JPH0672473A - 瓶、缶等の容器断熱用被覆部材及びその製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】瓶や缶に収納した飲食物を飲食する際、適温に
保持しておくことのできる瓶、缶等の容器断熱用被覆部
材及びその製造方法を提供する。 【構成】ポリエチレンテレフタレート材とポリエチレン
クロス材と断熱材とポリエチレンフィルム材との四層か
らなる１枚のシート状物６を折り返して重ね合わせ加熱
することにより接着させ、上面の開口した袋体３４を形
成する。その後、袋体３４の下部の両端に直線部１０１
と円弧部１０２とから構成した左右一対の切り込み部１
０、１０を形成し、上方側の側面２と、下方側の底面３
とからなる容器断熱用被覆部材１とすることにより、平
板状に折り畳めるものとする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ビールやジュース等を
収納した瓶、缶、湯のみ等の容器を被覆し、容器内の飲
食物を保温又は保冷するための被覆部材及びその製造方
法に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】夏場、ビールやジュース等は、一般的に
瓶や缶ごと冷蔵庫に冷やしておき、適宜な時に冷蔵庫か
ら取り出して飲まれるが、飲む際に、ゆっくり飲んでい
るとせっかく冷えたビールやジュース等が温もってしま
うということがよくある。一方、冬場においては、熱い
お茶等を湯飲みに注ぐが、僅かの時間の経過により注が
れた熱いお茶がすぐに冷えてしまう。従って、このよう
な場合に、ビール瓶やジュース缶等を冷えた状態で、あ
るいは、湯飲みに注がれたお茶等を熱い状態で保持でき
る簡易なものがあれば便利なものである。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上の実情
に鑑み提案されたものでその目的とするところは、瓶や
缶に収納したビール、ジュース、あるいは、湯飲みに注
がれたお茶やカップに入れられたスープ等の飲食物を飲
食する際、適温に保持しておくことのできる瓶、缶等の
容器断熱用被覆部材及びその製造方法を提供することに
ある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は、以下の特徴を
有する瓶、缶等の容器断熱用被覆部材を提供することに
より上記課題を解決する。本発明の瓶、缶等の容器断熱
用被覆部材は、側面と、底面とを備えてなる。少なくと
も側面は、断熱材を包含するシート状のものから構成さ
れる。そして、この側面が、筒状に形成されることによ
って、内部に上方側から飲食物を収納した瓶、缶等の容
器を嵌挿して被覆できるようになされるとともに、その
嵌挿した容器内の飲食物を適温に保持できるようになさ
れる。又、側面と底面との間には、切り込み部が備えら
れる。この切り込み部により、側面と底面とが互いに接
続した状態で平板状に折り畳めるようになされたもので
ある。

【０００５】又、本発明は、以下の特徴を有するの瓶、
缶等の容器断熱用被覆部材の製造方法を提供することに
より上記課題を解決する。本発明の瓶、缶等の容器断熱
用被覆部材の製造方法は、断熱材を包含するシート状物
を折り返して重ね合わせ後、重ね合わせた両者を接続す
ることによってシート状物を前側面と後側面とからなる
上方の開口した袋体に形成する。そして、その後、その
袋体の底部に所定形状の切り込み部を形成することによ
って袋体を側面と底面とに区画形成する方法である。

【０００６】

【作用】本発明の瓶、缶等の容器断熱用被覆部材におい
ては、側面を、飲食物を収納した瓶、缶等の容器を内部
に嵌挿して被覆できるような筒状に、断熱材を包含する
シート状のものから形成するため、嵌挿した容器を断熱
材によって外部から遮断し、容器内の飲食物を適温に保
持できる。又、側面と底面との間には、切り込み部を設
けるため、側面と底面とを互いに接続した状態のままで
折り畳んでも切り込み部が開口して全体を平板状にする
ことができる。これにより、複数を積み重ねることがで
き、保管や持ち運び等に嵩張らない便宜なものにでき
る。又、本発明の瓶、缶等の容器断熱用被覆部材の製造
方法においては、先ず断熱材を包含する一枚のシート状
物を上方の開口した前側面と後側面とからなる袋体に形
成する。そして、その後、その袋体の底部に所定形状の
切り込み部を形成するため、切り込み部によって袋体を
上部側の側面と、下部側の底面とに区画形成することが
できる。これにより、一枚のシート状物から側面と底面
とで構成する容器断熱用被覆部材を、瓶、缶等の容器を
内部に嵌挿して被覆できる形状に容易に形成することが
できる。しかも、容器の保管や持ち運び等に際しては全
体を平板状に折り畳むことができ、便宜なものにでき
る。

【０００７】

【実施例】以下、図を基に本発明の一実施例を具体的に
説明する。図１は、本発明の一実施例の容器断熱用被覆
部材の斜視図であり、図２は、底面図である。

【０００８】本発明の容器断熱用被覆部材１は、側面２
と、底面３とから構成される。側面２と底面３とは、シ
ート状物から構成され、これらによってその内部に上方
側の開口４から飲食物を収納した瓶、缶等の容器Ｙを嵌
挿して被覆できる収納部５が形成されている。又、この
実施例における側面２と底面３とを構成するシート状物
６は、図３に示すように最外層をなすアルミを蒸着した
ポリエチレンテレフタレート材１１と、このポリエチレ
ンテレフタレート材１１の内側に配設されるポリエチレ
ンクロス材１２と、このポリエチレンクロス材１２の内
側に配設される断熱材１３と、最内層をなすポリエチレ
ンフィルム材１４との四層からなる。

【０００９】ポリエチレンテレフタレート材１１は、蒸
着したアルミによって光を反射して断熱効果の働きをす
るが、このポリエチレンテレフタレート材１１に代え、
あるいはその上から布地等を配設するようにして外観的
に美観の有するものに形成しても良い。

【００１０】ポリエチレンクロス材１２は、ポリエチレ
ンからなる紐状部材を格子状に編むことによりシート状
に形成したもので、これを組み入れることによって強度
面の補強をし、内部の収納部５に重い瓶等を入れた場合
にも破れることがないようにする。従って、収納部５に
入れるものが軽いもののみのような場合には、これを省
略するようにしても良い。

【００１１】断熱材１３は、シート状に形成された発泡
体からなる。この発泡体は、ポリエチレンやポリプロピ
レン等の従来から断熱材として使用されているものであ
れば使用できる。

【００１２】ポリエチレンフィルム材１４は、収納部５
に容器Ｙを入れる場合、容器Ｙを滑りやすくして入れ易
いようにするためのものである。従って、容器Ｙが滑り
やすい場合にはこれを省略するようにしても良い。

【００１３】そして、これら四つの素材が重ね合わさ
れ、接着されることによって側面２、底面３を構成する
シート状物６が形成されるが、詳しくは、次のようにし
て側面２と底面３とが構成され、内部に容器Ｙを嵌挿し
て被覆できる形状に全体が構成される。

【００１４】先ず、図４に示すように１枚のシート状物
６を折り返して重ね合わせる。そして、図５に示すよう
に重ね合わせた二つの両端部を縦方向に沿って接着する
ことによって接着部９、９を形成し、前側面３１と後側
面３２とからなる上方の開口した袋体３４を形成する。
その際、シート状物同士の接着は、例えば接着する部分
を加熱することにより断熱材１３同士を互いに接着させ
て行うことができるが、この態様のものに限らず、例え
ば、最外層のポリエチレンテレフタレート材１１に代
え、布地を配設する場合は縫製することによって接続し
ても良い。尚、この袋体３４を連続的に形成する場合
は、図６に示すように予め幅長に形成したシート状物を
折り返して重ね合わせ後、幅方向に沿って所定間隔毎に
加熱手段を有する棒状部材８を順次押し当てることによ
って複数の接着部９…９を形成した後、その接着部９か
らカットする、あるいは、所定間隔毎に接着しつつカッ
トすることにより、所定寸法の複数の袋体３４を連続的
に得ることができる。これにより、袋体３４を容易に形
成できる。

【００１５】次に、所定形状に形成された袋体３４の下
部に切り込み部１０を設けることによって袋体３４を上
方側の側面２と、側面２と一体的に形成される下方側の
底面３とに区画形成する。この実施例では、袋体３４の
下部両端を図７に示すように所定形状にカットして切り
込み部１０、１０を形成し、この二つの切り込み部１
０、１０によって袋体３４を上方側の側面２と、下方側
の底面３と、側面２と底面３との間にそれらを接続する
延設部２ａとからなるものとしている。この切り込み部
１０は、水平状の直線部１０１と、この直線部１０１に
続く円弧部１０２とから形成している。又、左部と右部
との二つの円弧部１０２、１０２は、同芯Ｏとされ、こ
の図７において半円に現されている。一方、その半径Ｒ
は、後述のように側面２によって形成される円筒の内周
半径と略同寸法とされている。尚、この切り込み部１０
の形状については図示したものに限らず、適宜変更でき
るものである。。

【００１６】これにより、板状態を呈する本考案の容器
断熱用被覆部材１が得られる。そして、このようにして
形成した板状態を呈する容器断熱用被覆部材１の両側端
を手で対向する方向（この図７のＸ−Ｘ方向）に押圧す
ることにより側面が円筒状になるとともに、底面が円状
となり、図２に示すようにその側面によって形成された
円筒状の下面の内周全体を覆い、図１に示す容器断熱用
被覆部材１となる。

【００１７】以上のように構成することにより、断熱材
１３によって収納部５に収納した容器Ｙを外部から遮断
し、容器Ｙ内の飲食物を適温に保持でき、例えば冷蔵庫
から取り出したビール瓶をこの容器断熱用被覆部材１に
入れておき、適宜量だけコップに注ぐことにより残りの
ビールを冷えた状態に保持できる。従って、ビール等を
冷えた状態で、あるいは、カップに注がれたスープや湯
飲みに注がれたお茶を熱い状態でゆっくり味わうことが
できる。又、その際、容器断熱用被覆部材１ごと手に持
ってコップに注いだり、あるいは飲むことになるが、延
設部２ａ、２ａによってビール瓶等の容器が容器断熱用
被覆部材１から抜け落ちるようなこともなく、しかも、
冷えたビール瓶や熱い湯飲みを直接持たなくとも良く、
便宜的なものとなる。

【００１８】又、側面２と底面３との間の切り込み部１
０、１０によって、側面２と底面３とを互いに接続した
状態のままで底面３の折り目線３ａ（図２に図示）及び
接続部９に沿って折り畳むことにより切り込み部１０、
１０が開口して全体を容易に平板状にすることができ
る。これにより、複数を積み重ねることができ、保管や
持ち運び等に嵩張らない便宜なものにできる。

【００１９】一方、例えばビール瓶等を冷蔵庫から取り
出して放置しておくとビール瓶に水滴が付着し、ビール
瓶を伝って落ちてテーブル等を濡らすが、本発明のよう
に底面３を、図２に示すように側面２の内周全体を覆う
形状に形成しておくことにより、水滴を底面３で受ける
ことができ、これを防止することができる。更に、ビー
ル瓶等を冷蔵庫から取り出して放置しておいた場合に
も、本発明の容器断熱用被覆部材１で覆うことにより、
ビール瓶等に付着する水滴の量を少なくすることができ
る。

【００２０】又、製作においては、先ず断熱材１３を包
含する一枚のシート状物６を上方の開口した前側面３１
と後側面３２とからなる袋体３４とした後、切り込み部
１０、１０を形成することによって、袋体３４を上部側
の側面２と、下部側の底面３とに区画形成するため、一
枚のシート状物から側面２と底面３とで構成する容器断
熱用被覆部材１を、瓶、缶等の容器Ｙを内部に嵌挿して
被覆できる形状に容易に形成することができる。しか
も、形成した容器断熱用被覆部材１は、保管や持ち運び
等に際しては全体を平板状に折り畳むことができ、便宜
なものとなる。

【００２１】

【発明の効果】以上、実施例で述べたように本発明の
瓶、缶等の容器断熱用被覆部材においては、断熱材を包
含するシート状のものから形成するため、嵌挿した容器
を断熱材によって外部から遮断し、容器内の飲食物を適
温に保持できる。又、側面と底面との間の切り込み部に
よって、側面と底面とを互いに接続した状態のままで折
り畳んでも切り込み部が開口して全体を平板状にするこ
とができ、複数を積み重ねることができ、保管や持ち運
び等に嵩張らない便宜なものにできる。又、本発明の
瓶、缶等の容器断熱用被覆部材の製造方法においては、
先ず断熱材を包含する一枚のシート状物を上方の開口し
た前側面と後側面とからなる袋体に形成後、その袋体の
底部に所定形状の切り込み部を形成して袋体を上部側の
側面と下部側の底面とに区画形成するため、一枚のシー
ト状物から側面と底面とで構成する容器断熱用被覆部材
を、瓶、缶等の容器を内部に嵌挿して被覆できる形状に
容易に形成することができる。しかも、容器の保管や持
ち運び等に際しては全体を平板状に折り畳むことがで
き、便宜なものにできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の斜視図である。

【図２】図１の底面図である。

【図３】シート状物の要部拡大断面図である。

【図４】シート状物を折り畳む際の説明図である。

【図５】シート状物を袋体にした状態の正面図である。

【図６】袋体を連続的に形成する際の説明図である。

【図７】袋体に切り込み部を形成した状態の正面図であ
る。

【符号の説明】

１ 容器断熱用被覆部材 ２ 側面 ３ 底面 １０ 切り込み部 Ｙ 容器

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】側面と、底面とを備えてなり、 少なくとも側面が、断熱材を包含するシート状のものか
   ら構成され、この側面が、筒状に形成されることによっ
   て飲食物を収納した瓶、缶等の容器を内部に嵌挿して被
   覆できるようになされるとともに、その嵌挿した容器内
   の飲食物を適温に保持できるようになされ、 側面と底面との間には、切り込み部が備えられ、 この切り込み部により、側面と底面とが互いに接続した
   状態で平板状に折り畳めるようになされたものであるこ
   とを特徴とする瓶、缶等の容器断熱用被覆部材。
2. 【請求項２】断熱材を包含するシート状物を折り返して
   重ね合わせ後、その重ね合わせた両者を接続することに
   よってシート状物を前側面と後側面とからなる上方の開
   口した袋体に形成し、その後、その袋体の底部に所定形
   状の切り込み部を形成することによって袋体を側面と底
   面とに区画形成することを特徴とする瓶、缶等の容器断
   熱用被覆部材の製造方法。