JPH067674U - 縫製機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 全体の平均よりも厚い部分が飛び飛びに在る
長尺物に対しても、その両側縁部の３つ折りと縫製を厚
い部分においても他と同様にきれいに整った状態にす
る。 【構成】 全幅に渡って厚さの厚い部分を長手方向に飛
び飛びに有する長尺物を送り手段で送りをかけ、該長尺
物の両側縁部をそれぞれ左右の渦巻きガイドで３つ折り
後に左右のミシンで縫製していく縫製機において、上記
の厚い部分を厚さ検知器で検出して、その検出信号で、
厚い部分が上記渦巻きガイドに到達する直前に上記送り
手段の送り速度とミシンの縫製速度を遅くし且つ上記左
右の渦巻きガイドと上記ミシンを内側に移動手段で移動
させ、厚い部分の３つ折り部分を上記ミシンで縫製後に
上記送り手段の送り速度とミシンの縫製速度を元に戻し
且つ渦巻きガイドとミシンを元に位置に復帰させること
を特徴とする縫製機。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はタオル原反等長尺物の両側縁（耳部分）を３つ折りして縫製する縫製 機に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来より、タオル原反の両耳を３つ折りして縫製する左右一対のミシンを備え た両頭縫製装置は広くタオル生産業者の間で使用されて来た。この縫製装置は、 浴用タオルを主流とする薄手のタオルに対して、蛇行追従手段を備えて効率的に 両耳の縫製を行えるので好評を博して来た。

【０００３】 しかし、最近生活水準の向上に伴って、タオルにも模様を織込んだ厚手のタオ ルも多くなり、ヒマでつながったタオルの原反の両耳部分を３つ折りして縫製し て行く際に、途中でタオル地が薄くなったり厚くなったりしてきれいな整った３ つ折りと縫製が難しくなって来ている。

【０００４】 図４に示すようにこのような模様を織込んだ厚い部分ａ１（高密に織り上げた 地詰め織り部分）を有したタオル原反Ａの両耳部ａを、従来の縫製装置で３つ折 りして縫製して行くと、厚い部分ａ１で３つ折りｂ１がくずれて、２つ折りとな って縁のけばが出て来たり、渦巻きガイドから耳部ａがはみ出して３つ折り続行 が不能になったりし、タオル仕上がりを著しく悪くすることになる。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

解決しようとする問題点は、全幅に渡って厚さの厚い部分を飛び飛びに有する タオル原反等の長尺物に対して、きれいに両耳部が３つ折りされて縫製されない 点である。

【０００６】

【課題を解決するための手段】 本考案は、長尺物の厚さの厚い部分に対して該厚い部分が渦巻きガイドに到達 する直前に検知して左右一対の少なくても渦巻きガイドを内側に移動手段で寄せ て該ガイド内で楽にきれいに３つ折りして左右の各々のミシンで縫製するように したものである。

【０００７】

【実施例及び作用】

図１は本願考案の縫製機の要部平面説明図、図２は同左側面説明図、図３は同 左側のみの斜視説明図である。

【０００８】 図１乃至図３において、タオル原反Ａの両耳部ａを縫製する縫製機１は、全幅 に渡って厚さの厚い部分ａ１を長手方向に飛び飛びに有するタオル原反Ａをフィ ードローラ１１、１２の送り手段１０で矢印Ｘの方向に送りをかけ、タオル原反 Ａの両側縁部の耳部ａ、ａをそれぞれ左右の渦巻きガイド２１、２２で３つ折り 後に左右のミシン２５、２６で縫製していくものであって、上記の厚い部分ａ１ を厚さ検知器３１、３１で左右別々に検出して、その検出信号で、厚い部分ａ１ が渦巻きガイド２１、２２に到達する直前に送り手段１０の送り速度とミシン縫 製速度を遅くし且つ左右の渦巻きガイド２１、２２とミシン２５、２６とを内側 にエアーシリンダの移動手段３５、３５で移動させ、厚い部分ａ１の３つ折り部 分ｂ１をミシン２５、２６で縫製後に送り手段１０の送り速度とミシン縫製速度 を元に戻し且つ渦巻きガイド２１、２２とミシン２５、２６を元の位置に復帰さ せるようにしている。

【０００９】 送り手段１０のフィードローラ１１、１２は、ゴムローラで、ミシン２５、２ ６の送り歯（上送り歯２７ａと下送り歯２７ｂ）の送り速度に同調させてインバ ータの可変速モータ（図示省略）で駆動されている。通常送り手段１０の手前の クロスガイダーでタオル原反Ａの蛇行が修正される。

【００１０】 厚さ検知器３１は、電界近接スイッチが使用され、機台の横架フレーム３６上 にタオルの厚い部分ａ１の厚さより若干高く隔設固定され（高さは調節可能）て いる。この検知器３１から渦巻きガイド２１、２２の前端までの距離は、一定に 設定され、制御器のパルスエンコーダにパルス数で入力されている。途中一枚一 枚のタオルをつないだヒマに対する厚さ変化については、キャンセルするように 入力されている。

【００１１】 生地押え４０は、ミシンの搭載台２８、２９上から延設された支持アーム２８ ａ、２９ａに移設可能に固定され、角を耳部ａと本布地（パイル織り等）との際 に押し当って耳部ａを立てるＬ型脚４１と、該脚４１を下方に延設し且つ上記支 持アーム２８ａ、２９ａに固定されるブロック４２と、該ブロック４２の後方に 延設されたアーム４２ａに移設可能に固定され起立した耳部ａを立てつづけ且つ 原反Ａの動きを安定させる押え板４３とから構成されている。

【００１２】 左右のミシン２５、２６の向い側に設けられた水平なミシン縫製台２５ａ、２ ６ａの手前側には、渦巻きガイド（ラッパとも称されている）２１、２２が固定 されており、起立されて差込みやすくなった耳部ａを３つ折りして、すぐ後方に 上下の送り歯２７ａ、２７ｂの間に３つ折り部ｂとして送るようになっている。 この送り歯の箇所でミシン針２７によって、３つ折り部ｂは縫製される。比較的 薄手のタオル原反Ａであれば、例えば２５ｍ／分程の送り速度で縫製されるので あるが、高い密度で模様を織込むことで厚くなった厚い部分ａ１に対しては、送 り速度を約半分程に（厚さに応じて減速度は選択される）減速され、且つ渦巻き ガイド２１、２２内で耳部ａが楽に３つ折りされるようにガイド２１、２２とミ シン２５、２６を内側に寄せる。送り速度の調節及びミシン縫製速度の調節は、 送り手段１０用のインバータモータとミシン用モータＭにて行われる。

【００１３】 ミシン２５、２６は、機台Ｆの横断方向に延びたレール４７ａ、４７ｂに転子 ４４を介してガタッキの無いように移動可能に搭載された基台２８ａ、２９ａに リニアウェイ等のレール２８ｂ、２９ｂを介して移動可能に搭載された搭載台２ ８、２９上に固定されている。搭載台２８、２９は、外側端面から下方に延設さ れたブラケットＢでミシン用インバータモータＭの台２８ｃ、２９ｃを吊設して いる。ブラケットＢには、基台２８ａ、２９ａの下面に固定されたエアーシリン ダ３５の出力軸端が連結されており、搭載台２８、２９を基台２８ａ、２９ａに 対して横断方向に移動できるようにしている。即ち、エアーシリンダ３５の伸長 位置から収縮させるとミシン２５、２６を相互に内側に移動させる。移動位置は 適宜ストッパーを設けて調節される。基台２８ａ、２９ａは、ボールねじ４５、 ４６に螺合したナット４５ａ、４６ａを下面に固定しており、ボールねじ４５、 ４６をハンドルやモータで回すことによってタオル原反Ａの幅に応じて適当な位 置にミシン２５、２６が来るように移動される。この時エアーシリンダ３５は伸 長状態にしてある。尚、図中４８は、ミシン糸ボビン支持台であり、４９はミシ ンモータＭとミシン動力入力プーリＰを連結するＶベルトである。

【００１４】 耳部ａの縫製の終わったタオル原反Ａは、ベルトコンベア５１によって次工程 に搬送される。ベルトコンベア５１もインバータモータで変速可能に矢印の方向 に駆動されるが、ほんの少しミシン送り歯２７ａ、２７ｂの送り速度よりも速い 周速に設定される。厚い部分ａ１の耳部ａの縫製時には、やはり減速されるよう になっている。

【００１５】 次に、本縫製機１の運転について概説する。先ず、タオル原反Ａの幅に応じて 、ボールねじ４５、４６を回して左右のミシン２５、２６の間隔を設定し、且つ 生地押え４０も上述のように設定し、厚さ検知器３１、３１も厚さの差のよく出 る左右の耳部ａに設定する。タオル原反Ａの先端の薄手標準部を手で渦巻きガイ ド２１、２２に導入して３つ折り部ｂを形成し、試し縫いをして、初期設定を行 う。それから、自動運転に入る。

【００１６】 厚い部分ａ１が厚さ検知器３１、３１で検知されると、該検知器３１から渦巻 きガイド２１、２２の先端までの一定距離をパルスで算出して、厚い部分ａ１の ガイド先端への到達を推定して左右のうち先に検出した方の（クロスガイダーで 蛇行修正していても若干左右の遅れが生じている）エアーシリンダ３５を収縮さ せ渦巻きガイド２１、（２２）とミシン２５（２６）を内側に寄せると共に送り 手段１０とミシン送り歯２７ａ、２７ｂや針２７、ベルトコンベア５１の速度を 下げる。極くわずか遅れた側の厚さ検知信号で同じく到達を推定してその側のエ アーシリンダ３５も収縮させる。これによって、厚い部分ａ１は楽に渦巻きガイ ド２１、２２内で３つ折りされ、ミシン２５、２６によってより厚くなった３つ 折り部ｂ１も確実に縫製される。縫製の終わった側のエアーシリンダ３５を伸長 して渦巻きガイド２１、（２２）とミシン２５、（２６）を外側に復帰させるが 、送り手段１０とミシン送り歯２７ａ、２７ｂや針２５、ベルトコンベア５１の 速度は遅れた側の縫製が終わった時にその側のエアーシリンダ３５の外側への伸 縮と共に元の速度に復帰される。縫い終わりも、厚さ検知器３１からミシン針２ ７の直後までの距離と厚い部分ａ１の長さとを、送り手段１０の送り量相当のパ ルス数に交換して把握し推定している。

【００１７】 以下、長さの違う厚い部分に対しても順番と長さを制御手段に記憶させておい て、縫製終わりを推定するようにして対処して行く。他に、厚い部分ａ１が渦巻 きガイド２１、２２内で３つ折りされる時に、回転ローラで横外へ送りがかけら れるようにするとか、補助手段が付加され得る。また、上記タオル原反Ａ以外に も、毛布やカーテン地の耳縫いにも本縫製機１は適用されよう。

【００１８】

【考案の効果】

以上述べた如く、本考案の縫製機によれば、全体平均の厚さよりも厚い部分の 両側縁部を３つ折りして縫製する際もきれいに整って３つ折りされ且つ縫製され ることになる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本願考案の縫製機の要部平面説明図である。

【図２】同左側面説明図である。

【図３】同左側のみの要部斜視説明図である。

【図４】従来の問題点となっていた厚い部分の耳部の３
つ折り状態の説明図である。

【符号の説明】

１ 縫製機 １０ 送り手段 ２１、２２ 渦巻きガイド ２５、２６ ミシン ３１ 検出器 ３５ 移動手段 Ａ 長尺物 ａ１ 厚い部分 ａ 両側縁部（耳部）

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 全幅に渡って厚さの厚い部分を長手方向
   に飛び飛びに有する長尺物を送り手段で送りをかけ、該
   長尺物の両側縁部をそれぞれ左右の渦巻きガイドで３つ
   折り後に左右のミシンで縫製していく縫製機において、
   上記の厚い部分を厚さ検知器で検出して、その検出信号
   で、厚い部分が上記渦巻きガイドに到達する直前に上記
   送り手段の送り速度とミシンの縫製速度を遅くし且つ上
   記左右の渦巻きガイドと上記ミシンを内側に移動手段で
   移動させ、厚い部分の３つ折り部分を上記ミシンで縫製
   後に上記送り手段の送り速度とミシンの縫製速度を元に
   戻し且つ渦巻きガイドとミシンを元に位置に復帰させる
   ことを特徴とする縫製機。