JPH067252A - 抽出装置の洗浄方法および洗浄剤包装体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単な方法で、抽出装置を分解することな
く、労力をかけずに、確実に洗浄することのできる抽出
装置の洗浄方法および洗浄剤包装体を提供する。 【構成】 液体貯留槽５を主体とする下貯留槽４と、前
記下貯留槽４の上部を被うごとくに装着される上貯留槽
３とを接離自在に配設し、前記両貯留槽３，４相互間
に、周縁部を外気と密封状態に、かつ、交換可能に介在
される洗浄剤包装体２を挟持し、前記両貯留槽３，４間
で、この洗浄剤包装体２を通して所定の液体を移動させ
ることにより、前記両貯留槽３，４内を洗浄することを
特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はコーヒー、紅茶、緑茶等
を自動的に抽出する抽出装置の洗浄方法および洗浄剤包
装体に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、自動販売機の普及に伴い、コーヒ
ー等を手軽に抽出する抽出装置が多数提案されている。

【０００３】このような従来の抽出装置は、例えば多量
のコーヒー粉と熱湯を貯留タンクに個別に貯留し、抽出
に際してコーヒー粉を計量した上でフィルタ上に導び
き、続いてこのコーヒー粉へ上から１カップ相当量の熱
湯を貯留タンクから導びいて注ぎ込み、ドリップ式にコ
ーヒーを抽出するもので、コーヒーの抽出後は、出がら
しとなったコーヒー粉をフィルタと一緒に自動的に廃棄
するように構成されている。

【０００４】斯る従来の抽出装置は、前述の如くドリッ
プ抽出方式を採って一応利用に供しているが、欠点がな
いわけではなく、次のような問題点があった。

【０００５】先ず、コーヒー粉をそのまま貯留している
ので、メインテナンスに当ってコーヒー粉が取扱い難い
上、抽出に際して行なわれる取出し・計量に時間を要
し、また、出がらしの廃棄処理に不便が強いられた。ま
た、多量のコーヒー粉を貯留タンクに貯留する方式では
コーヒー粉の酸化を早め、味の低下を余儀なくされてい
た。更に、機構上の問題点として、従来の抽出装置は種
々の原因からコンパクトにまとめることができず、機構
も複雑で、生産コストを引き下げることが困難であった
し、例えば真空ポンプを使用した抽出装置によっては、
一層機構を複雑としていた。

【０００６】また、コスト上、サイフォン抽出方式を採
る抽出装置が見られないのが現状で、消費者の嗜好を満
足させることができなかったが、自動的なドリップ抽出
方式ではコーヒーの抽出効率が悪くなるため、濃いコー
ヒーを抽出するためには多量のコーヒー粉を使用しなけ
ればならないという不経済な面があった。

【０００７】このような問題点を解決するために、本発
明者らは鋭意研究を重ね、特公平２−５３０４４号公
報、特公平２−５３０４６号公報、特公平２−５３０４
７号公報、特公平２−５３０４８号公報、特公平２−５
３０４９号公報に記載されている抽出装置を提案した。

【０００８】このような抽出装置あるいはそれ以前の抽
出装置の洗浄方法は、その抽出部の洗浄に水または温水
を用いる洗浄方法が適用される場合と、抽出装置を分解
し、人手により抽出部を洗浄液を用いて洗浄する方法と
が、それぞれ単独、あるいは併用されている。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た従来の抽出装置の洗浄方法においては、水または温水
を用いる洗浄方法では、抽出装置を長時間使用した場合
の洗浄効果が少なく、汚れが落ちにくいという問題点が
あった。また、抽出装置を分解し、人手により洗浄液を
用いて抽出部を洗浄する方法では、抽出装置の分解、洗
浄液の調整等に時間がかかるとともに、多大な労力を必
要とするという問題点があった。

【００１０】本発明はこれらの点に鑑みてなされたもの
であり、前述した従来のものにおける問題点を克服し、
簡単な方法で、抽出装置を分解することなく、労力をか
けずに、確実に洗浄することのできる抽出装置の洗浄方
法および洗浄剤包装体を提供することを目的とする。

【００１１】

【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ため請求項１に記載の本発明の抽出装置の洗浄方法は、
熱伝導性を有する液体貯留槽を主体とし、該液体貯留槽
に向けて液体を送給する液体送給路を備えた下貯留槽
と、この下貯留槽を加熱する熱源と、前記下貯留槽の上
部を被うごとくに装着され、少なくとも環状上端部が弾
性を以て形成されている漏斗と、この漏斗の上部開口に
向けて開口部を対設させるとともに導気孔を有する上貯
留槽を接離自在に配設し、前記両貯留槽相互間に、周縁
部を外気と密封状態に、かつ、交換可能に介在される洗
浄剤包装体を挟持し、前記両貯留槽間で、この洗浄剤包
装体を通して所定の液体を移動させることにより、前記
両貯留槽内を洗浄することを特徴としている。

【００１２】また、請求項２に記載の本発明の洗浄剤包
装体は、外周部を非通液性とし、フィルタで所定の洗浄
剤を包装することを特徴としている。

【００１３】

【作用】前述した構成からなる本発明の洗浄剤包装体を
用いて本発明の抽出装置の洗浄方法に沿って動作させる
ことにより、抽出装置の両貯留槽内の洗浄を人手をかけ
ずに、簡単、かつ、確実に行うことができる。

【００１４】

【実施例】以下、本発明の実施例を図１および図２につ
いて説明する。

【００１５】図１は本発明の抽出装置の洗浄方法を適用
する抽出装置の一実施例の要部を示す縦断面図であり、
図２は洗浄剤包装体の一実施例を示す一部切断拡大斜視
図である。

【００１６】図１に示すように、本実施例の抽出装置１
は上貯留槽３と下貯留槽４によって構成されており、装
置の洗浄を行う場合に両者間に洗浄剤包装体２を介在さ
せるようになっている。

【００１７】前記下貯留槽４は金属等の熱伝導性を有す
る素材により製せられた有底の略円筒状の液体貯留槽５
を主体とし、開口部６を上向きにして設けられている。
この液体貯留槽５の底部中央には、凹部７が形成され、
この凹部７には液体貯留槽５内の液体を外部に流出させ
る排出口８が開設されている。この液体貯留槽５には液
体を内部へ送給する液体送給路９が設けられている。こ
の液体送給路９は所望の液体等を、液体貯留槽５に送給
する過程で加熱した液体とするものであり、液体貯留槽
５の外周部に放熱フィン１０を例えば螺旋状に突出形成
し、液体貯留槽５と、この放熱フィン１０の外周に、フ
ィン端面と密着または近接させて外嵌した金属製の外筒
１１とによって囲まれた螺旋状の空間をもって形成され
ている。そして、この液体送給路９の上流端には、液体
貯留槽５から突設されている流入筒１２を設けて、同筒
１２を通して液体が導入される。また、液体送給路９の
下流端には、液体貯留槽５に穿設した連通孔１３を連通
させて、同孔１３を通して液体が液体貯留槽５内へ導入
される。また、液体貯留槽５には、液体貯留槽５自身を
加熱し、液体送給路９を通る液体と液体貯留槽５に到達
した液体とを同時に加熱する電熱ヒータ等の熱源１４が
内蔵されている。この熱源１４の発熱容量は、液体を液
体送給路９を通る間に目的とする温度まで加熱できる大
きさに設定されている。これらの液体貯留槽５と外筒１
１および熱源１４の３者は、適宜な断熱ケース１５内に
収容されており、火傷等の人体に対する保護がなされて
いる。

【００１８】このようにして形成されている下貯留槽４
にはバルブ機構１６が装着されている。このバルブ機構
１６は、前記液体貯留槽５の開口部６を閉塞するように
して同液体貯留槽５内に収容されている漏斗１７と、こ
の漏斗１７の下端に、当該漏斗１７と一体的にして固着
され、前記排出口８を開閉する弁１８とからなってい
る。この漏斗１７はその主要部を剛体によって構成して
いるが、前記開口部６を閉塞する上端部が弾性材によっ
て鍔状に形成されて、可撓性を有するフランジ部１９を
形成している。このフランジ部１９の外周部は液体貯留
槽５の上端部に、気密的かつ液密的に開口部６の周縁部
を閉塞して、漏斗１７を上方に向けて開口させている。
また、漏斗１７の下端部には、液体貯留槽５内に貯留さ
れている所望の液体を漏斗１７内に導入する複数の連通
孔２０，２０…がスリット状に穿設されている。従っ
て、本実施例においては、漏斗１７の上部出入口２１を
開閉することにより、液体貯留槽５の開口部６を開閉す
ることとなる。そして、フランジ部１９の可撓性によ
り、漏斗１７と弁１８とは一体となって弁１８の開閉方
向すなわち上下方向に可動自在とされている。

【００１９】更に、液体貯留槽５の内部には、漏斗１７
の上端部下面と液体貯留槽５の底面との間に、漏斗１７
および弁１８を常に上方へ押上げて、弁１８を排出口８
から開放させる円錐状コイルばね等の付勢手段２２が設
けられている。

【００２０】また、前述の如くしてなる液体貯留槽５に
対して、その真上には上貯留槽３が図示しない昇降手段
により昇降自在に対設されている。この上貯留槽３は漏
斗１７の上部出入口２１に対向させる開口部２３を有し
ており、上貯留槽３内の天井部には槽内部を外気と連通
させ、かつ、図示しない空気の加圧機構と連通させるた
めに、導気孔２４が穿設されている。

【００２１】また、前記下貯留槽４と上貯留槽３との間
には、図示しないカートリッジ給・排機構によって移送
される洗浄剤包装体２が、前記漏斗１７の上面を被うよ
うに相互間を密封状態にして設けられるように構成され
ている。

【００２２】前記洗浄剤包装体２は、図２に示すよう
に、硬質プラスチックで作られた円形の環状枠体２５の
上下の両開口部２６ａ，２６ｂを不織布、濾布、濾紙等
の適宜なフィルタ２７ａ，２７ｂで内部に扁平空間２８
を形成するようにして塞ぎ、この扁平空間２８内に、所
望の洗剤２９が充填されている。なお、環状枠体２５は
角形であってもよいが、外周縁部のシール性を考慮する
と通常の場合は円形に形成される。また、洗剤２９は粉
末状、液体をマイクロカプセルにより被覆したもの等種
々のものを用いることができる。

【００２３】なお、本実施例の抽出装置１によりコーヒ
ー等所望の液体を抽出する場合には、前記洗浄剤包装体
２と同様な、硬質プラスチックで作られた円形の環状枠
体２５の上下の両開口部２６ａ，２６ｂを不織布、濾
布、濾紙等の適宜なフィルタ２７ａ，２７ｂで内部に扁
平空間２８を形成するようにして塞ぎ、この扁平空間２
８内に被抽出物として中挽のコーヒー粉、煎茶、紅茶等
が充填されている非抽出物包装体を用いるようにすると
よい。

【００２４】つぎに、前述した構成からなる本実施例の
作用について説明する。

【００２５】本実施例においては、コーヒー等所望の液
体を抽出した後に、前記両貯留槽３，４および漏斗１７
の内部を、洗浄剤包装体２を用いて加熱液体によって自
動的に洗浄するものである。

【００２６】この洗浄を行うには、先ず、図１に示すよ
うに、漏斗１７と上貯留槽３との開口部６，２３の相互
間に洗浄剤包装体２を介在させて、当該相互間を密封状
態に仕切る。

【００２７】つぎに、上貯留槽３および漏斗１７の内部
を洗浄するための適量の水を、図示しない適宜な吸水手
段を用いて流入筒１２より液体送給路９内に向けて送給
する。この水は液体送給路９内を進行していく間に、熱
源１４によって洗浄に適した所定の温度に加熱されてい
る液体貯留槽５と同槽５に突設した放熱フィン１０に接
触して瞬時に加熱されて連通孔１３から液体貯留槽５内
に流入し、該液体貯留槽５内で引きつづき加熱される。

【００２８】つぎに、液体送給路９に外部から加圧空気
を送り、液体貯留槽５内の圧力を高くすると、液体貯留
槽５内の加熱された水は連通孔２０を通って漏斗１７内
に流入し、つづいて、その漏斗１７内を上昇して、さら
に、水位を高め、漏斗１７の上部出入口２１から洗浄剤
包装体２内を通過して上貯留槽３内に達する。この洗浄
剤包装体２内を加熱された水が通過するときに、洗浄剤
包装体２内にある所定の洗剤２９が加熱された水に溶
け、加熱された水が所定の洗浄液となって上貯留槽３内
に達する。

【００２９】つぎに、液体貯留槽５内の加圧空気を除去
すると、上貯留槽３内に貯留されている洗浄液は、洗浄
剤包装体２内を通過して再び漏斗１７内を降下する。

【００３０】つぎに、液体送給路９に外部から加圧空気
を再び送給し、液体貯留槽５内の圧力を再び高くする
と、液体貯留槽５内に降下した洗浄液は連通孔２０を通
って漏斗１７内に流入して上貯留槽３内に達する。

【００３１】以上の動作を所定回数繰り返し、洗浄液を
液体貯留槽５と上貯留槽３との間を移行させることによ
り洗浄が自動的に行われる。そして、洗浄後の洗浄液
は、図示しない昇降手段により上貯留槽３を上昇させ、
該上貯留槽３による加圧力を解除して、付勢手段２２の
弾発力によりバルブ機構１６全体を上昇させ、バルブ機
構１６の弁１８を液体貯留槽５の排出口８から離間させ
て、同口８を開口させると、洗浄液はその排出口８を通
って外部へ流出する。

【００３２】なお、洗浄後に洗浄剤包装体２を除去した
状態において、液体貯留槽５と上貯留槽３とを密封し、
水または所望温度の水を用いてすすぎ洗いを行わせるこ
ともできる。

【００３３】このように、洗剤２９を洗浄剤包装体２と
することによりカートリッジ化することができるので、
洗剤２９の取扱いが簡単に行える。そして、抽出装置１
の洗浄をコーヒー等の液体の抽出動作と同様の動作によ
り自動的に行うことができるので、洗浄時間が短くて済
むとともに、多大な労力を必要とせず、抽出装置１の洗
浄の作業性を確実に向上させることができる。

【００３４】また、洗浄剤包装体２内に充填する洗剤２
９は、その量を所定値とすることができるので、洗剤２
９の量に過不足が生じることを防止でき、洗剤２９の残
留および洗浄不足等の発生を確実に防止することができ
る。

【００３５】また、本発明は、前記実施例に限定される
ものではなく、必要に応じて変更することができる。

【００３６】

【発明の効果】以上説明したように本発明の抽出装置の
洗浄方法および洗浄剤包装体によれば、包装状態の洗剤
を用いて短時間で確実に抽出装置の洗浄を行うことがで
きる。しかも包装状態の洗剤に対して水を強制的に流通
接触させて洗浄液とすることができるので、洗剤の取扱
い性も容易になるという極めて優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の抽出装置の洗浄方法を適用する抽出装
置の一実施例の要部を示す縦断面図

【図２】洗浄剤包装体の一実施例を示す一部切断拡大斜
視図

【符号の説明】

１ 抽出装置 ２ 洗浄剤包装体 ３ 上貯留槽 ４ 下貯留槽 ５ 液体貯留槽 ６ 開口部 ８ 排出口 ９ 液体送給路 １３ 連通孔 １４ 熱源 １７ 漏斗 １８ 弁 ２０ 連通孔 ２１ 上部出入口 ２４ 導気孔 ２５ 環状枠体 ２７ａ，２７ｂ フィルタ ２８ 偏平空間 ２９ 洗剤

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 熱伝導性を有する液体貯留槽を主体と
   し、該液体貯留槽に向けて液体を送給する液体送給路を
   備えた下貯留槽と、この下貯留槽を加熱する熱源と、前
   記下貯留槽の上部を被うごとくに装着され、少なくとも
   環状上端部が弾性を以て形成されている漏斗と、この漏
   斗の上部開口に向けて開口部を対設させるとともに導気
   孔を有する上貯留槽を接離自在に配設し、前記両貯留槽
   相互間に、周縁部を外気と密封状態に、かつ、交換可能
   に介在される洗浄剤包装体を挟持し、前記両貯留槽間
   で、この洗浄剤包装体を通して所定の液体を移動させる
   ことにより、前記両貯留槽内を洗浄することを特徴とす
   る抽出装置の洗浄方法。
2. 【請求項２】 外周部を非通液性とし、フィルタで所定
   の洗浄剤を包装することを特徴とする洗浄剤包装体。