5
%の第3の色相当部分を示す。また図3は、本発明に用
いるマスクの実施態様のうち光透過率が4段階に異なる
ネガマスクの拡大模式図であって、5は光透過率100
%の遮光膜もしくは第4の色相当部分、6は光透過率1
%の第1の色相当部分、7は光透過率5%の第2の色相
当部分、8は光透過率25%の第3の色相当部分を示
す。更に図4は、転写の工程を示す工程図であって、9
は基板、10は配向膜、11は透明導電層、12は着色
層及び金属層、13は転写用基板を示す。
【0075】まず配向膜を有し、且つ最外表面に透明導
電層を有する基板の透明導電層上にポジ型またはネガ型
感光性塗膜(遮光膜とする場合には黒色に着色され、金
属遮光層を設ける場合には色相は任意である)を形成
し、例えば図2または図3に示される光透過率が4段階
に異なるネガマスクもしくはポジマスクを介して露光し
た後、第1回目の現像を行い、ポジマスクの光透過率が
最も大きい部分2またはネガマスクの光透過率の最も小
さい部分6に該当する透明導電層を露出させ、第1の色
の着色塗料を入れた電着浴で電着塗装後、水洗する。
【0076】次いで第2回目の現像(第1回目の現像と
は条件が異なる)を行い、ポジマスクの光透過率が2番
目に大きい第2の色相当部分3に該当する部分またはネ
ガマスクの光透過率が2番目に小さい第2の色相当部分
7に該当する部分の透明導電層を露出させ、第2の色の
着色塗料を入れた電着浴で電着塗装し、水洗する。
【0077】さらに第3回目の現像(第1回目および第
2回目の現像とは条件が異なる)を行い、ポジマスクの
光透過率が3番目に大きい第3の色相当部分4に該当す
る部分またはネガマスクの光透過率が3番目に小さい第
3の色相当部分8に該当する部分の透明導電層を露出さ
せ、第3の色の着色塗料を入れた電着浴で電着塗装後、
水洗する。この際、前記ポジ型またはネガ型感光性塗膜
を黒色とした場合には、乾燥し、遮光層を含む着色層を
形成し、後述の4回目の現像は行わない。
【0078】遮光層を別途電着塗装や金属メッキで作製
する場合、第4回目の現像(第1回目、第2回目及び第
3回目の現像とは条件が異なる)を行い、ポジマスクの
光透過率が最も少ない第4の色相部分1に該当する部分
又はネガマスクの光透過率が最も多い第4の色相部分5
に該当する部分を現像除去して導電層を露出させ、第4
の色の着色塗料の電着塗装した着色層若しくはメッキに
よる金属遮光層の形成を行い水洗する。
【0079】次に図4において、この基板9上の配向膜
10および透明導電層11上に形成された着色層及び金
属層12を、転写用の基板13に転写することによっ
て、本発明のカラーフィルターを得ることができる。
【0080】本発明においては、ポジ型またはネガ型感
光性塗料としてカチオン性樹脂を水に溶解および/また
は分散させた塗料を用い、ポジ型またはネガ型感光性塗
膜を形成し、アニオン性樹脂を用いて調製した着色塗料
により着色層を形成する方法またはこれとは逆にポジ型
またはネガ型感光性塗料としてアニオン性樹脂を水に溶
解および/または分散させた樹脂成分等を用い、ポジ型
またはネガ型感光性塗膜を形成し、カチオン性樹脂によ
り調製した着色塗料を用いて着色層を形成する方法等が
特に好ましい。
【0081】
【発明の効果】本発明のカラーフィルターの製造法は、
高度な微細加工技術を必要とせず、着色層のパターン形
状の自由度を大きくすることができ、一回の露光ですべ
てのパターニングが可能で、更に大型化への対処も容易
である。また着色層と透明基板との間に電極を設ける必
要がないので、駆動電圧を低下でき、光透過率の低下の
ないカラーフィルターを、簡便に、しかも大量生産する
ことができるので工業的にも極めて有用である。
【0082】
【実施例】以下に本発明を合成例および実施例によって
具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるもの
ではない。尚、以下例中において部は重量部を示す。
【0083】
【合成例1】カチオン性ポジ型感光性塗 料(X−1)の合成 不飽和化合物(x−1)の 合成 グリシド−ル148部、ジブチル錫ジラウリレ−ト0.
8部、ヒドロキノンモノメチルエ−テル0.2部及び2
−エトキシエチルアセテ−ト82部を、温度計、撹拌装
置、還流冷却管、ガス導入管及び滴下漏斗が装着された
1リットルのセパラブルフラスコに仕込み、50℃に昇
温した。次いで系内に空気を吹き込みながらメタクリロ
イルオキシエチルイソシアナ−ト319部を1時間かけ
て滴下し、赤外線吸収スペクトルでイソシアナ−ト基の
吸収がほとんど無くなるまで反応を行った後、4−ヒド
ロキシ安息香酸276部を追加し、110℃に昇温し
た。酸価が5以下、エポキシ当量が11000以上であ
ることを確認して反応を終了し、不飽和化合物(x−
1)を得た。
【0084】カチオン性ポジ型感光 性樹脂(x−2)の
合成 温度計、撹拌装置、還流冷却管および滴下漏斗の付いた
1リットルのセパラブルフラスコに、ジエチレングリコ
−ルモノエチルエ−テル238部を仕込み、130℃に
昇温した。次いでこれに、前記(x−1)145部、イ
ソブチルメタクリレ−ト83部、エチルアクリレ−ト1
67部、エチルメタクリレ−ト78部、ジメチルアミノ
エチルメタクリレ−ト41部及びt−ブチルペルオキシ
−2−エチルヘキサノエ−ト12部を混合した溶液を3
時間かけて滴下し、30分経過した後ジエチレングリコ
−ルモノエチルエーテル25部とt−ブチルペルオキシ
−2−エチルヘキサノエ−ト2部との混合溶液を30分
かけて滴下した。次いで同温度にて2時間保持して、反
応を終了した。得られたアクリル樹脂系溶液500部を
温度計、撹拌装置、還流冷却管、窒素導入管および滴下
漏斗を備えた3リットルのセパラブルフラスコに取り、
更にアセトン1570部及び1,2−ナフトキノンジア
ジド−5−スルホニルクロリド60.1部を加えて室温
でよく撹拌した後、トリエチルアミン26.7部を1時
間かけて滴下し、更に2時間反応させた。得られた溶液
を濾過して不純物を除去した後、約20倍量のよく撹拌
された水に約1時間かけて滴下し、析出した樹脂を回収
し、減圧下にて水分を除去して、茶褐色のカチオン性ポ
ジ型感光性樹脂(x−2)を得た。
【0085】カチオン性ポジ型感光 性塗料(X−1)の
合成 カチオン性ポジ型感光性樹脂(x−2)500gをメチ
ルエチルケトン333.3gに溶解し、次いで商品名
「カーボンブラック#5B」(三菱化成工業株式会社
製)50gを撹拌下に加えて混合後、実験室用三本ロー
ルミル(小平製作所製)にて、カーボンブラック粒径が
0.2μm以下となるまで分散した。粒径の測定はコー
ルターカウンターN4(コールターカウンター社製)を
用いた。前記得られた分散混合物に、中和剤として酢酸
11.7gを加えて十分に撹拌し、再度均一化した後、
脱イオン水をゆっくりと加えながら高速ミキサーで激し
くかき混ぜながら水分散させて固形分濃度15重量%の
黒色のカチオン性ポジ型感光性塗料(X−1)水溶液
(カチオン電着型)を調製した。
【0086】
【合成例2】アニオン性ポジ型感光性塗 料(X−2)の合成 アニオン性樹脂(x−3) の合成 「日石ポリブタジエンB−1000」(日本石油化学
(株)製、商品名、数平均分子量1,000、沃素価4
30、1,2−結合65%)1,000g、無水マレイ
ン酸751g、キシレン10gおよびトリメチルハイド
ロキノン5.0gを、温度計、撹拌装置、還流冷却管お
よび窒素吹き込み管を付けた3リットルのセパラブルフ
ラスコに仕込み、窒素下にて190℃で5時間反応させ
た。次いで未反応無水マレイン酸およびキシレンを留去
させ、全酸価480mgKOH/gのマレイン化ポリブタ
ジエンを得た。
【0087】次に還流冷却管を付けた2リットルのセパ
ラブルフラスコに、前記マレイン化ポリブタジエン50
0g、フェノキシエタノ−ル218g及びジエチレング
リコ−ルジメチルエ−テル205gを仕込み、均一に溶
解させてから、窒素気流下で130℃にて3時間反応さ
せた。次いで同温にてベンジルアミン61gを30分か
けて滴下した後、165℃に昇温し、同温にて7時間反
応を行い、半エステル基およびイミド基を有するアニオ
ン性樹脂(x−3)溶液を得た。
【0088】感光性樹脂(x−4) の合成 「日石ポリブタジエンB−1000」(日本石油化学
(株)製、商品名、数平均分子量1,000、沃素価4
30、1,2−結合65%)1,000g、無水マレイ
ン酸388g、キシレン10gおよびトリメチルハイド
ロキノン3.0gを、温度計、撹拌装置、還流冷却管お
よび窒素吹き込み管を付けた3リットルのセパラブルフ
ラスコに仕込み、窒素下にて190℃で5時間反応させ
た。次いで未反応無水マレイン酸およびキシレンを留去
させ、全酸価320mgKOH/gのマレイン化ポリブタ
ジエンを得た。
【0089】次に温度計、撹拌装置、還流冷却管及び窒
素吹き込み管を付けた2リットルのセパラブルフラスコ
に、前記マレイン化ポリブタジエン500g、フェノキ
シエタノ−ル300gを仕込み、均一に溶解させてか
ら、窒素気流下で130℃にて3時間反応させた。次い
で室温まで冷却した後、2−(2−アミノエチル)アミ
ノエタノ−ル149gを1時間かけて滴下した後、12
5℃に昇温し、同温にて4時間反応を行い、イミド基を
有するポリアミン樹脂溶液を得た。
【0090】別に還流冷却管を付けた5リットルのセパ
ラブルフラスコに、1,2−ナフトキノンジアジドスル
ホニルクロリド269g、ジオキサン1900g及び
「キョ−ワ−ド1000」(協和化学工業(株)製、商
品名)300gを仕込み、前記ポリアミン樹脂溶液64
5gを30℃にて2時間かけて滴下し、同温にて更に5
時間反応を行い、得られた溶液を濾過した後、フェノキ
シエタノ−ル440gを加え、減圧下にてジオキサンを
除去し、感光性樹脂(x−4)を得た。
【0091】得られた樹脂(x−4)溶液は、溶液10
0gあたり150mg当量のナフトキノンジアジド基を
含有し、不揮発分は60.0重量%であった。
【0092】アニオン性ポジ型感光 性樹脂(x−5)の
合成 前記(x−3)樹脂溶液750g及び感光性樹脂(x−
4)溶液670gを十分に混合した後、トリエチルアミ
ン60gを加えて十分に中和し、アニオン性ポジ型感光
性樹脂(x−5)溶液を得た。
【0093】アニオン性ポジ型感光 性塗料(X−2)の
合成 アニオン性ポジ型感光性樹脂(x−5)溶液500gに
商品名「カーボンブラック#5B」(三菱化成工業株式
会社製)35gを撹拌下に加えて混合後、実験室用三本
ロールミル(小平製作所製)にて、カーボンブラック粒
径が0.2μm以下となるまで分散した。粒径の測定は
コールターカウンターN4(コールターカウンター社
製)を用いた。前記得られた分散混合物に、脱イオン水
をゆっくりと加えながら高速ミキサーで激しくかき混ぜ
ながら水分散させて固形分濃度15重量%の黒色のアニ
オン性ポジ型感光性塗料(X−2)水溶液(アニオン電
着型)を調製した。
【0094】
【合成例3】カチオン性ネガ型感光性塗 料(X−3)の合成 アミン付加エポキシ化ポリ ブタジエン(x−6)の合 エポキシ化液状ポリブタジエン(日本石油化学(株)
製、商品名「E−1000−8」、数平均分子量1,0
00、オキシラン酸素量8%)1,000gを、温度
計、撹拌装置および還流冷却管が装着された2リットル
のセパラブルフラスコに仕込み、系内を窒素置換した
後、メチルエタノールアミン231.2gを加え、17
0℃で5時間反応させた。次に減圧下に未反応のメチル
エタノールアミンを留去し、アミン価が230.4mmol
/100gのアミン付加エポキシ化ポリブタジエン(x
−6)を得た。
【0095】不飽和基含有イソシア ネート(x−7)化
合物の 合成 温度計、撹拌装置、還流冷却管および滴下漏斗の付いた
加熱および冷却可能な2リットルの丸底フラスコに、
2,4−トリレンジイソシアナート435.5gおよび
ジエチレングリコールジメチルエーテル266.1gを
仕込み、40℃に加熱した後、2−ヒドロキシエチルア
クリレート362.8gを滴下漏斗から滴下した。この
際200ppmのパラベンゾキノンも添加した。2−ヒド
ロキシエチルアクリレートの滴下により発熱が見られる
が、必要に応じて冷却し同温度に保った。2−ヒドロキ
シエチルアクリレートの滴下終了後、70℃まで昇温
し、同温度で3時間反応させ、赤外線吸収スペクトル分
析によりイソシアナート基の吸収強度が反応開始前のほ
ぼ1/2になったことを確認後、冷却し不飽和基含有イ
ソシアナート化合物(x−7)を得た。
【0096】カチオン性樹脂(x− 8)の合成 2リットルのセパラブルフラスコ中で、(x−6)50
0gをジエチレングリコールジメチルエーテル166.
7gに溶解し、(x−7)713.4g((x−6)中
のヒドロキシル基1当量に対してイソシアナート基0.
8当量)を40℃で滴下し、さらに同温度で1時間反応
させて、赤外線吸収スペクトル分析によりイソシアナー
ト基が消失したことを確認し、(x−6)に(x−7)
を付加したカチオン性樹脂(x−8)を得た。
【0097】カチオン性ネガ型感光 性塗料(X−3)の
合成 カチオン性樹脂(x−8)溶液500gに光重合開始剤
として、商品名「Irgacure907」(チバ−ガ
イギー社製)27.0g、商品名「KAYACURE
DETX」(日本化薬株式会社)3.0gおよび商品名
「カーボンブラック#5B」(三菱化成工業株式会社
製)37.5gを撹拌下に加えて混合後、実験室用三本
ロールミル(小平製作所製)にて、カーボンブラック粒
径が0.2μm以下となるまで分散した。粒径の測定は
コールターカウンターN4(コールターカウンター社
製)を用いた。前記得られた分散混合物に、中和剤とし
て酢酸16.7gを加えて十分に撹拌し、再度均一化し
た後、脱イオン水をゆっくりと加えながら高速ミキサー
で激しくかき混ぜながら水分散させて固形分濃度15重
量%の黒色のカチオン性ネガ型感光性塗料(X−3)水
溶液(カチオン電着型)を調製した。
【0098】
【合成例4】アニオン性ネガ型感光性塗 料(X−4)の合成 半エステル化物(x−9) 溶液の合成 「日石ポリブタジエンB−1000」(日本石油化学
(株)製、商品名、数平均分子量1,000、沃素価4
30、1,2−結合65%)1,000g、無水マレイ
ン酸554g、キシレン10gおよびトリメチルハイド
ロキノン3.0gを、温度計、撹拌装置、還流冷却管お
よび窒素吹き込み管を付けた3リットルのセパラブルフ
ラスコに仕込み、窒素下にて190℃で5時間反応させ
た。次いで未反応無水マレイン酸およびキシレンを留去
させ、全酸価400mgKOH/gのマレイン化ポリブタ
ジエンを得た。
【0099】得られたマレイン化ポリブタジエン400
g、ジエチレングリコールジメチルエーテル188.5
gおよびハイドロキノン0.4gを還流冷却管の付いた
2リットルのセパラブルフラスコに仕込み、80℃に昇
温し撹拌し均一にした。次いで2−ヒドロキシエチルア
クリレート165.6gおよびトリエチルアミン20g
を加え、同温度で2時間反応させ、マレイン化ポリブタ
ジエンの半エステル化物(x−9)溶液を得た。得られ
た半エステル化物(x−9)溶液の全酸価は105mgK
OH/gであり、不揮発分は75.0重量%であった。
【0100】アニオン性ネガ型感光 性塗料(X−4)の
合成 得られた半エステル化物(x−9)溶液500gに光重
合開始剤として、商品名「Irgacure907」
(チバ−ガイギー社製)27.0g、商品名「KAYA
CURE DETX」(日本化薬株式会社)3.0gお
よび商品名「カーボンブラック#5B」(三菱化成工業
株式会社製)37.5gを撹拌下に加えて混合後、実験
室用三本ロールミル(小平製作所製)にて、カーボンブ
ラック粒径が0.2μm以下となるまで分散した。粒径
の測定はコールターカウンターN4(コールターカウン
ター社製)を用いた。前記得られた分散混合物に、中和
剤としてトリエチルアミン33.7gを加えて十分に撹
拌し、再度均一化した後、脱イオン水をゆっくりと加え
ながら高速ミキサーで激しくかき混ぜながら水分散させ
て固形分濃度15重量%の黒色のアニオン性ネガ型感光
性塗料(X−4)水溶液(アニオン電着型)を調製し
た。
【0101】
【合成例5】カチオン性ポジ型感光性塗 料(X−5)の合成 カチオン性ポジ型感光性樹脂(x−2)500gをメチ
ルエチルケトン333.3gに溶解し、中和剤として酢
酸11.7gを加えて十分に撹拌して均一化した後、脱
イオン水をゆっくりと加えながら高速ミキサーで激しく
かき混ぜ、水分散させてカチオン性ポジ型感光性塗料
(X−5)水溶液(カチオン電着型)を調製した。
【0102】
【合成例6】アニオン性ポジ型感光性塗 料(X−6)の合成 アニオン性ポジ型感光性樹脂(x−5)溶液500gに
脱イオン水をゆっくりと加えながら高速ミキサーで激し
くかき混ぜ、水分散させてアニオン性ポジ型感光性塗料
(X−6)水溶液(アニオン電着型)を調製した。
【0103】
【合成例7】カチオン性ネガ型感光性塗 料(X−7)の合成 カチオン性樹脂(x−8)500gに、光重合開始剤と
して、商品名「Irgacure907」(チバガイギ
ー社製)27.0g及び商品名「KAYACURE D
ETX」(日本化薬(株)製)3.0gを撹拌下に加え
て混合した後、中和剤として酢酸16.7gを加えて十
分に撹拌し、再度均一化した後、脱イオン水をゆっくり
と加えながら高速ミキサーで激しくかき混ぜ、水分散さ
せてカチオン性ネガ型感光性塗料(X−7)水溶液(カ
チオン電着型)を調製した。
【0104】
【合成例8】アニオン性ネガ型感光性塗 料(X−8)の合成 半エステル化物(x−9)溶液500gに、光重合開始
剤として、商品名「Irgacure907」(チバガ
イギー社製)27.0g及び商品名「KAYACURE
DETX」(日本化薬(株)製)3.0gに、更に中
和剤としてトリエチルアミン33.7gを加えて十分に
撹拌し、再度均一化した後、脱イオン水をゆっくりと加
えながら高速ミキサーで激しくかき混ぜ、水分散させて
アニオン性ネガ型感光性塗料(X−8)水溶液(アニオ
ン電着型)を調製した。
【0105】
【合成例9】着色塗料(Y−1,Y−2 ,Y−3)の調製 カチオン性樹脂(x−8)溶液、光重合開始剤および顔
料を撹拌下に混合し、実験室用三本ロールミル(小平製
作所製)にて、顔料粒径が0.2μm以下となるまで分
散した。粒径の測定はコールターカウンターN4(コー
ルターカウンター社製)を用いた。得られた分散混合物
に、中和剤である酢酸を加えて充分に撹拌し、再度均一
化した後、脱イオン水をゆっくりと加えながら高速ミキ
サーで激しくかき混ぜながら水分散させて、固形分濃度
10重量%の着色塗料(Y−1,Y−2,Y−3)を調
製した。得られた3色の着色塗料(カチオン電着型)水
溶液の組成を表1に示す(表1中の数値はいずれも重量
部である)。
【0106】
【表1】
【0107】
【合成例10】着色塗料(Y−4,Y−5 ,Y−6)の調製 半エステル化物(x−9)溶液および顔料を撹拌下に混
合し、実験室用三本ロールミル(小平製作所製)にて、
顔料粒径が0.2μm以下となるまで分散した。粒径の
測定は、コールターカウンターN4(コールターカウン
ター社製)を用いた。次いで得られた分散混合物に、中
和剤であるトリエチルアミンを加えて充分に撹拌し再度
均一化した後、脱イオン水をゆっくりと加えながら高速
ミキサーで激しくかき混ぜながら水分散させて固形分濃
度10重量%の着色塗料(Y−4,Y−5,Y−6)を
調製した。得られた3色の着色塗料(アニオン電着型)
水溶液の組成を表2に示す(表2中の数値はいずれも重
量部である)。
【0108】
【表2】
【0109】
【合成例11】黒色塗料(Y−7)の調製 カチオン性樹脂(x−8)溶液500gに、光重合開始
剤として「Irgacure 907」(チバーガイギ
ー社製、商品名)27.0g、「KAYACURE D
ETX」(日本化薬(株)製、商品名)3.0gおよび
カーボンブラック#5B(三菱化成工業(株)製品)3
7.5gを撹拌下に加えて混合後、実験室用三本ロール
ミル(小平製作所製)にて、カーボンブラック粒径が
0.2μm以下となるまで分散した。粒径の測定は、コ
ールターカウンターN4(コールターカウンター社製)
を用いた。得られた分散混合物に、中和剤である酢酸1
6.7gを加えて充分に撹拌し、再度均一化した後、脱
イオン水をゆっくりと加えながら高速ミキサーで激しく
かき混ぜて水分散させ、固形分濃度15重量%の黒色塗
料(Y−7)(カチオン電着型)を調製した。
【0110】
【合成例12】黒色塗料(Y−8)の調製 半エステル化物(x−9)溶液500gに、光重合開始
剤として「Irgacure 907」(チバーガイギ
ー社製、商品名)27.0g、「KAYACURE D
ETX」(日本化薬(株)製、商品名)3.0gおよび
カーボンブラック#5B(三菱化成工業(株)製品)3
7.5gを撹拌下に加えて混合後、実験室用三本ロール
ミル(小平製作所製)にて、カーボンブラック粒径が
0.2μm以下となるまで分散した。粒径の測定は、コ
ールターカウンターN4(コールターカウンター社製)
を用いた。得られた分散混合物に、中和剤であるトリエ
チルアミン33.7gを加えて充分に撹拌し、再度均一
化した後、脱イオン水をゆっくりと加えながら高速ミキ
サーで激しくかき混ぜて水分散させ、固形分濃度15重
量%の着色塗料(Y−8)を調製した。
【0111】
【合成例13】紫外線硬化型感圧性接着剤 の合成 2−エチルヘキシルアクリレート80重量部、テトラヒ
ドロフルフリルアクリレート5重量部、アクリル酸15
重量部、α,α’−アゾビスイソブチロニトリル4重量
部およびトルエン200重量部の混合物を、窒素気流中
で撹拌しながら、80℃で8時間反応させ、共重合体溶
液を得た。次いで100℃まで昇温し、グリシジルメタ
クリレート5重量部、トリエチルベンジルアンモニウム
クロリド0.5重量部およびメトキノン0.1重量部の
混合液を30分間かけて滴下し、同温度で20時間反応
させてプレポリマーを得た。得られたプレポリマーに光
重合開始剤として、「Irgacure 907」(チ
バーガイギー社製、商品名)5重量部を添加して、紫外
線硬化型感圧性接着剤とした。
【0112】
【実施例1】表面にシリコーン樹脂層(50nm厚)を
有する厚さ1mmのガラス板に、スピンコート法によっ
て0.8μmのポリイミド膜を形成し、その上に200
nmの厚さとなるようにITO(インジウム−錫酸化
物)膜をスパッタリングで付けた基板(以下、原板1と
いう)を陰極とし、黒色のカチオン性ポジ型感光性塗料
(X−1)水溶液を入れたステンレススチール製ビーカ
ーを陽極として、直流電圧40V、25℃の条件で60
秒間電着した。原板1をイオン交換水で洗浄した後、8
0℃で5分間乾燥、冷却したところ粘着性のない膜厚2
μmの黒色の均一塗膜が形成された。
【0113】次いで図2に示す光透過率が4段階に異な
るパターンを有するポジマスクを該塗膜上に密着し、高
圧水銀ランプを有するUV露光装置((株)オーク製作
所製、商品名「JL−3300」)を使用して500m
J/cm2の紫外線を照射した。次に濃度0.3重量%の
メタ珪酸ナトリウム水溶液で現像したところ、ポジマス
クの光透過率の最も高い部分2に相当する黒色ポジ型感
光性塗料が選択的に除去され、ITO膜面が露出され
た。水洗、乾燥後、原板1を陰極とし、着色塗料(Y−
1)を入れたステンレススチール製ビーカーを陽極とし
て、直流電圧25Vを25℃で3分間印加し、電着し
た。原板1をイオン交換水で洗浄した後、80℃で5分
間乾燥し、常温で粘着性を示さない膜厚2μmの赤色の
着色層を形成した。次いで1.3重量%のメタ珪酸ナト
リウム水溶液で現像したところ、赤色の着色層および遮
光層に相当する黒色ポジ型感光性塗料部分には何の変化
も認められず、ポジマスクの光透過率が2番目に高い部
3に相当する黒色ポジ型感光性塗料が選択的に除去さ
れた。次に水洗、乾燥後、着色塗料(Y−1)の電着と
同様にして、着色塗料(Y−2)を、直流電圧25V、
25℃の条件で3分間電着した後、イオン交換水で洗浄
したところ、先に形成した赤色の着色層および遮光層に
相当する黒色ポジ型感光性塗料部 は全く変化が見ら
れず、緑色の着色層が形成された。80℃で5分間乾燥
し、次いで3.0重量%のメタ珪酸ナトリウム水溶液で
現像したところ、赤色および緑色の着色層に変化は認め
られず、また遮光膜となる黒色ポジ型感光性塗料部分に
も変化は認められず、ポジマスクの光透過率が3番目に
高い部分4に相当する黒色ポジ型感光性塗料が選択的に
除去された。次いで水洗、乾燥後、着色塗料(Y−1)
の電着と同様にして、着色塗料(Y−3)を、直流電圧
25V、30℃の条件で3分間電着した。原板1をイオ
ン交換水で洗浄したところ、先に形成した赤色、緑色の
着色層および遮光層に相当する黒色ポジ型感光性塗料部
分には全く変化が見られず、青色の着色層が形成され
た。80℃で5分間乾燥し、遮光層を有する着色層を得
た。
【0114】次いで得られた着色層、透明導電層および
配向膜を転写するための透明ガラス基板上に、合成例1
3で調製した紫外線硬化型感圧性接着剤を、スピンコー
ト法によって0.1μmとなるように塗布し、原板1の
着色層表面が前記接着剤に接触するように、ゴムローラ
を用いて圧着して着色層、透明導電層およびポリイミド
膜を転写し、原板1を剥離した。次いで更に硬化を完全
に行なわせるために、150℃で30分間焼き付けた。
着色層上面にITO膜(透明導電層)およびポリイミド
膜を有する透明性に優れた均一な着色層を有するカラー
フィルターが得られた。
【0115】
【実施例2】厚さ0.5mmのポリテトラフルオロエチ
レン表面を、回転ロール法によってラビングした後、該
表面上にスピンコート法によって0.5μmのポリイミ
ド膜を形成し、更にその上に150nmの厚さとなるよ
うにITO(インジウム−錫酸化物)膜をスパッタリン
グで付けた基板(以下、原板2という)を陽極とし、黒
色アニオン性ポジ型感光性塗料(X−2)水溶液を入れ
たステンレススチール製ビーカーを陰極として、直流電
圧45V、25℃の条件で2分間電着した。原板2をイ
オン交換水で洗浄した後、80℃で5分間乾燥したとこ
ろ粘着性のない膜厚1.8μmの黒色の均一塗膜が形成
された。
【0116】次いで図2に示す光透過率が4段階に異な
るパターンを有するポジマスクを該塗膜上に密着し、実
施例1と同様にUV露光装置を使用して500mJ/cm
2の紫外線を照射した。次に濃度0.5重量%のメタ珪
酸ナトリウム水溶液で現像したところ、ポジマスクの光
透過率の最も高い部分 に相当する黒色ポジ型感光性塗
料が選択的に除去され、ITO膜が露出された。水洗、
乾燥後、原板2を陰極とし、着色塗料(Y−1)を入れ
たステンレススチール製ビーカーを陽極として、直流電
圧30V、25℃の条件で3分間電着した。原板2をイ
オン交換水で洗浄した後、80℃で5分間乾燥し、赤色
の着色層を形成した。次いで1.5重量%のメタ珪酸ナ
トリウム水溶液で現像したところ、赤色の着色層および
遮光層に相当する黒色ポジ型感光性塗料部分には何ら変
化は認められず、ポジマスクの光透過率が2番目に高い
部分3に相当する黒色ポジ型感光性塗料が選択的に除去
された。次に水洗、乾燥後、着色塗料(Y−1)の電着
と同様にして、着色塗料(Y−2)を、直流電圧30
V、25℃の条件で3分間電着した後、原板2をイオン
交換水で洗浄したところ、先に形成した赤色の着色層お
よび遮光層に相当する黒色ポジ型感光性塗料部分には全
く変化が見られず、緑色の着色層が形成された。80℃
で5分間乾燥し、次いで4重量%のメタ珪酸ナトリウム
水溶液で現像したところ、赤色および緑色の着色層に変
化は認められず、また遮光層に相当する黒色ポジ型感光
性塗料部分にも変化は認められず、ポジマスクの光透過
率が3番目に高い部分 に相当する黒色ポジ型感光性塗
料が選択的に除去された。次いで水洗、乾燥後、着色塗
料(Y−1)の電着と同様にして、着色塗料(Y−3)
を、直流電圧30V、25℃の条件で3分間電着した。
原板2をイオン交換水で洗浄したところ、先に形成した
赤色、緑色の着色層および遮光層に相当する黒色ポジ型
感光性塗料部分には全く変化が見られず、青色の着色
形成された。80℃で5分間乾燥し、遮光層を有する
着色層を得た。
【0117】次いで透明ガラス基板上に、原板2の着色
層表面が接触するように、ラミネーター圧2kgf/c
2、ロール温度100℃、ラミネーター速度300m
m/分で着色層、透明導電層およびポリイミド膜を転写
し、原板2を剥がした。更に硬化を完全に行なわせるた
めに、160℃で20分間焼き付けた。着色層上面にI
TO膜(透明導電層)およびポリイミド膜を有し、透明
性に優れた均一な着色層を有するカラーフィルターが得
られた。
【0118】
【実施例3】実施例2で使用した基板と同一の基板(以
下、原板3という)を陰極とし、黒色のカチオン性ネガ
型感光性塗料(X−3)水溶液を入れたステンレススチ
ール製ビーカーを陽極として、直流電圧30V、25℃
の条件で、3分間電着した。原板3をイオン交換水で洗
浄した後、80℃で5分間乾燥、冷却したところ、粘着
性のない膜厚2μmの黒色の均一塗膜が形成された。
【0119】次いで図3に示す光透過率が4段階に異な
るネガマスクを該塗膜上に密着させ、高圧水銀ランプを
有するUV露光装置((株)オーク製作所製、商品名
「JL−3300」)を使用して500mJ/cm2の紫
外線を照射した後、濃度0.05重量%の乳酸水溶液で
現像したところ、ネガマスクの光透過率の最も低い部分
6に相当する黒色ネガ型感光性塗膜が選択的に除去さ
れ、ITO膜面が露出された。
【0120】水洗、乾燥後、原板3を陽極とし、着色塗
料(Y−4)を入れたステンレススチール製ビーカーを
陰極として、直流電圧25V、25℃の条件で、3分間
電着した。原板3をイオン交換水で洗浄した後、30℃
で5分間乾燥し、常温で粘着性を示さない膜厚2μmの
赤色の着色層が形成された。
【0121】次いで0.5重量%の乳酸水溶液で現像し
たところ、赤色の着色層および遮光層に相当する黒色ネ
ガ型感光性塗膜部分には何の変化も認められず、ネガマ
スクの光透過率の2番目に低い部分7に相 当する黒色ネ
ガ形感光性塗膜が除去された。
【0122】水洗、乾燥後、着色塗料(Y−4)の電着
と同様にして着色塗料(Y−5)を、直流電圧25V、
25℃の条件で、3分間電着した後、イオン交換水で洗
浄したところ、先に形成した赤色の着色層および遮光層
に相当する黒色ネガ型感光性塗膜部分には全く変化が見
られず、緑色の着色層が形成された。80℃で5分間乾
燥し、次いで3.0重量%の乳酸水溶液で現像したとこ
ろ、赤色および緑色の着色層に変化は認められず、また
遮光膜となる黒色ネガ型感光性塗膜部分にも変化は認め
られず、ネガマスクの光透過率の3番目に低い部分8に
相当する黒色感光性塗膜が除去された。
【0123】水洗、乾燥後、着色塗料(Y−4)の電着
と同様にして着色塗料(Y−6)を、直流電圧25V、
25℃の条件で、3分間電着した。原板3をイオン交換
水で洗浄したところ、先に形成した赤色、緑色の着色層
および遮光層に相当する黒色ネガ型感光性塗膜部分に
全く変化が見られず、青色の着色層が形成された。80
℃で5分乾燥し、遮光層を有する着色膜を得た。
【0124】次いで透明ガラス基板上に原板3の着色層
表面が接触するようにしてラミネーター圧2kgf/cm
2、ロール温度100℃、ラミネーター速度300mm/
分で着色膜、透明導電層およびポリイミド膜を転写し、
原板3をはがした。さらに硬化を完全に行なわせるた
め、160℃で20分間焼付け、着色層上面にITO膜
(透明導電層)およびポリイミド膜を有し透明性に優れ
た均一な着色層を有するカラーフィルターが得られた。
【0125】
【実施例4】実施例1で使用した基板と同一の基板(以
下、原板4という)を陽極とし、黒色のアニオン性ネガ
型感光性塗料(X−4)水溶液を入れたステンレススチ
ール製ビーカーを陰極として、直流電圧25V、25℃
の条件で3分間電着した。
【0126】原板4をイオン交換水で洗浄した後、80
℃で5分間乾燥、冷却したところ、粘着性のない膜厚
1.8μmの黒色の均一塗膜が形成された。
【0127】次いで図3に示す光透過率が4段階に異な
るネガマスクを該塗膜上に密着し、実施例1で用いたU
V露光装置を使用して600mJ/cm2の紫外線を照射
した。濃度0.1重量%の炭酸ナトリウム水溶液で現像
したところ、ネガマスクの光透過率の最も低い部分6に
相当する黒色ネガ型感光性塗膜が選択的に除去され、I
TO膜が露出された。
【0128】水洗、乾燥後、原板4を陰極とし、着色塗
料(Y−1)を入れたステンレススチール製ビーカーを
陽極として、直流電圧30V、25℃の条件で、3分間
電着した。原板4をイオン交換水で洗浄した後、80℃
で5分間乾燥し、赤色の着色層を形成した。次いで0.
75重量%の炭酸ナトリウム水溶液で現像したところ、
赤色の着色層および遮光層に相当する黒色ネガ型感光性
塗膜部分には何の変化も認められず、ネガマスクの光透
過率の2番目に低い部分7に相当する黒色ネガ型感光性
塗膜が除去されていた。
【0129】水洗、乾燥後、着色塗料(Y−1)の電着
と同様にして着色塗料(Y−2)を、直流電圧30V、
25℃の条件で、3分間電着した。原板4をイオン交換
水で洗浄したところ、先に形成した赤色の着色層および
遮光層に相当する黒色ネガ型感光性塗膜部分には全く変
化が見られず、緑色の着色層が形成された。80℃で5
分間乾燥し、次いで5重量%のメタ珪酸ナトリウム水溶
液で現像したところ、赤色および緑色の着色層に変化は
認められず、また遮光層に相当する黒色ネガ型感光性塗
膜部分にも変化は認められず、ネガマスクの光透過率の
3番目に低い部分8に相当する黒色ネガ型感光性塗膜が
除去された。
【0130】水洗、乾燥後、着色塗料(Y−1)の電着
と同様にして着色塗料(Y−3)を、直流電圧30V、
25℃の条件で、3分間電着した。原板4をイオン交換
水で洗浄したところ、先に形成した赤色、緑色の着色層
および遮光層に相当する黒色ネガ型感光性塗膜部分に
全く変化が見られず、青色の着色層が形成された。80
℃で5分間乾燥し、遮光層を有する着色膜を得た。
【0131】次いで合成例13で得た紫外線硬化型感圧
性接着剤をスピンコート法によって0.1μmに塗装し
た透明ガラス基板上に、原板4の着色層表面が接触する
ようにしてゴムローラーを用いて圧着して着色層、透明
導電層およびポリイミド膜を転写し、200mJ/cm2
の紫外線を照射した後、原板4をはがした。次いでさら
に硬化を完全に行なわせるため、150℃で30分間焼
付けた。着色層上面にITO膜(透明導電層)およびポ
リイミド膜を有する透明性に優れた均一な着色層を持っ
たカラーフィルターが得られた。
【0132】
【実施例5】厚さ0.5mmのポリテトラフルオロエチ
レン表面を、回転ロール法によってラビングした後、該
表面上にスピンコート法によって0.5μmのポリイミ
ド膜を形成し、更にその上に150nmの厚さとなるよ
うにITO(インジウム−錫酸化物)膜をスパッタリン
グで付けた基板(以下、原板5と称す)を陰極とし、カ
チオン性ポジ型感光性塗料(X−5)を入れたステンレ
ススチール製ビーカーを陽極として、直流電圧40V、
25℃の条件で60秒間電着した。原板5をイオン交換
水で洗浄した後、80℃で5分間乾燥、冷却したとこ
ろ、粘着性のない膜厚2μmの均一塗膜が形成された。
【0133】次いで図2に示す光透過率が4段階に異な
るポジマスクを該塗膜上に密着し、実施例1で用いたU
V露光装置を使用して200mJ/cm2の紫外線を照射
した。次いで濃度0.3重量%のメタ珪酸ナトリウム水
溶液で現像したところ、ポジマスクの光透過率の最も高
い部分に相当するポジ型感光性塗料が選択的に除去さ
れ、ITO膜が露出された。水洗、乾燥後、原板5を陰
極とし、着色塗料(Y−1)を入れたステンレススチー
ル製ビーカーを陽極として、直流電圧25V、25℃の
条件で、3分間電着した。原板5をイオン交換水で洗浄
した後、80℃で5分間乾燥し、常温で粘着性を示さな
い膜厚2μmの赤色の着色層を形成した。
【0134】次いで1.3重量%のメタ珪酸ナトリウム
水溶液で現像したところ、赤色の着色層および遮光層に
相当する部分のポジ型感光性塗膜部分には何の変化も認
められず、ポジマスクの光透過率の2番目に高い部分3
に相当する黒色ポジ型感光性塗膜が選択的に除去され
た。
【0135】水洗、乾燥後、原板5を陰極とし、着色塗
料(Y−2)を入れたステンレススチール製ビーカーを
陽極として、直流電圧25V、25℃の条件で、3分間
電着した。原板5をイオン交換水で洗浄したところ、先
に形成した赤色の着色層および遮光層に相当するポジ型
感光性塗膜部分には全く変化が見られず、緑色の着色
形成された。80℃で5分間乾燥し、次いで3.0重
量%のメタ珪酸ナトリウム水溶液で現像したところ、赤
色および緑色の着色層に変化は認められず、また遮光層
に相当するポジ型感光性塗膜部分にも変化は認められ
ず、ポジマスクの光透過率の3番目に高い部分4に相当
するポジ型感光性塗膜が選択的に除去された。
【0136】水洗、乾燥後、原板5を陰極とし、着色塗
料(Y−3)を入れたステンレススチール製ビーカーを
陽極として、直流電圧25V、25℃の条件で、3分間
電着した。原板5をイオン交換水で洗浄したところ、先
に形成した赤色、緑色の着色層および遮光層に相当する
ポジ型感光性塗膜部分には全く変化が見られず、青色の
着色層が形成された。80℃で5分間乾燥した。
【0137】次いで7.0重量%のメタ珪酸ナトリウム
水溶液で現像したところ、着色層に変化は認められず、
遮光層に相当する部分、即ちポジマスクの光透過率が最
も低い部分1に相当する部分のポジ型感光性塗膜が選択
的に除去された。
【0138】乾燥後、得られた着色層を硬化させるため
に、160℃にて20分間焼き付けた。
【0139】次いで原板5を陰極とし、45℃のニッケ
ルメッキ浴中にて0.1A/cmの電流密度で3分間電
気メッキを行った。水洗、乾燥して、非透光性(遮光
性)のニッケルメッキ層及び着色層を有する原板5を得
た。
【0140】次いで得られた着色層、ニッケルメッキ
層、透明電極層及び配向膜を転写するための透明ガラス
基板上に、合成例13で得られた紫外線硬化型感圧性接
着剤をスピンコート法によって0.1μmとなるように
塗布し、原板5の着色層表面が該接着剤表面と接触する
ようにして、ゴムローラーを用いて圧着し、着色層、ニ
ッケルメッキ層、透明導電層およびポリイミド膜を転写
し、原板5を剥離した。さらに硬化を完全に行なわせる
ため、150℃で30分間焼付け、着色層上面にITO
膜(透明導電層)およびポリイミド膜を有し、透明性に
優れた均一な着色層を有するカラーフィルターが得られ
た。
【0141】
【実施例6】厚さ0.5mmのポリテトラフルオロエチ
レン表面を、回転ロール法によってラビングした後、該
表面上にスピンコート法によって0.5μmのポリイミ
ド膜を形成し、更にその上に150nmの厚さとなるよ
うにITO(インジウム−錫酸化物)膜をスパッタリン
グで付けた基板(以下、原板6という)を陽極とし、ア
ニオン性ポジ型感光性塗料(X−6)水溶液を入れたス
テンレススチール製ビーカーを陰極として、直流電圧4
5V、25℃の条件で2分間電着した。原板2をイオン
交換水で洗浄した後、80℃で5分間乾燥したところ粘
着性のない膜厚2.0μmの均一塗膜が形成された。
【0142】次いで図2に示す光透過率が4段階に異な
るパターンを有するポジマスクを該塗膜上に密着し、実
施例1と同様にUV露光装置を使用して00mJ/cm
2の紫外線を照射した。次に濃度0.5重量%のメタ珪
酸ナトリウム水溶液で現像したところ、ポジマスクの光
透過率の最も高い部分2に相当するポジ型感光性塗料が
選択的に除去され、ITO膜が露出された。水洗、乾燥
後、原板6を陰極とし、着色塗料(Y−1)を入れたス
テンレススチール製ビーカーを陽極として、直流電圧3
0V、25℃の条件で3分間電着した。原板6をイオン
交換水で洗浄した後、80℃で5分間乾燥し、赤色の着
層を形成した。次いで1.5重量%のメタ珪酸ナトリ
ウム水溶液で現像したところ、赤色の着色層には何ら変
化は認められず、ポジマスクの光透過率が2番目に高い
部分3に相当するポジ型感光性塗料のみが選択的に除去
された。次に水洗、乾燥後、着色塗料(Y−1)の電着
と同様にして、着色塗料(Y−2)を、直流電圧30
V、25℃の条件で3分間電着した後、原板6をイオン
交換水で洗浄したところ、先に形成した赤色の着色層に
は全く変化が見られず、緑色の着色層が形成された。8
0℃で5分間乾燥し、次いで4重量%のメタ珪酸ナトリ
ウム水溶液で現像したところ、赤色および緑色の着色層
に変化は認められず、ポジマスクの光透過率が3番目に
高い部分4に相当するポジ型感光性塗料が選択的に除去
された。次いで水洗、乾燥後、着色塗料(Y−1)の電
着と同様にして、着色塗料(Y−3)を、直流電圧30
V、25℃の条件で3分間電着した。原板6をイオン交
換水で洗浄したところ、先に形成した赤色及び緑色の着
色層には全く変化が見られず、青色の着色層が形成され
た。
【0143】次いで80℃で5分間乾燥し、7.0重量
%のメタ珪酸ナトリウム水溶液で現像したところ、着色
層に変化は認められず、残存するカチオン性ポジ型感光
性塗料の塗膜、即ち光照射量が最も少ない部分1に相当
する感光性塗膜のみが選択的に除去された。着色塗料
(Y−1)の電着と同様にして、黒色塗料(Y−7)
を、30V、25℃の条件で3分間電着した後、イオン
交換水で洗浄して、80℃にて5分間乾燥し、冷却した
ところ、赤色、緑色、青色及び黒色の着色層を有する原
板6を得た。
【0144】次いで透明ガラス基板上に、原板6の着色
層表面が接触するようにして、ラミネーター圧2kgf
/cm、ロール温度100℃、ラミネーター速度300
mm/分で、着色層、透明導電層およびポリイミド膜を
転写し、原板6を剥がした。さらに硬化を完全に行なわ
せるため、160℃で20分間焼付け、着色層上面にI
TO膜(透明導電層)およびポリイミド膜を有し、透明
性に優れた均一な着色層を有するカラーフィルターが得
られた。
【0145】
【実施例7】実施例6で使用した基板と同一の基板(以
下、原板7という)を陰極とし、カチオン性ネガ型感光
性塗料(X−7)水溶液を入れたステンレススチール製
ビーカーを陽極として、直流電圧30V、25℃の条件
で、3分間電着した。原板7をイオン交換水で洗浄した
後、80℃で5分間乾燥、冷却したところ、粘着性のな
い膜厚2μmの黒色の均一塗膜が形成された。
【0146】次いで図3に示す光透過率が4段階に異な
るネガマスクを該塗膜上に密着させ、実施例1と同様の
UV露光装置を使用して00mJ/cm2の紫外線を照
射した後、濃度0.05重量%の乳酸水溶液で現像した
ところ、ネガマスクの光透過率の最も低い部分6に相当
ネガ型感光性塗膜が選択的に除去され、ITO膜面
が露出された。
【0147】水洗、乾燥後、原板7を陽極とし、着色塗
料(Y−4)を入れたステンレススチール製ビーカーを
陰極として、直流電圧25V、25℃の条件で、3分間
電着した。原板7をイオン交換水で洗浄した後、0℃
で5分間乾燥し、常温で粘着性を示さない膜厚2μmの
赤色の着色層が形成された。
【0148】次いで0.5重量%の乳酸水溶液で現像し
たところ、赤色の着色層および遮光層に相当するネガ型
感光性塗膜部分には何の変化も認められず、ネガマスク
の光透過率が2番目に低い部分7に相当するネガ型感光
性塗膜が除去された。
【0149】水洗、乾燥後、着色塗料(Y−4)の電着
と同様にして着色塗料(Y−5)を、直流電圧25V、
25℃の条件で、3分間電着した後、イオン交換水で洗
浄したところ、先に形成した赤色の着色層および遮光層
に相当するネガ型感光性塗膜部分には全く変化が見られ
ず、緑色の着色層が形成された。80℃で5分間乾燥
し、次いで3.0重量%の乳酸水溶液で現像したとこ
ろ、赤色および緑色の着色層に変化は認められず、また
遮光膜に相当する部分のネガ型感光性塗膜部分にも変化
は認められず、ネガマスクの光透過率の3番目に低い部
8に相当する感光性塗膜が除去された。
【0150】水洗、乾燥後、着色塗料(Y−4)の電着
と同様にして着色塗料(Y−6)を、直流電圧25V、
25℃の条件で、3分間電着した。原板7をイオン交換
水で洗浄したところ、先に形成した赤色、緑色の着色層
および遮光層に相当する部分のネガ型感光性塗膜部分に
は全く変化が見られず、青色の着色層が形成された。次
いで80℃で5分間乾燥し、7.0重量%の乳酸水溶液
で現像したところ、着色層に変化は認められず、残存す
るカチオン性ネガ型感光性塗料の塗膜、即ち光照射量が
最も多い部分5に相 当する感光性塗膜のみが選択的に除
去された。露出されたITO面を陽極とし、黒色塗料
(Y−8)を直流電流25V、25℃の条件で3分間電
着した後、原板7をイオン交換水で洗浄した後、80℃
にて5分間乾燥し、常温で粘着性を示さない膜厚2μm
の黒色の遮光層が形成され、黒色、赤色、緑色及び青色
の着色層を有する原板7を得た。
【0151】次いで透明ガラス基板上に原板7の着色層
表面が接触するようにして、ラミネーター圧2kgf/
cm2、ロール温度100℃、ラミネーター速度300mm
/分で着色層、透明導電層およびポリイミド膜を転写
し、原板7を剥がした。さらに硬化を完全に行なわせる
ため、160℃で20分間焼付け、着色層上面にITO
膜(透明導電層)およびポリイミド膜を有し透明性に優
れた均一な着色層を有するカラーフィルターが得られ
た。
【0152】
【実施例8】実施例6で使用した基板と同一の基板(以
下、原板8という)を陽極とし、黒色のアニオン性ネガ
型感光性塗料(X−8)水溶液を入れたステンレススチ
ール製ビーカーを陰極として、直流電圧25V、25℃
の条件で3分間電着した。
【0153】原板8をイオン交換水で洗浄した後、80
℃で5分間乾燥、冷却したところ、粘着性のない膜厚
1.8μmの黒色の均一塗膜が形成された。
【0154】次いで図3に示す光透過率が4段階に異な
るネガマスクを該塗膜上に密着し、実施例1で用いたU
V露光装置を使用して00mJ/cm2の紫外線を照射
した。濃度0.1重量%の炭酸ナトリウム水溶液で現像
したところ、ネガマスクの光透過率の最も低い部分6
相当するネガ型感光性塗膜が選択的に除去され、ITO
膜が露出された。
【0155】水洗、乾燥後、原板8を陰極とし、着色塗
料(Y−1)を入れたステンレススチール製ビーカーを
陽極として、直流電圧30V、25℃の条件で、3分間
電着した。原板8をイオン交換水で洗浄した後、80℃
で5分間乾燥し、赤色の着色層を形成した。次いで0.
75重量%の炭酸ナトリウム水溶液で現像したところ、
赤色の着色層および遮光層に相当するネガ型感光性塗膜
分には何の変化も認められず、ネガマスクの光透過率
の2番目に低い部分7に相当するネガ型感光性塗膜が除
去された。
【0156】水洗、乾燥後、着色塗料(Y−1)の電着
と同様にして着色塗料(Y−2)を、直流電圧30V、
25℃の条件で、3分間電着した。原板8をイオン交換
水で洗浄したところ、先に形成した赤色の着色層および
遮光層に相当するネガ型感光性塗膜部分には全く変化が
見られず、緑色の着色層が形成された。80℃で5分間
乾燥し、次いで5.0重量%のメタ珪酸ナトリウム水溶
液で現像したところ、赤色および緑色の着色層に変化は
認められず、また遮光層に相当するネガ型感光性塗膜部
分にも変化は認められず、ネガマスクの光透過率が3番
目に低い部分8に相当するネガ型感光性塗膜が除去され
た。
【0157】水洗、乾燥後、着色塗料(Y−1)の電着
と同様にして着色塗料(Y−3)を、直流電圧30V、
25℃の条件で、3分間電着した。原板8をイオン交換
水で洗浄したところ、先に形成した赤色、緑色の着色層
および遮光層に相当するネガ型感光性塗膜部分には全く
変化が見られず、青色の着色層が形成された。次いで8
0℃で5分間乾燥した後、7.0重量%のメタ珪酸ナト
リウム水溶液で現像したところ、着色層に変化は認めら
れず、残存部分(遮光層に相当する部分)の感光性塗
膜、即ち光照射量 が最も多い部分5に相当す るネガ型感
光性塗膜のみが選択的に除去された。乾燥後、得られた
着色層を硬化させるために160℃にて、20分間焼き
付けた。次いで原板8を陰極とし、45℃の銅メッキ浴
中にて0.1A/cmの電流密度で2.5分間電気メッ
キを行った。水洗、乾燥し、非透光性(遮光性)の銅メ
ッキ層及び着色層を有する原板8を得た。
【0158】次いで合成例13で得た紫外線硬化型感圧
性接着剤をスピンコート法によって0.1μmに塗装し
た透明ガラス基板上に、原板8の着色層表面が接触する
ようにしてゴムローラーを用いて圧着して着色層、銅メ
ッキ層、透明導電層およびポリイミド膜を転写し、20
0mJ/cm2の紫外線を照射した後、原板8を剥がし
た。次いでさらに硬化を完全に行なわせるため、150
℃で30分間焼付け、着色層上面にITO膜(透明導電
層)およびポリイミド膜を有する透明性に優れた均一な
着色層を持ったカラーフィルターが得られた。
【0159】
【実施例9】実施例6で使用した基板と同一の基板(以
下、原板9という)を陰極とし、カチオン性ネガ型感光
性塗料(X−7)水溶液を入れたステンレススチール製
ビーカーを陽極として、直流電圧30V、25℃の条件
で3分間電着した。
【0160】原板9をイオン交換水で洗浄した後、80
℃で5分間乾燥、冷却したところ、粘着性のない膜厚2
μmの均一塗膜が形成された。
【0161】次いで図3に示す光透過率が4段階に異な
るネガマスクを該塗膜上に密着し、実施例1で用いたU
V露光装置を使用して00mJ/cm2の紫外線を照射
した。次いで濃度0.05重量%の乳酸水溶液で現像し
たところ、ネガマスクの光透過率の最も低い部分6に相
当するネガ型感光性塗膜が選択的に除去され、ITO膜
が露出された。
【0162】水洗、乾燥後、原板9を陽極とし、着色塗
料(Y−4)を入れたステンレススチール製ビーカーを
陰極として、直流電圧25V、25℃の条件で、3分間
電着した。原板9をイオン交換水で洗浄した後、80℃
で5分間乾燥し、常温で粘着性を示さない膜厚2μmの
赤色の着色層を形成した。次いで0.5重量%の乳酸水
溶液で現像したところ、赤色の着色層および遮光層に相
当するネガ型感光性塗膜部分には何の変化も認められ
ず、ネガマスクの光透過率の2番目に低い部分7に相当
するネガ型感光性塗膜が除去された。
【0163】水洗、乾燥後、着色塗料(Y−4)の電着
と同様にして着色塗料(Y−5)を、直流電圧25V、
25℃の条件で、3分間電着した。原板9をイオン交換
水で洗浄したところ、先に形成した赤色の着色層および
遮光層に相当するネガ型感光性塗膜部分には全く変化が
見られず、緑色の着色層が形成された。80℃で5分間
乾燥し、次いで3.0重量%の乳酸水溶液で現像したと
ころ、赤色および緑色の着色層に変化は認められず、ま
た遮光層に相当するネガ型感光性塗膜部分5にも何の変
化も認められず、ネガマスクの光透過率が3番目に低い
部分8に相当するネガ型感光性塗膜が除去された。
【0164】水洗、乾燥後、着色塗料(Y−4)の電着
と同様にして着色塗料(Y−6)を、直流電圧25V、
25℃の条件で、3分間電着した。原板9をイオン交換
水で洗浄したところ、先に形成した赤色、緑色の着色層
および遮光層に相当する部分のネガ型感光性塗膜部分に
は全く変化が見られず、青色の着色層が形成された。次
いで80℃で5分間乾燥した後、7.0重量%の乳酸水
溶液で現像したところ、着色層に変化は認められず、残
存するカチオン性ネガ型感光性塗料、即ち光照射量の最
も多い部分5に相当 する感光性塗膜のみが選択的に除去
された。乾燥後、得られた着色層を硬化させるために1
60℃で20分間焼き付けた。
【0165】次いで原板9を陰極とし、45℃の銅メッ
キ浴中にて0.1A/cmの電流密度で2.5分間電気
メッキを行った。
【0166】水洗、乾燥して、非透光性(遮光性)の銅
メッキ層及び着色層を有する原板9を得た。
【0167】次いで合成例13で得た紫外線硬化型感圧
性接着剤をスピンコート法によって0.1μmに塗装し
た透明ガラス基板上に、原板9の着色層表面が接触する
ようにしてゴムローラーを用いて圧着して着色層、銅メ
ッキ層、透明導電層およびポリイミド膜を転写し、20
0mJ/cm2の紫外線を照射した後、原板9を剥がし
た。次いでさらに硬化を完全に行なわせるため、150
℃で30分間焼付け、着色層上面にITO膜(透明導電
層)およびポリイミド膜を有する透明性に優れた均一な
着色層を持ったカラーフィルターが得られた。
フロントページの続き (72)発明者 湯浅 仁士 神奈川県横浜市中区千鳥町8番地 日本石 油株式会社中央技術研究所内 (72)発明者 大月 裕 神奈川県横浜市中区千鳥町8番地 日本石 油株式会社中央技術研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A−1)配向膜を有し、且つ最外表面
    に透明導電層を有する基板の透明導電層上にポジ型感光
    性塗膜を形成し、少なくとも光透過率が3段階に異なる
    パターンを有するマスクを介して露光する工程と、 (B−1)該パターン部分のポジ型感光性塗膜を現像除
    去し、透明導電層を露出させ、露出した該導電層上に着
    色塗料を電着塗装し着色層を形成する操作を、マスクの
    光透過率の大きい順に対応するパターン部分について順
    次繰り返すことにより着色層を形成する工程と、 (Z−1)転写用基板上に、該着色層、透明導電層及び
    配向膜を転写する工程とを含むことを特徴とするカラー
    フィルターの製造法。
  2. 【請求項2】 (A−2)配向膜を有し、且つ最外表面
    に透明導電層を有する基板の透明導電層上にネガ型感光
    性塗膜を形成し、少なくとも光透過率が3段階に異なる
    パターンを有するマスクを介して露光する工程と、 (B−2)該パターン部分のネガ型感光性塗膜を現像除
    去し、透明導電層を露出させ、露出した該導電層上に着
    色塗料を電着塗装し着色層を形成する操作を、マスクの
    光透過率の小さい順に対応するパターン部分について順
    次繰り返すことにより着色層を形成する工程と、 (Z−2)転写用基板上に、該着色層、透明導電層及び
    配向膜を転写する工程とを含むことを特徴とするカラー
    フィルターの製造法。
  3. 【請求項3】 (A−1)配向膜を有し、且つ最外表面
    に透明導電層を有する基板の透明導電層上にポジ型感光
    性塗膜を形成し、少なくとも光透過率が3段階に異なる
    パターンを有するマスクを介して露光する工程と、 (B−1)該パターン部分のポジ型感光性塗膜を現像除
    去し、透明導電層を露出させ、露出した該導電層上に着
    色塗料を電着塗装し着色層を形成する操作を、マスクの
    光透過率の大きい順に対応するパターン部分について順
    次繰り返すことにより着色層を形成する工程と、 (C−1)光照射量が異なる露光部分のうち、少なくと
    も1箇所の部分のポジ型感光性塗膜を現像除去して露出
    した透明導電層上に選択的に金属層を形成する工程と、 (Z−3)転写用基板上に、該着色層、透明導電層、配
    向膜及び金属層を転写する工程とを含むことを特徴とす
    るカラーフィルターの製造法。
  4. 【請求項4】 (A−2)配向膜を有し、且つ最外表面
    に透明導電層を有する基板の透明導電層上にネガ型感光
    性塗膜を形成し、少なくとも光透過率が3段階に異なる
    パターンを有するマスクを介して露光する工程と、 (B−2)該パターン部分のネガ型感光性塗膜を現像除
    去し、透明導電層を露出させ、露出した該導電層上に着
    色塗料を電着塗装し着色層を形成する操作を、マスクの
    光透過率の小さい順に対応するパターン部分について順
    次繰り返すことにより着色層を形成する工程と、 (C−2)光照射量が異なる露光部分のうち、少なくと
    も1箇所の部分のネガ型感光性塗膜を現像除去して露出
    した透明導電層上に選択的に金属層を形成する工程と、 (Z−4)転写用基板上に、該着色層、透明導電層、配
    向膜及び金属層を転写する工程とを含むことを特徴とす
    るカラーフィルターの製造法。
  5. 【請求項5】 (A−1)配向膜を有し、且つ最外表面
    に透明導電層を有する基板の透明導電層上にポジ型感光
    性塗膜を形成し、少なくとも光透過率が3段階に異なる
    パターンを有するマスクを介して露光する工程と、 (B−1)該パターン部分のポジ型感光性塗膜を現像除
    去し、透明導電層を露出させ、露出した該導電層上に着
    色塗料を電着塗装し着色層を形成する操作を、マスクの
    光透過率の大きい順に対応するパターン部分について順
    次繰り返すことにより着色層を形成する工程と、 (C−1)光照射量が異なる露光部分のうち、少なくと
    も1箇所の部分のポジ型感光性塗膜を現像除去して露出
    した透明導電層上に選択的に金属層を形成する工程と、 (D−1)前記金属層上に着色塗料を電着塗装し、着色
    層を形成する工程と、 (Z−5)転写用基板上に、該着色層、透明導電層及び
    配向膜と、金属層及び該金属層上に形成した着色層とを
    転写する工程とを含むことを特徴とするカラーフィルタ
    ーの製造法。
  6. 【請求項6】 (A−2)配向膜を有し、且つ最外表面
    に透明導電層を有する基板の透明導電層上にネガ型感光
    性塗膜を形成し、少なくとも光透過率が3段階に異なる
    パターンを有するマスクを介して露光する工程と、 (B−2)該パターン部分のネガ型感光性塗膜を現像除
    去し、透明導電層を露出させ、露出した該導電層上に着
    色塗料を電着塗装し着色層を形成する操作を、マスクの
    光透過率の小さい順に対応するパターン部分について順
    次繰り返すことにより着色層を形成する工程と、 (C−2)光照射量が異なる露光部分のうち、少なくと
    も1箇所の部分のネガ型感光性塗膜を現像除去して露出
    した透明導電層上に選択的に金属層を形成する工程と、 (D−2)前記金属層上に着色塗料を電着塗装し、着色
    層を形成する工程と、 (Z−6)転写用基板上に、該着色層、透明導電層、配
    向膜及び金属層と、金属層及び該金属層上に形成した着
    色層とを転写する工程とを含むことを特徴とするカラー
    フィルターの製造法。
JP2287492A 1991-06-12 1992-02-07 カラーフイルターの製造法 Pending JPH0553010A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100532261B1 (ko) * 2001-06-18 2005-11-29 엔이씨 엘씨디 테크놀로지스, 엘티디. 액정 디스플레이 장치의 제조 방법

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