JPH0676383B2 - 抗ウイルス剤として有用なミシェルアミン、組成物および治療方法 - Google Patents

抗ウイルス剤として有用なミシェルアミン、組成物および治療方法

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JPH0676383B2
JPH0676383B2 JP4510252A JP51025292A JPH0676383B2 JP H0676383 B2 JPH0676383 B2 JP H0676383B2 JP 4510252 A JP4510252 A JP 4510252A JP 51025292 A JP51025292 A JP 51025292A JP H0676383 B2 JPH0676383 B2 JP H0676383B2
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 発明の分野 本発明は、抗ウイルス活性を呈する化合物、この化合物
を植物から単離する方法、およびこの化合物の使用法に
関する。更に具体的には、本発明は、新規化合物の単離
および同定、および同化合物を含有する組成物に関す
る。本発明の化合物は、AIDS(後天性免疫不全症候群)
の原因とされているヒト免疫不全ウイルス(HIV)の細
胞変成効果の阻害のような、優れた薬理学的、毒性学的
および抗ウイルス特性を示す。
関連技術の説明 AZTは、現在AIDSの治療に広く用いられている、唯一市
販されている既知の臨床上の薬剤である。AZTは、抗ウ
イルス療法に極めて有用ではあるが、毒性があり治療指
数が不十分で治療には適さないため、その使用は限定さ
れている。従って、HIVに対し効果的な抗ウイルス治療
を行うため、単独使用またはAZTおよび他の薬剤と併用
する新規な種類の抗ウイルス剤が緊急に必要とされてい
る。HIV−1並びにHIV−2に抗ウイルス活性を示す新規
な薬剤を得ることも非常に重要である。
発明の概要 本発明は、実質的に純粋な形態の、下記の式: を有する化合物(以下、「ミシェルアミン」とよぶこと
がある)または薬理学上許容されるその塩、もしくは、
第1図に記載したミシェルアミンA、BまたはCの式を
有する実質的に純粋な形態の化合物または薬理学上許容
されるその塩に関する。
また、本発明は、下記の式: を有するミシェルアミンの誘導体に関し、さらにとりわ
け次の式を有する化合物またはその薬理学上許容される
塩に関する。
または [式中、 R1およびR6は同一であるかまたは異なるものであり、そ
れぞれH、C1〜C6アルキル、R11CO−またはR11SO2
(ここで、R11はC1〜C6アルキルまたはアリール)であ
り、 R2、R3、R4、R7、R8およびR9は、同一であるかまたは異
なるものであり、それぞれH、C1〜C6アルキル、R11CO
−またはR11SO2−(ここで、R11は前記に定義した通り
である)であり、 R5およびR10同一であるかまたは異なるものであり、そ
れぞれH、C1〜C6アルキル、 (ここで、R12はC1〜C6アルキル、R13CO−またはR13SO2
−であり、R13はC1〜C6アルキルまたはアリール)であ
り、 R14、R15、R16およびR17は同一であるかまたは異なるも
のであり、それぞれCH3またはCH3を表し、 1′、3′、7′、4および7位、1″、3″、7″、
4および7位の環上のHはハロゲン、ニトロ、アミ
ノ、ヒドロキシル、チオールまたはシアノ基で置換する
ことができる] 本発明は、Ancistrocladusから第1図のミシェルアミン
を単離する方法にも関し、その方法は (a)乾燥した植物材料を有機溶媒で抽出して粗製抽出
物を得、 (b)前記の粗製抽出物を酸−塩基に分配して粗製有機
塩基画分を得、 (c)前記の粗製有機塩基画分を遠心分配クロマトグラ
フィに付し、 (d)アミノ結合相HPLCカラムで前記のミシェルアミン
を単離する工程を含んでなるもの、である。
本発明のもう一つの態様は、ミシェルアミンAまたはB
のいずれかをミシェルアミンA、BおよびCの混合物へ
相互変換する方法であって、 (a)ミシェルアミンAまたはBのいずれかを有機溶媒
に溶解し、 (b)前記のミシェルアミンAまたはBを塩基と反応さ
せる、 ことから成る方法に関する。
本発明のもう一つの態様は、抗ウイルス組成物であっ
て、少なくとも1種類のミシェルアミンA、BまたはC
の有効量と、薬理的に許容し得る担体とを含んで成る、
組成物に関する。
本発明のもう一つの態様は、前記ミシェルアミン誘導体
の少なくとも1種類の化合物の抗ウイルス剤としての有
効量と、薬理的に許容し得る担体とを含んで成る、抗ウ
イルス組成物に関する。
抗ウイルス性組成物のいずれも、AZTおよび/または他
の既知の抗ウイルス剤を抗ウイルス剤としての有効量含
有することができる。
本発明は、ウイルス感染症の治療法であって、治療を必
要とする患者にミシェルアミンA、BまたはCの少なく
とも1種類の化合物の抗ウイルス剤としての有効量を投
与することを含んでなる治療法、およびウイルス感染症
の治療法であって、治療を必要とする患者にミシェルア
ミンA、BまたはC誘導体の少なくとも1種類の抗ウイ
ルス剤としての有効量を投与することを含んでなる治療
法にも関する。
本発明の方法は、また、AZTおよび/または他の既知の
抗ウイルス剤の抗ウイルス剤としての有効量を、ミシェ
ルアミンA、BまたはCの少なくとも1種類と同時投与
することを含んでなるものである。
本明細書に記載の化合物は、これまで文献に報告がな
く、また如何なる起源からのこの化合物の単離法も記載
されていない。またこの化合物に関する如何なる抗ウイ
ルス活性または他の生物活性についても報告はなく、こ
の化合物の調製法および医薬としての使用についても全
く報告されていない。
本発明の応用可能な範囲は、下記の詳細な説明および図
面から明らかになるであろう。しかしながら、本発明の
詳細な説明および具体例は、本発明の好ましい態様を示
しているのみであり、本発明の精神および範囲内の様々
な変更および修正はこの詳細な説明から当業者に明らか
になることから、これらは単なる例示として挙げられる
ものであることを理解すべきである。
図面の簡単な説明 本発明を、添付の図面で更に例示する。
第1図は、ミシェルアミンA、BおよびCの構造を示
す。環の位置番号はミシェルアミンAのみに示している
が、ミシェルアミンBおよびCについても同じである。
第2図A〜Dは、ミシェルアミンA(遊離塩基)の抗HI
V−1活性を示している。第2A図、第2B図および第2C図
は、未感染のCEM−SS細胞(○)およびHIV−1に感染し
たCEM−SS細胞(●)を6日間培養した後に測定したミ
シェルアミンAの濃度の効果を示し、第2A図はBCECF分
析法によって評価した生育可能なCEM−SS細胞の相対数
を表わし、第2B図はそれぞれの培養物の相対的なDNA含
量を表わし、第2C図はXTT分析法によって評価した生育
可能なCEM−SS細胞の相対数を表わす。第2D図は、感染
性ウイルスまたはウイルス複製の指数に対するミシェル
アミンAの濃度の効果を示し、ここでの表示はウイルス
逆転写酵素活性(▲)、ウイルスコアータンパク質p24
の生産(◆)およびシンシチウム形成単位(■)であ
る。第2A図、第2B図および第2C図において、データーの
点は未感染の、薬剤で処理していない対照値の百分率と
して表わされる。第2D図では、データーの点は感染させ
た、薬剤で処理していない対照値の百分率として表わさ
れる。
第3A〜D図は、ミシェルアミンA(HBr塩)の抗HIV−1
活性を示す。第3A図、第3B図および第3C図は、未感染の
CEM−SS細胞(○)およびHIV−1に感染したCEM−SS細
胞(●)を6日間培養した後に測定したミシェルアミン
Aの濃度の効果を示し、第3A図はBCECF分析法によって
評価した生育可能なCEM−SS細胞の相対数を表わし、第3
B図はそれぞれの培養物の相対的なDNA含量を表わし、第
3C図はXTT分析法によって評価した生育可能なCEM−SS細
胞の相対数を表わす。第3D図は、感染性ウイルスまたは
ウイルス複製の指数に対するミッチェルアミンA(HBr
塩)の濃度の範囲の効果を示し、ここでの表示はウイル
ス逆転写酵素活性(▲)、ウイルスコアータンパク質p2
4の生産(◆)およびシンシチウム形成単位(■)であ
る。第3A図、第3B図および第3C図において、データーの
点は未感染の、薬剤で処理していない対照値の百分率と
して表わされる。第3D図では、データーの点は感染させ
た、薬剤の処理していない対照値の百分率として表わさ
れる。
第4A〜D図は、ミシェルアミンB(遊離塩基)の抗HIV
−1活性を示す。第4A図、第4B図および第4C図は、未感
染のCEM−SS細胞(○)およびHIV−1に感染したCEM−S
S細胞(●)を6日間培養した後に測定したミシェルア
ミンBの濃度の効果を示し、第4A図はBCECF分析法によ
って評価した生育可能なCEM−SS細胞の相対数を表わ
し、第4B図はそれぞれの培養物の相対的なDNA含量を表
わし、第4C図はXTT分析法によって評価した生育可能なC
EM−SS細胞の相対数を表わす。第4D図は、感染性ウイル
スまたはウイルス複製の指数に対するミシェルアミンA
(HBr塩)の濃度の効果を示し、ここでの表示はウイル
ス逆転写酵素活性(▲)、ウイルスコアータンパク質p2
4の生産(◆)およびシンシチウム形成単位(■)であ
る。第4A図、第4B図および第4C図において、データーの
点は未感染の、薬剤で処理していない対照値の百分率と
して表わされる。第4D図では、データーの点は感染させ
た、薬剤で処理していない対照値の百分率として表わさ
れる。
第5A〜D図は、ミシェルアミンB(HBr塩)の抗HIV−1
活性を示す。第5A図、第5B図および第5C図は、未感染の
CEM−SS細胞(○)およびHIV−1に感染したCEM−SS細
胞(●)を6日間培養した後に測定したミシェルアミン
Aの濃度の効果を示し、第5A図はBCECF分析法によって
評価した生育可能なCEM−SS細胞の相対数を表わし、第5
B図はそれぞれの培養物の相対的なDNA含量を表わし、第
5C図はXTT分析法によって評価した生育可能なCEM−SS細
胞の相対数を表わす。第5D図は、感染性ウイルスまたは
ウイルス複製の指数に対するミシェルアミンB(HBr
塩)の濃度の効果を示し、ここでの表示はウイルス逆転
写酵素活性(▲)、ウイルスコアータンパク質p24の生
産(◆)およびシンシチウム形成単位(■)である。第
5A図、第5B図および第5C図において、データーの点は未
感染の、薬剤で処理していない対照値の百分率として表
わされる。第5D図では、データーの点は感染させた、薬
剤で処理していない対照値の百分率として表わされる。
第6A図および第6B図は、ミシェルアミンA(遊離塩基お
よびHBr塩)の抗HIV−2活性を示す。第6A図は、未感染
のMT−2細胞(○)およびHIV−1に感染したMT−2細
胞(●)を6日間培養した後にXTT分析方法を用いて測
定したミシェルアミンA(遊離塩基)の濃度の効果を示
す。白ヌキの棒グラフは、対応する上澄液の逆転写酵素
活性を示す。第6B図は、未感染のMT−2細胞(○)およ
びHIV−1に感染したMT−2細胞(●)を6日間培養し
た後にXTT分析方法を用いて測定したミシェルアミンA
(HBr塩)の濃度の効果を示す。白ヌキの棒グラフは、
対応する逆転写酵素活性を示す。これらのグラフにおい
て、総てのデーター点はそれぞれの対照物の百分率とし
てグラフに表わしている。
第7A図および第7B図は、ミシェルアミンB(遊離塩基お
よびHBr塩)の抗HIV−2活性を示す。第7A図は、未感染
のMT−2細胞(○)およびHIV−1に感染したMT−2細
胞(●)を6日間培養した後にXTT分析方法を用いて測
定したミシェルアミンB(遊離塩基)の濃度の所定範囲
の効果を示す。白ヌキの棒グラフは、対応する上澄液の
逆転写酵素活性を示す。第7B図は、未感染のMT−2細胞
(○)およびHIV−1に感染したMT−2細胞(●)を6
日間培養した後にXTT分析方法を用いて測定したミシェ
ルアミンB(HBr塩)の濃度の所定範囲の効果を示す。
白ヌキの棒グラフは、対応する上澄液の逆転写酵素活性
を示す。これらのグラフにおいて、総てのデーター点は
それぞれの対照物の百分率としてグラフに表わしてい
る。
好ましい態様の詳細な説明 薬学上許容可能な塩の例には、HBr、HCl、シュウ酸、ク
エン酸、酒石酸塩などがある。
C1〜C6アルキルとは、直鎖または分岐鎖状のC1〜C6アル
キル基を意味する。例としては、メチル、エチル、n−
プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、iso−ブチル、
第二−ブチル、第三−ブチル、n−ペンチル、iso−ペ
ンチルおよびn−ヘキシルが挙げられるが、これらに限
定されない。
アリールとは、芳香族炭化水素から誘導される有機残基
を意味する。アリール基の例は、フェニルである。
脂肪族とは、開いた炭化水素鎖から誘導される有機残基
を意味する。脂肪族基の例には、アルカン、アルケンお
よびアルキンがある。本発明に用いることができる脂肪
族基の具体例には、直鎖または分岐鎖状のC1〜C6アルキ
ルが挙げられるが、これに限定されない。
治療を行うことができるウイルス感染症の例には、C型
およびD型レトロウイルス、HTLV−1、HTLV−2、HIV
−1、HIV−2、ネコ白血病ウイルス、サル免疫不全症
ウイルス、ネズミ白血病ウイルス、ウシ白血病ウイル
ス、ウマ感染症、貧血ウイルス、ラウス肉腫ウイルスな
どのようなトリ肉腫ウイルス、A型、B型、非A/非B型
肝炎、1および2型ヘルペスウイルス、サイトメガロウ
イルス、インフルエンザウイルス、アルボウイルス、水
痘ウイルス、麻疹、流行性耳下腺炎および風疹ウイルス
が挙げられるが、これらに限定されない。
抽出物を得たのは、Ancistrocladaceae科の植物の約20
種のうちの一つである。この植物の詳細な説明は、「顕
花植物およびシダ類の辞典」(Willis,J.C.:Shaw,A.K.
(監修)、Cambridge University Press、ケンブリッ
ジ、英国、1973年、61頁)に見出だすことができる。こ
の属の植物は、主としてアジア、マレイシアおよび西ア
フリカに見られる。本研究の植物材料は、ミズーリ州植
物園(Missouri Botanical Garden)がカメルーン、南
西部(Southwest Province)、Korup National Parkで1
987年3月25日に収集した。この植物は、南緯5.03゜東
経8.83゜の地点の海抜60mで採取した。
Ancistrocladus属の植物の抽出物からのミシェルアミン
の単離 様々な方法を用いてミシェルアミンを単離することがで
きる。これらの方法の中には、抽出、溶媒−溶媒分配、
遠心分配クロマトグラフィ、ゲル浸透クロマトグラフィ
および各種の結合相を有するHPLCがある。これらの化合
物の単離は、UV、TLCおよび抗HIVバイオアッセイによっ
て観察することができる。
Ancistrocladusからのミシェルアミンの全般的単離手法 この手法は、葉、幹および小枝から成る風乾した植物材
料約1/2kgの開始量を収容する規模のものである。植物
材料をまず粉砕し、1:1のMeOH:CH2Cl2で抽出した後、メ
タノールで二回目の抽出を行う。これらの最初の有機抽
出物は、典型的には全体として元の粗製抽出物の質量の
約8〜10%になる。次いで、この二回目の抽出物を5%
水性HClに溶解し、CHCl3で抽出する。次いで、水性層を
濃HN4OHで塩基性にしてpH10〜11とした後、4:1CHCl3:Me
OHで抽出し、次に1:1MeOH:CHCl3で抽出して、溶媒を除
去した後に塩基性抽出物を総量で約0.5〜1.0g得る。次
に、この抽出物を5:5:3(CHCl3:MeOH:0.5%水性HBr)の
二相性溶媒系の下相に溶解し、下降方式で操作するSank
i CPC上に置く。流出液を、270nmで監視する。降下方
式で出てくる最後のピークには、ミシェルアミンAおよ
びBと微量のCのHBr塩が含まれている。溶媒を除去し
たところ、この混合物は、典型的には全量で約200〜300
mgである。この混合物を、アミノ結合相HPLCにより(4
3:7)[CHCl3:MeOH0.075%(NH42CO3]を溶媒として
用いて更に分離する。この一般的処理法を用いると、粗
製の有機抽出物からのミシェルアミンの全収率は、ミシ
ェルアミンAについては約0.5〜2%であり、ミシェル
アミンBについては2〜10%である。ミシェルアミンC
は、同様の処理法によって微量に単離される。
実施例1 乾燥したAncistrocladus(449g)をWileyミルで粉砕
し、Kimaxパーコレーター中で1:1MeOH−CH2Cl2で抽出し
た。粉砕した材料を、この溶媒に一晩浸漬した。溶媒を
濾去して、減圧で蒸発させたところ、粗製有機抽出物3
6.62gを得た。
この抽出物の一部(2.107g)を5%水性HCl330mlに懸濁
/溶解し、CHCl3100mlずつで4回抽出した。抽出物を纏
めて、溶媒を減圧で除去したところ、抽出物0.657gを得
た。一次抗HIVアッセイをWeislow,0.ら、J.Natl.Cancer
Inst.,81,557-586,1989に記載の処理法にしたがって行
ったところ、この物質は不活性であった。
残っている水性層を濃NH4OHで処理し、溶液のpHを10と1
1の間にした。塩基性の水性相を、4:1のCHCl3:MeOH100m
lずつで5回抽出した。この抽出物を纏めて、溶媒を減
圧で除去したところ、抽出物0.3195gを得た。抗HIVアッ
セイを、前記のWcislowらの文献に記載の処理法にした
がって行ったところ、この物質は活性であった。
残っている水性層を更に1:1MeOH:CHCl3100mlずつで3回
抽出した。抽出物を纏めて、溶媒を減圧で除去したとこ
ろ、抽出物0.2534gを得て、これを同じアッセイ(Weisl
ow、同上)にしたがって試験したところ、この物質は活
性であった。
これらの2種類の抽出物のNMRおよびTLC分析を行ったと
ころ、いずれの試料も同じ化合物を含んでいた。4:1CHC
l3:MeOH処理から得た抽出物の一部(264.1mg)を、MeOH
−CHCl3−0.5%水性HBrの二相系の下相の少量に溶解し
た。この試料を、下降方式で操作する12本の分析用カー
トリッジを有するSanki遠心分配クロマトグラフィ装置
(CPC)(400rpm、3.0ml/分)に注入した。流出液を、L
inear UV/Vis 200モニターを用いて270nmで監視した。
装置を下降方式で操作しながら、8個の画分を収集し
(A〜H)、装置の操作を逆転して上昇方式にしたとき
に、9個目の画分を集めた。画分A、C、EおよびF
は、前記の抗HIVアッセイでは不活性であった。画分B
(14.4mg)、D(9.0mg)およびI(31.8mg)は、前記
の抗HIVアッセイでは比較的小さな活性を示した。抗HIV
活性の大部分は、画分G(72.7mg)およびH(45.4mg)
に見られた。
画分H(45.4mg)をCHCl3−MeOH(43:7)に溶解して、R
ainin Dynamax NH2カラム(21.4mm×250mm、ガードカラ
ムを装備)を用いたWaters Delta Prep HPLCに注入し
た。試料をCHCl3−MeOH/0.075%(NH42CO3(43:7)で
13ml/分の流速で溶出し、260nmで監視した。6個の画分
を収集し、HIV抑制活性を試験した。画分1(保持時間
=10分、1.1mg)、2(保持時間=19分、4.3mg)、4
(保持時間=26分、4.6mg)および画分5(保持時間=3
1.5分、1.0mg)は、不活性であることが判った。画分3
はミシェルアミンA(保持時間=22分、10mg)であり、
画分6はミシェルアミンB(保持時間=36分、14.4mg)
であった。これらの化学的および分光特性を下記に示
す。
画分Gを溶媒1.5mlに溶解し、500μlずつ3回注入して
カラム上に置いた。この試料からミシェルアミンA5.0mg
およびミシェルアミンB39.5mgを得た。不活性な未同定
化合物3.0mgも集めた。
前記のMeOH−CHCl3(1:1)から単離した試料(251mg)
を、4:1抽出物と同様の条件下でSanki CPC上に置いた。
この場合に、装置を下降方式(A〜G)で操作しなが
ら、7個の画分を集め、1画分を上昇方式中に収集した
(H)。
画分A、B、C、DおよびHは抗HIVアッセイでは不活
性であったが、E、FおよびGは総て活性であった。前
記と同一条件下での画分Eの調製用HPLCでは、ミシェル
アミンA0.8mg、ミシェルアミンB44.5mgおよび不活性テ
トラヒドロイソキノリン化合物6.3mgが得られた。画分
F(18.8mg)では、ミシェルアミンA2.8mgおよびミシェ
ルアミンB8.1mgと共に2種類の少量の不活性化合物(<
2mg)が得られた。画分G(18.2mg)では、ミシェルア
ミンA10.1mgと未知の不活性物質2.1mgが得られた。第三
の少量化合物であるミシェルアミンCは、ミシェルアミ
ンBのクロマトグラフィピーク上の肩として一度単離さ
れた。それは、それ以後の更に迅速に処理された材料で
は、見られなかった。
出発材料である組成の抽出物からの活性な画分の総括的
収率は、ミシェルアミンA1.4%およびミシェルアミンB
5.0%であった。
ミシェルアミンA、BおよびCの化学構造 前記のWeislow,0.らの文献に記載の方法によるイン・ビ
トロでの抗HIVスクリーニングアッセイには、最初にAnc
istrocladusのCH3OH−CH2Cl2(1:1)抽出物中のAIDS−
抗ウイルス活性が開示されていた。予備分画により、活
性成分は塩基性アルカロイドであることが判った。酸−
塩基分配によって得られた粗製のアルカロイド画分を、
遠心分配クロマトグラフィ(CHCl3−CH2OH−0.5%HBr/H
2O,5:5:3)に付し、下相の溶出により、4個の画分を得
た。画分4は、アミノ結合相半調製用カラム上でHPLC
[CHCl3−0.075%(NH42CO3/CH3OH)、43:7]を行っ
たところ、ミシェルアミンAおよびBと名付けられた、
アトロープ異性体として関連づけられる2種類の活性化
合物を生じた。
プラズマ・デソープション質量スペクトル分析法(252C
f PDMS)により質量スペクトル分析を行ったところ、
これらの2種類の化合物は分子量が同じであった(m/z7
56)。分子式は、精密質量、迅速原子衝撃質量スペクト
ル分析法によってC46H48N2O8となった。
Ancistrocladaceae科は、ナフタレン−テトラヒドロイ
ソキノリンアカロイドの資源として周知である[Bringm
ann,G.:The Naphtyl Isoquinoline Alkaloids,in The A
lkaloids、29巻、A.Brossi監修、Academic Press、ニュ
ーヨーク、1986年、141〜184頁;Ruangrungsi N.ら、J.N
at.Prod.,48,529-534,1989および前記文献に引用されて
いる文献]。単離した化合物の質量スペクトルデーター
および複雑なNMRスペクトルは、これらの抗ウイルス性
化合物が既知のAncistrocladaceaeアルカロイドに対し
て二量体性であることを示していた。
ミシェルアミンAのNMRデーターを、第1表に示す。
ミシェルアミンAについての他のスペクトルデーターお
よび他の特性は、下記の通りである。
融点=220℃(分解);[α]=−10.5゜、 [α]365=+65.7゜(c=0.38,MeOH):FAB−MS:m/z75
7.342(MH+,C46H49N2O8に対する計算値757.3487);λm
ax(MeOH)230nm(log e=4.4),262(4.1),287(3.
8),312(3.8),331(3.8),344(3.8);νmax(ニー
ト)3380,1617,1584cm-1
ミシェルアミンBについてのNMRデーターを、第2表に
示す。
ミシェルアミンBについての他のスペクトルデーターお
よび他の特性は、下記の通りである。融点=230℃(分
解);[α]=−14.8゜、[α]365=−23.4゜(c
=0.74,MeOH):FAB−MS:m/z757.350(MH+,C46H49N2O8
対する計算値757.3487);UVおよびIRは、ミシェルアミ
ンAについて記録した値と同じであった。
ミシェルアミンAの13C−NMRスペクトルにおいて、共鳴
が23個しかないことは、2個のナフタレン−イソキノリ
ン成分が等価であることを示していた。テトラヒドロイ
ソキノリンサブユニットの構造および相対的立体化学
は、1H−1Hカップリング定数分析および示差nOe分析か
ら容易に認めることができた。H−3プロトンは、分析
の要として働いた(環の番号付けの図式は、前記のBrin
gmannの文献と同じ図式で行った)。環上の疑似軸方向
位置は、H−4プロトンに対するカップリングから明ら
かであり(11.8,4.3Hz)、C−1に結合したメチル基に
対するnOe応答が中程度ないし強いことから2個の間に
1,3−二軸性の関係が成り立つことから、C−1および
C−3に結合したメチル基の間にトランスの関係が成立
した。ナフタレン系の1個の環の組成は、介在メチル基
および側鎖のメトキシルを用いて、HMQC、HMBC及びメタ
位のプロトンの対としての示差nOe実験によって確立し
た。残りの環は、プロトンが1個だけと、1個のヒドロ
キシル基であり、2個の他のアリール系に連結してい
る。HMBC及びHMQCデーターは、プロトンとヒドロキシル
置換基の1,3関係を示していた。その環の完全な置換お
よびナフタレン/テトラヒドロイソキノリンの接続の相
対的立体化学および立体配座は、示差nOeデーターから
確定した。テトラヒドロイソキノリン系のベンジル性メ
チレンプロトン(C−4)はそれぞれ、異なるナフタレ
ンプロトンに対してnOe関係を示した。H−7′に対す
るH−4eおよびH−1′に対するH−4a。したがって、
テトラヒドロイソキノリンは、C−5からC−8′への
結合によってナフタレンに連結していた。それ故、ナフ
タレンは、C−6′で接続していなければならなかっ
た。
対照的に、ミシェルアミンBの13C−NMRスペクトルは46
個のシグナルを有していた。同系列のNMR実験では、ミ
シェルアミンAで見られたのと同じ大かまな構造が得ら
れた。これら2種類の化合物の間の相違は、環の接続の
相対的な立体配置であった。ミシェルアミンBでは、C
−4のメチレンプロトンは、4本の別個な共鳴として現
れ、それぞれ、照射時に芳香族プロトンシグナルのnOe
が増大した。一方の組みでは、この関係は1と同じであ
り、H−4eとH−7′およびH−4aとH−1′であっ
た。この関係は分子の他の半分では逆になり、H−4eと
H−1′およびH−4aとH−7′となった。前記と同様
に、テトラヒドロイソキノリン系のプロトンの割り当て
は、カップリグ定数とnOeから明確に行った。
ミシェルアミンC(第1図)という慣用名を与えている
第三のアトロープ異性体も、微量であるが見られた。ミ
シェルアミンCについてのNMRデーターを、第3図に示
す。
NMRデーターはd4−メタノール中で測定した。1Hの化学
シフトは、遊離塩基について測定した。
ミシェルアミンCは、分子の両方の部位のC−5/C−
8′結合に関してミシェルアミンAとは逆の配置である
と思われた。可変温度NMR実験では、自発的な相互転換
の証拠を示すことができなかった。
分子モデルでの計算から、ミシェルアミンのC−5/C−
8′結合の回りの回転の障害は81KJ/モルとなったが、
これとは対照的に、C−6′/C−6′結合の回りの回転
の障害の計算値(51KJ/モル)は、この障害を通過して
回転させることができる利用可能な熱エネルギーの範囲
内にあった[Still,W.C.、Macromodel,V2.5,化学科、コ
ロンビア大学、ニューヨーク]。
ミシェルアミンは、幾つかの点で独特な分子である。こ
れらの化合物は、発見されているこの種類の内で最初の
二重体性アルカロイドである。既知の「単量体性」アル
カロイドには、2個の環系の間のC−5/C−8′結合が
ない。更に、それらはこの種類の化合物の中で最も極性
が高い化合物であり、既知の化合物のいずれよりも単量
体性単位当たりの遊離フェノールの含量が高い。第1図
に示されている提案の絶対立体化学は、先行文献に基づ
いている[Bringmann,G.,同上文献]。
実施例2 ミシェルアミンのHBr塩の調製 ミシェルアミンBをMeOHに溶解したものを、9MHBr(2.2
モル等量)を滴下して処理した。添加を終えた後、溶媒
を蒸発させたところ、HBr塩を得た。ミシェルアミンの
他の塩も、同様にして調製した。
実施例3 ミシェルアミンの相互転換の方法 ミシェルアミンAの溶液(1mlMeOH−d4中1mg)に、0.5M
NaOD/D2Oを0.5ml加えた。1H−NMR分析の結果、ミシェ
ルアミンAは、7日間でミシェルアミンA、BおよびC
の混合物(約3:3:1)に徐々に転換した。同様に、ミッ
シェルアミンBを同一条件下で同じ混合物に転換した。
HPLC分析により、これらの結果を確認した。
実施例4 ミシェルアミン誘導体の調製 標準的な有機化学的方法を用いて、抗ウイルス活性を発
現するミシェルアミンの誘導体を調製する目的で多数の
ミシェルアミンの構造上の修飾物を作成することができ
る。特定の反応物の化学量論的量によっては、ミシェル
アミンはそれぞれの位置の一つ、幾つかまたは総ての位
置で置換することができる。例えば、ミシェルアミン
A、BまたはCの一つを所定量のCH3COClと反応させる
と、アセテートはR2、R3、R4、R7、R8およびR9の一つ、
幾つかまたは総ての位置で置換することができる。同様
に、ミシェルアミンA、BまたはCの一つを所定量のベ
ンゼンスルホニルクロリドと反応させると、R1およびR6
の一方または両方がベンゼンスルホニル誘導体を形成す
ることができる。
これらの例には、下記のものが挙げられるが、それらに
限定されるものではない。
1. ミシェルアミンにおける6個のフェノール性ヒドロ
キシル位の1個以上でのエステル、スルホネートエステ
ルおよびエーテル誘導体の調製。
エステルまたはスルホネートエステルを調製するには、
ミシェルアミンAまたはBを、無水ピリジンまたはトリ
エチルアミン中で酸ハロゲン化物(RCOXまたはRSO2X、
但し、X=Cl、BrまたはIであり、RはC1〜C6脂肪族ま
たは芳香族基である)と反応させる。
あるいは、ミシェルアミンAまたはBを、トリエチルア
ミン中で酸(RCO2HまたはRSO3H、但し、Rは脂肪族また
は芳香族基である)およびジシクロヘキシルカルボジイ
ミドと反応させて、エステルまたはスルホネートエステ
ルを調製する。
エーテルを調製するには、ミシェルアミンAまたはBを
無水炭酸カリウムを含む無水アセトン中でハロゲン化ア
ルキル(RX、但し、X=Cl、BrまたはIであり、RはC1
〜C6脂肪族または芳香族基である)と反応させる。
例としては、 2. C−4′のメチルエーテル基の除去によるフェノー
ル性ヒドロキシル官能基の提供および/またはその残基
のエステル、スルホネートまたは他のエーテルへの転換 メチルエーテルを開裂してフェノール性ヒドロキシルへ
転換するため、ミシェルアミンAまたはBをCH2Cl2中で
BBr3またはBX3・(CH32S(但し、X=F、ClまたはBr
である)と反応させる。生成するフェノールは、前記と
同様の方法(1に記載の方法)でエステル、スルホネー
トエステルまたはエーテルに転換することができる。
例えば、 3. ミシェルアミンの一方または両方のアミン部位にお
けるアミドまたはスルホンアミド誘導体の調製 アミドまたはスルホンアミド誘導体を調製するため、前
記と同じ処理法(1に記載の方法)を適用する。いずれ
の場合(1または3)にも、適当な官能基保護法(選択
された基の保護/脱保護)を適用する。
例えば、 4. 第二アミン官能基の第三アミンまたはテトラアルキ
ル第四アンモニウム塩への転換 第三アミンまたはテトラアルキルアンモニウム塩を調製
するため、ミシェルアミンAまたはBを無水の非プロト
ン性溶媒中でハロゲン化アルキル(RX、但し、X=Cl、
BrまたはIであり、RはC1〜C6脂肪族基である)1また
は2当量と反応させる。
あるいは、ミシェルアミンAまたはBをアルデヒドと反
応させ、得られる生成物をNaBH4で還元する。
例えば、 5. アリール系上の1個以上の水素置換基(C−7,C−
1′,C−3′,C−7′)のハロゲン、ニトロ、アミノ、
ヒドロキシル、チオールまたはシアノ基の置換 臭素置換した誘導体を調製するため、ミシェルアミンま
たはBをH2O中でBr2と反応させる。ミシェルアミンAま
たはBをHNO3/HOAcで処理して、ニトロ置換した(−N
O2)誘導体で処理する。次に、このニトロ誘導体を還元
して、アミノ誘導体にすることができる。このアミノ誘
導体は、周知で且つ実施させているジアゾニウム置換反
応を介するクロロ、ヨード、シアノ、チオールおよびヒ
ドロキシル置換の出発物質である。
例えば、 実施例5 ミシェルアミンの抗ウイルス活性 96穴のマイクロタイタープレートの個々のウェルについ
ての一連の相関した分析法を行い、抗ウイルス活性を明
らかにした。Weinslow,0.ら、J.Natl.Cancer Inst.,81:
577-586,1989に記載の処理法を採用し、並びにRink,T.
J.ら、J.Cell Biol.,95:189-196,1982に記載のフルオレ
セインプローブである2′,7′−ビスカルボキシエチル
−5(6)−カルボキシフルオレセインアセトキシメチ
ルエステル(BCECF)を用いる方法を採用することによ
って、未感染およびウイルス感染細胞中での化合物の存
在下および非存在下における細胞生存度の測定を行った
ところ、下記の通りであった。BCECFは、非螢光性分子
であって、容易に生長力のある細胞に入り、そこで細胞
性エステラーゼによって加水分解されて螢光性分子とな
る。総細胞DNA含量は染料2−ジアミジノ−フェニルイ
ンドール(DAPI)で測定したが、この染料はMcCaffrey,
T.A.ら、In Vitro Cell.Develop.Biol.,24:247-252,198
8に記載の処理法にしたがってクロマチンのA−T特異
的部位に挿入されると螢光を発する。これらの染料は、
粒子濃度螢光イムノアッセイ法(PCFIA)、具体的にはB
axter Healthcare Copporation(マンデライン、イリノ
イ州)から発売されているScreen Machine(商品名)と
組合せて用いられる。このScreen Machineは、試薬およ
び/または緩衝液をフィルターを底部に備えた96穴プレ
ートに添加した後、流体を吸引してセルロースアセテー
トフィルター上に螢光染色した細胞を濃縮することがで
きる半自動螢光プレートリーダーである。螢光はエピ螢
光(epifluorcscence)によって検出する。
前記の分析と同時に、p24抗原生産、逆転写酵素および
感染性ビリオンの合成の確認分析を行った。我々の処理
法および結果についてのこれらおよび他の詳細につい
て、下記に更に詳細に説明する。
細胞およびウイルス 抗ウイルス性分析に用いたヒトリ
ンパ球標的細胞ライン、CEM−SSおよびTM−2を、フェ
ノールレッドなしの、5%ウシ胎児血清(FBS)(Gibc
o)、2mM L−グルタミン及び50μg/mlのゲンタマイシ
ン(Gibco)を補足したRPMI1640培地(Gibco、Grand Is
land、ニューヨーク)(完全培地)中に保持した。対数
増殖しているCEM−SSおよびMT−2細胞を、完全培地中
にペレット状にし、完全培地に2.0×105個/mlの濃度に
再懸濁した。HIV−1の検討には、HIVのHaitian変種HTL
V−IIIRV(3.54×106シンチウム形成単位/ml)を用い
た。HIV−2の検討には、NIH−DZ株(2.8×105シンチウ
ム形成単位/ml)を用いた。凍結したウイルス保存溶液
を使用直前に融解し、完全培地に再懸濁して1.2×105SF
U/mlとした。
試薬 テトラゾリウム試薬XTTを、National Cancer Ibs
titute、Division of Cancer Treatment、Developmenta
l Therapeutics Program、the Drug synthesis and Che
mistry Branchより入手した。ビスカルボキシエチル−
5(6)−カルボキシ−フルオレセインアセトキシメチ
ルエステル(BCECF)は、Molecular Probe Inc.(Eugen
e、オレゴン州)から購入し、使用直前にDMSO中に溶解
した(1mg/ml)。2μg/mlの使用溶液を、Dulbecco'sリ
ン酸緩衝食塩液(PBS)(Gibco)で調製した。4′,6−
ジアミジノ−2−フェニルインドール(DAPI)はSigma
Chemical Co.(セント・ルイス、ミズーリー州)から購
入した。DAPIの保存溶液は、蒸溜水中で超音波処理によ
り100μg/mlで調製し、0.45μmフィルターを通過さ
せ、−20℃で保存した。DAPIの使用溶液は、0.5%nonid
entP−40(NP−40)(Sigma)を含むPBS中で10μg/mlに
調製した。XTTは、無血清RPMI1640中で1mg/mlの濃度に
調製した。フェナジンメトスルフェート(PMS)(Sigm
a)は、PBS中で0.153mg/mlに調製し、−20℃で保存し
た。使用直前に、XTTを37℃で溶解し、PMSを加えて、20
μMの最終濃度とした。
具体的な抗−HIV評価のためのプロトコール 抗−HIV評
価のための純粋な化合物の適量を100%ジメチルスルホ
キシド(DMSO)に溶解した後、完全培地で希釈して、所
望な初期濃度(および最終DMSO含量が1%を超過しない
ように)とした。次いで、ミシェルアミンA、Bおよび
Cの総ての連続希釈、試薬添加及びプレート間の移動
を、自動Biomek 1000 Workstation(Beckman Instrumen
ts、Palo Alto、カリフォルニア州)を用いて行った。
それぞれの化合物を最初に完全培地で希釈し、96ウェル
のマイクロタイタープレート(希釈プレート)の単一カ
ラムに加えた。Biomekを用いてそれぞれの薬剤を8連続
希釈し、それぞれの希釈物100μlずつ試験プレートに
移した。未感染CEM−SSまたはMT−2細胞を、完全培地5
0μl中1×104個の密度で培養した。次いで、希釈した
HIV−1またはHIV−2ウイルスを、50μlの容量の適当
なウェルに加え、0.6の感染の多重度とした。適当な細
胞、ウイルスおよび薬剤コントロールを用いて、それぞ
れのウェルにおける最終容積を200μlとなるようにし
た。未感染の未処理の細胞コントロールおよび未処理の
ウイルスに感染した細胞コントロールを、96ウェルの試
験プレートの両側に置き、薬剤ブランクをプレートの上
部および下部に置いた。試験化合物を受けた細胞は、4
個のウイルスに感染したウェルおよび2個の未感染ウェ
ルとされた。プレートを、37℃で5%CO2を含む雰囲気
中で6日間インキュベーション行った。次いで、無細胞
上澄液の一部をBiomekを用いてそれぞれのウェルから取
り出し、逆転写酵素活性、p24抗原生産および感染性ビ
リオンの合成について分析した(下記も参照された
い)。0.002%(重量/容量)フルオリコン対照粒子(5
90/620nm)(Baxter Healthcare Corp.)25μlを、螢
光分析の内部標準として用いる試験プレートのそれぞれ
のウェルに加えた。Biomekを用いて試験プレートのそれ
ぞれのウェルの内容物を均一に分散させ、2個の新しい
マイクロタイタープレートのそれぞれに50μlずつ移し
た。次に、これらのプレートを用いて、BCECFを用いる
細胞生長力またはDAPIを用いる総DNA含量を測定した。
XTT分析 細胞生長力の推計として、テトラゾリウム塩X
TTの可溶性の着色したホルマザンへの代謝による還元
を、基の試験プレートそれぞれのウェルにXTT/PMS溶液5
0μlを加え、37℃で4時間インキュベーションするこ
とによって行った。インキュベーションの後、プレート
を接着性プレートシーラー(Dynatech、アレキサンドリ
ア、バージニア州)で被覆し、振盪し、V−max光度計
(Molecular Devices,Inc.、Menlno Park、カリフォル
ニア州)を用いて450nmの試験波長で光学濃度を測定し
た。
BCECF分析 細胞生長力はまたBCECFを用いて測定した。
新たに調製したBCECF溶液(25μl)をそれぞれのマイ
クロタイタープレートのそれぞれのウェルに加え、プレ
ートを37℃で30分間インキュベーションした。次いで、
パラホルムアルデヒドの2%溶液25μlそれぞれのウェ
ルに加え、更に30分間インキュベーションして、ウイル
スを不活性化した。それぞれのウェルの内容物を混合し
た後、75μlずつをフィルターを底部に備えた96ウェル
のプレート(Baxter Hcalthcarc Corp.)に移した。プ
レートを下記のプロトコールを行うようにプログラムを
組んだScreen Machineに入れた:(1)濾過支持マトリ
ックスとしてPBS中に3.2μmポリスチレンビーズ(Baxt
er Healthcare Corp.)0.25%(重量/容量)懸濁液20
μlを加え、(2)15mmHgの真空圧を用いて1.5分間液
相を濾去し、(3)それぞれのウェル中の細胞−ビーズ
ケーキを20mmHgの真空圧を用いて1分間洗浄し、(4)
それぞれのウェルの螢光を読む(シグナルチャンネル=
485nmで励起、535nmで発光、および対照チャンネル=54
9nmで励起、620nmで発光)。
DAPI分析 それぞれのウェルの総DNA含量を、McCaffrey
によって記載された方法[McCaffrey,T.A.ら、In Vitro
Cell.Develop.Biol.,24:247-252,1988]の下記のよう
な変法によって測定した。それぞれのウェルの内容物
を、2%パラホルムアルデヒド溶液25μlを加え、プレ
ートを37℃で30分間インキュベーションすることによっ
て固定した。DAPI/NP−40溶液25μlをそれぞれのウェ
ルに加え、2時間インキュベーションした。それぞれの
ウェルの内容物を混合し、75μlずつをフィルターを底
部に備えた96ウェルのプレート(Baxter Healthcare Co
rp.)に移した。DAPIプレートをScreen Machineに入
れ、400nmの励起および450nmの発光のシグナルチャンネ
ルの組を用いて前記のBCECFプレートと同じプロトコー
ルによって処理した。
p24分析 HIV−1内部コア−p24抗原の産生をp24抗原捕
捉分析(Coulter Immunology、Hialeah、フロリダ州)
を用いて、測定した。試験プレートからの上澄液を10%
トライトンX−100で1:100に希釈し、用いるまで−20℃
で凍結保存した。トライトンXで処理した試料200μl
ずつをネズミ単クローン性抗−HIV−1p24抗原を予めコ
ーティングしたマイクロタイターウェルに加えた。プレ
ートをシールし、37℃で1時間インキュベーションし
た。プレートを、自動Denley Wellwash 4(Coulter Imm
unology)プレート洗浄装置を用いて洗浄した。プレー
トを洗浄して、吸取り紙で乾燥した後、ビオチン化した
ヒト単クローン性抗−HIV−1p24 200μlを適当なウェ
ルに加え、プレートを37℃で1時間再インキュベーショ
ンした。更に洗浄した後、ストレプトアビジン−西洋ワ
サビペルオキシダーゼ溶液200μlを加え、プレートを3
7℃で30分間インキュベーションした。テトラメチルベ
ンゼン溶液をそれぞれのウェルに加え、室温で30分間イ
ンキュベーションした。インキュベーションの後、酸性
停止試薬をそれぞれのウェルに加え、Vmax光度計(Mole
cular Devices)を用いて30分以内に吸光度を450nmで読
んだ。p24の濃度を、既知のp24の濃度の標準曲線と比較
することによって測定した。
シンシチウム分析 Naraによって報告されたシンシチウ
ム分析[Nara,P.L.ら、Aids Res.Hum.Retroviruses,3:2
83-302,1987]を用いて、感染性ウイルスの定量を行っ
た。試験プレートからの上澄液を、多段希釈のCEM−SS
細胞単層で検討して、2〜4日で計数可能なシンチウム
を得た(50〜200/ウェル)。
逆転写酵素分析 上澄液を30μlずつ、50mMトリスpH7.
8、0.15mg/mlジチオトレイトール(DTT)および0.1%ト
ライトンX−100を含むウイルス破砕緩衝液30μlに加
えた。溶菌したウイルス10μlの試料を、1M トリス、
pH7.8 2μl、3M KCl1μl、3mg/mlDTT 5μl、0.
1M酢酸マグネシウム5μl、Poly(rA)・p(dT)
10(2単位/ml)(Pharmacia、Piscataway、ニュージャ
ージー州)10μl、蒸溜水6.5μl、10%トライトンX
−100 0.5μlおよび[3H]dTTP(16.56Ci/ミリモル)
(Amersham Corp.、Arlington Heights、イリノイ州)1
0μlを含む混合物30μlに加えた。試料を37℃で30分
間インキュベーションし、DE81イオン交換紙上に集め、
15分間吸収させた。試料パッドを最初に5%Na2HPO4
6回洗浄した後、蒸溜水で2回洗浄した。パッドを乾燥
し、液体シンチレーションカウンターで計数した。試料
は3回計数した。
分析終了点と細胞数の直線性 対数増殖しているCEM−S
S細胞を集め、洗浄し、様々な細胞濃度で96ウェルのマ
イクロタイターウェル中で培養した。細胞を接種した
後、細胞を前記のプロトコールにしたがってXTT、BCECF
またはDAPIで処理した。BCECFおよびDAPIを用いる螢光
分析では、広範囲の細胞濃度に亙って優れた直線性が認
められた。いずれの分析法でも、再現性の高い結果が、
1000個/分析を下回る細胞数で得られた。比色XTT分析
法でも良好な直線性が見られたが、最大検出限界は5,00
0〜10,000個/分析であった。
ミシェルアミンの抗ウイルス活性 第2図及び第3図
に、それぞれ遊離塩基またはHBr塩としてのミシェルア
ミンAの抗ウイルス活性を示す。第4図および第5図
に、それぞれ遊離塩基またはHBr塩としてのミシェルア
ミンBの抗ウイルス活性を示す。これらの化合物は極め
て類似した活性曲線を示した。
第2A図および第2C図、第3A図および第3C図、第4A図およ
び第4C図、第5A図および第5C図は、生長力のあるヒトCE
M−SSリンパ芽球様細胞の標的細胞であって、未感染
(○)またはHIV−1ウイルスに感染したもの(●)
で、遊離塩基またはHBr塩の形態のミシェルアミンの所
定範囲の濃度を導入した後6日間培養ウェル巾に止どま
っていたものの相対数を表わしている。結果は、適当な
未感染の、薬剤処理されていないコントロールの百分率
として表わされている。約20〜200μMの間のミシェル
アミン濃度では、BCECFおよびXTT生長力分析は、標的細
胞がウイルスの殺生効果からほぼ完全に保護されること
を示している。約100μMを下回る薬剤濃度では標的細
胞に対するミシェルアミンの直接的細胞毒性はほとんど
または全くない。DNA分析の結果(第2B、3B、4Bおよび5
B図)は、生長力分析の結果と一致しており、すなわち
ミシェルアミンの抗ウイルス活性を更に示しており、DN
A測定は、予想した通り、含まれる細胞数と対応してい
た。
第2D、3D、4Dおよび5D図では、HIV−1に感染し、遊離
塩基またはHBr塩の形態のミシェルアミンを各種濃度導
入してから6日後に分析したヒトCEM−SSリンパ芽球様
細胞の標的細胞の培養におけるウイルス複製の指標を表
わす。結果は、適当なHIVに感染し、薬剤処理されてい
ないコントロールの百分率として表わされている。本質
的に完全な細胞保護を与える同じ範囲内のミシェルアミ
ン濃度では(上記参照)、ウイルス複製の指標であるp2
4ウイルスコアー抗原の産生(▲)およびウイルス性逆
転写酵素活性(■)が劇的にほぼ完全に抑制され、感染
性ウイルスの喪失を示すSFUも同様に完全に抑制され
た。
イン・ビトロでの前記の様な細胞保護効果は、ヒトでの
抗ウイルス活性を予測させるものとして知られている。
例えば、AZTも同様に、まずは培養されたヒトリンパ芽
球様細胞の細胞ラインでのAIDSウイルスに対するイン・
ビトロでの細胞保護効果に基づき、ヒト患者での評価を
行うために選択されたものである[Yarchoan,R.ら、Lan
cet,1:575-580,1986]。
第6図は、生長力のあるヒトリンパ芽球様細胞MT−2細
胞であって、未感染(○)またはHIV−2ウイルスに感
染したもの(●)で、遊離塩基の形態(第6A図)または
HBr塩の形態(第6B図)のミシェルアミンAを所定範囲
の濃度導入してから6日間培養ウェルに止どまっていた
ものの相対数を表わしている。第7図は、生長力のある
ヒトリンパ芽球様細胞MT−2細胞であって、未感染
(○)またはHIV−2ウイルスに感染したもの(●)
で、遊離塩基の形態(第6A図)またはHBr塩の形態(第6
B図)のミシェルアミンBを所定範囲の濃度導入してか
ら6日間培養ウェルに止どまっていたものの相対数を表
わしている。結果は、第6図、第7図いずれにおいて
も、適当なコントロールの百分率として表されている。
ミシェルアミンAおよびBは、遊離塩基またはHBr塩と
しても、HIV−2に対して抗ウイルス効果(第6および
7図)を示した。しかしながら、ミシェルアミンBは、
一貫して、HIV−2に対してミシェルアミンAよりも強
力であった。典型的には30〜100μMのミシェルアミン
Bの濃度では、MT−2細胞についてのHIV−2の殺生効
果に対してほぼ完全な保護が得られた。これとは対照的
に、250μM程度のミシェルアミンAの濃度では、HIV−
2に対してMT−2細胞は部分的にしか(20〜40%)保護
されなかった。
前記と同様に、ミシェルアミンは少なくとも2種類のHI
Vレトロウイルスを阻害する。当業者であれば理解可能
なように、ミシェルアミンおよびその組成物はも同様に
他のレトロウイルスおよび他の病原性ウイルスを阻害す
るであろう。
実施例6 薬学組成物 本発明の化合物は、適当な薬学上許容可能な担体または
希釈剤と組合せて薬学組成物とすることができ、それぞ
れの投与経路に対して通常の方法で、錠剤、カプセル、
粉末、顆粒、軟膏、溶液、座薬、注射液、吸入剤および
エアゾールのような固形、半固形、液状またはガス状の
形態の製剤に配合することができる。
これらの化合物はそれぞれ単独で使用することもまたは
互いに組合せて使用することもでき、または他の抗ウイ
ルス剤と組合せて用いることもできる。HIV−1および
/またはHIV−2に感染した患者を治療しようとすると
きには、本発明の少なくとも1種類の化合物をAZTと同
時投与することができる。
薬学投与形態では、本発明の化合物は薬学上許容可能な
塩の形態で用いることができ、単独でまたは適当な集合
体で用いることができ、他の薬学上活性な化合物と組合
せて用いることもできる。
経口用製剤の場合には、本発明の化合物は単独で用いる
こともまたは錠剤、粉末、顆粒またはカプセルを作成す
るための適当な添加剤、例えば、ラクトース、マンニト
ール、コーンスターチまたはジャガイモ澱粉と;結晶性
セルロース、セルロース誘導体、アラビアゴム、コーン
スターチまたはゼラチンのような結合剤と;コーンスタ
ーチ、ジャガイモ澱粉またはカルボキシメチルセルロー
スナトリウムのような崩壊剤と;タルクまたはステアリ
ン酸マグネシウムと;および所望ならば希釈剤、緩衝
剤、加湿剤、防腐剤およびフレーバ剤と組合せて用いる
ことができる。
本発明の化合物は、水性または非水性溶媒、例えば、植
物性または他の同様な油状生成物、合成の脂肪族酸グリ
セリド、高級脂肪酸のエステルまたはプロピレングリコ
ール中にそれらを、および所望ならば従来の添加剤、例
えば、可溶化剤、等張剤、懸濁剤、乳化剤、安定剤およ
び防腐剤と共に溶解、懸濁または乳化することによって
注射用製剤に配合することができる。
本発明の化合物は、吸入によって服用されるエアゾール
配合物に用いることができる。本発明の化合物は、シー
ルクロロシールフルオロメタン、プロパン、窒素などの
ような加圧された許容可能なプロペラントに配合するこ
とができる。
更に、本発明の化合物は、乳化基剤または水溶性基剤の
ような各種の基剤と混合することによって座薬にするこ
とができる。本発明の化合物は、座薬により直腸から投
与することができる。座薬は、カカオ脂、カーボワック
スおよびポリエチレングリコールのような体温で融解
し、しかも室温で固化するビヒクルを含むことができ
る。
シロップ、エリクシルおよび懸濁液のような経口または
直腸投与用の単位投与形態であって、小匙一杯または大
匙一杯のそれぞれの投与単位の錠剤または座薬が本発明
の化合物を含む組成物の所定量を含むものを提供するこ
とができ、同様に注射または静脈内投与の単位投与形態
は、蒸溜水、規定食塩水または他の薬学上許容可能な担
体の溶液としてのミシェルアミン組成物を含むことがで
きる。
本明細書に用いられる「単位投与形態」という用語は、
ヒトおよび動物に対する単一の投与両として好適な物理
的に別個な単位であって、それぞれの単位が薬学上許容
可能な希釈剤、担体またはビヒクルと共同して所望な効
果を生じるのに十分な量で計算された本発明の化合物の
所定量を含むものを表わす。本発明の新規な単位投与形
態についての明細は、用いられる特定の化合物および達
成される効果、および宿主中でのそれぞれの化合物に関
連した薬物動態によって変化する。
薬学上許容可能な賦形剤、例えばビヒクル、アジュバン
ト、担体または希釈剤は、容易に入手することができ
る。
当業者は、用いられる組成物の精確な配合物に対して適
当な投与法を容易に決定することができる。投与量での
任意の必要な調整は、感染症の性状または重篤度に容易
に合わせることができ、したがって熟練した実施者が調
整することができる。
実施例7 ウイルス性感染症を治療するための本発明の
化合物を含む組成物の使用 本発明は、本発明の組成物の抗ウイルス薬として有効な
量を投与することを含んでなる、ウイルス性感染症の治
療法にも関する。抗ウイルス薬として有効な量は、個々
の患者に投与して抗ウイルス薬として有効な血液および
/または組織濃度を達成してウイルスを阻害するのに要
する化合物の量として定義される。抗ウイルス薬として
有効な血中濃度は、例えばスクリーニング分析でウイル
スを阻害するために選択することができる。このような
量の一例は20〜200μMとなり、例えば第2〜7図を参
照されたい。或いは、抗ウイルス薬として有効な血中濃
度は、患者の血液中におけるウイルスのマーカー(例え
ば、p24)を阻害する濃度、または特定のウイルス性感
染症に対して患者を無症候性にする濃度として定義する
こともできる。固定した抗ウイルス薬として有効な血中
濃度は、投与に対する好ましい終点として用いられるの
で、それぞれの患者に対する薬剤投与の実際の投与量お
よび計画は、薬物動態における個人間の差、薬剤の配置
および代謝によって変化する。更に、化合物を予防的に
使用するときまたは他の薬剤と組合せて用いるときに
は、投与量は変化することがある。
このような投与量は、当業者により甚だしい困難および
実験を行うことなしに容易に決定することができる。
抗ウイルス薬として有効量の一例として、ヒトについて
の投与量は、約0.01mg/kg体重〜200mg/kg体重の範囲と
することができる。
前記の発明を明確にし且つ理解を助けるために詳細に説
明してきたが、当業者であればこの開示を読むことによ
って本発明の真の範囲から離反することなく形態および
詳細の様々な変更を行うことができることが理解される
であろう。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 マンフレディー,カーク ピー. アメリカ合衆国メリーランド州、フレデリ ック、コランバイン、ロード、1011、アパ ートメント、ナンバー1ビー (72)発明者 ブラント,ジョン ダブリュ. ニュージーランド国クライストチャーチ、 5、バニスター、プレイス、30 (72)発明者 パネル、ルイス ケー. アメリカ合衆国メリーランド州、シルバ ー、スプリング、カタリナ、テラス、 11413 (72)発明者 マクマホン,ジェームズ ビー. アメリカ合衆国メリーランド州、フレデリ ック、エルローズ、コート、529 (72)発明者 グラコウスキー,ロバート ジェー. アメリカ合衆国メリーランド州、ジャーマ ンタウン、スコッツバリー、テラス、 11413 (72)発明者 クラッグ,ゴードン エム. アメリカ合衆国メリーランド州、ベセス ダ、エルスミアー、アベニュ、5117

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】実質的に純粋な形態での、下記式Iを有す
    る化合物または薬理学上許容されるその塩。
  2. 【請求項2】下記式を有する請求の範囲第1項に記載の
    化合物または薬理学上許容されるその塩。 または
  3. 【請求項3】実質的に純粋な形態での、下記式IIを有す
    る化合物または薬理学上許容されるその塩。
  4. 【請求項4】下記式を有する請求の範囲第3項に記載の
    化合物または薬理学上許容されるその塩。 または [式中、 R1およびR6は同一であるかまたは異なるものであり、そ
    れぞれH、C1〜C6アルキル、R11CO−またはR11SO2
    (ここで、R11はC1〜C6アルキルまたはアリール)であ
    り、 R2、R3、R4、R7、R8およびR9は、同一であるかまたは異
    なるものであり、それぞれH、C1〜C6アルキル、R11CO
    −またはR11SO2−(ここで、R11は前記に定義した通り
    である)であり、 R5およびR10は同一であるかまたは異なるものであり、
    それぞれH、C1〜C6アルキル、 (ここで、R12はC1〜C6アルキル、R13CO−またはR13SO2
    −であり、R13はC1〜C6アルキルまたはアリール)であ
    り、 R14、R15、R16およびR17は同一であるかまたは異なるも
    のであり、それぞれCH3またはCH3を表し、 1′、3′、7′、4および7位、1″、3″、7″、
    4および7位の環上のHはハロゲン、ニトロ、アミ
    ノ、ヒドロキシル、チオールまたはシアノ基で置換する
    ことができる]
  5. 【請求項5】下記式I: を有する化合物をAncistrocladusから単離する方法であ
    って、 (a)乾燥した植物材料を有機溶媒で抽出して粗製抽出
    物を得る工程と、 (b)前記の粗製抽出物を酸−塩基に分配して粗製有機
    塩基画分を得る工程と、 (c)前記の粗製有機塩基画分を遠心分配クロマトグラ
    フィに付す工程と、 (d)アミノ結合相HPLCカラムで前記のミシェルアミン
    を単離する工程と を含んでなる、方法。
  6. 【請求項6】請求の範囲第5項に記載の方法であって、
    化合物が下記の式を有するものまたはその薬理学上許容
    される塩である、方法。 または
  7. 【請求項7】ミシェルアミンAまたはBを、ミシェルア
    ミンA、BまたはCの混合物に相互転換する方法であっ
    て、 (a)ミシェルアミンAまたはBのいずれかを有機溶媒
    に溶解し、 (b)前記のミシェルアミンAまたはBを塩基と反応さ
    せること を含んでなる、方法。
  8. 【請求項8】前記の塩基が水酸化ナトリウムである、請
    求の範囲第7項に記載の方法。
  9. 【請求項9】請求の範囲第1項に記載の少なくとも1種
    類の化合物の抗ウイルス薬として有効な量と、薬理学上
    許容可能な担体とを含んで成る、ウイルス感染患者の治
    療のための医薬組成物。
  10. 【請求項10】請求の範囲第3項に記載の少なくとも1
    種類の化合物の抗ウイルス薬として有効な量と、薬理学
    上許容可能な担体とを含んで成る、ウイルス感染患者の
    治療のための医薬組成物。
  11. 【請求項11】請求の範囲第1項または第4項に記載の
    少なくとも1種類の化合物の抗ウイルス薬として有効な
    量と、薬理学上許容可能な担体とを含んで成る、ウイル
    ス感染患者の治療のための医薬組成物。
  12. 【請求項12】AZTまたは他の既知の抗ウイルス薬の抗
    ウイルス薬としての有効量を更に含んで成る、請求の範
    囲第9〜11項のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  13. 【請求項13】ウイルス感染がヒト免疫不全症ウイルス
    により引き起こされたものである、請求の範囲第9〜11
    項のいずれか一項に記載の医薬組成物。
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