JPH0679104B2 - プロジエクシヨンテレビ - Google Patents

プロジエクシヨンテレビ

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JPH0679104B2
JPH0679104B2 JP60052279A JP5227985A JPH0679104B2 JP H0679104 B2 JPH0679104 B2 JP H0679104B2 JP 60052279 A JP60052279 A JP 60052279A JP 5227985 A JP5227985 A JP 5227985A JP H0679104 B2 JPH0679104 B2 JP H0679104B2
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light
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、テベル画像などの画像発生源に表示された画
像を、投写レンズなどの光学的手段を用いてスクリーン
上に拡大投写するプロジェクションテレビにおいて、色
収差を低減しフォーカス特性を向上したプロジェクショ
ンテレビに関するものである。
[発明の背景] 画面サイズ40〜70インチの大画面のテレビ画像を実現さ
せるために、現在、小型ブラウン管の前面に拡大投写レ
ンズを配置し、小型ブラウン管の蛍光面に映し出された
映像を7〜15倍程度に拡大してスクリーン上に投写する
システムが普及してきた。その普及を支える技術的要因
の1つとして、量産性に優れるプラスチックを材料とし
たレンズ素子の製造が可能となった点があげられる。さ
らに最近では、高解像度化を目的として、色収差を改善
した投写レンズの必要性が高まっている。
しかしながら、上記のシステムにおいて、色収差補正を
プラスチックレンズで行なうことは、レンズ枚数の増加
を招き、プラスチックレンズ本来のメリットであった軽
量化、低コスト化を著しく損なうものとなってしまうた
めに、色収差の改善は事実上行なわれていなかった。
これに対し、上記の状況を考慮した色収差の従来の改良
例として、実開昭57−180957号公報、特開昭58−134592
号公報、特開昭57−37990号公報に開示されている技術
が提案されている。これらは吸収フィルタを採用し、小
型ブラウン管の発光スペクトルのうちの不必要な波長成
分をカットし色収差を改善しようとするものである。
上記の従来技術では、色収差は改善されるものの画像の
輝度が低下し、この点についてさらに配慮する必要があ
った。
さらに、特開昭58−134592号公報の技術においては、ス
クリーン画面中央部と周辺部とでの白バランスが異なる
こととなり、画面上に色むらが発生してしまうという問
題点があった。
[発明の目的] 本発明の目的は、上記の従来の問題点を解決し、スクリ
ーン画面上の色収差の低減を、気取損失を最小限におさ
えて達成するとともに、画面上の色むらを低減したプロ
ジェクションテレビを提供することにある。
[発明の概要] 上記の目的を達成するため、本発明のプロジェクション
テレビにおいては、投写レンズに、波長に対し所望の分
光透過率特性を有する透過性波長選択材料からなるフィ
ルタを設け、前記フィルタの透過率が、レンズの中心軸
からの径方向位置が遠くなるに従って徐々に低下するよ
うにする。前記フィルタは、投写レンズを構成するレン
ズ素子のうち少なくとも1枚のレンズ素子全体、または
レンズ素子の表面、またはレンズ素子の内部に設ける構
成とする。
さらに、投写レンズを構成するレンズ素子のうち、画像
発生源たる小型ブラウン管の表示画像上の各画素からの
投写光束の上限光線または下限光線が、レンズ素子の外
周部付近を通過するようなレンズ素子に、前記フィルタ
を設ける構成とする。
また、レンズの中心軸からの径方向位置による前記フィ
ルタの透過率の変化は、3原色の赤、緑、青の各色用の
投写レンズごとに最適化した構成とする。
上記の構成のプロジェクションテレビにおいては、投写
レンズの光軸付近を通り明るさに対する寄与の大きい光
線に対し、投写レンズの光軸付近では透過率が相対的に
大きいことから、明るさの低下が少なくなる。また、投
写レンズの外周部付近を通り明るさに対する寄与の少な
い光線に対しては、投写レンズの外周部付近の透過率を
相対的に小さくすることにより、色収差の低減を図るこ
とができる。
また、レンズの中心軸からの径方向位置による前記フィ
ルタの透過率の変化を、3原色の赤、緑、青の各色用の
投写レンズごとに最適化することにより、スクリーン上
で赤、緑、青の3色の画像を合成した画像において、ス
クリーン中心部付近と周辺部での白バランスのくずれは
ほとんど問題ない水準となる。
これにより、スクリーン画面上の色収差の低減を、輝度
損失を最小限におさえて達成できるとともに、画面上の
色むらは良好なものとなる。
[発明の実施例] 以下、本発明の第一の実施例を第1図乃至第5図により
説明する。
第1図は本発明の第一の実施例としての投写レンズの要
部を示す断面図であり、1は第1のレンズ素子、2は第
2のレンズ素子、3は第3のレンズ素子である。この投
写レンズは、第1のレンズ素子1が画像発生源たる小型
ブラウン管(図示せず)側、第3のレンズ素子3がスク
リーン(図示せず)側となるように配置される。4はフ
ィルタであり、第2のレンズ素子2のスクリーン側の光
出射面に設けられている。
上記のフィルタ4の、第2のレンズ素子2の中心軸から
の径方向位置Rにおける分光透過率をTF(λ,r)とす
る。ここに、λは光の波長である。また、rはレンズ素
子2の中心軸からの径方向の距離の、有効半径R0に対す
る相対値として定義され、次式で表される。
r=R/R0 …(1) 説明を簡単にするため、波長λの変化による分光透過率
TF(λ,r)の変化と、径方向相対位置rの変化による分
光透過率TF(λ,r)の変化が独立であると仮定すると、
分光透過率TF(λ,r)は次式で表される。
TF(λ,r)=ρ(λ)×P(r) …(2) ここに、ρ(λ)は波長λの光の透過率、P(r)は径
方向相対位置rにおける透過率である。
第2図は、上記のフィルタ4の、径方向相対位置rにお
ける透過率P(r)の例を示す図である。第2図におい
て、透過率P(r)は次式で与えられ、レンズの径方向
の相対位置rが大きくなるにしたがって小さくなる特性
を有する。
P(r)=1−αrβ …(3) ただし、αは0<α≦1を満たす任意の定数、βはβ>
0を満たす任意の定数である。
上記のような分光透過率TF(λ,r)を有するフィルタ4
を第2のレンズ素子2の表面に設けたときの、投写レン
ズの明るさの低下と色収差の改善との関係について明ら
かにするため、まず、投写レンズの明るさから説明す
る。
フィルタ4に入射する画像光の光エネルギE1と、フィル
タ4を透過し出射する画像光の光エネルギE0は、それぞ
れ次式で与えられる。
E1=∫β0 12πrC(λ)drdλ …(4) E1=∫λ0 12πrC(λ)TF(λ,r)drdλ …(5) ここで、C(λ)は、フィルタ4に入射する小型ブラウ
ン管からの光の、第2のレンズ素子2の光軸に垂直な単
位面積あたりのエネルギーの分光スペクトル特性であ
り、光の波長λによる異なる値をとる。説明を簡単にす
るため、フィルタ4の径方向相対位置rに無関係と仮定
する。
このとき、フィルタ4の入射光のエネルギE1に対する出
射光のエネルギE0の比により投写レンズの明るさを評価
するものとし、この比を輝度Bと定義すると、(4)
式、(5)式、及び(2)式より、輝度Bは次のように
なる。
(6)式において、小型ブラウン管からの光の分光スペ
クトル特性C(λ)が、離散的な波長λiに対するデー
タC(λi)として与えられるときは、(6)式は次式
のようになる。
さらに、(7)式において、(3)式のP(r)を用い
ると、Bは次式のようになる。
ここでK1は、次式で表される。
(8)式のK1は、フィルタの種類、及び小型ブラウン管
の発光スペクトルにより一義的に決まる定数である。
次に、色収差特性について、レンズの倍率色収差(横色
収差とも呼ばれる)に着目して以下説明する。
第9図は、公知の倍率色収差の概念を示す概略図であ
り、簡単のため、レンズ厚さが極めて薄い一般的な薄肉
凸レンズについて描いてある。
第9図において、5は薄肉凸レンズであり、ある分光ス
ペクトルを有する光線のうち主波長の光線9が、薄肉凸
レンズ5の光軸上の物点Lから、薄肉凸レンズ5の径方
向相対位置rを通り、光軸上の像点Mに収束するとき、
主波長と異なる波長λの光線10は、物点Lから、薄肉凸
レンズ5の径方向相対位置rを通り、像点M′に収束す
る。
このとき、像点Mを含む像面において、倍率色収差H
(λ,r)は、径方向相対位置rに比例し、次式で表され
る。
H(λ,r)=h(λ)×r …(10) ここで、h(λ)は、光の波長λにより異なる定数であ
る。
このとき、波長λの光による倍率色収差H(λ,r)の径
方向相対位置rにおける分光透過率TF(λ,r)、及び投
写型ブラウン管からの光の分光スペクトル特性C(λ)
を考慮して加重平均を求め、これを輝線幅Dと定義する
と、輝線幅Dは次式となる。但し、a2は比例定数であ
る。
(2)式、(10)式を(11)式に代入すると、輝線幅D
は、次のようになる。
(12)式において、小型ブラウン管からの光の分光スペ
クトル特性C(λ)が、離散的な波長λiに対するデー
タC(λi)として与えられるときは、(12)式は次式
のようになる。
さらに、(13)式において、(3)式のP(r)を用い
ると、輝線幅Dは次式のようになる。
ここでK2は、次式で表される。
(15)式において、K2は、フィルタの種類、投写型ブラ
ウン管の発光スペクトル、及びレンズの倍率色収差によ
り一義的に決まる定数である。
以上において導いた輝度Bと輝線幅Dを用いて、前記の
分光透過率TF(λ,r)を有するフィルタ4を第2のレン
ズ素子2の表面に設けたときの、投写レンズの明るさの
低下と色収差の改善との関係について、以下に説明す
る。
第3図及び第4図は、輝線幅Dを、輝度Bをパラメータ
として図示したものであり、第3図ではα、第4図では
βをそれぞれ横軸にとっている。縦軸は、最大値(P
(r)=1のとき)で正規化している。たとえばB=0.
9を仕様値とした場合、輝線幅Dを最小とする条件は、
第3図、第4図において、α=1.0、β=18.0であり、
このとき輝線幅Dは0.95となることがわかる。
実際のスクリーン上における輝線においては、その半幅
には倍率色収差H(λ,r)の加重平均Dにおいて上記の
係数K2の効果が加わる。
第5図に、フィルタ4の分光透過率TF(λ,r)のうち波
長λに依存する透過率ρ(λ)を、前記の縁用の投写型
ブラウン管の発光スペクトルとあわせて示す。第5図の
投写型ブラウン管の発光スペクトル、透過率ρ(λ)の
場合、上記の係数K2は約0.55となり、輝線の半幅は0.52
(=0.95×0.55)となり、本発明により48%改善され
る。
上記は、B=0.9の場合であるが、Bの値はこれに限定
されるものではなく、B=0.8ないし0.95程度の範囲で
あれば、本発明を有効に実施することができる。この場
合の輝線幅は、フィルタがない場合の輝度幅に比べ、約
45乃至61%改善される。
実際に第2図の径方向相対位置rにおける透過率特性を
有するフィルタをレンズ素子表面に試作し実測したとこ
ろ、ほぼ上記の計算結果に近い性能を得た。
一方、第5図に示した透過率特性を有するフィルタ4を
レンズ素子の表面に設け、そのレンズを緑色の小型ブラ
ウン管と組み合わせたとき、小型ブラウン管の発光スペ
クトルのうち、赤、青のスプリアス成分はフィルタ4に
より低減されるので、緑の色純度が向上する効果があ
る。
次に、本発明の第二の実施例を第6図により説明する。
第6図は本発明の第二の実施例としての投写レンズの要
部を示す断面図であり、1は第1のレンズ素子、2は第
2のレンズ素子、3は第3のレンズ素子、7は画像発生
源としての小型ブラウン管のフェイスパネル、8は小型
ブラウン管の蛍光面である。4はフィルタであり、第3
のレンズ素子3の小型ブラウン管側の光入射面と、スク
リーン側の光出射面の2面に設けられている。
第6図から明らかなように、この投写レンズでは、第2
のレンズ素子2が他のレンズ素子に比較してレンズ面の
曲率半径が小さく、この投写レンズ全体が有する全屈折
力のうちの主たる屈折力を分担している。
第6図においては、小型ブラウン管の蛍光面上の各点か
らの出射光束11は、いずれもその一部が第3のレンズ素
子3の外周部付近を通っている。一部の物点からの出射
光束がレンズ素子の外周部付近を通らず、中心付近のみ
を通過するような場合には、スクリーン上の画面におい
て、場所によって色収差が大きくフォーカス特性が低下
したり、3原色の色純度が低下して画面に色むらを生じ
たりすることがある。上記のように、蛍光面上のいずれ
の物点からの出射光束11もその一部がレンズ素子の外周
部付近を通るようなレンズ素子を選び、そのレンズ素子
のレンズ面にフィルタを設けるのが最も望ましく、その
場合に本発明は最も効果的に実施することができ、色収
差の少ない良好なフォーカス特性が得られるとともに、
画面の色むらがほとんどなくなる効果がある。また本実
施例のように、フィルタ4を設けるレンズ素子が、投写
レンズ全体が有する屈折力のうちの主たる屈折力を分担
しているレンズ素子よりスクリーン側に位置するときに
は、フィルタ4において反射光が発生しても、その反射
光のうち投写管の螢光面にまで戻る光は極めて少なく、
したがってその戻り光が螢光面で拡散反射されて迷光と
なる光が極めて少ないことから、画像のコントラストが
良くなる効果もある。
本実施例では、第3のレンズ素子3の小型ブラウン管側
の光入射面と、スクリーン側の光出射面の2面にフィル
タ4を設ける構成としたが、前記の第一の実施例と同様
に、レンズ素子3の光入射面、光出射面のいずれか1面
にのみフィルタ4を設ける構成としてもよい。このと
き、レンズ素子3の光入射面にのみフィルタ4を設ける
場合は、レンズ素子3の光出射面にのみフィルタ4を設
ける場合より、フィルタ4における上記の反射光のうち
投写管の螢光面にまで戻る光が少なく、さらにコントラ
ストが良好となる。一方、レンズ素子3の光出射面にの
みフィルタ4を設ける場合は、レンズ素子3の光入射面
にのみフィルタ4を設ける場合より、フィルタ4に対す
る光の入射角が相対的に小さくなることから、フィルタ
効果がより均等に働き、画面上の色むらが少なくなる効
果もある。
一方、フィルタ4の径方向相対位置rにおける透過率P
(r)は、第2図に示した特性に限定されるものではな
い。
第7図は、フィルタ4の径方向相対位置rにおける透過
率P(r)の他の例を示す図である。
第7図に示した透過率P(r)の例においては、r=0.
88付近で透過率P(r)の線が折れ曲がっている。透過
率P(r)がこのような特性であっても、上記の第一、
第二の実施例と同様の効果がある。
次に、本発明の第三の実施例を第8図により説明する。
第8図は本発明の第三の実施例としての投写レンズの要
部を示す断面図であり、1は第1のレンズ素子、2は第
2のレンズ素子、3は第3のレンズ素子である。
本実施例においては、第3のレンズ素子3全体をフィル
タ4としており、フィルタ4の分光透過率をTF(λ,r)
は前記の第一、第二の実施例と同様とする。本実施例の
構成によっても、前記の実施例と同様の効果を得ること
ができる。
一方、上記の各実施例では、特に緑色の小型ブラウン管
用の投写レンズに絞って説明したが、同様の考え方を赤
用、青用の投写レンズにも適用できる。この場合、スク
リーン上で赤、緑、青の3色の画像を合成した画像にお
いて、スクリーン中心部付近と周辺部での白バランスが
くずれて色むらを生じてしまうことがある。その理由
は、赤用、緑用、青用の投写レンズの位置が異なるため
に、3色の輝度比が中心部と周辺部で一定に保たれなく
なってしまうことによる。その解決策として、フィルタ
4の径方向相対位置rにおける透過率P(r)を、赤
用、緑用、青用で異なる特性とすれば、白バランスのぐ
ずれはほとんど問題ない水準となる。たとえば、赤に対
してはα=1.0、β=20.5、緑に対しては、α=1.0、β
=18.3、青に対してはα=1.0、β=22.2とすればよ
い。
なお、フィルタとしては、上記の各実施例においては専
ら染料、顔料等の物質による光の吸収を利用する吸収フ
ィルタを念頭において説明したが、フィルタはこれに限
定されるものではない。
一般に光学的なフィルタは、材料面からは上記の吸収ィ
ルタと、誘電体薄膜や金属薄膜の多層膜からなる干渉フ
ィルタとに大別される。フィルタの分類については、た
とえば、「光学技術ハンドブック」(株式会社朝倉書店
発行、昭和45年3月5日3版)第9章第9.6節(第695頁
乃至第718頁)、「応用分光学ハンドブック」(株式会
社朝倉書店発行、昭和48年11月25日初版)第II編第1章
第1.3節(第259頁乃至第284頁)、「新編色彩科学ハン
ドブック」(財団法人東京大学出版会発行、昭和57年7
月25日第4刷)第21章(第745頁乃至第794頁)、「光学
的測定ハンドブック」(株式会社朝倉書店発行、昭和56
年7月25日初版第1刷)第I編第2章第2.6節(第82頁
乃至第87頁)などの文献に詳述されている。
干渉フィルタにおいては、フィルタ4の分光透過率T
F(λ,r)のうち波長λに依存する透過率ρ(λ)は、
多層膜の構成に依存して決まる。また、フィルタ4の径
方向相対位置rにおける透過率P(r)は、レンズ素子
の外周部付近の多層膜の構成を、レンズ中心部付近の多
層膜の構成と異なるようにすることにより、径方向相対
位置rに対して変化する特性を付与することができる
が、フィルタの製造工程が非常に手間のかかる工程とな
る。
一般に、投写型ブラウン管の蛍光面から投写レンズを経
てスクリーンに至る光線は、投写レンズのレンズ素子を
通過するとき、レンズ素子の光軸付近ではフィルタに対
する入射角が小さく、フィルタ面に対いてほぼその法線
方向に近い方向から入射するのに対し、レンズ素子の外
周部付近ではフィルタに対する入射角が大きく、フィル
タ面に対して斜めに入射する。このとき、波長λに対す
る分光透過率ρ(λ)の特性は、短波長方向にずれる。
したがってフィルタの分光透過率ρ(λ)の特性を、投
写型ブラウン管からの光がフィルタ面に対してほぼ法線
方向に入射するときに、投写型ブラウン管の発光スペク
トル中の主波長成分の光を選択的に透過するような特性
となるよう多層膜を構成すれば、径方向相対位置rが大
きくなるレンズ素子の外周部付近では自ずと透過率P
(r)は低下することになる。ただし、この場合、透過
率P(r)は径方向相対位置rだけではなく、波長λに
も依存する。このため前記の第一の実施例において説明
したような近似的計算はそのまま適用できず、効果の見
積りにはより精密な計算を必要とするが、本発明の本質
は十分に達成できる。
[発明の効果] 以上述べたように、本発明によれば、プロジェクション
テレビにおいては、プラスチックレンズの本来のメリッ
トである軽量、低コストを損なうことなく、スクリーン
画面上の色収差を、輝度損失を最小限におさえて達成で
き、また、画面上の色むらが著しく低減できる効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第一の実施例としての投写レンズの要
部を示す断面図で、第2図は第一の実施例におけるフィ
ルタの径方向相対位置rにおける透過率P(r)の例を
示す図で、第3図は第一の実施例における輝線幅Dと輝
度Bとの関係を示す図で、第4図は第一の実施例におけ
る輝線幅Dと輝度Bとの関係を示す図で、第5図は緑用
の投写型ブラウン管の発光スペクトルとフィルタの分光
透過率TF(λ,r)のうち波長λに依存する透過率ρ
(λ)を示す図である。第6図は本発明の第二の実施例
としての投写レンズの要部を示す断面図で、第7図はフ
ィルタの径方向相対位置rにおける透過率P(r)の他
の例を示す図で、第8図は本発明の第三の実施例として
の投写レンズの要部を示す断面図で、第9図は薄肉凸レ
ンズにおける公知の倍率色収差の概念を示す概略図であ
る。 符号の説明 1……第1のレンズ素子、2……第2のレンズ素子、3
……第3のレンズ素子、4……フィルタ、5……薄肉凸
レンズ、7……小型ブラウン管のフェイスパネル、8…
…小型ブラウン管の蛍光面。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数のレンズ素子で構成される投写レンズ
    を赤、緑及び青色用としてそれぞれ1本配置し、画像発
    生源の表示画像を前記3本の投写レンズでスクリーン上
    に拡大投写するプロジェクションテレビにおいて、 前記3本の投写レンズが、それぞれのレンズ素子に、波
    長に対して所望の分光透過率特性を有する透過性選択材
    料からなるフィルタを有し、 前記フィルタの透過率が、前記レンズ素子の中心軸から
    の径方向位置が遠くなるに従って徐々に低下しており、
    かつ、前記フィルタの透過率の変化が赤、緑及び青色用
    の投写レンズごとに異なっていることを特徴とするプロ
    ジェクションテレビ。
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