JPH0676406A - 光磁気記録媒体の再生方法とこれに用いる光磁気記録媒体 - Google Patents

光磁気記録媒体の再生方法とこれに用いる光磁気記録媒体

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JPH0676406A
JPH0676406A JP23225292A JP23225292A JPH0676406A JP H0676406 A JPH0676406 A JP H0676406A JP 23225292 A JP23225292 A JP 23225292A JP 23225292 A JP23225292 A JP 23225292A JP H0676406 A JPH0676406 A JP H0676406A
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Atsushi Fukumoto
敦 福本
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Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 トラック間のクロストークの回避をはかって
高トラック密度化をはかる。 【構成】 再生時第1及び第2の光ビームLB1 及びLB2
を用い、第1の光ビームLB1 によって目的とするトラッ
ク上の記録ピットのみを再生可能に浮き出させ、第2の
光ビームLB2 によって光磁気相互作用によって記録ピッ
トによる情報を読み出す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光磁気記録媒体の再生
方法とこれに用いる光磁気記録媒体に係わる。
【0002】
【従来の技術】レーザ光照射による局部的加熱によって
情報記録ピット即ちバブル磁区を形成し、この記録情報
を光磁気相互作用即ちカー効果或いはファラデー効果に
よって読み出す再生方法を採る場合においても、その記
録密度を上げるには、その記録トラックの高密度化が望
まれるが、この場合、再生時の隣接するトラック相互の
干渉すなわちクロストークが問題となる。この再生時の
解像度(分解能)、すなわち再生光のスポット径は、そ
の波長λ、対物レンズの開口数N.A.とするとき、約
1.22λ/N.A.で与えられ、例えばλ=0 .78 ,NA
=0.5 とすると、そのスポット径は、1,77になる。
【0003】従って、通常、隣接トラック間のクロスト
ークを回避するには、トラック間の間隔は、1.5 〜1.6
μmであって、これ以下では安定な信号検出ができなか
った。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、再生時の光
ビームのスポット径によって、記録トラックピッチが決
定されることがないようにして、高密度トラック化をは
かることができるようにした光磁気記録媒体の再生方法
とこれに用いる光磁気記録媒体を提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】第1の本発明は、図1に
本発明の光磁気記録媒体一例の略線的断面図を示すよう
に、少なくとも再生層11と、記録層13と、これら層
間に介在する中間層12とを有する光磁気記録媒体10
を用いる。
【0006】そして、この光磁気記録媒体に対して、第
1の光ビームLB1 を再生層11に照射することにより、
この再生層11を局部的に加熱して記録層13に磁気的
に記録されている信号を再生層11に転写し、第2の光
ビームLB2,によって再生層11に転写された信号を読み
出す。
【0007】第2の本発明は、上述の再生方法におい
て、第1及び第2の光ビームLB1 及びLB2 がレーザ光で
あって、第2の光ビームLB2 のレーザパワーを、第1の
光ビームLB2 のレーザパワーと同じ又はそれ以下に選定
する。
【0008】第3の本発明は、上述の再生方法におい
て、第1及び第2の各光ビームLB1 及びLB2 を、それぞ
れ独立した光学ピックアップによって発生させる。
【0009】第4の本発明は、第1及び第2の各光ビー
ムLB1 及びLB2 を、モノリシック2ビームレーザダイオ
ードを具備する1つの光学ピックアップによって発生さ
せる。
【0010】第5の本発明は、再生層11、及び記録層
13の各飽和磁化をそれぞれMS1,及びMS3とし、保磁
力をそれぞれHC1,及びHC3とするとき、再生層11
は、GdFeCoを主体とする希土類−遷移金属磁性層
より構成し、MS1≦450emu/cc,HC1≦4kO
eとし、記録層13は、TbFeCoを主体とする希土
類−遷移金属磁性層より構成し、HC3≧5kOeであっ
て、この記録層13が遷移金属優勢膜である場合はMS3
≦300emu/cc、希土類優勢膜である場合はMS3
≦200emu/ccとする。
【0011】
【作用】本発明は、再生時において、光磁気記録媒体1
0と第1の光ビームLB1 との相対的移動による温度分布
を利用して読み出し可能の記録ピットを、目的のトラッ
ク上においてのみ再生層11に発生させるようにして第
2の光ビームLB2 によってカー効果ないしはファラデー
効果によって選択的にこのトラックについてのみの記録
ピットによる情報の読み出しを行い、結果的にトラック
間のクロストークの回避をはかり、これにより、高トラ
ック密度化をはかることができるようにするものであ
る。
【0012】
【実施例】本発明を光磁気ディスクに適用する場合につ
いて説明する。
【0013】この場合、図1に示すように、ガラス、ポ
リカーボネート樹脂等の光透過基板より成る基体20上
に、例えば厚さ800ÅSiN等より成る誘電体膜2
3、光磁気記録層21の後述する各層、更に例えば厚さ
800ÅのSiN等より成る保護膜25を順次スパッタ
リング等によって構成する。
【0014】光磁気記録層21は、順次磁気的に結合す
る少なくとも再生層11、中間層12、記録層13の3
層構造を採り得るが、図1で示すように、再生層11と
中間層12との間に更に、再生補助層31を介在させた
4層構造を採ることが、例えば再生層11の室温での保
磁力の補償をする上で有利である。
【0015】この光磁気記録媒体、この例では光ディス
クへの記録は、光磁気記録層21の各層、特に少なくと
も再生層11と、記録層13とが、同一向きをもって一
様に垂直磁化された例えば“0”の記録状態で磁界変
調、或いは外部磁界印加の下での光変調によって逆向き
の磁区すなわち記録ピットの形成によって例えば“1”
の記録を行って“0”,“1”の情報の記録がなされて
いる。
【0016】本発明の再生方法では、図2に示すよう
に、光磁気記録媒体のディスク10の回転途上に、後述
する初期化磁界Hiと、再生磁界Hrをそれぞれディス
ク10に与える初期化磁界発生手段と73と、再生部に
おいて再生磁界発生手段72を設ける。
【0017】そして再生部に第1及び第2の光ビームLB
1 及びLB2 を、ディスク10に対して第1の光ビームLB
1 が先行照射し、続いて第2の光ビームLB2 が照射する
ようになされる。
【0018】更に、本発明再生方法について図3及び図
4を参照して説明する。図3は、光磁気記録媒体10,
この例では、光ディスク上の隣り合う3本のトラックT
1 〜T3 の記録ピットを示した平面図で、図4は、その
磁化態様を示す模式的断面図である。この場合図3に示
すように、図2で示した第1及び第2の各光ビームLB 1
及びLB2 の各スポットS1 及びS2 に対して光磁気記録
媒体10が矢印Dで示す方向に相対的に移動するように
なされている。また、この場合、光磁気記録層21は、
説明の簡略化から垂直磁化膜より成る再生層11と、中
間層12と、記録層13とによる場合を示す。図4中各
層11,12,13中の矢印は、その磁気モーメントの
向きを模式的に示したもので、図示の例では下向きが初
期化状態で、これに図において上向きの磁化による磁区
をもって少なくとも記録層13に情報記録ピット4が形
成される。
【0019】このような光磁気記録媒体、すなわち光デ
ィスク10において、図2に示すように、これの回転途
上に設けられた、初期化磁界発生手段73により、光デ
ィスク10に先ず外部から初期化磁界Hiを印加して、
再生層11を図4において下向きに磁化して初期化す
る。即ち、再生層11において、記録ピット4が消滅す
るが、このとき記録ピット4を有する部分において、再
生層11と記録層13との磁化の向きが中間層12に生
じた磁壁によって逆向きに保持されるようになされてい
て、記録ピット4は、潜像記録ピット41として残る。
【0020】一方、光ディスク10には初期化磁界Hi
とは逆向きの再生磁界Hrを少なくともその再生部で図
2に示すように、再生磁界発生手段72によって与え
る。
【0021】また、この再生部において、光ディスク1
0の回転によって所要のトラック上を、順次第1の光ビ
ームLB1 が照射し、続いて第2の光ビームLB2 が照射す
るようになされる。
【0022】これら第1及び第2の各光ビームLB1 及び
LB2 は、その光源として例えば半導体レーザ、SHG
(光第2高調波発生)素子を用いたレーザ光源等を用い
得る。
【0023】この状態で光ディスク10の移動に伴って
初期化された潜像記録ピット41を有する領域が先ず第
1の光ビームLB1 のスポットS1 に入り、このビーム照
射により昇温された部分がスポットS1 の先端側、図3
及び図4において右側へと移行して来るとこのスポット
1 の先端側に、図3中破線aで囲んで示すように、実
質的に高温領域が生じ、図4に示すように、この高温領
域aでは中間層12の磁壁が消滅し、交換力で記録層1
3の磁化が再生層11に転写され、記録層13に存在し
ていた潜像記録ピット41が再生層11に、再生し得る
記録ピット4として浮き出される。
【0024】このとき、第1の光ビームLB1 のスポット
径、レーザパワーの選定によってその高温領域、すなわ
ち記録ピット4の転写(浮き出し)領域aが、丁度目的
とする再生すべきトラック上(図3では中央のトラック
2 上)に限定的に位置するようにする。つまり、隣接
するトラックT1 及びT3 に関してはその少なくとも高
温領域aが跨がらないようにする。
【0025】このようにして、目的とするトラックに関
してのみ転写された記録ピット4を、続く第2の光ビー
ムLB2 によって再生する。すなわちこの第2の光ビーム
LB 2 の再生層11における磁化の向きによるカー効果或
いはファラデー効果によるビームスポットS2 の偏光面
の回転を検出すれば、この記録ピット4を読み出すこと
ができる。
【0026】この本発明方法によれば、第1及び第2の
各光ビームLB1 及びLB2 の各スポットS1 及びS2 は、
トラック幅に規制されず、特に、その第1の光ビームLB
1 についてのみが、前述したように、その高温領域a
が、目的の例えば1のトラックT2 にのみ位置させれば
よいので、トラックピッチは、これら第1及び第2の各
光ビームLB1 及びLB2 の各スポットS1 及びS2 の径に
依存することなく充分小に、すなわち高トラック密度を
もって記録することができる。
【0027】ここに、第2の光ビームLB2 は、そのパワ
ーを、この光ビームLB2 によって再生層11に浮き出さ
れた記録ピット4、すなわち、磁区を光磁気相互作用に
よって検出し得る程度のパワーであれば良く、これの照
射による昇温によって新に記録ピットを浮き出すことの
ない程度のパワー、スポット径に選定する。
【0028】したがって実際には、第2の光ビームLB2
のレーザパワーは、第1の光ビームLB1 のそれと同じま
たはそれ以下とする。
【0029】このような再生を行うために、初期化磁界
Hi、再生磁界Hr、各磁性層の保磁力、厚さ、磁化、
磁壁エネルギー等が、ビームスポットS1 内の高温領域
a及びこの領域a以外の温度に応じて選定される。すな
わち、再生層11及び記録層13の保磁力をHC1,及び
C3、厚さをh1 ,及びh3 、飽和磁化MS をMS1及び
S3とすると、再生層11のみを初期化する条件として
は、下記数1となる。
【0030】
【数1】Hi>Hc1+σw2/2Ms11
【0031】ここにσw2は、再生層11及び記録層13
間の界面磁壁エネルギーを示す。
【0032】またその磁界で記録層13の情報が維持さ
れるための条件は数2となる。
【数2】Hi<Hc3−σw2/2Ms33
【0033】また初期化磁界Hi下を通過して後も再生
層11と記録層13間の中間層12による磁壁が維持さ
れるためには、下記数3の条件が必要となる。
【数3】Hc1>σw2/2Ms11
【0034】そして高温領域a内で選定される温度TH
において、下記数4の条件が必要となる。
【数4】 Hc1−σw2/2Ms11 <Hr <Hc1+σw2/2Ms11
【0035】このような数4が成り立つ再生磁界Hrを
印加することよって、中間層12による磁壁が存在する
部分のみに再生層11に記録層13の潜像記録ピット4
1の磁化を転写即ち記録ピット4として浮き出させるこ
とができる。
【0036】上述した再生方法に用いた磁気記録媒体1
0としては、再生層11と中間層12と記録層13の3
層構造を採る場合について説明したが、図1にその模式
的断面図を示すように、再生層11の中間層12側に、
再生補助層31が設けられた4層構造とすることもでき
る。
【0037】この再生補助層31は、再生層11の特性
を補助するためのものであって、これによって再生層1
1の室温での保磁力を補償し、初期化磁界Hiによって
揃えられた再生層11の磁化が、磁壁の存在によっても
安定に存在し、また再生温度近傍では保磁力が急激に減
少するようにして中間層12に閉じ込められていた磁壁
が再生補助層31に広がり、最終的に再生層11を反転
させ磁壁を消滅させて記録ピット4の浮出しが良好に行
われるようにする。
【0038】そして、このように再生補助層31を有す
る4層構造を採るときは、再生層11の保磁力HC1は、
次の数5によるHCAに置き換えられ、σW2/MS11
σW2/(MS11 +MS1S 1s)に置き換えられる。
【0039】
【数5】 HCA=(MS11C1+MS1S1SC1S)/(MS11+MS1S1S) (但し上述の浮出し型MSRではHC1<HCA<HC1S) ここに、MS1S 、HC1S 、h1Sはそれぞれ再生補助層3
1の磁化、保磁力、厚さを表わす。
【0040】本発明は、この光磁気記録媒体10におい
て、その再生層11を、GdFeCoを主体とする希土
類−遷移金属磁性層により構成し、室温でMS1≦450
emu/cc,HC1≦4kOeとする。例えばGdFe
Coを主体として、これに必要に応じて信頼性を上げる
ためにCr等を、短波長レーザー光に対応するためにN
d等を添加する。そして、その厚さh1 は、再生時に充
分なカー効果が得られる程度に厚く、かつ所要の温度分
布を得るに要する再生パワーが高くなり過ぎない程度の
150Å〜1000Åに選定する。またそのキュリー温
度TC1は、再生時照射される第1及び第2の各光ビーム
LB1 及びLB2 のレーザ光による昇温によってカー回転角
θK が劣化することのない程度の、即ち機能的には20
0℃程度以上に選定する。そして、その飽和磁化M
S1は、TMリッチ(室温で)0<MS1≦450emu/
cc、REリッチで0<MS1≦350emu/ccとす
る。
【0041】記録層13は、TbFeCoを主体とする
希土類−遷移金属磁性層により構成し、HC3≧5kOe
とし、TMリッチ膜によって構成するときは、MS3≦3
00emu/ccとし、REリッチ膜によって構成する
ときは、MS3≦200emu/ccとする。そして、そ
の厚さh3 はおおよそ200Å程度以上であれば良い。
【0042】再生補助層31は、例えばTbFeCoを
主体とする磁性層によって構成し、飽和磁化MS1S は、
TMリッチ(室温で)で100emu/cc〜600e
mu/ccとする。この再生補助層31の保磁力HC1S
は7kOe以下が好ましいが、前記数5によるHCAが、
4kOe以下となるようにする。そして、キュリー温度
C15 は、60℃〜200℃程度とする。この再生補助
層31の構成材料としては、上述のTbFeCo系を主
体とするものの、これにGd,Cr,Nd,Dy,Al
を微量添加して特性の調整、特に保磁力HC1S の温度特
性の調整を行うことができる。
【0043】中間層12は、例えばGdFeCoを主体
とする磁性層によって構成し、飽和磁化MS2は、TMリ
ッチで0<MS2≦700emu/cc,REリッチで0
<M S2≦200emu/ccとする。補償温度は100
℃以下で、膜厚h2 は50Å程度以上であれば良い。
【0044】尚、本明細書における飽和磁化は、室温に
おける値とする。
【0045】本発明の再生方法における第1及び第2の
光ビームLB1 及びLB2 は、1つの光ピックアップによっ
て、或いは、それぞれ独立の光学ピックアップによって
発生させることができる。
【0046】図5及び図6は共に、1つの光学ピックア
ップによって第1及び第2の光ビームLB1 及びLB2 を光
磁気記録媒体に照射させるようにした場合である。
【0047】まず図5について説明すると、この場合、
1つの半導体チップに2つの独立駆動型のレーザ光を発
生させるようにしたモノリシック2ビームレーザダイオ
ードを光源51として用い、これよりの独立に選ばれた
パワーの直線偏光ビームLB1及びLB2 をレンズ系52、
ビームスプリッタ53、対物レンズ系54によって、光
磁気記録媒体10の光磁気記録層にフォーカシングさせ
る。
【0048】そして、この光磁気記録層からの図3及び
図4で説明した再生層11に読み出し可能状態に浮き出
した記録ピットによって周知の方法で、すなわち磁気光
学効果(カー効果)よってカー回転の生じた反射光を、
ビームスプリッタ53、λ/2板55、レンズ系56、
偏光ビームスプリッタ57を通じて例えば対のフォトダ
イオード等の検出素子581 ,582 に入力し、これを
検出し、両検出素子581 ,582 によって差動的に出
力検出を行う。
【0049】図6の例は、1つの光ビームを得るレーザ
光源51を用い、これよりの直線偏光を、回折格子59
に導入して、例えば+1次光、−1次光による2つのビ
ームLB1,LB2 を得るようにした場合で、図6において図
5と対応する部分には同一符号を付して重複説明を省略
する。
【0050】上述したように、本発明では、第1の光ビ
ームLB1 で目的とするトラック上の情報ピットを浮き出
させて後、第2の光ビームLB2 でこれを読み出すという
態様を採るので、1つの光ビームで情報ピットを浮き出
させつつ同時にこのビームで、その読み出しを行う場合
に比し、第2の光ビームLB2 による読み出し状態での記
録ピットは、形状性にすぐれ、再生信号の歪も改善され
る。
【0051】今、トラックピッチ1.6μm(ランドの
幅及びグルーブ幅が共に0.8μm)の光磁気ディスク
を用いて、ランド上に5.9MHzの単一周波数信号
(ピット長0.8μm)を記録し、これの両隣りのグル
ーブ上にそれぞれ5.7MHz、6.1MHzの信号を
記録した、つまり、このときの等価的トラック間隔は、
0.8μmで、これは従来のディスク再生の約1/2の
トラック間隔に相当するものである。このときの本発明
再生方法による場合の再生特性すなわち再生信号スペク
トラムは、図7Aとなった。これに対し、一旦記録ピッ
トを初期化磁界で潜像化して、浮き出させるという本発
明方法によることなく、記録ピットをそのまま読み出す
という通常一般の方法によるときは、図7Bで示す結果
となり、この従来方法によるときは、両隣りのトラック
から約25dBの信号のもれ込みが生じたが、本発明方
法では、そのもれ込みは観察されなかった。尚、この場
合、再生光のパワー2mWとした。
【0052】この結果はトラック間隔0.8μmが実現
できることを示し、この高いクロストーク除去率は、
0.8μm以下のトラック間隔でも再生能力があること
を示す。
【0053】図8は、2の光ビームLB1,LB2 スポットを
等しい光強度としたときの再生パワーに対するC/Nレ
ベルの測定結果を示し、同図中曲線81は、その読み出
しの目的とするトラックについてのC/N、曲線82は
その両隣りのトラックからのもれ込みを示す。
【0054】これによれば、0.8mWで再生層への転
写、すなわち読み出し可能の情報ピットの浮き出しが始
まり、2.2mWでクロストークが生じて来る。したが
って、第1の光ビームLB1 スポットパワーは、1.0〜
2.4mWであれば良いことが分り、これに伴って第2
の光ビームLB2 スポットパワーは、この範囲で、第1の
光ビームスポットパワー以下とすれば良い。
【0055】上述したように本発明では、歪の改善、再
生特性の改善から、再生装置の回路系における例えばイ
コライザの構成の簡略化がはかられる。
【0056】例えば、光磁気記録の再生回路系における
イコライザとしては、図9に示すように、パルス送出時
間間隔毎に、タップTを有する遅延線の、各タップTか
ら、それぞれ適当な重み係数W0 〜Wn を乗じた各信号
を加減算して出力信号を得るようにしたいわゆるトラン
スバーサル・フィルタ型のイコライザを用いる場合にお
いてそのタップ数の減少化をはかることができ、その設
計及び回路の簡易化をはかることができる。
【0057】尚、上述の再生は、情報ピットの浮き出し
化によってなすが、これを再び初期化磁界Hiによって
潜像ピットとし、次に、第1の光ビームLB1 で浮き出す
という作業によって繰返し再生が可能であることは云う
までもない。
【0058】次に、光磁気記録媒体10の具体例を実施
例1,2として挙げる。
【0059】実施例1 図1で説明した構成において、誘電体膜23を800Å
のSiN膜によって構成し、再生層11を、厚さh1
350ÅのGdFeCo(MS1=225emu/cc)
によって構成した。また、再生補助層31は、厚さh15
=200ÅのTbFeCo(MS1S =320emu/c
c)によって構成し、HCA=3kOeとした。中間層1
2は、厚さh2 =150Å、HC2=800(Oe)のG
dFeCo(MS2=200emu/cc)によって構成
した。記録層13は、厚さh3 =400Å、保磁力HC3
>15kOeのTbFeCo(MS3=50emu/c
c)によって構成した。このようにして5.25インチ
の光磁気ディスクを作成した。
【0060】この実施例1による光磁気ディスクにおい
て、回転速度2400rpmで、半径r=30mmにお
いての線速度VLを8m/sec、信号周波数f=10
MHz即ち、0.8μmピッチ(ピット長0.4μm)
とし、読み出しのレーザパワーPr =3.0mWとした
ときの再生層11の組成を変えて室温におけるその磁化
S に対するC/Nを測定したところ、図10に示す結
果が得られた。これによれば、TMリッチで0<MS1
450emu/cc、REリッチで0<MS1≦350e
mu/ccで40dB以上のC/Nが得られることが分
る。
【0061】図10、更に後述する図11〜図13では
REリッチの磁化を負、TMリッチの磁化を正の値で示
している。
【0062】更に、実施例1における光磁気ディスクに
おいて、再生補助層31の組成を変えて上述と同条件下
でC/Nを測定した。即ちTbFeCoのTbの含有量
を変えて室温でのその磁化MS1S に対するC/Nを測定
したところ図11に示す結果が得られた。これによれ
ば、TMリッチで100〜600emu/ccで40d
B以上のC/Nが得られることが分る。
【0063】そして、HC1S <7kOe、HCA<Hi
(〜4kOe)を満足する。
【0064】更に、実施例1における光磁気ディスクに
おいて中間層13の組成を変えて上述と同条件下でC/
Nを測定した。GdFeCoのGdの含有量を変えて室
温でのその磁化MS2に対するC/Nを測定したところ図
12に示す結果が得られた。これによれば、TMリッチ
でMS2<700emu/cc、REリッチでMS2≦20
0emu/ccで40dB以上のC/Nが得られること
が分る。
【0065】更に、実施例1における光磁気ディスクに
おいて、記録層13の組成を変えて上述と同条件下でC
/Nを測定した。即ちTbFeCoのTbの含有量を変
えて室温でのそのMS3に対するC/Nを測定したところ
図13に示す結果が得られた。これによれば、TMリッ
チで0<MS1≦450emu/cc、REリッチで0<
S1≦350emu/ccで40dB以上のC/Nが得
られることが分る。
【0066】因みに、上述のGdFeCo,TbFeC
oなどはフェリ磁性体であって、Tb,Gd等の希土類
の副格子磁化とFeCo等の遷移金属の副格子磁化は常
に逆向きである。飽和磁化MS は2種の副格子磁化の差
し引きである。
【0067】そしてこの場合に、遷移金属TMに希土類
元素REを添加していくと希土類元素の増加に伴ってM
S は小さくなり、ある添加量でTMとREの副格子磁化
同じとなりMS が0になる。
【0068】更に、それ以上にREを加えていくとRE
の副格子の磁化がTMより大きくなりまたMS は大きく
なっていく。
【0069】また、実施例1において、再生補助層31
の厚さh1Sを変えてC/Nを測定した結果を図14に示
す。これによれば、この膜厚h1sは特性に差程影響しな
いことが分る。
【0070】尚、中間層12,補助層31は上述した例
に限らず種々の希土類−遷移金属磁性層によって構成す
ることができるし、実施例1における4層構造の光磁気
記録層21に限らず再生補助層31を持たない3層構造
とすることもできる。
【0071】
【発明の効果】上述したところから明らかなように、本
発明では、読み出しを行おうとする目的のトラックに対
してのみ、第1の光ビームLB1 によって再生可能な記録
ピットを浮き出させ、これを第2の光ビームLB2 によっ
て光磁気相互作用で読み出すようにしたことによってト
ラック間のクロストークを回避できるので、トラック間
隔及びピッチを充分小さくすることができ、トラックの
高密度化、したがって記録容量を大幅に向上することが
できる。
【0072】また、上述の本発明方法及び光磁気記録媒
体は、あらゆる信号変調方式に対応できるなど、その実
用上の利益は大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による光磁気記録媒体の一例の断面図で
ある。
【図2】本発明の方法の実施態様の一例の説明図であ
る。
【図3】本発明方法の動作説明図である。
【図4】本発明方法の動作説明に供する磁化状態を示す
図である。
【図5】光ピックアップの一例の構成図である。
【図6】光ピックアップの一例の構成図である。
【図7】再生信号スペクトラムである。
【図8】再生C/N及びクロストーク特性である。
【図9】イコライザの回路図である。
【図10】本発明による光磁気記録媒体の再生層の磁化
とC/Nの関係の測定曲線図である。
【図11】本発明による光磁気記録媒体の再生補助層の
磁化とC/Nの関係の測定曲線図である。
【図12】本発明による光磁気記録媒体の中間層の磁化
とC/Nの関係の測定曲線図である。
【図13】本発明による光磁気記録媒体の記録層の磁化
とC/Nの関係の測定曲線図である。
【図14】本発明による光磁気記録媒体の再生補助層の
厚さとC/Nの関係の測定曲線図である。
【符号の説明】
11 再生層 31 再生補助層 12 中間層 13 記録層

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも再生層と、記録層と、これら
    層間に介在する中間層とを有する光磁気記録媒体に、第
    1の光ビームを上記再生層に照射することにより、該再
    生層を局部的に加熱して上記記録層に磁気的に記録され
    ている信号を上記再生層に転写し、 第2の光ビームによって上記再生層に転写された上記信
    号を読み出すことを特徴とする光磁気記録媒体の再生方
    法。
  2. 【請求項2】 第1及び第2の各光ビームがレーザ光で
    あって、上記第2の光ビームのレーザパワーは、上記第
    1の光ビームのレーザパワーと同じまたはそれ以下に選
    定されたことを特徴とする請求項1に記載の光磁気記録
    媒体の再生方法。
  3. 【請求項3】 第1及び第2の各光ビームを、共通の光
    学ピックアップまたはそれぞれ独立した光学ピックアッ
    プによって発生させるようにしたことを特徴とする請求
    項または2に記載の光磁気記録媒体の再生方法。
  4. 【請求項4】 第1及び第2の各光ビームを、モノリシ
    ック2ビームレーザダイオードを具備する1つの光学ピ
    ックアップによって発生させるようにしたことを特徴と
    する請求項1、2または3に記載の光磁気記録媒体の再
    生方法。
  5. 【請求項5】 再生層、及び記録層の各飽和磁化をそれ
    ぞれMS1,及びMS3とし、保磁力をそれぞれHC1,及び
    C3とするとき、 上記再生層は、GdFeCoを主体とする希土類−遷移
    金属磁性層より成り、MS1≦450emu/cc,HC1
    ≦4kOeとし、 上記記録層は、TbFeCoを主体とする希土類−遷移
    金属磁性層より成り、HC3≧5kOeであって、この記
    録層が遷移金属優勢膜である場合はMS3≦300emu
    /cc、希土類優勢膜である場合はMS3≦200emu
    /ccとしたことを特徴とする請求項12、3、または
    4に記載の光磁気記録媒体の再生方法に用いる光磁気記
    録媒体。
JP23225292A 1992-08-31 1992-08-31 光磁気記録媒体の再生方法とこれに用いる光磁気記録媒体 Pending JPH0676406A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6765849B2 (en) 2001-05-30 2004-07-20 Fujitsu Limited Method and apparatus for reproducing data from a recording medium using light beam with adjustable power

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