JPH0672827A

JPH0672827A - 洗顔料

Info

Publication number: JPH0672827A
Application number: JP3075988A
Authority: JP
Inventors: Toru Nakajima; 亨中島
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 1991-02-14
Filing date: 1991-02-14
Publication date: 1994-03-15

Abstract

(57)【要約】【目的】洗浄効果が高くしかも皮膚や目などを痛める
ことのないスクラブ型洗顔料を提供することを目的とす
る。【構成】洗顔料の基剤中に、粒径が１０〜１００ミク
ロンの多孔性ハイドロキシ・カルシウム・アパタイトを
混練してスクラブ型洗顔料とした。さらに、皮膚細胞の
活性化などのためにホホバ油を添加する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、洗顔料に関し、特にス
クラブ型と呼ばれる皮膚表面の小皺、毛根周辺、毛穴、
ニキビ跡、目尻周辺あるいは鼻周辺等に見られる老廃
物、脂質を擦り取る型の洗顔料の改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来のスクラブ型洗顔料としては、洗顔
料基剤中にプラスチック小粒子やクルミ殻のような天然
の固形繊維質の粗粒を混入したものが知られている。こ
れらはいずれも混入小粒子のスクラブ（擦り洗い）効果
を利用したものであり、小粒子が皮膚表面を移動しつつ
凹所に入り込んで、凹所に停溜した脂質物質に接触し
て、これをスクラブしつつ再び移動し、水と共に洗い流
されるメカニズムによって、不要物質を引き出して洗浄
効果を上げるものである。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の洗
顔料に混入しているプラスチックやクルミ殻といったも
のの小粒子は、生化学的表面活性の付与が考慮されてい
ないので、皺の奥などの取れにくい部分に密着している
ような脂質・老廃物（体内からの分泌物、化粧料あるい
は油汚れ）を完全迅速に除去するのが困難である。これ
を改良して洗顔料中に当該小粒子を大量に入れ強く擦り
つければ取れにくい部分の汚れでも除去できるが、皮膚
を傷付けることとなる。

【０００４】また、上記従来の洗顔料に混入しているプ
ラスチックやクルミ殻といったものの小粒子は、生体適
合性に欠け、誤って目の中に入り込んだ際に角膜を傷付
ける等の事故が多発している。

【０００５】ところで、これとは別にハイドロキシ・カ
ルシウム・アパタイト（ＨＡＰ）が、元来哺乳動物の骨
成分であり、カルシウム代謝、骨髄における造血作用、
免疫作用に密接に関与していて、体内の造骨、破骨作用
と代謝制御過程で極めて重要な生化学的作用を持つこと
が最近研究の成果として明らかになり始めている。この
生化学作用はＨＡＰ分子自身の構造から来るものである
が、無機イオンや有機分子に対する得意な吸着能による
ものである。被吸着物質が親水性の物質群であれ、疎水
性の物質群であれ、ＨＡＰ自体あるいはその微結晶粒子
はキレート結合や特異な配位結合によって、これらの物
質群をその表面に吸着する。そこで、この吸着能をより
効率的にするために本発明では、マイクロポアを無数に
有し表面積を多大にした多孔性ＨＡＰを利用し、上記欠
点を解消し、洗浄効果が高くしかも皮膚や目などを痛め
ることのない洗顔料を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記欠点を解消するため
に本発明は、洗顔料の基剤中に角を除去した粒径が１０
〜１００ミクロンの多孔性ハイドロキシ・カルシウム・
アパタイトを混練してなるものとし、さらにはこれにホ
ホバ油を１〜１０％添加したものとした。

【０００７】

【作用】多孔性ハイドロキシ・カルシウム・アパタイト
（以下「多孔性ＨＡＰ」という）粒子はスクラブ作用の
みならず、その表面に形成された無数のマイクロポアが
脂質物質、可溶性糖分子、糖蛋白分子あるいは蛋白残滓
といった代謝産生物・老廃物質分子の物理吸着・化学吸
着による取込み作用も併存して、洗浄効果が倍増する。

【０００８】また、ＨＡＰは角を除去して丸みを帯びさ
せているので皮膚を傷付けず、また口腔中や目の中に入
った場合２０ミクロン以下のＨＡＰは唾液中や涙液中の
免疫細胞の一種のマクロファージのエンドサイト−シス
によって貪食されて、また２０ミクロン以上のものは接
触溶解して排除される。

【０００９】

【実施例】ＨＡＰはその分子自身の構造より無機イオン
や有機分子に対する吸着能があり、この吸着能を飛躍的
に向上するために表面積が大となる多孔性にするとよ
い。この吸着能は既に液体クロマトグラフィーにおける
分析基材として、糖類・糖蛋白類・配糖体・ＤＮＡ・Ｒ
ＮＡ・アミノ酸・蛋白質の精細な分析、分取あるいは精
製用に利用されている点からも充分に理解できる。

【００１０】多孔性ＨＡＰは、以下のように合成する。

【００１１】アパタイトはまず水溶液中で中和反応にて
合成され、コロイド状に水中を分散した状態にある。こ
れをスプレードライヤで乾燥し、微粉末化する。これを
一次粒子という。この一次粒子に過酸化水素水、または
ポリビニルアルコール（ＰＶＡ）水溶液を適量添加し、
造粒器で造粒する。この時に生成顆粒が球状になる。こ
れを７００〜８００℃で仮焼（カルシネーション）する
ものである。この仮焼の際に酸素またはＰＶＡが抜けて
微細孔が多数明き、表面積がポアレス微粒子の数億倍か
ら数十億倍にも増えて吸着能が飛躍的に向上する。この
際アパタイトに銀、銅、亜鉛といった殺菌・抗菌性のあ
る金属イオンを付着させると、にきび等の細菌による皮
膚のトラブルを防止する効果が大になる。

【００１２】以下この多孔性ＨＡＰを混練した洗顔料の
実施例を説明する。

【００１３】実施例１洗顔クリームの場合は、基剤成分１００ｇに対して粒径
の中心が５０ミクロンの球状の多孔性ＨＡＰ２ｇを混入
する。

【００１４】実施例２Ｏ／Ｗ型クレンジングクリームの場合以下すべて重量％である。

【００１５】流動パラフィン２０％、ワセリン１５％、
セレシン１０％、ミリスチン酸イソプロピル１０％、モ
ノステアリン酸グリセリン２％、セタノール３％を７０
〜８０℃で加温溶融した後抗酸化剤適量を溶かし込む。
一方精製水約２７％（全量が１００％となるような残り
の量）と粒径の中心が５０ミクロンの球状の多孔性ＨＡ
Ｐ粉末２％とプロピレングリコール１０％の混合物を７
０〜８０℃に加温した後防腐剤適量を溶かし込んだもの
を前記油相に少量ずつ攪拌しつつ添加して混練し放冷
し、固化直前に香料を適量を加える。

【００１６】以上の実施例１、実施例２にホホバ油を添
加するには、直接１〜５％添加すればよい。実施例２の
場合は、固化前かつ香料添加の前に混練すれば良い。ホ
ホバ油は、天然エステル油であり、短い直鎖化合物であ
る。その浸透性は驚くべきものであり金属中へも浸透し
て行く特異な物性を持つ。洗顔料基剤の中には界面活性
剤が混合されているので、ホホバ油は少量添加するだけ
であるので、直ちに乳化され均一に混練される。なお、
ハーブなどの添加が必要ならば同時に実施すればよい。

【００１７】

【発明の効果】本発明は上記の通り洗顔料に多孔性ハイ
ドロキシ・カルシウム・アパタイトを混練したので、ス
クラブ作用のみならず多孔性ＨＡＰによる物理吸着・化
学吸着による取込み作用も併存して、代謝産生物・老廃
物を完全迅速に除去する。また、２０ミクロン以下の粒
子はマクロファージのエンドサイト−シスにより貪食さ
れ、２０ミクロン以上の粒子は接触溶解して皮膚や目を
傷付けることがないという効果を奏する。

【００１８】さらに、ホホバ油の添加によって、クリー
ムはより滑らかになり伸展性に富むようになるので、使
用感もさらに改善され、その上ホホバ油の皮膚内への迅
速かつ強力な浸透性によって、クリーム中にハーブなど
の有効成分を配剤しておけば、これが共に皮膚内に取込
まれて角質部の軟化と皮膚細胞の活性化等の諸効果が洗
浄効果に重畳される。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】洗顔料基剤中に粒径が１０〜１００ミク
ロンの多孔性ハイドロキシ・カルシウム・アパタイトを
混練したことを特徴とする洗顔料。
【請求項２】洗顔料基剤中に角を除去した粒径が１０
〜１００ミクロンの多孔性ハイドロキシ・カルシウム・
アパタイトを混練したことを特徴とする洗顔料。
【請求項３】洗顔料基剤中に粒径が１０〜１００ミク
ロンの多孔性ハイドロキシ・カルシウム・アパタイトを
混練し、さらにホホバ油を１〜１０％添加したことを特
徴とする洗顔料。