JPH0674402A

JPH0674402A - 蒸気発生方法及びその装置

Info

Publication number: JPH0674402A
Application number: JP18284193A
Authority: JP
Inventors: Hidemi Tsutsumi; 堤秀美; Yosuke Nakano; 中野要介
Original assignee: Mitsui Mining Co Ltd
Current assignee: Mitsui Mining Co Ltd
Priority date: 1993-07-23
Filing date: 1993-07-23
Publication date: 1994-03-15
Anticipated expiration: 2014-08-25
Also published as: JP2940847B2

Abstract

(57)【要約】【目的】小型のボイラーを使用することなく、蒸気を
発生することができる蒸気発生方法及びその装置を提供
することにある。【構成】密封されるとともに、熱水供給口、空気取入
口、排出口及び蒸気排出口が開口している本体の内部
に、熱水を受け取って分散させる熱水分散部材と、大き
な表面積を有する流下構造物とを具え、４０〜１００℃
の熱水を、前記熱水供給口から本体の内部の前記熱水分
散部材に供給し、分散させた後、該熱水を前記流下構造
物に流下させることにより蒸気を発生させ、該蒸気を、
前記空気取入口からの空気とともに前記蒸気排出口から
排出させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は熱水から蒸気を発生さ
せる蒸気発生方法及びその装置に関し、特に、浴室等の
区画された室内を高温及び／又は高湿とするために用い
られる蒸気発生方法及びその装置に関するものでもあ
る。

【０００２】

【従来の技術及びその課題】従来、浴室等の区画された
室内の温度を上昇させたり、あるいはサウナ等に使用す
る目的のために蒸気を使用する場合があり、この場合、
使用する蒸気は１００℃未満の比較的に低温のもので良
いが簡単な設備から容易に得られることが望ましい。し
かし、一般的には小型のボイラーを蒸気発生装置として
使用したものが用いられている。

【０００３】そして、上記の小型ボイラーを使用した蒸
気発生装置にあたっては、加熱源及び沸騰域を有する構
造のために、種々の安全装置、制御設備等を必要とし、
このために、装置の保守、管理等に人手を要し、製造コ
ストも高く、一般家庭で使用するには問題があった。

【０００４】この発明の目的は、前記のような従来技術
の問題点を解決し、蒸気発生装置としてのボイラーを設
置することなく、通常の家庭用給湯器などで使用してい
る比較的低温の熱水を用いることにより、保守管理も容
易で手軽に蒸気を発生させることができる蒸気発生方法
及びその装置を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明者らは、設置や取
扱いが容易な蒸気発生方法及びその装置について、鋭意
検討の結果、気液接触構造を有し密封された本体内に比
較的低温の熱水を供給し、蒸気を発生させ、発生した蒸
気と空気との混合流を室内に排出させることにより、前
記目的が達成できることを見出し、本発明を完成した。

【０００６】即ち、この発明の蒸気発生方法の一つは、
前記の目的を達成するために、密封されるとともに、熱
水供給口、空気取入口、排出口及び蒸気排出口が開口し
ている本体の内部に、熱水を受け取って分散させる熱水
分散部材と、大きな表面積を有する流下構造物とを具
え、４０〜１００℃の熱水を、前記熱水供給口から本体
の内部の前記熱水分散部材に供給し、分散させた後、該
熱水を前記流下構造物に流下させることにより蒸気を発
生させ、該蒸気を、前記空気取入口からの空気とともに
前記蒸気排出口から排出させる構成を有し、また、この
発明の蒸気発生装置の一つは、前記の目的を達成するた
めに、密封されるとともに、熱水供給口、空気取入口、
排出口及び蒸気排出口が開口している本体の内部に、前
記熱水供給口からの熱水を受け取って分散させる熱水部
材と、この熱水を流下させるとともに、大きな表面積を
有する流下構造物とを具えた構成を有している。

【０００７】前記流下構造物の例としては、互いに逆方
向の傾斜状態で、かつ、順次上下の位置に設けられた、
例えば、熱水が流下する底面は凹凸状に形成されている
複数の流下板よりなる構造物、複数の細線、フィン管、
薄板、網状体を組合せた構造物、並びに、粒状、ラシヒ
リング状、サドル状及びポーリング状など種々の形状の
プラスチックやセラミック等の充填物を層状に積層した
構造物などがあげられる。

【０００８】なお、流下構造物は、これらの例示に限定
されるものではなく、表面積即ち流下する熱水の蒸発面
積が大きいものであれば特に制限されず、設計条件に応
じて適当な形状のものを選べばよい。更に、これらの流
下構造物を構成する材料としては、供給される熱水のエ
ネルギーの損失を少なくするため、熱容量の小さい材料
が好ましく、また、これらの流下構造物の表面物性とし
ては、熱水と空気との接触面積を大きくするため、濡れ
性の高い表面物性が好ましいことは勿論である。

【０００９】また、この発明のもう一つの蒸気発生方法
は、前記の目的を達成するために、密封されるととも
に、熱水供給口、空気取入口、排出口及び蒸気排出口が
開口している本体の内部に、熱水を受け取って噴出させ
る熱水ノズルを具え、４０〜１００℃の熱水を、前記熱
水供給口から本体の内部の前記熱水ノズルに供給し、噴
出させることにより蒸気を発生させ、該蒸気を、前記空
気取入口からの空気とともに前記蒸気排出口から排出さ
せる構成を有し、また、この発明のもう一つの蒸気発生
装置は、密封されるとともに、熱水供給口、空気取入
口、排出口及び蒸気排出口が開口している本体の内部
に、前記熱水供給口からの熱水を受け取って噴出する熱
水ノズルを具えた構成を有している。

【００１０】前記熱水噴出ノズルは、前記本体の内部上
部に設けられて、熱水を下向きに噴出するようになって
いたり、前記本体の内部下部に設けられて、熱水を上向
きに噴出するようになっていたりする。これらの蒸気発
生装置において、流下構造物の表面から発生した蒸気又
は本体内に噴霧された熱水から発生した蒸気は、空気取
入口からの空気とともに自然対流により蒸気排出口から
排出されるが、本体内部の適当な位置、例えば蒸気排出
口の近傍にファンを取付けることによって蒸気の発生速
度を速めることもできる。

【００１１】

【作用】この発明は前記の構成を有しているので、本体
の内部に設けられた蒸発面積を大きくした流下構造物が
熱水供給口を介して熱水供給部材から供給された熱水か
ら大量の蒸気を発生し、この蒸気が空気取入口から取入
れられた空気とともに蒸気排出口を介して本体の外部に
排出されるので、大量の蒸気を得ることができ、また、
温水となったものは排出口を介して本体の外部に排出さ
れる。

【００１２】また、本体の内部に熱水噴出ノズルを配設
したので、この噴出ノズルから噴出した熱水からは大量
の蒸気が発生し、この蒸気が空気取入口から取入れられ
た空気とともに蒸気排出口を介して本体の外部に排出さ
れるので、大量の蒸気を得ることができ、また、温水と
なったものは排出口を介して本体の外部に排出されるこ
とになる。

【００１３】この発明の蒸気発生方法及びその装置にお
いて、操作上及び装置上の諸条件例えば供給される熱水
の温度、熱水供給量及び流下構造物の蒸発面積などにつ
いては、それぞれの条件に合わせ適宜調整すればよい
が、一例として次のような条件の組合せがある。

【００１４】供給される熱水の温度については、室内容
積１〜１０ｍ3 に対して、４０〜１００℃であればよい
が、室内を早急に蒸気サウナ雰囲気即ち発汗雰囲気にす
るためには、４５℃以上であることが好ましい。同様
に、熱水供給量及び流下構造物の蒸発面積については、
それぞれ１〜２０リットル／ｍｉｎ及び０．５〜１０ｍ
2 にするのが好ましく、それぞれ下限値未満では、早急
には蒸気サウナ雰囲気即ち発汗雰囲気が得られず、上限
値を超えると、熱水の利用効率が低下したり、過剰設備
になったりして好ましくない。

【００１５】この発明の蒸気発生方法及びその装置は、
前記のような作用を有しており、１００℃未満の比較的
低温の熱水を効率よく利用することができ、従来のボイ
ラーを使用した蒸気発生装置の場合のような過熱防止等
のための諸設備を必要とせず、そのため、装置、操作と
もに簡易になり、かつ安全である。また、この発明の蒸
気発生方法及びその装置において、蒸気発生量や温度
は、熱水供給量を制御する制御装置を組合せることによ
り、調整が容易となり、より便利なものとなる。

【００１６】

【実施例】以下、図面に示すこの発明の実施例について
説明する。この発明の蒸気発生方法及びその装置は、こ
れらの実施例に限定されるものではなく、外界の条件、
使用者の体質及び設定場所の浴室等の条件に合わせ、適
宜、熱水の温度や流量、装置本体や構造物の形状、並び
に、配管及び制御装置の組込み位置等を設定することが
できる。

【００１７】（実施例１）この発明による第１の実施例
が図１に示されている。この蒸気発生装置は、本体１の
頂部に設けた熱水供給口２と、この熱水供給口２に接続
されて熱水を分散流下させる熱水分散部材３と、この熱
水分散部材３からの分散熱水を受け取って順次逆方向に
流下させて本体１の下部まで導く複数の傾斜流下板４、
４、……及びこれら複数の傾斜流下板４、４、……を本
体１の内部に固定するための４本の脚柱５、……からな
る流下構造物６と、前記本体１の側壁下部に設けた空気
取入口７と、最下部の傾斜流下板４から流下する温水を
溜める温水溜８と、この温水溜８から外部に温水を排出
する排出口９と、発生されて空気上昇流とともに上昇す
る蒸気を本体１の外部に排出させるために、本体１の側
壁上部に設けた蒸気排出口１０に近接して本体１の上部
に設けたファン１２とから構成されている。

【００１８】前記熱水分散部材３は、熱水が均一に分散
されるように図２に示すように多数の孔が穿設された配
管を有している。前記傾斜流下板４は、その形状を図３
〜図７に示すように底面１３の上辺及び両辺の３辺に起
立部１４を設け、起立部１４が設けられていない一辺は
その両側に垂下部１５が設けられ、更に、前記垂下部１
５が設けられた一辺の近傍の前記起立部１４は切欠され
ている。

【００１９】この傾斜流下板４は順次上から互いに逆方
向に傾斜させてそれぞれの上辺が脚柱５に固定され、上
位の傾斜流下板４の垂下部１５は下位の傾斜流下板４の
底面１３に当接保持されて相互の傾斜流下板４が所定の
間隔をおいて保持されている。なお、各傾斜流下板４の
起立部１４の幅を垂下部１５の幅よりも大きくすること
で上位の傾斜流下板４の下部の下位の傾斜流下板４の上
部に確実に保持させることができる。

【００２０】そして、前記傾斜流下板４の底面１３は、
図３〜図７に示すように種々の形状とすることができる
ものである。即ち、図３に示すものは平滑状、図４に示
すものは波形状、図５に示すものは凸状、図６に示すも
のは堰形状、図７に示すものは溝形状である。なお、前
記傾斜流下板４の寸法は、本体１の各側壁との間に蒸気
の上昇を可能とする間隔を保持する大きさとする。

【００２１】また、発生した蒸気と空気取入口７及び前
記蒸気排出口１０を筒状にしたが、これに限定すること
なく矩形状の開口部であっても良いことは勿論である。
そして、横幅４００ｍｍ×縦長５００ｍｍの平滑状の傾
斜流下板４を用いた蒸気発生装置にあっては、７３．９
℃の熱水を４．５リットル／分の流量で前記熱水供給口
２から供給し、得られた蒸気と空気との混合液（約５０
℃）を上部に設けたファン１２によって蒸気排出口１０
から排出し、３．５ｍ3 の室内に導いた。

【００２２】その結果、外気及び室内温度がともに２０
℃であったが室内温度を４５℃とするまでに要した時間
は１７．７分であった。その後、室内温度に応じて流量
を制御した熱水を断続的に供給して室内を温度４５℃、
湿度１００％の蒸気サウナ雰囲気即ち発汗雰囲気に保持
することができた。

【００２３】（実施例２）この発明による第２の実施例
が図８に示されている。この蒸気発生装置は、本体１の
頂部に設けた熱水供給口２と、この熱水供給口２からの
熱水を分散させるために多数の小孔を穿設した分散板２
１を本体１の上部に設けて形成した熱水分散部材３と、
この熱水分散部材３の下部に設けられ、上端を盲にした
多数のフィン管２２を、本体１の上部及び下部に縦横方
向に組んで設けたフレーム２３との間に縦方向に並列に
固定した多数のフィン管２２からなる流下構造物６と、
本体１の側壁下部に設けた空気取入口７と、本体１の下
部に設けた温水溜８と、この温水溜８から温水を排出す
る排出口９と、発生した蒸気と空気取入口７から取入れ
た空気との上昇混合流を本体１の外部に排出するために
本体１の側壁のうちの分散板２１の下の部分に設けた蒸
気排出口１０と、前記混合流を強制的に本体１の外部に
排出するためのファン（図示せず）とから構成されてい
る。

【００２４】また、フィン管２２は、その内部を中空に
して、フィン管内に熱水を通しても良いし、フィン管２
２群の軸方向は、発生した蒸気と空気取入口７から取入
れた空気との上昇混合流の流れ方向に対して、平行方向
即ち縦に並列、垂直方向即ち横に並列などの種々の方向
をとることができる。

【００２５】前記フィン管２２からなる流下構造物６に
は、その構造を図９〜図１３に示すようにフィン管２２
及びそのフィン管２２の軸に対して垂直又は水平な平面
からなる複数のフィン２４が設けられている。

【００２６】そして、前記フィン管２２からなる流下構
造物６は、その構造を図９〜図１３に示すように種々の
構造とすることができるものである。即ち、図９に示す
ものは、フィン２４の面方向が、フィン管２２の軸に対
して垂直な平面からなり、フィン管２２群を縦に並列と
したものであり、フィン管２２は内部に熱水が流れて
も、あるいは、盲栓を設けて熱水が流れないようにして
も良いものである。

【００２７】図１０に示す流下構造物６は図９に示すも
のと同様に、フィン２４の面方向が、フィン管２２の軸
に対して垂直な平面からなり、フィン管２２群を縦に並
列とし、更にフィン管２２内の熱水の流れが縦方向に往
復しながら温水溜８に向うようにしたものである。

【００２８】図１１に示す流下構造物６は、フィン２４
の面方向が、フィン管２２の軸に対して垂直な平面から
なり、フィン管２２群を横に並列とし、更にフィン管２
２の内部を流れる熱水の流れが横方向に往復しながら温
水溜８に向うようにしたものである。

【００２９】図１２（ａ）（ｂ）に示す流下構造物６
は、フィン２４の面方向が、フィン管２２の軸に対して
平行な平面からなり、フィン管２２群を縦に並列とし、
更にフィン管２２の内部を流れる熱水の流れが縦方向に
往復しながら温水溜８に向うようにしたものである。

【００３０】図１３に示す流下構造物６は、フィン２４
の面方向が、フィン管２２の軸に対して垂直な平面で、
各フィン２４の面が全てのフィン管２２と直交している
広い平面からなり、フィン管２２群を横に並列とし、更
にフィン管２２の内部を流れる熱水の流れが横方向に往
復しながら温水溜８に向うようにしたものである。

【００３１】以上のように、これらのフィン管２２から
なる流下構造物６は、その構造を図９〜図１３に示すよ
うに種々の構造とすることができるが、この第２の実施
例としては、図９の構造の場合について説明する。な
お、四隅に位置するフィン管２２の長さは本体１の底部
に当接する長さとして流下構造物６の安定を図ってい
る。

【００３２】そして、管径１０ｍｍ、フィン径１６ｍ
ｍ、フィンの間隔２５ｍｍ、長さ１ｍのフィン管を横６
列、奥行４列の計２４本（総面積約１．５ｍ2 ）を組合
せて構成した流下構造物６を設けたものに７３．９℃の
熱水を４．８リットル／分の流量で導入し、得られた蒸
気と空気との混合流（約５０℃）をファンにより蒸気排
出口１０から排出し、３．５ｍ3 の室に導いた結果、外
気及び室内温度を２２．５℃から室内温度を４５℃とす
るまでに要した時間は１０．８分であった。その後、熱
水を断続的に供給して室内温度４５℃、湿度１００％の
蒸気サウナ雰囲気即ち発汗雰囲気に保持することができ
た。

【００３３】（実施例３）この発明による第３の実施例
が図１４に示されている。この蒸気発生装置は、細長い
本体１の頂部に設けた熱水供給口２と、この熱水供給口
２に接続されて本体１の上部に位置するとともに、多数
の小孔が穿設されて熱水を分散する熱水分散部材３と、
本体１の下部に設けた支持網２５の上部に支持されてい
る充填物２６からなる流下構造物６と、前記支持網２５
よりも下方の本体１の側壁の部分に設けた空気取入口７
と、流下構造物６の内部を分散流下した温水を溜める温
水溜８と、この温水溜８の温水を外部に排出する排出口
９と、発生した蒸気と空気取入口７からの空気との上昇
混合流を本体１の外部に排出するために、本体１の側壁
の上部に設けた蒸気排出口１０と、前記混合流を強制的
に本体１の外部に排出するためのファン（図示せず）と
から構成されている。

【００３４】前記充填物２６は、直径２ｍｍのプラスチ
ックの線条をコイル状とし、積み重ねて立体網状体とし
た充填物を、幅６００ｍｍ、厚さ３５ｍｍ、高さ１．１
ｍとして形成した。なお、前記充填物２６としては熱水
によって変形しないものが用いられ、線条の立体網状
体、粒状、球状、ラシヒリング状、サドル状、ポーリン
グ状などの種々の形状のものが用いられる。更に、前記
空気取入口７と、蒸気排出口１０とを同一側壁に形成し
たが、互いに対向する側壁に形成してもよい。

【００３５】上記のように構成したものに、７３．９℃
の熱水を４．７リットル／分の流量で導入し、得られた
蒸気と空気との上昇混合流（約５０℃）をファンにより
蒸気排出口１０から排出し、３．５ｍ3 の室内に導いた
結果、外気及び室内温度１９℃から室内温度４５℃にな
るまでに要した時間は８．５分であった。その後、室内
温度に応じて流量を制御した熱水を断続的に供給して室
内温度を４５℃、湿度１００％の蒸気サウナ雰囲気即ち
発汗雰囲気に保持することができた。

【００３６】（実施例４）この発明による第４の実施例
が図１５に示されている。この蒸気発生装置は、円筒形
状の本体１の頂部に設けた熱水供給口２と、この熱水供
給口２に接続されて熱水を分散又は噴霧する熱水噴出ノ
ズル３０と、本体１の側壁下部に設けた空気取入口７
と、熱水噴出ノズル３０より分散又は噴霧された熱水が
本体１の側壁及び内部空間を流下する過程で蒸気を発生
させた後の温水を溜める温水溜８と、温水を温水溜８か
ら外部に排出する排出口９と、発生した蒸気と空気取入
口７からの空気との上昇混合流を本体１の外部に排出す
るために本体１の側壁上部に設けた蒸気排出口１０と、
この蒸気排出口１０に近接した本体１の上部に設けら
れ、前記上昇混合流を強制的に本体１の外部に排出する
ためのファン１２とから構成されている。

【００３７】そして、前記本体１を、直径２５０ｍｍ、
高さ１９００ｍｍの大きさとし、本体１の頂部に設けた
熱水噴出ノズル３０に７３．９℃の熱水を２．３リット
ル／分の流量で導入し、得られた蒸気と空気との上昇混
合流（約５０℃）をファン１２によって蒸気排出口１０
から排出し、３．５ｍ3 の室に導いた結果、外気及び室
内温度が２０℃から室内温度４５℃になるまでに要した
時間は１２分であった。

【００３８】その後、室内温度に応じて流量を制御した
熱水を断続的に供給して室内温度４５℃湿度１００％の
蒸気サウナ雰囲気即ち発汗雰囲気に保持することができ
た。なお、図面では空気取入口７及び蒸気排出口１０を
筒状に形成したものを示したが、これに限定することな
く矩形状の開口部で形成しても良いものである。

【００３９】（実施例５）この発明の第５の実施例が図
１６に示されている。この蒸気発生装置は、円筒形状の
本体１の側壁下部に設けられた熱水供給口２と接続され
て熱水を分散又は噴霧するとともに、本体１の下部中央
部に位置する熱水噴出ノズル３０と、本体１の側壁下部
に設けられた空気取入口７と、熱水噴出ノズル３０より
分散又は噴霧された熱水が本体１の側壁及び内部空間を
流下する過程で蒸気を発生させた後の温水を溜めるため
に、前記熱水噴出ノズル３０の下部の前記本体１の内部
で形成された温水溜８と、温水を温水溜８から外部に排
出するために本体１の側壁下部に設けた蒸気排出口９
と、発生した蒸気と空気取入口７からの空気との上昇混
合流を本体１の外部に排出するために本体１の側壁上部
に設けた蒸気排出口１０と、この蒸気排出口１０に近接
した本体１の上部域に設けられて、前記上昇混合流を強
制的に本体１の外部に排出するためのファン１２とから
構成されている。

【００４０】そして、前記本体１を、直径２５０ｍｍ、
高さ１９００ｍｍの大きさとし、本体１の下部に設けた
熱水噴出ノズル３０に７３．９℃の熱水を２．３リット
ル／分の流量で導入し、得られた蒸気と空気との上昇混
合流（約５０℃）をファン１２によって蒸気排出口１０
から排出し、３．５ｍ3 の室に導いた結果、外気及び室
内温度が２０℃から室内温度４５℃になるまでに要した
時間は１２分であった。

【００４１】その後、室内温度に応じて流量を制御した
熱水を断続的に供給して室内温度４５℃、湿度１００％
の蒸気サウナ雰囲気即ち発汗雰囲気に保持することがで
きた。なお、図面では空気取入口７及び蒸気排出口１０
を筒状に形成したものを示したが、これに限定すること
なく矩形状の開口部で形成しても良いものである。

【００４２】（比較例１〜５）つぎに、前記第１〜第５
の実施例において熱水の温度を３０℃にして行った比較
例について説明する。前記第１〜第５の実施例に示すも
のにそれぞれ３０℃の熱水を供給した場合に、それぞれ
始めに、２０℃、２２．５℃、１９℃、２０℃及び２０
℃であった室内温度は、２時間経っても２５℃にも達せ
ず、蒸気サウナ雰囲気、即ち発汗雰囲気は得られなかっ
た。

【００４３】（比較例６〜１０）ボイラーを設置し、こ
のボイラーからの１２０℃の熱水を、それぞれ前記第１
〜第５の実施例に示すものに供給したが、何れの場合
も、熱水供給配管や蒸気発生装置本体の連結部や接合部
などに熱水や蒸気の漏れが生じ、ボイラーの設置費用ば
かりでなく、熱水供給配管や蒸気発生装置本体の補強工
事など多額の設備費及び保守管理費を要した。

【００４４】

【発明の効果】この発明は前記のように構成したことに
より、従来のボイラーを使用した蒸気発生方法及び装置
と比較して、ボイラーからの高温高圧の熱水や蒸気を使
用することがなく、一般の温水器等で得られる１００℃
未満の熱水を使用するので、装置の面では、著しく簡易
となり、操作の面では、運転の開始、停止が簡単で、取
扱いも極めて容易、かつ、安全であり、低コストの蒸気
を大量に発生させることができ、装置、操作のどちらの
面からも非常に経済的である。従って、低コストで、浴
室等に設置し、室内の昇温又はサウナ雰囲気の調整等に
利用できるという効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の第１の実施例を示す概略断面図であ
る。

【図２】熱水分散部材を示す概略図である。

【図３】図１に示したものに使用できる傾斜流下板の変
形例を示す概略図である。

【図４】図１に示したものに使用できる傾斜流下板の変
形例を示す概略図である。

【図５】図１に示したものに使用できる傾斜流下板の変
形例を示す概略図である。

【図６】図１に示したものに使用できる傾斜流下板の変
形例を示す概略図である。

【図７】図１に示したものに使用できる傾斜流下板の変
形例を示す概略図である。

【図８】この発明の第２の実施例を示す概略断面図であ
る。

【図９】図８に示したものに使用できるフィン管からな
る流下構造物の変形例を示す概略図である。

【図１０】図８に示したものに使用できるフィン管から
なる流下構造物の変形例を示す概略図である。

【図１１】図８に示したものに使用できるフィン管から
なる流下構造物の変形例を示す概略図である。

【図１２】（ａ）は図８に示したものに使用できるフィ
ン管からなる流下構造物の変形例を示す概略図、（ｂ）
は（ａ）の 1− 1線に沿ってみた断面図である。

【図１３】図８に示したものに使用できるフィン管から
なる流下構造物の変形例を示す概略図である。

【図１４】この発明の第３の実施例を示す概略断面図で
ある。

【図１５】この発明の第４の実施例を示す概略断面図で
ある。

【図１６】この発明の第５の実施例を示す概略断面図で
ある。

【符号の説明】

１……本体２……熱水供給口３……熱水分散部材４……傾斜流下板５……脚柱６……流下構造物７……空気取入口８……温水溜９……排出口１０……蒸気排出口１２……ファン１３……底面１４……起立部１５……垂下部２１……分散板２２……フィン管２３……フレーム２４……フィン２５……支持網２６……充填物３０……熱水噴出ノズル

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】密封されるとともに、熱水供給口、空気
取入口、排出口及び蒸気排出口が開口している本体の内
部に、熱水を受け取って分散させる熱水分散部材と、大
きな表面積を有する流下構造物とを具え、４０〜１００
℃の熱水を、前記熱水供給口から本体の内部の前記熱水
分散部材に供給し、分散させた後、該熱水を前記流下構
造物に流下させることにより蒸気を発生させ、該蒸気
を、前記空気取入口からの空気とともに前記蒸気排出口
から排出させることを特徴とする蒸気発生方法。
【請求項２】密封されるとともに、熱水供給口、空気
取入口、排出口及び蒸気排出口が開口している本体の内
部に、熱水を受け取って噴出させる熱水ノズルを具え、
４０〜１００℃の熱水を、前記熱水供給口から本体の内
部の前記熱水ノズルに供給し、噴出させることにより蒸
気を発生させ、該蒸気を、前記空気取入口からの空気と
ともに前記蒸気排出口から排出させることを特徴とする
蒸気発生方法。
【請求項３】密封されるとともに、熱水供給口、空気
取入口、排出口及び蒸気排出口が開口している本体の内
部に、前記熱水供給口からの熱水を受け取って分散させ
る熱水分散部材と、この熱水を流下させるとともに、大
きな表面積を有する流下構造物とを具えたことを特徴と
する蒸気発生装置。
【請求項４】密封されるとともに、熱水供給口、空気
取入口、排出口及び蒸気排出口が開口している本体の内
部に、前記熱水供給口からの熱水を受け取って噴出する
熱水ノズルを具えたことを特徴とする蒸気発生装置。