JP2004347173A - 自動冷却装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】冷却作業を効率化することができ、大量生産または多種類に生産される被冷却物に対しても対応することができる自動冷却装置を提供する。
【解決手段】被冷却物12が設置される冷却ボックス18と、内部に冷却流体が通過する冷却路を備え該冷却ボックス18内で被冷却物12内へと投入される投入部22と、投入部22を上下移動させる昇降装置28と、冷却ボックス18内に設置されて前記投入部に向けて選択的に洗浄水、給水及び蒸気を噴射して投入部22を洗浄するノズル58と、を備える。
【選択図】 図10
【解決手段】被冷却物12が設置される冷却ボックス18と、内部に冷却流体が通過する冷却路を備え該冷却ボックス18内で被冷却物12内へと投入される投入部22と、投入部22を上下移動させる昇降装置28と、冷却ボックス18内に設置されて前記投入部に向けて選択的に洗浄水、給水及び蒸気を噴射して投入部22を洗浄するノズル58と、を備える。
【選択図】 図10
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、食品等の流動状物等の被冷却物を冷却する自動冷却装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、食品工場や給食センター等で製造されるスープ、麺つゆ、カレー、ミートソース、八宝菜といった流動状の調理済み食品は、菌の繁殖を抑えるために、製造後に迅速に冷却される必要がある。そのための冷却装置としては、従来、真空冷却装置や差圧冷却装置などが用いられている。しかしながら、これらの装置はいずれも高価であり、真空冷却装置では、食品成分の蒸発により、目減りがあり、味も変化するという問題がある。また、物によっては白濁し商品価値がなくなるという問題もある。差圧冷却装置では冷却時間が長いという問題がある。
【0003】
一方、安価に構成することができるものとして、容器の外側に冷水等の冷却流体を流して、容器を介して、内部の被冷却物と熱交換するジャケット式冷却装置が知られている。
【0004】
また、容器を振動させる加振手段を備えて、被冷却物を攪拌して、積極的に被冷却物内に対流を引き起こして、冷却を促進させたものも知られている(特許文献1参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−233346号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、以上の従来の装置では、冷却から洗浄までを自動化して行うことができず、冷却を終了した後、手作業等で洗浄を行わなければならず、手間がかかるという問題がある。
【0007】
特に、大量生産されまたは多種類に生産される被冷却物を順次冷却する場合には、その切換作業が大変になるという問題がある。
【0008】
本発明はかかる課題に鑑みなされたもので、冷却作業を効率化することができ、多種類に生産される被冷却物に対しても対応することができる自動冷却装置を提供することをその目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のうち請求項1記載の発明は、被冷却物が設置される冷却ボックスと、内部に冷却流体が通過する冷却路を備え該冷却ボックス内で被冷却物内へと投入される投入部と、投入部を上下移動させる昇降部と、冷却ボックス内に設置されて前記投入部の洗浄を行う洗浄手段と、を備えることを特徴とする。
【0010】
冷却ボックス内に被冷却物が搬入されると、内部に冷却流体が通過する投入部が昇降部により下降して被冷却物内へと投入される。これにより、被冷却物との間で熱交換を行い、効果的に冷却を行う。冷却工程が終了して、昇降部により投入部が上昇して被冷却物から取り出された後、被冷却物が冷却ボックス内から搬出されると、洗浄手段が冷却ボックス内で投入部を洗浄する。このようにして、自動的に次の被冷却物のための冷却準備を整えることができるため、大量生産され、または多種類に生産される被冷却物に対して順次対応することができる。
【0011】
請求項2記載のように前記洗浄手段は、冷却ボックス内に配置され、投入部に向けて洗浄水を噴射するノズルを備えることができる。
【0012】
さらに、請求項3記載のように前記洗浄手段は、洗浄後の投入部の冷却を行うことができる。これにより、洗浄により投入部が加熱されても迅速に投入部を冷却して、次の被冷却物の冷却に備えることができる。
【0013】
このため、請求項4記載のように洗浄手段は、冷却ボックス内に配置され、投入部に向けて冷却用の給水を噴射するノズルを備えることができ、または、請求項5記載のように洗浄手段は、冷却ボックス内に配置され、投入部に向けて選択的に洗浄水である温水と冷却用の給水を噴射するノズルを備えることができる。ノズルは洗浄と冷却とで共通化することで部品点数を低減して、冷却ボックス内の空間を効率化することができる。
【0014】
さらに、請求項6記載のように前記洗浄手段は、洗浄後の投入部の殺菌を行うことができる。これにより、衛生性・安全性に優れて、次の被冷却物の冷却に備えることができる。
【0015】
このため、請求項7記載のように洗浄手段は、冷却ボックス内に配置され、前記投入部に向けて殺菌用の蒸気を噴射するノズルを備えることができる。または、請求項8記載のように洗浄手段は、冷却ボックス内に配置され、前記投入部に向けて、選択的に温水と殺菌用の蒸気を噴射するノズルを備えることができる。ノズルは洗浄と殺菌とで共通化することで部品点数を低減して、冷却ボックス内の空間を効率化することができる。
【0016】
また、請求項9記載の発明は、さらに、投入部に沿って上下動可能で投入部の外周面に付着した被冷却物を擦り落とすスクレーパと、スクレーパを上下動させるためのスクレーパ昇降部と、を備える。被冷却物によっては、投入部の外周面周囲に多量に付着することがあるので、スクレーパを上下動させて投入部の外周面に付着した被冷却物を擦り落とすとよい。これにより、被冷却物の歩留まりが良好となり、また、投入部の洗浄が容易になる。または、請求項10記載の発明は、冷却ボックスには投入部の外周面に付着した被冷却物を擦り落とすスクレーパが着脱自在に取り付けられており、前記投入部がスクレーパに対して上下動することを特徴とする。被冷却物によっては、投入部の外周面周囲に多量に付着することがあるので、投入部をスクレーパに対して上下動させて投入部の外周面に付着した被冷却物を擦り落とすとよい。これにより、被冷却物の歩留まりが良好となり、また、投入部の洗浄が容易になる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。
【0018】
図1ないし図5は本発明の実施形態に係る自動冷却装置を表した図である。図1において、自動冷却装置16は、例えば、スープ、麺つゆ、カレー、ミートソース、八宝菜といった流動状の調理済み食品等の被冷却物12が収容される容器10に対して使用され、被冷却物12を冷却するものである。
【0019】
自動冷却装置16は、容器10を内部に収容可能な冷却ボックス18と、冷却ボックス18内へと容器10を搬出入するための扉20と、を備えている。
【0020】
冷却ボックス18の内部の下面には、容器10の搬出入を容易にするためのローラーコンベア26が配設されており、ローラコンベア26上に容器10が載置される。
【0021】
また、冷却ボックス18の内部には、被冷却物12内に投入される投入部22が上下動可能に支持されている。投入部22の上部は、投入部22への冷却流体である冷水の給排を行う給排部24が一体的に形成されている。
【0022】
この投入部22及び給排部24は、昇降装置(昇降部)28によって、冷却ボックス18内を上下に移動可能となっている。
【0023】
昇降装置28は任意に構成することが可能であるが、この実施形態では、駆動源である減速機付きモータ30と、モータ30によって回転駆動されるボールネジ32と、モータ30の回転をボールネジ32に伝達するベルト34と、を備えている(図5)。ボールネジ32は、上下に伸びる雄ネジ軸36と、該雄ネジ軸36に螺合するナット38とから構成される。ナット38には、昇降軸40が連結されており、昇降軸40の下端が前記給排部24の上面に連結される(図4)。
【0024】
また、給排部24に冷水の給水を行う給水パイプ42及び冷水の排出を行う排水パイプ44とが連結される。給水パイプ42の下端は、給排部24の後述の給水口ソケット24aに連結され、給水パイプ42の上端は、ホース46を介して冷却ボックス18の上部側面に設けられた給水口ソケット48に連結される。また、排水パイプ44の下端は、給排部24の後述の排水口ソケット24bに連結され、排水パイプ44の上端は、ホースを介して冷却ボックス18の上部側面に設けられた排水口ソケット50に連結される。また、給水パイプ42及び排水パイプ44は、それぞれ、冷却ボックス18の内部の上下方向中間部に固定的に設けられた支持板52に対して軸受けパイプ54、54によって軸支されている。
【0025】
以上のように構成される昇降装置28において、モータ30が回転駆動されると、ベルト34を介して雄ネジ軸36にその回転が伝達し、雄ネジ軸36に螺合するナット38及びこれに連結する昇降軸40が回転不能であるため上下動する。こうして、投入部22及び給排部24は、昇降軸40、給水パイプ42及び排水パイプ44と共に上下に移動することができるようになっている。
【0026】
冷却ボックス18の前面には、冷却工程及び洗浄工程を操作するための操作スイッチが設けられた操作パネル56が取り付けられている。
【0027】
冷却ボックス18の内部の側部及び底部には、複数のノズル58が配置されており、各ノズル58は、冷却ボックス18の下部側面に設けられた温水入口ソケット64、給水入口ソケット65及び蒸気入口ソケット66に接続され、これらソケットに連結される配管に取り付けられた図示しない切換弁によって、選択的に温水、常温水または蒸気をノズル58から噴射することが可能となっている。これらノズル58、ソケット64〜66によって、洗浄手段が構成される。また、冷却ボックス18の底部には、排水ソケット68が設けられている。
【0028】
上述のように上下動可能となった投入部22は、図2に示すように、容器10の上側開口10aより出入自在となって、被冷却物12内へと挿入されるもので、投入部22が被冷却物12内へと投入された状態で、給排部24は、容器10の上側開口10aを覆う蓋としても機能するものである。
【0029】
投入部22は、この実施形態では、給排部24から伸びる冷却棒60から構成される。冷却棒60は、衛生上の観点からステンレス等によって構成されると好ましく、洗浄がしやすく雑菌が存在しにくいような滑らかな面となるように、鏡面仕上げされたものであるとよい。この観点から、冷却棒60は、円柱棒が最も好ましく、また、円柱棒の下部も、図示のように、曲面となっていることが好ましい。
【0030】
また、冷却棒60の個数は任意であり、1つとすることも可能であるが、小径の複数本の冷却棒60を備えることで、冷却棒60の体積に対する表面積の割合を大きくすることができ、より冷却効率を高めることができる。また、複数の冷却棒60のうちの全てまたはその一部の外周面には、脱着可能に攪拌翼としての円板材62が取り付けられるとよい。
【0031】
また、複数の冷却棒60の配置は、任意とすることができるが、この実施形態では、中心部及び二重の同心円周上に沿って配置されており、内側にある冷却棒60Aと外側にある冷却棒60Bとから構成される。
【0032】
冷却棒60A及び冷却棒60Bの内部には、冷水が通過する冷却路が備えられている。具体的には、冷却棒60A及び冷却棒60Bは、二重の冷却路構造を備えており、冷却棒60Aの内部には、内側路60aと、該内側路60aの外側に位置する外側路60bとが形成され、冷却棒60Bの内部には、内側路60cと、該内側路60cの外側に位置する外側路60dとが形成され、内側路60aと外側路60b、内側路60cと外側路60dは、それぞれ下部で連通されている。
【0033】
また、給排部24には、その上面の周縁部に前記給水パイプ42に連結される給水口ソケット24aが設けられており、その上面の対向する周縁部に前記排水パイプ44に連結される排水口ソケット24bが設けられている。また、給排部24の内部は複数の室に区画されており、前記給水口ソケット24aに連通する第1上室24cは、冷却棒60Aと一部の冷却棒60Bのそれぞれの内側路60a、60cの上部に直接連通している。また、前述のように、これらの内側路60a、60cの下部は外側路60b、60dの下部に連通しており、外側路60b、60dの上部は、給排部24の下室24dに連通している。給排部24の下室24dは、残りの冷却棒60Bの外側路60dの上部に連通しており、前述のように、外側路60dの下部は内側路60cの下部に連通しており、内側路60cの上部は、給排部24の第2上室24eに連通して、該第2上室24eから排出口ソケット24bに連通する。こうして、給水口ソケット24aから排出口ソケット24bまで、冷水が各冷却棒60A,60Bに形成された冷却路を通過するようになっている。
【0034】
以上のように構成される自動冷却装置16において、作用を説明する。まず、容器10内に被冷却物12が収容される。容器10は、被冷却物12である食品を製造した鍋自体であってもよく、または、鍋とは別の容器10に被冷却物12を移し替えたものであってもよい。容器10は、特別な仕様の容器である必要はない。
【0035】
そのような容器10が容器運搬車70によって自動冷却装置16まで搬送されると(図6)、扉20を開けて、冷却ボックス18内へと容器10が移送される(図7)。このとき、投入部22及び給排部24は、最大上昇位置にある。
【0036】
次に、扉20が閉じられて、操作パネル56の操作スイッチが操作されると、冷却工程が開始し、昇降装置28が動作して、投入部22及び給排部24を下降させる(図8)。
【0037】
これにより、投入部22が容器10の上側開口10aに挿入されて、被冷却物12内へと投入される。給排部24を容器10の上端面に載置して、容器10の上端開口10aを閉鎖する。
【0038】
そして、給水口ソケット48、給水パイプ42及び給水口ソケット24aを通して冷水を供給する。冷水の温度は0℃〜7℃程度である。冷水は、第1上室24cから冷却棒60Aと一部の冷却棒60Bの内側路60a、60c、外側路60b、60dを通過し、さらに、下室24dを介して、残りの冷却棒60Bの外側路60d、内側路60cを通過して、排出口ソケット24bから排出する。冷水が外側路60b、60dを流れる間に、冷却棒60A,60Bの周囲にある被冷却物12と熱交換して、被冷却物12を冷却させる。冷却しにくい被冷却物12の内側から冷水を流すことで、被冷却物12を効果的に冷却することができる。
【0039】
この段階で、昇降装置28がさらに投入部22及び給排部24を上下に移動させることができる。これにより、被冷却物12内に投入された投入部22が被冷却物12を攪拌するために、熱伝導が促進されて、より一層効果的に冷却することができる。また、攪拌翼62が取り付けられている場合には、被冷却物12の攪拌効果を一層高めることができる。
【0040】
こうして、被冷却物12は、100℃〜90℃から、菌の繁殖が盛んになる40℃〜25℃の領域を短時間で通過して、20℃〜15℃にまで短時間で冷却される。
【0041】
所定時間が経過して冷却工程が終了すると、再び、昇降装置28が投入部22及び給排部24を最大上昇位置まで上昇して、操作パネル56の終了ブザーが鳴りランプが点灯する等して、冷却工程が終了したことが表示される。
【0042】
次いで、再び扉20を開けて容器10を冷却ボックス18から取り出して排出し(図9)、容器10ごとまたは必要に応じて容器を移し変えて被冷却物12を冷蔵庫で冷却する。こうして、該当する容器10内の被冷却物12の冷却が終了すると、自動冷却装置16では、洗浄工程に移る。
【0043】
洗浄工程では、まず切換弁が切り換えられて温水入口ソケット64から供給される洗浄水としての温水が、ノズル58から冷却ボックス18内に向けて噴射される。こうして、主に投入部22及び給排部24に温水が一定時間噴射され、洗い流される。また、このとき同時に昇降装置28が投入部22を下降及び上昇を任意の時間繰り返し、細部まで洗浄が効果的に出来るようにする。洗浄水は、冷却ボックス18の底部の排水ソケット68から排出される(図10)。
【0044】
次に、切換弁が切り換えられて給水入口ソケット65から供給される給水が、ノズル58から冷却ボックス18内に向けて一定時間噴射される。これにより、温水によって加熱された主に投入部22及び給排部24の冷却を行う(図11)。また、このとき同時に昇降装置28が投入部22の下降及び上昇を任意の時間繰り返し、細部まで冷却が効果的に出来るようにする。
【0045】
次に、切換弁が切り換えられて蒸気入口ソケット66から供給される蒸気が、ノズル58から冷却ボックス18内に向けて一定時間噴射される。これにより、主に投入部22及び給排部24の殺菌を行う(図12)。また、このとき同時に昇降装置28が投入部22の下降及び上昇を任意の時間繰り返し、細部まで殺菌が効果的に出来るようにする。
【0046】
こうして、洗浄工程が終了すると、次の容器10に収容された被冷却物12の冷却の準備が整い、次の容器10を搬入して図6〜図12に示す工程を繰り返す。このように、冷却ボックス毎洗浄することができるために衛生的である。
【0047】
以上のように、本実施形態の冷却装置では、冷却工程及び、投入部の洗浄、冷却さらに殺菌からなる洗浄工程を一連で自動的に行うことができるため、冷却作業を効率的に行うことができる。また、1回の冷却毎に洗浄を行うため衛生的であり、且つ、大量生産され、または多種類に生産される被冷却物に対しても順次対応することができる。
【0048】
図13は、被冷却物12の歩留まりを軽減し、さらに洗浄負荷を軽減するために、投入部22または給排部24にスクレーパ72が取り付けられた例を表す。被冷却物12がゼラチン入りスープのようなものの場合、冷却が終了して投入部22を引き揚げると、被冷却物12が投入部22の冷却棒60の外周面に多量に付着する。この付着をそのままにして洗浄を行うと、被冷却物12の歩留まりが悪化するだけでなく、洗浄排出水が必要以上に汚染するという問題がある。また、自動冷却装置16の洗浄負荷も大きくなる。そこで、投入部22に沿って上下動可能なスクレーパ72が取り付けられるとよい。スクレーパ72は複数の孔が形成された平板部を有しており、各孔には、投入部22の対応する冷却棒60が適度な遊びを持って挿通している。孔と冷却棒60の外周面との間の遊びは、冷却棒60の外周面に付着した被冷却物12を擦り落とすことができる程度に小さい一方で、冷却棒の熱膨張等による外径の変化を吸収できる程度の大きさになっている必要がある。スクレーパ72は、スクレーパ昇降装置74(スクレーパ昇降部)によって投入部22に沿って上下動可能に取り付けられる。スクレーパ昇降装置74としては、流体圧シリンダ、または磁力、重力及び/若しくはバネ力を利用した駆動装置等を使用することができる。このスクレーパの作用としては次のように行うことができる。
【0049】
通常時は、スクレーパ72は最大上昇位置にあり、給排部24に近接した位置にある。冷却工程が終了して昇降装置28が投入部22及び給排部24を上昇させると、スクレーパ昇降装置74がスクレーパ72を下降させる。これによりスクレーパ72が投入部22に沿って下降して、冷却棒60の外周面に付着した被冷却物12を落として容器10内へと戻す。そして、スクレーパ72が最大下降位置まで下降する。容器10が取り出された後の洗浄工程においては、スクレーパ72は最大下降位置にあって、洗浄、冷却、殺菌に付される。そして、最後に、スクレーパ昇降装置74がスクレーパ72を元の上昇位置へと引き揚げて、次の容器10に収容された被冷却物12の冷却に備える。
【0050】
図14は、被冷却物12の歩留まりを軽減し、さらに洗浄負荷を軽減するために、冷却ボックス18にスクレーパ72が取り付けられた例を表す。スクレーパ72は、容器10よりも上方位置で、固定ピン78によって冷却ボックス18に着脱可能に取り付けられる。
【0051】
冷却工程時に、投入部22は、スクレーパ72の孔を挿通して、容器10の被冷却物12内に投入される。冷却工程が終了して昇降装置28が投入部22及び給排部24を上昇させると、投入部22がスクレーパ72を経て、冷却棒60の外周面に付着した被冷却物12を落として容器10内へと戻す。容器10が取り出された後の洗浄工程においては、スクレーパ72も取り外されて、装置外で洗浄、冷却、殺菌に付される。そして、最後に、スクレーパ72を元の固定位置に取り付けて、次の容器10に収容された被冷却物12の冷却に備える。
【0052】
図13または図14のスクレーパ72は、冷却棒60に拡散翼62が取り付けられていない場合に好適である。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、冷却から洗浄までが冷却ボックス内で行われ、これを自動的に行うことができるため、冷却作業を効率化することができると共に、大量生産され、または多種類に生産される被冷却物に対して順次対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る自動冷却装置の全体斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係る自動冷却装置の投入部及び給排部の要部断面図であり、図3の2−2線に沿って見た断面図である。
【図3】本発明の実施形態に係る自動冷却装置の投入部及び給排部の図2の3−3線に沿って見た断面図である。
【図4】自動冷却装置の冷却ボックスの内部構造を表す図である。
【図5】自動冷却装置の冷却ボックスの内部構造を表す図である。
【図6】自動冷却装置の冷却手順を表す説明斜視図である。
【図7】図6に続く自動冷却装置の冷却工程の手順を表す説明斜視図である。
【図8】図7に続く自動冷却装置の冷却工程の手順を表す説明斜視図である。
【図9】図8に続く自動冷却装置の冷却工程の手順を表す説明斜視図である。
【図10】図9に続く自動冷却装置の洗浄工程の手順を表す説明斜視図である。
【図11】図10に続く自動冷却装置の洗浄工程の手順を表す説明斜視図である。
【図12】図11に続く自動冷却装置の洗浄工程の手順を表す説明斜視図である。
【図13】投入部の洗浄を行うためのスクレーパが取り付けられている自動冷却装置の例を表す説明斜視図である。
【図14】投入部の洗浄を行うためのスクレーパが取り付けられている自動冷却装置の他の例を表す説明斜視図である。
【符号の説明】
10 容器
12 被冷却物
16 自動冷却装置
18 冷却ボックス
22 投入部
28 昇降装置(昇降部)
58 ノズル(洗浄手段、冷却手段、殺菌手段)
72 スクレーパ
74 スクレーパ昇降装置(スクレーパ昇降部)
【発明の属する技術分野】
本発明は、食品等の流動状物等の被冷却物を冷却する自動冷却装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、食品工場や給食センター等で製造されるスープ、麺つゆ、カレー、ミートソース、八宝菜といった流動状の調理済み食品は、菌の繁殖を抑えるために、製造後に迅速に冷却される必要がある。そのための冷却装置としては、従来、真空冷却装置や差圧冷却装置などが用いられている。しかしながら、これらの装置はいずれも高価であり、真空冷却装置では、食品成分の蒸発により、目減りがあり、味も変化するという問題がある。また、物によっては白濁し商品価値がなくなるという問題もある。差圧冷却装置では冷却時間が長いという問題がある。
【0003】
一方、安価に構成することができるものとして、容器の外側に冷水等の冷却流体を流して、容器を介して、内部の被冷却物と熱交換するジャケット式冷却装置が知られている。
【0004】
また、容器を振動させる加振手段を備えて、被冷却物を攪拌して、積極的に被冷却物内に対流を引き起こして、冷却を促進させたものも知られている(特許文献1参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−233346号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、以上の従来の装置では、冷却から洗浄までを自動化して行うことができず、冷却を終了した後、手作業等で洗浄を行わなければならず、手間がかかるという問題がある。
【0007】
特に、大量生産されまたは多種類に生産される被冷却物を順次冷却する場合には、その切換作業が大変になるという問題がある。
【0008】
本発明はかかる課題に鑑みなされたもので、冷却作業を効率化することができ、多種類に生産される被冷却物に対しても対応することができる自動冷却装置を提供することをその目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のうち請求項1記載の発明は、被冷却物が設置される冷却ボックスと、内部に冷却流体が通過する冷却路を備え該冷却ボックス内で被冷却物内へと投入される投入部と、投入部を上下移動させる昇降部と、冷却ボックス内に設置されて前記投入部の洗浄を行う洗浄手段と、を備えることを特徴とする。
【0010】
冷却ボックス内に被冷却物が搬入されると、内部に冷却流体が通過する投入部が昇降部により下降して被冷却物内へと投入される。これにより、被冷却物との間で熱交換を行い、効果的に冷却を行う。冷却工程が終了して、昇降部により投入部が上昇して被冷却物から取り出された後、被冷却物が冷却ボックス内から搬出されると、洗浄手段が冷却ボックス内で投入部を洗浄する。このようにして、自動的に次の被冷却物のための冷却準備を整えることができるため、大量生産され、または多種類に生産される被冷却物に対して順次対応することができる。
【0011】
請求項2記載のように前記洗浄手段は、冷却ボックス内に配置され、投入部に向けて洗浄水を噴射するノズルを備えることができる。
【0012】
さらに、請求項3記載のように前記洗浄手段は、洗浄後の投入部の冷却を行うことができる。これにより、洗浄により投入部が加熱されても迅速に投入部を冷却して、次の被冷却物の冷却に備えることができる。
【0013】
このため、請求項4記載のように洗浄手段は、冷却ボックス内に配置され、投入部に向けて冷却用の給水を噴射するノズルを備えることができ、または、請求項5記載のように洗浄手段は、冷却ボックス内に配置され、投入部に向けて選択的に洗浄水である温水と冷却用の給水を噴射するノズルを備えることができる。ノズルは洗浄と冷却とで共通化することで部品点数を低減して、冷却ボックス内の空間を効率化することができる。
【0014】
さらに、請求項6記載のように前記洗浄手段は、洗浄後の投入部の殺菌を行うことができる。これにより、衛生性・安全性に優れて、次の被冷却物の冷却に備えることができる。
【0015】
このため、請求項7記載のように洗浄手段は、冷却ボックス内に配置され、前記投入部に向けて殺菌用の蒸気を噴射するノズルを備えることができる。または、請求項8記載のように洗浄手段は、冷却ボックス内に配置され、前記投入部に向けて、選択的に温水と殺菌用の蒸気を噴射するノズルを備えることができる。ノズルは洗浄と殺菌とで共通化することで部品点数を低減して、冷却ボックス内の空間を効率化することができる。
【0016】
また、請求項9記載の発明は、さらに、投入部に沿って上下動可能で投入部の外周面に付着した被冷却物を擦り落とすスクレーパと、スクレーパを上下動させるためのスクレーパ昇降部と、を備える。被冷却物によっては、投入部の外周面周囲に多量に付着することがあるので、スクレーパを上下動させて投入部の外周面に付着した被冷却物を擦り落とすとよい。これにより、被冷却物の歩留まりが良好となり、また、投入部の洗浄が容易になる。または、請求項10記載の発明は、冷却ボックスには投入部の外周面に付着した被冷却物を擦り落とすスクレーパが着脱自在に取り付けられており、前記投入部がスクレーパに対して上下動することを特徴とする。被冷却物によっては、投入部の外周面周囲に多量に付着することがあるので、投入部をスクレーパに対して上下動させて投入部の外周面に付着した被冷却物を擦り落とすとよい。これにより、被冷却物の歩留まりが良好となり、また、投入部の洗浄が容易になる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。
【0018】
図1ないし図5は本発明の実施形態に係る自動冷却装置を表した図である。図1において、自動冷却装置16は、例えば、スープ、麺つゆ、カレー、ミートソース、八宝菜といった流動状の調理済み食品等の被冷却物12が収容される容器10に対して使用され、被冷却物12を冷却するものである。
【0019】
自動冷却装置16は、容器10を内部に収容可能な冷却ボックス18と、冷却ボックス18内へと容器10を搬出入するための扉20と、を備えている。
【0020】
冷却ボックス18の内部の下面には、容器10の搬出入を容易にするためのローラーコンベア26が配設されており、ローラコンベア26上に容器10が載置される。
【0021】
また、冷却ボックス18の内部には、被冷却物12内に投入される投入部22が上下動可能に支持されている。投入部22の上部は、投入部22への冷却流体である冷水の給排を行う給排部24が一体的に形成されている。
【0022】
この投入部22及び給排部24は、昇降装置(昇降部)28によって、冷却ボックス18内を上下に移動可能となっている。
【0023】
昇降装置28は任意に構成することが可能であるが、この実施形態では、駆動源である減速機付きモータ30と、モータ30によって回転駆動されるボールネジ32と、モータ30の回転をボールネジ32に伝達するベルト34と、を備えている(図5)。ボールネジ32は、上下に伸びる雄ネジ軸36と、該雄ネジ軸36に螺合するナット38とから構成される。ナット38には、昇降軸40が連結されており、昇降軸40の下端が前記給排部24の上面に連結される(図4)。
【0024】
また、給排部24に冷水の給水を行う給水パイプ42及び冷水の排出を行う排水パイプ44とが連結される。給水パイプ42の下端は、給排部24の後述の給水口ソケット24aに連結され、給水パイプ42の上端は、ホース46を介して冷却ボックス18の上部側面に設けられた給水口ソケット48に連結される。また、排水パイプ44の下端は、給排部24の後述の排水口ソケット24bに連結され、排水パイプ44の上端は、ホースを介して冷却ボックス18の上部側面に設けられた排水口ソケット50に連結される。また、給水パイプ42及び排水パイプ44は、それぞれ、冷却ボックス18の内部の上下方向中間部に固定的に設けられた支持板52に対して軸受けパイプ54、54によって軸支されている。
【0025】
以上のように構成される昇降装置28において、モータ30が回転駆動されると、ベルト34を介して雄ネジ軸36にその回転が伝達し、雄ネジ軸36に螺合するナット38及びこれに連結する昇降軸40が回転不能であるため上下動する。こうして、投入部22及び給排部24は、昇降軸40、給水パイプ42及び排水パイプ44と共に上下に移動することができるようになっている。
【0026】
冷却ボックス18の前面には、冷却工程及び洗浄工程を操作するための操作スイッチが設けられた操作パネル56が取り付けられている。
【0027】
冷却ボックス18の内部の側部及び底部には、複数のノズル58が配置されており、各ノズル58は、冷却ボックス18の下部側面に設けられた温水入口ソケット64、給水入口ソケット65及び蒸気入口ソケット66に接続され、これらソケットに連結される配管に取り付けられた図示しない切換弁によって、選択的に温水、常温水または蒸気をノズル58から噴射することが可能となっている。これらノズル58、ソケット64〜66によって、洗浄手段が構成される。また、冷却ボックス18の底部には、排水ソケット68が設けられている。
【0028】
上述のように上下動可能となった投入部22は、図2に示すように、容器10の上側開口10aより出入自在となって、被冷却物12内へと挿入されるもので、投入部22が被冷却物12内へと投入された状態で、給排部24は、容器10の上側開口10aを覆う蓋としても機能するものである。
【0029】
投入部22は、この実施形態では、給排部24から伸びる冷却棒60から構成される。冷却棒60は、衛生上の観点からステンレス等によって構成されると好ましく、洗浄がしやすく雑菌が存在しにくいような滑らかな面となるように、鏡面仕上げされたものであるとよい。この観点から、冷却棒60は、円柱棒が最も好ましく、また、円柱棒の下部も、図示のように、曲面となっていることが好ましい。
【0030】
また、冷却棒60の個数は任意であり、1つとすることも可能であるが、小径の複数本の冷却棒60を備えることで、冷却棒60の体積に対する表面積の割合を大きくすることができ、より冷却効率を高めることができる。また、複数の冷却棒60のうちの全てまたはその一部の外周面には、脱着可能に攪拌翼としての円板材62が取り付けられるとよい。
【0031】
また、複数の冷却棒60の配置は、任意とすることができるが、この実施形態では、中心部及び二重の同心円周上に沿って配置されており、内側にある冷却棒60Aと外側にある冷却棒60Bとから構成される。
【0032】
冷却棒60A及び冷却棒60Bの内部には、冷水が通過する冷却路が備えられている。具体的には、冷却棒60A及び冷却棒60Bは、二重の冷却路構造を備えており、冷却棒60Aの内部には、内側路60aと、該内側路60aの外側に位置する外側路60bとが形成され、冷却棒60Bの内部には、内側路60cと、該内側路60cの外側に位置する外側路60dとが形成され、内側路60aと外側路60b、内側路60cと外側路60dは、それぞれ下部で連通されている。
【0033】
また、給排部24には、その上面の周縁部に前記給水パイプ42に連結される給水口ソケット24aが設けられており、その上面の対向する周縁部に前記排水パイプ44に連結される排水口ソケット24bが設けられている。また、給排部24の内部は複数の室に区画されており、前記給水口ソケット24aに連通する第1上室24cは、冷却棒60Aと一部の冷却棒60Bのそれぞれの内側路60a、60cの上部に直接連通している。また、前述のように、これらの内側路60a、60cの下部は外側路60b、60dの下部に連通しており、外側路60b、60dの上部は、給排部24の下室24dに連通している。給排部24の下室24dは、残りの冷却棒60Bの外側路60dの上部に連通しており、前述のように、外側路60dの下部は内側路60cの下部に連通しており、内側路60cの上部は、給排部24の第2上室24eに連通して、該第2上室24eから排出口ソケット24bに連通する。こうして、給水口ソケット24aから排出口ソケット24bまで、冷水が各冷却棒60A,60Bに形成された冷却路を通過するようになっている。
【0034】
以上のように構成される自動冷却装置16において、作用を説明する。まず、容器10内に被冷却物12が収容される。容器10は、被冷却物12である食品を製造した鍋自体であってもよく、または、鍋とは別の容器10に被冷却物12を移し替えたものであってもよい。容器10は、特別な仕様の容器である必要はない。
【0035】
そのような容器10が容器運搬車70によって自動冷却装置16まで搬送されると(図6)、扉20を開けて、冷却ボックス18内へと容器10が移送される(図7)。このとき、投入部22及び給排部24は、最大上昇位置にある。
【0036】
次に、扉20が閉じられて、操作パネル56の操作スイッチが操作されると、冷却工程が開始し、昇降装置28が動作して、投入部22及び給排部24を下降させる(図8)。
【0037】
これにより、投入部22が容器10の上側開口10aに挿入されて、被冷却物12内へと投入される。給排部24を容器10の上端面に載置して、容器10の上端開口10aを閉鎖する。
【0038】
そして、給水口ソケット48、給水パイプ42及び給水口ソケット24aを通して冷水を供給する。冷水の温度は0℃〜7℃程度である。冷水は、第1上室24cから冷却棒60Aと一部の冷却棒60Bの内側路60a、60c、外側路60b、60dを通過し、さらに、下室24dを介して、残りの冷却棒60Bの外側路60d、内側路60cを通過して、排出口ソケット24bから排出する。冷水が外側路60b、60dを流れる間に、冷却棒60A,60Bの周囲にある被冷却物12と熱交換して、被冷却物12を冷却させる。冷却しにくい被冷却物12の内側から冷水を流すことで、被冷却物12を効果的に冷却することができる。
【0039】
この段階で、昇降装置28がさらに投入部22及び給排部24を上下に移動させることができる。これにより、被冷却物12内に投入された投入部22が被冷却物12を攪拌するために、熱伝導が促進されて、より一層効果的に冷却することができる。また、攪拌翼62が取り付けられている場合には、被冷却物12の攪拌効果を一層高めることができる。
【0040】
こうして、被冷却物12は、100℃〜90℃から、菌の繁殖が盛んになる40℃〜25℃の領域を短時間で通過して、20℃〜15℃にまで短時間で冷却される。
【0041】
所定時間が経過して冷却工程が終了すると、再び、昇降装置28が投入部22及び給排部24を最大上昇位置まで上昇して、操作パネル56の終了ブザーが鳴りランプが点灯する等して、冷却工程が終了したことが表示される。
【0042】
次いで、再び扉20を開けて容器10を冷却ボックス18から取り出して排出し(図9)、容器10ごとまたは必要に応じて容器を移し変えて被冷却物12を冷蔵庫で冷却する。こうして、該当する容器10内の被冷却物12の冷却が終了すると、自動冷却装置16では、洗浄工程に移る。
【0043】
洗浄工程では、まず切換弁が切り換えられて温水入口ソケット64から供給される洗浄水としての温水が、ノズル58から冷却ボックス18内に向けて噴射される。こうして、主に投入部22及び給排部24に温水が一定時間噴射され、洗い流される。また、このとき同時に昇降装置28が投入部22を下降及び上昇を任意の時間繰り返し、細部まで洗浄が効果的に出来るようにする。洗浄水は、冷却ボックス18の底部の排水ソケット68から排出される(図10)。
【0044】
次に、切換弁が切り換えられて給水入口ソケット65から供給される給水が、ノズル58から冷却ボックス18内に向けて一定時間噴射される。これにより、温水によって加熱された主に投入部22及び給排部24の冷却を行う(図11)。また、このとき同時に昇降装置28が投入部22の下降及び上昇を任意の時間繰り返し、細部まで冷却が効果的に出来るようにする。
【0045】
次に、切換弁が切り換えられて蒸気入口ソケット66から供給される蒸気が、ノズル58から冷却ボックス18内に向けて一定時間噴射される。これにより、主に投入部22及び給排部24の殺菌を行う(図12)。また、このとき同時に昇降装置28が投入部22の下降及び上昇を任意の時間繰り返し、細部まで殺菌が効果的に出来るようにする。
【0046】
こうして、洗浄工程が終了すると、次の容器10に収容された被冷却物12の冷却の準備が整い、次の容器10を搬入して図6〜図12に示す工程を繰り返す。このように、冷却ボックス毎洗浄することができるために衛生的である。
【0047】
以上のように、本実施形態の冷却装置では、冷却工程及び、投入部の洗浄、冷却さらに殺菌からなる洗浄工程を一連で自動的に行うことができるため、冷却作業を効率的に行うことができる。また、1回の冷却毎に洗浄を行うため衛生的であり、且つ、大量生産され、または多種類に生産される被冷却物に対しても順次対応することができる。
【0048】
図13は、被冷却物12の歩留まりを軽減し、さらに洗浄負荷を軽減するために、投入部22または給排部24にスクレーパ72が取り付けられた例を表す。被冷却物12がゼラチン入りスープのようなものの場合、冷却が終了して投入部22を引き揚げると、被冷却物12が投入部22の冷却棒60の外周面に多量に付着する。この付着をそのままにして洗浄を行うと、被冷却物12の歩留まりが悪化するだけでなく、洗浄排出水が必要以上に汚染するという問題がある。また、自動冷却装置16の洗浄負荷も大きくなる。そこで、投入部22に沿って上下動可能なスクレーパ72が取り付けられるとよい。スクレーパ72は複数の孔が形成された平板部を有しており、各孔には、投入部22の対応する冷却棒60が適度な遊びを持って挿通している。孔と冷却棒60の外周面との間の遊びは、冷却棒60の外周面に付着した被冷却物12を擦り落とすことができる程度に小さい一方で、冷却棒の熱膨張等による外径の変化を吸収できる程度の大きさになっている必要がある。スクレーパ72は、スクレーパ昇降装置74(スクレーパ昇降部)によって投入部22に沿って上下動可能に取り付けられる。スクレーパ昇降装置74としては、流体圧シリンダ、または磁力、重力及び/若しくはバネ力を利用した駆動装置等を使用することができる。このスクレーパの作用としては次のように行うことができる。
【0049】
通常時は、スクレーパ72は最大上昇位置にあり、給排部24に近接した位置にある。冷却工程が終了して昇降装置28が投入部22及び給排部24を上昇させると、スクレーパ昇降装置74がスクレーパ72を下降させる。これによりスクレーパ72が投入部22に沿って下降して、冷却棒60の外周面に付着した被冷却物12を落として容器10内へと戻す。そして、スクレーパ72が最大下降位置まで下降する。容器10が取り出された後の洗浄工程においては、スクレーパ72は最大下降位置にあって、洗浄、冷却、殺菌に付される。そして、最後に、スクレーパ昇降装置74がスクレーパ72を元の上昇位置へと引き揚げて、次の容器10に収容された被冷却物12の冷却に備える。
【0050】
図14は、被冷却物12の歩留まりを軽減し、さらに洗浄負荷を軽減するために、冷却ボックス18にスクレーパ72が取り付けられた例を表す。スクレーパ72は、容器10よりも上方位置で、固定ピン78によって冷却ボックス18に着脱可能に取り付けられる。
【0051】
冷却工程時に、投入部22は、スクレーパ72の孔を挿通して、容器10の被冷却物12内に投入される。冷却工程が終了して昇降装置28が投入部22及び給排部24を上昇させると、投入部22がスクレーパ72を経て、冷却棒60の外周面に付着した被冷却物12を落として容器10内へと戻す。容器10が取り出された後の洗浄工程においては、スクレーパ72も取り外されて、装置外で洗浄、冷却、殺菌に付される。そして、最後に、スクレーパ72を元の固定位置に取り付けて、次の容器10に収容された被冷却物12の冷却に備える。
【0052】
図13または図14のスクレーパ72は、冷却棒60に拡散翼62が取り付けられていない場合に好適である。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、冷却から洗浄までが冷却ボックス内で行われ、これを自動的に行うことができるため、冷却作業を効率化することができると共に、大量生産され、または多種類に生産される被冷却物に対して順次対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る自動冷却装置の全体斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係る自動冷却装置の投入部及び給排部の要部断面図であり、図3の2−2線に沿って見た断面図である。
【図3】本発明の実施形態に係る自動冷却装置の投入部及び給排部の図2の3−3線に沿って見た断面図である。
【図4】自動冷却装置の冷却ボックスの内部構造を表す図である。
【図5】自動冷却装置の冷却ボックスの内部構造を表す図である。
【図6】自動冷却装置の冷却手順を表す説明斜視図である。
【図7】図6に続く自動冷却装置の冷却工程の手順を表す説明斜視図である。
【図8】図7に続く自動冷却装置の冷却工程の手順を表す説明斜視図である。
【図9】図8に続く自動冷却装置の冷却工程の手順を表す説明斜視図である。
【図10】図9に続く自動冷却装置の洗浄工程の手順を表す説明斜視図である。
【図11】図10に続く自動冷却装置の洗浄工程の手順を表す説明斜視図である。
【図12】図11に続く自動冷却装置の洗浄工程の手順を表す説明斜視図である。
【図13】投入部の洗浄を行うためのスクレーパが取り付けられている自動冷却装置の例を表す説明斜視図である。
【図14】投入部の洗浄を行うためのスクレーパが取り付けられている自動冷却装置の他の例を表す説明斜視図である。
【符号の説明】
10 容器
12 被冷却物
16 自動冷却装置
18 冷却ボックス
22 投入部
28 昇降装置(昇降部)
58 ノズル(洗浄手段、冷却手段、殺菌手段)
72 スクレーパ
74 スクレーパ昇降装置(スクレーパ昇降部)
Claims (10)
- 被冷却物が設置される冷却ボックスと、内部に冷却流体が通過する冷却路を備え該冷却ボックス内で被冷却物内へと投入される投入部と、投入部を上下移動させる昇降部と、冷却ボックス内に設置されて前記投入部の洗浄を行う洗浄手段と、を備えることを特徴とする自動冷却装置。
- 前記洗浄手段は、冷却ボックス内に配置され、投入部に向けて洗浄水を噴射するノズルを備えることを特徴とする自動冷却装置。
- 前記洗浄手段は、洗浄後の投入部の冷却を行うことを特徴とする請求項1または2記載の自動冷却装置。
- 前記洗浄手段は、冷却ボックス内に配置され、投入部に向けて冷却用の給水を噴射するノズルを備えることを特徴とする請求項3記載の自動冷却装置。
- 前記洗浄手段は、冷却ボックス内に配置され、投入部に向けて選択的に洗浄水である温水と冷却用の給水を噴射するノズルを備えることを特徴とする請求項3記載の自動冷却装置。
- 前記洗浄手段は、洗浄後の投入部の殺菌を行うことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の自動冷却装置。
- 前記洗浄手段は、冷却ボックス内に配置され、前記投入部に向けて殺菌用の蒸気を噴射するノズルを備えることを特徴とする請求項6記載の自動冷却装置。
- 前記洗浄手段は、冷却ボックス内に配置され、前記投入部に向けて、選択的に温水と殺菌用の蒸気を噴射するノズルを備えることを特徴とする請求項6記載の自動冷却装置。
- 前記投入部に沿って上下動可能で投入部の外周面に付着した被冷却物を擦り落とすスクレーパと、スクレーパを上下動させるためのスクレーパ昇降部と、を備えることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の自動冷却装置。
- 冷却ボックスには投入部の外周面に付着した被冷却物を擦り落とすスクレーパが着脱自在に取り付けられており、前記投入部がスクレーパに対して上下動することを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の自動冷却装置。
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