JPH0681670U - 塗布具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】空気を塗布液タンク内に簡単に侵入させて塗布
液タンク内を加圧することができ、使用時に塗布液タン
クを指先で押圧する必要がなくて製造コストの低い塗布
具を提供する。 【構成】塗布液タンク１の尾端部に塗布液タンク１の内
周面に気密に摺動するピストン５を先端側に弾発された
状態で配置し、撹拌操作によって撹拌子６がピストン５
に衝突すると、その衝撃でピストン５が尾端側に移動し
て塗布液タンク１内が減圧され、球状塗布体３が後退し
てチップ２から空気が塗布液タンク１内に侵入し、ピス
トン５が復元すると塗布液タンク１内が加圧されるよう
にする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、修正液や化粧液などの粘度の高い塗布液が充填された塗布具に関す るものである。

【０００２】

【従来の技術】

塗布体が球状の塗布具は、塗布液タンク内に粘度の高い塗布液が充填されると ともに撹拌子が配置されている。この塗布液タンクの先端に例えば先口を介して チップが取り付けられており、ボールペンと同様に、チップの先端からその一部 が先端から臨出した状態で球状塗布体が回転自由に抱持されている。そして、球 状塗布体をスプリングで弾発し、不使用時に、球状塗布体をチップの内向きの先 端縁に密着させ、球状塗布体とチップの先端縁で弁構造を構成して塗布液が吐出 しないようにしている。

【０００３】 使用時において、塗布液タンクを撹拌してから球状塗布体を塗布面に押し付け ると球状塗布体がスプリングの弾発力に抗して後退し、球状塗布体とチップの先 端縁との間に隙間ができるので、球状塗布体のチップ内の部分に付着した塗布液 が球状塗布体の回転に伴ってこの隙間を通ってチップの外側に出て塗布されるが 、塗布液の粘度が高いので、自然状態では塗布液が球状塗布体の表面に十分には 供給さない。このため、塗布液タンクを可撓性材によりブロー成形して変形可能 とし、使用時に塗布液タンクを指先で押圧して内部を加圧し、その圧力を利用し て塗布液を球状塗布体の表面に供給している。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

このように、使用時に塗布液タンクを指先で押圧して内部を加圧する必要があ るので操作が煩雑であり、しかも塗布液タンクを可撓性材によりブロー成形する ために製造コストが高くなる不具合がある。

【０００５】 そこで本考案は、空気を塗布液タンク内に簡単に侵入させて塗布液タンク内を 加圧することができ、使用時に塗布液タンクを指先で押圧する必要がなくて製造 コストの低い塗布具を提供することを目的とするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

かかる目的を達成するために、本考案は、球状塗布体がその一部がチップの先 端から臨出した状態で回転自由に抱持されるとともに、球状塗布体がスプリング で弾発されてチップの内向きの先端縁に接触し、チップが先端に接続された該塗 布液タンクに粘度の高い造膜性塗布液が充填されるとともに撹拌子が配置された 塗布具において、塗布液タンクの尾端部に塗布液タンクの内周面に気密に摺動す るピストンを先端側に弾発された状態で配置し、撹拌操作によって撹拌子がピス トンに衝突すると、その衝撃でピストンが尾端側に移動して塗布液タンク内が減 圧され、球状塗布体が後退してチップから空気が塗布液タンク内に侵入し、ピス トンが復元すると塗布液タンク内が加圧されるようにする。

【０００７】

【作用】

すなわち、塗布時には塗布液タンクを撹拌するが、この撹拌操作によって撹拌 子が塗布液タンクの尾端部の内周面に気密に摺動するピストンに衝突すると、そ の衝撃でピストンが尾端側に移動して塗布液タンク内が減圧される。従って、球 状塗布体が後退してチップから空気が塗布液タンク内に侵入するが、先端側に弾 発されたピストンが復元すると塗布液タンク内が加圧される。このため、使用時 に塗布液タンクを指先で押圧する必要がなく、従って、塗布液タンクを可撓性材 によりブロー成形する必要がなく、通常の硬質合成樹脂で射出成形できるので、 低コストで製造することができる。

【０００８】

【実施例】

以下に図面に示す実施例に基いて本考案を具体的に説明する。図１において、 チップ２は、ステンレスにて砲弾型に形成されており、チップ２先端のボールハ ウスに、直径が１．０mmφの超硬ボールからなる球状塗布体３がその一部がチッ プ２の先端から臨出した状態で回転自由に抱持されている。なお、チップ２は金 属パイプからなるものであってもよい。チップ２内には、バネ力が４０ｇの小さ なスプリング４が配置されており、このスプリング４が球状塗布体３を弾発して チップ２の内向きの先端縁 21 に圧接させ、球状塗布体３とチップ２の先端縁 2 1 で弁機構を構成している。そして、チップ２が塗布液タンク１の先端開口に接 続されている。

【０００９】 塗布液タンク１は、通常の硬質合成樹脂で射出成形されたものであり、尾端側 が開口しているが、可撓性材によりブロー成形したものに比べて製造コストが低 くなっている。そして、塗布液タンク１内部からチップ２にかけて、例えば粘度 が３０〜４０ｃｐｓであって造膜性の高い修正液である塗布液（図示略）が充填 されており、また、質量の大きな撹拌子６が配置されている。

【００１０】 塗布液タンク１の尾端部にはピストン５がバネ７で先端側に弾発された状態で 配置されている。ピントン５は、塗布液タンク１の内周面に密着して気密状態で 摺動可能であり、塗布液が塗布液タンク１の尾端開口から流出しないようになっ ている。

【００１１】 しかして、使用に際しては、先ず塗布液タンク１を撹拌し、放置によって顔料 と溶媒が分離状態にある塗布液を撹拌子６で均一にするが、この撹拌操作によっ て撹拌子６がピストン５に衝突すると、その衝撃でピストン５が尾端側に移動し て塗布液タンク１の内容積が増加するので内部が減圧される。従って、球状塗布 体３が後退してチップ２の先端縁 21 との間に隙間ができて空気が塗布液タンク １内に侵入するが、撹拌操作を終るとバネ７で先端側に弾発されたピストン５が 復元する。つまり、空気が侵入した状態で塗布液タンク１の内容積が小さくなっ て元に戻るので、塗布液タンク１内が加圧される。

【００１２】 このように、撹拌操作によって空気が容易に塗布液タンク１内に侵入し、塗布 液タンク１内が加圧される。従って、塗布液が球状塗布体３に十分に供給される ので、塗布液タンク１を指先で押圧する必要がなく、ボールペンで筆記する要領 で確実に塗布することができる。

【００１３】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案の塗布具は、塗布液タンクの尾端部に塗布液タン クの内周面に気密に摺動するピストンを先端側に弾発された状態で配置し、撹拌 操作によって球状塗布体が後退してチップから空気が塗布液タンク内に侵入し、 ピストンが復元すると塗布液タンク内が加圧されるようにしたので、使用時に塗 布液タンクを指先で押圧する必要がなく、更には、塗布液タンクを可撓性材によ りブロー成形する必要がなく、通常の硬質合成樹脂で射出成形できるので、低コ ストで製造することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案実施例の断面図である。

【符号の説明】

１ 塗布液タンク ２ チップ ２１ チップの先端縁 ３ 球状塗布体 ４ スプリング ５ ピストン ６ 撹拌子 ７ バネ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 球状塗布体がその一部がチップの先端か
   ら臨出した状態で回転自由に抱持されるとともに、該球
   状塗布体がスプリングで弾発されてチップの内向きの先
   端縁に接触し、該チップが先端に接続された該塗布液タ
   ンク内に粘度の高い造膜性塗布液が充填されるとともに
   撹拌子が配置された塗布具であって、前記塗布液タンク
   の尾端部に塗布液タンクの内周面に気密に摺動するピス
   トンが先端側に弾発された状態で配置され、撹拌操作に
   よって該撹拌子が該ピストンに衝突すると、その衝撃で
   該ピストンが尾端側に移動して塗布液タンク内が減圧さ
   れ、該球状塗布体が後退して該チップから空気が塗布液
   タンク内に侵入し、該ピストンが復元すると塗布液タン
   ク内が加圧されることを特徴とする塗布具。