JPH0675401A - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JPH0675401A
JPH0675401A JP22624392A JP22624392A JPH0675401A JP H0675401 A JPH0675401 A JP H0675401A JP 22624392 A JP22624392 A JP 22624392A JP 22624392 A JP22624392 A JP 22624392A JP H0675401 A JPH0675401 A JP H0675401A
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Keisuke Sumita
圭介 住田
Tsuneo Oki
恒生 沖
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Kyocera Mita Industrial Co Ltd
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Mita Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 一般式(1): (式中、A1 およびA2 はカップラー残基を、R1 は水
素原子、アルキル基などを、nは0または1を示す。)
で表されるビスアゾ顔料(電荷発生材料)と、一般式
(2): (式中、R2 ,R3 ,R4 ,R5 ,R6 およびR7 はア
ルキル基、アルコキシル基、ハロゲン原子、などを示
す。p,qは0〜3の整数を、k,/l,mおよびoは
0〜2の整数を示す。)で表されるジアミン系化合物
(電荷輸送材料)と、亜リン酸誘導体などの安定化剤と
を組み合わせた電子写真感光体。 【効果】 高感度でかつ繰り返し特性に優れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、静電式複写機やレーザ
ービームプリンタ等の、電子写真法を利用した画像形成
装置に利用される電子写真感光体に関するものである。
【0002】
【従来技術】カールソンプロセス等の電子写真法は、コ
ロナ放電により、電子写真感光体の表面を均一に帯電さ
せる工程と、帯電した電子写真感光体の表面を露光し
て、当該表面に静電潜像を形成する露光工程と、形成さ
れた静電潜像に現像剤を接触させて、この現像剤に含ま
れるトナーにより、静電潜像をトナー像に顕像化する現
像工程と、トナー像を紙等に転写する転写工程と、転写
されたトナー像を定着させる定着工程と、転写工程後、
感光体上に残留するトナーを除去するクリーニング工程
とを含んでいる。
【0003】近時、上記電子写真法に使用される電子写
真感光体には、毒性があるために取扱いが困難なセレ
ン、硫化カドミウム等の無機光導電体を主成分とするも
のに代わって、毒性の少ない有機光導電性化合物を使用
した、いわゆる有機感光体が種々提案されている。かか
る有機感光体は、加工性がよく、製造が容易であると共
に、機能設計の自由度が大きいという利点がある。
【0004】このような有機感光体には、一般に、光照
射により電荷を発生させる電荷発生材料と、発生した電
荷を輸送する電荷輸送材料とを含む機能分離型の感光層
が多く使用されている。上記電子写真感光体に使用され
る電荷発生材料として、特開平1−202757号公報
には特定のビスアゾ顔料が開示されている。このビスア
ゾ顔料は、下記一般式(1) で表される。
【0005】
【化9】
【0006】(式中、A1 およびA2 は、同一または異
なってカップラー残基を示し、R1 は水素原子、アルキ
ル基、アリール基、または複素環式基を示す。アルキル
基、アリール基、複素環式基は置換基を有していてもよ
い。nは0または1を示す。)かかるビスアゾ顔料(1)
は、熱および光に対して安定で、高い電荷発生効率を有
し高感度で繰り返し特性にもすぐれているという利点を
有する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、電荷発生材
料および電荷輸送材料を用いた機能分離型の有機感光体
を作成するためには、感度、電位保持性、電位安定性、
残留電位等の電子写真特性をすべて満足させるマッチン
グのよい材料を選択しなければならない。例えば、いく
ら電荷発生材料が充分な電荷を発生したとしても、その
電荷を効率よく注入し、搬送することが可能な電荷輸送
材料と組み合わせないと、満足のいく電子写真特性を得
ることが出来ない。
【0008】前記特開平1−202757号公報によれ
ば、一般式(1) で表されるビスアゾ顔料を種々の電荷輸
送材料(キャリャ−移動物質)と組み合わせて使用する
ことにより、熱および光に対して安定な感光体が得られ
る旨が開示されている。しかし、前記公報に開示されて
いるビスアゾ顔料(1) は、通常使用される電荷発生材料
であるフタロシアニン系、ペリレン系の顔料、フルオレ
ノン型ビスアゾ顔料(特開昭57−96345号公
報)、ペリノン骨格を持ったカップラーを有するオキサ
ジアゾール型アゾ顔料(特開昭59−229564号公
報)等と比較して、複写機内で発生するオゾンや窒素酸
化物NOx 、光等により酸化劣化しやすく、感光体特性
の低下を引き起こしやすいという欠点がある。かかるビ
スアゾ顔料(1) の酸化劣化は、オゾン等がアゾ基に吸着
してアゾ基を分解するために生じると推測される。
【0009】このような酸化劣化は、上記ビスアゾ顔料
(1) を、電子供与性化合物である電荷輸送材料と組み合
わせて使用したときに促進される。これは、電子供与性
化合物の塩基性が強い場合、電子供与性化合物がアゾ基
に配位し、アゾ基の電子密度を増加させるため、オゾン
や窒素酸化物の攻撃を受けやすくなるためと考えられ
る。
【0010】従って、上記ビスアゾ顔料(1) が有するす
ぐれた特性を損なわずに、高い感度と繰り返し特性を有
する感光体を得ることができなかった。本発明は上記の
ような事情に鑑みてなされたものであり、前記一般式
(1) で表されるビスアゾ顔料を電荷発生材料として用
い、高感度で耐久性にすぐれた高性能な電子写真感光体
を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段および作用】本発明者ら
は、上記ビスアゾ顔料と組み合わせて使用する電荷輸送
材料について鋭意研究を重ねた結果、電荷発生材料であ
る上記一般式(1) で表されるビスアゾ顔料と、電荷輸送
材料である一般式(2) :
【0012】
【化10】
【0013】(式中、R2 ,R3 ,R4 ,R5 ,R6
よびR7 は同一または異なってアルキル基、アルコキシ
ル基、ハロゲン原子、アリール基、ニトロ基、シアノ基
またはアルキルアミノ基を示す。p,qは0〜3の整数
を示す。k,l,mおよびoは0〜2の整数を示す。)
で表されるジアミン系化合物とを含有する感光層を導電
性基体上に設けた電子写真感光体は、オゾンや窒素酸化
物、さらに光による酸化劣化に対して安定であるため、
感度および繰り返し特性(耐久性)を従来の電子写真感
光体に比べて著しく向上させることができるという新た
な事実を見出した。
【0014】本発明における上記電荷発生材料と電荷輸
送材料との組合せによる作用は必ずしも明らかではない
が、オゾンや窒素酸化物等によって引き起こされる酸化
劣化の抑制作用については、以下のように考えられる。
すなわち、電荷輸送材料として使用する前記ジアミン系
化合物(2) は電子の非局在化が進んでおり、かつ窒素原
子をフェニル基が取り囲んだ立体的な障害のため、ビス
アゾ顔料(1) のアゾ基への配位が阻害されており、その
ためアゾ基の電子密度を増加させることがないのでオゾ
ン等の攻撃を受けにくくなるためと考えられる。
【0015】さらに、上記ビスアゾ顔料(1) は高い電荷
発生効率を有し高感度であることと、上記ジアミン系化
合物(2) がイオン化ポテンシャルにおいてビスアゾ顔料
(1)と良い関係にあり、しかも耐光性、耐久性にすぐれ
移動度の電界強度依存性も少ないことから、これらの諸
特性が減じられることなく、最適な組み合わせとなって
電子写真感光体の高性能化となって発現したものと考え
られる。
【0016】しかし、このような電荷発生材料と電荷輸
送材料との組み合わせによっても、印刷速度が40〜5
0枚/分の高速複写機に使用した場合、機内で発生する
オゾンや窒素酸化物等が多く、また必要な光量も多くな
って、感光体はより苛酷な使用環境に曝されるため、オ
ゾンや窒素酸化物等に対するより一層の耐久性向上が望
まれる。
【0017】そこで、本発明においては、上記特定の電
荷発生材料と電荷輸送材料との組み合わせに加えて、安
定化剤として、一般式(3) :
【0018】
【化11】
【0019】(式中、Y1 はアルキレン基またはアルカ
ントリイル基、R8 はアルキル基、R 9 およびR10は同
一または異なって水素原子またはアルキル基、r は2ま
たは3である)で表される亜リン酸誘導体と、下記一般
式(4) で表されるベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、
一般式(5) で表されるビフェニル誘導体、一般式(6) で
表されるカルボン酸エステル誘導体、一般式(7) で表さ
れるスピロ型アミン誘導体および一般式(8-a) または一
般式(8-b) で表されるフェノール誘導体よりなる群から
選ばれる少なくとも1 種の化合物とを前記電荷発生材料
および電荷輸送材料と共に感光層に含有させる。
【0020】
【化12】
【0021】(式中、R11、R12、R13、R14およびR
15は同一または異なって水素原子、ハロゲン原子、水酸
基、アルキル基、アラルキル基またはアルコキシ基があ
げられ、アルキル基、アラルキル基またはアルコキシ基
は置換基を有していてもよい。)
【0022】
【化13】
【0023】(式中、R16は水素原子、置換基を有する
ことのあるアリール基または置換基を有することのある
アラルキル基、R17およびR18は同一または異なって水
素原子、ハロゲン原子またはアルキル基である。)
【0024】
【化14】
【0025】(式中、R19およびR20は同一または異な
って水素原子、アルキル基、シクロアルキル基または置
換基を有することのあるアリール基、Y2 はアルキレン
基、R 21はアルキル基、tは0または1である。)
【0026】
【化15】
【0027】(式中、Z1 、Z2 およびZ3 は同一また
は異なって水素原子または一価の有機基、R22、R23
24、R25は同一または異なって水素原子またはアルキ
ル基、R26またはR27は同一または異なって水素原子、
アルキル基、ハロゲン原子または水酸基を示す。)
【0028】
【化16】
【0029】(式中、R28およびR29はいずれか一方ま
たは両方がtert−ブチル基、tert−アミル基ま
たはα,α−ジメチルベンジルフェニル基であり、一方
がtert−ブチル基、tert−アミル基またはα,
α−ジメチルベンジルフェニル基であるとき、他方は水
素原子またはアルキル基である。R40は水素原子、アル
キル基またはハロゲン原子を示す。) すなわち、これらの安定化剤は共にオゾン、窒素酸化
物、さらに光に対する耐酸化劣化性を付与することを目
的とする。その際、前記亜リン酸誘導体(3) は、熱、光
などによって生じたラジカルが酸素と反応して生成した
過酸化物(オゾンによっても生成する)を不活性な化合
物に分解して、連鎖反応への影響を抑制するという作用
を有する。この亜リン酸誘導体(3) と組み合わされる他
の安定化剤(4) 〜(8-a), (8-b)は、それぞれ以下の作用
を有する。
【0030】安定化剤(4) は光(酸化)劣化の主要因で
ある紫外光エネルギーを熱エネルギーに変換して連鎖反
応への影響を抑制する。安定化剤(5) は電荷輸送材の光
励起エネルギーの消光剤として作用し、光反応を抑制す
る。安定化剤(6) ,(7) および(8-a), (8-b)は共に酸化
によって発生したラジカルを捕捉し、連鎖反応を抑制す
る。
【0031】前記一般式(1) におけるアルキル基として
は、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロ
ピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペン
チル基、ヘキシル基などの炭素数1〜6のアルキル基が
あげられる。アリール基としては、例えばフェニル基、
o−ターフェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェ
ナントリル基等があげられる。複素環式基としては、例
えばチエニル基、ピロリル基、ピロリジニル基、オキサ
ゾリル基、イソオキサゾリル基、チアゾリル基、イソチ
アゾリル基、イミダゾリル基、2H−イミダゾリル基、
ピラゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、ピラ
ニル基、ピリジル基、ピベリジル基、ピペリジノ基、3
−モルホリニル基、モルホリノ基、チアゾリル基などが
あげられる。また、複素環式基は芳香族環と縮合したも
のであってもよい。
【0032】上記基に置換してもよい置換基としては、
例えばハロゲン原子、アミノ基、水酸基、エステル化さ
れてもよいカルボキシル基、シアノ基、炭素数1〜6の
アルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、アリール基
を有することのある炭素数2〜6のアルケニル基等が挙
げられる。A1 、A2 で表されるカップラー残基として
は、例えば、一般式(a) 〜(g) に示す基が挙げられる。
【0033】
【化17】
【0034】各式中、R30は、カルバモイル基、スルフ
ァモイル基、アロファノイル基、オキサモイル基、アン
トラニロイル基、カルバゾイル基、グリシル基、ヒダン
トイル基、フタルアモイル基、および、スクシンアモイ
ル基を表す。これらの基は、ハロゲン原子、置換基を有
してもよいフェニル基、置換基を有してもよいナフチル
基、ニトロ基、シアノ基、アルキル基、アルケニル基、
カルボニル基、カルボキシル基等の置換基を有していて
もよい。
【0035】R31は、上記R30および水酸基を有するベ
ンゼン環と縮合して芳香族環、多環式炭化水素または複
素環を形成するのに必要な原子団を表し、これらの環は
前記と同様な置換基を有してもよい。R32は、酸素原
子、硫黄原子、または、イミノ基を表す。R33は、2価
の鎖式炭化水素または芳香族炭化水素を表し、これらの
基は前記と同様な置換基を有してもよい。
【0036】R34は、アルキル基、アラルキル基、アリ
ール基、または、複素環基を表し、これらの基は前記と
同様な置換基を有してもよい。R35は、2価の鎖式炭化
水素、芳香族炭化水素、または、上記一般式(e)(f)中
の、下記式(h):
【0037】
【化18】
【0038】で表される部分とともに複素環を形成する
のに必要な原子団を表し、これらの環は前記と同様な置
換基を有してもよい。R36は、水素原子、アルキル基、
アミノ基、カルバモイル基、スルファモイル基、アロフ
ァノイル基、カルボキシル基、カルボキシル基のエステ
ル、アリール基、または、シアノ基を表し、水素原子以
外の基は前記と同様な置換基を有していてもよい。
【0039】R37は、アルキル基またはアリール基を表
し、これらの基は前記と同様な置換基を有してもよい。
前記R31において、R30および水酸基を有するベンゼン
環と縮合して芳香族環を形成するのに必要な原子団とし
ては、例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基、
テトラメチレン基等のアルキレン基が挙げられる。
【0040】上記R31と、R30および水酸基を有するベ
ンゼン環との縮合により形成される芳香族環としては、
例えばナフタリン環、アントラセン環、フェナントレン
環、ピレン環、クリセン環、ナフタセン環等が挙げられ
る。前記R31において、R30および水酸基を有するベン
ゼン環と縮合して多環式炭化水素を形成するのに必要な
原子団としては、例えばメチレン基、エチレン基、プロ
ピレン基、ブチレン基等の、炭素数1〜4のアルキレン
基があげられる。
【0041】前記R31において、R30および水酸基を有
するベンゼン環と縮合して多環式炭化水素としては、例
えばカルバゾール環、ベンゾカルバゾール環、ジベンゾ
フラン環等が挙げられる。また、R31において、R30
よび水酸基を有するベンゼン環と縮合して複素環を形成
するのに必要な原子団としては、例えばベンゾフラニル
基、ベンゾチオフェニル基、インドリル基、1H−イン
ドリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル
基、1H−インダドリル基、ベンゾイミダゾリル基、ク
ロメニル基、クロマニル基、イソクロマニル基、キノリ
ニル基、イソキノリニル基、シンノリニル基、フタラジ
ニル基、キナゾニリル基、キノキサリニル基、ジベンゾ
フラニル基、カルバゾリル基、キサンテニル基、アクリ
ジニル基、フェナントリジニル基、フェナジニル基、フ
ェノキサジニル基、チアントレニル基等があげられる。
【0042】上記R31と、R30および水酸基を有するベ
ンゼン環との縮合により形成される芳香族性複素環基と
しては、例えばチエニル基、フリル基、ピロリル基、オ
キサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアゾリル基、イ
ソチアゾリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、トリ
アゾリル基、テトラゾリル基、ピリジル基、チアゾリル
基があげられる。また、さらに他の芳香族環と縮合した
複素環基(例えばベンゾフラニル基、ベンゾイミダゾリ
ル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、キ
ノリル基など)であってもよい。
【0043】前記R33,R35において、2価の鎖式炭化
水素としては、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基
等が挙げられ、2価の芳香族炭化水素としては、フェニ
レン基、ナフチレン基、フェナントリレン基等があげら
れる。前記R34において、複素環基としては、ピリジル
基、ピラジル基、チエニル基、ピラニル基、インドリル
基等が挙げられる。
【0044】前記R35において、前記式(h) で表される
部分とともに複素環を形成するのに必要な原子団として
は、例えばフェニレン基、ナフチレン基、フェナントリ
レン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等があ
げられる。上記R35と、前記式(h) で表される部分とに
より形成される芳香族性複素環基としては、例えばベン
ゾイミダゾール基、ベンゾ〔f〕ベンゾイミダゾール
基、ジベンゾ〔e,g〕ベンゾイミダゾール基、ベンゾ
ピリミジン基等があげられる。これらの基は前記と同様
な置換基を有してもよい。
【0045】前記R36において、カルボキシル基のエス
テルとしては、メチルエステル、エチルエステル、プロ
ピルエステル、ブチルエステル等があげられる。上記一
般式(a) 〜(g) で表されるカップラー残基A1 ,A2
具体例としては、以下のような基が挙げられる。
【0046】
【化19】
【0047】
【化20】
【0048】
【化21】
【0049】
【化22】
【0050】上記ビスアゾ系化合物(1) の具体例として
は、例えば、下記式(B1)〜(B10) に示す化合物があげら
れる。
【0051】
【化23】
【0052】
【化24】
【0053】
【化25】
【0054】前記一般式(2) で表されるジアミン系化合
物において、式中の基R2 〜R7 に相当するアルキル基
およびアリール基としては、例えば前記一般式(1) で示
した基と同様のものが挙げられる。ハロゲン原子として
は、塩素、ヨウ素、臭素、フッ素が挙げられる。アルコ
キシル基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、イ
ソプロポキシ基、ブトキシ基、t−ブトキシ基、ヘキシ
ルオキシ基等が挙げられる。
【0055】アルキルアミノ基としては、例えばメチル
アミノ基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチ
ルアミノ基、プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ
基、ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、t−ブチル
アミノ基、ペンチルアミノ基、ヘキシルアミノ基などが
あげられる。前記一般式(2) で表されるジアミン系化合
物の具体的化合物としては、例えば表1に示すNo. A
1〜A15の化合物があげられる。なお、表中、例えば
「3−CH3 」はフェニル基の3位にメチル基が結合し
ていることを示しており、「3,5−CH3 」はフェニ
ル基の3位と5位にメチル基がそれぞれ結合しているこ
とを示している(後述の表2、表3においても同じ)。
【0056】
【表1】
【0057】前記ジアミン系化合物(2) は、種々の方法
で合成することが可能であり、例えば、下記一般式(40)
で表される化合物と一般式(41)〜(44)で表される化合物
とを同時または順次反応させることにより製造すること
ができる。
【0058】
【化26】
【0059】(式中、R2 ,R3 ,R4 ,R5 ,R6
7 ,k,l,m,o,p,およびqは前記に同じ。X
はハロゲン原子を示す。) 上記一般式(40)で表される化合物と一般式(41)〜(44)で
表される化合物との反応は、通常有機溶媒中で行われ、
溶媒としてはこの反応に悪影響を及ぼさない溶媒であれ
ばいずれの溶媒も使用でき、例えば、ニトロベンゼン、
ジクロロベンゼン、キノリン、N,N−ジメチルホルム
アミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド
などの有機溶媒が例示される。反応は、通常、銅粉、酸
化銅、ハロゲン化銅などの触媒、水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水
素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどの塩基性物質の存
在下、150〜250℃の温度で行われる。
【0060】また、対称構造を有する一般式(2) で表さ
れる化合物は、置換基R2 ,R3 ,R4 およびR5 の置
換位置などが制御されており、例えば下記一般式(45)で
表される化合物と一般式(41),(43)で表される化合物と
の反応により下記一般式(46)で表される化合物を得、次
いで一般式(46)で表される化合物を加水分解して脱アシ
ル化し、下記一般式(47)で表される化合物を得た後、さ
らに一般式(42),(44)で表される化合物と反応させるこ
とにより製造することができる。
【0061】
【化27】
【0062】(式中、R8 およびR9 はアルキル基を示
し、R2 ,R3 ,R4 ,R5 ,R6 ,R7 ,k,l,
m,o,p,およびqは前記に同じ。) 上記一般式(45)で表される化合物と一般式(41)(43)で表
される化合物との反応は、前記一般式(40)で表される化
合物と一般式(41)(42)(43)(44)で表される化合物との反
応と同様にして行うことができる。一般式(46)で表され
る化合物の加水分解による脱アシル化反応は、塩基性触
媒の存在下、常法により行うことができる。また、上記
一般式(47)で表される化合物と一般式(42)(44)で表され
る化合物との反応は、前記一般式(40)で表される化合物
と一般式(41)(42)(43)(44)で表される化合物との反応と
同様に行うことができる。
【0063】反応終了後、反応混合物を濃縮し、再結
晶、溶媒抽出、カラムクロマトグラフィー等の慣用の手
段で容易に分離精製することができる。次に、前記感光
層に添加される安定化剤について説明する。一般式(3)
の亜リン酸誘導体におけるアルキレン基としては、メチ
レン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピリデン
基、2,2−ジメチルプロピレン基、ブチリデン基、テ
トラメチレン基、ヘキサメチレン基などの2価の基があ
げられる。また、アルカントリイル基としては、例えば
プロパン−1,1,3−トリイル基、プロパン−1,
2,3−トリイル基、ブタン−1,1,3−トリイル
基、ブタン−1,3,4−トリイル基、ヘキサン−1,
1,3−トリイル基、ヘキサン−1,3,5−トリイル
基などの3価の基があげられる。
【0064】また、一般式(3) 〜(8-a), (8-b)で表され
る各誘導体におけるアルキル基、アルコキシル基、アリ
ール基の具体例としては、前記一般式(1) または(2) に
おけるそれらの基と同様の基があげられるが、アルキル
基およびアルコキシル基は炭素数が1〜20までの分岐
したまたは直鎖のアルキル基およびアルコキシル基も採
用可能である。前記一般式(4) (5) におけるアラルキル
基としては、例えばベンジル基、ベンズヒドリル基、ト
リチル基、フェネチル基等があげられる。また、前記一
般式(6) におけるシクロアルキル基としては、例えばシ
クロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、
シクロヘキシル基などがあげられる。また、置換基を有
することのあるアリール基としては、フェニル基、ベン
ジルフェニル基、ジメチルベンジルフェニル基などがあ
げられる。
【0065】前記亜リン酸誘導体(3) としては、例えば
下記表2で表される(C1)〜(C6)の化合物があげられる。
【0066】
【表2】
【0067】亜リン酸誘導体(3) の添加量は、通常、バ
インダー樹脂100重量部に対して0.5〜20重量部
程度であればよい。前記ベンゾトリアゾール誘導体(4)
としては、例えば下記式で表される(I1)〜(I7)の化合物
があげられる。
【0068】
【化28】
【0069】前記ビフェニル誘導体(5) としては、例え
ば下記式で表される(J1)〜(J7)の化合物があげられる。
【0070】
【化29】
【0071】カルボン酸エステル誘導体(6) としては、
例えば下記表3に示す(K1)〜(K6)の化合物があげられ
る。
【0072】
【表3】
【0073】スピロ型アミン誘導体(7) としては、例え
ば下記式で表される(H1)〜(H6)の化合物があげられる。
【0074】
【化30】
【0075】フェノール誘導体(8-a), (8-b)としては、
例えば下記式で表される(G1)〜(G6)の化合物があげられ
る。
【0076】
【化31】
【0077】これらの化合物(4) 〜(8-a), (8-b)は、前
記亜リン酸誘導体(3) との組み合わせにおいて、単独で
使用してもよく、あるいは2種以上を混合して使用して
もよい。すなわち、これらの化合物(4) 〜(8-a), (8-b)
はいずれもそれ自体でオゾン、窒素酸化物、さらに光に
対する耐酸化劣化性を有するが、上記亜リン酸誘導体
(3) と組み合わせることにより耐光性、耐窒素酸化物性
がより一層向上し、高い安定化効果を発揮する。
【0078】化合物(4) 〜(8-a), (8-b)の添加量は、通
常、バインダー樹脂100重量部に対して0.5〜20
重量部程度であればよい。本発明の感光体は、感光層と
して単層型および積層型の何れにも適応可能である。但
し、電荷発生材料と電荷輸送材料との組み合わせによる
効果は、特に両材料が同一の層内に含有された単層型感
光層においてより顕著に現れるので、本発明は、単層型
感光層を備えた電子写真感光体に適用するのがより好ま
しいといえる。
【0079】単層型の感光体を得るには、電荷発生材料
である前記ビスアゾ顔料(1) と、電荷輸送材料である前
記ジアミン系化合物(2) と、結着樹脂等とを含有する感
光層を塗布等の手段により導電性基体上に形成すればよ
い。また、積層型の感光体を得るには、導電性基体上
に、蒸着または塗布等の手段により前記ビスアゾ顔料
(1) と結着樹脂とを含有する電荷発生層を形成し、この
電荷発生層上に、前記ジアミン系化合物(2) と結着樹脂
とを含有する電荷輸送層を形成すればよい。また、上記
とは逆に、導電性基体上に電荷輸送層を形成し、次いで
電荷発生層を形成してもよい。
【0080】なお、電荷発生材料としては、前記ビスア
ゾ顔料(1) の他に、所望の領域に吸収波長域を有するよ
うに電子写真感光体の感度領域を拡げる等の目的の為、
さらに、従来公知の他の電荷発生材料を併用することも
できる。他の電荷発生材料としては、前記一般式(1) で
表されるものと化学構造が異なる他のアゾ顔料のほか、
セレン、セレン−テルル、セレン−ヒ素、アモルファス
シリコン、ピリリウム塩、ペリレン系顔料、アンサンス
ロン系顔料、フタロシアニン系顔料、ナフタロシアン系
顔料、インジゴ系顔料、トリフェニルメタン系顔料、ス
レン系顔料、トルイジン系顔料、ピラゾリン系顔料、キ
ナクリドン系顔料、ジチオケトピロロピロール系顔料等
が挙げられる。
【0081】電荷輸送材料である前記ジアミン系化合物
(2) は、単独で使用する他、従来公知の他の電荷輸送材
料と組み合わせて使用することができる。従来公知の電
荷輸送材料としては、種々の電子吸引性化合物、電子供
与性化合物を用いることができる。電子吸引性化合物と
しては、例えば2,6−ジメチル−2, ,6, −ジte
rt−ジブチルジフェノキノン等のジフェノキノン誘導
体、マロノニトリル、チオピラン系化合物、テトラシア
ノエチレン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、
フルオレノン系化合物(3,4,5,7−テトラニトロ
−9−フルオレノン等)、ジニトロベンゼン、ジニトロ
アントラセン、ジニトロアクリジン、ニトロアントラキ
ノン、ジニトロアントラキノン、無水コハク酸、無水マ
レイン酸、ジブロモ無水マレイン酸等が例示される。
【0082】また、電子供与性化合物としては、2,5
−ジ(4−メチルアミノフェニル)、1,3,4−オキ
サジアゾール等のオキサジアゾール系化合物、9−(4
−ジエチルアミノスチリル)アントラセン等のスチリル
系化合物、ポリビニルカルバゾール等のカルバゾール系
化合物、1−フェニル−3−(p−ジメチルアミノフェ
ニル)ピラゾリン等のピラゾリン系化合物、ヒドラゾン
系化合物、トリフェニルアミン系化合物、インドール系
化合物、オキサゾール系化合物、イソオキサゾール系化
合物、チアゾール系化合物、チアジアゾール系化合物、
イミダゾール系化合物、ピラゾール系化合物、トリアゾ
ール系化合物等の含窒素環式化合物、縮合多環式化合物
が例示されている。
【0083】これらの電荷輸送材料は、1種または2種
以上混合して用いられる。なお、ポリビニルカルバゾー
ル等の成膜性を有する電荷輸送材料を用いる場合には、
結着樹脂は必ずしも必要でない。結着樹脂としては、種
々の樹脂を使用することができる。例えばスチレン系重
合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アク
リロニトリル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合
体、アクリル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合
体、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩
素化ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステルアルキ
ド樹脂、ポリアミド、ポリウレタン、ポリカーボネー
ト、ポリアリレート、ポリスルホン、ジアリルフタレー
ト樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリ
エーテル樹脂、ポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂や、
シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素
樹脂、メラミン樹脂、その他架橋性の熱硬化性樹脂、さ
らにエポキシアクリレート、ウレタン−アクリレート等
の光硬化性樹脂等があげられる。これらの結着樹脂は1
種または2種以上を混合して用いることができる。
【0084】単層型および積層型の各有機感光層には、
増感剤、フルオレノン系化合物、酸化防止剤、紫外線吸
収剤等の劣化防止剤、可塑剤等の添加剤を含有させるこ
とができる。また、電荷発生層の感度を向上させるため
に、例えばターフェニル、ハロナフトキノン類、アセナ
フチレン等の公知の増感剤を電荷発生材料と併用しても
よい。
【0085】積層感光体において、電荷発生層を構成す
る電荷発生材料と結着樹脂とは、種々の割合で使用する
ことができるが、結着樹脂100重量部に対して、電荷
発生材料5〜1000重量部、特に30〜500重量部
の割合で用いるのが好ましい。電荷輸送層を構成する電
荷輸送材料と前記結着樹脂とは、電荷の輸送を阻害しな
い範囲および結晶化しない範囲で、種々の割合で使用す
ることができるが、光照射により電荷発生層で生じた電
荷が容易に輸送できるように、結着樹脂100重量部に
対して、電荷輸送材料10〜500重量部、特に25〜
200重量部の割合で用いるのが好ましい。
【0086】また、積層型の感光層の厚さは、電荷発生
層が0.01〜5μm程度、特に0.1〜3μm程度に
形成されるのが好ましく、電荷輸送層が2〜100μ
m、特に5〜50μm程度に形成されるのが好ましい。
単層型の感光体においては、結着樹脂100重量部に対
して電荷発生材料は0.1〜50重量部、特に0.5〜
30重量部、電荷輸送材料は20〜500重量部、特に
30〜200重量部であるのが適当である。また、単層
型の感光層の厚さは5〜100μm、特に10〜50μ
m程度に形成されるのが好ましい。
【0087】単層型感光体にあっては、導電性基体と感
光層との間に、また、積層型感光体にあっては、導電性
基体と電荷発生層との間や、導電性基体と電荷輸送層と
の間、または電荷発生層と電荷輸送層との間に、感光体
の特性を阻害しない範囲でバリア層が形成されていても
よく、感光体の表面には、保護層が形成されていてもよ
い。
【0088】上記各層が形成される導電性基体として
は、導電性を有する種々の材料を使用することができ、
例えばアルミニウム、銅、スズ、白金、銀、バナジウ
ム、モリブデン、クロム、カドミウム、チタン、ニッケ
ル、パラジウム、インジウム、ステンレス鋼、真鍮等の
金属単体や、上記金属が蒸着またはラミネートされたプ
ラスチック材料、ヨウ化アルミニウム、酸化スズ、酸化
インジウム等で被覆されたガラス等が例示される。
【0089】導電性基体はシート状、ドラム状等の何れ
であってもよく、基体自体が導電性を有するか、あるい
は基体の表面が導電性を有していればよい。また、導電
性基体は、使用に際して、充分な機械的強度を有するも
のが好ましい。上記各層を、塗布の方法により形成する
場合には、前記例示の電荷発生材料、電荷輸送材料、結
着樹脂等を、適当な溶剤とともに、公知の方法、例え
ば、ロールミル、ボールミル、アトライタ、ペイントシ
ェーカーあるいは超音波分散器等を用いて分散混合して
塗布液を調整し、これを公知の手段により塗布、乾燥す
ればよい。
【0090】塗布液をつくるための溶剤としては、種々
の有機溶剤が使用可能で、例えばメタノール、エタノー
ル、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール類、
n−ヘキサン、オクタン、シクロヘキサン、等の脂肪族
系炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族
炭化水素、ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭
素、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素、ジメチル
エーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エ
チレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコ
ールジメチルエーテル等のエーテル類、アセトン、メチ
ルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸
エチル、酢酸メチル等のエステル類、ジメチルホルムア
ルデヒド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシ
ド等があげられる。これらの溶剤は1種又は2種以上を
混合して用いることができる。
【0091】さらに、電荷輸送材料や電荷発生材料の分
散性、感光層表面の平滑性をよくするために界面活性
剤、レベリング剤等を使用してもよい。
【0092】
【実施例】以下、実施例および比較例をあげて本発明を
詳細に説明する。実施例1〜25(積層型感光体) 電荷発生材料であるビスアゾ顔料0.7重量部と、ポリ
ビニルブチラール樹脂1重量部および所定量のテトラヒ
ドロフランとを、ガラスビーズ(2mm径)を用いたペイ
ントシェーカーにて2時間分散させた。得られた分散液
をアルミニウム素管の表面に、浸漬塗工法を用いて塗工
し、100℃で1時間乾燥し、膜厚0.5μmの電荷発
生層を形成した。
【0093】この電荷発生層上に、電荷輸送材料である
ジアミン系化合物1重量部およびビスフェノールA型ポ
リカーボネート樹脂1重量部を所定量のジクロルメタン
に溶解し、さらに安定化剤として表4〜8に示す種類の
安定化剤を同表に示す割合で添加した溶液を浸漬塗工法
を用いて塗工し、100℃で1時間乾燥して膜厚が22
μmである電荷輸送層を形成し、負帯電型の積層型電子
写真感光体を得た。なお、各実施例で使用した電荷発生
材料、電荷輸送材料および安定化剤は、前記した各具体
例の化合物番号を用いて表4〜8に示した。
【0094】
【表4】
【0095】
【表5】
【0096】
【表6】
【0097】
【表7】
【0098】
【表8】
【0099】比較例1(積層型感光体) 安定化剤を添加せずに、表4に化合物番号で示すビスア
ゾ顔料およびジアミン系化合物を使用したほかは、実施
例1〜25と同様にして負帯電型の積層型電子写真感光
体を得た。比較例2〜7(積層型感光体) 実施例1〜6で使用したジアミン系化合物に代えて、下
記式(D1)〜(D5)および(D11) で表される化合物をそれぞ
れ用い、かつ安定化剤を添加しなかったほかは、実施例
1〜25と同様にして負帯電型の積層型電子写真感光体
を得た。配合組成を表9に示す。
【0100】
【化32】
【0101】
【化33】
【0102】
【表9】
【0103】実施例26〜50(単層型感光体) 電荷発生材料であるビスアゾ顔料3重量部と、電荷輸送
材料であるジアミン系化合物75重量部と、ビスフェノ
ールA型ポリカーボネート樹脂100重量部とに、表4
〜8に示す種類の安定化剤を同表に示す割合で添加し、
ジクロロメタンと共に、超音波分散機を用いて2分間分
散させ、単層型感光層用の塗布液を作成した。そして、
この塗布液をアルミニウム素管の表面に、浸漬塗工法に
よって塗工し、80℃で120分間乾燥し、膜厚30μ
mの単層型感光層を形成して、正帯電型の単層型電子写
真感光体を得た。使用した各電荷発生材料および電荷輸
送材料合物は、前記した各具体例の化合物番号を用いて
表10〜14に示した。
【0104】
【表10】
【0105】
【表11】
【0106】
【表12】
【0107】
【表13】
【0108】
【表14】
【0109】比較例8(単層型感光体) 安定化剤を添加せずに、表15に化合物番号で示すビス
アゾ顔料およびジアミン系化合物を使用したほかは、実
施例26〜50と同様にして正帯電型の単層型電子写真
感光体を得た。比較例9〜14(単層型感光体) 実施例26〜50で使用したジアミン系化合物に代え
て、下記式(D6)〜(D11)で表される化合物をそれぞれ用
い、かつ安定化剤を添加しなかったほかは、実施例26
〜50と同様にして正帯電型の単層型電子写真感光体を
得た。
【0110】
【化34】
【0111】
【化35】
【0112】
【表15】
【0113】上記各実施例、比較例の電子写真感光体に
ついて以下の試験を行い、その特性を評価した。電気特性 各実施例および比較例で作成した電子写真感光体の表面
を±800V付近に帯電させた際の、表面電位(V)を
測定した後、PPC用感光体に最も必要な550nmの
光を用いて半減露光量の測定を行った。すなわち、キセ
ノンランプから分光器を用いて取り出した波長が550
nmの光を強度0.2mW/cm2 、露光時間1秒で露
光して、半減露光量(μJ/cm2 )を求めた。また、
光照射直後から0.5秒経過した時点の表面電位を露光
後電位(V)として求めた。繰り返し特性 静電複写機DC−1670M(三田工業(株)製)で1
0,000回印刷を繰り返した後の、表面電位(V),
半減露光量(μJ/cm2 ),露光後電位(V)を測定
した。
【0114】以上の試験結果を表16〜表21に示す。
【0115】
【表16】
【0116】
【表17】
【0117】
【表18】
【0118】
【表19】
【0119】
【表20】
【0120】
【表21】
【0121】表16〜表21から明らかなように、比較
例2〜7および9〜14で得た感光体はいずれも感度が
悪く、そのため印刷初期からカブリがあり、たとえ静電
複写機に標準装着されている露光ランプを最大出力にし
ても、白地に対応する電位が高くカブリが発生した。ま
た、繰り返し印刷後の画像確認では、表面電位の低下で
コントラスト電位が小さくなり、画像濃度も低下した。
一方、比較例1および8で得た感光体は、初期感度は実
施例と殆ど大差がないのに対して、繰り返し印刷後は感
度が著しく低下していた。
【0122】これに対して、各実施例の感光体はいずれ
も感度が高く、通常の露光強度でも鮮明な画像が得ら
れ、また繰り返し印刷によっても良好な画像が得られ
た。
【0123】
【発明の効果】本発明によれば、電荷発生材料である一
般式(1) で表されるビスアゾ顔料と、電荷輸送材料であ
る前記一般式(2) で表されるジアミン系化合物とを用
い、さらに安定化剤として特定の誘導体を使用すること
により、高感度で繰り返し特性にすぐれた有機感光体を
得ることができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電荷発生材料である一般式(1) : 【化1】 (式中、A1 およびA2 は同一または異なってカップラ
    ー残基を示し、R1 は水素原子、アルキル基、アリール
    基または複素環式基を示し、アルキル基、アリール基お
    よび複素環式基は置換基を有していてもよい。nは0ま
    たは1を示す。)で表されるビスアゾ顔料と、 電荷輸送材料である一般式(2) : 【化2】 (式中、R2 ,R3 ,R4 ,R5 ,R6 およびR7 は同
    一または異なってアルキル基、アルコキシル基、ハロゲ
    ン原子、アリール基、ニトロ基、シアノ基またはアルキ
    ルアミノ基を示す。p,qは0〜3の整数を示す。k,
    /l,mおよびoは0〜2の整数を示す。)で表される
    ジアミン系化合物とを含み、 さらに安定化剤として、一般式(3) : 【化3】 (式中、Y1 はアルキレン基またはアルカントリイル
    基、R8 はアルキル基、R 9 およびR10は同一または異
    なって水素原子またはアルキル基、r は2または3であ
    る)で表される亜リン酸誘導体と、 下記一般式(4) で表されるベンゾトリアゾール系紫外線
    吸収剤、一般式(5) で表されるビフェニル誘導体、一般
    式(6) で表されるカルボン酸エステル誘導体、一般式
    (7) で表されるスピロ型アミン誘導体および一般式(8-
    a) または一般式(8-b) で表されるフェノール誘導体よ
    りなる群から選ばれる少なくとも1 種の化合物とを含有
    する感光層を導電性基体上に設けたことを特徴とする電
    子写真感光体。 【化4】 (式中、R11、R12、R13、R14およびR15は同一また
    は異なって水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アルキル
    基、アラルキル基またはアルコキシ基があげられ、アル
    キル基、アラルキル基またはアルコキシ基は置換基を有
    していてもよい。) 【化5】 (式中、R16は水素原子、置換基を有することのあるア
    リール基または置換基を有することのあるアラルキル
    基、R17およびR18は同一または異なって水素原子、ハ
    ロゲン原子またはアルキル基である。) 【化6】 (式中、R19およびR20は同一または異なって水素原
    子、アルキル基、シクロアルキル基または置換基を有す
    ることのあるアリール基、Y2 はアルキレン基、R 21
    アルキル基、tは0または1である。) 【化7】 (式中、Z1 、Z2 およびZ3 は同一または異なって水
    素原子または一価の有機基、R22、R23、R24、R25
    同一または異なって水素原子またはアルキル基、R26
    たはR27は同一または異なって水素原子、アルキル基、
    ハロゲン原子または水酸基を示す。) 【化8】 (式中、R28およびR29はいずれか一方または両方がt
    ert−ブチル基、tert−アミル基またはα,α−
    ジメチルベンジルフェニル基であり、一方がtert−
    ブチル基、tert−アミル基またはα,α−ジメチル
    ベンジルフェニル基であるとき、他方は水素原子または
    アルキル基である。R40は水素原子、アルキル基または
    ハロゲン原子を示す。)
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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