JPH1026543A - 表示装置及びその表示板 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 表示装置用表示板の構成に工夫を凝らし、当
該表示板の表示パターンに対応する部分を凸形状にする
ことなく、表示パターンに奥行き感のある斬新な見映え
をもたせることを目的とする。 【解決手段】 文字板１０は透明なシート１１を備えて
おり、このシート１１の表面１１ａには、透明なシボ層
１２が形成されている。シボ層１２の表面には、表示パ
ターン１３が印刷されており、この表示パターン１３
は、目盛り部１３ａ、複数の数字部１３ｂ及び単位部１
３ｃにより構成されている。シート１１の裏面１１ｂに
は、ハーフミラーフィルム１４が貼着されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、車両等に採用する
に適した表示装置及びその表示板に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、自動車に装備される計器の文字板
の見映えに対し、高級感をもたせるため、文字板の表面
に印刷した目盛りや数字を、文字板の表面から浮き出さ
せたり、立体的に見せたりする方法が採られている。そ
の具体的な一例としては、図５（ａ）（ｂ）にて示すご
とく、例えば、文字板１の表面１ａから文字２（例え
ば、０という数字）に対応する部分を凸部１ｂとして突
出させるとともに、この凸部１ｂの表面に印刷処理を施
すようにしたものがある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、このような計
器によると、文字板１の形成にあたり、上記凸部を加味
した表面形状に対応した型を製作する必要があり、コス
ト高となる。しかも、表示すべき文字が異なるごとに、
上記型を製作しなければならず、計器としてのコストの
より一層の上昇を招くという不具合がある。

【０００４】そこで、本発明は、このようなことに対処
するため、表示装置用表示板の構成に工夫を凝らし、当
該表示板の表示パターンに対応する部分を凸形状にする
ことなく、表示パターンに奥行き感のある斬新な見映え
をもたせることを目的とする。また、本発明は上記表示
板を備えた表示装置を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項１乃至４に記載の発明によれば、表示装置の
表示板が、透明なシートと、このシートの表面に形成し
た表示パターンと、シートの裏面に設けたハーフミラー
層とを備えている。しかして、表示装置を昼間に使用す
る場合、表示板の表面に入射する光は、表示パターンに
より反射される部分を除き、表示パターンを通りシート
内に入射する。すると、このようにシート内に入射した
光の一部は、半透明層を透過する一方、残りの光は、半
透明層のシートに対する対向面にて反射される。このと
き、この半透明層は、一種の鏡と同様の役割を果たす。

【０００６】このため、表示パターンは、半透明層の外
表面側にて反射虚像として結像される。従って、表示板
を視認すると、表示パターンと上記反射虚像との双方
が、認識されることとなる。この場合、表示パターンと
反射虚像との間には、シートの厚さだけの距離が存在す
る。このため、表示パターンと反射虚像の双方を視認す
ると、反射虚像が実際の表示パターンの位置との関連で
視認者に対し奥行き感を与える。

【０００７】その結果、昼間使用時における表示装置の
視認性に関し、斬新な高級感のある見映えを実現し得
る。この場合、表示パターンは、シートに凸形状部を設
けることなく、このシートの表面に形成するのみ故、コ
ストの上昇を招くことなく、上記作用効果を達成でき
る。ここで、請求項２に記載の発明によれば、半透明層
側に配置されてこの半透明層及びシートを通して表示パ
ターンを照射する光源を備える。

【０００８】しかして、表示装置が夜間に使用される場
合、半透明層及びシートを透過して表示パターンを通る
光の透過量は、シートから直接出射する光の量に比べて
減少する。従って、表示板を視認すると、表示パターン
が、その周りのシートの部分に比べて暗くなり、所謂シ
ルエットのように視認される。

【０００９】その結果、夜間に使用される場合に、表示
装置の視認性に関し、昼間時とは異なる斬新な高級感の
ある見映えを実現し得る。また、請求項３に記載の発明
によれば、シートの表面側に配置されて表示パターン及
びシート又はこのシートを通して半透明層を照射する光
源を備える。これにより、表示装置の昼夜の使用にわた
り、ランプの光に基づき、表示パターンに対する視認性
が、上述と同様に、奥行き感のある斬新な高級感を有す
る見映えのあるものとして実現され得る。

【００１０】また、請求項４に記載の発明によれば、上
記表示装置が車両に採用される表示装置であり、表示パ
ターンが光の低透過率材料により形成されている。これ
により、車両用表示装置において、表示パターンの形成
材料との関連で、上記請求項１乃至３に記載の発明の作
用効果をより一層向上させ得る。また、請求項５乃至８
に記載の発明によれば、請求項１乃至４に記載の発明に
係る表示装置に採用するに適した表示板を提供できる。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下、本発明の第１実施の形態
を、図１乃至図３に基づいて説明する。図１及び図２
は、車両用計器を示しており、この計器は、当該車両の
窓を通り入射する日光によって照射される位置に配設さ
れている。当該計器は、文字板１０を備えており、この
文字板１０の裏面には、ケーシング２０が装着されてい
る。

【００１２】このケーシング２０内には、駆動装置３０
が設けられており、この駆動装置３０の指針軸２１は、
文字板１０の中央孔部１０ａを通して上方へ延出し、そ
の先端にて指針４０を軸支している。また、文字板１０
の表面には、環状の見返し板５０を介しカバーガラス６
０が装着されている。

【００１３】両ランプ７０、８０は、駆動装置３０の両
側において、ケーシング２０内にてその底壁２２に装着
されており、これら両ランプ７０、８０は、文字板１０
をその裏面側から照射する。次に、上述した文字板１０
の詳細な構成につき図１及び図３を参照して説明する。

【００１４】この文字板１０は、透明なポリカーボネー
ト等からなるシート１１を備えており、このシート１１
の表面１１ａには、透明なシボ層１２が形成されてい
る。シボ層１２の表面には、表示パターン１３が印刷さ
れており、この表示パターン１３は、目盛り部１３ａ、
複数の数字部１３ｂ及び単位部１３ｃにより構成されて
いる。

【００１５】なお、目盛り部１３ａの各目盛りは、光の
低透過率印刷材料のバー及び黒色印刷材料のバーを、交
互に配置して構成されている。各数字部１３ｂは、光の
低透過率印刷材料により形成されている。また、単位部
１３ｃは、黒色印刷材料により形成されている。シート
１１の裏面１１ｂには、ハーフミラーフィルム１４が貼
着されており、このハーフミラーフィルム１４の裏面に
は、表示パターン１３に対応する領域を除き、不透光フ
ィルム１５が貼着されている。

【００１６】このように構成した本第１実施の形態にお
いて、当該車両が昼間走行状態にある場合、日光が当該
車両の窓を通りカバーガラス６０を透過して文字板１０
の表面に入射する。なお、両ランプ７０、８０は消灯し
てある。すると、この入射光の一部が、表示パターン１
３によりその光透過率に応じてカバーガラス６０側へ反
射される。例えば、図３（ｂ）にて示す方向から文字板
１０を視認する場合、表示パターン１３中の数字部１３
ｂの一部、「１０」という数字部分により反射される光
は、図３（ａ）の矢印Ｒａにて示す方向に進んで視認さ
れる。

【００１７】また、文字板１０の表面に入射する光は、
表示パターン１３による反射された部分を除き、この表
示パターン１３又はしぼ層１２を通りシート１１内に入
射する。しかして、このようにシート１１内に入射した
光の一部は、ハーフミラーフィルム１４を透過する一
方、残りの光は、不透光フィルム１５により吸収される
部分を除き、ハーフミラーフィルム１４のシート１１に
対する貼着面にて反射される。このとき、このハーフミ
ラーフィルム１４は、一種の鏡と同様の役割を果たす。

【００１８】このため、例えば、上記数字部１３ｂの一
部、「１０」という数字部分は、図３（ｂ）の破線Ｒｂ
にて示すごとく、ハーフミラーフィルム１４のランプ７
０側にて反射虚像として結像される。従って、上述のご
とく図３（ｂ）にて示す位置から文字板１０を視認する
と、しぼ層１２上の「１０」という数字部分と、上記虚
像Ｒｂとの双方が、矢印Ｒｃ方向に沿い、図３（ａ）に
て示すように認識されることとなる。

【００１９】この場合、「１０」という数字部分と虚像
Ｒｂとの間には、しぼ層１２及びシート１１の各厚さの
和だけの幾何学的距離が存在する。このため、当該数字
部分と虚像Ｒｂの双方を矢印Ｒｃ方向に視認すると、虚
像Ｒｂが、「１０」という数字部分の位置との関連で、
視認者に対し、くすんだ状態に認識され得る。従って、
虚像Ｒｂが、「１０」という数字部分との間でコンスト
ラスト差を生じ、奥まった位置に見え、視認者に対し、
奥行き感を与える。

【００２０】このような奥行き感は、表示パターン１３
全体について確保でき、当該車両の昼間走行時における
計器の視認性に関し、斬新な高級感のある見映えを実現
し得る。また、当該車両が夜間走行状態にあるとき、両
ランプ７０、８０が点灯している。このため、これらラ
ンプ７０、８０の光が、文字板１０を通りカバーガラス
６０側へ透過する。

【００２１】このとき、ハーフミラーフィルム１４、シ
ート１１及びしぼ層１２を透過して表示パターン１３の
低透過率領域及び黒色領域を通る光の透過量は、しぼ層
１２から直接カバーガラス６０側へ透過する光の量に比
べて少ない。従って、例えば、上述のごとく、図３
（ｂ）にて示す位置から文字板１０を視認すると、しぼ
層１２上の「１０」という数字部分が、その周りのしぼ
層１２の部分に比べて暗くなり、所謂シルエットのよう
に視認される。

【００２２】このような視認状態は、表示パターン１３
全体について成立し、当該車両の夜間走行時における計
器の視認性に関し、昼間走行時とは異なる斬新な高級感
のある見映えを実現し得る。また、本第１実施の形態で
は、シート１１に凸形状部分を設けることなく、このシ
ートの表面に表示パターン１３を印刷するのみ故、コス
トの上昇を招くことなく、上記作用効果を達成できる。

【００２３】図４は、本発明の第２実施の形態を示して
いる。この第２実施の形態では、上記第１実施の形態に
て述べた両ランプ７０、８０に代えて、図４にて示すご
とく、ランプ９０が、見返し板５０内に、その上端開口
部に形成した目隠し部５１の内側にて配置されている。
その他の構成は上記第１実施の形態と同様である。

【００２４】このように構成した本第２実施の形態にお
いて、当該車両の昼間走行状態及び夜間走行状態の双方
にて、ランプ９０を点灯しておけば、文字板１０は、昼
夜を問わず、ランプ９０による照射される。このため、
当該車両の昼間走行状態にあっては、日光に代えて或い
はこの日光と共に、ランプ９０の光に基づき、表示パタ
ーン１３に対する視認性が、上記第１実施の形態にて述
べたと同様に、奥行き感のある斬新な高級感を有する見
映えのあるものとして実現され得る。

【００２５】また、当該車両の夜間走行状態にあって
は、日光に代えて、ランプ９０の光に基づき、表示パタ
ーン１３に対する視認性が、上記第１実施の形態にて述
べたと同様に、奥行き感のある斬新な高級感を有する見
映えのあるものとして実現され得る。なお、本発明の実
施にあたっては、しぼ層１２は、局部的輝度を抑制する
ためのものにすぎないため、廃止して実施してもよい。
また、しぼ層１２に代えて、表面に髪の毛状の多数のラ
インをけがいたような印刷層をシートの表面に形成する
ことにより、あたかも金属層であるような高級感をもた
せるようにしてもよい。

【００２６】また、本発明の実施にあたり、表示パター
ン１３は、印刷によることなく、例えば、コーティング
処理等によりシート１１の表面に形成するようにしても
よい。また、本発明の実施にあたり、ハーフミラーフィ
ルム１４に代えて、半透明な材料（例えば、金属膜材
料）からなる半透明層を採用して実施してもよい。

【００２７】また、本発明の実施にあたり、上記第１実
施の形態にて述べたハーフミラーフィルム１４の裏面側
に、両ランプ７０、８０の点灯時の輝度バランス取りを
行う層や、両ランプ７０、８０の点灯時の色を変化させ
る層を設けて実施してもよい。また、本発明の実施にあ
たり、車両用計器やその文字板に限ることなく、車両用
各種表示装置や産業機器用計器等の表示装置やその表示
板に本発明を適用して実施してもよい。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る車両用計器の第１実施の形態の平
面図である。

【図２】図１の２−２線に沿う断面図である。

【図３】（ａ）は、表示パターンの数字部の視認状態を
示す平面図であり、（ｂ）は、（ａ）の視認状態を説明
するための要部拡大断面図である。

【図４】本発明の第２実施の形態を示す断面図である。

【図５】（ａ）は、従来の車両用計器の文字板の部分斜
視図であり、（ｂ）は、同文字板の部分断面図である。

【符号の説明】

１０…文字板、１１…シート、１４…ハーフミラーフィ
ルム、１３…表示パターン、１３ａ…目盛り部、１３ｂ
…数字部、１３ｃ…単位部、７０、８０、９０…ラン
プ。

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 表示板（１０）を備えた表示装置におい
   て、 前記表示板が、 透明なシート（１１）と、 このシートの表面に形成した表示パターン（１３）と、 前記シートの裏面に設けた半透明層（１４）とを備えて
   いることを特徴とする表示装置。
2. 【請求項２】 前記半透明層側に配置されてこの半透明
   層及び前記シートを通して前記表示パターンを照射する
   光源（７０、８０）を備えることを特徴とする請求項１
   に記載の表示装置。
3. 【請求項３】 前記シートの表面側に配置されて前記表
   示パターン及びシート又はこのシートを通して前記半透
   明層を照射する光源（９０）を備えることを特徴とする
   請求項１又は２に記載の表示装置。
4. 【請求項４】 前記表示装置が車両に採用される表示装
   置であり、 前記表示パターンが光の低透過率材料により形成されて
   いることを特徴とする請求項１乃至３のいずれか一つに
   記載の表示装置。
5. 【請求項５】 透明なシート（１１）と、 このシートの表面に形成した表示パターン（１３）と、 前記シートの裏面に設けた半透明層（１４）とを備えた
   表示装置用表示板。
6. 【請求項６】 前記表示装置が、前記半透明層側に位置
   する光源（７０、８０）を備えており、 この光源が、前記半透明層及びシートを通して前記表示
   パターンを照射することを特徴とする請求項５に記載の
   表示装置用表示板。
7. 【請求項７】 前記表示装置が、前記シートの表面側に
   位置する光源（９０）を備えており、 この光源が、前記表示パターン及びシート又はこのシー
   トを通して前記半透明層を照射することを特徴とする請
   求項５又は６に記載の表示装置用表示板。
8. 【請求項８】 前記表示板が車両に採用される表示装置
   の表示板であり、 前記表示パターンが光の低透過率材料により形成されて
   いることを特徴とする請求項５乃至７のいずれか一つに
   記載の表示装置用表示板。