JPH0680546B2 - テープ駆動装置 - Google Patents

テープ駆動装置

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JPH0680546B2
JPH0680546B2 JP3209161A JP20916191A JPH0680546B2 JP H0680546 B2 JPH0680546 B2 JP H0680546B2 JP 3209161 A JP3209161 A JP 3209161A JP 20916191 A JP20916191 A JP 20916191A JP H0680546 B2 JPH0680546 B2 JP H0680546B2
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JP
Japan
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tape
diamond
thin film
capstan shaft
pinch roller
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JP3209161A
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英雄 黒川
力 三谷
裕一 中上
英明 吉尾
秀幸 橋
祐之 中村
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、キャプスタン軸を具備
したテープ駆動装置に関するもので、例えば、磁気記録
再生装置における磁気テープの駆動等に用いて有用なも
のである。
【0002】
【従来の技術】図9(a)、(b)は、ビデオテープレ
コーダーやカセットテープレコーダー等の磁気記録再生
装置における従来のテープ駆動装置の平面図と右側面図
を示すものであり、ピンチローラ2がキャプスタン軸1
の方向に移動して、両者が、その間に磁気テープ3を挟
んで互いに圧接した状態を示している。ピンチローラ2
は回転支持軸に回転可能に挿入されており、その外周部
はゴム等の弾性体である。図示の状態で、キャプスタン
軸1を図示しない回転機構により定速で矢印A1方向に
回転させることで、負荷Fに抗して磁気テープ3を矢印
3方向に駆動することができる。
【0003】この場合、磁気テープ3を駆動するテープ
駆動力は、ピンチローラ2と磁気テープ3との間の摩擦
力及びキャプスタン軸1と磁気テープとの間の摩擦力で
あるが、従来より、磁気テープ3の駆動に支配的に作用
するのは、ピンチローラ2と磁気テープ3との間の摩擦
力であるとされている。
【0004】例えば、テープ駆動系の設計の指導的な書
籍とされる「ハイファイテープレコーダ」(ラジオ技術
社刊、森園 正彦監修、第3版)の194頁〜195頁
には、テープの駆動力の伝達は、キャプスタン軸1か
ら、ピンチローラ2の直接接触している外周面2sへ伝
わり、さらにピンチローラ2から磁気テープ3へ伝わる
むね記載されており、更にかかる観点から、テープ駆動
力はピンチローラ2の幅Lpに関係し、少ない圧着力で
大きな駆動力を得るには、ピンチローラ2の幅Lpがテ
ープ幅LTの約2倍位が最も良好であるとも記載されて
いる。
【0005】一般に、金属製のキャプスタン軸1の表面
は、少なくとも数ミクロンオーダ以下の平滑面に加工さ
れ、またピンチローラ2はゴム等の弾性体であるので、
テープ・キャプスタン軸間の摩擦係数よりも、テープ・
ピンチローラ間の摩擦係数やキャプスタン軸・ピンチロ
ーラ間の摩擦係数の方が大きい。
【0006】従って、テープ駆動力は、キャプスタン軸
からピンチローラへ、そしてピンチローラからテープへ
と伝達されると考える、上記の駆動力伝達メカニズム
は、それなりの説得性を有している。
【0007】一方、特開平2−199653号公報にお
いては、キャプスタン軸表面に凹凸を形成した構成につ
いての記載がある。即ち、キャプスタン軸とピンチロー
ラからなるテープ駆動体において、キャプスタン軸表面
に粒径1〜100μmの粒子を固着させることで、キャ
プスタン軸とテープとの摩擦係数を増大せしめ、安定し
たテープ走行を実現できる旨の記載がある。
【0008】この場合、確かに、テープとキャプスタン
軸との間の摩擦係数は増大するであろうが、同時にピン
チローラとテープとの間の摩擦係数も増大する。即ち、
特開平2−199653号公報に記載の如く、キャプス
タン軸1表面に粒子を固着した場合、ピンチローラ2と
キャプスタン軸1の圧接部の拡大図である図10に示す
様に、薄いテープ3は、当然、この粒子により凸状に変
形してピンチローラ2の表面に食い込む形となる。特に
ビデオ用やオーディオ用のテープ厚は高々十数μm程度
であるので、粒子径が数十μmもある場合には、このピ
ンチローラへの食い込みは確実に発生する。
【0009】従って、特開平2−199653号公報に
記載のものでは、ピンチローラ2とテープ3との間で摩
擦力を増大させると同程度の作用効果が、テープとピン
チローラとの間においても生じ、従って、ピンチローラ
からテープに与えられる摩擦力も同様に増大する。
【0010】従って、主たるテープ駆動力がピンチロー
ラからテープに与えられている場合に、キャプスタン軸
に粒子を固着したとしても、テープ駆動力は依然として
主にピンチローラから与えられることとなる。
【0011】そして従来は、磁気テープ3の駆動におい
て、テープスリップが生じないように、即ち、キャプス
タン軸1の周速と磁気テープ3との移動速度との間に速
度差が生じないようにするために、ピンチローラ2のキ
ャプスタン軸1への圧接力を通常1kg以上に設定し、摩
擦による十分なテープ駆動力を得るようになされてい
る。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】この様な従来のテープ
駆動装置を用いた例えばビデオカメラ等の機器において
は、以下に述べる深刻な課題があった。
【0013】先ず、機器を小型軽量化する上で、次の様
な深刻な課題を抱えていた。即ち、機器の小型軽量化を
図るために、メカ部やシャーシーを構成する部品は限界
近くまで小型、薄肉化されることとなる。従って、この
場合、ピンチローラの圧接力が従来のまま大きな値であ
ると、ピンチアーム等のメカ部品に歪やソリが生じて機
器の正常な動作に支障が生じる。
【0014】またキャプスタン軸に使用される軸受けも
機器の小型化に伴い小さくなっているため、その許容負
荷も小さい。そのため、ピンチローラの圧接力が従来の
大きな値のままであると、軸受けの寿命も著しく短くな
ってしまう。この様な事から、機器の小型軽量化のため
には、ピンチローラ2をキャプスタン軸1へ圧接させる
力をできる限り小さくすることが必須の要件である。
【0015】しかし、従来のテープ駆動装置において、
キャプスタン軸1に対するピンチローラ2の圧接力を小
さくすると、磁気テープ3を駆動するための十分な摩擦
力が得られず、磁気テープ3とキャプスタン軸との間で
スリップが生じる。
【0016】このスリップは、ある許容限度以内であれ
ば、キャプスタン軸の回転数制御により補償することは
可能である。
【0017】即ち、磁気テープ3への記録時に、磁気テ
ープの幅方向の端部に一定時間間隔でパルス状のコント
ロール信号を記録していく。そして、再生時には、この
コントロール信号が、記録時と同じ一定時間間隔で検出
されるように、キャプスタン軸の回転数を制御するので
ある。つまり、テープスリップが発生してテープ速度が
キャプスタン軸の周速よりも遅くなった場合には、コン
トロール信号が一定時間間隔で検出されるテープ速度と
なる様に、キャプスタン軸の回転数を正規の値よりも増
加させる制御を行なうのである。この様な制御は、例え
ばVHS規格のVTR装置で行なわれている。
【0018】しかしながら、この制御を行なうには、当
然、予測されるスリップに対して十分な制御範囲を有す
る、余裕のある制御系を搭載せねばならず、機器の価格
が高価なものとなる。また、この場合、キャプスタン軸
を駆動するためのモータも十分に余裕をもったモータで
あらねばならず、機器の小型化とは相容れない。
【0019】そして、テープスリップは、本質的に予期
し得ないものであり、時には、制御範囲を越えるスリッ
プが発生することが有り、この場合は、機器は正常な動
作が行えず、磁気テープ3の安定な走行が極めて困難と
なって、機器の著しい性能、信頼性の低下をもたらすの
である。
【0020】更に、この様な制御を前提とする機器は、
当然、テープとキャプスタン軸との間にスリップがある
ので、長期の使用においてテープが損傷を受ける等の課
題がある。また、ピンチローラの摩耗をも早め、後述す
る様にワウフラッタを劣化させる。
【0021】第2の課題は、テープ駆動力がピンチロー
ラから伝達されることに起因するものである。テープに
接触するピンチローラ外周面の弾性材の材質としては、
ほとんどゴムが使用される。このため、ピンチローラの
外径寸法精度、外径形状精度を高精度に加工することが
困難である。そのためピンチローラをその回転支持軸に
挿入して回転させた場合、ピンチローラの外周面は、か
なり大きな振れを伴って回転することとなる。
【0022】またゴムは、テープやピンチローラとの摺
擦による摩耗によっても寸法精度、形状精度が劣化しや
すい。更には、使用とともに、ゴムの表面状態は一様で
はなくなり、テープやキャプスタン軸に対する摩擦係数
が、弾性体表面の場所により異なってくる。また、硬度
が一様なゴムを得ることは困難であって、ピンチローラ
の外周面の硬度は、場所によって異なっている。
【0023】ピンチローラ側からテープを駆動する場
合、これらの様々な要因は直接にテープに伝達されるた
め、必然的にワウフラッター特性が劣化することが避け
られないのである。そして、この課題は、その発生メカ
ニズムからして、十分なテープ駆動力が与えられてテー
プスリップが発生しない状況下においても発生するもの
で、本質的に、ピンチローラからテープ駆動力を伝達す
ることに起因する。
【0024】この第2の課題を解決するには、キャプス
タン軸側からテープに伝達される摩擦力を、ピンチロー
ラ側から伝達される摩擦力より同等もしくはそれ以上と
すれば良い。その理由は、キャプスタン軸は一般に金属
等の硬材質で製作されるため、高精度の加工が容易で、
形状精度を劣化させる程の摩耗も殆ど発生しない。従っ
て、キャプスタン軸から伝達されるテープ駆動力を、ピ
ンチローラから伝達される駆動力よりも大きくすること
で、ワウフラッターに及ぼすピンチローラ駆動の影響を
低減できるのである。
【0025】上記特開平2−199653号公報に記載
のキャプスタン軸によれば、キャプスタン軸から伝達さ
れる摩擦力は増大するものの、上記の通り、ピンチロー
ラから伝達される摩擦力も同時に増大し、その結果テー
プ駆動力は依然として主にピンチローラ側から伝達され
るため、この課題を解決することはできない。
【0026】本願発明は、上記課題に鑑み、小さな圧接
力で確実にテープを駆動でき、しかもテープをキャプス
タン軸側から確実に駆動できるテープ駆動装置を提供す
ることを目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明のテープ駆動装置は、定速回転するキャプス
タン軸と、少なくとも周辺部が弾性部材を有しキャプス
タン軸に磁気テープを介して圧接して回転するピンチロ
ーラーとから構成されるテープ駆動装置であって、キャ
プスタン軸の少なくとも磁気テープが接触する表面部に
ダイヤモンド状薄膜を形成したものである。
【0028】
【作用】ダイヤモンド状薄膜は非晶質でありながらダイ
ヤモンドに類似の特性を示す炭素膜である。ダイヤモン
ド状薄膜はダイヤモンド結合(SP3結合)の炭素とグ
ラファイト結合(SP2結合)の炭素とから構成され、
その特性はダイヤモンド結合とグラファイト結合の比率
と密接な関係がある。即ち、ダイヤモンド結合が多く含
まれるほどダイヤモンドに近い特性を備えた膜になり、
硬さは硬くなる。
【0029】従来、ダイヤモンド状薄膜は、低摩擦材料
であると認識されているが、実は、ダイヤモンド状薄膜
の摩擦係数は速度依存性が大きく、極低速で摺動する時
の動摩擦係数や静止摩擦係数は極めて大きいのである。
しかも、ダイヤモンド状薄膜は耐摩耗性に優れている。
【0030】従って、ダイヤモンド状薄膜を、テープと
の相対速度差がほぼ0で回転するキャプスタン軸の表面
に設けた場合には、ダイヤモンド状薄膜は、従来より考
えられていた低摩擦係数材としてではなく高摩擦材料と
して機能するのである。従って、ピンチローラの圧接力
を従来に比べて大幅に低下させた場合でも十分なテープ
駆動力を確保できるのである。しかも、ダイヤモンド状
薄膜の優れた耐摩耗性によって、この高いテープ駆動力
は長期にわたり良好に維持されるのである。
【0031】そして、この様に静摩擦係数の大きなダイ
ヤモンド状薄膜を、ピンチローラにではなく、キャプス
タン軸に形成したことにより、テープ駆動力をキャプス
タン軸側からテープに伝達することができるのである。
【0032】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1〜図8と共に説
明する。なお、図1〜図8において、図9と同一機能の
構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略す
る。
【0033】図1は本発明のテープ駆動装置の第1の実
施例の構成を示す平面図であり、図2はその正面図であ
る。図1及び図2において、キャプスタン軸1は、表面
硬度がビッカース硬さでHv=500kg/mm2程度の非磁性
のステンレス鋼、もしくはこれと同等の鉄系材料であ
り、その表面にはビッカース硬度が3000kg/mm2のダイヤ
モンド状薄膜4が0.2μmの膜厚で形成されている。
【0034】ダイヤモンド状薄膜4の形成方法について
は、従来から種々の方法が報告されている(例えば特開
昭62-139873号公報)が、本実施例ではイオン化蒸着法
(1989年度精密工学会秋期大会学術講演会講演論文
集第3分冊 P621参照)を用いた。イオン化蒸着法
とは、フィラメントの加熱で発生する熱電子を利用して
原料ガスをプラズマ化し、プラズマ中のイオンを利用し
て製膜する方法である。この場合、ダイヤモンド状薄膜
を形成するには、原料ガスとして炭化水素ガス(例えば
CH4,C6H6)が使用され、本実施例ではC6H6を使用してい
る。
【0035】図3に本実施例装置および従来装置のテー
プ駆動力の比較を示す。従来装置については、キャプス
タン軸表面にハードクロム処理を施したものと未処理の
ものについての結果を示している。
【0036】本実施例装置と従来装置との相違点は、本
実施例装置では、キャプスタン軸1にダイヤモンド状薄
膜4が形成されていることのみである。図3の横軸は、
本実施例装置における磁気テープの走行時間であり、縦
軸は、各走行時間におけるテープ駆動力を表わす。
【0037】ここで言うテープ駆動力の定義及び測定方
法は以下の通りである。キャプスタン軸1へのピンチロ
ーラ2の圧接力を一定にし、かつ磁気テープ3には、駆
動方向とは逆方向のテープ負荷Tを加えつつ走行させ
る。磁気テープに加えるテープ負荷Tを変化させた時
に、キャプスタン軸1の周速とテープ3の移動速度との
間に0.5%の相対速度差(スリップ)が生じる時のTの値
をテープ駆動力とした。
【0038】従来装置では、テープ駆動力80gを得る
ためには、約1.2Kgの圧接力をピンチローラとキャ
プスタン軸間に与える必要があったが、図3に示す通
り、本実施例装置では、従来の約半分の600gの圧接
力で、約80gのテープ駆動力を得ることが出来てい
る。
【0039】しかも、この駆動力は、1000時間の走
行時間後においても殆ど変化せず、極めて安定である。
この様に、本実施例は、従来に比べて、圧接力を約半分
に大幅に低減できると共に、テープ駆動力を極めて長期
にわたって安定に維持できるものである。
【0040】これに対して、ダイヤモンド状薄膜を形成
していない従来のテープ駆動装置では、本実施例装置の
約半分の僅か40gと言う全く不十分な駆動力しか得ら
れていない。
【0041】ダイヤモンド状薄膜をキャプスタン軸1に
形成することにより得られる本実施例の顕著な作用効果
は、次の様に理解される。
【0042】先ず、本実施例において、小さな圧接力で
大きなテープ駆動力が得られる主要な理由は、ダイヤモ
ンド状薄膜がテープに対して高摩擦係数の材料として機
能しているためと考えられる。
【0043】通常、ダイヤモンド状薄膜は、低摩擦係数
の材料であると理解されている。確かに、後述する方法
で動摩擦係数を測定したところ、図4に示す様に、テー
プとダイヤモンド状薄膜とを2mm/sec程度の相対速度で
摺擦する場合には、両者間の動摩擦係数は0.15程度の値
である。これはダイヤモンド状薄膜を形成していないキ
ャプスタン軸や、表面にハードクロム処理等の各種硬質
化処理を施したキャプスタン軸とテープとの動摩擦係数
である0.2に比べて小さな値である。
【0044】ところが、図4に示す通り、テープとダイ
ヤモンド状薄膜との間の相対速度が0に近づくにつれ
て、摩擦係数は急激な変化を示し、ダイヤモンド状薄膜
とテープとの間の静摩擦係数あるいは動摩擦係数は、ス
テンレス材あるいは鉄系金属とテープとの間の摩擦係数
に比べて約2倍と極めて大きな値となるのである。
【0045】従って、テープがキャプスタン軸の周速と
ほぼ同速で駆動されるテープ駆動装置にあっては、従来
は低摩擦材料であると考えられていたキャプスタン軸表
面に形成されたダイヤモンド状薄膜は、実は高摩擦係数
の材料として機能するのである。その結果、本実施例装
置では、従来に比べて約2倍もの大きなテープ駆動力が
得られているのである。
【0046】また、図3に示す通り、長期にわたりテー
プ駆動力が大きな状態で安定維持される理由は、ダイヤ
モンド状薄膜が耐摩耗性にも物理的な安定性にも優れて
いるためと考えられる。
【0047】本実施例では、この様に、ダイヤモンド状
薄膜の高い摩擦係数と優れた耐摩耗性の相乗効果によ
り、きわめて優れた特性が得られるものである。
【0048】なお、図4の特性測定は、図5に示す様に
して行なった。即ち、ピンチローラ2の外周に磁気テー
プ3を巻き付け、これをキャプスタン軸1に一定圧力F
で押し付ける。この状態で、ピンチローラ2もしくはキ
ャプスタン軸1に水平方向の力を与えて、両者の間に相
対的な定速の滑り速度を発生させる。そして、この水平
方向に与えた力と圧力Fの比を、この滑り速度における
摩擦係数として求めた。なお、キャプスタン軸は、表面
状態等が全く同一の従来のキャプスタン軸を複数本用意
し、その一部にはダイヤモンド状薄膜を形成して本実施
例のキャプスタン軸として測定に用い、残りは比較対象
の従来キャプスタン軸として、そのまま測定に用いた。
【0049】なお、本発明においては、ダイヤモンド状
薄膜4の膜厚は、0.05μm以上であることが好ましい。
これは、キャプスタン軸表面のダイヤモンド状薄膜4
は、テープ駆動装置の運転条件により多少の差異はある
ものの、約1000時間程度の運転後においては、0.05
μm〜0.08μmほど摩耗しており、従ってダイヤモンド状
薄膜の膜厚を0.05μm以上とすれば、上記1000
時間自体、十分に余裕を考慮した寿命時間であるので、
実用上十分な寿命を得ることができるからである。 そ
して、本実施例では、主たるテープ駆動力は、キャプス
タン軸1からテープ3に伝達されていることは、次の通
り明かである。
【0050】即ち、図2に示す通り、本実施例では、ダ
イヤモンド状薄膜4の幅LDはテープ3の幅LTよりも少
しだけ小さい。またキャプスタン軸1の表面には図10
の如き凹凸は形成していない。
【0051】従って、ピンチローラ2と磁気テープ3と
の接触状態およびピンチローラ2とキャプスタン軸1と
の接触状態は、キャプスタン軸表面にダイヤモンド状薄
膜を形成したことによっては変化していない。
【0052】従って、本実施例におけるテープ駆動力の
大幅な増大は、磁気テープ3とキャプスタン軸表面のダ
イヤモンド状薄膜4との接触部からもたらされたもので
ある。 図3に示す従来装置のテープ駆動力約40g
が、すべてピンチローラからテープに与えられていると
仮定すると、本実施例装置においてキャプスタン軸1か
らテープ3に伝達されるテープ駆動力は、80g−40
g=40gとなり、ピンチローラから伝達される駆動力
と同等の値となる。
【0053】実際には、図3の従来装置のテープ駆動力
40gは、全てピンチローラから与えられることはあり
えず、キャプスタン軸からも与えられており、従って、
ピンチローラから与えられるテープ駆動力は40gをか
なり下回る。
【0054】従って、本実施例装置におけるテープ駆動
力80gのうち、キャプスタン軸から伝達されるテープ
駆動力は、上記40gをかなり上まわる値となる。この
様に、本実施例装置では、テープ駆動力の半分以上が、
キャプスタン軸1から磁気テープ3に伝達されており、
主たるテープ駆動力はキャプスタン軸から伝達されてい
る。
【0055】次に本発明の第2の実施例につき説明す
る。本実施例装置は、図1と同様の構成を有する。しか
し、キャプスタン軸1は、その軸方向の断面図である図
6に示す通り、表面1Sが、表面粗さが0.5μmRzの微
細な凹凸面であり、この凹凸部の表面にビッカース硬度
3000kg/mm2のダイヤモンド状薄膜4が膜厚0.2μmで形成
されているものである。ダイヤモンド状薄膜4の形成方
法は第1の実施例と同じくイオン化蒸着法を使用した。
【0056】ダイヤモンド状薄膜はカバレッジがよいた
め、本実施例の場合、ダイヤモンド状薄膜4の表面に
も、下地面1Sの表面粗さが反映されて、凹凸が形成さ
れることとなる。従って、本実施例装置では、ダイヤモ
ンド状薄膜4の高い摩擦係数と、ダイヤモンド状薄膜表
面に形成された凹凸による係止効果の相乗効果によっ
て、テープの駆動力はより向上する。しかも、ダイヤモ
ンド状薄膜の高い耐摩耗性によって、長時間の使用に対
しても凹凸部の形状は保持され、高いテープ駆動力を維
持することができる。
【0057】図7に、本実施例装置の走行時間とテープ
駆動力の評価結果を、ダイヤモンド状薄膜を形成してい
ない従来例と比較して示す。テープ駆動力の測定方法、
測定条件等は、第1の実施例の場合と同様である。従来
例としては、表面粗さが0.05μmRz以下の金属面
であるキャプスタン軸、表面粗さが0.5μmRzの凹
凸を形成した金属面であるキャプスタン軸及び表面粗さ
が0.5μmRzの凹凸面でかつ表面に窒化チタン膜を
0.2μmの厚みで形成したキャプスタン軸の3種類を
示している。
【0058】従来のキャプスタン軸では、いずれもテー
プ走行時間と共にテープ駆動力が急激に低下し、実用的
な寿命が全く得られないのに対して、ダイヤモンド状薄
膜を形成した本実施例装置では、飛躍的な寿命の伸長、
大幅な駆動力の向上を達成している。なお、図7におい
て、表面に凹凸を形成した従来のキャプスタン軸のテー
プ駆動力が急激に低下するのは、表面の凹凸がテープ走
行と共に急激に摩耗するためと考えられる。
【0059】なお、本発明では、キャプスタン軸1の表
面粗さは0.1μmRz〜2μmRzとし、ダイヤモンド
状薄膜の膜厚は、0.1μm以上でキャプスタン軸1の
表面粗さの値(上記実施例では0.5μm)以下とすれ
ば一層好ましい。その理由は、キャプスタン軸1の表面
粗さを0.1μmRz以上とすることにより十分な係止
効果を有する凹凸がダイヤモンド状薄膜の表面に形成さ
れ、また2μmRz以下とすることにより、過大な凹凸
によってテープが傷つくことを防止できるからである。
またダイヤモンド状薄膜の膜厚を0.1μm以上とする
ことで、1000時間程度の長期間の運転に対してもダ
イヤモンド状薄膜が摩耗しつくさないことが保証され、
下地の表面粗さの値よりも小さな膜厚とすることによ
り、下地の表面粗さがダイヤモンド状薄膜の表面に反映
されて、ダイヤモンド状薄膜表面にはテープ駆動力を高
めるのに効果的な凹凸を良好に形成できるのである。
記の通り、キャプスタン軸の表面粗さは0.1μmRz
〜2μmRz、ダイヤモンド状薄膜の膜厚は、0.1μ
m以上が特に推奨される点について、以下に実験データ
を示して具体的に説明する。(表1)は、表面粗さを変
えたキャプスタン軸にダイヤモンド状薄膜(ビッカース
硬さ3000kg/mm 2 、膜厚0.20μm)をコーティングして、
テープを走行させた時の特性である。なお、表中のDL
Cとは、ダイヤモンド状薄膜の略記である。キャプスタ
ン軸にダイヤモンド状薄膜を形成していない場合、キャ
プスタン軸の表面粗さが0.50Rzより大きくなると、そ
の粗さの効果によって初期駆動力は大きくなるものの、
磁気テープの走行によりキャプスタン軸表面が摩耗し
て、キャプスタン軸表面はすぐに平滑化され、短時間で
テープ駆動力が低下して寿命となる。これに対してダイ
ヤモンド状薄膜をコーティングした場合は、キャプスタ
ン軸の表面粗さが0.10Rz以上において初期駆動力の向
上が認められ、駆動力の大きさもダイヤモンド状薄膜を
形成しない場合に対して大きくなっている。この様に、
上記の係止効果が認められるのであるが、これはダイヤ
モンド状薄膜の高摩擦係数とキャプスタン軸の表面粗さ
の相乗作用として、係止効果が向上したものと考えられ
る。この時、ダイヤモンド状薄膜をコーティングした場
合は、1000時間以上の寿命が確認されている。また表面
粗さが2.0μmRzを越えると、上記の通りテープ表面に
摺動傷が確認される。これはキャプスタン表面の粗い面
がテープを傷つけるためと考えられる。以上の通り、キ
ャプスタンの表面粗さは0.1μmRz〜2μmRzの範
囲が好ましい。
【表1】 なお、表中の1)、2)については、下記の通りであ
る。 *1)初期駆動力とは、走行時間が30分以内で、磁気
テープが0.5%のスリップを生じる時の磁気テープテ
ンションのことである。 使用デッキ…VHSタイプ、使用テープ…ハ゜ナソニックHG
20 *2)寿命はテープ駆動力が80g以下になる時の走行
時間のことである。次に、(表2)は、表面粗さが0.08μmRz、0.50μmRz及
び2.0μmRzのキャプスタン軸に、数種類の膜厚のダイヤ
モンド状薄膜(ビッカース硬さ3000kg/mm 2 )をコーティ
ングして特性を調べた結果である。表面粗さが0.08μmR
zのキャプスタン軸では、約1000時間の運転でDLC膜
が0.05〜0.08μm程度摩耗している。従ってDLCの膜
厚が0.05μm以上あれば、800時間以上の実用的な寿
命を確保することができる。キャプスタン軸の表面の表
面粗さが大きくなるにつれて、粗さの凸部に荷重が集中
し、その結果、特にこの凸部のダイヤモンド状薄膜の摩
耗が促進されるために、表面が平滑なキャプスタン軸の
場合に比べて、ダイヤモンド状薄膜の摩耗量は多くなる
傾向が認められる。そして、キャプスタン軸の表面粗さ
が0.50μmRz及び2.0μmRzでは、ダイヤモンド状薄膜の
膜厚が0.10μm以上であれば800時間以上の寿命を確
保でき、実用上の耐久性を実現できることが分かる。
(表1)では、ダイヤモンド状薄膜の膜厚は0.2μm
一定であったが、(表2)からも分かる通り、ダイヤモ
ンド状薄膜の摩耗が促進されやすいキャプスタン軸の表
面粗さが2.0μmの場合において、膜厚が0.1μm
の場合と0.2μmの場合で寿命に差がないことが認め
られていることを勘案すると、(表1)において、ダイ
ヤモンド状薄膜の膜厚が0.1μmの場合にも、(表
1)に記載されたと同じだけの十分な寿命が得られるこ
とは明かであろう。
【表2】
【0060】また本実施例では、キャプスタン軸表面の
凹凸によりダイヤモンド状薄膜の付着力を高めることも
できる。従って、ビッカース硬度が特に高いダイヤモン
ド状薄膜を形成する場合に効果的である。すなわち、ダ
イヤモンド状薄膜のビッカース硬度を高めていくと、膜
の内部応力が大きくなるためキャプスタン軸との付着性
は低下する。特にビッカース硬度が3500kg/mm2以上では
この傾向が強くなる。しかし、本実施例では、表面に凹
凸部を設けているので軸とダイヤモンド状薄膜との接触
面積が広くなり、両者間に働くファンデスワールス力に
よる付着力が増加して付着性が改善されるのである。
【0061】次に、本発明の第3の実施例を説明する。
上記各実施例のテープ駆動装置では、キャプスタン軸の
表面に形成されたダイヤモンド状薄膜の長さLDは、通
常は、主として必要とされるテープ駆動力により定める
ことができる。例えば、必要とされるテープ駆動力が小
さなものであればLDは短くてよい。
【0062】通常は、この様に、必要とされるテープ駆
動力の観点からLDを決定すればよい。しかし、本発明
のテープ駆動装置を、例えばビデオ機器に使用する場合
には、ダイヤモンド状薄膜の長さLDは、テープ幅LT
の関係において、図8に示す様に、LTよりも長くする
ことがより好ましい。その理由は、以下の通りである。
もし、図1に示すようにLDがLTより短いと、テープ
の端面部3Eはキャプスタン軸1の金属表面と接触し、
テープの中央部はキャプスタン軸に形成されたダイヤモ
ンド状薄膜4と接触することになる。
【0063】上記の通り、ダイヤモンド状薄膜とキャプ
スタン軸の金属表面とでは、テープに対する摩擦係数は
約2倍も異なる。従って、テープ駆動時にはテープの端
面部3Eと中央部に加わる摩擦力に大きなアンバランス
が発生し、この様な状態で同一テープを幾度も繰り返し
走行させると、例えばテープ中央部と端面部とにおいて
テープの伸び量が異なって、テープの端面部3Eに皺等
が発生しやすくなったり、あるいはこの様にして発生し
た皺が更なるテープの変形や損傷を招きやすい。 周知
の様に、ビデオテープレコーダーの場合、テープの端面
は、シリンダーのリード部に沿って走行させるための基
準であるばかりでなく、コントロール信号が記録される
部分でもあり、この端面部に上記の不都合が発生すると
テープの走行が不安定となりトラッキングの直線性が悪
くなるなどして、記録再生における互換性が低下したり
する。
【0064】一方、図8に示すようにLDをLTよりも大
きくした場合には、テープはその端面部3Eを含めて全
体がダイヤモンド状薄膜に一様に接触するので、テープ
のどの部分もほぼ等しい駆動力を受けることとなり、上
記の不都合は回避され、機器の信頼性をより一層高める
ことが出来るのである。
【0065】この様にLDをLTよりも大きくしておくと
により、同一のテープを繰り返し走行させた場合の安全
性、信頼性を一層向上できるので、ビデオ機器に限ら
ず、テープの端面部をテープ走行系に設けられたテープ
走行ガイドに当接させて駆動する機器あるいはテープ端
部にも信号が記録される機器においては、本実施例は特
に有効である。
【0066】また、上記各実施例においては、ダイヤモ
ンド状薄膜の形成にはイオン化蒸着法を使用したが、本
発明ではその製膜法をこれらに限定するものではない。
更にダイヤモンド状薄膜の付着性をさらに高めるため
に、キャプスタン軸とダイヤモンド状薄膜との間にTi
NC,TiC,Si,SiC,等の中間層を設けてもか
まわない。あるいは特開平2−274876号公報に記
載のように、ダイヤモンド状薄膜の形成初期には内部応
力の小さな条件で形成し徐々に膜質を変化させることで
ダイヤモンド状薄膜の付着力を高めることも可能であ
る。
【0067】本発明のテープ駆動装置においては、キャ
プスタン軸に形成するダイヤモンド状薄膜は、ビッカー
ス硬度がHv=1500kg/mm2 以上であれば一層好まし
い。その理由は、1500kg/mm 2 以上のビッカース硬度
においては、実用上、十分な耐摩耗特性が得られ、テー
プ駆動力を長期にわたり安定に維持できるからである。
(表3)は、ビッカース硬度の異なるダイヤモンド状薄
膜を、0.08μmRzと0.5μmRzの表面粗さのキャ
プスタン軸表面に、膜厚0.2μmでコーティングして特
性を評価した結果である。ダイヤモンド状薄膜の硬さが
軟らかい場合、即ちHvが小さい場合にはダイヤモンド
状薄膜の寿命は短く実用上の寿命を実現できないが、ビ
ッカース硬さが1500kg/mm 2 近傍を境として耐摩耗性は急
激に改善されており、ビッカース硬さが1500kg/mm 2 以上
では、800hr以上の実用上十分な寿命を確保できて
いることが分かる。
【表3】 なお、ダイヤモンド状薄膜の比抵抗を1.0×104Ωc
mより小さくすることでテープへの静電気の発生・蓄積
を抑制、防止でき、テープに記録された信号を再生する
際に、ノイズの発生を効果的に防止できる。
【0068】また、上記各実施例構成のテープ駆動装置
を実際にVHS規格のVTRカメラに用いることによ
り、VTRカメラの大きさ、重量を大幅に低減すること
ができた。また、この場合、テープは、スリップするこ
となくキャプスタン軸の周速と殆ど同速で走行し、ワウ
フラッターは従来に比べて改善されるなど、走行特性が
著しく向上した。
【0069】更に、従来例で述べた様なテープ駆動の制
御系を用いずとも、磁気テープは、十分な余裕をもっ
て、キャプスタン軸の周速と殆ど同速で走行することも
確認された。この様に、本願発明は、上記した従来のテ
ープ走行の制御系の大幅な簡素化もしくは省略による機
器の低価格化をも可能とするものである。
【0070】また、VTRカメラに限らず、テープ駆動
を行なう他の機器においても、同様な効果が得られるこ
とは明かである。
【0071】
【発明の効果】以上のように、本願発明によれば、ピン
チローラーの圧接力が小さくとも十分なテープ駆動力の
得られるテープ駆動装置が実現でき、機器の小型化、長
寿命化、スリップの無いテープ走行等を達成することが
出来る。
【0072】また、本願発明では、ダイヤモンド状薄膜
を、ピンチローラ表面にではなく、キャプスタン軸表面
に形成するようになしたことにより、主たるテープ駆動
力をキャプスタン軸から伝達でき、ワウフラッターの改
善に大なる効果を発揮することができる。
【0073】そして、ダイヤモンド状薄膜をキャプスタ
ン軸に形成したので、テープ駆動装置の製造が容易にな
る。即ち、ダイヤモンド状薄膜形成は、真空中で且つか
なりの高温状態で行なわれる。従って、通常、ゴム等の
弾性体で形成されるピンチローラ表面にダイヤモンド状
薄膜を形成することは、弾性体の耐熱温度、耐真空性等
の観点から困難であるが、本発明では、キャプスタン軸
にダイヤモンド状薄膜を形成するので、耐熱性、耐真空
性は全く問題とならず、極めて容易に、高品質、安定に
ダイヤモンド状薄膜を形成できるのである。
【0074】更に、例えピンチローラ表面にダイヤモン
ド状薄膜が形成できたとしても、ピンチローラ表面は、
キャプスタン軸への圧接の都度、大きく変形して表面の
ダイヤモンド状薄膜には大きな応力が繰り返し発生し、
ダイヤモンド状薄膜の剥離等を生じるが、本願発明で
は、その様な不都合は発生しないことは明かである。
【0075】この様に、キャプスタン軸にダイヤモンド
状薄膜を形成するようにしたことにより、高品質のテー
プ駆動装置を容易に製作することができる。
【0076】加えて、テープ走行の制御系の簡素化、省
略化を行なう上でも重要な技術であるなど、本願発明
は、極めて高い工業的価値を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の構成を示す平面図
【図2】本発明の第1の実施例の構成を示す正面図
【図3】本発明の第1の実施例におけるテープ駆動力の
特性図
【図4】動摩擦係数を示す特性図
【図5】動摩擦係数の測定装置の正面図
【図6】本発明の第2の実施例の構成を示す断面図
【図7】本発明の第2の実施例におけるテープ駆動力の
特性図
【図8】本発明の第3の実施例の構成を示す正面図
【図9】(a)は、従来のテープ駆動装置の構成を示す
平面図(b)は、同テープ駆動装置の右側面図
【図10】従来の他のテープ駆動装置の構成を示す側面
【符号の説明】
1 キャプスタン軸 2 ピンチローラー 3 磁気テープ 4 ダイヤモンド状薄膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉尾 英明 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 橋 秀幸 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 中村 祐之 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表面にダイヤモンド状薄膜を形成したキャ
    プスタン軸と、少なくとも周面部が弾性部材から構成さ
    れ前記キャプスタン軸に磁気テープを介して圧接して回
    転するピンチローラ 備えたテープ駆動装置。
  2. 【請求項2】キャプスタン軸表面の、少なくとも磁気テ
    ープと接触する部分の表面粗さが、0.1μmRz〜2.0μ
    mRzであり、前記表面粗さの表面に0.1μm以上の膜厚
    のダイヤモンド状薄膜を形成したことを特徴とする請求
    項1記載のテープ駆動装置。
  3. 【請求項3】ダイヤモンド状薄膜がビッカース硬さH
    v1500kg/mm2以上の硬度を有することを特徴とする請求
    項1または2記載のテープ駆動装置。
  4. 【請求項4】ダイヤモンド状薄膜の膜厚が0.1μm以上
    である請求項1記載のテープ駆動装置。
  5. 【請求項5】キャプスタン軸上に形成されたダイヤモン
    ド状薄膜の幅がテープ幅よりも大きいことを特徴とする
    請求項1〜4のいずれかに記載のテープ駆動装置。
JP3209161A 1990-08-29 1991-08-21 テープ駆動装置 Expired - Lifetime JPH0680546B2 (ja)

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JP22940090 1990-08-29
JP2-229400 1990-08-29
JP40574190 1990-12-25
JP2-405741 1990-12-25
JP3209161A JPH0680546B2 (ja) 1990-08-29 1991-08-21 テープ駆動装置

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JPH056599A JPH056599A (ja) 1993-01-14
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