JPH0679730A - 加硫機の温度制御装置 - Google Patents

加硫機の温度制御装置

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JPH0679730A
JPH0679730A JP25550692A JP25550692A JPH0679730A JP H0679730 A JPH0679730 A JP H0679730A JP 25550692 A JP25550692 A JP 25550692A JP 25550692 A JP25550692 A JP 25550692A JP H0679730 A JPH0679730 A JP H0679730A
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C35/00Heating, cooling or curing, e.g. crosslinking or vulcanising; Apparatus therefor
    • B29C35/02Heating or curing, e.g. crosslinking or vulcanizing during moulding, e.g. in a mould
    • B29C35/0288Controlling heating or curing of polymers during moulding, e.g. by measuring temperatures or properties of the polymer and regulating the process
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C35/00Heating, cooling or curing, e.g. crosslinking or vulcanising; Apparatus therefor
    • B29C35/02Heating or curing, e.g. crosslinking or vulcanizing during moulding, e.g. in a mould

Abstract

(57)【要約】 【目的】雰囲気温度や加硫時間の変動、金型温度の変化
量に拘らず、加硫条件を遵守しながら加硫処理の時間を
短縮する。 【構成】金型の実際温度tm と金型の設定温度Tm との
差温δ1 および金型の実際温度tm と金型の実際温度の
うち一定時間前の実際温度tm-1 との差温Δ1を入力パ
ラメータとして第1のファジィ推論11を実行し、これ
と雰囲気温度te および加硫時間Sとにより熱板の設定
温度の補正量を補助ファジィ推論部20により求め、さ
らに、熱板の実際温度th と変更後の熱板の設定温度T
h との差温δ2 および熱板の実際温度th と熱板の実際
温度のうち一定時間前の実際温度th-1 との差温Δ2 を
入力パラメータとして第2のファジィ推論15を実行
し、この推論値に基づいて熱板の作動時間のデューティ
比を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばゴムの加硫機の
熱板の温度制御に用いて好ましい温度制御装置に関し、
特に金型と熱板との間に生じる伝熱遅延を考慮して熱板
の温度制御を行うようにした加硫機の温度制御装置であ
る。
【0002】
【従来の技術】ゴムの加硫処理は、それぞれ熱板が取り
付けられた上下の金型内に被加硫物を投入して行われ
る。かかる加硫処理においては、被加硫物の加熱条件と
保持時間の条件がきわめて重要となるため、従来より加
硫機の温度制御には種々の方法が試みられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
温度制御としてPID制御(比例・積分・微分制御)や
ファジィ制御を用いたものも知られているものの、この
種の制御は熱源の温度を直接検出して制御するものであ
った。したがって、加硫機のように熱源となる熱板と被
加硫物に直接熱を伝達する金型との間に伝熱遅延が生じ
ると、最適な加硫条件を維持することができなかった。
【0004】すなわち、熱源から直接被加熱物に熱を伝
達する装置では、上述したPID制御やファジィ制御は
その機能を充分に発揮するが、熱板と金型の間には常に
温度差が生じるため、そのままPID制御やファジィ制
御を適用することができなかった。
【0005】また、金型内に被加硫物を投入して加硫処
理を施すにあたり、加硫処理品質と生産性とを両立させ
ようとすると、金型の温度を最適な温度まで急速に上昇
させ、これを一定時間保持しながら加硫を行う必要があ
るが、熱源である熱板と被加硫物に熱を伝達する金型と
の温度差があるため、加熱温度を一定に保持しながら加
硫処理時間を短縮するのは甚だ困難な状況にあった。
【0006】特に、金型や熱板の温度は加硫機が設置さ
れた雰囲気温度や加硫時間に大きく影響されるという問
題があった。ここにいう加硫時間とは、前回の加硫開始
から次回の加硫開始までに要した時間(インターバル)
であるが、この加硫時間は作業者等の影響によって長く
なったり短くなったりした。
【0007】そのため、例えば加硫時間が長い場合には
金型が冷却されて金型温度が下降するので、次のショッ
ト時の昇温に必要な熱量は、加硫時間が短かった場合に
比べて増加することになった。
【0008】さらに、ゴムの加硫機は被加硫物を投入し
たり、加硫処理を終えた被加硫物を取り出したりする際
に熱の出入りが生じ、しかも、被加硫物の容積が増加す
ればするほど熱量の差が大きくなるので、被加硫物の仕
様などに拘らず、如何なる状況に対しても加硫温度を一
定に保持する制御装置の開発が希求されていた。
【0009】本発明は、このような従来技術の問題点に
鑑みてなされたものであり、加硫条件を遵守しながら加
硫処理の時間を短縮すると共に、例えば雰囲気温度や加
硫時間の変動や金型温度の変化量の大小に拘らず適用で
きる加硫機の温度制御装置を提供することを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の加硫機の温度制御装置は、被加熱物を金型
内に投入し、熱板により前記金型を介して前記被加熱物
を加熱処理する加硫機において、前記金型の実際の温度
を検出する金型温度センサと、 前記熱板の実際の温度
を検出する熱板温度センサと、 前記加硫機の雰囲気温
度を検出する雰囲気温度センサと、 前回の加硫開始か
ら次回の加硫開始までの時間を計測する加硫時間計測部
と、 前記金型の設定温度、前記熱板の設定温度、前記
金型温度センサにより検出された金型の実際の温度、お
よび前記熱板温度センサにより検出された熱板の実際の
温度を記憶する記憶部と、 前記金型温度センサにより
検出された前記金型の実際の温度と前記記憶部に記憶さ
れている前記金型の設定温度との差温を計算する第1温
度偏差計算部と、 前記金型温度センサにより検出され
た前記金型の実際の温度と前記記憶部に記憶されている
前記金型の実際の温度のうち一定時間前の実際の温度と
の差温を計算する第1温度変化計算部と、 前記第1温
度偏差計算部により求められた温度偏差と前記第1温度
変化計算部により求められた温度変化に基づき、予め決
められたファジィルールとメンバーシップ関数によりフ
ァジィ推論を実行して推論値を求める第1ファジィ推論
部と、 前記雰囲気温度センサにより検出された前記加
硫機の雰囲気温度と前記加硫時間計測部により求められ
た加硫時間に基づいて、予め決められたファジィルール
とメンバーシップ関数によりファジィ推論を実行して前
記記憶部に記憶されている熱板の設定温度の補正量推論
値を求める補助ファジィ推論部と、 前記第1ファジィ
推論部により求められた推論値と、前記補助ファジィ推
論部により求められた補正量に基づいて前記記憶部に記
憶されている熱板の設定温度を変更する熱板設定温変更
部と、 前記熱板温度センサにより検出された前記熱板
の実際の温度と前記熱板設定温変更部により変更された
熱板の変更後の設定温度との差温を計算する第2温度偏
差計算部と、 前記熱板温度センサにより検出された前
記熱板の実際の温度と前記記憶部に記憶されている前記
熱板の実際の温度のうち一定時間前の実際の温度との差
温を計算する第2温度変化計算部と、 前記第2温度偏
差計算部により求められた温度偏差と前記第2温度変化
計算部により求められた温度変化に基づき、予め決めら
れたファジィルールとメンバーシップ関数によりファジ
ィ推論を実行して推論値を求める第2ファジィ推論部
と、 前記第2ファジィ推論部により求められた推論
値に基づいて前記熱板の作動時間を演算し、この演算結
果により定められる制御信号を前記熱板の制御部に出力
する出力値計算部とを有することを特徴としている。
【0011】
【作用】本発明では、熱板により金型を介して被加熱物
を加熱処理する加硫機においては、温度変化が大きく応
答性が悪い金型温度を直接的に一定温度に維持制御する
よりは、熱板の温度を一定温度に制御する方が加熱処理
の条件に対して有効である点に着目している。これと同
時に、雰囲気温度および加硫時間(前回の加硫開始から
次回の加硫開始に要した時間)が熱板の温度に与える影
響も考慮している。
【0012】すなわち、まず熱板の実際温度を熱板の設
定温度になるように制御し、金型の実際の温度が金型の
設定温度に対してずれている分を、雰囲気温度と加硫時
間とを考慮しながら、熱板の設定温度を変更することに
より補正し、熱板の実際の温度と変更した後の熱板の設
定温度が常に熱板の設定温度と等しくなるように制御す
る。
【0013】この温度制御は、まず雰囲気温度センサに
より検出された加硫機の雰囲気温度と加硫時間計測部に
より求められた加硫時間に基づいて、補助ファジィ推論
部にて、予め決められたファジィルールとメンバーシッ
プ関数によりファジィ推論を実行し、記憶部に記憶され
ている熱板の設定温度の補正量推論値を求める。同時
に、金型温度センサと記憶部からの情報に基づいて、第
1温度偏差計算部と第1温度変化計算部で金型の実際の
温度と金型の設定温度との差温(温度偏差δ1 )、およ
び金型の実際の温度と金型の実際の温度のうち一定時間
前の実際の温度との差温(温度変化Δ1 )を求める。
【0014】そして、この温度偏差δ1 と温度変化Δ1
に基づき、第1ファジィ推論部で、予め決められたファ
ジィルールとメンバーシップ関数によりファジィ推論を
実行して推論値を求める。この第1ファジィ推論部の推
論値と補助ファジィ推論部で求められる熱板設定温度の
補正量とから、熱板設定温変更部で熱板の設定温度を変
更し、この変更後の熱板の設定温度を第2温度偏差計算
部に出力する。
【0015】次いで、熱板温度センサ、記憶部、および
上述した熱板設定温変更部からの情報に基づいて、第2
温度偏差計算部と第2温度変化計算部で、熱板の実際の
温度と熱板の変更後の設定温度との差温(温度偏差δ2
)、および熱板の実際の温度と熱板の実際の温度のう
ち一定時間前の実際の温度との差温(温度変化Δ2 )を
求める。
【0016】そして、この温度偏差δ2 と温度変化Δ2
に基づき、第2ファジィ推論部で、予め決められたファ
ジィルールとメンバーシップ関数によりファジィ推論を
実行して推論値を求め、出力値計算部で熱板の作動時間
を演算し、この演算結果により定められる制御信号を熱
板の制御部に出力する。
【0017】このように、温度変化が大きく応答性が悪
い金型温度を直接的に維持制御するのではなく、熱板の
温度を一定温度に制御するように構成し、しかも、金型
の実際温度と雰囲気温度・加硫時間に応じて熱板の設定
温度を逐次補正するようにしているので、金型温度の変
動が大きくても、状況の変動に適正に対応して最適な温
度制御を行うことができる。
【0018】また、熱板の温度制御にファジィ推論を用
いているので、金型の温度上昇速度を最短時間で達成す
ることができると共に、金型の実際の温度がオーバーシ
ュートすることを防止でき、比較的滑らかな温度変化を
行う加硫機にとって好ましい制御となる。
【0019】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図1は本発明の一実施例に係る加硫機の熱板温
度制御装置を示すブロック図、図2は同実施例の第1フ
ァジィ推論部におけるファジィルールを示す図、図3は
同実施例の第1ファジィ推論部におけるメンバーシップ
関数を示すグラフであり、図3(A)は温度偏差、図3
(B)は温度変化、図3(C)は熱板の設定温度の補正
量のメンバーシップ関数を示すグラフである。
【0020】図4は同実施例の第2ファジィ推論部にお
けるファジィルールを示す図、図5は同実施例の第2フ
ァジィ推論部におけるメンバーシップ関数を示すグラフ
であり、図5(A)は温度偏差、図5(B)は温度変
化、図5(C)は熱板のデューティ比の操作量のメンバ
ーシップ関数を示すグラフである。
【0021】また、図6は同実施例の補助ファジィ推論
部におけるファジィルールを示す図、図7は同実施例の
補助ファジィ推論部におけるメンバーシップ関数を示す
グラフであり、図7(A)は雰囲気温度、図7(B)は
加硫時間、図7(C)は熱板の設定温度の補正量のメン
バーシップ関数を示すグラフである。図8は図3、図5
および図7にそれぞれ示す3つのメンバーシップ関数か
ら制御量を求める方法(MAX−MIN−重心法)を示
すグラフである。
【0022】まず、本実施例の熱板温度制御装置を適用
する加硫機は、図1に示すように被加硫物(加熱物)で
あるゴム材1を投入する上型2および下型3を有してお
り、これら上下の金型2,3を型締めしたときに金型内
部にキャビティ15が形成される。そして、このキャビ
ティ15の形状によってゴム材1は加硫処理が施されな
がら適宜所望の形状に成形されるようになっている。
【0023】上型2には上部熱板4が固定されており、
下型3には下部熱板5が固定されている。これらの熱板
4,5に熱板制御部17から制御信号を出力することに
よりそれぞれの金型2,3に熱を伝達して加硫処理を行
う。上部熱板4および下部熱板5は、熱板制御部17か
らの制御信号によって加熱する時間と加熱を停止する時
間との比率、いわゆるデューティ比が調節される。すな
わち、一定時間間隔で熱板4,5の作動/停止を繰り返
すことにより金型2,3を一定温度まで上昇させ、この
温度を保持する。
【0024】本実施例の温度制御装置では、熱板の設定
温度を金型の実際温度と雰囲気温度、および加硫時間に
応じて逐次補正し、この補正量を熱板のデューティ比の
操作量を演算するパラメータとして用いる構成としてい
る。具体的には、図1に示すように、上型2または下型
3の少なくとも何れか一方(本実施例では上型2)に
は、本実施例に係る金型温度センサ6が取り付けられて
おり、上型2の実際の温度tm を検出すると共に、この
金型温度センサ6からのデータ(上型の実際温度tm )
は記憶部8と第1温度偏差計算部9、および第1温度変
化計算部10にそれぞれ出力されるようになっている。
【0025】本実施例の金型温度センサ6としては、例
えば熱起電力を変換物理量とした熱電対を用いることが
取り扱いの点で好ましいといえるが、本発明の金型温度
センサ6はこの熱電対にのみ限定されることなく、他の
温度センサ、例えば温度精度や分解能が必要な場合には
電気抵抗を変換物理量としたサーミスタあるいは測温抵
抗体などを用いても良い。これら金型温度センサ6は、
使用される金型2,3の検出温度範囲や必要な測定精度
・分解能などの諸条件により適宜選択すれば良い。な
お、本実施例では金型温度センサ6を上型2にのみ取り
付けているが、下型3、あるいは上下型2,3の両方に
設けても良い。
【0026】本実施例の温度制御装置は記憶部8を備え
ており、上述した上型2の実際の温度tm を記憶してお
くメモリ8bと、図示しない外部設定装置により入力さ
れる金型の設定温度Tm を記憶しておくメモリ8aと、
同じく図示しない他の外部設定装置により入力された熱
板の設定温度Th を記憶しておくメモリ8cと、後述す
る熱板温度センサ7から入力されて上部熱板4の実際の
温度th を記憶しておくメモリ8dとから構成されてい
る。
【0027】金型の設定温度Tm と熱板の設定温度Th
とを記憶しておくメモリ8a,8cは、少なくとも現在
の設定温度のみを記憶しておけば良いが、金型の実際温
度tm および熱板の実際温度th を記憶しておくメモリ
8b,8dは、少なくとも現在の実際温度tm ,th と
一定時間前の実際温度tm-1 ,th-1 と2つのデータを
記憶しておく必要がある。
【0028】また、本実施例の温度制御装置は、温度偏
差δ1 を計算する第1温度偏差計算部9と、温度変化Δ
1 を計算する第1温度変化計算部10とを備えており、
第1温度偏差計算部9には金型温度センサ6から一定時
間間隔をもって現在の金型の実際温度tm が入力され、
これと同時に記憶部8のメモリ8aからは現在の金型の
設定温度Tm が入力されるようになっている。そして、
金型の温度偏差δ1 、すなわち、 金型の温度偏差δ1 =金型の実際温度tm − 金型の設
定温度Tm を演算して求める。
【0029】一方、第1温度変化計算部10には金型温
度センサ6から一定時間間隔をもって現在の金型の実際
温度tm が入力され、これと同時に、記憶部8のメモリ
8bからは一定時間前の金型の実際温度tm-1 が入力さ
れるようになっている。そして、金型の温度変化Δ1 、
すなわち、 金型の温度変化Δ1=金型の実際温度tm − 一定時間
前の金型の実際温度tm-1 を演算して求める。
【0030】また、本実施例に係る第1ファジィ推論部
11は、上述した第1温度偏差計算部9と第1温度変化
計算部10によりそれぞれ求められた温度偏差δ1 およ
び温度変化Δ1 に基づいて、ファジィ推論を実行する。
【0031】この第1ファジィ推論部11におけるファ
ジィ推論は、図2に示すファジィルールと図3(A)
(B)(C)に示すメンバーシップ関数にしたがって実
行される。まず、図2に示すファジィルールについて
は、入力部(前件部)のパラメータとして第1温度偏差
計算部9から入力された温度偏差δ1 と第1温度変化計
算部10から入力された温度変化Δ1 を用いている。
【0032】そして、温度偏差δ1 については図3
(A)に示すように、7つのファジィラベルNL,N
M,NS,ZR,PS,PM,PLを用いて、 NL=−10℃以下 NM=−15℃〜 −5℃ NS=−10℃〜 ±0℃ ZR= −5℃〜 +5℃ PS= ±0℃〜+10℃ PM= +5℃〜+15℃ PL=+10℃以上 と定義している。
【0033】なお、それぞれのファジィラベルは、NL
(ネガティブ・ラージ=マイナス側に大きい)、NM
(ネガティブ・ミドル=マイナス側に中位)、NS(ネ
ガティブ・スモール=マイナス側に小さい)、ZR(ゼ
ロ・レベル=変化なし)、PS(ポジティブ・スモール
=プラス側に小さい)、PM(ポジティブ・ミドル=プ
ラス側に中位)、PL(ポジティブ・ラージ=プラス側
に大きい)を意味している。
【0034】また、温度変化Δ1 については図3(B)
に示すように、同じく7つのファジィラベルNL,N
M,NS,ZR,PS,PM,PLを用いて、 NL=−10℃以下 NM=−15℃〜 − 5℃ NS=−10℃〜 ± 0℃ ZR=− 5℃〜 + 5℃ PS=± 0℃〜 +10℃ PM=+ 5℃〜 +15℃ PL=+10℃以上 と定義している。それぞれのファジィラベルの意味は上
述した温度偏差δ1 の場合と同じである。
【0035】これらの温度偏差δ1 および温度変化Δ1
の入力パラメータが図2に示す組合せである場合、結論
部(後件部)はぞれぞれ同図に示す定義にしたがってフ
ァジィ推論が実行される。例えば、図2の第1番目のフ
ァジィルールでは、 IF(温度偏差δ1 =PL AND 温度変化Δ1 =N
S) THEN 熱板の設定温度の操作量=NL となる。
【0036】すなわち、温度偏差δ1 が+10℃以上
(実際の金型温度tm が設定温度Tmに対してかなり高
温となっている)で、かつ、温度変化Δ1 が−10℃〜
0℃(金型の実際温度tm がやや下降気味である)であ
る場合は、熱板の設定温度の操作量を−10℃以下(熱
板の設定温度を低くする)とする。
【0037】この後件部の定義は、図3(C)に示すよ
うに、熱板の設定温度の操作量を7つのファジィラベル
NL,NM,NS,ZR,PS,PM,PLを用いて、 NL=−10℃以下 NM=−15℃〜 −5℃ NS=−10℃〜 ±0℃ ZR= −5℃〜 +5℃ PS= ±0℃〜 +10℃ PM= +5℃〜 +15℃ PL=+10℃以上 としている。
【0038】なお、それぞれのファジィラベルの意味は
上述した温度偏差δ1 の場合と同じであるが、ネガティ
ブ(マイナス側)は熱板の設定温度を下げる意味であ
り、ポジティブ(プラス側)はこの逆の意味である。
【0039】そして、ファジィルールの前件部に温度偏
差δ1 と温度変化Δ1 の2つのパラメータを入力し、図
2に示すファジィルールにしたがって後件部の結論を得
る。この結果得られた後件部の結論は、図8に示すよう
にMAX−MIN−重心法によって評価され、最終的な
補正量が得られることになる。なお、このMAX−MI
N−重心法は、ファジィルールを適用して得られた後件
部のメンバーシップ関数(図3(C)参照)の形から最
終的な補正量を求めるファジィ制御の一般的手法であ
る。
【0040】本実施例では、加硫機の近傍に該加硫機の
雰囲気温度を検出する雰囲気温度センサ18が設けられ
ており、この雰囲気温度センサ18によって検出された
雰囲気温度情報は、補助ファジィ推論部20に出力され
る。また、繰り返し加硫成形を行うにあたり、前回の加
硫開始から次回の加硫開始までに要した時間を計測する
加硫時間計測部19が設けられており、この加硫時間計
測部19により計測された加硫時間情報は、補助ファジ
ィ推論部20に出力される。
【0041】そして、補助ファジィ推論部20は、上述
した雰囲気温度センサ18からの雰囲気温度te と、加
硫時間計測部19からの加硫時間Sに基づいて、ファジ
ィ推論を実行する。
【0042】この補助ファジィ推論部20におけるファ
ジィ推論は、図6に示すファジィルールと図7(A)
(B)(C)に示すメンバーシップ関数にしたがって実
行される。まず、図6に示すファジィルールについて
は、入力部(前件部)のパラメータとして、雰囲気温度
センサ18から入力された雰囲気温度(室温)te と、
加硫時間計測部19から入力された加硫時間Sを用いて
いる。
【0043】そして、雰囲気温度te については図7
(A)に示すように、7つのファジィラベルNL,N
M,NS,ZR,PS,PM,PLを用いて、 NL= 5℃以下 NM= 0℃〜10℃ NS= 5℃〜15℃ ZR=10℃〜20℃ PS=15℃〜25℃ PM=20℃〜30℃ PL=25℃以上 と定義している。
【0044】なお、それぞれのファジィラベルは、NL
(ネガティブ・ラージ=マイナス側に大きい)、NM
(ネガティブ・ミドル=マイナス側に中位)、NS(ネ
ガティブ・スモール=マイナス側に小さい)、ZR(ゼ
ロ・レベル=変化なし)、PS(ポジティブ・スモール
=プラス側に小さい)、PM(ポジティブ・ミドル=プ
ラス側に中位)、PL(ポジティブ・ラージ=プラス側
に大きい)を意味している。
【0045】また、加硫時間Sについては図7(B)に
示すように、同じく7つのファジィラベルNL,NM,
NS,ZR,PS,PM,PLを用いて、 NL=130秒以下 NM=120秒〜140秒 NS=130秒〜150秒 ZR=140秒〜160秒 PS=150秒〜170秒 PM=160秒〜180秒 PL=170秒以上 と定義している。それぞれのファジィラベルの意味は上
述した雰囲気温度te の場合と同じである。
【0046】これらの雰囲気温度te および加硫時間S
の入力パラメータが図6に示す組合せである場合、結論
部(後件部)はぞれぞれ同図に示す定義にしたがってフ
ァジィ推論が実行される。例えば、図6の第1番目のフ
ァジィルールでは、 IF(雰囲気温度te =PL AND 加硫時間S=N
L) THEN 熱板の補正量=NL となる。
【0047】すなわち、雰囲気温度te が25℃以上
(加硫成形機周辺の室温がかなり高温となっている)
で、かつ、加硫時間Sが130秒以下(加硫のインター
バルがきわめて短い)である場合は、熱板の設定温度の
補正量を−10℃以下(設定温度を下げる)とする。
【0048】この後件部の定義は、図7(C)に示すよ
うに、熱板の設定温度の補正量を7つのファジィラベル
NL,NM,NS,ZR,PS,PM,PLを用いて、 NL=−10℃以下 NM=−15℃〜 −5℃ NS=−10℃〜 ±0℃ ZR= −5℃〜 +5℃ PS= ±0℃〜 +10℃ PM= +5℃〜 +15℃ PL=+10℃以上 としている。
【0049】なお、それぞれのファジィラベルの意味は
上述した温度偏差δ1 の場合と同じであるが、ネガティ
ブ(マイナス側)は熱板の設定温度を下げる意味であ
り、ポジティブ(プラス側)はこの逆の意味である。
【0050】そして、ファジィルールの前件部に雰囲気
温度te と加硫時間Sの2つのパラメータを入力し、図
6に示すファジィルールにしたがって後件部の結論を得
る。この結果得られた後件部の結論は、図8に示すよう
にMAX−MIN−重心法によって評価され、最終的な
補正量Δte が得られることになる。
【0051】この補助ファジィ推論部20で求められた
熱板の設定温度の補正量Δte は、熱板設定温変更部1
2に出力される。そして、熱板設定温変更部12では、
補助ファジィ推論部20からの補正量Δte と、上述し
た第1ファジィ推論部11からの操作量の和により、熱
板の設定温度Th を変更する。すなわち、 変更後の熱板の設定温度=現在の熱板の設定温度+ 第
1ファジィ推論部の操作量+補助ファジィ推論部の補正
量Δte となる。例えば、現在の熱板の設定温度が210℃、補
助ファジィ推論部における補正量Δte が3℃、第1フ
ァジィ推論部における操作量が−5℃である場合に、変
更後の熱板の設定温度は、210−5+3=208℃と
して求められる。
【0052】一方、上述した構成で得られた変更後の熱
板の設定温度Th に基づいて、最終的な熱板の操作量を
演算する構成について説明する。上部熱板4または下部
熱板5の少なくとも何れか一方(本実施例では上部熱板
4)には、本実施例に係る熱板温度センサ7が取り付け
られており、上部熱板4の実際の温度th を検出すると
共に、この熱板温度センサからのデータ(上部熱板の実
際温度th )は記憶部8と第2温度偏差計算部13、お
よび第2温度変化計算部14にそれぞれ出力されるよう
になっている。
【0053】本実施例の熱板温度センサ7としては、上
述した金型温度センサ6と同様に、例えば熱起電力を変
換物理量とした熱電対を用いることが取り扱いの点で好
ましいといえるが、本発明の熱板温度センサ7はこの熱
電対にのみ限定されることなく、他の温度センサ、例え
ば温度精度や分解能が必要な場合には電気抵抗を変換物
理量としたサーミスタあるいは測温抵抗体などを用いて
も良い。これら熱板温度センサ7は、使用される熱板
4,5の検出温度範囲や必要な測定精度・分解能などの
諸条件により適宜選択すれば良い。なお、本実施例では
熱板温度センサ7を上部熱板4にのみ取り付けている
が、下部熱板5、あるいは上下熱板4,5の両方に設け
ても良い。
【0054】本実施例の温度制御装置は、温度偏差δ2
を計算する第2温度偏差計算部13と、温度変化Δ2 を
計算する第2温度変化計算部14とを備えており、第2
温度偏差計算部13には、上述した熱板設定温変更部1
2から変更後の熱板の設定温度Th 、および熱板温度セ
ンサ7から一定時間間隔をもって現在の熱板の実際温度
th が入力される。また、これと同時に記憶部8のメモ
リ8cからは現在の熱板の設定温度Th が入力されるよ
うになっている。そして、熱板の温度偏差δ2、すなわ
ち、 熱板の温度偏差δ2 =熱板の実際温度th − 熱板の
設定温度Th+ 熱板の設定温度の操作量+ 熱板の設
定温度の補正量Δte を演算して求める。
【0055】一方、第2温度変化計算部14には熱板温
度センサ7から一定時間間隔をもって現在の熱板の実際
温度th が入力され、これと同時に、記憶部8のメモリ
8dからは一定時間前の熱板の実際温度th-1 が入力さ
れるようになっている。そして、熱板の温度変化Δ2 、
すなわち、 熱板の温度変化Δ2=熱板の実際温度th − 一定時間
前の熱板の実際温度th-1 を演算して求める。
【0056】また、本実施例に係る第2ファジィ推論部
15は、上述した第2温度偏差計算部13と第2温度変
化計算部14によりそれぞれ求められた温度偏差δ2 お
よび温度変化Δ2 に基づいて、ファジィ推論を実行す
る。
【0057】この第2ファジィ推論部15におけるファ
ジィ推論は、図4に示すファジィルールと図5(A)
(B)(C)に示すメンバーシップ関数にしたがって実
行される。まず、図4に示すファジィルールについて
は、入力部(前件部)のパラメータとして第2温度偏差
計算部13から入力された温度偏差δ2 と第2温度変化
計算部14から入力された温度変化Δ2 を用いている。
【0058】そして、温度偏差δ2 については図5
(A)に示すように、7つのファジィラベルNL,N
M,NS,ZR,PS,PM,PLを用いて、 NL=−10℃以下 NM=−15℃〜 −5℃ NS=−10℃〜 ±0℃ ZR= −5℃〜 +5℃ PS= ±0℃〜+10℃ PM= +5℃〜+15℃ PL=+10℃以上 と定義している。
【0059】なお、それぞれのファジィラベルは、NL
(ネガティブ・ラージ=マイナス側に大きい)、NM
(ネガティブ・ミドル=マイナス側に中位)、NS(ネ
ガティブ・スモール=マイナス側に小さい)、ZR(ゼ
ロ・レベル=変化なし)、PS(ポジティブ・スモール
=プラス側に小さい)、PM(ポジティブ・ミドル=プ
ラス側に中位)、PL(ポジティブ・ラージ=プラス側
に大きい)を意味している。
【0060】また、温度変化Δ2 については図5(B)
に示すように、同じく7つのファジィラベルNL,N
M,NS,ZR,PS,PM,PLを用いて、 NL=−10℃以下 NM=−15℃〜 − 5℃ NS=−10℃〜 ± 0℃ ZR=− 5℃〜 + 5℃ PS=± 0℃〜 +10℃ PM=+ 5℃〜 +15℃ PL=+10℃以上 と定義している。それぞれのファジィラベルの意味は上
述した温度偏差δ2 の場合と同じである。
【0061】これらの温度偏差δ2 および温度変化Δ2
の入力パラメータが図4に示す組合せである場合、結論
部(後件部)はぞれぞれ同図に示す定義にしたがってフ
ァジィ推論が実行される。例えば、図4の第1番目のフ
ァジィルールでは、 IF(温度偏差δ2 =PL AND 温度変化Δ2 =N
S) THEN 熱板の制御量(デューティ比)=NL となる。
【0062】すなわち、温度偏差δ2 が+10℃以上
(実際の熱板温度th が補正後の設定温度Th −ΔTh
に対してかなり高温となっている)で、かつ、温度変化
Δ2 が−10℃〜0℃(熱板の実際温度th がやや下降
気味である)である場合は、熱板へのデューティ比の操
作量を−10%以下(熱板の作動時間を短くする)とす
る。
【0063】この後件部の定義は、図5(C)に示すよ
うに、熱板制御部17から熱板4,5に出力するデュー
ティ比の操作量を7つのファジィラベルNL,NM,N
S,ZR,PS,PM,PLを用いて、 NL=−10%以下 NM=−15%〜 −5% NS=−10%〜 ±0% ZR= −5%〜 +5% PS= ±0%〜 +10% PM= +5%〜 +15% PL=+10%以上 としている。
【0064】なお、それぞれのファジィラベルの意味は
上述した温度偏差δ2 の場合と同じであるが、ネガティ
ブ(マイナス側)は熱板の作動時間を停止時間に対して
短くする意味であり、ポジティブ(プラス側)はこの逆
の意味である。
【0065】そして、ファジィルールの前件部に温度偏
差δ2 と温度変化Δ2 の2つのパラメータを入力し、図
4に示すファジィルールにしたがって後件部の結論を得
る。この結果得られた後件部の結論は、図8に示すよう
にMAX−MIN−重心法によって評価され、最終的な
補正量が得られることになる。
【0066】このようにして求められたデューティ比操
作量(推論値)は、本実施例に係る出力値計算部16に
て、実際の熱板の加熱時間のデューティ比を制御する指
令信号に変換される。この熱板の加熱時間のデューティ
比は、既述したように、熱板制御部17から熱板4,5
に出力されて熱板が実際に作動する時間と停止している
時間との比率である。
【0067】次に作用を説明する。本発明では、熱板
4,5により金型2,3を介して被加熱物1を加熱処理
する加硫機においては、温度変化が大きく応答性が悪い
金型温度を直接的に一定温度に維持制御するよりは、熱
板の温度を一定温度に制御する方が加熱処理の条件に対
して有効である点に着目している。これと同時に、雰囲
気温度と加硫時間が熱板の温度に与える影響も考慮して
いる。
【0068】すなわち、まず熱板の実際温度th を熱板
の設定温度Th になるように制御し、金型の実際温度t
m が金型の設定温度Tm に対してずれている分を、雰囲
気温度と加硫時間とを考慮しながら、熱板の設定温度T
h を変更することにより補正し、熱板の実際温度tm と
変更した後の熱板の設定温度Th が常に熱板の設定温度
となるように制御する。
【0069】この温度制御は、まず雰囲気温度センサ1
8により検出された加硫機の雰囲気温度te と加硫時間
計測部19により求められた加硫時間Sに基づいて、補
助ファジィ推論部20にて、予め決められたファジィル
ール(図6参照)とメンバーシップ関数(図7参照)に
よりファジィ推論を実行し、記憶部8に記憶されている
熱板の設定温度Th の補正量推論値Δte を求める。
【0070】同時に、金型温度センサ6から一定時間間
隔で金型の実際温度tm を取り込み、これを第1温度偏
差計算部9と第1温度変化計算部10、および記憶部8
のメモリ8bに出力する。これと同時に、記憶部8のメ
モリ8aから第1温度偏差計算部9に金型の設定温度T
m を出力し、金型の温度偏差δ1 (金型の実際温度tm
と金型の設定温度Tm との差温)を演算して求める。
【0071】また、記憶部8のメモリ8bから一定時間
前の金型の実際温度tm-1 を温度変化計算部10に出力
し、この温度変化計算部10で、金型の現在の実際温度
tmと金型の一定時間前の実際温度tm-1 との差温、す
なわち温度変化Δ1 を演算して求める。
【0072】そして、この温度偏差δ1 と温度変化Δ1
に基づき、第1ファジィ推論部11で、予め決められた
ファジィルール(図2参照)とメンバーシップ関数(図
3参照)によりファジィ推論を実行して推論値を求め、
これを熱板設定温変更部12に出力する。
【0073】一方、補助ファジィ推論部20で求められ
た熱板の設定温度の補正量Δte は、熱板設定温変更部
12に出力され、この熱板設定温変更部12では、補助
ファジィ推論部20からの補正量Δte と、上述した第
1ファジィ推論部11からの操作量の和より、熱板の設
定温度Th を変更する。
【0074】第2温度偏差計算部13では、上述した熱
板温度変更部12から変更後の熱板の設定温度Th と、
熱板温度センサ7から一定時間間隔で熱板の実際温度t
h を取り込む。これと同時に、記憶部8のメモリ8cか
ら第2温度偏差計算部13に熱板の設定温度Th を取り
込み、熱板の温度偏差δ2 (熱板の実際温度th と補正
後の熱板の設定温度との差温)を演算して求める。
【0075】また、記憶部8のメモリ8dから一定時間
前の熱板の実際温度th-1 を第2温度変化計算部14に
出力し、この第2温度変化計算部14で、熱板の現在の
実際温度th と熱板の一定時間前の実際温度th-1 との
差温、すなわち温度変化Δ2を演算して求める。
【0076】そして、この温度偏差δ2 と温度変化Δ2
に基づき、第2ファジィ推論部15で、予め決められた
ファジィルール(図4参照)とメンバーシップ関数(図
5(A)(B)(C)参照)によりファジィ推論を実行
して推論値を求め、これを出力値計算部16に出力す
る。出力値計算部16では、熱板の作動/停止時間のデ
ューティ比を演算し、この演算結果により定められる制
御信号を熱板制御部17に出力する。
【0077】このように、本実施例の温度制御装置は、
温度変化が大きく応答性が悪い金型温度を直接的に維持
制御するのではなく、熱板の温度を一定温度に制御する
ように構成し、しかも、金型の実際温度と雰囲気温度お
よび加硫時間に応じて、熱板の設定温度を逐次補正する
ようにしているので、金型温度や雰囲気温度・加硫時間
の変動が大きくても、状況の変動に適正に対応して最適
な温度制御を行うことができる。
【0078】また、熱板の温度制御にファジィ推論を用
いているので、金型の温度上昇速度を最短時間で達成す
ることができると共に、金型の実際の温度がオーバーシ
ュートすることを防止でき、比較的滑らかな温度変化を
行う加硫機にとって好ましい制御となる。
【0079】なお、本発明は上述した実施例のみに限定
されることなく本発明の要旨を越えない限りにおいて種
々に改変することが可能である。例えば、上記実施例で
は加硫機に用いられている熱板の温度制御に本発明の温
度制御装置を適用した具体例を示したが、本発明の温度
制御装置の基本的思想は加硫機にのみ限定されることな
く加熱物を加熱処理する装置にも適用することができ
る。
【0080】
【発明の効果】本発明の加硫機の温度制御装置は、金型
の実際温度と金型の設定温度との差温および金型の実際
温度と金型の実際温度のうち一定時間前の実際温度との
差温を入力パラメータとして第1のファジィ推論を実行
し、これと雰囲気温度および加硫時間とにより熱板の設
定温度の補正量を求め、さらに、熱板の実際温度と変更
後の熱板の設定温度との差温および熱板の実際温度と熱
板の実際温度のうち一定時間前の実際温度との差温を入
力パラメータとして第2のファジィ推論を実行し、この
推論値に基づいて熱板の作動時間を制御しているので、
加硫条件を遵守しながら、オーバーシュートすることな
く、加硫処理の時間を短縮できると共に、金型温度や雰
囲気温度・加硫時間の変化量の大小に拘らずあらゆる加
硫機に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る加硫機の温度制御装置
を示すブロック図である。
【図2】同実施例の第1ファジィ推論部におけるファジ
ィルールを示す図である。
【図3】同実施例の第1ファジィ推論部におけるメンバ
ーシップ関数を示すグラフであり、(A)は温度偏差、
(B)は温度変化、(C)は熱板の設定温度の補正量の
メンバーシップ関数を示すグラフである。
【図4】同実施例の第2ファジィ推論部におけるファジ
ィルールを示す図である。
【図5】同実施例の第2ファジィ推論部におけるメンバ
ーシップ関数を示すグラフであり、(A)は温度偏差、
(B)は温度変化、(C)は熱板のデューティ比の操作
量のメンバーシップ関数を示すグラフである。
【図6】同実施例の補助ファジィ推論部におけるファジ
ィルールを示す図である。
【図7】同実施例の補助ファジィ推論部におけるメンバ
ーシップ関数を示すグラフであり、(A)は雰囲気温
度、(B)は加硫時間、(C)は熱板の設定温度の補正
量のメンバーシップ関数を示すグラフである。
【図8】図3、図5および図7にそれぞれ示す3つのメ
ンバーシップ関数から制御量を求める方法(MAX−M
IN−重心法)を説明するグラフである。
【符号の説明】
1…被加熱物(被加硫物) 2…上型 3…下型 4…上部熱板 5…下部熱板 6…金型温度センサ 7…熱板温度センサ 8…記憶部 8a…金型の設定温度のメモリ 8b…一定時間前の金型の実際温度のメモリ 8c…熱板設定温度のメモリ 8d…一定時間前の熱板の実際温度のメモリ 9…第1温度偏差計算部 10…第1温度変化計算部 11…第1ファジィ推論部 12…熱板設定温変更部 13…第2温度偏差計算部 14…第2温度変化計算部 15…第2ファジィ推論部 16…出力値計算部 17…熱板制御部 18…雰囲気温度センサ 19…加硫時間計測部 20…補助ファジィ推論部 tm …金型の実際の温度 tm-1 …一定時間前の金型の実際温度 th …熱板の実際の温度 th-1 …一定時間前の熱板の実際温度 Th …熱板の設定温度 Tm …金型の設定温度 te …雰囲気温度 Δte …熱板の設定温度の補正量 S…加硫時間

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被加熱物(1)を金型(2,3)内に投入
    し、熱板(4,5)により前記金型(2,3)を介して
    前記被加熱物(1)を加熱処理する加硫機において、 前記金型の実際の温度(tm )を検出する金型温度セン
    サ(6)と、 前記熱板の実際の温度(th )を検出する熱板温度セン
    サ(7)と、 前記加硫機の雰囲気温度(te )を検出する雰囲気温度
    センサ(18)と、 前回の加硫開始から次回の加硫開始までの時間(S)を
    計測する加硫時間計測部(19)と、 前記金型の設定温度(Tm )、前記熱板の設定温度(T
    h )、前記金型温度センサ(6)により検出された金型
    の実際の温度(tm )、および前記熱板温度センサ
    (7)により検出された熱板の実際の温度(th )を記
    憶する記憶部(8)と、 前記金型温度センサ(6)により検出された前記金型の
    実際の温度(tm )と前記記憶部(8)に記憶されてい
    る前記金型の設定温度(Tm )との差温(δ1)を計算
    する第1温度偏差計算部(9)と、 前記金型温度センサ(6)により検出された前記金型の
    実際の温度(tm )と前記記憶部(8)に記憶されてい
    る前記金型の実際の温度(tm )のうち一定時間前の実
    際の温度(tm-1 )との差温(Δ1 )を計算する第1温
    度変化計算部(10)と、 前記第1温度偏差計算部(9)により求められた温度偏
    差(δ1 )と前記第1温度変化計算部(10)により求
    められた温度変化(Δ1 )に基づき、予め決められたフ
    ァジィルールとメンバーシップ関数によりファジィ推論
    を実行して推論値を求める第1ファジィ推論部(11)
    と、 前記雰囲気温度センサ(18)により検出された前記加
    硫機の雰囲気温度(te )と前記加硫時間計測部により
    求められた加硫時間(S)に基づき、予め決められたフ
    ァジィルールとメンバーシップ関数によりファジィ推論
    を実行して、前記記憶部(8)に記憶されている熱板の
    設定温度(Th )の補正量推論値(Δte )を求める補
    助ファジィ推論部(20)と、 前記第1ファジィ推論部(11)により求められた推論
    値と前記補助ファジィ推論部(20)により求められた
    補正量(Δte )に基づいて、前記記憶部(8)に記憶
    されている熱板の設定温度(Th )を変更する熱板設定
    温変更部(12)と、 前記熱板温度センサ(7)により検出された前記熱板の
    実際の温度(th )と前記熱板設定温変更部(12)に
    より求められた熱板の変更後の設定温度(Th)との差
    温(δ2 )を計算する第2温度偏差計算部(13)と、 前記熱板温度センサ(7)により検出された前記熱板の
    実際の温度(th )と前記記憶部(8)に記憶されてい
    る前記熱板の実際の温度(th )のうち一定時間前の実
    際の温度(th-1 )との差温(Δ2 )を計算する第2温
    度変化計算部(14)と、 前記第2温度偏差計算部(13)により求められた温度
    偏差(δ2 )と前記第2温度変化計算部(14)により
    求められた温度変化(Δ2 )に基づき、予め決められた
    ファジィルールとメンバーシップ関数によりファジィ推
    論を実行して推論値を求める第2ファジィ推論部(1
    5)と、 前記第2ファジィ推論部(15)により求められた推論
    値に基づいて前記熱板(4,5)の作動時間を演算し、
    この演算結果により定められる制御信号を前記熱板の制
    御部(17)に出力する出力値計算部(16)とを有す
    ることを特徴とする加硫機の温度制御装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH079457A (ja) * 1993-06-29 1995-01-13 Bridgestone Corp 加硫制御方法及び加硫システム
WO1995027235A1 (fr) * 1994-03-31 1995-10-12 Omron Corporation Systeme et methode de regulation
CN105538564A (zh) * 2016-02-26 2016-05-04 清华大学 轮胎智能硫化的控制系统

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