JPH0673402U - 作動油タンク - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 建設機械等の作動油タンクにリターンフィル
タとは別に、より目の細かいフィルタ、殊に多数の紙を
層状に積層した不純物除去エレメントを採用することに
より、戻り油の一部を常時バイパスフィルタを介して油
室に還流させることにより、作動油の浄化作用を高める
作動油タンクを提供しようとするものである。 【構成】 作動油タンク１のリターンライン３に連通
し、リターンフィルタ４を内蔵する第一フィルタ室４Ａ
とは別に、より目の細かいフィルタ、殊に多数の紙を層
状に積層した不純物除去エレメントを有するバイパスフ
ィルタ５を内蔵する第二フィルタ室５Ａを設け、第一フ
ィルタ室４Ａと第二フィルタ室５Ａの隔壁１Ｃに連通孔
４Ｂを開けると共に、サクションフィルタ６を介してサ
クションライン２に連通する油室１Ｂと上記第一フィル
タ室４Ａ及び第二フィルタ室５Ａを夫々連通するように
した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、建設機械等の作動油タンクに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、建設機械等の作動油タンクは、サクションフィルタを介してサクション ラインに連通する油室とリターンフィルタを内蔵しリターンラインに連通するフ ィルタ室から構成されている。このリターンフィルタが一個の場合、フィルタの 目の粗さが細かすぎると目詰まりを起こしリターンラインに背圧を発生させる虞 れがあるため、一般には１０〜４０ミクロンのものが採用されている。しかし、 金属粉及びゴミの中には数ミクロン以下のものもあり、１０〜４０ミクロンのフ ィルタでは不純物の除去が十分でないため、金属粉及びゴミ等の不純物を含んだ 作動油が油圧機器に流入し、油圧機器の故障を招来する虞れがあり、また、清浄 作用が十分なされないまま作動油が循環されるので油の劣化が早く、その結果作 動油の交換時間が短くなり、経済的にも損失が大きい等の問題点があった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は上記事実に鑑みなされたものであり、その目的はリターンフィルタと は別に、より目の細かいフィルタ、殊に多数の紙を層状に積層した不純物除去エ レメント（以下「バイパスフィルタ」という）を採用することにより、戻り油の 一部を常時バイパスフィルタを介して油室に還流させることにより、作動油の浄 化作用を高める作動油タンクを提供しようとするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するため、本考案ではサクションラインに連通する油室とリタ ーンフィルタを内蔵し、リターンラインに連通する第一フィルタ室及びバイパス フィルタを内蔵する第二フィルタ室を設け、第一フィルタ室と第二フィルタ室の 隔壁に連通孔を開けると共に、第一フィルタ室及び第二フィルタ室と油室を夫々 連通させたものである。

【０００５】

【作用】

油圧機器からのリターンラインの作動油は、第一フィルタ室のリターンフィル タを介してサクションラインに連通しサクションフィルタを内蔵する油室に還流 すると共に第一フィルタ室の作動油の一部は連通孔を通じて第二フィルタ室に流 入し、バイパスフィルタを介して油室に導かれる。

【０００６】

【実施例】

以下本考案の実施例を図に基づいて説明する。 作動油タンク１は外板１Ａに囲まれサクションライン２に連通しサクションフ ィルタ６を内蔵する油室１Ｂと隔壁１Ｃに囲まれリターンライン３に連通し、リ ターンフィルタ４を内蔵する第一フィルタ室４Ａ及び隔壁１Ｄに囲まれ第一フィ ルタ室４Ａと連通孔４Ｂで連通し、バイパスフィルタ５を内蔵する第二フィルタ 室５Ａ等から構成され、第一フィルタ室４Ａ及び第二フィルタ室５Ａは夫々パイ プ４Ｃ、５Ｂを介して油室１Ｂに連通されている。

【０００７】 次に図２により作用を説明する。 油圧機器（図示してない）からリターンライン３に還流された作動油は第一フ ィルタ室４Ａに流入し、リターンフィルタ４で濾過された後パイプ４Ｃを介して 油室１Ｂに導かれる。一方第一フィルタ室４Ａに流入した作動油の一部は連通孔 ４Ｂから第二フィルタ室５Ａに流入し、バイパスフィルタ５で濾過された後パイ プ５Ｂを介して油室１Ｂに導かれる。その際、第一フィルタ室４Ａに内蔵されて いるリターンフィルタ４は目の粗さが１０〜４０ミクロンであるのに対し、第二 フィルタ室５Ａに内蔵されているバイパスフィルタ５は多数の紙を層状に積層し た不純物除去エレメントを採用しており、１ミクロン程度の不純物を除去でき、 作動油の一部は常時このバイパスフィルタ５を介して油室１Ｂに還流される。

【０００８】

【考案の効果】 この考案は、上記実施例に於いて詳述した構成によって、作動油タンク１に還 流されてきた作動油は一部がリターンフィルタ４で濾過され、残りの一部が常時 リターンフィルタ４よりも一層目の細かいバイパスフィルタ５で濾過されるため 、清浄効果が高まり、油圧機器の故障を防止すると共に、作動油の劣化を防ぎ、 作動油の交換時間を引き延ばすことができる等顕著な効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る作動油タンクの縦断面図

【図２】本考案に係る作動油の流れ状態を示す図

【符号の説明】 １ タンク １Ｂ 油室 １Ｃ 隔壁 １Ｄ 隔壁 ２ サクションライン ３ リターンライン ４ リターンフィルタ ４Ａ 第一フィルタ室 ４Ｂ 連通孔 ５ バイパスフィルタ ５Ａ 第二フィルタ室 ６ サクションフィルタ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 正木 桂二 千葉県千葉市稲毛区長沼原町731−１ 住 友建機株式会社千葉工場内

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 サクションラインに連通する油室とリタ
   ーンフィルタを内蔵し、リターンラインに連通する第一
   フィルタ室及び第一フィルタ室に隣接し、バイパスフィ
   ルタを内蔵する第二フィルタ室等から構成され、第一フ
   ィルタ室と第二フィルタ室との隔壁に連通孔を設けると
   共に、第一フィルタ室及び第二フィルタ室と油室を夫々
   連通したことを特徴とする建設機械等の作動油タンク。