JPH0680574A - 間接的癌治療剤 - Google Patents

間接的癌治療剤

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JPH0680574A
JPH0680574A JP28863891A JP28863891A JPH0680574A JP H0680574 A JPH0680574 A JP H0680574A JP 28863891 A JP28863891 A JP 28863891A JP 28863891 A JP28863891 A JP 28863891A JP H0680574 A JPH0680574 A JP H0680574A
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cancer
inoculation
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Kiichiro Ozaki
紀一郎 尾崎
Chikatoyo Naitou
周豊 内藤
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高抗結核菌免疫を保有する癌患者に対する、
きわめて有効でかつ有意な副作用を伴わない癌治療剤を
提供することにある。 【構成】 BCG の接種およびアジュバントとしての百日
咳ワクチンの接種により生じた高抗菌免疫状態の癌患者
用の癌治療剤であって、アラビノースおよびマンノース
よりなる多糖体を主成分とし高結核免疫に対し特異性を
有するBCG 抽出多糖体またはBCG と免疫学的に同一性状
を有するヒト型結核菌抽出多糖体を有効成分とする間接
的癌治療剤。 【効果】 微量の投与により高い効果がえられ、しかも
副作用を起す要因が全く存在しないため、長期間の連続
投与が可能になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は抗腫瘍作用を示す細菌BC
G に対する抗菌免疫を抗癌作用に利用する間接的作用に
よる癌治療剤に関するものであって、BCG またはそれと
免疫学的に同一性状を有する細菌抽出多糖体を有効成分
とするものである。
【0002】
【従来の技術】抗腫瘍作用を示す細菌は免疫を利用して
癌治療剤となっているが、その免疫に限度があると同
様、抗癌作用にも限度があり、また副作用の発現は不可
避である。そのため細菌性の抗癌作用は有効であるにも
かかわらず、それを合理的効果的に利用する途はいまだ
開かれていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は高抗結核菌免
疫を保有する癌患者に対する、きわめて有効でかつ有意
な副作用を伴わない癌治療剤を提供することを目的とす
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、BCG
の接種およびアジュバントとしての百日咳ワクチンの接
種により生じた高抗結核菌免疫状態の癌患者用の癌治療
剤であって、アラビノースおよびマンノースよりなる多
糖体を主成分とし高結核免疫に対し特異性を有するBCG
抽出多糖体またはBCG と免疫学的に同一性状を有するヒ
ト型結核菌抽出多糖体を有効成分とする間接的癌治療剤
に関するものである。
【0005】
【作用】BCG が抗腫瘍作用を発揮する細菌である事実は
周知であり、その抗腫瘍作用は特異的な抗菌免疫に付随
して発現する抗腫瘍性の細胞性免疫反応の結果である。
このばあい、結核菌免疫が上限に達すれば抗菌防衛の免
疫が成立し、抗菌性の細胞性免疫反応は消退しこれとと
もに抗腫瘍性の細胞反応も消滅する。
【0006】このような免疫における抗腫瘍作用の現象
から推測すれば、抗結核菌免疫には抗腫瘍性の免疫要因
を潜在させている可能性が考えられる。したがって、こ
のような抗腫瘍性の免疫要因を発現させる機序があれ
ば、それは癌治療剤に利用することができる。
【0007】そうした機序の存在は実験的に証明可能で
ある。それにはまず高抗結核菌免疫の状態が必要であ
り、それは乾燥BCG ワクチン(日本薬局方)とアジュバ
ントとしての百日咳ワクチン(日本薬局方)の接種によ
って容易にえられる。つぎにこの抗菌免疫を抗腫瘍作用
に関連づける要因としてのBCG 抽出多糖体が必要であ
る。
【0008】本発明者らは、後述するごとく、つぎのよ
うな実験により前記機序を確認した。すなわち、マウス
をBCG で免疫しツベルクリン反応陽性となし、つぎにBC
G(日本薬局方)と百日咳ワクチン(日本薬局方)を接種
するとツベルクリン反応陽性以上の高い抗菌免疫として
抗多糖体免疫がえられた。結核免疫はアレルギーの基盤
のもとで高い免疫が発生するので、そのためにはツベル
クリン反応陽性の前過程が必要である。この高抗菌免疫
のマウスにエールリツヒ癌を移植し、つづいてBCG 抽出
多糖体の微量を1〜2日間隔で連続接種すると顕著な抗
腫瘍作用が発現し、移植癌の増殖抑制・腫瘍の完全退縮
・生存防衛の効果が見られた。このような抗腫瘍効果は
高抗結核菌免疫を条件とした多糖体の作用によって発現
した現象であり、多糖体からみれば間接的な抗癌作用を
意味している。なお、この多糖体には直接的な抗腫瘍作
用は認められず、また多糖体自体は抗原能力を有しな
い。
【0009】本発明における抗腫瘍作用は高抗結核菌免
疫に由来するが、この免疫は抗多糖体免疫でもあるの
で、これに対してBCG 抽出多糖体は微量でも免疫特異性
を介して免疫学的に密接な関連性をもっている。
【0010】したがって、高抗結核菌免疫の個体に対し
多糖体の微量が投与されたばあいには癌抑制に関与する
免疫機序の発生が考えられ、細胞性免疫反応による抗腫
瘍作用の現象が招来されたものと認められる。高抗菌免
疫の存在において多糖体の微量が投与されれば顕著な抗
腫瘍作用が発現するのは事実である。
【0011】このような多糖体は結核免疫における免疫
学的特異性の多糖体である。したがってその作用は、こ
の特異性を受け入れる免疫機構の場において初めて発揮
されるのであり、抗腫瘍作用の発現は適用投与量に対す
る結果としての現象である。
【0012】
【実施例】本発明の癌治療剤の有効成分である多糖体
は、アラビノースおよびマンノースよりなる多糖体を主
成分とするBCG 抽出多糖体、またはBCG と同じくマイコ
バクテリウム(mycobacterium )に属し温血動物に病原
性を有するヒト型結核菌抽出の多糖体である。この結核
菌菌型間抽出多糖体の示す同一の免疫学的特異性は、ミ
ドルブルック- デュボス(Middlebrook-Dubos) の赤血球
凝集反応(多糖体感作緬羊赤血球に対する凝集反応)に
おいてそれぞれの免疫血清に対して発現する交叉反応に
よって証明されている。
【0013】ミドルブルックらの実験に使用された多糖
体はヒト型結核菌を材料としてフェノールによる化学的
抽出物であるが、BCG を材料としても同様な結果がえら
れる。交叉反応に使用される抗BCG 血清はBCG の静注感
作による高免疫のウサギ抗血清であり、赤血球凝集反応
によって多糖体抗体が証明される。抽出多糖体はこのよ
うな個体に対しては免疫特異性の多糖体を意味してい
る。
【0014】このように多糖体抗体を含む高抗結核菌免
疫血清に対し反応抗原として反応する多糖体は、発明者
の経験によれば後述する熱水抽出法によっても同様にえ
られる。このBCG 抽出またはヒト型菌抽出の多糖体も、
おのおのの抗結核菌免疫血清に対して交叉的に反応す
る。
【0015】すなわち、抽出多糖体はBCG 抽出でもヒト
型菌抽出でも結核免疫に対する免疫学的特異性は同一で
あり、多糖体抗体を含む高結核免疫の個体に対しては免
疫学的に特異性を有し、この特異性は耐熱性である。こ
のような特異性を有する多糖体は、その特異性によって
抗腫瘍作用に関係している。
【0016】BCG 接種による抗腫瘍作用の発生機序は、
網内系の亢進による非特異的効果のほかに腫瘍細胞に対
する特異的の細胞性免疫反応が指摘されている。発明者
らの実験に徴すれば、この特異性は腫瘍細胞に対して先
天的生物学的に結核菌分画多糖体に存在する特異性であ
る。BCG 接種による抗菌性の細胞性免疫反応は、この特
異性によって腫瘍が存在すれば抗腫瘍性の細胞性免疫反
応を出現させ、抗腫瘍作用となる。
【0017】また多糖体抗体を含む高抗結核菌免疫の個
体に対し、このような特異性を有する多糖体が投与され
るばあい、腫瘍が存在すれば多糖体は本来の結核免疫に
対する特異性を介して腫瘍細胞に対する特異性を発揮
し、抗菌性の免疫を抗腫瘍性の細胞性免疫反応として発
現させ、抗腫瘍作用が出現する。その発生機序は、基本
的にはBCG 直接の抗腫瘍作用の機序と全く同様である。
しかし、反応は一過性となる。このような特異性多糖体
の適用によって既存の高結核免疫をもっとも効率的に癌
治療に利用することができる。本発明が利用する作用機
序は高結核免疫に対しまた腫瘍細胞に対して特異性を有
する多糖体が発揮する免疫機構であるから、多糖体は化
学構造だけで決定されるものではない。
【0018】BCG からの多糖体の抽出は、ヒト型結核菌
からの抽出方法として公知の方法[たとえば薬学雑誌、
第101 巻、第8号、713 〜722 頁(昭和56年)参照]を
そのまま適用して行なうことができる。
【0019】多糖体の投与によって発現するこのような
抗腫瘍作用は、抗菌免疫を抗癌作用に活用する間接的機
序によるものであり、多糖体は臨床的には間接的癌治療
剤である。したがって、直接的な抗癌作用による一般の
癌治療剤とはその用途において明確に区別され、その適
用様式も特有であり、微量投与の皮下接種および長期連
続接種が有効可能である。
【0020】特異性を有する多糖体は微量でも多糖体抗
体に対する赤血球凝集反応阻止能力があるので、その多
量投与は却って多糖体抗体の減少、免疫の低下、抗腫瘍
作用の低下になる。多糖体はこのような関係において投
与され、その特異性によって抗腫瘍性の細胞性免疫反
応、すなわち抗腫瘍作用が発現しているので、多糖体の
適用量はこの要約に対する適用量となり、それは一定量
の微量に限定される。適用量は動物実験から換算すると
ヒトでは1日0.2 μg 〜2.0 μg の程度であり、この微
量はこの抗癌作用の発現にもっとも効果的な投与量とな
っている。
【0021】また実験における長期連続接種による効果
の現象から、抗腫瘍作用は一過性であり効果を確保する
ためには1〜2日間隔の長期接種が必要である。治療を
中止すれば抗腫瘍作用は発現しなくなる。
【0022】BCG(日本薬局方)は一般に広く使用されて
おり、その抽出多糖体には毒性はなく副作用を起す要因
は全くない。ddy マウスに10mg/kg の多糖体接種におい
ても変化は認められない。したがって抗菌免疫の存続す
るかぎり治療効果は期待でき、長い癌病理の過程に対抗
して効果をあげることができる。
【0023】本発明の癌治療剤は薬理学的に許容しうる
通常の賦形剤を用いて注射剤の形で非経口投与する。
【0024】本発明の間接的癌治療剤の臨床は容易に実
現可能である。ヒトは多くすでにツベルクリン反応陽性
であるので、更にBCG(12mg) と百日咳ワクチン(0.5ml)
をそれぞれ小児予防量で接種することにより長く持続す
る結核免疫(抗多糖体免疫)が発生し、この高抗結核菌
免疫の状態のもとで抽出多糖体が前記の適用量適用法で
投与される。なお、多糖体の接種は百日咳ワクチン接種
後1ヵ月を経て開始する。この期間は免疫の上昇の期間
であると共にBCG の直接的抗腫瘍作用発現の期間でもあ
り、これを避けるためである。
【0025】本発明者自身の10年前の経験であるが、前
記BCG (小児予防量)の皮内接種によってアレルギーの
発赤腫脹が発現したのでBCG 接種4日後に前記百日咳ワ
クチン(小児予防量)を皮下に接種したがなお潰瘍の発
生が見られた。これはストレプトマイシンの併用あるい
はBCG と百日咳ワクチンの接種間隔を長くすることによ
って回避できる。しかし、多糖体に対する抗体価は20倍
(8倍以上が陽性とされる)程度に発現し長く継続し9
年後もなお10〜20倍の陽性を示した。この高抗菌免疫は
前記のとおり多糖体の微量連続投与によって発現する顕
著な抗癌効果の要因となる。
【0026】なお、当時発明者(78才)は前立腺の觸
診、不定難治性の肛門会陰痛、カヘキシー様の顔貌、CE
A 値の上昇などの症状から前立腺の癌を疑い、前記BCG
の接種につづく百日咳ワクチンの接種1ヵ月後から現在
治療薬となっているゼリア新薬工業(株)製のヒト型結
核菌抽出多糖体S.S.M.(2.0μg と0.2 μg)を交互隔日に
皮下に接種した。この処置は継続4年に及んだが、その
間全く副作用は見られなかった。
【0027】症状はBCG 接種後から回復し始めCEA 値の
下降その他の症状も急速に回復し、5ヵ月後には愁訴は
完全に消失し、健康を回復した。治療開始後4年有余で
前立腺肥大の手術を受けたとき癌を疑われたが、癌細胞
は検出されなかった。このような臨床過程において特異
性多糖体に関する新しい用途が経験され、本発明となっ
た。
【0028】高結核免疫に特異性を示す多糖体が癌治療
剤として使用されるばあい、ヒトはその生活環境におい
て自然にまたは人為的に結核免疫を獲得しているのでそ
の影響は不可避である。
【0029】免疫の軽重は個人により様々であるが、中
には多糖体抗体のように、結核症の活働期に顕著に発現
し疾病の治癒とともに消退するが、ヒトによってはある
程度長く残留するばあいもある。このような個体にとっ
ては抽出多糖体は特異性である。
【0030】健康人は一般に予防免疫としてツベルクリ
ン反応陽性であるが、結核症が激減している今日の環境
においては高免疫の多糖体抗体が証明される機会はきわ
めて少なく、したがって大部分のヒトにおいてはその特
異性は成立しない。広く特異性を利用するためには別に
高結核免疫が基本的条件として必要になってくる。
【0031】つぎに製造例、試験例をあげて本発明を説
明する。
【0032】製造例(抽出多糖体の製造) 多糖体の抽出方法は特定の方法に限定されない。抽出方
法は大別して物理的な加熱方法と化学的なフェノールを
使用する方法とがあるが、両方法に免疫学的な違いはな
い。
【0033】公知の方法に従い、培養BCG の菌体を20倍
量の蒸留水に浮遊させ、100 ℃で120 分間加熱すること
によって抽出し、濾過により菌体を除去し、えられた抽
出液を半量に濃縮する。これに1%(W/V) となるように
スルホサリチル酸を加えて攪拌し静置後、析出した沈澱
を遠心分離して除去し、その上澄を流水で透析する。透
析液を減圧濃縮しして1/10量とし、これに塩化ナトリ
ウムを0.85%(W/V) となるように添加する。さらに等容
量のエタノールを加え静置後、遠心分離して沈澱を除去
し、さらに上澄に4倍量のエタノールを加えて静置後、
遠心分離によって沈降する粗多糖体をうる。
【0034】えられる抽出多糖体の主成分は、アラビノ
ースとマンノースよりなる多糖体であり、分子量は14,0
00以下である。また、ヒト型結核菌抽出のばあいも同様
である。
【0035】つぎに、このBCG 抽出多糖体を用いて抗腫
瘍作用を調べた。
【0036】試験ではBCG(日本薬局方)接種3〜4週
後、さらにBCG と百日咳ワクチン(日本薬局方)を接種
する。この2回目の接種後さらに最小限4週を経てエー
ルリッヒ癌を移植し、翌日より抽出多糖体の微量を1〜
2日の間隔で連続接種し、長期に亘って抗癌作用を検す
る。なお、2回目のBCG 接種後癌移植および多糖体接種
まで1ヵ月程度の間隔期間が必要な理由は、前記のとお
りである。
【0037】試験例1 ICR マウス(メス6週令)を使用し、BCG300μg/bodyを
背部皮下に接種した。4週間後にBCG 300 μg/bodyを、
翌日百日咳ワクチン1.5 μl /bodyをそれぞれ背部皮下
に接種し、さらに4週間後エールリッヒ癌細胞3×106
個を腋下皮下に接種した。その翌日から抽出多糖体を2
日間隔で皮下に接種したが、その1日の接種量は1群は
0.05μg 、2群は0.05μg と0.005 μg を交互に、3群
は0.005μg である。癌移植後35日目に移植癌を摘出し
重量を測定した。微量の0.005 μg 投与群において腫瘍
の増殖抑制による完全退縮が40%においてみられ、顕著
な抗腫瘍作用が認められた。なお、コントロールはBCG
を接種せず抽出多糖体を投与しなかった癌移植群であ
る。その結果を表1に示す。
【0038】またマウスは2回目の接種により免疫を亢
進し多糖体に対する局所性の免疫反応を示し、多糖体2.
0 μg を反応抗原として足蹠皮内に接種すると、その厚
さを増す皮内反応が発現したが、小量では反応を示さな
かった。
【0039】
【表1】
【0040】試験例2 試験例1と同種のマウスを用いて、つぎの試験を行なっ
た。
【0041】BCG を1mg/body接種し、翌日百日咳ワク
チン1.5 μl/bodyを接種し、その4週間後さらにBCG 1
mg/bodyとBCG の副作用を回避するためにストレプトマ
イシン10mg力価/bodyを接種した。その翌日に百日咳ワ
クチン3μl /bodyを接種し、4週間後エールリッヒ癌
3×106 個を腋下皮下に接種した。翌日より2日間隔で
抽出多糖体を1群は0.05μg を他の1群は0.005 μg を
連続接種し、62日後に腫瘍を摘出し、その重量を測定し
た。微量の0.005 μg 投与群において腫瘍の増殖抑制に
よる完全退縮と共に生存防衛に対する顕著な抗腫瘍作用
が認められた。その結果を表2に示す。
【0042】
【表2】
【0043】試験例3および4 試験例1および2において非免疫群をコントロールとし
ているが、条件的要因を与えられている免疫群もまたコ
ントロールとなりうるので、おのおの移植癌に対する感
受性を比較した。免疫群の免疫方法は試験例1および2
のばあいと全く同様であり、エールリッヒ癌移植後35日
および62日後について比較したが、その相違は殆ど認め
られない。62日経過群の免疫群においては網内系の亢進
によると思われる多少の抗腫瘍性が見られたが、それは
本発明の結果に影響する程のものではない。その結果を
表3および表4に示す。
【0044】
【表3】
【0045】
【表4】
【0046】試験例5 試験例1の実験方式により、BCG 抽出多糖体の代わりに
ヒト型結核菌抽出多糖体を使用し、その抗腫瘍作用を調
べた。被検材料としては抽出方法も全く同様で現在治験
薬となっているゼリア新薬工業(株)製のS.S.M.を使用
し、マウス1頭1日当り0.05μg と0.005 μg のS.S.M.
投与群について実験を施行した。このばあいは0.05μg
接種群においてフィッシャー法による有意の腫瘍縮小の
現象が見られ、ヒト型結核菌抽出多糖体でも同様に免疫
的条件のもとにおいては同様な増殖抑制の抗腫瘍作用が
認められた。なお、このような抗腫瘍作用は、実験的に
は免疫細菌と同一系統の抽出多糖体の方がより顕著で有
効のようである。その結果を表5に示す。
【0047】
【表5】
【0048】
【発明の効果】本発明の間接的癌治療剤によれば、微量
の投与により高い効果がえられ、しかも副作用を起す要
因が全く存在しないため、長期間の連続投与が可能とな
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 31:715) (A61K 39/10 31:715) (72)発明者 内藤 周豊 京都府京都市北区大宮北椿原町13番地 パ レデュカメリア405

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 BCG の接種およびアジュバントとしての
    百日咳ワクチンの接種により生じた高抗菌免疫状態の癌
    患者用の癌治療剤であって、アラビノースおよびマンノ
    ースよりなる多糖体を主成分とし高結核免疫に対し特異
    性を有するBCG 抽出多糖体またはBCG と免疫学的に同一
    性状を有するヒト型結核菌抽出多糖体を有効成分とする
    間接的癌治療剤。
JP28863891A 1991-11-05 1991-11-05 間接的癌治療剤 Pending JPH0680574A (ja)

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