JPH0671937A - 記録ヘッド - Google Patents

記録ヘッド

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JPH0671937A
JPH0671937A JP23074292A JP23074292A JPH0671937A JP H0671937 A JPH0671937 A JP H0671937A JP 23074292 A JP23074292 A JP 23074292A JP 23074292 A JP23074292 A JP 23074292A JP H0671937 A JPH0671937 A JP H0671937A
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JP
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recording
electrode
recording head
light
phosphor
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JP23074292A
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English (en)
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Kazushi Nagato
一志 永戸
Yuzo Koike
祐三 小池
Shuzo Hirahara
修三 平原
Akifumi Mori
昌文 森
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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  • Electrophotography Using Other Than Carlson'S Method (AREA)
  • Cathode-Ray Tubes And Fluorescent Screens For Display (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 近接した2つの電極間に選択的に電圧を印加
し、電極間に高い電界を生じさせる。この高電界によ
り、電界放出される電子を加速して蛍光体に衝突させ、
蛍光体を選択的に発光させる。この様な構成の記録ヘッ
ドで、感光体ドラム上に静電潜像を作成する。 【効果】 本発明の記録ヘッドを使用することにより、
低消費電力・高解像度の電子写真記録装置を実現でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超高解像度の記録がで
き、更に駆動電力も非常に小さい電子写真記録装置の記
録ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】様々な記録装置の中でも、電子写真記録
装置はノンインパクト記録であるため騒音が少ないこと
や、文字が綺麗に記録できること、記録速度が高速であ
ること、ランニングコストが比較的安いこと等の特長を
持っているために、最近ではOA機器の出力端末装置と
して利用されており、その市場も急速に拡大している。
【0003】電子写真記録装置のひとつであるレーザプ
リンタの記録部の模式図を図12に示し、電子写真記録
装置の概要について説明する。電子写真記録装置では図
12に示すように通常の場合、感光体ドラム100を使
用している。この感光体ドラム100をまずコロナチャ
ージャから成る帯電器101によって、表面を例えばマ
イナスの電荷で−700V程度に一様に全面帯電させ
る。次ぎに画像信号に応じて記録光102が感光体ドラ
ム100に照射される。感光体は光が照射された部分だ
け抵抗が減少するので、記録光102が照射された部分
のマイナス電荷が消去され静電潜像が形成される。なお
通常は記録光102はレーザ光などであり、レーザとし
ては1個の半導体レーザが使用され、画像に応じて変調
された光は、回転多面鏡によって走査されている。この
様にして形成された静電潜像は次ぎに現像器103によ
って現像される。つまり感光体ドラム100上の静電潜
像のマイナス電荷の消去された部分に、例えば反転現像
によってマイナスに帯電した着色微粒子であるトナーが
−500V程度の現像バイアスを与えられることにより
付着し、静電潜像が可視化されるのである。給紙ローラ
104によって図示しない紙カセットから取り出された
記録紙105が、画像信号とタイミングを合わせて搬送
され感光体ドラム100に接触される。ここでは可視化
されたトナー像の記録紙105への転写が行われる。転
写チャージャ106では例えば記録紙105の裏側から
プラスの電荷が与えられ、これによって感光体ドラム1
00上にマイナス帯電したトナーによって現像された画
像を、記録紙105上に引き付け、転写しているのであ
る。画像が転写された記録紙105は、次に剥離チャー
ジャ107によって、感光体ドラム100から剥離され
る。最後にヒートローラ110から構成される定着器1
11で、トナーは加熱・加圧されることによって記録紙
105上に定着されて記録が終了する。なお感光体ドラ
ム100上には記録紙105に転写されずに残ったトナ
ーが存在している。これらの残留トナーをクリーニング
ブレード108から構成されるクリーナーで擦り落とす
ことで、ドラム100の清掃を行なった後、LEDなど
から構成される消去ランプ109で全面露光することに
よって感光体ドラム100上の電荷を消去している。こ
の様に電子写真記録装置では、帯電・潜像形成・現像・
転写・定着の工程を経て画像が形成されている。またド
ラムは最後にクリーニング工程で綺麗に清掃され再度使
用される。各工程は機種によって少し構成が異なってい
る場合もあるが、基本的にはこの様な構成になってい
る。
【0004】以上電子写真記録装置の代表例としてレー
ザプリンタについて簡単に説明を行なった。さらに電子
写真記録装置としてはレーザプリンタばかりでなく、静
電潜像を書き込むための記録ヘッドとして、他の発光素
子を使用したものも開発・製品化されている。レーザプ
リンタは1つのレーザから発生した光を高速に機械的に
回転する多面鏡(ポリゴンミラー)や、ホログラムを利
用して画点を走査しているのであるが、装置の小形化・
低価格化を考え、アレイ光源を用いた固体走査方式も現
在ではかなり注目され始めている。例えばLED、液晶
シャッタ、EL素子、プラズマ発光素子、蛍光体などの
発光素子や光シャッタ素子をアレイ状に並べたヘッドを
用いた電子写真記録装置も開発そして実用化されてい
る。上述した電子写真記録装置はいずれも光プリンタと
総称されるものであり、用途としてはプリンタあるいは
ディジタル複写機などの出力装置として利用されてい
る。また従来から使用されている、蛍光灯などの光で原
稿を照明しその反射光を感光体に導き静電潜像を形成し
て原稿を複写するタイプのアナログ複写機も、電子写真
記録装置のひとつである。
【0005】以上述べたように電子写真記録装置は優れ
た特長を持っているために、最近ではOA機器の出力端
末装置として多数利用されており、方式も様々な方式が
開発、実用化されてその市場も急速に拡大している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述した様に電子写真
記録方式は、大きく2つの記録方式に分類される。第1
は画像記録信号を1つの素子で作り出し、これを主走査
方向に走査することで1ラインの画像を記録する記録方
式であり、レーザ光を回転多面鏡で走査するレーザプリ
ンタなどがその代表である。これに対し第2の記録方式
は、ライン状に多数の発光素子や光シャッタを並べ、こ
れらの素子を個別に制御して1ラインの画像を形成す
る、固体走査方式と呼ばれる記録方式である。
【0007】第1の記録方式の特長としては、1つの光
源から発生した光で、全ての画点を形成するために画点
ごとの濃度バラツキが無いことがある。そのため階調画
像を記録するのに、非常に適している。しかし1つの光
で記録紙全面を走査するので、走査に時間が掛かってし
まい、現在実用化されている装置では6枚/分程度の記
録速度のものが大半である。これ以上の高速な走査をす
る場合には、回転多面鏡を走査するモータやモータ軸受
けなどに工夫をする必要がある。これに対して固体走査
方式では1ラインを同時駆動できるため、記録速度の高
速化は実現し易い。ところが1ラインに多数の素子、例
えば16ドット/mmのA4幅の記録ヘッドでは336
0ドットの素子が1列に並んでいるために、各素子ごと
に発光量や光の透過量にバラツキを生じてしまい、その
ため記録画点の濃度バラツキが発生してしまう。15〜
30%程度の濃度バラツキがあっても、文字記録などの
完全な2値の記録ではほとんど気にならない。しかし、
階調画像記録やフルカラー記録では、濃度の濃い部分や
薄い部分がスジ状に現れたり、色が場所によって違って
しまう問題もある。
【0008】本発明は上述した問題に鑑みなされたもの
で、階調画像記録やフルカラー記録においても、濃い部
分や薄い部分の所にスジ状が現われたり、色が場所によ
って違うことのない記録ヘッドを提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、微小な冷陰極
を平面に配列した面電子源を記録ヘッドに使用したこと
を特徴としている。
【0010】具体的に説明すると、微小冷陰極をアレイ
状に平面に配列した面電子源の開発が、最近活発に行わ
れている。真空中でこの様な電極アレイから電子を電界
放出によって取り出し、この電子で蛍光体を発光させて
平面CRTを構成するものである。従来の平面CRTと
比較すると、薄くて軽くなる特徴がある。更に同様な技
術でプレーナ型の3極真空管を試作した研究なども始ま
ったところである。この微小冷陰極アレイは大きさ、ピ
ッチとも数μmと非常に高精細に形成できる特徴があ
る。
【0011】図13を用いて微小冷陰極アレイの動作原
理と、これを使用した平面CRTについて説明する。図
13(a)は冷陰極の動作を説明するための図である。
まずガラス或いはシリコンなどから形成される基板12
0の上に、コーン状のカソード121が形成される。カ
ソードコーン121は、ゲート電極123に形成された
開口部122の、ほぼ中心に形成されている。ゲート電
極123は、絶縁層124によって、カソード121と
の間を絶縁されている。図13(b)はゲート電極12
3に開けられた、開口部122と開口部122からカソ
ードコーン121が見えている状態を示したものであ
り、図13(a)を斜め上から見た図である。図13
(b)では多数の開口部122とカソードコーン121
がアレイ状に並んでいる例を示してある。この様な状態
で、ゲート電極123にゲート電圧125を与えると、
カソード121とゲート123の間の強電界によって、
電子126がカソードコーン121の先端から放出され
てくる。ここでアノード127とカソード121の間
に、アノード電圧128を印加することにより、カソー
ドコーン121から放出された電子は、アノード127
に向かって加速されながら到達する。アノード127に
は蛍光体129が塗布されているので、電子126が蛍
光体128に衝突することによって発光する。これが電
子の電界放出を利用したディスプレイの動作原理であ
る。なお図13(a)で示された部分は、真空中あるい
は不活性ガスが満たされた容器の中で行われる現象であ
る。
【0012】なお図13(c)には、この様な電界電子
放出を利用した冷陰極アレイを、カラーディスプレイに
使用した例を示している。この例ではガラス基板120
の上に、カソード電極130を形成してある。カソード
電極130は、カソードコーンに接続されており、図で
は横方向に連続した短冊状の形状をしている。なお図1
3(a)では、基板120がシリコンなどの半導体から
できている場合を考えているので、カソード電極は描い
て無い。次にカソード電極130の上にはコーン状のカ
ソードが形成されている。またゲート電極123は、カ
ソード電極130とは異なった方向に、やはり短冊状に
形成されている。ゲート電極123には、コーン状カソ
ードを取巻くように、多くの穴が形成されている。カソ
ード電極130とゲート電極123は、やはり穴の開い
た絶縁層124で絶縁されている。これらの短冊状のカ
ソード電極130とゲート電極123を順番に選択し
て、これらの電極間に電圧を印加して行くと、選択され
た部分のカソードコーンからのみ電子が放出される。こ
の電子はガラス基板上に形成されているアノード電極1
27に与えられている電界で加速され、アノード127
上の蛍光体128まで達し、蛍光体128を発色させ
る。蛍光体はそれぞれR、G、Bに発色するようになっ
ているので、カラーディスプレイとして動作する。この
例はフランスのLETI社の開発した平面CRTであ
り、ゲート電圧は80V、アノード電圧は400Vであ
る。画面寸法は110×90mm2 で画素数は256×
256、Spindt型の冷陰極を10000/mm2
の密度でアレイ化している。従って1画素当りの冷陰極
は約1200個となる。このディスプレイの輝度はZn
O蛍光体の場合、300cd/m2 で消費電力が100
cm2 当たりで1Wと低くなっていることが、大きな特
徴である。本発明では、この冷陰極アレイをプリンタ用
の発光素子に使用したことを特徴としている。
【0013】
【作用】この様な微小冷陰極をアレイ状に平面に配列し
た面電子源を、電子写真プリンタの発光素子として使用
することによって、幾つかの特徴を持った電子写真記録
装置を実現することができる。まず第1に微小冷陰極ア
レイが非常に低消費電力である特徴に注目する。微小冷
陰極に流れる電流は1ドット当たり数μA程度であるの
で、従来の固体光ヘッドと比較すると非常に小さいため
に、記録装置の省電力化を実現できる。携帯型の電子写
真プリンタを実現する場合に、電池でも駆動できるよう
な低消費電力の装置を実現できる。
【0014】また微小冷陰極アレイの第2の特徴は、非
常に小さな解像度の画点を形成できることである。微小
冷陰極アレイでは300ドット/mm程度の高解像度の
ピッチでも形成することが可能であり、現在のプリンタ
の解像度である10〜20ドット/mmと比較すると1
0倍以上の解像度である。従って1つの画点を記録する
のに、微小冷陰極を100個程度使用することができ
る。従って個々の微小冷陰極からの発光出力にある程度
の差があっても、多数個使用することによって出力のバ
ラツキが平均化されることになり、1つの10ドット/
mm程度の画素ごとのバラツキを小さく抑えることがで
きるのである。更に発光出力のバラツキが大きくなった
場合には、信号制御によって、幾つかの微小冷陰極アレ
イを発光させないようにすることでも、積極的にバラツ
キを押さえることが可能となる。
【0015】更に1つの画点を多数の微小冷陰極アレイ
を用いて形成するので、発光させる微小冷陰極の数を、
記録する画像濃度に応じて変化させることによって、安
定した階調記録を実現することができるようになる。
【0016】また他の効果としては、非常に高解像度で
あることを利用し、個々の微小冷陰極アレイを個別駆動
することにより、300ドット/mm程度の高解像度ま
での記録が可能な記録装置を実現することも可能とな
る。通常の記録でこの様な高解像度の画点の形成は必要
ないが、段差の無い滑らかな文字を記録する場合などに
文字のエッジ部では、この様な高解像度のエッジを形成
する必要がある。この記録ヘッドを使用した記録装置に
よって、滑らかな綺麗な文字を記録できるプリンタを実
現することが可能となる。更に非常に高解像度である利
点を使用することで、上述したスムージングの他に、自
由な解像度への変換(任意な拡大・縮小)を実現できる
特徴がある。
【0017】
【実施例】
(第1の実施例)
【0018】以下図面を参照して本発明の一実施例につ
いて説明する。図1(a)は本発明の微小冷陰極アレイ
を用いた記録ヘッドを使用した電子写真記録装置を説明
するための図、(b)は微小冷陰極をアレイ状に並べた
本発明の記録ヘッドの斜視図である。図1(a)に示す
ように通常の電子写真記録装置の記録ヘッドの部分を、
微小冷陰極アレイを用いた記録ヘッド1に取り換えるこ
とで本発明の電子写真記録装置が実現される。微小冷陰
極アレイを用いた記録ヘッド1から記録パターンに基づ
いて発せられる光を、ヘッドから直接或いはセルフォッ
クレンズ(図示しない)などで感光体を露光することで
静電潜像が形成される。ここで微小冷陰極は少なくとも
感光体ドラム100の軸方向(主走査方向)にアレイ状
に並んでいるので、感光体ドラム100が回転するに従
って発光パターンを順次変化させてゆくことで、2次元
の静電潜像パターンを形成することができる。この様に
して形成された潜像は、従来の電子写真記録装置と同様
の工程で、現像・転写を経て、記録紙上に定着される
(従来例と同じなので説明は省略する)。この様にヘッ
ドをレーザ光学系から微小冷陰極アレイを用いた記録ヘ
ッド1に代えたことで、レーザプリンタの様な光学系が
必要ない固体走査方式にできるため、記録装置を小形化
できる効果がある。また他の固体走査方式と比較した場
合には、消費電力が非常に小さくできることや、なによ
りも5000dpi以上の超高解像度の記録を実現でき
る効果がある。次に図1(b)を使用して、記録ヘッド
1の構成について簡単に説明する。この図は記録ヘッド
1を発光面側から見た斜視図である。1つの微小冷陰極
素子は、開口部3が形成されたリング状のゲート電極2
と、この開口部3の中のコーン状のエミッタ4とから構
成されている。ゲート電極2には配線部5が形成されて
おり、図示してないが駆動回路に各ゲート電極2が接続
されている。このゲート電極2は絶縁層6の上に形成さ
れており、絶縁層6およびゲート電極2に開口部3が形
成されており、更に絶縁層の下にはエミッタ電極7が、
ガラス基板8の上に形成されている。この様な個別の微
小冷陰極が、図示したように多数アレイ状に並んで記録
ヘッドを構成している。ここでコーン状エミッタ4とゲ
ート電極2の間に駆動回路で個別に電圧を印加する。電
圧が印加された素子では、電界はゲート電極2とエミッ
タ4の間の数μmの開口部3に集中し、非常に大きな値
となる。106 〜107 V/cm程度の大きな電界が発
生すると、エミッタ4から電子の電界放出が開始され
る。微小冷陰極アレイの上方には、透明電極9上に蛍光
体10が塗布されたガラス基板11が設けられている。
エミッタ4から放出された電子はマイナスの電荷を持っ
ているので、エミッタ4と透明電極9の間に透明電極9
側が正になるように電圧を印加しておくことによって、
発生した電子をガラス11の方向に加速させることがで
きる。加速された電子は透明電極9の上に塗布されてい
る蛍光体10に衝突し、蛍光体10を発行させる。蛍光
体10は微小冷陰極が並んでいる方向に連続して形成さ
れているが、微小冷陰極からの電界電子放出を1つ1つ
独立して制御できるようになっているので、蛍光体10
も微小冷陰極からの電界電子放出に従って任意のパター
ンに発光させることができる。この光はガラス基板11
を通して、表面に出力されてくる。この記録ヘッドから
の光を、感光体まで導くことによって、感光体に静電潜
像を形成することができる。基本的な記録ヘッドの構造
は、従来例に示したディスプレイの構成とほぼ同様であ
るが、電子写真記録装置の記録ヘッドに使用する本発明
の場合には、以下の点に特徴を持たせてある。まず個々
の微小冷陰極素子を個別に駆動できるようにしたことで
ある。また感光体の表面を走査することで画像を形成す
るので、各個別の微小冷陰極素子を1列に並べ、この並
んでいる方向を主走査方向、これと直交する方向を副走
査方向(記録ヘッドを動かす方向)とした。この様にす
ることで、5000ドット/mm以上の超高解像度の記
録を実現できた。 (第2の実施例)
【0019】以下本発明の他の実施例について説明す
る。まずゲート電極2の並べ方についての幾つかの実施
例を示す。図2(a)は、図1に示した微小冷陰極アレ
イを使用した発光素子1をゲート電極側から見た平面図
である。ただしゲート電極2の部分を見易くするため
に、この上に設けられている蛍光体10・透明電極9・
ガラス基板11などは省略してある。従ってこの図のよ
うに、絶縁層6と共に、開口部3が形成されたゲート電
極2と、開口部3の中にはエミッタ4が見えることにな
る。図1(b)の実施例に示されている発光記録素子で
は、図2(a)に示すように、この様な微小冷陰極が1
列に並んでいる。微小冷陰極が並んでいる方向が主走査
方向、これと垂直の方向が副走査方向であり、副走査方
向は感光体ドラムの回転する方向となっている。個々の
微小冷陰極からは配線5が引き出されており、それぞれ
個別の駆動回路へと接続されている。
【0020】図2(b)は他の実施例を示したものであ
る。図2(a)の実施例の場合には、主走査方向に並ん
でいる各微小冷陰極素子の間に隙間が発生してしまう。
5000dpi以上の超高解像度で記録する場合には、
この様な隙間は実際の記録サンプルでは出てこない。し
かし300dpi程度の記録を行った場合には、この隙
間が気になる場合も生じてくる。この様な隙間の発生を
防ぐ一つの実施例として、微小冷陰極を主走査方向に1
列ではなく図2(b)に示す様に千鳥状に配列する方法
がある。この様にすることで、主走査方向で見ると全て
の開口部3が連続することになるので隙間がなくなるの
はもちろんであるが、解像度も向上させられる効果もあ
る。そのかわり副走査方向には開口部3の位置がズレて
いるので、信号を遅延させる必要がある。例えばこの実
施例の場合には、偶数番目と奇数番目の微小冷陰極の間
で記録信号の1ラインのディレイが必要となる。なお図
2(b)に示す実施例では、信号の引き出し線5が両側
に振り分けられて引き出されている。これは片側に引き
出した場合には、主走査方向で隣り合う微小冷陰極の間
に配線を通す必要があり、配線部5を形成するために非
常に高精度の技術が必要となるためである。配線部5を
両方に振り分けることで、作成を容易にした。なお図2
(a)に示した、微小冷陰極が1列に並んでいる場合に
も、両側に配線部5を振り分けても問題はない。なお図
2(b)の実施例では、偶数番目と奇数番目の微小冷陰
極の間で記録信号の遅延をさせている。しかし、100
0dpi以上の超高解像度で記録する場合には、この1
ラインの位置の差は全く知覚することは不可能であるの
で、遅延させる必要はない。
【0021】図3にはゲート電極の構成の更に他の実施
例を示す。これまでの実施例では個々の微小冷陰極をそ
れぞれ独立に制御する方式について説明してきたが、こ
の実施例では幾つかの微小冷陰極をまとめて駆動する実
施例を示す。多数の冷陰極を同時に駆動すると、解像度
は劣化してしまう。しかし利点としては駆動回路の数や
データ量、或いはこれらのデータを保持しておくための
メモリ容量を小さくできることがある。また個々の微小
冷陰極が持っている特性のバラツキも、多数の素子を同
時に駆動することによってバラツキが平均化され、濃度
特性が安定した記録装置を実現することができる特徴も
ある。図3(a)は主走査方向に連続する多数の画点を
同時に駆動する方式である。例えば各微小冷陰極の間の
ピッチが約8μm(約3200dpiに相当)の場合
に、この様に主走査方向に連続する8個の冷陰極を同時
駆動すると、主走査方向で約64μm(約400dpi
相当)の画点を形成できる。3200dpiの超高解像
度で記録する場合には、A4の幅で64ビット駆動のド
ライバICが400個以上必要であるが、この図のよう
な駆動方式にすることによって、ドライバICを50個
程度にすることができる。また図3(a)の実施例の場
合には、副走査方向は高解像度のままであるので、40
0dpiの画点を副走査方向に8分割することが可能で
あるので、簡単に8階調程度の階調記録を実現すること
ができる。
【0022】図3(b)は副走査方向に連続する多数の
画点を同時に駆動する実施例である。この図の例では副
走査方向に連続する8個の冷陰極を同時駆動しており、
各冷陰極のピッチを8μmとすると、副走査方向で約6
4μm(約400dpi相当)の画点を形成できる。こ
の場合、駆動ICの数は減少しないが、副走査方向の送
り速度を8倍に高速化することが可能となる。またこの
実施例の場合には、主走査方向は高解像度のままである
ので、400dpiの画点を主走査方向の8画素で表現
することが可能であるので、この8画素をON/OFF
制御することで簡単に8階調程度の階調記録を実現でき
る。
【0023】また更に他の実施例として図3(c)に
は、図3(a)と同様に主走査方向に連続する多数の冷
陰極を同時に駆動する方法について示してある。ただし
この実施例の場合には、隣り合う画素が互いに滑らかに
繋がるように、隣り合う画素を重ねたことを特徴として
いる。そのために隣り合う画素を主走査方向に1列に並
べることはできないため、図のような千鳥状の電極配列
になっている。従って記録信号は副走査方向に離れてい
る距離のぶんだけ、遅延させる必要がある。 図3
(d)は1つの画点を主走査・副走査に連続した多数の
冷陰極から電界放出される電子で駆動する場合の実施例
である。この様に多数の冷陰極を同時駆動することで、
久遠ICの個数を減らせられることはもちろんである
が、個々の冷陰極が持っているバラツキを平均化する効
果もある。冷陰極アレイの構造としては幾つか考えられ
るが、特性のバラツキが大きくなる傾向の冷陰極アレイ
の構造もある。この様な場合に、個々の冷陰極を個別に
駆動したのでは、トナー現像した後の記録画像の濃度に
もバラツキが生じ易くなる。多数の冷陰極を同時に駆動
して1画素を形成することにより、バラツキが平均化さ
れて、各画素ごとの濃度のバラツキが緩和されることに
なる。もちろん個々の冷陰極を同時駆動しても同様の効
果は得られるが、駆動ICの個数が少なくなるだけ、図
3(d)の実施例の方が優れている。
【0024】本実施例の超高解像度の冷陰極アレイを用
いた記録ヘッドを使用した場合の、高解像度の記録につ
いて簡単に説明する。本発明の記録ヘッドの解像度は、
3200dpiとする。例えば図4(a)に示されるよ
うな400dpiの画点から形成される斜線を記録する
場合を考える。400dpiのプリンタを使用した場合
には、この斜線は図の様に段差が大きく、段差部では画
点が点で接触するような状態となっている。これが人間
の目にはノイズとして知覚されてしまう。ところが本発
明の第1の実施例のように、個々の超高解像度の画点を
使用することによって、図4(b)に示すような高解像
度記録を行うことが可能である。この高解像度化された
信号は、予めパターン発生装置で持っていても、400
dpiの記録パターンから演算によって求めても差支え
ない。本発明の記録ヘッドを使用することで、記録画像
を非常に滑らかな段差のないものにすることが可能であ
る。 また図3(a)(b)(c)に示された様に多数
の画点を同時に駆動する方式に於いても、画点の連続性
を滑らかにし見掛けの解像度を高解像度化することがで
きた。この方式を、図5を用いて説明する。例えば図4
(a)に示した400dpiの解像度の画点から構成さ
れる斜線を記録する場合には、図5(a)に示す様に超
高解像度の画点を8×8個使用して記録することができ
る。これは図3(a)または(b)に示した、8個の画
点を同時に駆動する方法でも簡単に記録できる。しかし
これらの方法をそのまま使用したのでは、斜線の段差を
解消することは不可能である。そこで例えば図3(a)
の様に主走査方向に連続する画点を同時駆動する場合に
は、図5(b)に示す様に低解像度の画点が斜めに接触
する部分付近に、余分に主走査方向に連続する画点を記
録して、低解像度の画点が点で接触することを防止する
ことによって、見掛上滑らかになるようにした。同様に
図3(b)の場合には、図5(c)に示すような方法
で、見掛上の平滑化を行った。なお図3(c)の様に初
めから画点の一部が重なっている場合には、図5(d)
に示す様に段差部分付近で低解像度の画点が点で接触す
ることがないので、そのまま記録しても見掛上の平滑化
が行われる。 (第3の実施例)
【0025】次に本発明の微小冷陰極アレイを駆動する
方法について説明する。図6,図7は本発明の微小冷陰
極アレイを使用した電子写真プリンタ用の記録ヘッドを
駆動する、ディジタル駆動回路の例を示したものであ
る。入力画像データINDAT30はシフトレジスタ3
1の入力端子S−INに供給される。この画像データ3
0はシフトレジスタ31のCK端子に与えられるデータ
転送クロック32によって、シフトレジスタ31の内部
を順次転送されてゆく。この駆動回路はIC化されてお
り、例えば64個のゲート電極を駆動できるようになっ
ているため、最初に入力された画像データ30は64個
のデータ転送クロック32でシフトレジスタ31の最先
端まで転送される。ここでラッチ信号LATCH33を
与えることによって、シフトレジスタ31内のデータは
全てラッチ34に移されて保持される。ラッチ34から
の出力はナンドゲート35の一方の入力端子に与えら
れ、ナンドゲート35のもう一方の入力端子には記録信
号EN36が与えられる。ナンドゲート35の出力端子
は例えばオープンドレインのN−MOSトランジスタ3
7のゲートに接続されている。N−MOSトランジスタ
37のソースはグランドに接続されており、ドレインは
負荷抵抗38を介して電源39に接続されている。トラ
ンジスタ37のドレインからは出力端子01〜0n40
が出ており、この端子が微小冷陰極アレイのゲート電極
に接続されている。この様な構成の駆動回路を構成す
る。この場合トランジスタ37をOFFにすることによ
って出力端子40からの出力を0Vにすることができ、
トランジスタ37をONにすることによって出力端子4
0からの出力を+Vにすることができる。つまりゲート
電極の電位をそれぞれの冷陰極ごとに制御して、個々の
発光のON/OFFを制御できる。記録信号EN36に
“H”が出力されている間、ラッチ34からの出力が
“H”の素子だけ、トランジスタ37のゲートが“L”
になるので、トランジスタがOFFとなり出力端子On
40からは電源+V39の電圧が出力されて、その素子
は発光することになる。各微小冷陰極の発光強度を変調
することによって、各画素ごとの記録濃度を変調するこ
とができるが、ディジタルICではこの様な制御は困難
である。そこで各素子を発光させる時間を制御する方式
で、感光体に与える光のエネルギーを制御して、記録さ
れる画点の濃度を変調する。ただし図6の回路からもわ
かるように、各素子を駆動する時間は記録信号EN36
によって、各素子共通に制御されているので、各素子ご
とに発光時間を制御することはできない。そこで1つの
画素を形成する場合に、1つの素子を何回も発光させ、
その発光回数を制御することで発光時間を制御する方式
を行っている。つまりシフトレジスタにデータを転送す
る場合に、長く発光させたい素子には何回も“H”のデ
ータを転送し、短く発光させたい素子には“H”のデー
タを転送する回数を少なくして、多数回の記録信号を出
力することによって、各冷陰極ごとの発光時間の制御を
行うことができる。なお図7に示した回路は、出力部に
C−MOSトランジスタ37′を使用した場合の例を示
した。動作は図6の場合と同様であるが、図6の場合の
ように負荷抵抗38を使用する必要がないために、発熱
の問題や抵抗の取り付け・形成方法を検討する必要がな
い特徴がある。またデータ出力端子OUTDAT41は
ドライバICを多数シリアルに接続して使用する場合に
用いる端子であり、次のドライバICのシフトレジスタ
31の入力端子S−INと接続され手使用される。
【0026】上述の説明では図6および図7の駆動回路
はIC化されているものとして説明したが、IC化され
たものに限定されるものではない。例えば高解像度が4
00dpiでA4の長さの記録ヘッドを使用する場合、
64ビットの駆動ICが約50個必要である。1000
dpiの超高解像度の記録を行う場合には、100個以
上の駆動ICが必要になってしまう。記録ヘッドに多数
の駆動ICを搭載することによって、記録ヘッドが非常
に大きなものとなってしまう。この様な問題を解決する
方法としては、直接記録ヘッドの上に図6,図7に示さ
れている回路を形成してしまう方法がある。例えば解像
度が2000dpiの場合には、微小冷陰極のピッチは
12.8μm程度になり、この場合のゲート電極の線幅
は5〜6μmとなる。ゲート電極の製造に関してもこの
ような高解像度の場合には、既にICの作成領域に入っ
ている。また駆動ICの出力端子を、ワイヤボンディン
グなどで、このように狭いピッチのゲート電極に接続す
るのもむずかしい技術である。そこで駆動ICも含めて
記録ヘッド全てを、Si基板上にIC作成技術を使用し
て形成することによって、超高解像度の微小冷陰極アレ
イを使用した記録ヘッドを作成することが可能となる。
記録ヘッド上にIC作成技術を使用して、駆動回路を形
成してしまうことは、従来の記録ヘッドでは必要のなか
った大きな特徴でもある。
【0027】図8は駆動回路の更に別の実施例を示した
ものである。図6,図7の場合はディジタル駆動回路の
実施例であったが、ここではアナログの駆動回路の実施
例を示してある。駆動回路の構成としてはアナログシフ
トレジスタ50を使用して、画像データIS51を順次
転送して行く方式である。アナログシフトレジスタ50
としてはどの様なものでも使用できるが、この実施例の
場合にはCCD方式のアナログシフトレジスタ50を使
用した例について考える。通常のCCDアナログシフト
レジスタは、フォトダイオードなどの受光素子と組み合
わされ、光によって誘起された電荷を、CCDアナログ
シフトレジスタに取り込んで転送するイメージセンサと
して使用されている。この実施例では画像データIS5
1の電圧によって誘起される電荷を、CCDアナログシ
フトレジスタで転送して行く方式である。データの転送
には2つのデータ転送クロックφ1(52)、φ2(5
3)を使用した、2層の駆動方式を使用している。CC
Dアナログシフトレジスタ50の中を転送し終わると、
次に出力ゲート制御信号OG54が、出力取り出し・増
幅部55に与えられる。出力取り出し・増幅部55は通
常のCCDイメージセンサの最終段と同様の構造であ
り、転送されてきた電荷を適当な電圧にして出力する部
分である。通常のCCDイメージセンサでは最終段に付
いているだけだが、今回使用した記録ヘッドではCCD
アナログシフトレジスタの各段に増幅部55も形成され
ている。この増幅部55には出力ゲート制御信号54の
他に、出力リセット信号56と電源+V57も接続され
ている。そして出力ゲート制御信号54が出力されてか
らリセット信号56が出力されるまでのあいだ、出力端
子58からゲート電極制御信号が出力される。この時出
力端子58からは0〜電源+Vの幅でアナログ的に制御
された電圧が出力されることになり、これが微小冷陰極
のゲートに印加されるので、記録ヘッドの発光もこの電
圧で強弱が制御される。従ってCCDの入力端子に与え
る画像データ51をアナログ的に変調しておくことによ
って、各素子の光出力を制御できる。前述したディジタ
ル方式の駆動回路では、各素子ごとに出力電圧を制御す
ることは困難であるので、多重記録を行うことで実質的
なパルス幅制御を行っていた。したがってデータの転
送、および記録を何回も行って1つの画点を形成する必
要があった。しかしこの実施例のようにアナログシフト
レジスタを使用することによって、各素子をアナログ的
に駆動することが可能になるので、1回のデータ転送と
記録によって画点を濃度変調できることが大きな特徴で
ある。なおアナログシフトレジスタの最終段からは出力
信号59が取り出せるような構造になっている。この出
力信号59は信号のモニタとして使用したり、駆動IC
を使用した場合には、ICを従属接続する場合の次段の
駆動ICの入力信号に使用することができる。また上述
したようにこの駆動回路も駆動ICにするばかりでな
く、超高解像度記録の場合には、直接基板上にこの駆動
回路を形成する方法も使用される。 (第4の実施例)
【0028】次に微小冷陰極アレイを使用した記録ヘッ
ドの構造に関する他の実施例について、幾つか説明す
る。記録ヘッドを作成する場合に、できるだけ平面に近
い構造にしたほうが作りやすい。図1に示した記録ヘッ
ドの場合には、電界電子放出を行うコーン状のエミッタ
電極だけでも3次元構造である上に、更にゲート電極を
3次元的に形成し、更にこれらと対向する位置に蛍光体
を塗布したガラス基板を3次元的に重ねる方式で製造さ
れている。この様な3次元構造をできるだけ少なくし、
記録ヘッド製造の歩留りを向上させたのが、以下に示す
第4の実施例である。
【0029】第4の実施例として図9(a)には、微小
冷陰極アレイを使用した記録ヘッドのエミッタ電極4付
近の要部の斜視図を、図9(b)には(a)の部分の平
面図を示す。図9に示した実施例では、ゲート電極2と
エミッタ電極4の構造は図1に示した冷陰極アレイの構
造と同様である。図1の実施例の場合には、エミッタ電
極4に対向して、カソード電極9および蛍光体層10を
3次元的に形成して、発光素子を形成していた。しかし
図9に示した実施例では、カソード電極9をゲート電極
2と同じ平面上に形成していることを特徴としている。
そしてカソード電極9上に蛍光体層10を形成してあ
る。もちろん図示してないが、この上にはガラス基板の
様な透明な部材が設けられており、更にエミッタ電極4
からこのガラス基板までの間は真空に保たれている。こ
の実施例の場合には、エミッタ電極4から放出された電
子は、エミッタ電極4とカソード電極9の間に印加され
ている電界で加速されて、カソード電極9の方に図9
(a)の矢印で示す様に引かれて動いて行く。この電子
はカソード電極9上に形成されている蛍光体層10に衝
突して、蛍光体10を発光させる。発生した光はガラス
層を介して外に取り出され、感光体ドラムを感光させ静
電潜像を形成する。この様な構造にすることで、エミッ
タ電極4に対向するガラス基板上にカソード電極9や蛍
光体層10を形成する必要が無く、従ってエミッタ電極
側の基板と対向するガラス基板との位置合わせをする必
要がない。図1に示した実施例と比較すると、構造が非
常に簡単になるので、記録ヘッドの作成が簡単になり歩
留まりが改善できるうえ、更に記録コストを安くできる
特徴がある。また発生した光はガラス基板を通して外に
取り出されるので、図1の様に発光を裏側にしかもカソ
ード電極ごしに取り出す場合と比較すると、効率良く光
を外部の感光体ドラムに取り出すことができるのも大き
な特徴である。なお図9(c)には構造は図9(b)と
ほぼ同様であるが、ゲート電極2とカソード電極9の取
り出し方向を、個々の冷陰極ごとに交互に変えた実施例
を示した。この様にすることで図9(b)の実施例と比
較して、発光強度をより一様にすることが可能である。
【0030】図10には更に他の実施例を示す。図9の
実施例ではまだコーン状のエミッタ電極などに3次元的
な構造が残っているが、図10の実施例では完全に平面
プロセスで形成した記録ヘッドを示してある。図10
(a)はこの記録ヘッドのエミッタ電極付近の要部を示
した平面図であり、図10(b)は図10(a)の丸印
で示されたA部の断面図である。この記録ヘッドではま
ずガラス基板64の上に〜1000nm以下のMoなど
の薄膜を形成する。この上にフォトレジストを図10
(a)の61で示される様な形状にリソグラフィー技術
を用いて形成する。このフォトレジストをマスクとし
て、Mo膜をエッチングしてエミッタ電極61を形成す
る。次にプラズマCVDなどの方法で〜1000nm程
度のSi O2 膜を形成し、更にその上にゲート電極60
となるCr などの膜を200〜300nm形成する。同
時にカソード電極62も同様に形成する。次にエミッタ
電極61上のフォトレジストをリフトオフし、更にカソ
ード電極62の上に蛍光体層63を形成する。この上に
ガラスの様な透明部材をスペーサを介して設け、真空に
することによって記録ヘッドを完成させることができ
る。この様な記録ヘッドで、エミッタ電極61とゲート
電極60の間に電圧を印加すると、楔形のエミッタ電極
61の先端部分に〜107 V/cm程度の非常に大きな
電界が発生し、この電界によって電界放出によるエミッ
タ電極からの電子の発生が行われる。発生した電子は、
エミッタ電極61とカソード電極62の間に印加されて
いる電源64による電界によってカソード電極62側に
加速されて動いて行く。カソード電極62の上には蛍光
体層63が形成されているので、電子が蛍光体層63に
衝突することによって発光し、この光で感光体ドラムに
静電潜像が形成される。この様な冷陰極アレイを使用し
た記録ヘッドでは、全てが平面プロセスで作成すること
ができるので、一段と作成歩留まりの向上、製造コスト
の削減を実現することができる。
【0031】図11には図10の記録ヘッドと同様に、
平面プロセスで作成する冷陰極アレイを使用した記録ヘ
ッドの、エミッタ電極61、ゲート電極60付近の平面
パターンの他の実施例を示した。図11(a)はゲート
電極60の先端部が四角形になった例であり、エミッタ
電極61とゲート電極60の間は細いスリットで分離さ
れている。このスリットの幅は数100nm程度であ
り、これらの電極の間に電圧64が印加されると、この
狭いスリットに大きな電界が加えられることになり電子
の電界放出が生ずることになる。第11図(b)もほぼ
同様であるが、ゲート電極60先端が楔形になってエミ
ッタ電極61と近接している。この様な構造でもエミッ
タ電極61とゲート電極60の間に大きな電界を与える
ことによって、電子の電界放出を可能にすることができ
る。
【0032】
【発明の効果】以上のように微小冷陰極をアレイ状に平
面に配列し、この冷陰極から電界放出によって電子を発
生させる面電子源を、電子写真プリンタの発光素子とし
て使用することにより、幾つかの特徴を持った電子写真
記録装置を実現することができる。まず第1に微小冷陰
極アレイは従来の固体光ヘッドと比較すると1素子あた
りの消費電力が非常に小さいために、記録装置の省電力
化を実現できる。そこで、携帯型の電池でも駆動できる
電子写真プリンタの実現も可能となる。また微小冷陰極
アレイの第2の特徴は、非常に高解像度の画点を形成で
きることである。微小冷陰極アレイは300ドット/m
m程度の高解像度のピッチでも形成することが可能であ
り、現在のプリンタの10倍以上の高い解像度を実現で
きる。非常に高解像度であることを利用し、段差の無い
滑らかな文字を記録することや、滑らかな自由な解像度
への変換(任意な拡大・縮小)も可能となる。更に1つ
の画点を多数の微小冷陰極アレイを用いて形成し、発光
させる微小冷陰極の数を記録する画像濃度に応じて変化
させることによって、安定した階調記録を実現すること
ができるようになる。また冷陰極アレイを幾つかまとめ
て駆動して、20ドット/mm程度の低解像度の記録を
行う場合には、個々の微小冷陰極からの発光出力にある
程度の差があっても出力のバラツキが平均化され、20
ドット/mm程度の画素ごとの濃度バラツキを小さく抑
えることも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の冷陰極アレイを使用した記録ヘッド
と、この記録ヘッドを使用した電子写真記録装置の実施
例の説明図
【図2】 記録ヘッドの冷陰極アレイ部の説明図
【図3】 冷陰極アレイをブロック駆動し、低解像度記
録する方法を説明した図
【図4】 超高解像度記録の説明図
【図5】 ブロック駆動を行って疑似的に高解像度化す
る方法の説明図
【図6】 本発明の記録ヘッドの駆動回路の回路図
【図7】 記録ヘッドの駆動回路の他の実施例の回路図
【図8】 記録ヘッドのアナログ駆動回路の回路図
【図9】 本発明の記録ヘッドの構造に関する他の実施
例の説明図
【図10】平面構造の記録ヘッドの説明図
【図11】 平面構造の記録ヘッドの他の実施例の説明
【図12】 従来の電子写真記録装置の説明図
【図13】 冷陰極アレイから発生する電子で蛍光体を
発光させるディスプレイの従来例の説明図
【符号の説明】
1…冷陰極アレイ記録ヘッド 2,60,123…ゲー
ト電極 4,61,121…エミッタ電極 9,62,127…
カソード電極 10,63,129…蛍光体 11,131…ガラス基
板 31……シフトレジスタ 34…ラッチ 35…ゲ
ート 37,37′…ドライバ 100…記録ドラム
125…ゲート電圧 64,128…カソード電圧
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森 昌文 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝総合研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 近接したエミッタ電極とゲート電極が多
    数組形成されており、エミッタ電極に対して正の電圧を
    ゲート電極に選択的に印加し、前記電極間に生ずる高電
    界によりエミッタ電極から電子を電界放出させ、発生し
    た電子を加速電極で加速し、蛍光体層に衝突させて、蛍
    光体を選択的に発光させ、この光によって光導電性媒体
    上に静電的な画像を形成することを特徴とした記録ヘッ
    ド。
  2. 【請求項2】 蛍光体層は加速電極上に形成されてお
    り、加速電極はゲート電極と同一平面側に形成されてい
    ることを特徴とする請求項1記載の記録ヘッド。
  3. 【請求項3】 1つのゲート電極に電圧を印加すること
    で、多数のエミッタ電極から電界放出される電子を同時
    に制御することを特徴とした請求項1記載の記録ヘッ
    ド。
  4. 【請求項4】ゲート電極とエミッタ電極の間に選択的に
    電圧を与える駆動回路は、記録ヘッドに直接形成されて
    いることを特徴とした請求項1記載の記録ヘッド。
JP23074292A 1992-03-30 1992-08-31 記録ヘッド Pending JPH0671937A (ja)

Priority Applications (2)

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JP23074292A JPH0671937A (ja) 1992-08-31 1992-08-31 記録ヘッド
US08/039,999 US5402157A (en) 1992-03-30 1993-03-30 Electrophotographic recording apparatus

Applications Claiming Priority (1)

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JP23074292A JPH0671937A (ja) 1992-08-31 1992-08-31 記録ヘッド

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