JPH067226Y2 - 湯水混合栓における吐水管の接続装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は、湯と水とを適宜な割合で混合して吐水する
湯水混合栓に関し、さらに詳しくは同管における吐水管
の接続装置に関する。

［従来技術およびその問題点］ 従来の湯水混合栓においては、第４図に示すように、管
取り付け用の口部(51)が湯水混合室(52)の頂壁(53)に設
けられ、この口部(51)に雄ねじ部が設けられ、この雄ね
じ部に逆Ｕ形屈曲状の吐水管(54)がナット(55)で螺着さ
れている。また他の例では、管取り付け用の口部は湯水
混合室の底壁に設けられ、この口部の雄ねじ部にクラン
ク状またはスワン状の吐水管が螺着されている。

しかし、このような構造の吐水管接続装置では、湯水混
合室は管取り付け用の口部を頂壁に有するものと同口部
を底壁に有するものとの２種類必要であり、そのため湯
水混合室の成形金型も必然的に２種類必要である。

また、口部が湯水混合室の底壁に設けられている場合、
この口部にクランク状またはスワン状の吐水管の取り付
け下降部を接続すると、吐水管の下降部下端が低すぎて
シンクの底壁に当たったり、使い勝手が悪いことがあ
る。このような不都合を解消するため、吐水管の取り付
け位置を湯水混合室の底壁から頂壁に替えるには、湯水
混合栓全体を取り替えざるを得ない。しかし、湯水混合
栓をシンクや浴室に一旦取り付けてしまうと、湯水混合
栓の付け替えは素人にははなはだ困難な作業となる。

この考案は、上記の如き実情に鑑み、湯水混合室の成形
金型が１種の製品につき１つあればよく、かつ水栓工事
の専門外の者でも湯水混合室に対する吐水管の向きを上
下いずれかの方向に適宜設定することができる新規構成
の湯水混合栓を提供することを目的とする。

［問題点の解決手段］ この考案は、添付図面に示すように、湯水混合室(1)の
頂壁(1a)に上部口(2)が設けられ、これに対向するよう
に底壁(1b)に下部口(3)が設けられ、吐水管(6)を接続し
た切り換え弁装置(4)または接続管(5)の導入端部(4b)(5
b)が下部口(3)に閉塞片(7)が上部口(2)にそれぞれ嵌め
込まれるか、または導入端部(4b)(5b)が上部口(2)に閉
塞片(7)が下部口(3)にそれぞれ嵌め込まれ、導入端部(4
b)(5b)の嵌入部に通水口(8)(20)が開けてあり、導入端
部(4b)(5b)が閉塞片(7)に螺合によって抜け止めされて
いる、湯水混合栓における吐水管の接続装置である。

［実施例］ つぎに、この考案の実施例について、添付図面を基に具
体的に説明する。

実施例１ 第１図から第３図において、湯水混合室(1)は大略箱型
であって、前壁(1c)は横断面Ｕ形の凸弧面になされ、後
壁(1d)は垂直壁になされている。湯水混合室(1)の後壁
(1d)の両端部にはそれぞれ湯導入管(9)と水導入管(10)
とが接続されている。また、湯水混合室(1)の頂壁(1a)
の両端部には上記導入管(9)(10)に対応してそれぞれ湯
用ハンドル(11)と水用ハンドル(12)が設けられている。

湯水混合室(1)の頂壁(1a)の長さの中央部には、管取り
付け用の上部口(2)が設けられ、底壁(1b)にはこの上部
口(2)に対向する位置に管取り付け用の下部口(3)が設け
られている。そして、下部口(3)には切り換え弁装置(4)
の導入端部(4b)が嵌め込まれ、上部口(2)には閉塞片(7)
が嵌め込まれている。下部口(3)と切り換え弁装置(4)の
導入端部(4b)との間、および上部口(2)と閉塞片(7)との
間にはそれぞれＯリング(18)(19)が介在されて、水密性
が保持されている。切り換え弁装置(4)の導入端部(4b)
の嵌入部には通水口(8)が開けてあり、この通水口(8)を
介して湯水混合室(1)と切り換え弁装置(4)とが連通され
ている。

また、切り換え弁装置(4)の導入端部(4b)には雌ねじ部
(13)が設けられ、閉塞片(7)の脚には雄ねじ(14)が設け
られている。そして、雌ねじ部(13)と雄ねじ(14)の螺合
によって、切り換え弁装置(4)の導入端部(4b)が下部口
(3)から抜けないようになされている。こうして、切り
換え弁装置(4)が湯水混合室(1)に取り付けられている。

切り換え弁装置(4)の下端部には吐水管(6)が接続され、
側部にはシャワーホース(15)が接続されている。切り換
え弁装置(4)は、そのレバー(16)の操作によって弁体(1
7)を移動させ、図示のようなシャワーホース(15)への流
れと吐水管(6)への流れとを適宜切り替えるものであ
る。

第１図に示す湯水混合栓においては、上記の如く、切り
換え弁装置(4)の導入端部(4b)が下部口(3)にかつ閉塞片
(7)が上部口(2)にそれぞれ嵌め込まれているが、これと
は逆に導入端部(4b)を上部口(2)にかつ閉塞片(7)を下部
口(3)にそれぞれ嵌め込み、前者の雌ねじ部(13)と後者
の雄ねじ(14)の螺合によって、導入端部(4b)が上部口
(2)から抜けないようにして、切り換え弁装置(4)を湯水
混合室(1)に取り付けることもできる。

実施例２ この実施例では、第３図に鎖線で示すように、実施例１
の切り換え弁装置(4)の代わりに、接続管(5)が用いられ
ている。そして、湯水混合室(1)の下部口(3)に接続管
(5)の導入端部(5b)が嵌め込まれ、上部口(2)には閉塞片
(7)が嵌め込まれている。接続管(5)の導入端部(5b)の嵌
入部には通水口(20)が開けてあり、この通水口(20)を介
して湯水混合室(1)と接続管(5)とが連通されている。

また、接続管(5)の導入端部(5b)には雌ねじ部(13)が設
けられ、閉塞片(7)の脚には雄ねじ(14)が設けられてい
る。そして、雌ねじ部(13)と雄ねじ(14)の螺合によっ
て、接続管(5)の導入端部(5b)が下部口(3)から抜けない
ようになされている。こうして、接続管(5)が湯水混合
室(1)に取り付けられている。

接続管(5)の下端部には吐水管(6)が接続されている。

第３図に鎖線で示す湯水混合栓においては、上記の如
く、接続管(5)の導入端部(5b)が下部口(3)にかつ閉塞片
(7)が上部口(2)にそれぞれ嵌め込まれているが、これと
は逆に導入端部5b)を上部口(2)にかつ閉塞片(7)を下部
口(3)にそれぞれ嵌め込み、前者の雌ねじ部(13)と後者
の雄ねじ(14)の螺合によって、導入端部5b)が上部口(2)
から抜けないようにして、接続管(5)を湯水混合室(1)に
取り付けることもできる。

［考案の効果］ この考案によれば、湯水混合室(1)の頂壁(1a)に上部口
(2)が設けられ、これに対向するように底壁(1b)に下部
口(3)が設けられ、吐水管(6)を接続した切り換え弁装置
(4)または接続管(5)の導入端部(4b)(5b)が下部口(3)に
閉塞片(7)が上部口(2)にそれぞれ嵌め込まれるか、また
は導入端部(4b)(5b)が上部口(2)に閉塞片(7)が下部口
(3)にそれぞれ嵌め込まれ、導入端部(4b)(5b)の嵌入部
に通水口(8)(20)が開けてあり、導入端部(4b)(5b)が閉
塞片(7)によって抜け止めされているので、本書冒頭で
述べた従来技術の場合のように成形金型を２つも用意す
る必要がなく、湯水混合室の成形金型は１種の製品につ
き１つあればよい。また水栓工事の専門外の者でも湯水
混合室に対する吐水管の向きを上下いずれかの方向に適
宜設定することができる。

また、吐水管(6)を接続した切り換え弁装置(4)または接
続管(5)の導入端部(4b)(5b)は、閉塞片(7)に螺合によっ
て抜け止めされているので、導入端部(4b)(5b)を上部口
(2)または下部口(3)に螺合しなくても、導入端部(4b)(5
b)を湯水混合室(1)に確実に固定することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例を示す湯水混合栓の垂直断面
図、第２図は湯水混合栓の斜視図、第３図は湯水混合栓
の分解状態を示す斜視図、第４図は従来品を示す第１図
相当の断面図である。 (1)……湯水混合室、(1a)……頂壁、(1b)……底壁、(2)
……上部口、(3)……下部口、(4)……切り換え弁装置、
(5)……接続管、(4b)(5b)……導入端部、(6)……吐水
管、(7)……閉塞片、(8)(20)……通水口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】湯水混合室(1)の頂壁(1a)に上部口(2)が設
   けられ、これに対向するように底壁(1b)に下部口(3)が
   設けられ、吐水管(6)を接続した切り換え弁装置(4)また
   は接続管(5)の導入端部(4b)(5b)が下部口(3)に閉塞片
   (7)が上部口(2)にそれぞれ嵌め込まれるか、または導入
   端部(4b)(5b)が上部口(2)に閉塞片(7)が下部口(3)にそ
   れぞれ嵌め込まれ、導入端部(4b)(5b)の嵌入部に通水口
   (8)(20)が開けてあり、導入端部(4b)(5b)が閉塞片(7)に
   螺合によって抜け止めされている、湯水混合栓における
   吐水管の接続装置。