JPH0675285U - ギヤードケーブル式カーテン類開閉装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】ギヤードケーブル式カーテン類開閉装置におい
て、動力伝達条材であるギヤードケーブルに、その移動
方向に関係なく、またレールが長くても湾曲していて
も、常に充分に大きな駆動力が得られるようにして、駆
動用モータを大型化せずとも、カーテンの開閉移動をス
ムーズ行えるようにする。 【構成】カーテンレール１の一側部に、反転用ガイド部
２と、駆動用モータ３と、該モータ３で回転する駆動用
歯車４を設け、動力伝達条材としてのギヤードケーブル
５を、上記駆動用歯車４に噛合させてなるギヤードケー
ブル式カーテン類開閉装置において、上記カーテンレー
ル１の他側部にも反転用ガイド部６を設けて、その内部
に反転用プーリ７を設けるとともに、レール１の一側部
で駆動用歯車４に噛合させた上記ギヤードケーブル５
を、エンドレスにして、レール１の他側部で上記反転用
プーリ７に巻き掛けるように構成したもの。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、動力伝達条材としてギヤードケーブル、即ちケーブル（またはワイ ヤ）を駆動用歯車と噛合可能なコイル状に巻き、駆動用歯車の回転でレール内を 長手方向へ移動可能としたものを用いる、ギヤードケーブル式カーテン類開閉装 置の改良に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来のギヤードケーブル式カーテン類開閉装置では、動力伝達条材であるギヤ ードケーブルが押しても引いても駆動できるものであるため、他のワイヤやタイ ミングベルトがエンドレスして回転移動させているのと異なり、両端を自由端と してのみ用いられていた。即ち、例えば本件出願人が先に出願した実開平３−１ ０５３７８号公報に記載の如く、ギヤードケーブルは両側を自由端にして、駆動 用モータで回転する駆動用歯車（ピニオン）に噛合させるとともに、その近傍の 反転用ガイド部で反転させるものであり、駆動用モータの正・逆回転によりカー テンレールのケーブル通過用孔内を往復移動させている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところが上記のギヤードケーブルは、駆動用歯車に噛合して引っ張られる側で は大きい駆動力が得られるのに対して、反転用ガイド部で反転した後のリターン 側では、上記駆動用歯車で押されているが、ギヤードケーブルはカーテンレール の細いケーブル通過用孔内を摺動するため、孔内壁との接触による摩擦抵抗が大 きく、小さな駆動力しか得られない。

【０００４】 これは、カーテンレールが直線状で長い場合に、駆動用歯車から離れた位置で のギヤードケーブルの駆動力を測定すると、極端に低下していることが分かる。 また例えばベランダや出窓のカーテンの如く、カーテンレールを水平方向へ湾曲 させ、あるいは例えば温室やサンルームのブラインドの如く、レールをアーチ状 に湾曲させて用いた場合には、ケーブル通過用孔内を摺動するギヤードケーブル に作用する摩擦抵抗が一層大きくなるので、駆動力は一層低下している。これら の場合に、ギヤードケーブル式カーテン類開閉装置は、大型の駆動用モータを用 いないと、カーテンの開閉移動をスムーズに行うことができなかった。

【０００５】 本考案は、上記従来のギヤードケーブル式カーテン類開閉装置がもつ問題点を 解決しようとするものである。即ち本考案の目的は、動力伝達条材としてのギヤ ードケーブルに、その移動方向に関係なく、またカーテンレールが長いものでも 湾曲したものでも、かつ駆動用モータを大型化せずとも、常に大きな駆動力が得 られて、カーテンをスムーズに開閉移動できるようにすることにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案に係るギヤードケーブル式カーテン類開閉装置は、 カーテンレール１の一側部に、反転用ガイド部２と、駆動用モータ３と、該モ ータ３で回転する駆動用歯車４を設け、動力伝達条材としてのギヤードケーブル ５を、上記駆動用歯車４に噛合させてなるギヤードケーブル式カーテン類開閉装 置において、

【０００７】 上記カーテンレール１の他側部にも反転用ガイド部６を設けて、その内部に反 転用プーリ７を設けるとともに、 レール１の一側部で駆動用歯車４に噛合させた上記ギヤードケーブル５を、エ ンドレスにして、レール１の他側部で上記反転用プーリ７に巻き掛けたものであ る。

【０００８】 上記構成において、カーテンレール１は、直線状のものに限らず、水平方向ま たはアーチ状に湾曲させて設けてもよい。図において、８はレール１のケーブル 通過用孔、９は先頭車、１０はカーテンランナ、１１はカーテンを各々示す。

【０００９】

【作用】 上記本考案に係るギヤードケーブル式カーテン類開閉装置によれば、ギヤード ワイヤ５の移動方向に関係なく、またレールが長いものでも湾曲したものでも、 常に大きな駆動力でカーテンを開閉移動させられる。

【００１０】 即ち、本考案のカーテン類開閉装置は、カーテンレール１の一側部で駆動用モ ータ３で回転する駆動用歯車４に噛合させた動力伝達条材としてのギヤードケー ブル５を、エンドレスにするとともに、レール１の他側部に設けた反転用ガイド 部６内の反転用プーリ７に巻き掛けてある。

【００１１】 そのため、このギヤードケーブル５は、レール１の一側部の駆動用モータ３で 回転する駆動用歯車４による引っ張り力を受けて駆動力を得て、その側の反転用 ガイド部２内で反転した後に、今度は上記歯車４で押されるリターン側へ来る。

【００１２】 この際に、従来のギヤードケーブルは両側端が自由端で駆動用歯車により押さ れるだけのため、摩擦抵抗により駆動力のロスが大きかった。しかし、本考案で 用いる該ギヤードケーブル５は、エンドレスにしてあり、レール１他側部におい てそこに設けた反転用プーリ７に巻き掛けられているので、該ギヤードケーブル ５は反転後のリターン側にあっても、上記駆動用モータ２で回転する駆動用歯車 ４による強い引っ張り力を受けることになる。

【００１３】 これで、該ギヤードケーブル５は、その移動方向とは無関係に、常に、駆動用 モータ３で回転する駆動用歯車４による強い引っ張り力を受けており、従来の自 由端のギヤードケーブルが、リターン側では押されるだけで小さい駆動力しか得 られないのと異なり、強い引っ張り力による大きな駆動力が得られる。

【００１４】 したがって、例えば直線状の長いカーテンレール１を用いた場合や、カーテン レール１を水平方向へ湾曲またはアーチ状に湾曲させて設けた場合に、ギヤード ケーブル５がレール１のケーブル通過用孔８内の摺動で大きな摩擦抵抗を受けて いても、上記の充分に大きな駆動力を与えられているので、該ギヤードケーブル ５によりカーテン１１の開閉移動はスムーズに行えることになる。

【００１５】 なお上記の場合に、駆動モータ３を１台に限らず２台以上、例えばレール１の 一側部に２台を並設し、あるいはレール１の両側部に各１台を設けてあれば、一 層大きな駆動力でカーテン１１の開閉移動を行える。

【００１６】

【実施例】

図１で示す実施例は、カーテンレール１の一側部に、１台の駆動用モータ３ と、該モータ３で回転する駆動用歯車４とを設け、レール１の他側部に反転用ガ イド部６を設けて、その内部に反転用プーリ７を設けておき、動力伝達条材とし てのギヤードケーブル５をエンドレスにして、レール１の一側部で上記駆動用歯 車４に噛合させるとともに、他側部で上記反転用プーリ７に巻き掛けたものであ る。

【００１７】 図２で示す実施例は、カーテンレール１の一側部に２台の駆動用モータ３，３ を並設して、該各モータ３，３で回転する駆動用歯車４，４を各々設け、レール １の他側部に反転用ガイド部６を設けて、その内部に反転用プーリ７を設けてお き、動力伝達条材としてのギヤードケーブル５をエンドレスにして、レール１の 一側部寄りで上記２つの駆動用歯車４，４に各々噛合させるとともに、他側部で 上記反転用プーリ７に巻き掛けたものである。

【００１８】 図３で示す実施例は、カーテンレール１両側部に、各１台の駆動用モータ３， ３と、該各モータ３で回転する駆動用歯車４，４を各々設けるとともに、レール １の他側部に反転用ガイド部６を設けて、その内部に反転用プーリ７を設けてお き、動力伝達条材としてのギヤードケーブル５をエンドレスにして、レール１の 両側部で上記各駆動用歯車４，４に噛合させるとともに、他側部で上記反転用プ ーリ７に巻き掛けたものである。

【００１９】 なお、上記各図示例は、説明の都合上から片開きのカーテン類開閉装置を示し ているが、ギヤードケーブル５の往路側と帰路側（リターン側）に、２枚のカー テン１１の各先頭車を各々連結することにより、両開きのカーテン類開閉装置に できることは言うまでもない。また図示例でのカーテンレール１は、直線状にし て用いたものを示したが、水平方向へまたはアーチ状に湾曲させて用いてもよい ことは勿論である。

【００２０】

【考案の効果】

以上で明らかな如く、本考案に係るギヤードケーブル式カーテン類開閉装置に よれば、シンプルな手段ながら、ギヤードワイヤの移動方向に関係なく、またカ ーテンレールが長いものでも湾曲したものでも、駆動用モータを大型化せずに、 常に大きな駆動力を得ることができ、カーテンの開閉移動をスムーズに行うこと ができる。

【００２１】 即ち、カーテン類開閉装置での動力伝達条材としてのギヤードケーブルは、カ ーテンレールの細いケーブル通過用孔内を摺動するため、大きな摩擦抵抗を受け る。ところが、従来の動力伝達条材としてのギヤードケーブルは、両端を自由端 として用いているので、駆動用歯車に噛合して引っ張り力を受ける側では大きい 駆動力が得られるが、反転してリターン側にきて駆動用歯車で押される際には、 摩擦抵抗によるロスで駆動力は小さくなっている。そのため、特にレールが長い 場合やレールを湾曲して用いた場合に、摩擦抵抗も一層大きくなるので駆動力の 低下も著しく、駆動用モータを大型化する等の手段をとらないと、カーテン類の 開閉移動ができなかった。

【００２２】 これに対して、本考案に係るギヤードケーブル式カーテン類開閉装置では、上 記の如くカーテンレールの他側部に設けた反転用ガイド部内に反転用プーリを設 け、レールの一側部で駆動用モータで回転する駆動用歯車に噛合したギヤードケ ーブルを、エンドレスにして、他側部で上記反転用プーリに巻き掛けてある。そ のため、該ギヤードケーブルは、反転したリターン側でも上記駆動用歯車による 引っ張り力を受けることができる。

【００２３】 したがって、このカーテン類開閉装置でのギヤードケーブルは、その移動方向 に関係なく、常に引っ張り力による大きな駆動力を得ることができるので、カー テンレールが長くまたは湾曲してケーブル通過用孔内の摺動により大きな摩擦抵 抗を受けても、常に充分に大きな駆動力によってカーテンを開閉移動させること ができる。また駆動用モータの大型化の必要も無くなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係るギヤードケーブル式カーテン類開
閉装置の実施例の一部切り欠き正面図である。

【図２】本考案に係るギヤードケーブル式カーテン類開
閉装置の他の実施例の正面図である。

【図３】本考案に係るギヤードケーブル式カーテン類開
閉装置の更に他の実施例の正面図である。

【図４】本考案に係るギヤードケーブル式カーテン類開
閉装置で用いるカーテンレールの一例の拡大縦断側面図
である。

【符号の説明】

１−カーテンレール ２−反転用ガイド部 ３−駆動用モータ ４−駆動用歯車 ５−ギヤードケーブル ６−反転用ガイド部 ７−反転用プーリ ８−ケーブル通過用孔 ９−先頭車 １０−カーテンランナ １１−カーテン

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】カーテンレール１の一側部に、反転用ガイ
   ド部２と、駆動用モータ３と、該モータ３で回転する駆
   動用歯車４を設け、動力伝達条材としてのギヤードケー
   ブル５を、上記駆動用歯車４に噛合させてなるギヤード
   ケーブル式カーテン類開閉装置において、 上記カーテンレール１の他側部にも反転用ガイド部６を
   設けて、その内部に反転用プーリ７を設けるとともに、 レール１の一側部で駆動用歯車４に噛合させた上記ギヤ
   ードケーブル５を、エンドレスにして、レール１の他側
   部で上記反転用プーリ７に巻き掛けたことを特徴とする
   ギヤードケーブル式カーテン類開閉装置。