JPH0678631U - たわみ軸継手 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 たわみ軸継手のたわみを無接触で検出できる
ようにする。 【構成】 磁性体から成る円筒部材（１）の中央部に任
意の幅、ピッチ、リード、角度でスリット（３）を設
け、円筒部材（１）のたわみ方向の変形を可能とする。
円筒部材（１）の両端に、該円筒部材（１）のたわみを
検出するための磁気パターン（４）（４’）を着磁し、
これを磁気センサ（９）（９’）で検出できるようにす
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、たわみ変形可能な円筒部材に、たわみを検出するための磁気パター ンを着磁したたわみ軸継手に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来より、円筒状部材の中央部を細くして、この外周面に歪ゲージを装着し、 該円筒部材の両端外周面にスリップリングを設け、該スリップリングを歪ゲージ と結線し、歪量を電気的に検出する固定軸継手が知られている。 また、たわみ軸継手の両端外周面に、歯車のように凹凸を形成し、ねじれ量を 磁気センサー等で非接触に検出するたわみ軸継手も知られている。

【０００３】

【考案が解決しようとする問題点】

従来の固定軸継手は、二軸間に発生するミスアライメント（変芯・変角・スラ スト変位）が吸収できず軸受や歪ゲージに悪影響を与える。また、スリップリン グに接触するブラシが必要で摩耗や定期的な保守が必要である。そして微少なひ ずみ量（ねじれ量）を検出し、増幅するので外部ノイズに影響を受けやすい。 また、凹凸を形成したたわみ軸継手は、検出精度を増す場合、凹凸の数を増や す必要がある。数を増やすことは凹凸のピッチが小さくなることであり、限界が ある。

【０００４】

【問題点を解決する手段】

上記目的を達成するため、本考案は、たわみ変形可能な円筒部材の両端近傍に 該円筒部材のたわみを検出するための磁気パターンを着磁したものである。

【０００５】

【作用】

円筒部材の一端側に入出力の二軸のうちの一軸を固定し、他端側に他の軸を固 定する。円筒部材のたわみは、磁気センサによって、磁気パターンを検出するこ とによって無接触で検出することができる。

【０００６】

【実施例】

以下に本考案の構成を添付図面に示す実施例を参照して詳細に説明する。 図１において、（１）は、たわみ軸継手の円筒部材であり磁性体から構成されて いる。前記円筒部材１の中心部に軸穴（７）が形成され、両端部に軸固定用ハブ （２）（２’）が形成されている。

【０００７】 前記ハブ（２）（２’）に軸締結用スリット（６）と、固定用締結ボルト（５ ）をスライド自在に受け入れる挿入孔（１２）と、該ボルト（５）と合うねじ穴 （１３）が形成されている。 前記円筒部材（１）の中央部に任意の幅、リード、ピッチ、角度でスリット（ ３）が形成されている。 前記円筒部材１の両端には、任意の幅、ピッチでストライプ状に磁気パターン （４）（４’）が着磁されている。

【０００８】 上記した構成において、図３に示すように円筒部材（１）の一方を二軸（入・ 出力軸）のうちの一方の軸（８）に挿入し、円筒部材（１）の他方を他方の軸（ ８’）に挿入し、軸締結用ボルト（５）を適正トルクで締め付けて、円筒部材（ １）を二軸（８）（８’）に固定する。

【０００９】 一方、磁気パターン（４）（４’）に対向して、磁気センサー（９）（９’） をある空間をもって対向配置する。上記磁気センサ（９）（９’）は、処理装置 （図示省略）に接続され、該処理装置は、前記磁気センサ（９）（９’）からの 検出信号に基づいて、円筒部材（１）のたわみ、あるいは、ねじれ量を検出する ことができ、これらの検出値に基づいて、トルク値や回転数を検出することがで きる。

【００１０】 上記実施例では、磁性体によって円筒部材（１）を構成したが、図４に示すよ うに、円筒部材（１０）を非磁性体で構成しても良い。この場合は、円筒部材（ １０）の中央部に任意の幅、リード、ピッチ、角度でスリット（３）をヘリカル 状に設ける。円筒部材（１０）の両端に磁気リング（１１）（１１’）を圧入固 着する。この磁性リング（１１）（１１’）には、図５に示すように任意の幅、 ピッチで種々の磁気パターン（１２）のうちの１つが着磁されている。

【００１１】 尚、本考案に使用されるたわみ軸継手は、図示する構成のものに特に限定され るものでなく、予備圧縮されたゴム体を有する構成の軸継手にも応用することが 可能である。

【００１２】

【効果】

本考案は、上述の如く、たわみ変形可能な円筒部材にそのたわみを検出するた めの磁気パターンを着磁したので、磁気センサで、たわみを非接触で検出でき、 ブラシなど摩耗部品がなく、保守不要で高速回転にも適合できる。 また、磁気パターンは、精密着磁ができるので、歯車のような凹凸成形より高分 解能着磁が可能である。従って、トルク伝達と検出装置が一体化でき、省スペー ス化ができる等の効果が存する。

【図面の簡単な説明】

【図１】正面図である。

【図２】側面図である。

【図３】正面図である。

【図４】他の実施例を示す正面図である。

【図５】説明図である。

【符号の説明】

１ 円筒部材 ２ 軸固定用ハブ ２’ 軸固定用ハブ ３ スリット ４ 磁気パターン ４’ 磁気パターン ５ 締結ボルト ６ 軸締結用スリット ７ 軸穴 ８ 入・出力軸 ８’ 入・出力軸 ９ 磁気センサー ９’ 磁気センサー １０ 円筒部材 １１ 磁気リング １１’ 磁気リング

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 たわみ変形可能な円筒部材（１）を磁性
   部材により構成し、該円筒部材（１）の両端近傍にそれ
   ぞれ前記円筒部材（１）のたわみを検出するための磁気
   パターン（４）（４’）を着磁したことを特徴とするた
   わみ軸継手。
2. 【請求項２】 たわみ変形可能な円筒部材（１０）を非
   磁性部材により構成し、該円筒部材（１０）の両端近傍
   にそれぞれ前記円筒部材（１０）のたわみを検出するた
   めの磁気パターンを着磁した磁気リング（１１）（１
   １’）を固着したことを特徴とするたわみ軸継手。