JPH0678371B2 - 重合体スケール付着防止剤および重合体スケールの付着防止方法 - Google Patents

重合体スケール付着防止剤および重合体スケールの付着防止方法

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JPH0678371B2
JPH0678371B2 JP2160292A JP16029290A JPH0678371B2 JP H0678371 B2 JPH0678371 B2 JP H0678371B2 JP 2160292 A JP2160292 A JP 2160292A JP 16029290 A JP16029290 A JP 16029290A JP H0678371 B2 JPH0678371 B2 JP H0678371B2
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敏秀 清水
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、エチレン性二重結合を有する単量体の重合用
の重合体スケール付着防止剤および重合体スケールの付
着防止方法に関する。
〔従来の技術〕
重合器内で単量体を重合して重合体を製造する方法にお
いては、重合体が重合器内壁面などにスケールとして付
着する問題が知られている。
重合体スケールが重合器内壁面などに付着すると、重合
体の収率低下、重合器の冷却能力の低下、および付着し
た重合体スケールが剥離して製品に混入することによる
製品重合体の品質低下などを招き、さらに重合体スケー
ルの除去に多大の労力と時間が必要になるなどの不利が
生じる。その上、重合体スケールは未反応単量体を含ん
でいるので、作業者がこれにさらされ、身体障害を引き
起こす恐れもある。
従来、エチレン性二重結合を有する単量体の重合におい
て重合器内壁面などへの重合体スケールの付着を防止す
る方法としては、適当な物質を重合体スケール付着防止
剤として重合器内壁面などに塗布する方法が知られてい
る。
重合体スケール付着防止剤として適当な物質としては、
例えば、特定の極性化合物(特公昭45−30343号)、染
料または顔料(特公昭45−30835号、同52−24953号)、
芳香族アミン化合物(特開昭51−50887号)、フェノー
ル性化合物と芳香族アルデヒドとの反応生成物(特開昭
55−54317号)などが開示されている。
〔発明の解決しようとする課題〕
ところで、重合により得られる塩化ビニル系重合体とし
ては、白色度の高いものが求められ、例えば、JIS Z
8730(1980)に記載のハンターの色差式における明度
指数Lの値が70以上であることが求められる。
従来の重合体スケール付着防止剤は、特公昭45−30835
号および特公昭52−24953号に記載の染料または顔料、
特開昭51−50887号に記載の芳香族アミン化合物、なら
びに特開昭55−54317号に記載のフェノール性化合物と
芳香族アルデヒトとの反応生成物等で代表されるよう
に、有色のものが多い。そのためと考えられるが、これ
らのスケール防止剤からなる塗膜を形成した重合器内で
塩化ビニル等の懸濁重合などを行なうと、着色した重合
体が得られる。すなわち、例えば前記の明度指数Lを測
定すると、65以下の値が得られ、着色が確認される。こ
の着色は、塗膜の溶解や剥離により塗膜の成分が重合系
に混入する結果起こるものと考えられる。重合体の品質
向上のためにも改良が求められている。
また、従来の重合体スケール付着防止剤は、特公昭45−
30343号に記載の極性化合物として例示されているアニ
リン、ニトロベンゼン、ホルムアルデヒド等の劇物、お
よび特公昭45−30835号に記載の顔料として例示されて
いるクロム、鉛等の重金属を含むもので代表されるよう
に、有毒のものが多い。また、特公昭45−30835号およ
び特公昭52−24953号に記載の染料の中には、発ガン性
が心配されるものもある。このため、これらの物質を用
いた場合には、作業員の安全上の問題がある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の目的は、重合体スケールの付着を効果的に防止
することができる上、重合体を着色することがないため
白色度の高い重合体が得られ、しかも毒性等をなく安全
衛生上の懸念がない重合体スケール付着防止剤および重
合体スケールの付着防止方法を提供することにある。
すなわち、本発明は、前記目的を達成するものとして、 (A)タンパク質類および (B)多糖類(但し、アニオン性多糖類を除く)からな
る、エチレン性二重結合を有する単量体の重合用の重合
体スケール付着防止剤を提供する。
また、本発明は、エチレン性二重結合を有する単量体の
重合器内における重合において重合体スケールの付着を
防止する方法であって、重合器内壁面に、予め、 (A)タンパク質類および (B)多糖類(但し、アニオン性多糖類を除く)からな
る塗膜が形成されている重合器内で、前記重合を行なう
工程を有する重合体スケールの付着防止方法を提供す
る。
本発明の重合体スケール付着防止剤および重合体スケー
ルの付着防止方法によれば、前記のL値が70以上の白色
度の高い製品重合体を製造することができる。しかも、
使用される重合体スケール付着防止剤は毒性等がなく、
安全性が高いものなので、作業員の安全衛生上まったく
問題がない。
(A)タンパク質類 本発明の重合体スケール付着防止剤の(A)成分である
タンパク質類は、毒性等がなく、本発明の目的に適す
る。
このような(A)タンパク質類には、単純タンパク質、
複合タンパク質、誘導タンパク質、並びにこれらのナト
リウム塩、カリウム塩等のようなアルカリ金属塩または
アンモニウム塩などが包含される。
単純タンパク質としては、卵白アルブミン、乳アルブミ
ン、グロビン、ロイコシンなどのアルブミン類;血清グ
ロブリン、フィブリノーゲン、グリシニンなどのグロブ
リン類;オリゼニン、グルテニン、ホルデニンなどのグ
ルテリン類;グリアジン、ゼイン、ホルデインなどのプ
ロラミン類;コラーゲン、エラスチン、ケラチン、フィ
ブロインなどの硬タンパク質類;胸腺ヒストンなどのヒ
ストン類;サルミン、クルペインなどのプロタミン類な
どが例示される。
複合タンパク質としては、ヌクレオヒストン、ヌクレオ
プロタミン等のように核酸と単純タンパク質とが結合し
た核タンパク質類;ムチン、ムコイド等のように炭水化
物と単純タンパク質とが結合した糖タンパク質類;カゼ
イン、オボビテリン等のようにリンを含む物質と単純タ
ンパク質とが結合したリンタンパク質類;レシトプロテ
イン、組織フィブリノーゲン等のようにリピド(脂質)
と単純タンパク質とが結合したリポタンパク質類などが
例示される。
誘導タンパク質としては、ゼラチン、にかわ等が例示さ
れる。
これらの(A)タンパク質類は、一種単独でも二種以上
を組み合わせても用いることができる。
上述の(A)タンパク質類の中でも好ましいものは、ゼ
ラチン、カゼイン、カゼインのアルカリ金属塩及びアン
モニウム塩、グルテン、卵白アルブミン、コラーゲンで
ある。
(B)多糖類 本発明の重合体スケール付着防止剤の(B)成分である
多糖類からはアニオン性多糖類は除かれ、この(B)成
分は、前記(A)タンパク質類と同様に、毒性等がな
く、本発明の目的に適する。
このような(B)多糖類としては、中性多糖類が挙げら
れ、例えば、ラミナリン、グアーガム、ローカストビー
ンガムなど植物性粘液質中性多糖類;アミロース、アミ
ロペクチン、デキストリン、酸化デンプン、アセチルデ
ンプン、ニトロデンプン、メチルデンプン、などのデン
プン類およびその誘導体;メチルセルロース、エチルセ
ルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシ
プロピルメチルセルロース、グリコールセルロース、ベ
ンジルセルロース、シアノエチルセルロース、トリフェ
ニルメチルセルロース、ホルミルセルロース、ニトロセ
ルロース、カルボキシメチルセルロースなどが挙げられ
る。これらは一種単独でも二種以上を組合わせても用い
ることができる。
これら(A)成分および(B)成分を含有する本発明の
重合体スケール付着防止剤は、例えば、重合器内壁面な
どに塗膜として形成されることによって、重合器内壁面
などへのスケール付着を防止するものである。
この重合体スケール付着防止剤は、スケール付着を防止
する上で有効な前記(A)、(B)両成分の他に、必要
に応じて、溶媒、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界
面活性剤、アニオン性界面活性剤等を添加することがで
きる。
また、上記の他に添加できるものは、オルトケイ酸、イ
タケイ酸、メソケイ酸、メソ三ケイ酸、メソ四ケイ酸、
メタケイ酸ナトリウム、オルトケイ酸ナトリウム、二ケ
イ酸ナトリウム、四ケイ酸ナトリウム、水ガラスなどの
ケイ酸類、もしくはケイ酸塩;マグネシウム、カルシウ
ム、バリウム等のアルカリ土類金属元素、亜鉛等の亜鉛
族元素、アルミニウム等のアルミニウム族元素、チタ
ン、スズ等のスズ族元素、鉄、ニッケル等の鉄族元素、
白金等の白金族元素等から選択される金属の酸素酸塩、
酢酸塩、硝酸塩、水酸化物あるいはハロゲン化物等の金
属塩;金コロイド、銀コロイド、水酸化第二鉄のコロイ
ド、スズ酸のコロイド、ケイ酸のコロイド、硫酸バリウ
ムのコロイド、水酸化アルミニウムのコロイドなどであ
る。上記のコロイドには、機械的粉砕、超音波の照射、
電気的分散および化学的方法によって調製された無機の
コロイドなどが含包される。通常、前記塗膜を重合器内
壁面などに形成する場合には、溶液の状態で、すなわ
ち、塗布液として使用される。
塗布液の調製 上記のような塗布液は、前記の(A)成分および(B)
成分を適当な溶媒に添加することにより調製される。
このような塗布液の調製に使用する溶媒としては、例え
ば、水;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタ
ノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノー
ル、2−メチル−2−プロパノール、3−メチル−1−
ブタノール、2−メチル−2−ブタノール、2−ペンタ
ノール等のアルコール系溶剤;アセトン、メチルエチル
ケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤;ギ
酸メチル、ギ酸メチル、酢酸メチル、アセト酢酸メチル
等のエステル系溶剤;4−メチルジオキソラン、エチレン
グルコールジエチルエーテル等のエーテル系溶剤;フラ
ン類;ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、
アセトニトリル等の非プロトン系溶剤などが例示され
る。これらは適宜単独で又は二種以上の混合溶媒として
使用される。
塗布液中の(A)成分と(B)成分の合計濃度は、後記
の好ましい塗布量、すなわち単位面積あたりの(A)成
分と(B)成分の合計重量が得られる限り、特に制限さ
れないが、通常、0.005〜10重量%、好ましくは0.01〜
5重量%程度である。また、塗布液中の(A)成分と
(B)成分の含有割合は、通常、(A)成分100重量部
あたり(B)成分0.1〜1000重量部、好ましくは1〜600
重量部である。(B)成分が(A)成分に比して多すぎ
たり、少なすぎると(A)成分と(B)成分を併用する
効果が得られなくなる恐れがある。
また、塗布液のpHについては、特に制限されない。必要
に応じて、pH調整剤としては、適当な酸、アルカリを適
宜選択して使用すれば良い。
塗膜の形成 上記のようにして調製される塗布液を用いて重合器内壁
面に塗膜を形成するには、まず、塗布液を重合器内壁面
に塗布し、次いで、例えば室温から100℃までの温度範
囲で充分に乾燥させた後、さらに必要に応じて水洗す
る。このようにすると、重合器内壁面に塗膜が形成され
るため、その重合器内壁面への重合体スケールの付着が
防止される。
また、前記塗布液は、重合器内壁面だけでなく、重合中
に単量体が接触する他の部位にも塗布することが好まし
く、それによって塗膜を形成しておくことが好ましい。
例えば、撹拌翼、撹拌軸、コンデンサ、ヘッダ、サーチ
コイル、ボルト、ナット等には、前記塗布液の塗布によ
り塗膜を形成した方が良い。特に、撹拌翼、撹拌軸およ
びバッフルには、通常は、前記塗布液の塗布により塗膜
を形成すべきである。これらの部位に塗布液を塗布して
塗膜を形成するには、前記重合器内壁に塗膜を形成する
場合と同様にして行なえば良い。
さらに好ましくは、前記塗布液は、重合中に単量体が接
触する部位以外であっても、重合体スケールが付着する
恐れのある部位、例えば未反応単量体の回収系統の機器
および配管の内面などには、前記塗布液を塗布して塗膜
を形成した方が良い。このような部位として、さらに具
体的には、モノマー蒸留塔、コンデンサ、モノマー貯蔵
タンク、バルブ等の内面が挙げられる。これらの部位で
の塗膜の形成も前記重合器内壁に塗膜を形成する場合と
同様にして行なえば良い。
このようにして、重合中に単量体が接触する部位、およ
びそれ以外の重合体スケールが付着する恐れのある部位
に塗膜を形成すると、それらの部位への重合体スケール
の付着が防止される。
なお、塗布液を重合器内壁面に塗布する方法は、特に限
定されず、例えば、ハケ塗り、スプレー塗布、塗布液で
重合器を満たした後に抜き出す方法などを始めとして、
そのほか特開昭57−61001号、同55−36288号、特公表昭
56−501116号、同56−501117号、特開昭59−11303号な
どに記載の自動塗布方法を用いることもできる。
また、塗布液が塗布されたことにより濡れた状態の表面
を乾燥する方法も限定されることはなく、例えば次のよ
うな方法を使用することができる。すなわち、塗布液の
塗布後、適当に昇温した温風を塗布面に当てる方法、あ
るいは塗布液を塗布すべき重合器内壁面およびその他の
表面を予め例えば30〜80℃に加熱しておき、その加熱し
た表面に塗布液を直接塗布する方法などを使用すること
ができる。そして、塗布面の乾燥後は、その塗布面を必
要に応じて水洗する。
このようにして得られた塗膜は、単位面積あたりの塗布
量、すなわち単位面積あたりの(A)成分と(B)成分
の合計重量が、通常、0.001g/m2以上、特に0.05〜2g/m2
であることが好ましい。
以上の塗布作業は、1〜10数バッチの重合ごとに行なえ
ば良い。形成された塗膜は高い耐久性を有し、重合体ス
ケールの付着防止作用が持続するので、必ずしも1バッ
チの重合ごとに行なう必要はない。このため、製品重合
体の生産性が向上する。
また、本発明の重合体スケール付着防止剤は、重合媒体
中に添加することもできる。その場合、例えば、前記塗
布液を塗布処理に用いた上で、この塗布液と同様な溶液
状態の重合体スケール付着防止剤を重合媒体中に少量添
加すれば良い。このようにした場合には、塗布処理だけ
を行なったときよりもスケール防止効果が向上する。な
お、このような溶液状態の重合体スケール付着防止剤を
重合媒体中に添加する場合、その添加量は、エチレン性
二重結合を有する単量体仕込み全重量に対して約10〜10
00ppmの範囲とすれば良い。
重 合 上記のようにして、重合器内壁、および好ましくはその
他重合中に単量体が接触する部位などに塗布処理を施し
て塗膜を形成した後、その重合器内で常法により重合を
行なう。すなわち、エチレン性二重結合を有する単量体
および重合開始剤(触媒)のほか、必要に応じて、水な
どの重合媒体、および懸濁剤、固体分散剤、ノニオン
性、アニオン性乳化剤などの分散剤等を仕込み、次い
で、常法により重合を行なう。
本発明の方法を適用して重合を行なうエチレン性二重結
合を有する単量体としては、例えば、塩化ビニル等のハ
ロゲン化ビニル;酢酸ビニル,プロピオン酸ビニル等の
ビニルエステル;アクリル酸,メタクリル酸,およびこ
れらのエステルまたは塩;マレイン酸,フマル酸,およ
びこれらのエステルまたは無水物;ブタジエン,クロロ
プレン,イソプレン等のジエン系単量体;スチレン,ア
クリロニトリル,ハロゲン化ビニリデン,ビニルエーテ
ルなどが挙げられる。
また、本発明の方法が適用される重合の形式は特に限定
されず、懸濁重合、乳化重合、溶液重合、塊状重合およ
び気相重合のいずれの重合形式においても有効であり、
特に、懸濁重合、乳化重合等のように水性媒体中での重
合に、より適する。
以下、懸濁重合および乳化重合の場合を例に挙げて、一
般的な重合方法を具体的に説明する。
まず、水および分散剤を重合器に仕込み、その後、重合
開始剤を仕込む。次に、重合器内を排気して0.1〜760mm
Hgに減圧した後、単量体を仕込み(この時、重合器の内
圧は、通常0.5〜30kgf/cm2・Gになる)、その後、30〜
150℃の反応温度で重合する。重合中には、必要に応じ
て、水、分散剤および重合開始剤の一種または二種以上
を添加する。また、重合時の反応温度は、重合される単
量体の種類によって異なり、例えば、塩化ビニルの重合
の場合には30〜80℃で重合を行ない、スチレンの重合の
場合には50〜150℃で重合を行なう。重合は、重合器の
内圧が0〜7kgf/cm2・Gに低下した時に、あるいは重合
器外周に装備されたジャケット内に流入、流出させる冷
却水の入口温度と出口温度との差がほぼなくなった時
(すなわち重合反応による発熱がなくなった時)に、完
了したと判断される。重合の際に仕込まれる水、分散剤
および重合開始剤は、通常、単量体100重量部に対し
て、水20〜500重量部、分散剤0.01〜30重量部、重合開
始剤0.01〜5重量部である。
また、溶液重合の場合には、重合媒体として、水の代わ
りに、例えばトルエン、キシレン、ピリジン等の有機溶
媒を使用する。分散剤は必要に応じて用いられる。その
他の重合条件は、一般に、懸濁重合および乳化重合につ
いての重合条件と同様である。
また、塊状重合の場合には、重合器内を約0.01〜760mmH
gの圧力に排気した後、その重合器内に単量体および重
合開始剤を仕込み、−10℃〜250℃の反応温度で重合す
る。なお、塊状重合による具体的な重合法としては、例
えば、塩化ビニル単量体の重合における液状塊状重合法
および気相重合法がある。
本発明の重合体スケールの付着防止方法を適用して重合
を行なった場合には、重合器内壁面等の材質にかかわら
ず重合体スケールの付着を防止することができ、例え
ば、ステンレス製その他のスチール製の重合器、クラス
ライニングされた重合器等で重合を行なう場合にも重合
体スケールの付着を防止することができる。
重合系に添加されるものは、何ら制約なく使用すること
ができる。すなわち、例えば、t−ブチルパーオキシネ
オデカノエート、ビス(2−エチルヘキシル)パーオキ
シジカーボネート、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパ
ーオキサイド、α−クミルパーオキシネオデカノエー
ト、クメンハイドロパーオキサイド、シクロヘキサノン
パーオキサイド、t−ブチルパーオキシピバレート、ビ
ス(2−エトキシエチル)パーオキシジカーボネート、
ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイ
ド、2,4−ジクロルベンゾイルパーオキサイド、ジイソ
プロピルパーオキシジカーボネート、α,α′−アゾビ
スイソブチロニトリル、α,α′−アゾビス−2,4−ジ
メチルバレロニトリル、ペルオキソ二硫酸カリウム、ペ
ルオキソ二硫酸アンモニウム、p−メンタンハイドロパ
ーオキサイドなどの重合開始剤;部分けん化ポリビニル
アルコール、ポリアクリル酸、酢酸ビニルと無水マレイ
ン酸の共重合体、ヒドロキシプロピルメチルセルロース
等のセルロース誘導体、ゼラチン等の天然または合成高
分子化合物などの懸濁剤;リン酸カルシウム、ヒドロキ
シアパタイトなどの固体分散剤;ソルビタンモノラウレ
ート、ソルビタントリオレート、ポリオキシエチレンア
ルキルエーテルなどのノニオン性乳化剤;ラウリル硫酸
ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等
のアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジオクチル
スルホコハク酸ナトリウムなどのアニオン性乳化剤;炭
酸カルシウム、酸化チタン等の充填剤;三塩基性硫酸
鉛、ステアリン酸カルシウム、ジブチルすずジラウレー
ト、ジオクチルすずメチルカプチド等の安定剤;ライス
ワックス、ステアリン酸、セチルアルコール等の滑剤;D
OP、DBP等の可塑剤;t−ドデシルメルカプタン等のメル
カプタン類およびトリクロロエチレンなどの連鎖移動
剤;pH調節剤などが存在する重合系においても、本発明
の方法は重合体スケールの付着を効果的に防止すること
ができる。
〔実施例〕
以下、実施例および比較例を挙げて本発明を詳細に説明
する。なお、以下の各表において*印を付けた実験No.
は比較例であり、それ以外の実験No.は本発明の実施例
である。
実施例1 内容積1000の撹拌機付ステンレス製重合器を用いて次
のようにして重合を行った。
各実験において、まず、(A)成分及び(B)成分を、
第1表に示すとおりの合計濃度となるように溶媒に溶解
して塗布液を調製した。これら塗布液を重合器の内壁お
よび撹拌軸、撹拌翼その他重合中に単量体が接触する部
分に塗布し、60℃で15分間加熱、乾燥して塗膜を形成
後、水洗した。
ただし、実験No.101〜103は、塗布液を塗布しないか、
あるいは(A)成分または(B)成分のいずれか一方の
みを含有する塗布液を塗布した比較例である。
各実験において使用した塗布液中の(A)タンパク質類
および(B)多糖類の種類、塗布液中の(A)+(B)
の合計濃度および重量比(A)/(B)、使用した溶媒
の種類、ならびに塗布液のpHを第1表に示す。
その後、このように塗布処理して塗膜が形成された重合
器中に水(重合媒体)400kg、塩化ビニル(単量体)200
kg、部分ケン化ポリビニルアルコール(懸濁剤)250g、
ヒドロキシプロピルメチルセルロース(懸濁剤)25gお
よびビス(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネ
ート(重合開始剤)75gを仕込んだ。次に、撹拌しなが
ら57℃で6時間重合した。重合終了後、重合器内壁に付
着した重合体スケールの量(重合体スケール付着量)を
測定した。また、各実験No.で得られた重合体の白色度
を下記の方法で測定した。
重合体100重量部、安定剤TS−101(昭島化学社製)1重
量部およびC−100J(勝田化工社製)0.5重量部、なら
びに可塑剤DOP50重量部を、2本ロールミルを用いて160
℃で5分間混練した後、厚さ1mmのシートに成形した。
次に、このシートを4cm×4cm×1.5cm(厚さ)の型枠に
入れ、160℃、65〜70kgf/cm2で加熱・加圧成形して測定
用試料を作製した。この測定用試料について、JIS Z
8730(1980)に記載のハンターの色差式における明度
指数Lを求め、L値が大きいほど白色度が高いと評価し
た。
L値は次のようにして求めた。
JIS Z 8722の記載にしたがって、標準光C、光
電色彩計(日本電色工業株式会社製Z−1001DP型測色色
差計)を用い、刺激値直読方法により、XYZ表色系の刺
激値Yを求めた。照明及び受光の幾何学的条件として
は、JIS Z 8722の4.3.1項に記載の条件dを採用し
た。
次に、JIS Z 8730(1980)に記載の式: L=10Y1/2により、Lを求めた。
結果を第1表に示す。
実施例2 内容積20の撹拌機付ステンレス製重合器に、使用した
(A)タンパク質類および(B)多糖類の種類、(A)
+(B)の合計濃度及び重量比(A)/(B)、使用し
た溶媒の種類、ならびに塗布液のpHが第2表に示すとお
りである塗布液を用いた以外は、実施例1と同様にして
塗布処理を行った。ただし、実験No.201及び202は、塗
布液を塗布しないか、あるいは(A)成分または(B)
成分のいずれか一方のみを含有する塗布液を使用した比
較例である。
つぎに、このように塗布処理した重合器中に、水(重合
媒体)9kg、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
(アニオン性乳化剤)225g、t−ドデシルメルカプタン
(連鎖移動剤)12g及びペルオキソ二硫酸カリウム(重
合開始剤)13gを仕込み、窒素ガス置換した後、スチレ
ン(単量体)1.3kg、ブタジエン(単量体)3.8kgを仕込
んで50℃で20時間重合させた。
重合終了後、重合器内壁面の重合体スケール付着量を測
定した。結果を第2表に示す。
〔発明の効果〕 本発明によれば、重合体スケールの付着を効果的に防止
することができる上、前記のL値が70以上の白色度の高
い製品重合体を製造することができる。しかも、本発明
の重合体スケール付着防止剤は毒性等がなく、安全性が
高いものなので、作業員の安全衛生上まったく問題がな
い。
また、本発明によれば、使用される単量体および重合開
始剤の種類、重合形式、重合器の内壁の材質等の重合の
諸条件にははわらず、重合体スケールの付着を効果的に
防止することができる。すなわち、例えば、重合体スケ
ールの付着を防止し難い乳化重合においても、重合体ス
ケールが付着し易いステンレス製の重合器を用いた場合
にも、あるいは酸化力の強いペルオキソ二硫酸カリウム
等を重合開始剤として使用した場合にも、重合体スケー
ルの付着を効果的に防止することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)タンパク質類および (B)多糖類(但し、アニオン性多糖類を除く) からなる、エチレン性二重結合を有する単量体の重合用
    の重合体スケール付着防止剤。
  2. 【請求項2】エチレン性二重結合を有する単量体の重合
    器内における重合において重合体スケールの付着を防止
    する方法であって、重合器内壁面に、予め、 (A)タンパク質類および (B)多糖類(但し、アニオン性多糖類を除く) からなる塗膜が形成されている重合器内で、前記重合を
    行なう工程を有する重合体スケールの付着防止方法。
JP2160292A 1990-06-19 1990-06-19 重合体スケール付着防止剤および重合体スケールの付着防止方法 Expired - Lifetime JPH0678371B2 (ja)

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