JPH0672786A - 耐火物素材及びこれを用いた耐火物 - Google Patents
耐火物素材及びこれを用いた耐火物Info
- Publication number
- JPH0672786A JPH0672786A JP4245983A JP24598392A JPH0672786A JP H0672786 A JPH0672786 A JP H0672786A JP 4245983 A JP4245983 A JP 4245983A JP 24598392 A JP24598392 A JP 24598392A JP H0672786 A JPH0672786 A JP H0672786A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 金属コーティングしたＡｌ2Ｏ3原料を使用す
ることにより、ノズルあるいはモールド等の鋳造用Ａｌ
2Ｏ3−Ｃ質耐火物の耐用性向上を図る。 【構成】 （１）アルミナ質の耐火原料をＳｉ、Ａｌ、
Ｍｇ、Ｚｒ、Ｔｉ、Ｃａ、Ｃｒ等の金属の１種または２
種以上を単独或いは併用してコーティングしたことを特
徴とする耐火物素材。 （２） （１）の耐火物素材５０〜８５重量部、炭化珪
素３〜７重量部、黒鉛１０〜３５重量部含有し、４００
℃以上の温度で焼成したことを特徴とする耐火物。 【効果】 本発明の素材を適用することによって、耐食
性を損なうことなく、耐熱衝撃性、耐酸化性を同時に向
上させることができる。
ることにより、ノズルあるいはモールド等の鋳造用Ａｌ
2Ｏ3−Ｃ質耐火物の耐用性向上を図る。 【構成】 （１）アルミナ質の耐火原料をＳｉ、Ａｌ、
Ｍｇ、Ｚｒ、Ｔｉ、Ｃａ、Ｃｒ等の金属の１種または２
種以上を単独或いは併用してコーティングしたことを特
徴とする耐火物素材。 （２） （１）の耐火物素材５０〜８５重量部、炭化珪
素３〜７重量部、黒鉛１０〜３５重量部含有し、４００
℃以上の温度で焼成したことを特徴とする耐火物。 【効果】 本発明の素材を適用することによって、耐食
性を損なうことなく、耐熱衝撃性、耐酸化性を同時に向
上させることができる。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、鋳造プロセスで使用す
るＡｌ2Ｏ3質炭素含有耐火物に用いる耐火物素材及びそ
の耐火物に関するものである。
るＡｌ2Ｏ3質炭素含有耐火物に用いる耐火物素材及びそ
の耐火物に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】鋳造プロセスで使用する耐火物として
は、耐熱衝撃性に優れた炭素含有系耐火物が適用されて
いる。しかしながら、これらの耐火物でも耐熱衝撃性が
十分であるとは言えず、これを改善するために溶鋼に接
触しない部分に溶融シリカを含有させる方法が行われて
いる（例えば、特開平０３−１１４６３９号公報）。こ
の手法によれば、溶融シリカが耐火物内部で酸化物と炭
素を結合させるため、組織が強固になり溶鋼と接触する
部位を除いて耐熱衝撃性、耐酸化性の向上が認められ
る。しかし、この手法では、溶融シリカの添加量が多い
部位と少ない部位との間に物性差が生じ、亀裂生成の原
因となり耐火物全体の耐用性は不十分である。また、溶
鋼と接触する部位にまで溶融シリカを多量に含有させる
と耐食性を損なうという問題がある。
は、耐熱衝撃性に優れた炭素含有系耐火物が適用されて
いる。しかしながら、これらの耐火物でも耐熱衝撃性が
十分であるとは言えず、これを改善するために溶鋼に接
触しない部分に溶融シリカを含有させる方法が行われて
いる（例えば、特開平０３−１１４６３９号公報）。こ
の手法によれば、溶融シリカが耐火物内部で酸化物と炭
素を結合させるため、組織が強固になり溶鋼と接触する
部位を除いて耐熱衝撃性、耐酸化性の向上が認められ
る。しかし、この手法では、溶融シリカの添加量が多い
部位と少ない部位との間に物性差が生じ、亀裂生成の原
因となり耐火物全体の耐用性は不十分である。また、溶
鋼と接触する部位にまで溶融シリカを多量に含有させる
と耐食性を損なうという問題がある。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】本発明では、従来の炭
素含有系耐火物では得られなかった緻密な耐火物組織を
得るための耐火物素材を得ること及び、この耐火物素材
を用いることで、耐食性を損なう溶融シリカを多量に使
用することなく、耐熱衝撃性、耐酸化性を向上した耐火
物を得ることである。
素含有系耐火物では得られなかった緻密な耐火物組織を
得るための耐火物素材を得ること及び、この耐火物素材
を用いることで、耐食性を損なう溶融シリカを多量に使
用することなく、耐熱衝撃性、耐酸化性を向上した耐火
物を得ることである。
【０００４】
【課題を解決するための手段】本発明は、アルミナ質の
耐火原料にＳｉ、Ａｌ、Ｍｇ、Ｚｒ、Ｔｉ、Ｃａ、Ｃｒ
等の金属の１種または２種以上からなるものをコーティ
ングしたことを特徴とする耐火物素材、及び、耐食性を
損なう溶融シリカを多量に使用することなく、耐熱衝撃
性、耐酸化性を向上するために、黒鉛を３〜３０重量
部、前述の耐火物素材を７０〜９７重量部含有し、４０
０℃以上の温度で焼成したことを特徴とする耐火物であ
る。
耐火原料にＳｉ、Ａｌ、Ｍｇ、Ｚｒ、Ｔｉ、Ｃａ、Ｃｒ
等の金属の１種または２種以上からなるものをコーティ
ングしたことを特徴とする耐火物素材、及び、耐食性を
損なう溶融シリカを多量に使用することなく、耐熱衝撃
性、耐酸化性を向上するために、黒鉛を３〜３０重量
部、前述の耐火物素材を７０〜９７重量部含有し、４０
０℃以上の温度で焼成したことを特徴とする耐火物であ
る。
【０００５】
【作用】本発明におけるアルミナ質の耐火原料に金属を
表面コーティングした耐火物素材は、炭素含有系耐火物
内部で以下のような反応によって耐食性を維持しつつ耐
熱衝撃性、耐酸化性の向上をもたらす。ここでは、表面
コーティング金属としてＳｉを用いた場合を例に説明す
る。
表面コーティングした耐火物素材は、炭素含有系耐火物
内部で以下のような反応によって耐食性を維持しつつ耐
熱衝撃性、耐酸化性の向上をもたらす。ここでは、表面
コーティング金属としてＳｉを用いた場合を例に説明す
る。
【０００６】表面コーティングされた金属Ｓｉは、耐火
原料であるＡｌ2Ｏ3と反応してムライト３Ａｌ2Ｏ3・２
ＳｉＯ2 を生成するとともに、耐火物の一方の主構成成
分である黒鉛と反応してＳｉＣを生成し、耐火原料と黒
鉛を化学的に結合させる。この結合によって従来の耐火
物では得られなかった緻密な組織を生成させることが可
能となる。このため、従来の金属添加法による組織の緻
密化以上に耐熱衝撃性、耐酸化性を向上することができ
る。
原料であるＡｌ2Ｏ3と反応してムライト３Ａｌ2Ｏ3・２
ＳｉＯ2 を生成するとともに、耐火物の一方の主構成成
分である黒鉛と反応してＳｉＣを生成し、耐火原料と黒
鉛を化学的に結合させる。この結合によって従来の耐火
物では得られなかった緻密な組織を生成させることが可
能となる。このため、従来の金属添加法による組織の緻
密化以上に耐熱衝撃性、耐酸化性を向上することができ
る。
【０００７】さらに、耐熱衝撃性に関しては熱衝撃によ
る亀裂の進展を考えた場合、亀裂進展方向に耐火原料が
存在すると従来の耐火物では進展した亀裂が耐火原料を
迂回し、黒鉛中のみを進展して行く。一方、本発明によ
る耐火物では、進展した亀裂が耐火周辺部では、ムライ
ト及びＳｉＣの結合相を進展することから、亀裂進展抵
抗が大きくなり、耐熱衝撃性の点でも従来の炭素含有耐
火物と同等或いはそれ以上となる。
る亀裂の進展を考えた場合、亀裂進展方向に耐火原料が
存在すると従来の耐火物では進展した亀裂が耐火原料を
迂回し、黒鉛中のみを進展して行く。一方、本発明によ
る耐火物では、進展した亀裂が耐火周辺部では、ムライ
ト及びＳｉＣの結合相を進展することから、亀裂進展抵
抗が大きくなり、耐熱衝撃性の点でも従来の炭素含有耐
火物と同等或いはそれ以上となる。
【０００８】コーティングに用いる金属を併用する場合
には、その形態としては混合粉末、合金等の方法があ
る。
には、その形態としては混合粉末、合金等の方法があ
る。
【０００９】一方、炭素配合量を３〜３０重量部とした
のは、炭素が３重量部未満では、耐熱衝撃性に劣り、３
０重量部を越えると耐酸化性が著しく低下するためであ
る。
のは、炭素が３重量部未満では、耐熱衝撃性に劣り、３
０重量部を越えると耐酸化性が著しく低下するためであ
る。
【００１０】炭素源は天然または人造黒鉛、メソフェー
ズカーボン、コークス、カーボンブラック等を指し、で
きるだけ高純度のものが望ましい。
ズカーボン、コークス、カーボンブラック等を指し、で
きるだけ高純度のものが望ましい。
【００１１】耐火原料はできるだけ高純度であることが
好ましく、電融品、焼結品などが使用可能であるが、嵩
比重、結晶サイズの大きいものが望ましい。以下、実施
例に基づき本発明の効果について説明する。但し、本発
明はこれらの実施例に限定されるものではない。
好ましく、電融品、焼結品などが使用可能であるが、嵩
比重、結晶サイズの大きいものが望ましい。以下、実施
例に基づき本発明の効果について説明する。但し、本発
明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【００１２】
【実施例】実施例として、浸漬ノズル用Ａｌ2Ｏ3−Ｃ質
耐火物に本発明の耐火物素材を使用した例を示す。
耐火物に本発明の耐火物素材を使用した例を示す。
【００１３】表１に示す原料組成にそれぞれ液状のフェ
ノール系バインダーを適量添加して、混練、ラバープレ
ス成形、乾燥（９０℃×２４hrs.）、硬化処理（２５０
℃×１０hrs.）、焼成（１０００℃×３hrs.）を実施し
てＡｌ2Ｏ3−Ｃ質ノズル材を得た。ここで耐火物素材と
して、本発明品および電融アルミナクリンカーを使用
し、カーボンは純度９９％の天然黒鉛を使用した。
ノール系バインダーを適量添加して、混練、ラバープレ
ス成形、乾燥（９０℃×２４hrs.）、硬化処理（２５０
℃×１０hrs.）、焼成（１０００℃×３hrs.）を実施し
てＡｌ2Ｏ3−Ｃ質ノズル材を得た。ここで耐火物素材と
して、本発明品および電融アルミナクリンカーを使用
し、カーボンは純度９９％の天然黒鉛を使用した。
【００１４】表１の実施例に示すように、金属を表面コ
ーティングした耐火物素材を適用することによって、比
較例に対して耐食性を維持しつつ耐熱衝撃性、耐酸化性
の向上をもたらす。但し、本発明の効果はこの実施例に
限定されるものではない。
ーティングした耐火物素材を適用することによって、比
較例に対して耐食性を維持しつつ耐熱衝撃性、耐酸化性
の向上をもたらす。但し、本発明の効果はこの実施例に
限定されるものではない。
【００１５】
【００１６】*1 熱衝撃損傷抵抗係数：Ｒ'''' Ｒ''''が大きいほど耐熱衝撃性に優れる。(表中の数値
はｅを基準とした指数） *2 1400℃×3hrs.電気炉中での焼成後の脱炭層厚み 数字が小さいほど耐酸化性に優れる。 *3 高周波炉侵食試験結果（1650℃×3hrs.、CaO／SiO2
＝3.3、T.Fe＝18％） 数字が小さいほど耐食性に優れる。
はｅを基準とした指数） *2 1400℃×3hrs.電気炉中での焼成後の脱炭層厚み 数字が小さいほど耐酸化性に優れる。 *3 高周波炉侵食試験結果（1650℃×3hrs.、CaO／SiO2
＝3.3、T.Fe＝18％） 数字が小さいほど耐食性に優れる。
【００１７】
【発明の効果】本発明によって、以下の効果を奏するこ
とができる。従来の鋳造用炭素含有耐火物の耐用を向上
させる一手段として、金属を表面コーティングした耐火
物素材を適用することによって、耐食性を損なうことな
く、耐熱衝撃性、耐酸化性を同時に向上させたことは実
用上非常に有効である。
とができる。従来の鋳造用炭素含有耐火物の耐用を向上
させる一手段として、金属を表面コーティングした耐火
物素材を適用することによって、耐食性を損なうことな
く、耐熱衝撃性、耐酸化性を同時に向上させたことは実
用上非常に有効である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松井 剛 千葉県富津市新富20−１ 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内
Claims (2)
- 【請求項１】 アルミナ質の耐火原料にＳｉ、Ａｌ、Ｍ
ｇ、Ｚｒ、Ｔｉ、Ｃａ、Ｃｒ等の金属の１種または２種
以上からなるものをコーティングしたことを特徴とする
耐火物素材。 - 【請求項２】 請求項１の耐火物素材５０〜８５重量
部、炭化珪素３〜７重量部、黒鉛１０〜３５重量部含有
し、４００℃以上の温度で焼成したことを特徴とする耐
火物。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4245983A JPH0672786A (ja) | 1992-08-24 | 1992-08-24 | 耐火物素材及びこれを用いた耐火物 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4245983A JPH0672786A (ja) | 1992-08-24 | 1992-08-24 | 耐火物素材及びこれを用いた耐火物 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0672786A true JPH0672786A (ja) | 1994-03-15 |
Family
ID=17141733
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP4245983A Pending JPH0672786A (ja) | 1992-08-24 | 1992-08-24 | 耐火物素材及びこれを用いた耐火物 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0672786A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN104177104A (zh) * | 2014-08-29 | 2014-12-03 | 中钢集团洛阳耐火材料研究院有限公司 | 一种含钛氮化物原位复合铝碳耐火材料的制备方法 |
-
1992
- 1992-08-24 JP JP4245983A patent/JPH0672786A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN104177104A (zh) * | 2014-08-29 | 2014-12-03 | 中钢集团洛阳耐火材料研究院有限公司 | 一种含钛氮化物原位复合铝碳耐火材料的制备方法 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 19991102 |