JPH0676017U - 大型液体収納容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 大型容器である容器本体を磨耗および外力か
ら保護することを技術的課題とし、もって磨耗による早
期破壊を防止し、安全な取扱いを得る。 【構成】 口筒片３と通気筒片４とを設けた容器本体１
と、この容器本体１に組付けられる把手体５と、容器本
体１を嵌め込み保持する外ケース１２と、外ケース１２
と把手体５付き容器本体１の組付きを保持する支え棒１
６とから構成し、外ケース１２により容器本体１を機械
的に保護することにより、容器本体１の磨耗を防止する
と共に容器本体１の安全で便利な取扱いを可能とした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、醤油等の液体食品を収納して業務用として使用される、ブロー成形 された合成樹脂製の大型液体収納容器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来から醤油等の液体食品を収納する業務用の１２リットルとか１８リットル と言った大型容器として、図６に示したような、ブロー成形された合成樹脂製の 缶状容器が広く使用されている。この缶状容器である容器本体１は、中空直方体 形状をしていて、その頂板２の前半部分に液体の出入口を形成する口筒片３を立 設すると共に、頂板２の後半部分に空気の出入口を形成する通気筒片４を立設し て構成され、この容器本体１の取扱いを容易にするため、口筒片３と通気筒片４ との間の頂板２部分に把手１９を一体に成形している。

【０００３】 このように、大型な容器本体１に把手１９を一体成形しているので、単純な直 方体状の缶容器である容器本体１の取扱いは、この把手１９を持って片手で行う ことができ、大型容器の割りには、取扱いが容易なものとなっている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記した従来技術は、容器本体１が１２リットルとか１８リッ トルとかの大型容器であるため、液体を収納した状態での重量が大きく、このた め把手１９を持っての片手での取扱い状態では、容器本体１を持ち上げるには多 大な労力を必要とするので、容器本体１を引きずって取り扱うことになり、この 引きずり取扱い時に床面と摩擦接触する容器本体１の下面角部が早期に磨耗する と云う問題があった。

【０００５】 また、容器本体１は、中空直方体形状をした合成樹脂製のブロー成形品である ので、角部の壁厚が、他の平坦部分の壁厚よりも薄いので、すなわち一つの容器 本体１を成形するのに要する合成樹脂材料量の割りには、角部の壁厚が小さく、 このため下面角部の磨耗による破壊が起こり易いと云う問題があった。

【０００６】 そして、容器本体１はブロー成形品であるので、例えばポリエチレン等の比較 的軟質な合成樹脂材料で成形されるため、必ずしも剛性が充分ではなく、このた め隙間なく整列させた状態での格納および輸送時に、直接作用する押圧力で潰れ 変形したり、表面に傷が付き易いと云う問題があり、上面に口筒片３および通気 筒片４を突出状に一体設しているので、積み重ねることができないと云う取扱い 上の不都合な問題があった。

【０００７】 さらに、容器本体１に中空な把手１９が一体成形されているので、液体食品を 再充填するために容器本体１内部を洗浄する際に、中空な把手１９内面の洗浄が 難しく、このため容器本体１の洗浄に多大な作業時間と高価な洗浄剤を必要とす ると云う問題があった。

【０００８】 そこで、本考案は、上記した従来技術における問題点を解消すべく考案された もので、容器本体を磨耗および外力から保護すると共に、容器本体内部の洗浄を 簡単に達成することを技術的課題とし、もって磨耗による早期破壊の発生を防止 すると共に、安全な取扱いを得ることができ、さらに容器本体を衛生的に使用す ることができるようにすることを目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

上記技術的課題を解決する本考案の手段は、 頂板の前半部分に口筒片を、そして後半部分に通気筒片を立設した大型な中空直 方体状のブロー成形された合成樹脂製容器本体を有すること、 容器本体の口筒片の外周面下端部に周設された係止鍔片を乗り越えて下方から係 止する複数の第一係止片を斜め内方に傾斜立設して、この口筒片に外嵌する第一 組付きリング片と、容器本体の通気筒片の外周面下端部に周設された係止鍔片を 乗り越えて下方から係止する複数の第二係止片を斜め内方に傾斜立設して、この 通気筒片に外嵌する第二組付きリング片とを連結片で一体連結し、この連結片に 門型の把手片を一体に立設した把手体を有すること、 この把手体を組付けた容器本体を略隙間なく収容する上面を開放した中空直方体 状をし、両側壁の一方側の上部略中央部分に挿入孔を、そして他方側の上部略中 央部分に嵌合孔を開設した外ケースを有すること、 外ケースの挿入孔と嵌合孔との間に掛け渡し状に着脱可能に組付く直線棒状の支 え棒を有すること、 にある。

【００１０】

【作用】

容器本体は、把手体を組付けた状態で外ケース内に上方から挿入組付けされ、 支え棒は、容器本体を挿入組付けした外ケースに組付けられる。この支え棒は、 外ケースの挿入孔と嵌合孔との間に掛け渡し状に組付けられるので、すなわち外 ケースの上面開放部に、この開放部を横切った状態で組付けられるので、容器本 体の外ケースからの抜け出しを防止し、容器本体の外ケースに対する組付きを強 固に保持する。

【００１１】 把手体の容器本体への組付けは、適当な時点で行えば良いのであるが、容器本 体の取扱い上、および外ケースに支え棒を組付ける作業上、外ケースに組付ける 以前に行うのが有利であり、この場合、外ケースの嵌合孔を挿入孔よりも小さい 開孔寸法とし、支え棒を、挿入孔に略隙間なく挿入する直線棒状体の他方端に、 嵌合孔に嵌合する嵌合端片を設けた構成とすることにより、外ケースに対する支 え棒の組付けを、挿入孔に対する横方向からの挿入操作だけで達成できる。

【００１２】 容器を取扱う際には、把手体を持って取扱うが、この際容器を引きずっても、 床面と摩擦接触するのは外ケースの下面角部であり、容器本体の下面角部が引き ずり取扱いにより磨耗することはない。

【００１３】 内容液を収納した容器本体は、外ケース内に挿入組付けされた状態で取り扱わ れるので、多数の容器を隙間なく整列させた状態で格納および輸送しても、外ケ ースにより機械的に保護された状態となり、また容器本体の高さと外ケースの高 さを適当に設定することにより、外ケース同士の直接の積み重ねにより、容器本 体に荷重をかけることなしに、容器同士の積み重ねが可能となる。

【００１４】 容器本体と把手体とを別体物であるので、容器本体の内部空間は、単純な直方 体形状となる。

【００１５】

【実施例】

以下、本考案の実施例を、図１ないし図５を参照しながら説明する。 合成樹脂製ブロー成形品である容器本体１は、中空直方体形状をしていて、頂 板２の前半部分中央に液体の出入口を形成する口筒片３を、そして後半部分中央 に空気の出入口を形成する通気筒片４を、それぞれ立設して構成され、口筒片３ および通気筒片４共に、図示省略したキャップにより開閉される。この容器本体 １は、ブロー成形品であるので、比較的軟質で成形性の良いポリエチレンで成形 するのが有利である。

【００１６】 把手体５（以下、図４および図５参照）は、口筒片３に外嵌する第一組付きリ ング片７と、通気筒片４に外嵌する第二組付きリング片９と、両リング片７と９ とを連結する連結片１１と、そして連結片１１に立設された門型の把手片６とか ら構成され、比較的硬質な合成樹脂による一体射出成形品である。

【００１７】 第一組付きリング片７には、その上端内周縁から、口筒片３の外周面下端部に 周設された係止鍔片を乗り越えて下方から係止する複数の第一係止片８が斜め内 方に傾斜立設されており、同様に第二組付きリング片９には、その上端内周縁か ら、通気筒片４の外周面下端部に周設された係止鍔片を乗り越えて下方から係止 する複数の第二係止片１０が斜め内方に傾斜立設されている。両係止片８、１０ は、短円錐台筒形状体の筒壁に、周方向に沿って等間隔に切欠きを設けて形成さ れた構成となっている。

【００１８】 第一組付きリング片７と第二組付きリング片９とを一体に連結する連結片１１ は、中央部の間隔を拡げた形態で一対設けられており、把手片６は、この間隔の 拡げられた両連結片１１の中央部間に、架設状に一体に起立設されている。

【００１９】 上面を開放した中空直方体状をした外ケース１２は、ポリプロピレン等の比較 的硬質な合成樹脂製の射出成形品で、前後両壁および両側壁の中央部を開放状態 とすると共に、底壁に多数の孔部を形成し、さらに多数の補強リブ片を付形する ことにより、充分な機械的強度を維持した状態で消費樹脂材料量を少なくし、そ の外観形状はコンテナに類似している。

【００２０】 この外ケース１２の両側壁１３の上部中央部分の、外ケース１２内に挿入組付 けされた容器本体１と把手体５との組合せ物の把手片６を避けた連結片１１の直 上に対向する箇所には、一方側の側壁１３に四角孔状の挿入孔１４が、そして他 方側の側壁１３に四角孔状の嵌合孔１５がそれぞれ開設されていて、嵌合孔１５ の横幅寸法は、挿入孔１４の横幅寸法よりも小さく設定されている。

【００２１】 この外ケース１２は、把手体５を組付けた容器本体１と略等しい高さを有し、 把手体５付き容器本体１を挿入組付けした状態で、容器本体１側の上端部、具体 的には把手体５の把手片６の上端縁が、その上方開放部から上方に突出しないよ うにし、もって他の物品を積み重ねた際に、上位の物品の荷重の全てを外ケース １２が支え、内部の容器本体１と把手体５との組合せ物に荷重がかからないよう にしている。

【００２２】 支え棒１６は、挿入孔１４の開孔と略等しい断面四角の直線角棒形状をしてい て、嵌合孔１５に対向する他方端は、この嵌合孔１５に嵌入できるように、その 横幅を小さくして嵌合端片１７に形成されており、また一方端部には斜め上方に 立ち上がった舌片状の係止弾片１８が切り残し状に設けられている。

【００２３】 この支え棒１６の外ケース１２に対する組付けは、把手体５を組付けた容器本 体１を外ケース１２内に挿入組付けした状態で、挿入孔１４に嵌合端片１７側か ら挿入して達成する。支え棒１６を挿入孔１４から挿入してゆくと、支え棒１６ は嵌合端片１７を嵌合孔１５に嵌合させた位置で停止し、この嵌合端片１７が嵌 合孔１５に嵌合した状態で、外ケース１２への組付けが達成される。

【００２４】 すなわち、嵌合端片１７が嵌合孔１５に嵌合した状態では、支え棒１６の本体 部分の嵌合孔１５開孔縁部に対する突き当たりにより、それ以上の挿入変位が不 能となり、同時に挿入孔１４を通り抜けた係止弾片１８が、それ自身の弾力によ り立ち上がって挿入孔１４の内側開孔縁部に係止するので、支え棒１６の抜け出 し方向への変位が阻止され、もって支え棒１６の外ケース１２に対する抜け出し 不能な組付きが、支え棒１６の単純な挿入組付け操作だけで達成されることにな るのである。

【００２５】

【考案の効果】

本考案は、上記した構成となっているので、以下に示す効果を奏する。 液体を直接収納する容器本体がコンテナ状の外ケース内に挿入保持されている ので、把手を持って引きずったとしても、床面と擦れるのは外ケースの下面角部 だけで、容器本体の下面角部は擦れることがなく、これにより容器本体の下面角 部が磨耗することがなく、もって容器本体の磨耗による早期破壊を皆無とするこ とができ、容器本体を長期間にわたって安全に使用することができる。

【００２６】 容器本体は、機械的強度に優れた外ケース内に収容した状態で取り扱われるの で、この容器本体単体に要求される機械的強度の程度が低くなり、これにより容 器本体全体を肉薄に成形することが可能となり、もって容器本体の成形に要する 高価な合成樹脂材料費を低減させることができる。

【００２７】 容器本体の上面を除く外表面は外ケースで覆われることになるので、整列格納 時とか輸送時等に、容器本体に他の物品との圧接により破壊もしくは不正変形の 発生する恐れが全くなく、これにより長期間にわたって良好な使用形態を得るこ とができ、また積重した際にも、上位の物品の荷重の全てを機械的強度の優れた 外ケースで支えるようにすることができるので、積重取扱いが可能となり、もっ て安全で良好な取扱いを得ることができると共に、その取扱いが便利となる。

【００２８】 容器本体への内容液の充填とか、容器本体からの内溶液の注出とか、さらには 容器本体の洗浄等の容器本体単体での取扱い時には、容器本体を外ケースから取 り外して扱うことができるので、その取扱いが便利であると共に容易となる。

【００２９】 容器本体と把手体とを別体物として成形したので、容器本体の内部空間、すな わち内溶液収納空間を単純な直方体状とすることができ、これにより回収再使用 時における容器本体内部の洗浄を簡単にかつ充分に達成でき、もって容器本体を 衛生上安全に繰り返し使用することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す分解全体斜視図。

【図２】図１に示す実施例の全体縦断側面図。

【図３】図１に示す実施例の全体縦断正面図。

【図４】図１に示す実施例における把手体の全体側面
図。

【図５】図１に示す実施例における把手体の全体平面
図。

【図６】従来例を示す全体斜視図。

【符号の説明】

１ ； 容器本体 ２ ； 頂板 ３ ； 口筒片 ４ ； 通気筒片 ５ ； 把手体 ６ ； 把手片 ７ ； 第一組付きリング片 ８ ； 第一係止
片 ９ ； 第二組付きリング片 １０； 第二係止
片 １１； 連結片 １２； 外ケース １３； 側壁 １４； 挿入孔 １５； 嵌合孔 １６； 支え棒 １７； 嵌合端片 １８； 係止弾片 １９； 把手

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 頂板(2) の前半部分に口筒片(3) を、そ
   して後半部分に通気筒片(4) を立設した大型な中空直方
   体状のブロー成形された合成樹脂製容器本体(1) と、前
   記口筒片(3) の外周面下端部に周設された係止鍔片を乗
   り越えて下方から係止する複数の第一係止片(8) を斜め
   内方に傾斜立設した、前記口筒片(3)に外嵌する第一組
   付きリング片(7) と、前記通気筒片(4) の外周面下端部
   に周設された係止鍔片を乗り越えて下方から係止する複
   数の第二係止片(10)を斜め内方に傾斜立設した、前記通
   気筒片(4) に外嵌する第二組付きリング片(9) とを連結
   片(11)で一体連結し、該連結片(11)に門型の把手片(6)
   を一体に立設した把手体(5) と、該把手体(5) を組付け
   た前記容器本体(1) を略隙間なく収容する上面を開放し
   た中空直方体状をし、両側壁(13)の一方側の上部略中央
   部分に挿入孔(14)を、そして他方側の上部略中央部分に
   嵌合孔(15)を開設した外ケース(12)と、前記挿入孔(14)
   と嵌合孔(15)との間に掛け渡し状に着脱可能に組付く直
   線棒状の支え棒(16)と、から成る大型液体収納容器。