JPH0673784U - 表示パネル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 表示すべきパターンが多重に見えるとともに
反射像の形状を変化させ、視覚的に特徴のある形態の表
示を可能とする。 【構成】 視認側に形成される半透明反射膜３と、背面
側に形成される不透明反射膜４とを備え、この不透明反
射膜４の一部に所望のパターンを表わす透明部を形成
し、背面照射により各反射膜にパターン５を反射させて
半透明反射膜３側から多重パターン像を視認させる表示
パネルにおいて、前記半透明反射膜３が形成される面を
平坦面とし、前記不透明反射膜４が形成される面を曲面
としたことを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は表示パネルに関する。

【０００２】

【従来の技術】

自動車の各種室内表示用パネル、ステレオやＶＴＲ等のオーディオ機器、その 他の表示パネルとして、従来からパネルの表示面（視認面）に表示される文字や 記号等のパターンが多重に見えるようにした表示パネルが知られている。

【０００３】 このような表示パネルは、例えば実開昭５９−１６６２８１号公報に示される ように、透光性材料からなる板状のパネルの表面に半透明反射膜を、同裏面に不 透明反射膜（全反射膜）をそれぞれ形成し、この不透明反射膜の一部を表示すべ きパターンの形状に削除し、裏面側に光源を配置して上記パターンを照射するこ とにより、透明パネル内に入った光の一部は半透明反射膜をそのまゝ透過してパ ターンを透過像として見せ、他の一部は半透明反射膜により反射して背面の不透 明反射膜に戻り、こゝで再び反射した光の一部が半透明反射膜を透過してパター ンを反射像として見せ、半透明反射膜を透過しない光は再び反射されるように半 透明反射膜を透過し得ない光量に減衰するまで何回か反射を繰返すことによりパ ターンが幾重にも重なった状態に見え、視覚効果が高められるようになされてい る。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかるに上記の構成による表示パネルでは、不透明反射膜と半透明反射膜とが 透明パネルの表裏面に形成されるので平行であり、したがって不透明反射膜に形 成されたパターンが表示面から繰返し反射した多重像が見えるだけであるため、 一見して立体的には見えてもパターン形状には変化がなく、視覚上のインパクト が弱く、しかも真正面からみた場合には多重像が見えず、視覚効果が不十分であ るなどの難点があった。

【０００５】 本考案はこれに鑑み、表示すべきパターンが多重に見えるとともに反射像の形 状が変化し、視覚的に特徴のある形態の表示を行なうことができる表示パネルを 提供することを目的としてなされたものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記従来の技術が有する難点を解決するための手段として、本考案は、視認側 に形成される半透明反射膜と、背面側に形成される不透明反射膜とを備え、この 不透明反射膜の一部に所望のパターンを表わす透明部を形成し、背面照射により 各反射膜にパターンを反射させて半透明反射膜側から多重パターン像を視認させ る表示パネルにおいて、前記半透明反射膜が形成される面を平坦面とし、前記不 透明反射膜が形成される面を曲面または傾斜面としたことを特徴としている。

【０００７】

【作用】

不透明反射膜に形成されたパターンを透過した光の一部は半透明反射膜を透過 してパターンの透過像を見せ、他の一部の光は半透明反射膜により反射して曲面 または傾斜面の不透明反射膜に反射し、その反射光の一部が半透明反射膜を透過 して反射像として見せる。このとき反射像は不透明反射膜の曲面または傾斜面に より歪曲された像となって見え、正規のパターン形状がモデファイされた像と幾 重にも重なって見える。したがってこの反射像が正規のパターンのイメージを脱 却し、周辺になるにつれてデフォルムの度合が増すことと相俟って視覚的なイン パクトが増大される。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案を図面に示す実施例を参照して説明する。

【０００９】 本考案における実施例は、透明材料からなる所要形状および大きさで相互に間 隔Ｌをおいて配設される第１，第２のパネル１，２により構成されており、その 視認側となる第１パネル１の内側の面には半透明反射膜３が形成され、第２パネ ル２の内側となる面には不透明反射膜４（全反射ミラー）が形成されている。こ れら反射膜３，４は、金属の真空蒸着、スパッタリング、または金属被膜をフィ ルムに形成しホットスタンプなどの常法により転写するなどにより形成すること ができる。

【００１０】 前記不透明反射膜４には、蒸着した金属膜にパターン部分以外をマスキングし 、金属膜を溶解除去する手段、蒸着した金属膜をレーザにより除去してパターン を形成する手段、金属被膜をフィルムに形成し、パターン部分以外をマスキング して金属被膜を溶解除去したホットスタンプ箔を作成して使用する手段、金属被 膜をホットスタンプで形成したのちレーザで金属被膜を除去する手段等の適用に よって透明なパターン５が形成される。

【００１１】 図１は本考案の代表例の斜視図を示し、図２は同中央縦断面を、図３は平面を 、そして図４は光の反射状態を示している。

【００１２】 この実施例では、第２パネル２の第１パネル１に対向する面が凸弯曲面とされ ており、その凸弯曲面に形成される不透明反射膜４にパターン５が形成されてい る。この第１，第２パネル１，２は表示器の器枠等に嵌め込まれて四周が光密に 閉鎖される。そして第２パネル２の背後に光源６が配置されて矢印Ａ方向から第 １パネル１の表面にパターンの透過像７を見ることができる。

【００１３】 この実施例によれば、図４に示すように光源６から出光する光束は第２パネル ２の不透明反射膜４に形成されているパターン５を透過し、その透過光の一部は 第１パネル１の半透明反射膜３を透過して第１パネル１の表面にパターン５の透 過像７が見え、他の一部は半透明反射膜３により反射して第２パネル２の不透明 反射膜４に戻り、こゝで再び反射してその反射光の一部は第１パネル１の半透明 反射膜３を透過し、第１パネル１の表面に反射像８として見える。また反射光の 一部は半透明反射膜３で反射して不透明反射膜４に戻り、再び反射して第１パネ ル１の表面に次の反射像８を見せる。こうして反射を繰返すことにより第１パネ ル１の表面に多重のパターン像が重なって見える。

【００１４】 このとき第２パネル２の第１パネル１に対向する面が凸弯曲面であるから、図 ５（Ｂ）のように不透明反射膜４で繰返し反射される反射像８は横方向へ伸びた 形となって現われ、反射が繰返されることによる多重像に加え側方へデフォルメ されたパターンとして認識され、視覚効果が高められる。

【００１５】 図６（Ａ）は、第２パネル２の第１パネル１に対向する面を凹弯曲面とした実 施例で、この場合には図６（Ｂ）のように反射像８は正規の形状のパターン５の 透過像７に対し側方が縮んだ状態にデフォルメされ、見た目の遠近感が強調され る。

【００１６】 図７（Ａ）は、第２パネル２の第１パネル１に対向する面を凸球面とした実施 例で、これによれば図６（Ｂ）のように反射像８が次第に拡大された多重像とな り、また図８（Ａ）は第２パネル２の第１パネル１に対向する面を凹球面とした 実施例であり、これによれば反射像８が次第に縮小デフォルメされ、一層遠近感 が強調される。

【００１７】 さらに図９（Ａ）は、第２パネル２を第１パネル１に対し所要の角度をもって 傾斜配置とした場合の実施例で、これによれば図９（Ｂ）のように反射像８が一 側方へ片寄った状態に多重化されて見える。

【００１８】 図１０（Ａ）は２枚の第１パネル１，１を用い、それぞれ反対方向に傾斜して 配設したもので、この場合には図１０（Ｂ）のように反射像８が左右方向にずれ た状態に多重に見える。

【００１９】 このほか図１１は第１パネル１の表面を凸レンズとし、かつその表面に不透明 反射膜４に形成されるパターン５と同大同形のパターン５ａを印刷して表示した ものである。第１パネル１の表面を凸レンズ化すればパターン像が拡大され、ま たこの凸レンズにパターン５ａを表示すれば光源６を消してもパターンを常時見 せることができる。これは第１パターン１の表面が平坦の場合であっても適用す ることができる。

【００２０】 図１２は、光源６としてＬＥＤ９，９を第２パネル２に内蔵した場合の一例を 示すもので、微細光量でも照明可能なパターンの場合に省スペースの点で有効で ある。

【００２１】 さらに図１３は、２枚の第１パネル１，１を間隔をおいて結合し、これをオー ディオ機器１０の表示部５ｂの前に取付けるようにした例を示すもので、表示部 ５ｂの例えば７セグメントで表示される数値表示、ダイオード等図柄のみ光を発 する表示物を対象とすることにより、不透明反射膜のパターンに代替することに よってその表示内容が第１パネル１，１を透過または内部反射を繰返すことによ り多重に見え、表示効果を高めることができる。この場合には一方の第１パネル を曲面とすることにより本考案の目的に叶うものとすることができる。

【００２２】

【考案の効果】

以上説明したように本考案によれば、表示すべきパターンが多重に見えること はもちろん、その反射像の形状が変化し、視覚的に特徴のある形態の表示ができ 、見た目に漸新な感じを与え、視覚効果を格段に高めることができる。また第１ および第２のパネルの間隔を選択することにより多重像の見え方を表示内容に合 わせて最適な表示パネルとすることができ、これらを結合することにより従来に ない新しい表示パネルを得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案による表示パネルの一実施例を示すパネ
ル部分の斜視図。

【図２】図１の中央縦断面図。

【図３】図１の平面図。

【図４】図１の光の反射状態の説明図。

【図５】（Ａ），（Ｂ）は図１の略示平面図およびその
表示状態の説明図。

【図６】（Ａ），（Ｂ）は他の実施例の略示平面図およ
びその表示状態の説明図。

【図７】（Ａ），（Ｂ）はさらに他の実施例の略示断面
図およびその表示状態の説明図。

【図８】（Ａ），（Ｂ）はさらに他の実施例の略示断面
図およびその表示状態の説明図。

【図９】（Ａ），（Ｂ）はさらに他の実施例の略示平面
図およびその表示状態の説明図。

【図１０】（Ａ），（Ｂ）は図９の変形例を示す略示平
面図およびその表示状態の説明図。

【図１１】本考案の変形例を示す略示平面図。

【図１２】同、他の変形例を示す略示平面図。

【図１３】同、さらに他の変形例を示す略示側面図。

【符号の説明】

１ 第１パネル ２ 第２パネル ３ 半透明反射膜 ４ 不透明反射膜 ５ パターン ５ａ 印刷パターン ５ｂ 表示部 ６ 光源 ７ パターンの透過像 ８ パターンの反射像 ９ ＬＥＤ １０ オーディオ機器

Claims (9)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】視認側に形成される半透明反射膜と背面側
   に形成される不透明反射膜とを備え、この不透明反射膜
   の一部に所望のパターンを表わす透明部を形成し、背面
   照射により各反射膜にパターンを反射させて半透明反射
   膜側から多重パターン像を視認させる表示パネルにおい
   て、前記半透明反射膜が形成される面を平坦面とし、前
   記不透明反射膜が形成される面を曲面としたことを特徴
   とする表示パネル。
2. 【請求項２】前記曲面が弯曲面である請求項１記載の表
   示パネル。
3. 【請求項３】前記曲面が球面である請求項１記載の表示
   パネル。
4. 【請求項４】前記視認側に面する表面を凸球面とした請
   求項１記載の表示パネル。
5. 【請求項５】視認側に形成される半透明反射膜と、背面
   側に形成される不透明反射膜とを備え、この不透明反射
   膜の一部に所望のパターンを表わす透明部を形成し、背
   面照射により各反射膜にパターンを反射させて半透明反
   射膜側から多重パターン像を視認させる表示パネルにお
   いて、前記不透明反射膜が形成される面が前記半透明反
   射膜が形成される面に対し所要の角度をもって傾斜して
   配設されていることを特徴とする表示パネル。
6. 【請求項６】前記視認側に面する表面を凸球面とした請
   求項５記載の表示パネル。
7. 【請求項７】前記視認側に面する表面に表示すべきパタ
   ーンが印刷表示されている請求項１または５記載の表示
   パネル。
8. 【請求項８】前記不透明反射膜に形成されるパターンが
   レーザ加工により該反射膜を除去することにより形成さ
   れている請求項１または５記載の表示パネル。
9. 【請求項９】前記不透明反射膜が、一部に透明なパター
   ンを形成したフィルム等のシートを透明なパネル材に貼
   着して形成されている請求項１乃至７のいずれか１項に
   記載の表示パネル。