JPH0674302B2 - ポリエステル繊維の耐久親水加工方法 - Google Patents

ポリエステル繊維の耐久親水加工方法

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JPH0674302B2
JPH0674302B2 JP60041546A JP4154685A JPH0674302B2 JP H0674302 B2 JPH0674302 B2 JP H0674302B2 JP 60041546 A JP60041546 A JP 60041546A JP 4154685 A JP4154685 A JP 4154685A JP H0674302 B2 JPH0674302 B2 JP H0674302B2
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【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明はポリエステル繊維の耐久親水加工方法に関す
る。
ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレ
ートを主材とするポリエステル繊維が広く利用されてい
る。ところが、該ポリエステル繊維はもともと他物質と
の反応性が低く、また表面活性が低くて、疎水性である
という難点を有する。そこで、ポリエステル繊維に親水
性を付与するため、その表面自体を直接改質し、或はそ
の表面に改質用の組成物を塗布して該表面を間接改質す
ることが行なわれている。
本発明はポリエステル繊維の表面に特定の水系組成物を
塗布して該表面を間接改質することにより該ポリエステ
ル繊維に耐久性を有する親水性を付与する方法に関する
ものである。
<従来の技術、その問題点> 従来、ポリエステル繊維に親水性を付与する方法とし
て、ビニルモノマーによるグラフト反応を利用した方法
が多く提案されている。例えば、ポリエステル繊維をビ
ニルモノマーを含有する液中に浸漬してその表面をグラ
フト化し、その表面自体を直接改質して、親水性を付与
する方法である。しかし、これらの従来法は、ポリエス
テル繊維の表面自体を直接改質するものであるため、ポ
リエステル繊維の本来的物性を損なうことが避けられ
ず、また必要の都度、ポリエステル繊維に相応する厄介
な改質操作を強いられ、汎用性に欠けるという問題点が
ある。
また従来、ポリエステル繊維に親水性を付与する方法と
して、変性ポリエステルを使用する方法がある。この従
来法は、例えば分子内に活性官能基を導入した変性ポリ
エステルをポリエステル繊維の表面に塗布してその表面
を間接改質する方法であり、ポリエステル繊維の本来的
物性を損なうことがなく、また改質操作それ自体は比較
的簡単で汎用性を有するという利点がある。しかし、こ
の従来法では、分子内に活性官能基を導入しようとして
も、その変性ポリエステルが高温の重縮合反応を経て製
造されるため、活性官能基の適圧導入が誠に困難であ
り、したがって製造された変性ポリエステルを塗布して
もそれがポリエステル繊維の所望通りの親水性、とりわ
け耐久性を有する親水性を付与できないというのが実情
である。
<発明が解決しようとする問題点、その解決手段> 本発明は、叙上の如き従来の問題点を解決する、ポリエ
ステル繊維の耐久親水加工方法を提供するものである。
しかして本発明者らは、ポリエステル繊維に塗布してそ
の表面を間接改善することにより該表面に耐久性を有す
る親水性を付与する方法について鋭意研究した結果、特
定のグラフト化ポリエーテルエステル又はその塩基性化
合物との塩と特定の架橋剤とを所定割合で水系に溶解乃
至分散した水系組成物をポリエステル繊維に所定量付着
させるのが正しく好適であることを見出した。
すなわち本発明は、下記のA成分とB成分とをA成分10
0重量部に対しB成分5〜10重量部の割合で水系に溶解
乃至分散した水系組成物を、ポリエステル繊維に対し固
形分として0.1〜2.0重量%付着させることを特徴とする
ポリエステル繊維の耐久親水加工方法と、上記のように
水系組成物をポリエステル繊維に付着させた後、乾燥
し、引き続き100〜150℃で熱セットすることを特徴とす
るポリエステル繊維の耐久親水加工方法と係る。
A成分:芳香族二塩基酸若しくは飽和脂肪族二塩基酸又
はこれらのエステル形成性誘導体、グリコール、及びポ
リアルキレングリコール類を主たる単量体成分として合
成されるポリエーテルエステルの水系分散液或は水系溶
液に、水溶性ラジカル重合開始剤の存在下、アクリル酸
をグラフト反応させて得られるグラフト率20〜100%の
グラフト化ポリエーテルエステル又はその塩基性化合物
との塩 B成分:メラミンのホルムアルデヒド付加物 本発明のA成分において、ポリエーテルエステルを得る
のに用いる芳香族二塩基酸には置換基を有しないものと
スルホン基の如き置換基を有するものとが包含される。
かかる芳香族二塩基酸としては、テレフタル酸、、イソ
フタル酸、オルソフタル酸、2.6−ナフタレンジカルボ
ン酸、5−スルホイソフタル酸ナトリウム、スルホテレ
フタル酸ナトリウム、4−スルホナフタレン−2,7−ジ
カルボン酸ナトリウム等がある。また飽和脂肪族二塩基
酸としては、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸等
がある。以上のような芳香族二塩基酸若しくは飽和脂肪
族二塩基酸の代わりに、これらのメチルエステルやエチ
レングリコールエステル等の如きエステル形成性誘導体
を用いることもできる。
また本発明のA成分において、ポリエーテルエステルを
得るのに用いるグリコールとしては、1)エチレングリ
コール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロバンジ
オール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等
の脂肪族ジオール類、2)ジエチレングリコール、トリ
エチレンングリコール、ジプロピレングリコール等のエ
ーテルグリコール類、3)シクロヘキサンジメタノール
等の脂環族グリコール類、4)2,2′−[ビス(4−ヒ
ドロキシエトキシフェニル)]プロパン等の芳香族ジオ
ール類がある。
更に本発明のA成分において、ポリエーテルエステルを
得るのに用いるポリアルキレングリコール類としては、
ポリエチレングリコール、ポロプロピレングリコール、
ポリテトラメチレングリコール、これらにエチレンオキ
サイドやプロピレンオキサイドをブロツク或いはランダ
ムで共重合させた誘導体、1,4−ブタンジオールや1,6−
ヘキサンジオール更にはビスフェノールAや第一級アル
キルアミン等の二官能性化合物にエチレンオキサイドや
プロピレンオキサイドを単独或いは混合(ブロツク又は
ランダム)付加した誘導体がある。また、メタノール、
エタノール、ブタノール、2−エチルヘキサノール、フ
ェノール、アルキルフェノール等の一価アルコールやフ
ェノールにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイド
を付加した片末端封鎖の誘導体でもよい。これらは、一
種或いは二種以上を併用することができるが、該ポリア
ルキレングリコール類の分子量はその重縮合反応性から
6000以下のものが好ましい。
本発明のA成分において、ポリエーテルエステルは、以
上例示したような、1)芳香族二塩基酸若しくは飽和脂
肪族二塩基酸又はこれらのエステル形成性誘導体と、
2)グリコールと、3)ポリアルキレングリコール類と
を主たる単量体成分として合成されるもので、該ポリア
ルキレングリコール類の含有量は通常5〜85重量%の範
囲で目的に応じ適宜に選ぶことができるが、40〜85重量
%の範囲とするのが好ましい。
本発明のA成分は上記ポリエーテルエステルの水系分散
液或は水系溶液に、水溶性ラジカル重合開始剤の存在
下、アクリル酸をグラフト反応させて得られる、グラフ
ト率20〜100%のグラフト化ポリエーテルエステル又は
その塩基性化合物との塩である。
ポリエーテルエステルにアクリル酸をグラフト反応させ
る際に用いる水溶性ラジカル重合開始剤としては、過硫
酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過酸化水素等の水溶
性過酸化物がある。これらは亜硫酸塩やL−アスコビン
酸の如き還元性物質更にはアミン等と組み合わせ、レド
ックス開始剤として用いることもできる。また、硝酸第
二セリウムアンモニウム、硫酸第二セリウムアンモニウ
ム等の強酸化剤としての第二セリウム塩触媒等を用いて
もよい。これら水溶性ラジカル重合開始剤の最適使用量
は、水溶性ラジカル重合開始剤やポリエーテルエステル
の種類により異なるが、例えば過硫酸アンモニウムを用
いる場合には、ポリエーテルエステルに対して0.2〜3
重量%の範囲とするのが好ましい。
グラフト反応は、ポリエーテルエステルを、そのまま直
接或いは界面活性剤等の乳化補助剤を用い、水系に分散
又は溶解せしめ、水溶性ラジカル重合開始剤の存在下、
アクリル酸と接触反応させることにより行なう。この際
の分散或いは溶解方法について本発明は何ら制限するも
のではなく、例えばホモミキサーやホモジナイザー等に
よってポリエーテルエステルを水系に直接分散或いは溶
解してもよいし、ポリエーテルエステルを有機溶媒溶液
とした後に水で置換して水系分散液或いは水系溶液とし
てもよく、公知の手法がいずれも適用できる。
かくして得られるグラフト化ポリエーテルエステルはそ
のグラフト率が20〜100%のものとするが、好ましくは5
0〜90%のものとする。ここでグラフト率とは下記の式
で算出される値である。このグラフト率は本発明におい
て重要であり、グラフト率が20〜100%の範囲を外れる
と、そのようなグラフト化ポリエーテルエステルを用い
て調製される水系組成物は、これをポリエステル繊維に
塗布しても、該ポリエステル繊維に所期の親水性、とり
わけ耐久性のある親水性を付与できない。
グラフト率=[(グラフト化ポリエーテルエステルの酸
価)×100]÷[α,β−不飽和モノカルボン酸の酸
価)−(グラフト化ポリエーテルエステルの酸価)] 本発明のA成分において水系とは、水を主媒体とする系
を意味し、該系が水だけであっても、又これに少量の水
溶解性の有機溶媒、例えばメタノール、エタノール、エ
チルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ジオキサン、テト
ラヒドロフラン等が含まれているものであってもよい。
具体的に、ポリエーテルエステルをグラフト化する方法
は、水溶性ラジカル重合開始剤を含むポリエーテルエス
テルの水系分散液或いは水系溶液を窒素置換して、この
中にα,β−不飽和モノカルボン酸を順次添加していく
方法、予めα,β−不飽和モノカルボン酸をポリエーテ
ルエステルの水系分散液或いは水系溶液に溶解せしめ、
該系を窒素置換した後に水溶性ラジカル重合開始剤を添
加していく方法等、いずれでもよい。この際、反応系の
温度や時間はポリエーテルエステルの構造やその使用
量、水溶性ラジカル重合開始剤の種類やその使用量等に
より適宜選択する。通常、反応温度が40〜80℃の場合、
反応時間は2〜5時間でよい。より具体的には、例えば
PEG−4000(ライオン株式会社製)を70重量%含有する
ポリエーテルエステルに50%のアクリル酸をグラフトす
る場合、温度60〜70℃、時間3.5時間で反応は完結す
る。
かくして得られるグラフト化ポリエーテルエステルは、
ベースであるポリエーテルエステルの構造、グラフト
率、反応系の性状等により、反応系中において溶液状乃
至分散状となる。かかるグラフト化ポリエーテルエステ
ルは、最終的に水系組成物を調製するに当たり、そのま
ま、又は例えば濾別し乾燥した後に塩基性化合物で中和
し、塩の形態にして使用する。この際使用し得る塩基性
化合物としては、1)アンモニア、トリメチルアミン、
トリエチルアミン、トリブチルアミン、ブチルアミン、
ジブチルアミン、オクチルアミン等のアルキルアミン、
2)モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリ
エタノールアミン、トリイソプロパノールアミン等のア
ルカノールアミン、3)水酸化リチウム、水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナト
リウム、炭酸カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カ
ルシウム、等のアルカリ金属或いはアルカリ土類金属の
水酸化物や炭酸酸塩等がある。
本発明のA成分であるグラフト化ポリエーテルエステル
又はその塩基性化合物との塩は、グラフト化していない
ポリエーテルエステルに比べ、またグラフト化してはい
るがそのグラフト率が20%未満又は100%超のグラフト
化ポリエーテルエステルに比べ、ポリエステル繊維に親
水性、とりわけ耐久性に優れた親水性を付与できるとい
う特長を有するが、本発明ではかかる特長をより一層向
上させるために、カルボキシル基と反応する架橋剤とし
てB成分を併用する。架橋剤としては各種が知られてい
るが、本発明ではかかる架橋剤としてB成分、すなわち
メラミンのホルムアルデヒド付加物、所謂メラミン樹脂
を選択使用する。B成分は、固形分換算で、A成分100
重量部に対し5〜10重量部の割合で併用する。この際、
B成分の反応促進のために硬化剤や促進剤を併用するこ
ともできる。
本発明の水系組成物は、固形分として以上説明したよう
なA成分とB成分とを所定割合で水系に溶解乃至分散さ
せたものである。この場合の水系はA成分について前述
した水系と同じ意味である。本発明の水系組成物はその
固形分濃度が通常10〜30重量%に調製されるが、調製に
際しては合目的的に湿潤剤、防菌剤、防腐剤、防錆剤、
酸化防止剤等を併用することもできる。
本発明では、上記水系組成物をポリエステル繊維に塗布
する。その具体的使用に際しては、水系組成物を更に水
で希釈して固形分濃度が通常0.5〜2重量%の処理液と
し、該処理液を浸漬法、スプレー法、ローラー付着法等
の公知の方法によりポリエステル繊維に塗布する。その
塗布量はポリエステル繊維に対し固形分として0.1〜2.0
重量%となるようにするが、好ましくは0.2〜1.0重量%
となるようにする。塗布後、ポリエステル繊維を乾燥
し、引き続き100〜150℃で熱セットするのが好ましい。
<実施例等> 以下、本発明の構成及び効果をより明瞭にするため実施
例等を挙げるが、本発明がこれらの実施例に限定される
というものではない。尚、以下の実施例等において、特
に記載のない限り、部は重量部を、また%は重量%を意
味する。
試験区分1(ポリエーテルエステルの製造) 先ず、4種類のポリエーテルエステル(I〜IV)を製造
した。これらの内容組成を第1表にまとめて示した。
・ポリエーテルエステル(I)の製造 ジメチルテレフタレート121部、ジメチルイソフタレー
ト40部、エチレングリコール114部、ポリエチレングリ
コール(PEG4000、ライオン株式会社製)377部、酢酸カ
ルシウム0.4部、三酸化アンチモン0.08部を反応容器に
仕込み、180〜230℃で6時間かけてエステル交換を行な
った。次いで亜リン酸0.1部を加え、240〜260℃で減圧
下(10〜0.5mmHg)に2時間重縮合反応を行なった。得
られたポリエーテルエステル(I)は分子量13500であ
った。
・ポリエーテルエステル(II)の製造 ジメチルテレフタレート123部、ジメチルイソフタレー
ト32部、5−ナトリウムジメチルイソフタレート10部、
ポリエチレングリコール(PEG4000、ライオン株式会社
製)378部、酢酸カルシウム0.4部、三酸化アンチモン0.
08部を反応容器に仕込み、180〜230℃で6時間かけてエ
ステル交換を行なった。次いで亜リン酸0.1部を加え、2
40〜260℃で減圧下(10〜0.5mmHg)に2.5時間重縮合反
応を行なった。得られたポリエーテルエステル(II)の
分子量は18000であった。
・ポリエーテルエステル(III)及び(IV)の製造 以下同様にして、ポリエーテルエステル(III)及び(I
V)を製造した。
試験区分2(グラフト化ポリエーテルエステルの製造) 試験区分1で得たポリエーテルエステル(I)〜(IV)
等を使用し、5種類のグラフト化ポリエーテルエステル
(I−1)〜(IV−1)の水系分散液を製造した。これ
らの内容等を第2表にまとめて示した。尚、グラフト化
ポリエーテルエステル(I−2)及び(IV−1)は比較
のためのものである。
・グラフト化ポリエーテルエステル(II−1)の製造 試験区分1で得たポリエーテルエステル(II)100部を1
80〜190℃にて溶融せしめた後に、該溶融物を、40℃の
水900部に徐々に添加し、高速ホモジナイザーを用いて
固形分濃度10%の分散液を得た。この分散液300部、ア
クリル酸15部、過硫酸アンモニウム0.7部及び重亜硫酸
ソーダ0.1部を、冷却コンデンサー、窒素導入管、温度
計、滴下管を備えた500mlフラスコに仕込み、窒素置換
して攪拌しながら内温を70℃まで昇温し、4.0時間反応
を続けた室温まで放置、冷却して、固形分濃度17.3%の
水系分散液を得た。ここで得られた水系分散液の一部分
をとりだし、生成したグラフト化ポリエーテルエステル
を分離、濾別し、水洗を繰り返して、水洗後のpHが中性
になるまで洗浄した。洗浄後のポリマーを60℃で3時間
真空乾燥し、得られたグラフト化ポリエーテルエステル
(II−1)について常法により酸価を測定し、前述した
式でグラフト率を算出した。グラフト率は61%であっ
た。
・グラフト化ポリエーテルエステル(I−1)、(I−
2)及び(III−1)の製造 グラフト化ポリエーテルエステル(II−1)の場合と同
様にして、試験区分1で得たポリエーテルエステル
(I)と(III)を用い、第2表に示す固形分濃度のグ
ラフト化ポリエーテルエステルの水系分散液を得た。ま
たグラフト化ポリエーテルエステル(II−1)の場合と
同様にして水系分散液。からグラフト化ポリエーテルエ
ステルの一部分を分離し、濾別し、水洗、真空乾燥を行
なったものについてグラフト率を算出した。
・グラフト化ポリエーテルエステル(IV−1)の製造 試験区分1で得たポリエーテルエステル(IV)200部を
テトラヒドロフラン400部に攪拌溶解した。これに水110
0部を投入した後、昇温を開始し、テトラヒドロフラン3
67部を留去して、固形分濃度15%の分散液を得た。次い
でこの分散液を70℃にし、メタクリル酸25部を加え、反
応系を充分に窒素置換した後、過硫酸カリウム2部を水
30部に溶解したラジカル重合開始剤を投入し、3時間反
応を続け、グラフト化ポリエーテルエステル(IV−1)
を16%含む水系分散液を得た。この水系分散液について
グラフト化ポリエーテルエステル(II−1)の場合と同
様の操作により、グラフト率を算出したところ10%であ
った。
試験区分3(水系組成物の調製) 試験区分2で得たグラフト化ポリエーテルエステルの水
系分散液等を用い、それぞれ次のように水系組成物を調
製した。これらの内容等を第3表にまとめて示した。
・実施例1〜3、比較例9〜16 試験区分2で得たグラフト化ポリエーテルエステルの水
系分散液に含まれるグラフト化ポリエーテルエステルの
酸価と当量の塩基性化合物の水溶液を用いて中和し、次
いで用いたグラフト化ポリエーテルエステルに対して第
3表に示す割合で架橋剤を加えて、よく攪拌した後、第
3表に示す固形分濃度の水系組成物を調製した。
・比較例1〜3 試験区分2においてグラフト化反応に供したポリエーテ
ルエステルの水系分散液をそのまま水系組成物とした。
・比較例4〜8 試験区分2で得たグラフト化ポリエーテルエステルの水
系分散液に含まれるグラフト化ポリエーテルエステルの
酸価と当量の塩基性化合物の水溶液を用いて中和し、第
3表に示す固形分濃度の水系組成物を調製した。
試験区分4(評価) 第3表に示した水系組成物について安定性を評価した。
また各水系組成物を水で希釈して第4表に示した固形分
濃度の処理液を調製した。そしてこの処理液に、ポリエ
ステルステープル(1.5デニール・繊維長44mmを脱脂し
たもの)を、浴比1/30にて、40℃で浸漬し、固形分とし
て0.2%付着せしめ、90℃×60分間乾燥し、更に150℃×
20分間熱セットした。熱セット後の綿の親水性、耐久
性、制電性を測定乃至評価した。測定乃至評価方法は次
の通りであり、結果を第4表に示した。
・・安定性 各水系塗布剤組成物を30℃×5日間放置し、そのときの
状態を以下の基準で評価した。
◎:非常に良い。
〇:極くわずかに析出物を認める。
△:析出物が明確に認められる。
×:殆んど分離している。
・・親水性 処理したポリエーテルステープル0.5gを丸めて直径2cm
の球状とし、これを静かに水面に置き、この綿が水面下
へ完全に沈降するまでの時間(秒)を測定した。時が短
いほど親水性が良好である。
・・耐久性 処理したポリエステルステープル5gを40℃の水500mlに1
0分間浸漬し、この間に手で強く100回もみ、絞った後
に、90℃×60分乾燥した。この操作を水洗1回とし、該
水洗を繰り返した後の親水性を測定した。
・・制電性 東亜電波工業社製のSM−5を用い、処理したポリエステ
ルステープルを20回水洗したものにつき、その表面漏洩
抵抗を20℃×60%RH下で測定し、次の基準で評価した。
〇:表面漏洩抵抗値(Ω)が1×1010より小 △:表面漏洩抵抗値(Ω)が1×1010〜5×1011 ×:表面漏洩抵抗値(Ω)が1×1011より大 試験区分5{表面を直接改質したポリエステル繊維(比
較例17)の調製と評価} ・表面を直接改質したポリエステル繊維(比較例17)の
調製 ジメチルテレフタレート26部、分子量約8000のポリエチ
レングリコール75部、炭酸亜鉛四水塩0.172部、三酸化
アンチモン0.0282部を反応容器に仕込み、反応系を窒素
置換した後、徐々に280℃に加熱し、更に同温度で3時
間保った。次に系内の温度を200℃に下げ、エチレング
リコール26.0部を添加し、240℃で2時間半エステル交
換を行ない、この間に留出するメタノールを除去した。
エステル交換反応終了後、リン酸0.1部を加えた。次に
反応系を攪拌しながら260℃に加熱し、徐々に減圧しな
がら過剰のエチレングリコールを留出し、0.4mmHg以下
の減圧下で2時間半重合してポリエステル系重合体を得
た。このポリエステル系重合体10部とポリエチレンテレ
フタレート90部を、エクストルーダー式紡糸機を用い、
285℃で4分間溶融混合し、紡糸した後、90℃のピンを
用いて4.5倍に延伸し、150℃のプレートで定長熱処理し
て、ポリエステル繊維を得た。このポリエステル繊維を
沸騰水で約2時間抽出し、乾燥した後、1%過ホウ酸ナ
トリウム水溶液に入れ、95℃で30分間活性化し、その後
に水洗して乾燥した。かくして表面を活性化したポリエ
ステル繊維5部を10%メタクリル酸水溶液6部中に入
れ、95℃で1時間グラフト重合し、グラフト重合により
表面を直接改質したポリエステル繊維(比較例17)を得
た。ポリエステル繊維(比較例17)を沸騰水で約2時間
抽出し、1%炭酸ナトリウム水溶液で中和して、重量増
加率(原重合体重量に対する)を求めたところ、その重
量増加率は8.1%であった。
・表面を直接改質したポリエステル繊維(比較例17)の
評価 前記のポリエステル繊維(比較例17)について親水性、
耐久性及び制電性を試験区分4と同様に測定乃至評価し
た。結果を第5表に示した。
<発明の効果> 既に明らかなように、以上説明した本発明には、ポリエ
ステル繊維の表面へ塗布して該表面を間接改質すること
により該ポリエステル繊維に親水性、とりわけ優れた耐
久性を有する親水性を付与できるという効果がある。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記のA成分とB成分とをA成分100重量
    部に対しB成分5〜10重量部の割合で水系に溶解乃至分
    散した水系組成物を、ポリエステル繊維に対し固形分と
    して0.1〜2.0重量%付着させることを特徴とするポリエ
    ステル繊維の耐久親水加工方法。 A成分:芳香族二塩基酸若しくは飽和脂肪族二塩基酸又
    はこれらのエステル形成性誘導体、グリコール、及びポ
    リアルキレングリコール類を主たる単量体成分として合
    成されるポリエーテルエステルの水系分散液或は水系溶
    液に、水溶性ラジカル重合開始剤の存在下、アクリル酸
    をグラフト反応させて得られるグラフト率20〜100%の
    グラフト化ポリエーテルエステル又はその塩基性化合物
    との塩 B成分:メラミンのホルムアルデヒド付加物
  2. 【請求項2】下記のA成分とB成分とをA成分100重量
    部に対しB成分5〜10重量部の割合で水系に溶解乃至分
    散した水系組成物を、ポリエステル繊維に対し固形分と
    して0.1〜2.0重量%付着させた後、乾燥し、引き続き10
    0〜150℃で熱セットすることを特徴とするポリエステル
    繊維の耐久親水加工方法。 A成分:芳香族二塩基酸若しくは飽和脂肪族二塩基酸又
    はこれらのエステル形成性誘導体、グリコール、及びポ
    リアルキレングリコール類を主たる単量体成分として合
    成されるポリエーテルエステルの水系分散液或は水系溶
    液に、水溶性ラジカル重合開始剤の存在下、アクリル酸
    をグラフト反応させて得られるグラフト率20〜100%の
    グラフト化ポリエーテルエステル又はその塩基性化合物
    との塩 B成分:メラミンのホルムアルデヒド付加物
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