JPH0682186A - 親水性を有するアルミニウムフィン及び熱交換器 - Google Patents

親水性を有するアルミニウムフィン及び熱交換器

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JPH0682186A
JPH0682186A JP23564592A JP23564592A JPH0682186A JP H0682186 A JPH0682186 A JP H0682186A JP 23564592 A JP23564592 A JP 23564592A JP 23564592 A JP23564592 A JP 23564592A JP H0682186 A JPH0682186 A JP H0682186A
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JP
Japan
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aluminum fin
compound
hydrophilicity
hydrophilic
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Application number
JP23564592A
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English (en)
Inventor
Setsuo Taguchi
節男 田口
Mitsunori Okamoto
三宣 岡本
Motokichi Nakagawa
元吉 中川
Akira Morita
彰 森田
Kaoru Shimada
薫 島田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nikkei Techno Research Co Ltd
Nippon Light Metal Co Ltd
Toray Industries Inc
Original Assignee
Nikkei Techno Research Co Ltd
Nippon Light Metal Co Ltd
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 良好な親水性を有し、その効果が長時間持続
するアルミニウムフィン及び熱交換器を提供する。 【構成】 アルミニウムフィンは、アミド基を有する可
溶性重合体と、SO3 M基及び/またはOSO3 M基
(Mはアルカリ金属)を有する化合物、またはSO 3
基及び/またはOSO3 M基(Mはアルカリ金属)及び
他の親水基あるいは親水鎖を有する化合物とからなる混
合液を主とする塗料組成物を付与してなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、良好な親水性を有する
アルミニウムフィン及びそれを用いた熱交換器に関す
る。さらに詳しくは、親水性が良好でありかつその表面
効果が長時間持続するアルミニウムフィン及びそれを用
いた熱交換器に関する。
【0002】
【従来の技術とその課題】アルミニウムやその合金(以
下アルミニウム)は、軽量で優れた加工性及び熱伝導性
を有することから、冷房、冷暖房兼用型空調機の熱交換
器用フィン材料として広く利用されている。しかしなが
ら、アルミニウムあるいは腐食防止剤を塗布したアルミ
ニウム表面は、もともと水濡れ性(親水性)が乏しく、
空調機の冷房運転時に空気中の水分が凝縮してフィン表
面に球状に付着したり、フィン間にブリッジ状態で存在
する。このようにフィンに付着した水は、空気のスムー
ズな流れを妨げ、通風抵抗を増大させ、熱交換効率を低
下させる。また、さらに、凝縮水がフィン上に長期間滞
留すると、アルミニウムの水和物が生成して腐食が促進
される。
【0003】かかる問題に対して、フィン表面の親水性
を向上させて上記の問題を回避することを目的として、
表面に親水性の皮膜を形成する様々な試みがなされてい
る。たとえば、シリカやケイ酸塩等の無機物を混ぜてO
H基をもたせた塗料を塗布し、水なじみ良好な表面状態
とする方法がある。また、アクリル樹脂系の塗料や、親
水性重合体に界面活性剤を混合したもの等の有機物を塗
布する方法等がよく知られている。
【0004】しかしながら、無機物を含有する塗料を塗
布した場合は、親水性は比較的優れているものの、
(1)プレス加工時に金型磨耗を生じダイスを損傷する
という重大にして致命的ともいえる欠点がある。また、
アクリル樹脂系塗料を塗布した場合は、耐腐食性におい
ては好ましいものの親水性が低い欠点がある。さらに、
界面活性剤を混合した親水性重合体を塗布した場合は、
初期親水性は良好であるが、その性能が長時間持続しな
い欠点がある。
【0005】その他、水性熱硬化型アクリル/アミノプ
ラスト樹脂/水性エマルジョンシリコン樹脂,両性イオ
ン基を有する樹脂粒子及びアルカリ金属塩からなる皮膜
組成物(特開昭61−238864号公報)、水溶液中
で陽イオン性を呈する水溶液ポリアミド樹脂からなる皮
膜を形成したアルミニウムフィン(特開昭61−250
496号公報)、エポキシ系バインダ樹脂,親水性ポリ
アミド樹脂及びシリカ粒子からなる塗料組成物(特開昭
62−283161号公報)、アルカリ金属シリケー
ト,アミノアルコール,水溶性樹脂及び/または水溶性
シランカップリング剤を含有する親水性皮膜形成用処理
剤(特開昭63−57674号公報)、親水性アミド基
を有する合成高分子の皮膜を設けた蒸発器(特公昭61
−39589号公報)、カルボキシメチルセルロースの
金属塩、カルボキシメチルセルロースのアンモニウム
塩,N−メチロールアクリルアミドにポリアクリル酸及
びジルコニウム化合物を含有する配合物からなる親水処
理剤(特開平1−108231号公報)、ポリ酢酸ビニ
ル、水可溶性ナイロン、水溶性アミン樹脂からなる親水
性表面処理剤(特開平3−72562号公報)等多数の
提案がある。
【0006】しかしながら、これらの提案はいずれも
(2)親水性が充分ではなく、また(3)水に対する親
水性持続性が劣るという欠点があり、これまで満足でき
るものはなかった。本発明は、上述したような問題に鑑
み、良好な親水性を有し、その効果が長時間持続するア
ルミニウムフィン及び熱交換器を提供することを目的と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の親水性を有する
アルミニウムフィンは、アミド基を有する可溶性重合体
と、SO3 M基及び/またはOSO3 M基(Mはアルカ
リ金属)を有する化合物、またはSO3 M基及び/また
はOSO3 M基(Mはアルカリ金属)及び他の親水基あ
るいは親水鎖を有する化合物とからなる混合液を主とす
る塗料組成物を付与してなることを特徴とする。
【0008】ここで、塗料組成物は、たとえば、アミド
基を有する可溶性重合体とSO3 M基及び/またはOS
3 M基(Mはアルカリ金属)を有する化合物とからな
る混合液を70重量%以上含んでいる。また、可溶性重
合体は、たとえば、水、熱水またはアルコール類による
洗浄に対して40重量%以上の不溶出率を有している。
【0009】さらに、可溶性重合体は、たとえば、第3
級アミンを有するポリアミド、アミノアルキルピペラジ
ンとカルボン酸とからなるポリアミドを含有する重合
体、ポリオキシエチレン鎖を有するポリアミドを含有す
る重合体、またはN−アルコキシアルキル化ポリアミド
を含有する重合体である。さらに、SO3 M基を有する
化合物は、たとえば、アルキルスルホン酸塩またはパー
フルオロアルキルスルホン酸塩である。
【0010】さらに、OSO3 M基を有する化合物は、
たとえば、アルコール硫酸エステル塩またはアルキルエ
ーテル硫酸エステル塩である。また、上述のアルミニウ
ムフィンは、たとえば、流水がオーバーフローする浴槽
に100時間以上または300時間以上浸漬した後に
0.01ccの水を滴下した場合の水の広がりが6mm
以上である。
【0011】本発明の熱交換器は、アミド基を有する可
溶性重合体と、SO3 M基及び/またはOSO3 M基
(Mはアルカリ金属)を有する化合物、またはSO3
及びOSO3 M基(Mはアルカリ金属)及び他の親水基
あるは親水鎖を有する化合物とからなる混合液を主とす
る塗料組成物を付与してなる親水性を有するアルミニウ
ムフィンを用いている。
【0012】以下、本発明を詳細に説明する。本発明
は、アミド基を有する可溶性重合体と、SO3 M基及び
/またはOSO 3 M基を有する化合物、またはSO3
基及び/またはOSO3 M基及び他の構造の親水基ある
いは親水鎖を有する化合物との混合物を主とする特定の
塗料組成物を、アルミニウムフィンに付与することによ
り、高性能の水濡れ性(親水性)と水に対する親水持続
性(耐久耐水性)と良好な耐腐食性を達成したものであ
る。
【0013】従来から、アルミニウムの親水性を改良す
る目的で、有機高分子樹脂中に界面活性剤を混合する方
法があるが、親水性に寄与する界面活性剤が水により洗
い流されやすく、親水性能が長続きしない宿命的な欠点
があった。また、高度な親水性の要求に対して、樹脂自
身の親水性を高めると、当然ながら水に対して溶解や膨
潤しやすくなり、皮膜が極端に弱くなってしまう問題が
あった。本発明は、かかる問題を解決したもので、単な
る有機高分子樹脂中に界面活性剤を混入した従来のもの
とは全く異なるものである。
【0014】本発明でいうアミド基を有する可溶性重合
体(A)とは、ポリマ主鎖あるいは側鎖にアミド基を有
することを必須とするポリアミド系樹脂のことである。
好ましくは、アミド基に加えてポリマ主鎖あるいは側鎖
にヒドロキシル基、アルコキシ基、アミノ基、ポリオキ
シアルキレン鎖等の親水基あるいは親水鎖を有し、水、
熱水あるいはそれを主とする汎用溶媒に可溶であって、
液状として被処理体であるアルミニウムに付与できるも
のである。さらに、好ましくは、皮膜強度や耐熱性、皮
膜形成性、タックの発現等の塗料としての基本的性能の
点で、高重合度であって、かつ、可溶性を有するものが
好ましい。たとえば、(メタ)アクリルアミド、N−ア
ルコシキアルキル化ポリアミド、ポリオキシアルキレン
鎖を有するポリアミド、その他の各種水溶性ポリアミド
等を使用することができる。特に、第3級アミンを有す
るアミノアルキルピペラジン、ビスアミノアルキルピペ
ラジン等を主鎖に持つジアミンと二塩基酸とのポリアミ
ド、及びそれらとラクタム類との共重合ポリアミド類、
また、主鎖にポリオキシアルキレン鎖を有するジアミン
と二塩基酸とからなるポリアミド、及びそれらとラクタ
ム類との共重合ポリアミドが好ましく用いられる。もち
ろん、本発明はこれらのポリアミドに限られるものでは
なく、アミド基を有する各種重合体を用いることができ
る。
【0015】SO3 M基及び/またはOSO3 M基(M
はアルカリ金属)を有する化合物(B)としては、アル
キルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ア
ルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハ
ク酸塩、スルホコハク酸アルキルエステル塩等、また、
アルコール硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸エス
テル塩、硫酸化脂肪酸エステル、硫酸化オレフィン等の
SO3 M基及び/またはOSO3 M基を有する各種の化
合物が好ましく用いられる。この中で、C8 〜C17のア
ルキル基を有するものが特に好ましい。
【0016】また、本発明でいうSO3 M基及び/また
はOSO3 M基及び他の親水基あるいは親水鎖を有する
化合物(C)とは、SO3 M基及び/またはOSO3
基に加えてこれらの基以外の種類の親水基、親水鎖も有
するものである。つまり、一つの化合物内に、SO3
基あるいはOSO3 M基に加えて、これらとは異なる、
たとえばヒドロキシル基、アルコキシ基、アミノ基、カ
ルボキシル基、リン酸基、ポリオキシアルキレン鎖等の
親水基を有するもの、好ましくは係る親水基を二つ以上
含むものである。このような化合物としては、たとえば
アルキル硫酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレ
ンアルキルエーテル硫酸トリエタノールアミン、ポリオ
キシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルアミノ
スルホン酸塩等を使用することができる。なお、上記化
合物のアルキル基の水素原子をフッ素原子に置換した構
造を有するもの、特に好ましくはパーフルオロアルキル
基を有する化合物は、本発明の効果をさらに高めること
ができる。
【0017】アミド基を有する可溶性重合体(A)に対
する化合物(B)または化合物(C)の混合割合は、好
ましくは0.1〜100重量%、特に好ましくは1.0
〜50重量%に設定される。なお、可溶性重合体(A)
のアミド基の数と化合物(B)または化合物(C)のS
3 M基及び/またはOSO3 M基の数がほぼ当量とな
るよう混合割合を設定するのが本発明の効果上好まし
い。
【0018】本発明の特徴は、上述の可溶性重合体
(A)と化合物(B)または化合物(C)との組合せを
基本とする混合液を用い、これをアルミニウムフィンに
付与することにより、著しく良好な親水性を付与できる
こと、さらに、従来の界面活性剤使用の欠点であった水
に対する親水化有効成分の耐溶出性(耐久耐水性)を著
しく改良でき、もって優れた機能を有する熱交換器を提
供することにある。また、優れた塗料組成物を、水、熱
水、アルコール等の汎用溶媒に可溶で、液状の形で、ア
ルミニウムフィンに付与できることにある。
【0019】本発明の特筆すべきもう一つの特徴は、塗
料組成物がアルミニウム上に極薄い皮膜(たとえば0.
01ミクロンの皮膜厚さ)として存在するだけで、従来
の樹脂皮膜の10ミクロン以上の厚さのものと同等の親
水性を得ることができることである。したがって、たと
え水、熱水、アルコール等の汎用溶媒により洗浄され
て、アルミニウム板上の有効成分が極微量まで減少した
としても、好ましい親水性を発揮することができるの
で、長期間優れた親水性を持続することができる。
【0020】また、本発明は、可溶性重合体(A)と化
合物(B)または化合物(C)との混合物に架橋剤や硬
化剤を添加することにより、水、熱水、アルコール等の
汎用溶媒による洗浄に対して、さらに、有効成分の耐溶
出性を著しく改良できる。架橋剤や硬化剤としては、た
とえばユリア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、多
エポキシ樹脂、ブロックイソシアネート、ジルコニウム
化合物、アミン化合物等を使用することができる。
【0021】本発明が良好な親水性と耐久耐水性を有す
るメカニズムは必ずしも明らかでないが、可溶性重合体
(A)のアミド基と、化合物(B)または化合物(C)
のSO3 M基またはOSO3 M基との間で特殊な親和性
(吸引性)が発生するためと推定される。したがって、
アミド基を有しない重合体と化合物(B)または化合物
(C)とを配合した混合物は、初期親水性を有するもの
の耐水性の点では全く劣るものである。また、可溶性重
合体(A)とSO3 M基またはOSO3 M基を含む化合
物以外の親水化剤との組合せにおいても、同様に好まし
くない結果となる。
【0022】また、化合物(B)または化合物(C)に
おいて、アルキル基よりパーフルオロアルキル基を含有
するものが本発明の効果を高める上で好ましい。このメ
カニズムについても明らかではないが、フッ素原子の特
殊な作用によるものと推定している。これまで、親水性
ポリアミド樹脂を用いたアルミニウムフィン用の親水性
塗料の提案としては、アルコール可溶のナイロンの皮膜
を設けた蒸発器(特公昭61−39589号公報)、ポ
リ酢酸ビニル、水可溶性ナイロン、水溶性アミン樹脂か
らなる親水性表面処理剤(特開平3−72562号公
報)があるが、前者は、親水性に寄与するものがナイロ
ン(ポリアミド樹脂)自身であることから、親水性のレ
ベルが低く、また、水や熱水に対する耐溶出性に劣り、
耐久性において問題があった。後者も、親水性に寄与す
る成分が少ないことから、親水性のレベルが低い欠点が
あった。
【0023】本発明は、上述した特定の混合物を主とす
る特定の塗料組成物をアルミニウムフィンに付与するこ
とにあり、従来の提案とは構成においても、また、効果
においても全く異なるものである。上述したように、本
発明は、可溶性重合体(A)と化合物(B)または化合
物(C)との混合物を主とする塗料組成物を用いること
により達成されるものである。この塗料組成物には、本
発明の目的を著しく損なわない範囲で、その他の成分を
配合することも可能である。ここで、主とするとは、全
塗料組成物中における可溶性重合体(A)と化合物
(B)または化合物(C)との混合物の占める割合が、
好ましくは少なくとも50重量%、さらに好ましくは7
0重量%以上、特に好ましくは80重量%以上であるこ
とを意味する。
【0024】本発明の塗料組成物の親水性及び耐久耐水
性は、下記の方法により試験される。 (1)親水性 アルミニウム板にマイクロシリンジを用いて0.01c
cの水を滴下し、水の拡がり長さを測定する。判定基準
は次の通りである。なお、直径は、長径と短径の平均で
ある。
【0025】直径5mm未満:不良 直径5mm以上7mm未満:良 直径7mm以上:極めて良。 (2)耐久耐水性 流水量2リッター/分の水道水がオーバーフローする浴
槽内に処理物を100時間浸漬し、その後に上述の親水
性試験を行う。
【0026】本発明の塗料組成物を表面に付与したもの
は、これらの試験のいずれにおいても、水拡がり7mm
以上の親水性を有する。また、硬化剤あるいは架橋剤を
添加した組成物は、上述の耐久耐水性試験において、4
0重量%以上の耐溶出性を有する。塗料組成物の組合せ
の特に好ましい例としては、可溶性重合体(A)として
アミノアルキルピペラジンと二塩基酸とからなるポリア
ミドを含有する重合体、親水化剤(B)としてパーフル
オロアルキルスルホン酸ナトリウムを重量比でA/B=
90/10、硬化剤としてトリメチロールメラミンの混
合水溶液(塗料中におけるA/Bの配合割合:80重量
%)である。
【0027】本発明の塗料の好ましい皮膜厚さは、0.
001〜100ミクロン、さらに好ましくは0.01〜
10ミクロンに設定される。この皮膜は、好ましくは8
0℃以上、特に好ましくは100℃以上の温度で乾燥あ
るいは熱処理を施すことにより、好ましい初期親水性、
耐久耐水性を発現する。本発明の熱交換器は、係る塗料
組成物を付与されたアルミニウムフィンで構成されたも
のであり、フィンの表面あるいはフィン間に水滴が滞留
しにくい性能を有し、冷房効率の高いルームエアコンや
カーエアコン等の空調機として優れた機能を発揮し得
る。
【0028】
【実施例】以下、実施例によって本発明をさらに詳細に
説明する。実施例1 アルミニウム板をトリクロルエチレンに浸漬して脱油し
た後、エポキシ系の下地塗装剤を塗布し、150℃で5
分間乾燥して下地塗装剤処理アルミニウム板を準備し
た。
【0029】次に、アミド基を有する重合体としてアミ
ノエチルピペラジンと二塩基酸との縮合物にカプロラク
タムを共重合させたものを主とするポリアミド共重合体
(A)、SO3 M基を有する化合物としてパーフルオロ
オクチルスルホン酸ナトリウム(B)、硬化剤としてト
リメチロールメラミン樹脂(K)をそれぞれ用いて重量
比A/B/K=85/10/5となるよう混合攪拌し、
10%混合水溶液の塗料組成物を作製した(塗料組成物
中のA/Bの割合は95重量%)。この塗料組成物を上
述のアルミニウム板に塗布し、これを150℃で2分間
処理して厚さ約0.2ミクロンの皮膜を形成せしめた。
【0030】親水性を調べるために、係る処理アルミニ
ウム板上にマイクロシリンジを用いて0.01ccの水
滴を落とし、1分後のその広がりを調べた。その拡がり
は、直径約10mmであり、極めて優れた親水性を示し
た。親水性塗料を塗布しなかったもの(未処理品)は、
水滴の広がりが直径3〜4mmであり、丸い水滴として
存在した。
【0031】さらに、同処理アルミニウム板を水道水の
流水(2リットル/分)がオーバーフローする容器中に
500時間放置した。その後、同様の親水性試験を行っ
たところ、水滴の拡がりは直径約9mmであり、好まし
い耐久耐水性を示した。実施例2 アミド基を有する重合体としてポリオキシエチレン鎖を
有するジアミンと二塩基酸との縮合物にカプロラクタム
を共重合させたポリアミド共重合体(A)、SO3 M基
を有する化合物としてオクチルスルホン酸ナトリウム/
ステアリルスルホン酸ナトリウム/ポリオキシエチレン
アルキルエーテル硫酸トリエタノールアミン(B)、硬
化剤としてトリメチロールメラミン樹脂(K)をそれぞ
れ用いて重量比A/B/K=80/10/10となるよ
う混合攪拌し、10%混合水溶液の塗料組成物を作製し
た(塗料組成物中のA/Bの割合は95重量%)。
【0032】被処理体として、実施例1と同様の下地塗
装剤処理アルミニウム板を用い、上述の塗料組成物をナ
イフコータを用いて塗布し、これを150℃で2分間処
理して厚さ約0.1ミクロンの皮膜を形成せしめた。係
る処理アルミニウム板上に、マイクロシリンジを用いて
0.01ccの水滴を落とし、その広がりにより親水性
を調べたところ、その拡がりは直径約11mmであり、
極めて優れた親水性を示した。
【0033】さらに、同処理アルミニウム板を水道水の
流水(2リットル/分)がオーバーフローする容器中に
500時間放置した。その後、同様の親水性試験を行っ
たところ、水滴の拡がりは直径約10mmであり、好ま
しい耐久耐水性を示した。比較例1、2 実施例1と同じ下地塗装剤処理アルミニウム板を用い、
親水性塗料として、アルコール可溶性ポリアミド樹脂
(比較例1)、ポリ酢酸ビニル/水可溶性ナイロン/水
溶性アミン樹脂(比較例2)をナイフコータを用いて塗
布し、いずれも150℃で2分間処理し、厚さ約1.0
ミクロンの皮膜を形成せしめた。
【0034】係る処理アルミニウム板上にマイクロシリ
ンジを用いて、0.01ccの水滴を落としその広がり
により、親水性試験を行ったところ、その拡がりは比較
例1が直径約6mmであり、比較例2が直径約5mmで
あった。さらに、同処理アルミニウム板を水道水の流水
(2リットル/分)がオーバーフローする容器中に50
0時間放置し、その後、同様の親水性試験を行ったとこ
ろ、水滴の拡がりはいずれも直径約4mmであった。ま
た、係る流水洗浄により、塗料の大半が溶出することが
認められた。
【0035】
【発明の効果】本発明のアルミニウムフィンは、高性能
の水濡れ性(親水性)を有するので、フィンの表面ある
いはフィン間に水滴が滞留しにくく、冷房効率及び耐久
耐水性が良好である。また、本発明の熱交換器は、上述
のアルミニウムフィンを備えているので、冷房効率及び
耐久耐水性が良好であり、ルームエアコン、カーエアコ
ン等の空調機の機能を大幅に改善できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡本 三宣 滋賀県大津市園山1丁目1番1号 東レ株 式会社滋賀事業場内 (72)発明者 中川 元吉 名古屋市千種区露ケ丘1−7−19 (72)発明者 森田 彰 静岡県庵原郡蒲原町蒲原1丁目34番1号 株式会社日軽技研内 (72)発明者 島田 薫 静岡県庵原郡蒲原町蒲原1丁目34番1号 株式会社日軽技研内

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アミド基を有する可溶性重合体と、SO3
    M基及び/またはOSO3 M基(Mはアルカリ金属)を
    有する化合物とからなる混合液を主とする塗料組成物を
    付与してなることを特徴とする親水性を有するアルミニ
    ウムフィン。
  2. 【請求項2】アミド基を有する可溶性重合体と、SO3
    M基及び/またはOSO3 M基(Mはアルカリ金属)及
    び他の親水基あるいは親水鎖を有する化合物の混合液を
    主とする塗料組成物を付与してなることを特徴とする親
    水性を有するアルミニウムフィン。
  3. 【請求項3】前記塗料組成物は、アミド基を有する前記
    可溶性重合体とSO3 M基及び/またはOSO3 M基
    (Mはアルカリ金属)を有する前記化合物とからなる前
    記混合液を70重量%以上含んでいる請求項1または2
    に記載の親水性を有するアルミニウムフィン。
  4. 【請求項4】前記可溶性重合体は、水、熱水またはアル
    コール類による洗浄に対して40重量%以上の不溶出率
    を有している請求項1,2または3に記載の親水性を有
    するアルミニウムフィン。
  5. 【請求項5】前記可溶性重合体は、第3級アミンを含有
    するポリアミドである請求項1,2,3または4に記載
    の親水性を有するアルミニウムフィン。
  6. 【請求項6】前記可溶性重合体は、アミノアルキルピペ
    ラジンとジカルボン酸とからなるポリアミドを含有する
    重合体である請求項1,2,3または4に記載の親水性
    を有するアルミニウムフィン。
  7. 【請求項7】前記可溶性重合体は、ポリオキシエチレン
    鎖を有するポリアミドを含有する重合体である請求項
    1,2,3または4に記載の親水性を有するアルミニウ
    ムフィン。
  8. 【請求項8】前記可溶性重合体は、N−アルコキシアル
    キル化ポリアミドを含有する重合体である請求項1,
    2,3または4に記載の親水性を有するアルミニウムフ
    ィン。
  9. 【請求項9】SO3 M基を有する前記化合物は、アルキ
    ルスルホン酸塩である請求項1,2,3,4,5,6,
    7または8に記載の親水性を有するアルミニウムフィ
    ン。
  10. 【請求項10】SO3 M基を有する前記化合物は、パー
    フルオロアルキルスルホン酸塩である請求項1,2,
    3,4,5,6,7または8に記載の親水性を有するア
    ルミニウムフィン。
  11. 【請求項11】OSO3 M基を有する前記化合物は、ア
    ルコール硫酸エステル塩である請求項1,2,3,4,
    5,6,7,8,9または10に記載の親水性を有する
    アルミニウムフィン。
  12. 【請求項12】OSO3 M基を有する前記化合物は、ア
    ルキルエーテル硫酸エステル塩である請求項1,2,
    3,4,5,6,7,8,9または10に記載の親水性
    を有するアルミニウムフィン。
  13. 【請求項13】流水がオーバーフローする浴槽に100
    時間以上浸漬した後に0.01ccの水を滴下した場合
    の水の拡がりが6mm以上である1,2,3,4,5,
    6,7,8,9,10,11または12に記載の親水性
    を有するアルミニウムフィン。
  14. 【請求項14】流水がオーバーフローする浴槽に300
    時間以上浸漬した後に0.01ccの水を滴下した場合
    の水の広がりが6mm以上である1,2,3,4,5,
    6,7,8,9,10,11または12に記載の親水性
    を有するアルミニウムフィン。
  15. 【請求項15】アミド基を有する可溶性重合体とSO3
    M基及び/またはOSO3 M基(Mはアルカリ金属)を
    有する化合物とからなる混合液を主とする塗料組成物を
    付与してなる親水性を有するアルミニウムフィンを用い
    たことを特徴とする熱交換器。
  16. 【請求項16】アミド基を有する可溶性重合体と、SO
    3 M及び/またはOSO3 M基(Mはアルカリ金属)及
    び他の親水基あるいは親水鎖を有する化合物との混合液
    を主とする塗料組成物を付与してなる親水性を有するア
    ルミニウムフィンを用いたことを特徴とする熱交換器。
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