JPH0678852A - 液状食品加熱装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】蒸気ノズルをワンウェイ化して、蒸気ノズルの
完全な衛生管理を可能とし、常に美味な液状食品を衛生
的に加熱することのできる液状食品加熱装置を提供す
る。 【構成】蒸気発生器２で発生された蒸気を案内するスチ
−ムパイプ７と、所定寸法ずつ繰り出された可撓チュー
ブ４を切断する固定ダイプレート９および回転ダイ１０
と、切断された可撓チューブ４を保持して移送し該可撓
チューブ４を蒸気ノズル１５として蒸気案内パイプ７に
連通させる回転ダイ１０と、リッキドス−プ１７を収容
するカップ１６を保持し、リッキドス−プ１７中に回転
ダイ１０により移送された可撓チューブ４を挿入させて
該可撓チューブ４から吹き出される蒸気によりリッキド
ス−プ１７を加熱させ、リッキドス−プ１７の加熱終了
後、蒸気ノズル１５を回転ダイ１０から排除する可撓チ
ュ−ブ４の巻きドラム３およびフィードローラ５，５と
を具備する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は液状食品中に蒸気を吹き
込んで、その液状食品を加熱する液状食品の加熱装置に
係り、特に液状食品中に蒸気を吹き込む蒸気ノズルの洗
浄や衛生管理の問題の解消に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】液状の食品を加熱する方法としては、鍋
などの容器に液状食品を収容して外部から熱源で加熱す
る方法とか、電子レンジでマイクロ波加熱する方法が一
般的である。しかし、これらの加熱方法では、液状食品
の主成分が水で比熱が大きいため、加熱に時間がかか
る。

【０００３】これに対し、高温の水蒸気は液化する際に
多大の凝縮潜熱（１００℃で５３９ｃａｌ／ｇ）を放出
するので、これを液状食品中に導入すれば短時間に多量
のエネルギ付与、即ち加熱が可能である。

【０００４】また、蒸気吹き込みに伴う攪拌作用により
液状食品の均一加熱も可能であることから、自動販売機
や飲料ディスペンサー等のように液状食品を短時間で加
熱することが要求される用途には蒸気吹込み式の加熱方
法は非常に有効である。

【０００５】このような蒸気吹込式の液状食品加熱装置
では蒸気を液状食品中に吹き込むために蒸気ノズルの液
状食品中への挿入が避けられず、結果として蒸気ノズル
の液中挿入部は液状食品が必ず付着する。空気中には無
数の細菌が浮遊しており、これらの細菌によって蒸気ノ
ズルに付着した液状食品は次第に変質或いは腐敗した
り、乾燥してこびりついたりする。

【０００６】また、異なる液状食品を加熱する際には、
蒸気ノズルに付着した液状食品が混入して風味を損なっ
たりするので、液状食品を加熱する毎に、蒸気ノズルに
沿わせて水や湯を洗浄水として流して洗浄することが行
われている。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、クリー
ムスープ等のような粘稠な食品の場合には、このような
洗浄では完全な除去はできず、強い薬剤洗浄もできない
ため汚れが残留するほか、洗浄廃水の排水配管が必要と
なり、同管の詰りや、悪臭発生などの問題及びこれを防
止するための排水管の洗浄の手間が発生するなどの問題
があった。

【０００８】そこで、本発明は蒸気ノズルを食品加熱の
度に更新することにより、蒸気ノズルの洗浄やそれに伴
う洗浄廃水の処理を不要とすると共に、蒸気ノズルの完
全な衛生管理を可能とし、同ノズルの洗浄結果の良否に
左右されることもなく、常に美味な液状食品を衛生的に
加熱することのできる液状食品加熱装置を提供すること
を目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達
成するために、蒸気発生手段と、この蒸気発生手段で発
生された蒸気を案内する案内パイプと、長尺の可撓チュ
ーブを所定寸法ずつ繰出す繰出手段と、この繰出手段に
より繰り出された可撓チューブを切断する切断手段と、
この切断装置によって切断された可撓チューブを把持し
て移送し該可撓チューブを蒸気ノズルとして前記案内パ
イプに連通させる移送手段と、液状食品を収容する容器
を保持し、この容器内の液状食品中に前記移送手段によ
り移送された蒸気ノズルを挿入させて該蒸気ノズルから
吹き出される蒸気により前記液状食品を加熱させる容器
保持手段と、前記液状食品の加熱終了後、前記移送手段
により所定位置に移送される前記蒸気ノズルを前記移送
手段から排除する排除手段とを具備してなる。

【００１０】

【作用】長尺の可撓チューブから所要長さを切り出した
ものを液状食品の加熱用のワンウェイの蒸気ノズルとし
て使用することにより、ノズル洗浄やそれに伴う洗浄廃
水の処理が不要となると共に、常に新しいノズルを使用
して、衛生的に液状食品を加熱できるようにする。

【００１１】

【実施例】以下、本発明を図面に示す一実施例を参照し
て説明する。図１は液状食品加熱装置を示すもので、図
中１は架台である。この架台１には支持部２５が一体に
設けられ、この支持部２５上には加熱装置（図示せず）
を備えた蒸気発生器（蒸気発生手段）２が支持されてい
る。

【００１２】また、上記支持部２５には平板状の固定ダ
イプレート（切断手段）９が水平に突設され、この固定
ダイプレート９上には取付部材２６を介してギアドモー
タ６がその軸６ａを下向きにして取付けられている。

【００１３】上記固定ダイプレート９の下面側には円板
状の移動ダイとしての回転ダイ（切断手段、移送手段、
排除手段）１０が設けられ、この回転ダイ１０の中心に
は軸２２が突設されている。前記軸２２は前記固定ダイ
プレート９を貫通して上向きに突出し、前記ギアドモー
タ６の軸６ａと軸継手（図示しない）により接続され、
ギアドモータ６により回転ダイ１０が回転駆動されるよ
うになっている。

【００１４】前記固定ダイプレート９上には前記回転ダ
イ１０の軸２２に関して対称な位置に一対の穴９ａ，９
ｂが穿設され、架台１から遠い方の穴９ａには前記蒸気
発生器２から導出されたスチームパイプ（案内パイプ）
７がスチームバルブ８を介して接続されている。

【００１５】また、前記回転ダイ１０にも前記固定ダイ
プレート９に穿設された一対の穴９ａ，９ｂと対応する
ように、同径の一対の貫通穴１０ａ，１０ｂが設けられ
ていると共に、同貫通穴１０ａ，１０ｂの中には同穴１
０ａ，１０ｂの径より僅かに小さい内径を持つ可撓性の
シールリング１１が各々内設されている。

【００１６】また、前記架台１の上部側には耐熱性の長
尺の可撓チューブ４が巻かれた巻ドラム（繰出手段、排
除手段）３が回転自在に取り付けられている。この巻ド
ラム３から繰り出された可撓チューブ４（排除手段）は
同チューブ４を挟むように対向して設けられた一対のフ
ィードローラ５，５（繰出手段）間を通って、前記固定
ダイプレート９に穿設された前記架台１寄りの穴９ｂと
これに対応する前記回転ダイ１０の貫通穴１０ｂを通っ
て、所要寸法だけ下方へ繰り出されている。

【００１７】前記一対のフィードローラ５，５は図２に
示すように、そのシャフト５ａ，５ａが同径で軸受けブ
ロック１９により回転可能に軸支されている。前記シャ
フト５ａ，５ａにはそれぞれの同歯数の歯車２０，２０
が取り付けられて互いに噛み合わされ、一方の軸５ａを
モータ１８で回転駆動することにより、互いに異方向に
回転駆動され、前記可撓チューブ４を下方へ繰出すよう
になっている。

【００１８】一方、前記スチームパイプ７が挿入された
前記固定ダイプレート９の穴９ａの真下の架台１上に
は、上部にカップ置き台１２を備えた昇降機（容器保持
手段）１３が設けられている。

【００１９】また、前記可撓チューブ４を前記フィード
ローラ５，５により下方に繰出す固定ダイプレート９の
穴９ｂの真下に位置する前記架台１上にはトラシュボッ
クス１４が着脱自在に載置されている。つぎに、本装置
の使用形態および動作についてリキッドスープを加熱す
る場合を例にして説明する。

【００２０】まず、本装置は図１に示すように巻きドラ
ム３に巻かれた可撓チューブ４が固定ダイプレート９お
よび回転ダイ１０の挿通穴９ｂ，１０ｂを挿通して下方
へ所定の長さ繰出された状態で待機している。

【００２１】リキッドスープを加熱するため、図４に示
すように、カップ（容器）１６にリキッドスープ（液状
食品）１７を入れ、カップ置き台１２の上に乗せてスタ
ートスイッチ（図示せず）を操作する。これにより、ギ
アドモータ６に通電されて、回転ダイ１０が回転駆動さ
れ、可撓チューブ４は前記固定ダイプレート９と回転ダ
イ１０によって剪断される。

【００２２】回転ダイ１０側の可撓チューブ４は同回転
ダイ１０内のシールリング１１の弾性変形により外周を
押圧保持され、そのまま回転ダイ１０と共に移動し、丁
度半回転した位置、すなわちスチームパイプ７の出口と
同芯でつながった状態で前記ギアドモータ６が停止され
て回転ダイ１０の回動が停止される。しかるのち、昇降
機１３が駆動されリキッドスープ１７の入ったカップ１
６が持ち上げられ、前記回転ダイ１０に保持された可撓
チューブすなわち蒸気ノズル１５がリキッドスープ１７
内に所定寸法挿入された状態で停止され図４に示す状態
となる。

【００２３】この状態からスチームバルブ８が電気的に
操作されて開放され、蒸気発生器２からの蒸気がスチー
ムパイプ７を通ってリキッドスープ１７内に吹き込ま
れ、吹き込まれた蒸気は周囲のリキッドスープ１７によ
り冷却されて液化し、この際に多大な凝縮エネルギを放
出する。この凝縮エネルギを吸収してリキッドスープ１
７は急速に加熱され、且つ蒸気の吹き込みによりリキッ
ドスープ１７はカップ１６内で攪拌されるのでカップ１
６内の隅々まで均一に加熱される。そして、前記スチー
ムバルブ８がタイマー（図示せず）により所定時間後に
閉じられて加熱が終了する。

【００２４】前記蒸気発生器２は蒸気圧力が一定となる
ように制御されているので、リキッドスープ１７の加熱
の度合いは蒸気を吹き込む時間に比例し、飲用適温に昇
温するに必要な時間を前記タイマーでセットしておけ
ば、毎回同じ温度のスープを得ることができる。

【００２５】このようにして、リキッドス−プ１７の加
熱を終了したのち、昇降機１３が下降し、カップ１６を
前記蒸気ノズル１５から抜き外す。続いて、ギヤドモ−
タ６により回転ダイ１０が使用済みの蒸気ノズル１５を
保持したまま半回転されて、図５に示すように正確に元
の位置に戻される。この時、蒸気ノズル１５の下部部分
にはスープ液滴２１が付着している。この状態からモー
タ１８に通電されてフィードローラ５，５が回転駆動さ
れ、巻きドラム３に巻かれた可撓チューブ４が下方に繰
り出される。この繰り出された可撓チューブ４が下方で
待っている前記の蒸気ノズル１５を押し出し図６に示す
ように回転ダイ１０から突き落とす。この突き落とされ
た使用済みの蒸気ノズル１５は図７に示すように真下に
位置するトラシュボックス１４内に収容されると共に、
フィードローラ５，５は更に駆動され、可撓チューブ４
を回転ダイ１０から下方へ図１に示されたと同寸の所定
寸法繰り出した後、停止され、待機の状態となり、カッ
プ置き台１２の上には適温に加熱されたリキッドスープ
１７ができ上がる。

【００２６】上述したように、カップ入りリキッドスー
プ１７を加熱する毎に上記の動作が繰返され、毎回新し
い可撓チューブが加熱用の蒸気ノズル１５として使用さ
れる。

【００２７】また、使用済みの蒸気ノズル１５はトラシ
ュボックス１４に次々と収容されトラシュボックスが満
杯になったらトラシュボックス１４を架台１から外し
て、中の使用済蒸気ノズル１５を処分し、内部を洗って
架台１に再セットし、使用する。

【００２８】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
液状食品を加熱する毎に蒸気ノズルを自動的に交換で
き、従来のように、ノズルに付着した食品を洗い落とす
ためのノズル洗浄が不要となり、ノズル洗浄式に見られ
るような食品の種類によるノズルの汚れの落ち具合の差
や残留汚れに全く影響されることなく、常に衛生的で、
美味な液状食品の加熱、提供が可能となると共に、ノズ
ル洗浄に伴う洗浄水の供給や回収と排水配管が不要とな
り、更には排水配管の詰りや異臭発生、或いは同管の洗
浄の問題から解放される。

【００２９】また、蒸気ノズルは繰出手段に巻かれた長
尺の可撓チューブからその都度、切り出して使用するの
で、かさばらず装置内に多量にストックできると共に、
切り出された可撓チューブはストロー状のものであって
安価であり、同装置のランニングコストの負担にもなら
ないという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例である液状食品加熱装置を示
す概略断面図。

【図２】図１のＡ−Ａ線に沿って示す断面図。

【図３】図１のＢ−Ｂ線に沿って示す断面図。

【図４】図１に示す装置により液状食品を加熱する状態
を示す概略断面図。

【図５】図４に示す液状食品の加熱を終了し、蒸気ノズ
ルが元の位置へ戻った状態を示す概略断面図。

【図６】図５に示す状態から新しい可撓チューブが繰り
出されて、使用済みの蒸気ノズルが突き落とされる状態
を示す概略断面図。

【図７】図６の繰り出し中の可撓チューブが所定寸法繰
り出されて停止した新たな待機の状態を示す概略断面
図。

【符号の説明】

１…架台、２…蒸気発生器（蒸気発生手段）、３…巻き
ドラム（繰出手段、排除手段）、４…可撓チューブ（排
除手段）、５，５…フィードローラ（繰出手段、排除手
段）、６…ギアドモータ、７…スチームパイプ（案内パ
イプ）、８…スチームバルブ、９…固定ダイプレート
（切断手段）、１０…回転ダイ（切断手段、移送手段、
排除手段）、１１…シールリング、１２…カップ置き
台、１３…昇降機（容器保持手段）、１４…トラシュボ
ックス、１５…蒸気ノズル、１６…カップ（容器）、１
７…リキッドスープ（液状食品）、１８…モータ、１９
…軸受けブロック、２０，２０…歯車、２１…スープ液
滴、２２…軸。

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 蒸気発生手段と、 この蒸気発生手段で発生された蒸気を案内する案内パイ
   プと、 長尺の可撓チューブを所定寸法ずつ繰出す繰出手段と、 この繰出手段により繰り出された可撓チューブを切断す
   る切断手段と、 この切断装置によって切断された可撓チューブを把持し
   て移送し該可撓チューブを蒸気ノズルとして前記案内パ
   イプに連通させる移送手段と、 液状食品を収容する容器を保持し、この容器内の液状食
   品中に前記移送手段により移送された蒸気ノズルを挿入
   させて該蒸気ノズルから吹き出される蒸気により前記液
   状食品を加熱させる容器保持手段と、 前記液状食品の加熱終了後、前記移送手段により所定位
   置に移送される蒸気ノズルを前記移送手段から排除する
   排除手段と、を具備してなることを特徴とする液状食品
   加熱装置。
2. 【請求項２】 前記繰出手段は可撓チューブを挟持する
   ごとく対向配置され、互いに異なる方向に回転駆動され
   る一対のフィードローラであることを特徴とする請求項
   １記載の液状食品加熱装置。
3. 【請求項３】 前記切断手段は固定ダイプレートと、こ
   の固定ダイプレートに摺動自在に重ね合わされた移動ダ
   イと、これら固定ダイプレートと移動ダイにそれぞれ穿
   設されて連通し、前記可撓チューブを挿通させる挿通穴
   からなり、前記移動ダイの摺動により、前記挿通穴に挿
   通された状態にある可撓チューブを剪断させることを特
   徴とする請求項１又は２記載の液状食品加熱装置。
4. 【請求項４】 前記移送手段は前記移動ダイからなり、
   該移動ダイの可撓チューブ挿通穴が前記固定ダイプレー
   トの可撓チューブ挿通穴に対向する位置から前記案内パ
   イプの出口に対向する位置との間において移動ダイを移
   動させることを特徴とする請求項３項記載の液状食品加
   熱装置。
5. 【請求項５】 前記排除手段は前記長尺の可撓チューブ
   と、前記繰出手段と、前記可撓チューブの挿通穴を備え
   た移動ダイとからなり、前記繰出手段によって長尺の可
   撓チューブを移動ダイの可撓チューブ挿通穴を通して繰
   出すことにより該挿通穴に保持された状態にある蒸気ノ
   ズルを移動ダイから押し出し排除することを特徴とする
   請求項１，２，３又は４記載の液状食品加熱装置。