JPH0671966B2 - 印刷物集積束の作成装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は輪転印刷機により大量に印刷され、折畳まれ
て一定のピツチでずれ重つて搬送されてくる新聞のよう
な印刷物を、更新される発送情報に基いて計数し、区分
けし、集積して所要部数の印刷物集積束を作成する装置
に関する。

従来の技術 第８図に前記のような装置につき従来の典形的な例が示
されており、これについて概略説明する。

図示しない輪転印刷機の折機によつて折畳まれた印刷物
Ｐは所定のピツチでずれ重つて搬送装置Ｃに載り、矢印
方向に移動して集積束作成装置（以下カウンタスタツカ
という）１の上方の搬入部２に搬入される。そしてここ
で計数部材５により１部ずつ計数されて、エアシリンダ
等により上下動する区分部材６で設定部数ごとに印刷物
Ｐの流れを一時停止して区分する。このようにして区分
された印刷物Ｐは集積部３に流し込まれて、図示しない
エアシリンダにより矢印方向に揺動される上部受板７に
受止され、ここで設定部数の小束Ｓに形成され、この小
束Ｓは上部受板７から同様に揺動する下部受板８上に落
され、所要時間待機した後下方の回転部４に落し込まれ
る。回転部４は支軸10の上部に取付けられた載置板11を
もち、その上部には側板12が取付けられ、この側板12間
に図示しないエアシリンダで開閉する扉板13及び水平方
向に移動する押板14が設けられている。支軸10は基板９
で回転可能に支持されていて歯車15が設けられ、この歯
車15にエアシリンダ17で作動するセグメント歯車16が噛
合している。そして前記のようにして回転部４に落し込
まれた小束Ｓは載置板11上に落下し、この落下ごとにエ
アシリンダ17が作動して、歯車15が半回転し、小束Ｓは
印刷物Ｐの折帖側が１束毎に180゜向きを変えながら順
次積層されて、所要部数の集積束Ｂが作成され、このよ
うな集積束Ｂは扉板13が開扉し、押板14に押されて外部
へ排出される。

発明が解決しようとする問題点 しかしこのようなカウンタスタツカでは、最近のように
毎時15万部にも及ぶ大量の新聞が印刷され、しかも１束
当り15部以下の端数または極少部数の小束Ｓを短時間で
自動的に作成することは著るしく困難であつた。それは
せき止められた印刷物Ｐの列がずれ重なりのピツチが小
さくなつて、せき止められた部数以下の区分を正確に行
うことができず、しかもこのような極少部数の小束作成
の要求が日常時に生じているばかりでなく、近時ますま
す強くなつている。

このような要求に応じていくつかの提案がなされ、この
出願人もさきに特公昭56−33307号公報に開示されたも
のを、カウンタスタツカに付設する装置として提案した
が、適確に前記の要求を満たすことが困難であるのに加
えて、機構が複雑で設定場所を広くとらなければならな
いというような欠点がある。

この発明の目的は、前記従来のカウンタスタツカのもつ
欠点を排除し、極少部数から標準部数までの印刷物集積
束を正確に作成することができ、しかもそのために複雑
な機構のものを付設することもなくて、設置場所を広く
とる必要のない集積束の作成装置を提供するにある。

問題点を解決するための手段 この発明は前記のような目的を達成するにつき、輪転印
刷機によって折り畳まれ、ずり重なって搬入される印刷
物を計数し、その計数値が設定部数に達するごとに区分
信号を出力する計数部材を有する上方の搬入部と、この
搬入部から流し込まれる印刷物を集積して設定部数の小
束を作成したうえ、それを下方の落下位置まで移送する
集積部材を有する集積部と、集積部材によって移送され
た小束印刷物を集積する集積束作成用回転部とを具え、
集積部材は、上下部旋回部間を常時循環移動するローラ
チェーンと、ばねの力によりローラチェーンに係合して
これに随伴して移動する複数の保持部材と、この保持部
材に揺動可能に保持されて、搬入部と回転部とを含む移
動経路に沿って移動するフォークと、移動経路中少なく
とも上方旋回部をすぎた区分位置と、下方旋回部の近く
の回転部への落下位置とに配置され、これらの両位置に
おいて保持部材と係合し、ばねの力に抗して保持部材を
停止する位置と、保持部材と非係合となる位置との間を
変位可能となっている制止部材と、フォークが区分位置
から下動して、印刷物を横切る際フォーク軸に係合し
て、フォークを急激に下降させるカム部材と、制止部材
の保持部材との係合、非係合を制御する制御部材とを有
することを特徴とするものである。

作 用 搬入部に搬入される印刷物の部数を計数部材によつて計
数して、この計数値が設定部数に達すると、区分信号を
出力し、この信号を入力した制御部材が制止部材を作動
して、保持部材の停止状態を解除して区分位置から下動
させ、その際フオークとカム部材との共働によつて急激
に横切つて印刷物の区分を行うとともに、フオークの上
に印刷物の集積を行い、その後落下位置においていつた
ん停止し、回転部の出力信号によつて小束を落下させ
て、上動し、これらの作動はすべて制御部材による駆動
指令によつて行われる。

実施例 第１図ないし第７図に示す実施例中前記従来のものと同
一の部分には同一の符号を付すことによつて説明を省略
し、主として相違する部分について説明する。

搬入部２において、22は搬入コンベアを示し、モータ21
により、第１図矢印に示すように搬入装置C1の搬送速度
より速い一定速度F1でピツチを拡げながら印刷物Ｐを搬
送するようになつている。そして計数部材５はこのよう
な印刷物Ｐを１部ずつ計数し、印刷物Ｐを区分すること
なく直ちに集積部３に流し込むようになつている。この
際の計数部材５の計数信号は第１図に示す制御装置23内
のカウンタに送られ、このカウンタに記憶された発送情
報に基いて定められた発送順、販売店ごとの設定部数に
達すると、その都度区分信号を出力してリセツトするこ
とを繰返えすように制御される。なお24は紙詰りが生じ
たときに、緊急に転路して排紙するホツパを示す。

集積部３は前記従来のそれとは異り、小束を作成する集
積機能のほかに、印刷物Ｐを前記区分信号の発信の都度
設定部数に区分する区分機能が付加されたものとなつて
いる。

この集積部３はその両側に枠板25が設けられ、この枠板
25間に上下対向位置に駆動軸26及び被動軸27が枢支さ
れ、これら両軸26,27のそれぞれの両端近くに２枚１組
となつた同一歯数のスプロケツト32,33が取付けられて
おり、各対向するスプロケツト32,33どおしにローラチ
エーン34が懸張されている。そして隣接するローラチエ
ーン34の内側にそれぞれ同一のローラチエーン34′が配
置され（第６図）、対向するローラチエーン34′間に後
記する保持部材が61が装着されている。また駆動軸26に
はスプロケツト31が取付けられていて、このスプロケツ
ト31のモータ28によつて回転するスプロケツト29との間
にはチエーン30が懸張されており、モータ28の作動によ
つてローラチエーン34,34′は第３図のＲ方向に常時一
定速度Ｆで移動する。

保持部材61は保持片36,37によつて構成され、保持片36,
37は第５図から明らかなように、ローラチエーン34′を
挾んでその両側に位置し、ボルト38とナツト39によつて
連結され、保持片37に設けられた盲孔に挿入したばね40
によつてスプロケツト34′を挾着するようになつてお
り、その挾着力はナツト39の操作で調整される。そして
横方向において対向する保持片37はそれらの孔部に両端
を嵌合され、蓋55で緊締された保持軸41で連結されてい
る。

保持軸41には１対の連結腕42が回動可能に軸支され、保
持軸41に巻着したばね43によつてローラチエーン34の進
行方向に回動するように付勢され、その先端には保持軸
41と平行にフオーク軸44が取付けられ、このフオーク軸
44にはこの例では３個のフオーク46が支持具45を介して
等間隔をおいて取付けられており、このフオーク46はそ
の下降側において上向きとなるようになつている。フオ
ーク軸44の両端にはカムフオロワー47が回転可能に取付
けられている。フオーク46が下動する区域は第４図に示
されるように棚板56及び案内板57によつて形成された断
面矩形の縦長区域となつている。

第５〜７図に示すように、内外ローラチエーン34の外側
にはガイド板51,52が設けられ、これらのガイド板51,52
には、ローラチエーン34を両側からガイドするガイド片
53,54が設けられている。これはフオーク46がその上部
に印刷物Ｐの小束S1,S2を積載しながら下動する際、ロ
ーラチエーン34に偏荷重とモーメント荷重が加つて撓む
のを防ぐためである。一方のガイド板51の印刷物Ｐが落
し込まれるところに対向した側縁に低段部Ｄを有するカ
ム面62が形成されている（第５図）。そしてカム面62に
はばね43の押圧力によつて常時カムフオロワー47が当接
している。

第３図に示すようにローラチエーン34の下降側におい
て、上方から印刷物Ｐの落し込み位置に隣接して区分位
置W1、待合せ位置W2、落下位置W3が上方から下方にかけ
て順次設定され、上昇側の上部に待機位置W4が設定され
る。そしてこれらの位置W1〜W4に対応して両枠体25間に
制止軸48が回転可能に張架され、この制止軸48には制止
アーム49の基端が取付けられている。制止軸48の一方の
枠板25外に突出した端部に一端を固着したリング58の他
端をエアシリンダ59の作動杆の先端に枢着し、このエア
シリンダ59の作動によつて制止軸48すなわち制止アーム
49を第５図において角度θ２の範囲で回動するようにな
つている。そして制止アーム49がこのように回動する
と、その先端が保持軸41の進行方向前方に突出するよう
になつている。

保持軸41には第４図に示すように、そのほぼ中央に検知
部材60が取付けられ、一方前記各位置W1〜W4の検知部材
60と対向する位置に無接点検出部材63が設置されてい
て、検出部材63が検知部材60を検出すると、エアシリン
ダ59を作動して制止アーム49を作動するようになつてい
る。

前記のものについてその作用を説明する。

ローラチエーン34の移動によつてフオーク46−１が第３
図鎖線に示す区分位置W1に到達すると、検出部材63がそ
れを検出して、制御装置23がエアシリンダ59を作動す
る。このシリンダ59の作動によつて制止アーム49−１の
先端が保持軸41の進行方向前方に移動すると、保持軸41
が制止アーム49−１に係止し、保持軸41すなわちフオー
ク46−１は停止する。一方ローラチエーン34はばね40に
よる保持片36,37の挾圧力に抗してそのまま移動を継続
する。

ここで制御装置23から区分信号が出力され、それによつ
てエアシリンダ59が前記のように角度θ２だけ回動し、
この回動によつて制止アーム49−１がもとの非係合位置
に復帰し、保持部材61は再びローラチエーン34に随伴し
て下動を開始する。そして保持軸41に設けられたカムフ
オロワー47がガイド板51のカム面62の段部Ｄと当接し、
フオーク46−１が連結腕42に対するばね43の押圧力によ
つて第3,5図実線位置から鎖線で示す開口位置へ向けて
角度θ１だけ回動する。この回動により搬入部２の搬入
コンベア22から集積部３に流れ込む印刷物Ｐの流れを直
角方向に横切つて第３図の位置46−２へ移動し、先方の
ものを叩き落とすことによつて区分作用を行い、そのま
まローラチエーン34に随伴して下動を継続する。この間
搬入部２による印刷物Ｐの集積部３への落し込みは中断
することなく継続されているので、この印刷物Ｐは下動
するフオーク46−２の上に集積される。この際第４図に
示すように印刷物Ｐの先端の折帖側が棚板56に当り、側
部は案内板57に規制され、所定の部数の小束に形成され
て行き、それより先行するフオーク46−３のように待合
せ位置W2に到達する。

前記のようにして小束S2を積載し終えたフオーク46−３
が待合せ位置W2に到達すると、それより先行するフオー
ク46−４の束S1と、回転部４の束作成状況に応じてきま
る条件により、必要があれば制御装置23がエアシリンダ
59を作動して、制止アーム49−２を移動してフオーク46
−３を停止する。この停止が解除されると、それより先
行するフオーク46−４のように落下位置W3に到達し、こ
こで前記と同様にして制止レバー49−３により停止させ
られる。

この停止中に回転部４から押板14の作用によつて、第２
図に示すように集積束B1が同B2の位置へ搬出装置C2によ
つて搬出されると、搬出信号が出力されて制止アーム49
−３による停止が解除され、フオーク46−３はローラチ
エーン34に随伴して移動し、スプロケツト32の周りを回
り、ここでフオーク軸44のカムフオロワー47は低くなつ
ているカム面62′との係合によつて、第３図下方の鎖線
に示すようにフオーク46−４が急激に時計方向へ回動
し、その上に積載された設定部数の小束S1は、制止状態
から自重によつて自然落下して、回転部４の側板12と扉
板13とで囲まれた載置板11上に落下する。

このようにして空になつたフオーク46−5,6は、ローラ
チエーン34に随伴して上動して待機位置W4に到達する
と、制止アーム49−４によつて停止させられてこの位置
で待機する。このようにして待機位置W4には複数のフオ
ーク46−5,6が待機することとなるが、このうちの先頭
のフオーク46−６は、区分位置W1において区分信号待ち
のフオーク46−１が１組になると、制止アーム49−４に
よる停止が解除されて、ここから移動を開始して先行す
るフオーク46−１のところに到達したところでフオーク
46−１に当接してこれとともにこの位置に停止し、区分
のための予備部材として待機し、このフオーク46−６
は、以後前記したフオーク46−１〜５と同様の行程をた
どることとなる。

このようにして複数組のフオーク46がローラチエーン34
に随伴して移動し、制止アーム49によつて各位置W1〜W4
に停止し、この間順次区分、集積、小束作成、小束落
下、待避の各工程を自動的に反覆遂行することにより、
設定部数からなる小束S1が回転部４の載置板11上につぎ
つぎと落下する。そしてこの載置板11はモータ18から電
磁クラツチ、ブレーキを具えた減速機19を介して、180
゜ごとの割出回転を行う割出機構20により、小束S1の落
下ごとに180゜回転し、このようにして集積束B1が形成
され、前記のようにして搬出装置C2によつて順次つぎの
包装、結束工程に向つて移動される。

前記の実施例ではカムフオロワー47がばね43により、ガ
イド板51に圧接されるようになつており、このため保持
軸41に生ずる戻り反力が保持片36,37に加わらないよう
に図示しない別のころを設けてその反力を吸収するよう
になつている。しかしこの反力吸収用ころは、カムフオ
ロワー47をガイド板51のような板カムでなく溝カムによ
つて拘束して、ばね43のようなものを用いないようにす
れば、これを省略することができる。また保持片36,37
はばね40の弾発力だけローラチエーン34により駆動され
るので、フオーク46上に大きな小束が集積された場合に
は、その荷重に耐えきれないで滑落するのを防ぐため
に、図示しないが保持片36,37にはローラチエーン34と
係合することができるラチエツトが設けられている。

発明の効果 この発明は前記のようであつて、集積部に集積部材を設
け、搬入部には従来のもののように区分部材を設けるこ
となく、集積部材にこの区分部材が行つていたことを、
集積する際に同時に行うようにし、集積部材は上下方向
に循環移動するローラチエーンと、このローラチエーン
と共働し、またはそれとは別に停止することのできる保
持部材及びそれに揺動可能に設けられたフオークとを有
し、この保持部材の間欠的な移動は、搬入部に設けられ
た計数部材の印刷物の計数に基く出力信号及び回転部か
らの出力信号に基く制御部材の制御によつて自動的に行
われるようになつているので、区分、集積のため複雑で
場所をとる機構を設ける必要がなくて、大きな設置面積
を必要とせず、また格別の人手を要することなく、最少
限３部以下１部までの極少部数の小束から、最大限100
部またはそれ以上の大束の作成まで、印刷物の集積を連
続的に、かつ自動的に行うことができて、その作用は迅
速かつ的確であるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この発明の実施例の一部縦断正面図、第２図
は、同上の側面図、第３図は、同上の要部の拡大正面
図、第４図は、第３図の線IV−IVに沿つてとつた拡開
図、第５図は、第３図の要部のさらに拡大図、第６図
は、第５図のものの側面図、第７図は、第５図のものの
平面図、第８図は、従来のものの典形例の第１図と同様
の図面である。 １……カウンタスタツカ、２……搬入部 ３……集積部、４……回転部 ５……計数部材、22……搬入コンベア 23……制御装置、26……駆動軸 27……被動軸、29……スプロケツト 30……チエーン、31,32,33……スプロケツト 34,34′……ローラチエーン、36,37……保持片 40……ばね、43……捩りばね 44……フオーク軸、46……フオーク 47……カムフオロワー、49……制止アーム 59……エアシリンダ、61……保持部材 62,62′……カム面

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】輪転印刷機によって折り畳まれ、ずり重な
   って搬入される印刷物を計数し、その計数値が設定部数
   に達するごとに区分信号を出力する計数部材を有する上
   方の搬入部と、この搬入部から流し込まれる印刷物を集
   積して設定部数の小束を作成したうえ、それを下方の落
   下位置まで移送する集積部材を有する集積部と、前記集
   積部材によって移送された小束印刷物を集積する集積束
   作成用回転部とを具え、前記集積部材は、上下部旋回部
   間を常時循環移動するローラチェーンと、ばねの力によ
   りローラチェーンに係合してこれに随伴して移動する複
   数の保持部材と、この保持部材に揺動可能に保持され
   て、前記搬入部と回転部とを含む移動経路に沿って移動
   するフォークと、前記移動経路中少なくとも上方旋回部
   をすぎた区分位置と、下方旋回部の近くの回転部への落
   下位置とに配置され、これらの両位置において保持部材
   と係合し、ばねの力に抗して保持部材を停止する位置
   と、保持部材と非係合となる位置との間を変位可能とな
   っている制止部材と、前記フォークが区分位置から下動
   して、印刷物を横切る際フォーク軸に係合して、フォー
   クを急激に下降させるカム部材と、前記制止部材の保持
   部材との係合、非係合を制御する制御部材とを有するこ
   とを特徴とする印刷物集積束の作成装置。