JPH0674973U - 耐雷ホーンの故障表示器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 長期間にわたって優れた信頼性を発揮するこ
とができる耐雷ホーンの故障表示器を提供すること。 【構成】 地絡時の事故電流を検出する判別回路４と、
該判別回路４の出力により発熱する面ヒータ６を設け
た。そして、面ヒータ６には該面ヒータ６の発熱により
変色して故障の発生を表示する表示部材７を設け、耐雷
ホーンの故障を表示させるようにした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、長期間にわたって優れた信頼性を発揮することができる耐雷ホーン の故障表示器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来から、架空送電線の落雷等の事故対策として碍子装置のアークホーンに避 雷機能をもたせた耐雷ホーンが種々開発され実用に供されているが、この耐雷ホ ーンの取り付けが拡大されるに伴い、活線状態で容易に取り付けが可能で低コス トの耐雷ホーンが想定を上回る雷などで故障し地絡電流が流れたとき、これを検 出し表示する故障表示器が要求されるようになってきた。そこで本出願人は、電 流センサと判別回路と事故表示部、および電源として一次電池を組み込んだ小型 かつ軽量化した故障表示器を開発し先に特開平４−３４６０７１号公報として提 案した。

【０００３】 ところが、先に出願したものは事故表示部が回転式の表示板よりなるものであ るため、該表示板を反転するための空間部を必要とし装置全体をソリッド化する ことができず気密保持のための構造が複雑となり、簡略化した構造では長期間に わたって優れた信頼性を発揮することができないという問題点があった。また、 気密対策のためのコストおよび表示板の駆動回路のためのコストが必要で高くな るという問題点もあり、更に廉価な製品の開発が望まれていた。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は上記のような従来の問題点を解決して、小型かつ取り付けが容易でし かも長期間にわたって優れた信頼性を発揮することができ、また製造コストも極 めて低廉なものとすることができる耐雷ホーンの故障表示器を提供することを目 的として完成されたものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記の課題を解決するためになされた本考案の耐雷ホーンの故障表示器は、地 絡時の事故電流を検出する判別回路と、該判別回路の出力により発熱する面ヒー タと、該面ヒータの発熱により変色して故障の発生を表示する表示部材を設けた ことを特徴とするものである。

【０００６】

【作用】

このように構成されたものは、耐雷ホーンの近傍に取り付けられ落雷等の事故 により発生した耐雷ホーンの故障を表示部材によって表示するものである点は従 来のこの種耐雷ホーンの故障表示器と同様であるが、面ヒータの発熱により変色 して故障の発生を表示する表示部材を設けたものとしたので、表示板駆動のため の空間部を必要とせず装置全体のソリッド化が可能となる。この結果、確実な気 密状態が保持されて長期間にわたって優れた信頼性を発揮することとなる。また 、表示板駆動のための特別な回路装置も不要であるため装置全体が簡素化され、 小型かつ軽量化が可能となる。

【０００７】

【実施例】

次に、本考案を図示の実施例について詳細に説明する。 図面は鉄塔側より地絡電流を検出して耐雷ホーンの故障を表示する場合の一例 を示すものであって、図中１はアーム主体、２は該アーム主体１に巻装される取 付バンドを兼ねた鉄心、３は該鉄心２に巻装されるコイル、４は発生した地絡電 流を検出するサイクル数カウンターからなる判別回路、５はスイッチ、６は該ス イッチ５の起動により発熱する面ヒータ、７は該面ヒータ６の発熱により変色し て故障の発生を表示する市販の不可逆性示温シート材からなる表示部材、８は面 ヒータ６を加熱するための１次電池である。

【０００８】 なお前記の各部品は図２に示されるように、表示部材７が前面側となるよう透 明なアクリル製のケース９内に収納されているとともに、内部には例えばＲＴＶ シリコン等の充填材が空間部を全て埋め尽くすようモールドしたうえで密封され ており、長期間にわたって完全な気密性と耐候性等を発揮できるよう構成されて いる。

【０００９】 以上のように構成された耐雷ホーンの故障表示器は、図３に示されるように避 雷碍子10の近傍に取り付けられ、落雷等の事故により発生した耐雷ホーンの故障 発生を最終的には表示部材７の変色によって表示するものである。以下、その作 動について説明する。 例えば、落雷等の事故により避雷碍子10が破損すると地絡電流がアーム主体１ に流れる。すると、取付バンドを兼ねた鉄心２に電磁誘導作用により磁束が誘起 され、該鉄心２に巻装したコイル３に電磁誘導作用により電流が誘導される。こ の電流は判別回路４によって地絡電流として検出された後、該判別回路４の出力 によってスイッチ５が起動される。すると、面ヒータ６が１次電池８により急激 に加熱されて発熱し、この発熱によって不可逆性示温シート材からなる表示部材 ７が変色を呈することとなる。また、この表示部材７の変色は不可逆性であり一 旦変色後はそのままの色状態を維持するため、外部から耐雷ホーンの故障発生を 容易に見つけ出すことができるものである。

【００１０】 以上のように本考案においては、面ヒータ６の発熱により変色して故障の発生 を表示する表示部材７を設けたものとしたので、表示板駆動のための空間部を必 要とせず装置全体のソリッド化が可能となり、この結果、確実な気密状態が保持 されて長期間にわたって優れた信頼性を発揮することとなる。また、表示板駆動 のための特別な回路も不要であるため装置全体が簡素化され、小型かつ軽量化が 可能となる。

【００１１】

【考案の効果】

以上の説明からも明らかなように、本考案は小型かつ取り付けが容易でしかも 長期間にわたって優れた信頼性を発揮することができ、また製造コストも極めて 低廉なものとすることができるものである。 よって本考案は従来の問題点を一掃した耐雷ホーンの故障表示器として、その 実用的価値は極めて大きいものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示す回路図である。

【図２】本考案の実施例のアーム主体への取り付け状態
を示す斜視図である。

【図３】本考案の実施例に係る故障表示器を取り付けた
避雷碍子全体を示す正面図である。

【符号の説明】

４ 判別回路 ６ 面ヒータ ７ 表示部材

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 地絡時の事故電流を検出する判別回路
   と、該判別回路の出力により発熱する面ヒータと、該面
   ヒータの発熱により変色して故障の発生を表示する表示
   部材を設けたことを特徴とする耐雷ホーンの故障表示
   器。