JPH0673011A - カルボスチリル誘導体および抗アレルギー剤 - Google Patents

カルボスチリル誘導体および抗アレルギー剤

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JPH0673011A
JPH0673011A JP5158685A JP15868593A JPH0673011A JP H0673011 A JPH0673011 A JP H0673011A JP 5158685 A JP5158685 A JP 5158685A JP 15868593 A JP15868593 A JP 15868593A JP H0673011 A JPH0673011 A JP H0673011A
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JP
Japan
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quinolinone
group
compound
methanol
piperidinyl
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JP5158685A
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English (en)
Inventor
Takeshi Masagaki
武志 正垣
Hiroshi Toyoda
弘 豊田
Takao Kakita
孝雄 柿田
Masumi Furukawa
ますみ 古川
Seiichi Nakatsugi
清一 中継
Emi Masai
恵美 正井
Tsuyako Yashima
ツヤ子 八島
Ikuo Ueda
育男 植田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sawai Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Sawai Pharmaceutical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 抗アレルギー活性を有する化合物を提供す
る。 【構成】 式(A)[式中、並列する破線と実線からなる
記号は1重結合または2重結合、RおよびR'は水素原
子、ハロゲン原子または低級アルキル基、AおよびB
は、水素原子、(置換)低級アルキル基、(置換)アリ
ール基または式:−Y−R2で示される基等、Yは低級
アルキレン基、R2は式(B)(式中、mは1〜3の整
数、nは0または1、Zは>N−、>CH−または>C
=、R3は(置換)ジアリール低級アルキル基またはオ
キソ基を有していてもよい縮合複素環式基を示す)で示
される基を意味する。但し、AおよびBのうち少なくと
も一方は基−Y−R2である。]で示される化合物また
はその塩ならびに当該化合物またはその塩を含有する抗
アレルギー剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、新規なカルボスチリ
ル誘導体、および上記カルボスチリル誘導体からなる抗
アレルギー剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】抗ア
レルギー剤としては種々のものが既に市販されている。
例えば、1−[3−{4−(ジフェニルメチル)−1−ピペ
ラジニル}プロピル]−1,3−ジヒドロ−2H−ベンズ
イミダゾール−2−オン(一般名オキサトミド)は経口投
与で有効な抗アレルギー剤である。
【0003】医薬には一般に連用または特異体質等によ
る副作用があり得るので、常に新しい医薬の開発が望ま
れており、抗アレルギー剤もその例外ではない。
【0004】
【課題を解決するための手段】この発明者等は、抗アレ
ルギー作用を有する新規化合物を探索した結果、ある種
のカルボスチリル誘導体がこのような作用を有すること
を見出して、この発明を完成したのである。
【0005】すなわち、この発明は、(1)
【化3】 [式中、並列する破線と実線からなる記号は1重結合ま
たは2重結合、RおよびR'は水素原子、ハロゲン原
子、低級アルキル基、ニトロ基、アミノ基または置換基
を有するアミノ基、AおよびBは、水素原子、所望によ
り低級シクロアルキル基で置換されていてもよい低級ア
ルキル基、所望によりハロゲン原子で置換されていても
よいアリール基または式:−Y−R2で示される基、Yは
低級アルキレン基、R2は式
【化4】 (式中、mは1〜3の整数、nは0または1、Zは>N
−、>CH−または>C=、R3は所望によりハロゲン
原子で置換されていてもよいジアリール低級アルキル基
または所望によりオキソ基を有していてもよい縮合複素
環式基を示す)で示される基を意味する。但し、(イ)A
およびBのうち少なくとも一方は基−Y−R2であり、
(ロ)Aが水素原子でBが基−Y−R2のとき、R3が所望
によりオキソ基を有していてもよい縮合複素環式基でn
が0ならば、Zは>CH−または>C=である]で示さ
れる化合物またはその塩、および(2)上記(1)記載の化
合物またはその塩を有効成分とする抗アレルギー剤を提
供するものである。
【0006】上記一般式(A)において、基RおよびR'
は同一でも異なってもよく、結合可能な任意の位置に存
在し得る。ハロゲン原子としては、ふっ素、塩素、臭素
およびよう素が含まれる。この発明において、「低級」の
語は、特にことわらない限り炭素原子数1−6の基を表
すために用いる。低級アルキル基としては、炭素原子数
1−6のアルキル基、例えばメチル、エチル、プロピ
ル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、第3級ブチ
ル、ペンチル、2−メチルブチル、ヘキシル等が含まれ
る。置換基を有するアミノ基における置換基としては、
低級アルキル基、低級脂肪族アシル基(例えば低級アル
キル−CO−または低級アルキル−OCOCO−)およ
び低級アルキルで置換されていてもよいベンゾイル基の
ようなアシル基が含まれる。このような置換基は、アミ
ノ基上に1個または2個存在することができる。低級シ
クロアルキル基としては、炭素原子3個以上を有する上
記低級アルキル基が炭素原子間で閉環して生ずる基、例
えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、
2−メチルシクロペンチル、シクロヘキシル等が含まれ
る。低級アルキル基が低級シクロアルキル基で置換され
ている場合、低級シクロアルキル置換は1個または2個
が好ましい。低級アルキレン基としては、上記低級アル
キル基から1個の水素原子を除いて得られる基、例えば
メチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン、
ペンタメチレン、ヘキサメチレン、2−メチルテトラメ
チレン、1,2−プロピレン、1,1−ジメチルメチレン
等が含まれる。
【0007】アリール基としては、単環性および2環性
アリール基、例えばフェニル基、ナフチル基、ビフェニ
リル基およびこれらが1個以上の低級アルキル基で環置
換されて生ずるトリル、キシリル、メシチル、クメニ
ル、2−メチル−1−ナフチル、1−メチル−2−ナフ
チルのような基が含まれる。アリール基がハロゲン原子
で置換されている場合、ハロゲン原子は1個または2個
以上、例えば2個、3個、4個または5個存在すること
ができる。ジアリール低級アルキル基は、上記のような
アリール基を2個有する低級アルキル基である。2個の
アリール基は、低級アルキル基の同一または異なる炭素
原子上に存在することができる。ジアリール低級アルキ
ル基がハロゲン原子で置換されている場合、ハロゲン原
子は通常アリール基上に存在し、1個または2個以上、
例えば2個、3個、4個または5個存在することができ
る。また、ハロゲン原子が2個以上存在する場合、同一
または異なる環上に存在することができる。
【0008】縮合複素環式基としては複素環と単素環
(炭素環)、または複素環同士が縮合して生ずる2環系ま
たは3環系以上の縮合環が含まれる。炭素環としてはベ
ンゼン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプ
タン等が含まれ、複素環としては、窒素原子、酸素原子
または硫黄原子から選ばれたヘテロ原子を1個または2
個以上(例えば2個、3個または4個)有し残りが炭素原
子である5、6または7員環が含まれる。代表的な複素
環は、ピロール、フラン、チオフエン、ピラゾール、オ
キサゾール、チアゾール、トリアゾール、オキサジアゾ
ール、チアジアゾール、ピリジン、ピラン、チオピラ
ン、ピリダジン、オキサジン、チアジン、アゼピン、オ
キセピン、チエピン、ジアゼピン、オキサゼピン、チア
ゼピン、これらのヘテロ原子の位置に関する異性体およ
び部分または完全水素化体である。代表的な縮合複素環
は、インドール、ベンゾフラン、ベンゾチオフエン、イ
ンダゾール、キノリン、クロメン、シンノリン、ベンゾ
アゼピン、ベンゾジアゼピン、カルバゾール、フエノキ
サジン、フエノチアジン、ジベンゾアゼピン、ベンゾシ
クロヘプタチオフエン、インドリジン、プリン、キノリ
ジン、ナフチリジン、カルボリン、これらのヘテロ原子
の位置に関する異性体および部分または完全水素化体で
ある。縮合複素環式基がオキソ基を有する場合、オキソ
基は炭素原子に結合し、通常1個または2個存在する。
【0009】酸塩としては、医薬として許容される無機
酸塩と有機酸塩が含まれる。無機酸塩としては、塩酸
塩、硫酸塩、りん酸塩等が含まれる。有機酸塩として
は、酢酸塩、プロピオン酸塩、フマール酸塩、マレイン
酸塩、しゅう酸塩、こはく酸塩、酒石酸塩、りんご酸
塩、安息香酸塩等のカルボン酸塩、およびメタンスルホ
ン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、
トルエンスルホン酸塩等のスルホン酸塩が含まれる。
【0010】上記の化合物は、例えば次のような方法で
製造することができる。
【化5】
【化6】
【化7】
【化8】
【化9】
【化10】 [上式中、R1は−Y−R2以外のAまたはB基、Xはハ
ロゲン、pは1〜6の整数、qは1〜4の整数、rは1〜
3の整数、sは1〜4の整数、Eはエステル形成基(例え
ば低級アルキル)、R4およびR5はアミノ基の置換基を
意味し、その他の記号は前と同じ意味]
【0011】反応式Iに示す方法1において、化合物
(I)から化合物(IIa)を得る閉環反応は、化合物(I)
に濃硫酸、ポリリン酸等の縮合剤およびトリエチルアミ
ン等の塩基の存在下、4−ハロアセトアセチルハライド
(例えば4−ブロモアセトアセチルブロミド)を反応させ
ることにより行なわれる。この反応は、通常溶媒中で加
熱して行なう。化合物(IIa)を化合物(IIb)に導く反応
は、反応式IVに示すように行なわれる。すなわち、化合
物(IIa)にまず溶媒中で水素化ナトリウムのようなアル
カリ性縮合剤の存在下マロン酸ジエステルを反応させた
後、酸加水分解して化合物(IId)を得、これをエステル
化して化合物(IIe)とし、ついで水素化リチウムアルミ
ニウム、水素化ほう素ナトリウムのような化学還元剤で
還元してアルコール(IIf)を得、これをハロゲン化する
と化合物(IIb)が得られる。
【0012】ついで、得られた化合物(IIb)または直接
化合物(IIa)に、炭酸水素ナトリウムのような塩基の存
在下化合物R2−Hを反応させると、目的化合物(III)が
得られる。この反応は、通常溶媒中で加熱して行なわれ
る。化合物(III)は、常法により酸を反応させることに
より酸塩(III')に導くことができ、またその逆反応およ
び塩の交換反応を行なうこともできる。また化合物(II
I)を、接触還元用金属触媒(例えばパラジウム、ラネー
ニッケル等)の存在下に水素化するか、発生期の水素(例
えば亜鉛のような金属と酸)等で還元すると、化合物(I
V)が得られ、これも同様に酸塩(IV')に導くことができ
る。
【0013】別法として、反応式IIに示す方法2にお
いて、3−オキソグルタール酸に無水酢酸を反応させて
得られる3−アセチル−4−ヒドロキシ−5,6−ジヒ
ドロ−2H−ピラン−2,6−ジオンと化合物(I)を反
応させて化合物(Ia)を得、これを閉環させて化合物(II
da)とし、以下反応式IVの化合物(IId)から(IIb)を
得る工程と同様に処理して化合物(IIb)を得る。以下、
反応式Iの化合物(IIa)から(III)を得る工程と同様に処
理して化合物(III)とすることができる。
【0014】さらに別法として、反応式IIIの方法3で
は、化合物(V)に、水素化ナトリウムのようなアルカリ
性縮合剤の存在下、アルキレンジハライド(例えば1−
ブロモ−3−クロロプロパン)を反応させて化合物(VI)
を得る。この反応は室温で充分進行する。ついで、得ら
れた化合物(VI)に化合物R2−Hを反応させるが、この
反応は反応式Iにおける化合物(IIa)または(IIb)から(I
II)を得る反応と同様に行なうことができる。得られた
化合物(VII)は常法により酸塩(VII')に導くことができ
る。また、水素化して化合物(VIII)とすることができ、
これも同様に酸塩(VIII')に導くことができる。また反
応式Vに示す方法4では、不飽和体のエステル(IIea)を
接触還元用金属触媒(例えば酸化白金、パラジウム等)の
存在下に水素化を行うと、3、4位が飽和された化合物
(II'ea)が得られる。これをさらに化学還元剤(例えばL
iAlH4、NaBH4)で還元してアルコール(II'fa)を
得、これを水酸基のハロゲン化剤(例えばハロゲン化水
素酸)でハロゲン化すると化合物(II'c)が得られる。以
下、所望により化合物(II'b)を経由して、反応式Iの化
合物(IIa)から(III)を得る工程と同様に処理して化合物
(IV)とすることができる。反応式VIに示す方法5では、
化合物(IIb)をニトロ化して(IIba)を得、ついで所望に
より化合物(IIbc)を経由して反応式Iの化合物(IIa)か
ら(III)を得る工程と同様、炭酸水素ナトリウムのよう
な塩基の存在下化合物R2−Hを反応させると目的物(II
Ia)が得られる。さらに、ニトロ基をパラジウム炭素の
ような接触還元用金属触媒の存在下に水素化し、アミノ
基として目的物(IIIb)を得る。アミノ基の水素原子1個
が置換される条件下(例えば試薬約1モルの使用、低温
等)でアルキルハライドまたはアシルハライド(もしくは
酸無水物等)である試薬R4Xを反応させてアミノ基を置
換すると、1置換の化合物(IIIc)を得る。さらにR5
を反応させて2置換の化合物(IIId)を得ることができ
る。この場合、R4とR5(アミノ基の置換基)は同一でも
異なってもよい。また、R4とR5が同一の場合、これら
をアミノ基の水素原子2個が置換される条件下(例えば
試薬約2モル以上の使用、比較的高温等)で同時に導入
することができる。上記の反応式において、何れかの化
合物を他の化合物で置換し、反応を公知の他の反応で置
換し、または他の反応を追加して、この発明に含まれる
化合物を製造することができる。
【0015】この発明で得られるカルボスチリル誘導体
(A)はすぐれた抗アレルギー活性(例えば抗喘息活性)を
有するので、アレルギー性疾患(例えば喘息)の処置用医
薬として有用である。したがって、この発明はまた処置
すべき対象に上記この発明で用いる化合物を投与するこ
とからなる、アレルギー性疾患(例えば喘息)の処置方法
を提供する。上記の活性は、慣用される試験法によって
測定することができる。上記この発明で用いる化合物を
処置すべき対象に投与するに際しては、化合物を有効成
分とし、経口投与、非経口投与または外用に適した有機
または無機の固体または液体賦形剤のような医薬上許容
される坦体と混合して常用の医薬製剤の形で投与するこ
とができる。このような製剤は、カプセル、錠剤、糖衣
錠、軟膏、坐剤等の固体または溶液剤、けんだく剤、乳
剤等の液体とすることができる。また必要に応じて、上
記製剤には補佐薬、安定剤、湿潤剤、乳化剤、緩衝剤お
よび他の常用添加剤を加えることができる。上記の用途
において、化合物(A)の投与量は勿論、患者の年令、症
状、使用化合物、投与方法および所望する処置により異
なる。しかし、一般に約0.1〜100(好ましくは0.
5〜50)mg/kgの用量を、好適には1日2ないし4回
の分割用量または持効性製剤の形で投与すると、満足す
べき結果が得られる。
【0016】
【実施例】以下、この発明の製剤例、実施例および試験
例を挙げてさらに詳細に説明するが、これらによってこ
の発明が限定されるものではない。
【表1】 (6)の5%エタノール溶液に(5)を溶解し、さらに(1)を
分散させた。これを(2)−(4)の混合物に加え練合した
後、乾燥、整粒し、(7)を加えて混合した。最後に、圧縮成型
して1錠200mgの錠剤を製した。
【0017】
【表2】 (4)を(3)に溶解し、(1)と(2)の混合物に加え、全体が均一
になるように十分撹拌し、カプセル内容物を調製した。
次に、ゼラチンとグリセリンから調製したゼラチンシー
トに1カプセル当り210mgを充填し、乾燥後、軟カプセ
ル剤を製した。
【0018】
【表3】 (8),(9),(10)を(2)に溶解し、更に、(6),(7)を加えて均
一に分散させた。これに(1)を加えて均一になるまで撹拌
した。これに、別に調製した(3),(4),(13)(の一部)からな
るシロップを徐々に添加し、強撹拌(ホモジナイザー)下
で乳化物を得た。更に、(11)の水溶液でpHを調整し、(1
2)を加えた後、(13)で全量を100mlとした。なお、これらの
操作は窒素気流下で行い、安定なシロップ剤を調製し
た。上記製剤例1−3において、有効成分とあるのはこ
の発明で用いる化合物の任意の1つを示す。
【0019】参考例1 (方法A2、A6) 1,2−ジヒドロ−2−オキソ−4−キノリン酪酸の合
成 氷冷下、水素化ナトリウム2.03g(60%油中分散
物、50.78mmol)の乾燥ジメチルホルムアミド10ml
懸濁液にマロン酸ジエチル7.75ml(50.78mmol)の
乾燥ジメチルホルムアミド10ml溶液を滴下した後、2
0分間撹拌した。同条件下、4−(2−ブロモエチル)−
2(1H)−キノリノン(II−2)6.4g(25.39mmo
l)と乾燥ジメチルホルムアミド50mlを順に加えた後、
室温に戻し16時間反応させた。反応混合物に水(20
0ml)を注ぎ、続いて2N−HCl溶液により酸性(pH
≒4)とした後、クロロホルム(300ml×1)により抽
出した。クロロホルム層を分離し、溶媒を留去した。残
渣にエーテル(300ml)を注いだ後、水洗(300ml×
1)し乾燥(無水MgSO4)した。溶媒留去後、残渣を展
開溶媒(クロロホルム:メタノール=95:5)に溶解
し、シリカゲルカラム(クロロホルム:メタノール=9
5:5)により精製した。最初に流出する無色溶液を集
め、溶媒を留去し、白色固体を4.18g得た。この固
体4.18gを20%HCl溶液40mlに懸濁した後、
16時間還流した。反応混合物を氷浴中で冷却した後、
析出固体を吸引濾取した。濾物を水洗後、メタノールと
アセトンで順に洗浄し、乾燥させた。白色結晶、mp 2
65−267℃(エタノール−水から再結晶)の表題化合
物を2.83g(収率48.2%)得た。上記参考例に従っ
て、1,2−ジヒドロ−2−オキソ−4−キノリンペン
タン酸を合成した。
【化11】
【表4】
【0020】参考例2 (方法A2、A6) 1,2−ジヒドロ−2−オキソ−4−キノリン酪酸メチ
ルエステルの合成 1,2−ジヒドロ−2−オキソ−4−キノリン酪酸1.8
6g(8.04mmol)を5%メタノール−HCl 45mlに
懸濁した後、1時間還流した。反応混合物から溶媒を留
去した。残渣に水(200ml)を注いだ後、析出した固体
を吸引濾取した。濾物を水洗後、減圧下乾燥した。得ら
れた固体を展開溶媒(クロロホルム:メタノール=9:
1)に溶解し、シリカゲルカラム(クロロホルム:メタノ
ール=9:1)により精製した。最初に流出する無色溶
液を集め溶媒を留去した。白色結晶、mp 161−16
2℃(メタノール−水から再結晶)の表題化合物を1.7
1g(収率86.9%)得た。上記参考例に従って、1,2
−ジヒドロ−2−オキソ−4−キノリンペンタン酸メチ
ルエステルを合成した。
【化12】
【表5】
【0021】参考例3 (方法A55) 4−(4−ヒドロキシブチル)−2(1H)−キノリノンの
合成 1,2−ジヒドロ−2−オキソ−4−キノリン酪酸メチ
ルエステル1.60g(6.52mmol)を乾燥テトラヒドロ
フラン60mlに懸濁した。氷冷下、水素化リチウムアル
ミニウム247.4mg(6.52mmol)を少しづつ加えた
後、室温に戻し、16時間反応させた。氷冷下、反応混
合物に水を注意深く注ぎ、過剰の水素化リチウムアルミ
ニウムを分解した。次に硫酸(濃H2SO41ml/水10
0ml)溶液を加えた後、減圧下、テトラヒドロフランを
留去した。析出固体を吸引濾取した。濾物を水洗後、乾
燥した。白色結晶、mp 152−154℃(メタノ−ル
−水から再結晶)の表題化合物を1.33g(収率93.6
%)得た。上記参考例に従って、4−(5−ヒドロキシペ
ンチル)−2(1H)−キノリノンを合成した。
【化13】
【表6】
【0022】参考例4 (方法A2、A6) 4−(4−ブロモブチル)−2(1H)−キノリノン(II−
4)の合成 4−(4−ヒドロキシブチル)−2(1H)−キノリノン1
g(4.60mmol)を47%HBr溶液20mlに懸濁した
後、16時間還流した。反応混合物を氷浴中で冷却した
後、析出固体を吸引濾取した。濾物を水洗後メタノール
から再結晶(活性炭処理)した。白色結晶、mp 156−
158℃(メタノールから再結晶)の表題物質(II−4)を
790mg(収率61.3%)得た。上記参考例に従って、 4−(5−ブロモペンチル)−2(1H)−キノリノン (I
I−5) 4−(2−ブロモエチル)−1−メチル−2(1H)−キノ
リノン (II−7) 7−ブロモ−4−(2−ブロモエチル)−2(1H)−キノ
リノン (II−8) 4−(2−ブロモエチル)−6−メチル−2(1H)−キノ
リノン (II−10) 4−(2−ブロモエチル)−8−メチル−2(1H)−キノ
リノン (II−11) 4−(2−ブロモエチル)−7−メチル−2(1H)−キノ
リノン (II−12) 4−(2−ブロモエチル)−6−(1−メチルエチル)−2
(1H)−キノリノン (II−13) 4−(2−ブロモエチル)−5,7−ジメチル−2(1H)
−キノリノン (II−14) 4−(2−ブロモエチル)−8−(1−メチルエチル)−2
(1H)−キノリノン (II−15) を合成した。
【化14】
【表7】
【表8】
【表9】 なお、化合物4−ブロモメチル−2(1H)−キノリノン
(II−1)、4−(2−ブロモエチル)−2(1H)−キノリ
ノン(II−2)および4−(3−ブロモプロピル)−2(1
H)−キノリノン(II−3)については、ケミカル・アン
ド・ファーマシウティカル・ブリテン、(Chem.Phar
m.Bull.)33巻(9号)、3775−3786頁(19
85年)に従って合成した。
【0023】参考例5 (方法A1) 4−ブロモメチル−1−メチル−2(1H)−キノリノン
(II−6)の合成 Br29.6g(60mmol)を0℃で、ジケテン5.04g
(60mmol)のCCl4溶液(80ml)に加えた。別に、N
−メチルアニリン6.43g(60mmol)とトリエチルア
ミン6.0g(60mmol)をクロロホルム300mlに溶か
し、ここへ0℃で先の反応混合物を滴下した。滴下終了
後、0℃で15分間撹拌した。これを水100mlにより
水洗した。有機層を無水MgSO4で乾燥し、溶媒を留去
した。残渣についてシリカゲルカラムクロマト分離(展
開液:ベンゼン:酢酸エチル=4:1)を行い、中間体
を得、引き続きこの中間体にH2SO440mlを撹拌しな
がら加え、そのまま18時間放置した。反応混合物を氷
水にあけ、析出した固体を濾取した。この固体を水洗、
乾燥した後、エタノールより再結晶を行い、淡黄色結
晶、mp 188−190℃(エタノールで再結晶)の目的
物(II−6)3.6g(収率24%)を得た。 参考例6 (方法A52、A53) 1,2−ジヒドロ−1−メチル−2−オキソ−4−キノ
リン酢酸の合成 室温下、3−アセチル−テトラヒドロピラン−2,4,6
−トリオン 10g(58.78mmol)を酢酸20mlに懸
濁した後、N−メチルアニリン 6.5ml(58.78mmo
l)を滴下し、同条件下30分反応させた。反応混合物を
氷水(500ml)に注いだ後、析出固体を吸引濾取した。
濾物を水とエーテルで順に洗浄後乾燥した。得られた淡
黄色固体11.01gを濃H2SO4 50ml中で室温下
16時間放置した。反応混合物を氷水(500cc)に注い
だ後、析出固体を吸引濾取した。濾物を水洗後、メタノ
ールから再結晶を行い白色結晶mp199−201℃
(メタノールで再結晶)の表題化合物 4.35g(収率3
2.0%)を得た。なお、原料の3−アセチル−テトラヒ
ドロピラン−2,4,6−トリオンはジャーナル・オブ・
ケミカル・ソサイエティー、(ケミカル・コミュニケー
ションズ)(J.Chem.Soc.(C))、2721−26(1971)に従
って合成した。 参考例7 (方法A52、A53、A54) 7−ブロモ−1,2−ジヒドロ−2−オキソ−4−キノ
リン酢酸メチルエステル 室温下、3−アセチル−テトラヒドロピラン−2,4,6
−トリオン25g(0.147mmol)を酢酸50mlに懸濁
させた後、m−ブロモアニリン25.3g(0.147mmo
l)の酢酸30ml溶液を加え、同条件下30分反応させ
た。反応混合物を氷水1lに注いだ後、析出固体を吸引
濾取した。濾物を水洗後乾燥した。得られた固体54g
を濃H2SO4 250mlに少しづつ加えた後、室温下1
6時間撹拌した。反応混合物を氷水1lに注いだ後、析
出固体を吸引濾取した。濾物をメタノールとアセトンで
順に洗浄後乾燥した。白色固体である7−ブロモ−1,
2−ジヒドロ−2−オキソ−4−キノリン酢酸を19.
5g得た。この固体19.5gをメタノール500mlに
懸濁させた。室温下、塩化チオニル15.1ml(207mm
ol)を滴下した後、0.5時間還流した。反応混合物を氷
水1lに注いだ後、析出固体を吸引濾取した。濾物を水
洗後、メタノールから再結晶を行い、白色結晶、mp2
08−210℃(メタノールから再結晶)の表題化合物を
13.6g(収率31.2%)得た。 参考例8 (方法A52、A53、A54) 1,2−ジヒドロ−6−メチル−2−オキソ−4−キノ
リン酢酸メチルエステルの合成 3−アセチル−テトラヒドロピラン−2,4,6−トリオ
ン 21.1g(124mmol)を酢酸22mlに懸濁させ、
ここへp−トルイジン 13.8g(129mmol)の酢酸
20ml溶液を加えた後、室温で10分間撹拌した。反応
混合物を水に注ぎ析出した固体を濾取した。水洗、乾燥
後、これを濃H2SO4 140mlに徐々に加えた後、1
0分間撹拌し、その後室温で16時間放置した。反応混
合物を氷水に注ぎ析出した固体を濾取した。水、メタノ
ール、アセトンで順次洗浄後乾燥した。これに5%HC
l−メタノール 250mlを加え1時間還流した。反応
混合物からメタノールを留去後水を加え析出した固体を
濾取した。水洗、乾燥後メタノール−テトラヒドロフラ
ン−水の混合溶媒から再結晶を行い白色結晶mp202
−204℃(メタノール−テトラヒドロフラン−水から
再結晶)の表題化合物14.8g(収率51.6%)を得
た。上記参考例に従って 1,2−ジヒドロ−8−メチル−2−オキソ−4−キノ
リン酢酸メチルエステル 1,2−ジヒドロ−7−メチル−2−オキソ−4−キノ
リン酢酸メチルエステル 1,2−ジヒドロ−6−(1−メチルエチル)−2−オキ
ソ−4−キノリン酢酸メチルエステル 1,2−ジヒドロ−5,7−ジメチル−2−オキソ−4−
キノリン酢酸メチルエステル 1,2−ジヒドロ−8−(1−メチルエチル)−2−オキ
ソ−4−キノリン酢酸メチルエステル を合成した。
【表10】 参考例9 (方法A55) 4−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチル−2(1H)−
キノリノンの合成 1,2−ジヒドロ−1−メチル−2−オキソ−4−キノ
リン酢酸メチルエステル 2.35g(10.16mmol)を
乾燥テトラヒドロフラン 50mlに溶解した後、水素化
ほう素ナトリウム1.92g(50.8mmol)を加え、還流
させた。同条件下メタノール19mlを徐々に滴下(1時
間要した)した後、さらに1時間還流した。反応混合物
に2N−HClを加え酸性(pH≒2)とした後、溶媒留
去残液に水(300ml)を注いだ後、クロロホルム(30
0ml×3)により抽出した。有機相を乾燥(MgSO4)
後、溶媒留去した。残渣をエーテルにより結晶化させ、
白色結晶の標題化合物を1.80g(収率87.2%、m
p149−150℃(クロロホルム−ヘキサン)得た。上
記参考例に従って 7−ブロモ−4−(2−ヒドロキシエチル)−2(1H)−
キノリノン 4−(2−ヒドロキシエチル)−6−メチル−2(1H)−
キノリノン 4−(2−ヒドロキシエチル)−8−メチル−2(1H)−
キノリノン 4−(2−ヒドロキシエチル)−7−メチル−2(1H)−
キノリノン 4−(2−ヒドロキシエチル)−6−(1−メチルエチル)
−2(1H)−キノリノン 5,7−ジメチル−4−(2−ヒドロキシエチル)−2(1
H)−キノリノン 4−(2−ヒドロキシエチル)−8−(1−メチルエチル)
−2(1H)−キノリノン を合成した。
【0024】実施例1 (方法A7) 4−[2−[4−(1H−インドール−3−イル)−1−ピ
ペリジニル]エチル]−2(1H)−キノリノン(III−2)
の合成 A.4−(2−ブロモエチル)−2(1H)−キノリノン(I
I−2)500mg(1.98mmol)、3−(4−ピペリジニ
ル)−1H−インドール396.5mg(1.98mmol)およ
び炭酸水素ナトリウム249.5mg(2.97mmol)を乾燥
ジメチルホルムアミド5mlに懸濁した後、80℃、5時
間反応させた。反応混合物に氷水を注いだ後、析出固体
を吸引濾取した。濾物を水洗後、メタノール−テトラヒ
ドロフラン−水から再結晶させた。淡黄色結晶、mp
259−260℃(メタノール−テトラヒドロフラン−
水で再結晶)の目的物(III−2)を336mg(収率45.7
%)得た。 B.4−(2−ブロモエチル−2(1H)−キノリノン(II
−2)30g(119mmol)と3−(4−ピペリジニル)−
1H−インドール 23.8g(119mmol)を乾燥ジメ
チルホルムアミド 300mlに懸濁させた後、室温下ト
リエチルアミン 33ml(238mmol)を加えて、同条件下(室温)48時間
反応させた。反応混合物に水600mlを注いだ後、室温
下15分撹拌し、析出固体を吸引濾取した。濾物を水洗
後、減圧下乾燥させた後メタノール−テトラヒドロフラ
ン−水により再結晶を行い、白色固体、mp259−2
59.5℃(メタノール−テトラヒドロフラン−水で再結
晶)の目的物(III−2)を103g(収率70.9%)得
た。上記実施例に従って、化合物4−[[4−(1H−イ
ンドール−3−イル)−1−ピペリジニル]メチル]−2
(1H)−キノリノン(III−1)、4−[3−[4−(1H−
インドール−3−イル)−1−ピペリジニル]プロピル]
−2(1H)−キノリノン(III−3)、4−[4−[4−(1
H−インドール−3−イル)−1−ピペリジニル]ブチ
ル]−2(1H)−キノリノン(III−4)、4−[5−[4−
(1H−インドール−3−イル)−1−ピペリジニル]ペ
ンチル]−2(1H)−キノリノン(III−5)、4−[[4−
(ジフェニルメチル)−1−ピペラジニル]メチル]−2
(1H)−キノリノン(III−6)、4−[2−[4−(ジフェ
ニルメチル)−1−ピペラジニル]エチル]−2(1H)−
キノリノン(III−7)、4−[3−[4−(ジフェニルメチ
ル)−1−ピペラジニル]プロピル]−2(1H)−キノリ
ノン(III−8)、4−[2−[4−(4−クロロフェニル)
フェニルメチル]−1−ピペラジニル]エチル]−2(1
H)−キノリノン(III−9)、4−[[4−(ジフェニルメ
トキシ)−1−ピペリジニル]メチル]−2(1H)−キノ
リノン(III−10)、4−[2−[4−(ジフェニルメトキ
シ)−1−ピペリジニル]エチル]−2(1H)−キノリノ
ン(III−11)、4−[3−[4−(ジフェニルメトキシ)
−1−ピペリジニル]プロピル]−2(1H)−キノリノン
(III−12)、4,9−ジヒドロ−4−[1−[(1,2−ジ
ヒドロ−2−オキソ−4−キノリル)メチル]−4−ピペ
リジニリデン]−10H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ
[1,2−b]チオフェン−10−オン(III−13)、4,
9−ジヒドロ−4−[1−[2−(1,2−ジヒドロ−2−
オキソ−4−キノリル)エチル]−4−ピペリジニリデ
ン]−10H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]
チオフェン−10−オン(III−14)4,9−ジヒドロ−
4−[1−[3−(1,2−ジヒドロ−2−オキソ−4−キ
ノリル)プロピル]−4−ピペリジニリデン]−10H−
ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]チオフェン−1
0−オン(III−15)、7−ブロモ−4−[2−[4−(1
H−インドール−3−イル)−1−ピペリジニル]エチ
ル]−2(1H)−キノリノン (III−18)、4−[2−
[4−(1H−インドール−3−イル)−1−ピペリジニ
ル]エチル]−6−メチル−2(1H)−キノリノン(III−
23)、4−[2−[4−(1H−インドール−3−イル)
−1−ピペリジニル]エチル]−8−メチル−2(1H)−
キノリノン(III−24)、4−[2−[4−(1H−インド
ール−3−イル)−1−ピペリジニル]エチル]−7−メ
チル−2(1H)−キノリノン(III−25)、4−[2−
[4−(1H−インドール−3−イル)−1−ピペリジニ
ル]エチル]−6−(1−メチルエチル)−2(1H)−キノ
リノン (III−26)、5,7−ジメチル−4−[2−[4
−(1H−インドール−3−イル)−1−ピペリジニル]
エチル]−2(1H)−キノリノン (III−27)、4−[2
−[4−(1H−インドール−3−イル)−1−ピペリジ
ニル]エチル]−8−(1−メチルエチル)−2(1H)−キ
ノリノン (III−28)、を合成した。
【0025】実施例2 (方法A4) 4-[[4−(1H−インドール−3−イル)−1−ピペリジ
ニル]メチル]−1−メチル−2(1H)−キノリノン(III
−16)の合成 4−ブロモメチル−1−メチル−2(1H)−キノリノン
756mg(3mmol)、3−(4−ピペリジニル)−1H−イ
ンドール600mg(3mmol)および炭酸水素ナトリウム3
78mg(4.5mmol)を乾燥ジメチルホルムアミド5mlに
懸濁させ、80℃で2時間撹拌した。反応混合物を水に
あけ、析出した固体を濾取、水洗、乾燥した後、メタノ
ール−テトラヒドロフランより再結晶を行い、白色結
晶、mp228−229℃(メタノール−テトラヒドロ
フランで再結晶)の目的物(III−16)720mg(収率6
5%)を得た。
【0026】実施例3 (方法A4) 4−[2−[4−(1H−インドール−3−イル)−1−ピ
ペリジニル]エチル]−1−メチル−2(1H)−キノリノ
ン(III−17)の合成 4−(2−ブロモエチル)−1−メチル−2(1H)−キノ
リノン(II−7)500mg(1.88mmol)3−(4−ピペリ
ジニル)−1H−インドール 376.5mg(1.88mmo
l)及びNaHCO3 236.9mg(2.82mmol)を乾燥ジ
メチルホルムアミド 5ml中、90℃で3.5時間反応
させた。反応混合物を氷水に注いだ後、析出固体を吸引
濾取した。濾物を水洗後乾燥した。得られた固体を展開
溶媒(クロロホルム:メタノール=95:5)に溶解しシ
リカゲルカラム(クロロホルム:メタノール=95:5)
により精製した。先に流出する不純物を除いた後の無色
溶液を集め溶媒留去すると白色結晶の目的物(III−1
7)を536mg(収率74.0%、mp79−81℃(ベン
ゼン−ヘキサン))得た。 実施例4 (方法A8) 4−[2−[4−(1H−インドール−3−イル)−1−ピ
ペリジニル]エチル]−2(1H)−キノリノン塩酸塩(II
I'−2−a)の合成 4−[2−[4−(1H−インドール−3−イル)−1−ピ
ペリジニル]エチル]−2(1H)−キノリノン(III−2)
500mg(1.35mmol)をメタノール15mlとテトラヒ
ドロフラン25ml中で還流し、溶解した。同条件下、5
%メタノール−HClを加え、酸性(pH≒2)とした
後、反応混合物から溶媒留去した。残渣をアセトンで結
晶化後、メタノールから再結晶した。淡黄色結晶、mp
290−293℃(メタノ−ルで再結晶)の目的物(II
I'-2−a)を248mg(収率45.0%)得た。
【0027】実施例5 (方法A8) 4−[2−[4−(1H−インドール−3−イル)−1−ピ
ペリジニル]エチル]−2(1H)−キノリノン マレイン
酸塩(III'−2−b)の合成 4−[2−[4−(1H−インドール−3−イル)−1−ピ
ペリジニル]エチル]−2(1H)−キノリノン(III−2)
500mg(1.35mmol)をメタノール15mlとテトラヒ
ドロフラン25ml中で還流し、溶解した。同条件下、マ
レイン酸172.9mg(1.49mmol)のメタノール10ml
溶液を加えた後、反応混合物から溶媒留去した。残渣を
アセトンで結晶化後、アセトン−メタノ−ルから再結晶
した。淡黄色結晶、mp 138−141℃(アセトン
−メタノールで再結晶)の目的物(III'−2−b)を40
4mg(収率61.4%)得た。
【0028】実施例6 (方法A8) 4−[2−[4−(1H−インドール−3−イル)−1−ピ
ペリジニル]エチル]−2(1H)−キノリノン フマル酸
塩(III'−2−c)の合成 4−[2−[4−(1H−インドール−3−イル)−1−ピ
ペリジニル]エチル]−2(1H)−キノリノン(III−2)
500mg(1.35mmol)をメタノール15mlとテトラヒ
ドロフラン25ml中で還流し、溶解した。同条件下、フ
マル酸173mg(1.49mmol)のメタノール5ml溶液を
加えた後、さらに10分間還流した。反応混合物を室温
まで冷却後、析出固体を吸引濾取した。濾物をメタノー
ルで洗浄後乾燥した。白色固体、mp262−264℃
である目的物(III'−2−c)を538mg(収率82.0
%)得た。
【0029】参考例10 (方法B1) 1−(3−クロロプロピル)−6−メチル−2(1H)−キ
ノリノン(VI−2)の合成 6−メチル−2(1H)−キノリノン(V−2)1.18g
(7.42mmol)を乾燥ジメチルホルムアミド10mlに懸
濁させ、ここへNaH(60%油中分散物)356mg(8.
90mmol)を加え10分間撹拌後、さらに1−ブロモ−
3−クロロプロパン0.73ml(7.42mmol)を加えた
後、室温で1時間撹拌した。その後、反応液を水にあけ
エーテルで抽出した。有機層を無水MgSO4乾燥後、
溶媒を留去した。残渣について、シリカゲルカラムクト
マトグラフィーを実施した(展開液:ベンゼン:酢酸エ
チル=7:3)。得られた目的物をさらにベンゼン−ヘ
キサン混合溶媒により再結晶を行い、目的物(VI−2)7
80mg(収率45%)を得た。同様にして6−クロロ−1
−(3−クロロプロピル)−2(1H)−キノリノン(VI−
1)、1−(3−クロロプロピル)−2(1H)−キノリノ
ン(VI−3)を合成した。
【0030】参考例11 (方法B1) 1−(3−クロロプロピル)−4−メチル−2(1H)−キ
ノリノン(VI−4)の合成 NaH150mg(60%油中分散物、3.78mmol)を乾燥
ジメチルホルムアミド7mlに懸濁させ、これに2−ヒド
ロキシ−4−メチルキノリン(V−4)500mg(3.14
mmol)の17ml乾燥ジメチルホルムアミド溶液(加熱溶
解)を氷冷下滴下、室温に戻し20分撹拌した。反応混
合物に室温下1−ブロモ−3−クロロプロパン0.4ml
(4.08mmol)を加え、室温で5時間撹拌した。反応終
了後、反応混合物を氷水に注ぎ、エーテル抽出(2回)し
た。有機層を水洗後、乾燥、減圧下溶媒留去した。得ら
れた残渣を展開溶媒(ベンゼン:酢酸エチル=85:1
5)に溶解し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを
実施した。2番目に流出する成分を集め溶媒留去すると
目的物(VI−4)の白色固体403mg(収率57.4%、m
p80−83℃)を得た。同様にして、1−(3−クロロ
プロピル)−4−フェニル−2(1H)−キノリノン(VI−
5)、4−(4−クロロフェニル)−1−(3−クロロプロ
ピル)−2(1H)−キノリノン(VI−6)、1−(3−クロ
ロプロピル)−4−(4−メチルフェニル)−2(1H)−
キノリノン(VI−7)を合成した。ただし、(VI−5)は既
知化合物であり、特開昭56−49359号による。
【0031】実施例7 (方法B2) 1−[3−[4−(1H−インドール−3−イル)−1−ピ
ペリジニル]プロピル]−6−クロロ−2(1H)−キノリ
ノン(VII−1)の合成 1−(3−クロロプロピル)−6−クロロ−2(1H)−キ
ノリノン(VI−1)540mg(2.11mmol)、3−(4−ピ
ペリジニル)−1H−インドール464mg(2.32mmol)
および炭酸水素ナトリウム266mg(3.17mmol)を乾
燥ジメチルホルムアミド4mlに懸濁させ、80℃で18
時間撹拌した。反応混合物を氷水に注ぎ、析出した固体
を吸引濾取した。濾物を水洗、乾燥した後、メタノール
−水より再結晶を行い、目的物(VII−1)730mg(収率
82%)を得た。同様にして、1−[3−[4−(1H−イ
ンドール−3−イル)−1−ピペリジニル]プロピル]−
6−メチル−2(1H)−キノリノン(VII−2)、1−[3
−[4−(1H−インドール−3−イル)−1−ピペリジ
ニル]プロピル]−2(1H)−キノリノン(VII−3)を合
成した。
【0032】実施例8 (方法B2) 1−[3−[4−(1H−インドール−3−イル)−1−ピ
ペリジニル]プロピル]−4−メチル−2(1H)−キノリ
ノン(VII−4)の合成。 1−(3−クロロプロピル)−4−メチル−2(1H)−キ
ノリノン(VI−4)455mg(1.93mmol)、3−(4−ピ
ペリジニル)−1H−インドール350mg(1.75mmo
l)、および炭酸水素ナトリウム220mg(2.63mmol)
を乾燥ジメチルホルムアミド6mlに懸濁させた後、90
℃で15時間反応させた。反応混合物に氷水を注いだ
後、析出固体を吸引濾取した。濾物をクロロホルムに溶
解した後、乾燥、減圧下溶媒留去した。得られた残渣を
展開溶媒(クロロホルム:メタノール=9:1)に溶解
し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを実施した。
先に流出する不純物をのぞいた後の無色溶液を集め、溶
媒留去した。目的物(VII−4)の淡黄色固体450mg(収
率64.4%)を得た。mp74−77℃。同様にして化
合物1−[3−[4−(1H−インドール−3−イル)−1
−ピペリジニル]プロピル]−4−フェニル−2(1H)−
キノリノン(VII−5)、4−(4−クロロフェニル)−1
−[3−[4−(1H−インドール−3−イル)−1−ピペ
リジニル]プロピル]−2(1H)−キノリノン(VII−
6)、1−[3−[4−(1H−インドール−3−イル)−
1−ピペリジニル]プロピル]−4−(4−メチルフェニ
ル)−2(1H)−キノリノン(VII−7)を合成した。
【0033】参考例12 (方法A13) 4−(2−ブロモエチル)−3,4−ジヒドロ−2(1H)
−キノリノン(II'−1)の合成 3,4−ジヒドロ−4−(2−ヒドロキシエチル)−2(1
H)−キノリノン 1.6g(8.37mmol)を47%HBr
水溶液 30mlに懸濁した後、100℃で72時間反応
させた。反応混合物を氷水に注いだ後、クロロホルム
(300ml×1)により抽出した。有機相を乾燥(無水Mg
SO4)後、溶媒留去した。残渣を展開溶媒(クロロホル
ム:メタノール=95:5)に溶解し、シリカゲルカラ
ム(クロロホルム:メタノール=95:5)により精製し
た。最初に流出する無色溶液を集め溶媒留去すると白色
結晶の表題化合物(II'−1)を1.807g(収率85.0
%、mp125−127℃(メタノール−水))得た。な
お、出発原料の3,4−ジヒドロ−4−(2−ヒドロキシ
エチル)−2(1H)−キノリノンは薬学雑誌85(10)、871
−875(1965)に従って合成した。 実施例9 (方法A15) 3,4−ジヒドロ−4−[2−[4−(1H−インドール−
3−イル)−1−ピペリジニル]エチル]−2(1H)−キ
ノリノン(IV−1)の合成 4−(2−ブロモエチル)−3,4−ジヒドロ−2(1H)
−キノリノン(II'−1)500mg(1.97mmol)、3−
(4−ピペリジニル)−1H−インドール 394.5mg
(1.97mmol)および炭酸水素ナトリウム 248.7mg
(2.96mmol)を乾燥ジメチルホルムアミド 5mlに懸
濁した後90℃で4時間反応させた。反応混合物に氷水
(50cc)を注いだ後、析出固体を吸引濾取した。濾物を
水洗後、クロロホルム(50cc)に溶解し、乾燥(無水Mg
SO4)した。溶媒留去後、残渣を展開溶媒(クロロホル
ム:メタノール=85:15)に溶解し、シリカゲルカ
ラム(クロロホルム:メタノール=85:15)により精
製した。先に流出する不純物を除いた後の無色溶液を集
め溶媒留去すると、淡黄色固体の目的物(IV−1)を54
0mg(収率73.4%、mp115−117℃(メタノー
ル−テトラヒドロフラン−水))得た。 参考例13 (方法A17) 4−(2−ブロモエチル)−6−ニトロ−2(1H)−キノ
リノン(II−9)の合成 HNO3(60%)21mlと濃H2SO4 14mlの混液に
氷冷しながら4−(2−ブロモエチル)−2(1H)−キノ
リノン(II−2)3.5g(13.9mmol)を加え、その後浴
温45℃で45分間撹拌した。反応液を氷水450mlに
注ぎ、析出した固体を濾取、水洗、乾燥した。これをエ
タノールより再結晶し、淡黄色結晶、mp215−21
7℃(エタノールより再結晶)の表題化合物2.6g(収率
63.0%)を得た。 実施例10 (方法A19) 4−[2−[4−(1H−インドール−3−イル)−1−ピ
ペリジニル]エチル]−6−ニトロ−2(1H)−キノリノ
ン(III−19)の合成 4−(2−ブロモエチル)−6−ニトロ−2(1H)−キノ
リノン(II−9)891mg(3.0mmol)、3−(4−ピペリ
ジニル)−1H−インドール 600mg(3.0mmol)及び
炭酸水素ナトリウム 378mg(4.5mmol)をジメチル
ホルムアミド9mlに懸濁させ50℃で30時間撹拌し
た。反応混合物を水に注ぎ析出した固体を濾取、水洗、
乾燥後、メタノール−テトラヒドロフラン−水の混合溶
媒により再結晶を行い淡黄色結晶、mp251−253
℃(メタノール−テトラヒドロフラン−水から再結晶)目
的物(III−19)640mg(収率51.2%)を得た。 実施例11 (方法A20) 6−アミノ−4−[2−[4−(1H−インドール−3−
イル)−1−ピペリジニル]エチル]−2(1H)−キノリ
ノン(III−20)の合成 4−[2−[4−(1H−インドール−3−イル)−1−ピ
ペリジニル]エチル]−6−ニトロ−2(1H)−キノリノ
ン(III−19) 6g(14.4mmol)をテトラヒドロフラン
800ml及びメタノール 200mlの混合溶媒に加温し
て溶かし、ここへパラジウム炭素 2.5gを加え、水
素雰囲気下、55℃で4時間撹拌した。反応液を熱時濾
過し、濾液から溶媒留去した。残渣を乾燥後、メタノー
ル−テトラヒドロフラン−水の混合溶媒から再結晶を行
い淡黄色結晶の目的物(III−20)4.3g(収率77.3
%、mp214−216℃(メタノール−テトラヒドロ
フラン−水から再結晶))を得た。 実施例12 (方法A21) 6−アセチルアミノ−4−[2−[4−(1H−インドー
ル−3−イル)−1−ピペリジニル]エチル]−2(1H)
−キノリノン(III−21) 6−アミノ−4−[2−[4−(1H−インドール−3−
イル)−1−ピペリジニル]エチル]−2(1H)−キノリ
ノン(III−20) 1g(2.59mmol)をジメチルホルムア
ミド 8mlに溶解し、トリエチルアミン 0.7ml(5mm
ol)を加えた後、0℃にてアセチルクロリド 0.2ml
(2.75mmol)滴下し、同温度で15分間撹拌した。反
応液を水に注ぎ、析出した固体を濾取した。水洗、乾燥
後、メタノール−テトラヒドロフラン−水の混合溶媒よ
り再結晶を行い、淡黄色結晶の目的物(III−21)900m
g(収率81.1%、mp180−183℃(メタノール−
テトラヒドロフラン−水から再結晶))を得た。上記実施
例に従って6−n−ブチルオキザリルアミノ−4−[2
−[4−(1H−インドール−3−イル)−1−ピペリジ
ニル]エチル]−2(1H)−キノリノン(III−22)を合成
した。
【表11】
【表12】
【表13】
【表14】
【表15】
【表16】
【表17】
【表18】
【表19】
【表20】
【表21】
【表22】
【表23】
【表24】
【表25】
【表26】
【表27】
【表28】
【表29】
【表30】
【表31】
【表32】
【表33】
【表34】
【表35】
【表36】
【表37】
【表38】
【表39】
【表40】
【表41】
【表42】
【表43】
【表44】
【表45】
【表46】
【表47】
【表48】
【表49】
【表50】
【表51】
【表52】
【表53】
【表54】
【表55】
【表56】
【表57】
【表58】
【表59】
【表60】
【表61】
【表62】
【表63】
【表64】
【表65】
【表66】
【表67】
【表68】
【表69】
【0034】本発明の化合物について、ラットPCA
(受身皮膚アナフィラキシー:passivecutaneous anaphy
laxis)反応抑制作用、ラット実験的喘息抑制作用および
マウス急性毒性を以下に示す方法で試験した。抗血清
は、ジャーナル・オブ・イムノロジー、(J.Immunol.)
106巻、1002頁(1971年)に記載の方法に従っ
て作製した。抗血清の力価を48時間同種PCAにより
測定し、その力価が200倍のものを使用した。
【0035】試験例1 (ラットPCA抑制反応作用試
験) 剪毛したウィスター系ラットの背部2ケ所に調製した抗
血清(抗卵白アルブミン(OVA)ラット血清)を生理食塩
液を用いて75倍希釈し、0.05mlを皮内注射して受
動的に感作した。48時間後、2mgの卵白アルブミンを
含む1%エバンスブルー生理食塩液を0.5ml/匹尾静
脈内投与し反応を惹起させた。30分後、ラットを断頭
放血死させ、背部皮膚を剥離し、反応部位に漏出した色
素をミクロバイオロジカル・イムノロジー(Microbiol.
Immunol.)22巻89頁(1978年)記載の方法に準じ
て抽出した。即ち、感作部位2ケ所と、非感作部位1ケ
所(ブランク)を直径1.8cmの円形に打ち抜いた。その
打ち抜いた皮膚を、それぞれ試験管にとり、1N−KO
H1mlを加え37℃で一夜放置した。これに0.6N−
3PO4/アセトン(5/13)混液9mlを加え,十分に
撹拌した後、遠心分離(3000rpm×10分)し、その上清
の620nmにおける吸光度を測定し、予め作製したエバ
ンスブルーの検量線より色素量を求めた。なお、感作条
件および抗原量は、日薬理誌80巻261頁(1982
年)に記載の方法に従った。被検薬および陽性対照であ
るオキサトミドは、反応惹起1時間前に、胃ゾンデを用
いて動物の体重200g当たり1mlの投与量となるように
経口投与した。試験は、被検薬については1群6〜7匹
で行い、対照群は1群8〜9匹で行った。結果を表7
0、71に示す。
【0036】試験例2 (ラット実験的喘息抑制作用試
験) ウィスター系ラットに、調製した抗血清(抗卵白アルブ
ミン(OVA)ラット血清)2.0ml/動物を尾静脈内に注
射して受動的に感作し、24時間後、抗原投与によるア
ナフィラキシー性気道収縮反応をコンツエット(Konzet
t)とレスラー(Roessler)法の変法で測定した。ウレタ
ン(1.5g/kg腹腔内投与)麻酔下に背位に固定し、切
開した気管カニューレを介して人工呼吸器(ハーバード
モデル 683 人工呼吸量3〜5ml/回 呼吸数72回
/分)に連結した。また、気管カニューレの側枝を気管
支痙攣変換器(ウゴバシルモデル 7020)に連結し、
人工呼吸装置により送りだされた一定量の空気のうちラ
ットの呼吸器系に入らないオバーフロー量をアンプリフ
ァイアー(日本光電 AB621G)を介して記録紙上に
描記(レクチコーダー 日本光電 RJG−4124)し
た。オキサトミドは日薬理誌80巻261頁(1982
年)での報告に従い至適条件である2時間前に、その他
の薬物は、1時間前に胃ゾンデを用いて体重100g当
たり0.2mlを経口投与した。測定終了時にコッヘルで
気管を閉塞し、これを最大収縮(100%)として、結果
をこれに対する百分率で示した。結果を表70、表71
に示す。
【表70】
【表71】
【0037】試験例3 (マウス急性毒性試験) 4週齢の雄性IcRマウス(SPF)(日本SLC、体重
24〜32g)を試験投与前5時間絶食させ、化合物(II
I−2)を0.5%カルボキシメチルセルロースナトリウ
ム溶液に懸濁(10g当たり0.2ml)して投与し、生存
例は14日後に、死亡例は発見後速やかに剖検をした。
結果は、経口投与では、LD503g/kg以上、腹腔内投
与では、LD501g/kg以上で毒性は低かった。
【0038】試験例4 モルモット実験的アレルギー喘息 Hartley系雄性モルモット(日本SLC)に3時間PCA
の力価が16000倍のモルモット抗卵白アルブミン(OV
A)血清を生理食塩水で5倍希釈したもの0.2ml/動物
静脈内に注射して受動的に感作し、24時間後、ウレタ
ン麻酔下に背位に固定し、切開した気管カニューレを挿
入固定し、人工呼吸器(ハーバードモデル683、人工
呼吸量4−6ml/回、呼吸数40回/分)に連結した。 ガラミントリエチオイド 1mg/kg静脈内投与により自
発呼吸を停止させた後OVA0.3mg/kgを静脈内投与
してアナフィラキシー性気道収縮反応を惹起し前述のラ
ットの方法に準じて惹起し15分間観察した。オキサト
ミドは抗原チャレンジの2時間前に、化合物(III−2)
およびケトチフェンは1時間前に経口投与した。結果
は、測定終了後に気管カニューレを完全に閉塞し、これ
を最大収縮として、これに対する百分率で示した。
【表72】 抗原で反応惹起後、1分以内に気道抵抗の増大が始まり
ほぼ3分で最大に達し、以後15分までの間に僅かに減
少した。この反応に対し、化合物(III−2)は、有意に
抑制し、抑制率は70.3%であった。
【0039】試験例5 血中トロンボキサン(TX) A2の測定 ラットの血中TXA2濃度測定では、7週齢280g前
後のウィスター系雄性ラットに、多田(Tada)および奥
村(Okumura)の方法に準じて作製した抗卵白アルブミン
(OVA)ラット血清を用いて、受動的に感作し、モルモ
ットでは、8週齢500g前後のハートレー系モルモッ
トに、OVAとフロインドの完全アジュバンドの4.
5:5.5混合エマルジョンで免疫して作製した抗OV
Aモルモット血清を用いて、受動的に感作した。24時
間後、ウレタン麻酔下で気管を切開して、人工呼吸器に
連結しコンツェット(Konzett)およびレスラー(Roessl
er)法の変法により気道抵抗を観察しながら、静脈内に
OVAを投与して反応を惹起した。なお、薬物は反応惹
起1時間前に経口投与し、採血は反応惹起前と、ラット
は反応惹起8分後に、モルモットは15分後に、動脈よ
り採血した。採血した血液は、10mM EDTA−2
Naおよび0.4mMインドメタシンと直ちに混和し、遠
心により血漿を分離した。分離した血漿中に存在するT
XA2の代謝物であるTXB2を、C18カラムにより部
分精製し、酵素免疫測定キット(Enzyme Immunoassay
Kit)により定量した。ラットでは、反応惹起後に有意
に血中TXA2濃度が上昇し、化合物(III−2)は、有意
にその上昇を抑制した。その抑制率は68.7%であっ
た。モルモットでも反応惹起後に血中TXA濃度が上
昇し、本薬物は、有意な94.4%抑制を示した。以上
のことより化合物(III−2)のTXA2合成阻害作用が認
められた。
【表73】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07D 401/06 233 8829−4C 241 8829−4C 243 8829−4C 401/14 209 8829−4C 409/14 211 8829−4C 471/04 113 8829−4C //(C07D 401/14 209:00 211:00 215:00) (C07D 409/14 211:00 215:00 333:00) (72)発明者 中継 清一 大阪府堺市庭代台4−7−12 (72)発明者 正井 恵美 大阪府高石市加茂1−17−2 (72)発明者 八島 ツヤ子 奈良県奈良市秋篠町梅ケ丘1043−4 (72)発明者 植田 育男 大阪府豊中市上野東2−11−95

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式 【化1】 [式中、並列する破線と実線からなる記号は1重結合ま
    たは2重結合、RおよびR'は水素原子、ハロゲン原
    子、低級アルキル基、ニトロ基、アミノ基または置換基
    を有するアミノ基、AおよびBは、水素原子、所望によ
    り低級シクロアルキル基で置換されていてもよい低級ア
    ルキル基、所望によりハロゲン原子で置換されていても
    よいアリール基または式:−Y−R2で示される基、Y
    は低級アルキレン基、R2は式 【化2】 (式中、mは1〜3の整数、nは0または1、Zは>N
    −、>CH−または>C=、R3は所望によりハロゲン
    原子で置換されていてもよいジアリール低級アルキル基
    または所望によりオキソ基を有していてもよい縮合複素
    環式基を示す)で示される基を意味する。但し、(イ)A
    およびBのうち少なくとも一方は基−Y−R2であり、
    (ロ)Aが水素原子でBが基−Y−R2のとき、R3が所望
    によりオキソ基を有していてもよい縮合複素環式基でn
    が0ならば、Zは>CH−または>C=である]で示さ
    れる化合物またはその塩。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の化合物またはその塩を有
    効成分とする抗アレルギー剤。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008524328A (ja) * 2004-12-21 2008-07-10 アカディア ファーマシューティカルズ,インコーポレーテッド ムスカリン作動薬としてのテトラヒドロキノリン類似体
JP2014526438A (ja) * 2011-06-28 2014-10-06 フジアン・ミンドン・レジュヴネイション・ファーマスーティカル・カンパニー・リミテッド 抗アレルギ性ベンゾシクロヘプタチオフェン誘導体
WO2017014201A1 (ja) * 2015-07-17 2017-01-26 富士フイルム株式会社 含窒素複素環化合物
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