JPH0679576B2 - コ−ヒ−等の調合装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は飲料用の自動販売機、サービスカウンター等に
使用するコーヒー，紅茶等の原料から短時間で飲料を抽
出するコーヒー等の調合装置に利用するものである。

従来の技術 これまでコーヒーの調合装置として、コーヒーの抽出効
率（例えば濃度）あるいは風味を向上するために、第５
図に示すようにコーヒー粉と湯の接触を良化するため
に、例えば特公昭46−28393号公報には、第１シリンダ
１内に湯２とコーヒー粉３を投入し、フィルター４下部
の第２シリンダ５内のピストン６を上昇させて、ピスト
ン６の上部の空気を湯２内に吹き出しコーヒー粉３との
攪拌を向上するものが知られている。また他に、実開昭
60−57885号公報には、第６図に示すように、シリンダ
７内に湯２とコーヒー粉３を投入し、ピストン８で湯を
圧送するタイプのもので、フィルタ９に凹凸9aあるいは
透孔9bのない盲部9cを形成して、流れの乱れを生じさせ
て濃度向上を図るものが知られている。

発明が解決しようとする問題点 しかしながら前者のものは、気泡による攪拌であり、実
際に湯２がフィルター３を通して流れる抽出条件では、
もはや気泡による攪拌は期待できず、攪拌を長くするた
めには、ピストン上昇時の速度を遅くしたりする必要が
あるが、このことはサイクルタイムの増加となり好まし
くない。また別にシリンダ１内に湯２およびコーヒー粉
３を投入する形態であるため、上下シリンダ1,5とも汚
れるため、洗浄範囲が増加するという問題点がある。ま
た後者のものにおいては、抽出用のフィルター３に凹凸
9aあるいは盲部9cを形成しているため、湯２の出口側で
乱流が生じるけれども、この乱流は上方の湯２およびコ
ーヒー粉３に達しはくく、またピストン８の下昇が進む
につれフィルター３上に堆積するコーヒー粉３により乱
流効果が減少するという問題があるとともに、前者と同
様にシリンダ７内にコーヒー粉３を入れるタイプである
ため、洗浄性に難があるものである。

問題点を解決するための手段 本発明は上述した問題点に対し、湯のみを圧送するシリ
ンダおよびピストンの下端に、コーヒー粉を収納する調
合カップを配設し、この調合カップ内に流れ込む湯自体
に旋回あるいは分流による攪拌を生じさせる偏流板とフ
ィルターをシリンダの底部開口に順次着脱自在に設けた
ものである。

作用 かかる構成により、調合カップ内に流れ込む湯は、旋回
流あるいは、分流による流速の速い流れが形成され、調
合カップ内でのコーヒー粉と湯の攪拌効果が湯の圧送の
始めから終りまで継続して行なわれる。

実施例 以下本発明の一実施例を図示する図面を参照しながら説
明する。

50はコーヒーの調合装置であり、上方の第１フレーム51
と、係合ピン52にて第１フレーム51に着脱自在に取付け
られる第２フレーム53で構成されている。

第１フレーム51内には、上下摺動可能なシリンダ54が、
シリンダロッド55の下端にボルト56にて固定してあり、
シリンダロッド55は軸受部材57によりフレーム51に取付
けてある。58は、シリンダ54内に摺動自在に設けた圧湯
装置（以下ピストンという）であり、ピストンロッド59
の下端が直結してある。60は中央でピストンロッド59の
上端が固定され、両端がシリンダロッド55に係合したス
ライドビームである。61はスライドビーム60を上下動す
るカムプレート、62はカムプレート61を回動するモー
タ、63はカムフォロァーである。またシリンダロッド55
自体は図示しない別のカムプレートにて上下に摺動され
る。また64,65はモータ62の自走用スイッチおよびスイ
ッチカムである。第２フレーム53には、シリンダ54の底
部開口66にパッキン67を介して密着する円筒状の調合カ
ップ68が配置される。69はこの調合カップ68を上下に摺
動自在に支持し、かつガイドレール70にて第１図紙面上
で前後に摺動移動できるように第２フレーム53に取付け
たキャリッジである。71は押出用フィルター72およびフ
ィルターパッキング73を介して調合カップ68の下端に密
着するフィルターユニットで、74はロートである。

75はシリンダ54の底部開口66に設けた係止段部66aに上
端が係合する偏流板であり、第３図に示すように調合カ
ップ68へ流入する湯を旋回流とする複数の傾斜ノズル76
を一体に形成してある。77は偏流板75の下面に配置した
ステンレス等で形成したフィルター、78はフィルター77
を固定するリング状の止め具である。

また第４図は、偏流板79の他の実施例を示したもので、
小径の透孔80を複数個形成して、流速の早い分枝流とし
て調合カップ68内に噴流として流れ込むタイプのもので
ある。

次に抽出時の動作，作用について説明する。予じめ、調
合カップ68にミル（図示せず）にて粉砕したコーヒー粉
を所定量充填し、シリンダ54とフィルターユニット71間
に液密に装着する。次に、シリンダ54内より一旦ピスト
ン58を引き上げ、ピストン58とシリンダ54の隙間より所
定量の湯を注入する。その後ピストン58を下降させ湯Ａ
を調合カップ68内に圧送する。

このとき第５図に示すように、調合カップ68内に流入す
る湯Ａは強い旋回流となって流入されるためコーヒー粉
Ｂの約３〜５割は上方に舞い上り、攪拌により濃度の向
上（実測によれば20〜30％）図れるとともに、抽出フィ
ルター71上のほぼ静止した（湯とともに旋回していない
という意味）コーヒー層の厚さが偏流板がなく舞い上り
の少ない従来と比べて減少するため流路抵抗が減少し抽
出時間を短縮（約15％）が可能である。

発明の効果 本発明は上記した構成により、偏流板をシリンダの底部
開口に設けたため、調合カップ内への湯の圧送が、旋回
流あるいは流速の早い分枝流として全て流れ込むため、
抽出動作の全域に沿って調合カップ内でコーヒー粉と湯
の攪拌が著しく向上し、濃度を向上できるとともに調合
カップの底部で堆積するコーヒー粉の厚さが従来に比べ
減少できるので、抽出時間の短縮が図れる。また、偏流
板はシリンダの底部開口に着脱自在に取付けてあるた
め、洗浄等が容易に可能なばかりか、アイスコーヒー、
ホットコーヒー等のシーズンによって使い分けをして濃
度調整ができる等の効果がある。更にフィルターを偏析
板の下方に位置することにより、偏流板がコーヒー粉に
触れることがなく、汚れ等を防止でき、更に、コーヒー
粉での汚れは調合カップのみに限られるため、抽出後の
コーヒーカス処理がしやすい等の効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示すコーヒー等の調合装置
の正面図、第２図は第１図の要部の拡大断面図、第３図
は偏流板の斜視図、第４図は偏流板の他の実施例を示す
斜視図、第５図は抽出中の状態を示す断面図、第６図は
従来例を示す断面図、第７図は他の従来例を示す断面図
である。 54……シリンダ、58……圧湯装置（ピストン）、68……
調合カップ、71……抽出用フィルタ、66……底部開口、
75,76……偏流板、77……フィルタ。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】底部開放のシリンダと、このシリンダ内の
   湯を強制圧送する圧湯装置と、コーヒー等の原料を収納
   し、上端が前記シリンダの底部に密着する調合カップ
   と、抽出用フィルターとを備え、前記シリンダの底部開
   口には、シリンダ内の湯を旋回、あるいは分流する偏流
   板とフィルターとを着脱自在に取付けてなるコーヒー等
   の調合装置。
2. 【請求項２】フィルターは偏流板の下方に位置する特許
   請求の範囲第１項記載のコーヒー等の調合装置。