JPH0677153U - 二次電池用容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 二次電池に適用される二次電池用容器の耐久
性を維持しながら放充電性を向上する。 【構成】 二次電池用容器１ａは円筒型の形状を有して
いる。そして内面全体に良好な耐食性と電導性とを備え
た金属がコーティングされ、コーティング膜２を形成し
ている。これにより、二次電池用容器１ａは、耐久性が
向上すると共に、内面の電気抵抗が低下し、充放電性能
が向上する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、二次電池に適用される二次電池用容器に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、二次電池に適用される容器は、容器の腐食防止を重要な目的として製作 されているため、耐食性の優れた金属で製作されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、上記従来の方法では、二次電池用容器の耐食性を重視した上で選択さ れた金属で製作しているため、容器内面の通電部では電導性が劣る。このため、 通電部が電気抵抗となり、二次電池の充放電性能が低下する。

【０００４】 この考案は上記実情に鑑みてなされたもので、耐食性を維持しながら充放電性 能を向上し得る二次電池用容器を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

この考案は、二次電池用の金属容器であり、耐食性と電導性を有する金属でコ ーティングされた内面側通電部を具備することを特徴とする。

【０００６】 又、この考案は、二次電池用の金属容器であり、この金属容器の内面上に開口 面に対し垂直方向の一つ以上の溝を設け、この内面に耐食性と電導性を有する金 属がコーティングされていることを特徴とする。

【０００７】

【作用】

二次電池用容器内面の通電部に高耐食性及び良電導性を備えた金属をコーティ ングすることにより、耐久性が向上すると共に、通電部の電気抵抗が低下する。 これにより、充放電性能を向上することができる。

【０００８】 又、二次電池用容器内面に開口面に垂直方向の溝を設け、この溝を含む容器内 面に高耐食性及び良電導性を備えた金属をコーティングする。これにより、容器 内面の通電部の充放電性能が向上される。更に、化学反応により容器内面近傍に 発生した気胞は、この溝を通り、ガスとなって通電部外に抜けてゆく。これによ り、通電部の通電面積が減少せず、充放電性能が更に向上する。

【０００９】

【実施例】

以下、図１及び図２を参照してこの考案に係る第１実施例を説明する。この考 案に係る第１実施例の二次電池用容器の外観斜視図を図１に示す。図１に示され るように、二次電池用容器１ａは円筒形状を有している。そして内側面全体に良 好な耐食性と電導性とを備えた金属がコーティングされ、コーティング膜２を形 成している。これにより、二次電池用容器１ａは、耐久性が向上すると共に容器 内面の電気抵抗が低下し、充放電性能が向上する。

【００１０】 次に、二次電池用容器１ａ内面のコーティング膜２の生成について説明する。 線爆溶射法を用い、二次電池用容器１ａにコーティングを行なう際の各構成要素 の接続を図２に示す。充電装置３は、端子ａ，ｂ間で所定の電圧を出力する。端 子ａ，ｂ間には抵抗Ｒ及びコンデンサＣが直列に接続されている。抵抗Ｒは、コ ンデンサＣにかかる電圧が低下以下であるように制御するものである。コンデン サＣは、充電装置３により供給される電圧に基づいて電荷を蓄える。

【００１１】 又、コンデンサＣには、直列に接続されたスイッチＳＷと金属線４が並列に接 続される。スイッチＳＷは、オペレータによるオン操作に応じ、コンデンサＣに 蓄えられた電圧を瞬間的に金属線４に供給する。金属線４は、円筒形状の二次電 池用容器１ａの開口部から容器内を貫通している。尚、金属線４には、タングス テン又はモリブテンが適用される。

【００１２】 次に、コーティング膜２の生成動作について説明する。充電装置３の端子ａ， ｂから出力される電圧はコンデンサＣに供給される。コンデンサＣは、供給され る電圧に基づいて電荷を蓄える。スイッチＳＷは、オペレータの操作に応じてオ ン状態となり、コンデンサＣに蓄えられた電荷が瞬間的に金属線４に供給され、 溶融、爆発が起こる。これによって生じた高温微粒子が二次電池用容器１ａの内 側面全体にコーティング膜２として積層する。これにより、上述したような充放 電能力の向上した二次電池用容器１ａが製作される。

【００１３】 次に図３を参照してこの考案の第２実施例を説明する。図３に示されるように 二次電池用容器１ｂは、上記二次電池用容器１ａと同様に円筒形状を有する。こ の二次電池用容器１ｂの内面には、開口面と垂直な方向に複数の溝５が設けられ ている（同実施例では１３個の溝を有する）。

【００１４】 複数の溝５が設けられた内面全体には、上述した第１実施例と同様に良好な耐 食性と電導性とを備えた金属がコーティング膜２として積層されている。これに より、二次電池用容器１ｂは、容器の耐久性が向上すると共に、電気抵抗が低下 し、充放電性能が向上する。尚、このコーティング膜２の積層方法は、上述した 第１実施例と同様である。

【００１５】 更に、二次電池用容器１ｂ内で化学反応により発生する気胞（絶縁物）は、上 記溝５を通り抜け、ガスとなって開口部から外に送り出される。このため、コー ティング膜２が積層している二次電池用容器１ｂの内面面積は減少しない。よっ て、更に、充放電性能が向上する。

【００１６】

【考案の効果】

以上、詳記したようにこの考案によれば、二次電池用容器の内面に良好な耐食 性と電導性を備えたコーティング膜を設けることにより、内面通電部の電気抵抗 が低くなり、二次電池の充放電性能が向上する。又、上記コーティング材が耐食 性を備えているので二次電池用容器の耐久性も向上する。

【００１７】 更に、内側に開口面に垂直方向の複数の溝を設けることにより、容器内で化学 反応により派生する気胞（絶縁物）がこの溝を通り、外へ抜ける。このため内面 の面積が減少せず充放電性能が更に向上する。

【００１８】 又、内面通電部のみコーティングを行なうため、コストの低減が可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の第１実施例に係る二次電池用容器の
外観斜視図。

【図２】この第１実施例に係る二次電池用容器のコーテ
ィングを行なう際の接続図。

【図３】この考案の第２実施例に係る二次電池用容器の
外観斜視図。

【符号の説明】

１ａ 二次電池用容器 １ｂ 二次電池用容器（溝付き） ２ コーティング膜 ３ 充電装置 ４ 金属線 ５ 溝 Ｃ コンデンサ Ｒ 抵抗 ＳＷ スイッチ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 永井 正彦 長崎県長崎市深堀町５丁目717番１号 三 菱重工業株式会社長崎研究所内

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 二次電池用の金属容器であり、耐食性と
   電導性を有する金属でコーティングされた内面側通電部
   を具備することを特徴とする二次電池用容器。
2. 【請求項２】 二次電池用の金属容器であり、この金属
   容器の内面上に開口面に対し垂直方向の複数の溝を設
   け、この内面に耐食性と電導性を有する金属がコーティ
   ングされていることを特徴とする二次電池用容器。