JPH0671166A - 物質および/または熱交換塔用の充填材 - Google Patents

物質および/または熱交換塔用の充填材

Info

Publication number
JPH0671166A
JPH0671166A JP4132488A JP13248892A JPH0671166A JP H0671166 A JPH0671166 A JP H0671166A JP 4132488 A JP4132488 A JP 4132488A JP 13248892 A JP13248892 A JP 13248892A JP H0671166 A JPH0671166 A JP H0671166A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tower
liquid
groove
sheet
filler
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4132488A
Other languages
English (en)
Inventor
Yutaka Maeda
豊 前田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Corp
Original Assignee
Mitsubishi Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Corp filed Critical Mitsubishi Corp
Priority to JP4132488A priority Critical patent/JPH0671166A/ja
Publication of JPH0671166A publication Critical patent/JPH0671166A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J19/00Chemical, physical or physico-chemical processes in general; Their relevant apparatus
    • B01J19/32Packing elements in the form of grids or built-up elements for forming a unit or module inside the apparatus for mass or heat transfer

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Thermal Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Gas Separation By Absorption (AREA)
  • Vaporization, Distillation, Condensation, Sublimation, And Cold Traps (AREA)
  • Physical Or Chemical Processes And Apparatus (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 液体及び気体の拡散効率及び接触効率の良好
な、気液接触塔用の充填材を提供する。 【構成】 本発明の充填材は、上方から液体を下方から
気体を供給し内部にて気液を接触させる事に依り両者間
における物質交換および/または熱交換を行なう塔の内
部に該塔の軸線に沿って上下に配置されている塔用充填
材であって、該充填材が、塔の軸線に対し傾斜している
波形をなす複数の連続した折り目を表面に加工されてい
るシート状基材を互いに折り目が交差するように複数枚
積層した積層板から成り、該充填材には塔の軸線に対し
傾斜している波形をなす複数の連続した溝部が形成され
ており、該溝部の中心線(方向線)は水平方向に対して
傾斜しており、該溝部の中心線の方向は折り目の方向に
対し交差しており、かつ該溝部の中心線の傾きの方向と
折り目の傾きの方向とは互いに反対向きであり、前記シ
ート状基材に形成された各溝部は互いに上下に蛇行して
いる事を特徴とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は物質及び/又は熱交換塔
用の充填材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来シート状基材より成るこの種の充填
材は物質及び/又は熱交換塔用の液体と気体との接触用
媒体として蒸留塔、吸収塔および回収塔等に広利用され
ている。又、この種の充填材でシート状基材以外で成さ
れたものも有る。例えばシート状基材を網状基材で成し
たものである。この網状基材で成したものは、性能は良
いが価格が高く、使い難いものである。この点シート状
基材より成る充填材は性能的には劣るが価格が安い為、
使用し易い充填材として知られている。依って今後この
シート状充填材の性能向上が必要となっている。この種
の充填材の性能向上の為には、液体と気体との接触効率
を高める事が必要である事は周知の事である。その為の
工夫が種々成されて来ている。その1つは単位体積当た
りの充填材の容量を増やす方法である。容量を増やす事
に依り接触面積を増やそうとするものである。しかしな
がらこの方法では1つの問題が生ずる。それは圧力損失
の増加と言う不具合を招く事である。圧力損失の増加は
物質及び熱交換塔の運転に取って良い影響を与えない事
は周知の通りである。又単に接触面積を増やしても、そ
の表面に十分なる液体及び気体の拡散がなされなけれ
ば、接触効率の向上は達成されない。実際の運転上液体
の方が気体に比較し、その粘度、表面張力等が大きく影
響する為、特に拡散については工夫する必要が生ずる。
その為、従来の充填材においても液体の拡散に注目して
解決しようとしているものが多い。
【0003】特開昭54−16761号公報にはシート
状基材表面に溝を付け液体を全体に導く方法が記載され
ているが、この方法も液体の広がりのみを考慮したもの
である。又公知のものでシート状基材に水平に小さなギ
ャザリングを施し液を横方向に広げようとするものがあ
るが、この充填材では塔内に設置した際、水平度が必要
となり、傾きが生ずると液が偏流を起こしてしまう不具
合を生ずる。
【0004】液体と気体との接触効率を高めるには前述
のような液体の拡散のみを達成するだけではなく気体と
の関係を考慮して相互の流れの関係を改善する必要があ
る。その1つの方法として、考えられるのはある特定の
形状をシート状表面に形成する事に依って液体と気体の
二相の接触界面に存在する境膜を破壊しようとするもの
である。境膜の破壊が接触効率の向上に役立つ事は周知
の事であるが、従来の充填材では液体の拡散と境膜破壊
を包括して成した充填材は見あたらない。
【0005】特開昭54−16761号公報の考え方に
は境膜破壊の考え方は含まれていない。液体の拡散及び
境膜破壊の両面から捕らえれば特開昭54−16761
号の方法では不十分である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は従来技術の欠
点を克服するために幅広い研究を行った。その結果波形
を成す凹凸の溝をシート状基材に形成し、その溝を蛇行
させる事に依り液体及び気体の二相に対し、拡散と境膜
破壊を達成せしめる事ができる事を発見した。
【0007】本発明は、上方から液体を下方から気体を
供給し内部にて気液を接触させる事に依り両者間におけ
る物質交換および/または熱交換を行なう塔の内部に該
塔の軸線に沿って上下に配置されている塔用充填材であ
って、該充填材が塔の軸線に対し傾斜している、波形を
なす複数の連続した折り目を表面に加工されているシー
ト状基材を互いに折り目が交差するように複数枚積層し
た積層板から成り、該充填材は塔の軸線に対し傾斜して
いる波形をなす複数の連続した溝部が形成されており、
該溝部の方向は折り目の方向に対し交差しており、その
溝部の方向は水平方向に対して傾いており、かつ塔軸に
対する折り目の方向とは反対の方向を向いており前記シ
ート状基材に形成された各溝部は互いに上下に蛇行して
いる事を特徴とする物質および/または熱交換塔用の充
填材に関する。
【0008】この場合溝部の方向と折り目の方向とが交
差する角度は20度〜160度の範囲が好ましい。
【0009】溝部の方向が塔軸に対する折り目の方向と
は反対の方向を向いているという意味は、例えば折り目
の方向が塔軸(垂直線)対し右上から左下に傾斜してい
るとする。この場合溝部の方向は左上から右下に傾斜し
ているということである。もし溝部がないと仮定する折
り目が塔軸(垂直線)に対して右上から左下に傾斜して
いると、液体も又右上から左下に流れる。これでは塔の
内部に液体に均一な分布状態で流れない。この場合塔軸
(垂直線)に対し左上から右下に傾斜している溝をシー
ト状基材に設けると液体はその溝をつたって左上から右
下にも流れ、液体が均一な分布状態で流れる。
【0010】上記は、溝部の方向は、塔軸に対する折り
目の方向とは反対の方向を向いているとの説明であり、
折り目の方向は、塔軸に対して右上から左下に傾斜して
いることが要件でないことは勿論である。
【0011】この場合隣接する溝部の蛇行のピッチが互
いにずれていても構わない。溝部の高さは2mm以下で
ある事が好ましい。2mm以上では段差が高くなってい
る突起の頂点部分にまで液が達することが難しく、液の
均一な分散に支障が生じる為である。
【0012】液体及び気体を塔内に配置された充填材中
に分配する為にシート状基材に大きさ1mm〜10mm
の任意な形状の孔を任意の間隔をおいて配置しても良
い。その孔は円、楕円細長い形状の孔であっても良い。
【0013】シート状基材は金属板又はプラスチック板
から構成されることができる。
【0014】本発明は凹凸の溝を上下に隣接して配置し
各々の溝を連続して蛇行させ、液体の横方向と下方向へ
の拡散を向上させ、又下方より上昇する気体は溝の蛇行
により生ずる塔軸の下方に向かう凸形突起によって左右
への振り分けが行われ、これに依る流れの乱れを利用し
て気液接触の障害となる液体と気体との間の境膜の破壊
を促進し、気液接触の向上を計ろうとするものである。
【0015】本発明の充填材を充填した塔では液体は塔
上部より下部へ気体は塔下部より上部へ流れる事を前提
とする。本発明に言う複数の凹凸を成す溝を蛇行させる
事に依り、自ら塔軸上部に向かう凸形突起と塔軸下部に
向かう凸型突起を生じせしめ、各々の突起が液体及び気
体の拡散と接触を向上せしめる役割を果たす。
【0016】液体に関して言えば液体が塔上部より充填
材シート表面を伝わって下降する際、横方向に伸びて形
成された溝部に当たる。この際、溝部が塔軸に対し傾斜
を有する為、液体は溝部に沿って斜め下へ拡張する。拡
張力と傾斜の角度について言えば、傾斜の角度が塔軸に
対し90°の場合、云い換えれば塔の内部に水平に位置
する場合においては、液体は次の様な流れとなる。
【0017】波形を形成したシート状基材は塔内に設置
されるとその波形面は2つの方向を示す。1つは塔の上
方を向く面を他1つは下方を向く面である。上向き面は
上方からの液体を受ける形となり下向き面は逆の作用と
なる。上向き面を折り目まで下降した液体が下向き面に
流れる際には流れのベクトルが変化する為の力が必要と
なり流れの速度がゆるやかな場合には降下した液体はそ
のまま上向き面の端部すなわち折り目の線部の剪断力に
依って流れ易くなるのである。その為、溝部は塔軸に対
し傾斜している事が好ましい事となる。但し、塔軸線に
対し折り目方向とは逆の方向へ傾斜する事が必要であ
る。実施上、塔軸線に対して上部よりの角度が100°
以上の傾斜を有する事が液流れ及び拡張の点からすれば
有効である。
【0018】従来の技術で同様に小さな波形の溝を塔軸
に対して傾斜して配置するものが公知であるが、溝部が
直線であり、その為、液はこの溝に沿って流れるだけの
動きとなり気体との接触に関して、十分な効果を達成で
きるものではなかった。
【0019】本発明に於いては溝部を蛇行させる事に依
り、塔軸上部に向かって、ある間隔をおいて凸形突起が
形成される事となり、その結果凸形突起と凸形突起の間
には自ら凹形へこみが形成される事となる。溝部に当た
った液体は斜下方向へ拡張するに十分な傾斜を有する溝
部に沿って斜下方向へ拡張しながら溝の蛇行に依って生
ずる連続した凹形へこみ部より下方へ落ちる。この場合
凸形突起と凹形へこみの塔軸方向での高差が大きいと液
体は横への拡張を阻害され、拡がらずに一箇所の凹形へ
こみより下方へ落ちてしまう不具合が生じる。この為、
実施上凸形突起と凹形へこみの高差は凸形突起間寸法の
1/10以内である事が好ましい。又凸形突起間の寸法
は5mm程度が好ましい。下方へ落ちた液は更にその下
部の溝部に当たり同様に横への拡張と下方への降下を繰
り返し拡散される。この流れに依り液体の拡散と攪拌が
行なわれ、結果物質および/または熱交換作用が促進さ
れる。
【0020】気体に関して言えば、気体が塔下部より上
昇する際、同様に塔軸下部に向かう凸形突起に依り、左
右に振り分けられる。この事に依り気体の流れに乱流を
生じさせる事ができ、この乱流に依って液体と気体との
境界に生じる境膜を破壊する事が可能となる。
【0021】又溝部の蛇行のピッチが互いにずれている
場合には液体及び気体の流れに対しより多くの乱流発生
を可能ならしめる為好ましい。
【0022】本発明の充填材は、2〜10mmの孔が穿
設されていても良い。
【0023】本発明の充填材の折り目を有するシート状
基材の間に表面積を増やす為に折り目を付けないシート
状基材または網状基材または伸展金網シートまたはこれ
らを重ね合わせた1枚または2枚以上のシートを挟んで
も良い。
【0024】本発明の溝部の凹形突起及び凹形へこみは
先端が尖っていても良いし丸みを帯びていても良い。
【0025】シート状基材に2〜10mmの孔を任意の
間隔で任意の場所にあけても良い。
【0026】本発明は以上のように複数の凹凸を成す溝
を塔軸に傾斜して蛇行させる事に依り、連続する溝と上
部および下部に向かう凸形突起ならびに凹形へこみに依
って、液体及び気体の二相について、拡散と境膜破壊を
実現し、気液の接触効率を向上せしめるものである。
【0027】好ましい実施の態様図面によって本発明を
説明する。
【0028】図1は本発明のシート状基材1が積層さ
れ、塔内に設置された際の塔軸線2との関係を示す、3
は折り目である、4は溝である、5は凸部であり、6は
凹部である。溝4はシート状基材の斜め下方向に蛇行し
て伸びている。
【0029】図2はシート状基材の正面図であり、折り
目3と溝4との関係を示す。
【0030】図3はシート状基材の斜面図であり溝4の
凹凸を示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の充填材の斜面図。
【図2】本発明のシート状基材の正面図。
【図3】本発明のシート状基材の斜面図。
【手続補正書】
【提出日】平成5年4月30日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 物質および/または熱交換塔用の充填
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は物質及び/又は熱交換塔
用の充填材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の充填材は、通常はシート
状基材により構成され、物質及び/又は熱交換塔用の液
体と気体との接触用媒体として、蒸留塔、吸収塔および
回収塔等に広く利用されている。又、この種の充填材で
シート状基材以外で成されたものも有る。例えば、シー
ト状基材の代わりに網状基材で充填材を構成したものが
ある。しかしながら、この網状基材で構成した充填材
は、性能は良いが価格が高く、使い難いものである。こ
の点、シート状基材より成る充填材は、性能的には劣る
が価格が安い為、使用し易い充填材として知られてい
る。依って、今後このシート状充填材の性能向上が必要
となっている。この種の充填材の性能向上の為には、液
体と気体との接触効率を高める事が必要である事は周知
の事である。その為の工夫が種々成されて来ている。そ
の1つは、単位体積当たりの充填材の容量を増やす方法
である。これは、容量を増やす事に依り接触面積を増や
そうとするものである。しかしながら、この方法では1
つの問題が生ずる。それは圧力損失の増加と言う不具合
を招く事である。圧力損失の増加は物質及び熱交換塔の
運転に取って良い影響を与えない事は周知の通りであ
る。また、単に接触面積を増やしても、その表面におい
て十分なる液体及び気体の拡散がなされなければ、接触
効率の向上は達成されない。実際の運転においては、液
体の方が気体に比較して、その粘度、表面張力等が大き
く影響する為、特に液体の拡散について工夫する必要が
生ずる。その為、従来の充填材においても液体の拡散に
注目して充填材の効率向上という課題を解決しようとし
ているものが多い。
【0003】特開昭54−16761号公報にはシート
状基材表面に溝を付けて液体を基材表面全体に導く方法
が記載されているが、この方法も液体の広がりのみを考
慮したものである。又、公知のものでシート状基材に水
平に小さなギャザリングを施して液を横方向に広げよう
とするものがあるが、この充填材では塔内に設置した
際、水平度が必要となり、傾きが生ずると液が偏流を起
こしてしまう不具合を生ずる。
【0004】液体と気体との接触効率を高めるには、前
述のような液体の拡散のみを達成するだけではなく、液
体と気体との関係を考慮して相互の流れの関係を改善す
る必要がある。
【0005】その1つの方法として考えられるのは、あ
る特定の形状をシート状基材の表面に形成する事に依っ
て、液体と気体の二相の接触界面に存在する境膜を破壊
しようとするものである。境膜の破壊が接触効率の向上
に役立つ事は周知の事であるが、従来の充填材では液体
の拡散と境膜破壊を共に達成することを意図した充填材
は見あたらない。
【0006】特開昭54−16761号公報記載の充填
材の考え方においては境膜破壊の考え方は含まれていな
い。液体の拡散及び境膜破壊の両面から捕らえれば特開
昭54−16761号の方法では不十分である。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は従来技術の欠
点を克服するために幅広い研究を行った。その結果、波
形を成す凹凸の溝をシート状基材に形成し、その溝を蛇
行させる事に依り、液体及び気体の二相に対し、拡散と
境膜破壊を達成せしめる事ができる事を発見した。
【0008】本発明は、上方から液体を下方から気体を
供給し、内部にて気液を接触させる事に依り両物質間に
おける物質交換および/または熱交換を行なう塔の内部
に、該塔の軸線に沿って上下方向に配置されている塔用
充填材であって、該充填材が、塔の軸線に対し傾斜して
いる波形をなす複数の連続した折り目を表面に加工され
ているシート状基材を互いに折り目が交差するように複
数枚積層した積層板から成り、該充填材には塔の軸線に
対し傾斜している波形をなす複数の連続した溝部が形成
されており、該溝部の中心線(方向線)は水平方向に対
して傾斜しており、該溝部の中心線の方向は折り目の方
向に対し交差しており、かつ該溝の中心線の傾きの方向
と折り目の傾きの方向とは互いに反対向きであり、前記
シート状基材に形成された各溝部は互いに上下に蛇行し
ている事を特徴とする物質および/または熱交換塔用の
充填材に関する。ここで、溝部の中心線(方向線)と
は、溝の略中央部を通る線であり、溝の伸長する方向を
示す線(例えば、図3においては溝4の中心線は7で示
される)である。
【0009】この場合溝部の中心線と折り目の方向線と
が交差する角度は20度〜160度の範囲が好ましい。
【0010】「溝部の中心線の傾きの方向と折り目の傾
きの方向とは互いに反対向きである」という表現の意味
は、例えば、折り目の方向が塔軸(垂直線)対して右上
から左下に傾斜しているとすると、溝部の方向線が左上
から右下に傾斜しているという状態を示すものである。
もし、溝部がないとすると、折り目が塔軸(垂直線)に
対して右上から左下に傾斜していると、液体は右上から
左下の方向に流れることになる。これでは、液体は、塔
の内部を均一な分布状態で流れず、偏流が生じることに
なる。この場合において、塔軸(垂直線)に対し左上か
ら右下に傾斜する方向に沿って溝をシート状基材に設け
ると、液体はその溝をつたって左上から右下にも流れ、
液体が均一な分布状態で流れるのである。
【0011】上記の説明は、溝部の中心線の方向は、塔
軸に対する折り目の方向とは反対の方向を向いていると
いうことを示すためになされたものであり、折り目の方
向は、塔軸に対して右上から左下に傾斜していることが
要件ではないことは勿論である。
【0012】この場合、隣接する溝部の蛇行のピッチが
互いにずれていても構わない。溝部の高さは2mm以下
である事が好ましい。2mm以上では、段差が高くなっ
ている突起の頂点部分にまで液が達することが難しく、
液の均一な分散に支障が生じる為である。
【0013】液体及び気体を塔内に配置された充填材中
に均一に分配する為に、シート状基材に大きさ1mm〜
10mmの任意な形状の孔を任意の間隔をおいて配置し
ても良い。その孔は円、楕円細長い形状の孔であっても
良い。
【0014】シート状基材は金属板又はプラスチック板
から構成されることができる。
【0015】本発明は、シート状基材に、凹凸の溝を上
下に隣接して配置し、各々の溝を連続して蛇行させるこ
とにより、液体の横方向と下方向への拡散を向上させ、
また、下方より上昇する気体に関しては、溝の蛇行によ
り生ずる塔軸の下方に向かう凸形突起によって左右への
振り分けが行われ、これに依る流れの乱れを利用して気
液接触の障害となる液体と気体との間の境膜の破壊を促
進し、気液接触の向上を計ろうとするものである。
【0016】本発明の充填材を充填した塔においては、
液体は塔上部より下部へ、気体は塔下部より上部へ流れ
る事を前提とする。本発明においては、シート状基材に
形成する溝を蛇行させる事に依り、その溝によって塔軸
上部に向かう凸形突起と塔軸下部に向かう凸型突起が形
成され、各々の突起が液体及び気体の拡散と接触を向上
せしめる役割を果たす。
【0017】液体に関して言えば、液体が塔上部より充
填材シートの表面を伝わって下降する際、塔軸線に対し
て横方向に伸びて形成された溝部に当たる。この際、溝
部の方向線が塔軸に対し傾斜を有する為、液体は溝部に
沿って斜め下の方向へ拡張する。拡張力と溝部の傾斜の
角度について言えば、溝部の方向線の傾斜の角度が塔軸
に対し90°の場合、云い換えれば溝が塔の内部におい
て水平に位置する場合においては、液体は次の様な流れ
となる。
【0018】波形を形成したシート状基材が塔内に設置
されると、その波形面は2つの方向を示す。1つは塔の
上方を向く面であり、他1つは下方を向く面である。上
向き面は上方からの液体を受ける形となり、下向き面は
逆の作用となる。上向き面を折り目まで下降した液体が
下向き面に流れる際には、流れのベクトルが変化する為
の力が必要となり、流れの速度がゆるやかな場合には、
降下した液体はそのまま上向き面の端部すなわち折り目
の線部の剪断力に依って流れ易くなるのである。その
為、溝部は塔軸に対し傾斜している事が好ましい事とな
る。但し、溝部は、塔軸線に対して折り目の方向とは逆
の方向へ傾斜する事が必要である。実施上、塔軸線に対
して上部よりの角度が100°以上の傾斜を有する事
が、液流れ及び拡張の点からすれば有効である。
【0019】従来の技術において、同様に小さな波形の
溝を塔軸に対して傾斜して配置するものが公知である
が、溝部が直線であり、その為、液はこの溝に沿って流
れるだけの動きとなり気体との接触に関して、十分な効
果を達成できるものではなかった。
【0020】本発明に於いては、溝部を蛇行させる事に
依り、塔軸上部に向かって、ある間隔をおいて凸形突起
が形成される事となり、その結果、凸形突起と凸形突起
の間には自ら凹形へこみが形成される事となる。溝部に
当たった液体は、斜下方向へ拡張するに十分な傾斜を有
する溝部に沿って斜下方向へ拡張しながら、溝の蛇行に
依って生ずる連続した凹形へこみ部より下方へ落ちる。
この場合、凸形突起と凹形へこみの塔軸方向での高差が
大きいと、液体は横への拡張を阻害され、拡がらずに一
箇所の凹形へこみより下方へ落ちてしまう不具合が生じ
る。この為、実施上、凸形突起と凹形へこみの高差は凸
形突起間寸法の1/10以内である事が好ましい。ま
た、凸形突起間の寸法は5mm程度が好ましい。下方へ
落ちた液は、更にその下部の溝部に当たり、同様に横へ
の拡張と下方への降下を繰り返して拡散される。この流
れに依り、液体の拡散と攪拌が行なわれ、その結果、物
質および/または熱交換作用が促進される。
【0021】ここで、溝の蛇行の形状は、図3に示すよ
うに角ばった形状を有していても、あるいは丸みを帯び
た形状を有するものであってもよい。
【0022】気体に関して言えば、気体が塔下部より上
昇する際、同様に塔軸下部に向かう凸形突起に依り、左
右に振り分けられる。この事に依り気体の流れに乱流を
生じさせる事ができ、この乱流に依って液体と気体との
境界に生じる境膜を破壊する事が可能となる。
【0023】また、溝部の蛇行のピッチが互いにずれて
いてもよい。むしろ、この場合には、液体及び気体の流
れに対してより多くの乱流発生を可能ならしめるので、
好ましい。
【0024】本発明の充填材は、2〜10mmの孔が穿
設されていても良い。
【0025】また、本発明の充填材を塔内に充填する際
に、折り目を有するシート状基材の間に、折り目を付け
ないシート状基材または網状基材または伸展金網シート
またはこれらを重ね合わせた1枚または2枚以上のシー
トを挟み、それによって充填材の表面積を増加させるこ
ともできる。
【0026】シート状基材に2〜10mmの孔を任意の
間隔で任意の場所にあけても良い。
【0027】本発明は、以上のように、シート状基材
に、塔軸に傾斜して蛇行する溝を形成する事に依り、連
続する溝と上部および下部に向かう凸形突起ならびに凹
形へこみに依って、液体及び気体の二相について、拡散
と境膜破壊を実現し、気液の接触効率を向上せしめるも
のである。
【0028】好ましい実施の態様図面によって本発明を
説明する。
【0029】図1は本発明のシート状基材1が積層さ
れ、塔内に設置された際の状態を示す図であり、塔軸線
2との関係を示している。3は折り目であり、4は溝で
ある。
【0030】図2は本発明のシート状基材の概念を示す
正面図であり、折り目3と溝部の中心線(方向線)4と
の関係を示す。図2に示す態様においては、折り目3が
基材の右上から左下方向に向かう傾きを有しているのに
対して、溝部の中心線(方向線)4は基材の左上から右
下方向に向かう傾きを有している。
【0031】図3はシート状基材の斜面図であり溝4の
凹凸を示す。5は溝の凸部であり、6は凹部である。7
は溝4の中心線(方向線)であり、ここでは、溝4の方
向が水平方向に対して角度αの傾きを有していることが
示される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の充填材の斜面図。
【図2】本発明のシート状基材の正面図。
【図3】本発明のシート状基材の斜面図。
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上方から液体を下方から気体を供給し内
    部にて気液を接触させる事に依り両者間における物質交
    換および/または熱交換を行なう塔の内部に該塔の軸線
    に沿って上下に配置されている塔用充填材であって、該
    充填材が塔の軸線に対し傾斜している、波形をなす複数
    の連続した折り目を表面に加工されているシート状基材
    を互いに折り目が交差するように複数枚積層した積層板
    から成り、該充填材は塔の軸線に対し傾斜している波形
    をなす複数の連続した溝部が形成されており、該溝部の
    方向は折り目の方向に対し交差しており、かつ塔軸に対
    する折り目の方向とは反対の方向を向いており、前記シ
    ート状基材に形成された各溝部は互いに上下に蛇行して
    いる事を特徴とする物質および/または熱交換塔用の充
    填材。
  2. 【請求項2】 隣接する溝部の蛇行のピッチが互いにず
    れている事を特徴とする請求項1の充填材。
JP4132488A 1992-05-25 1992-05-25 物質および/または熱交換塔用の充填材 Pending JPH0671166A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4132488A JPH0671166A (ja) 1992-05-25 1992-05-25 物質および/または熱交換塔用の充填材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4132488A JPH0671166A (ja) 1992-05-25 1992-05-25 物質および/または熱交換塔用の充填材

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP01789492A Division JP3184924B2 (ja) 1992-02-03 1992-02-03 物質及び/又は熱交換塔用の充填材

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0671166A true JPH0671166A (ja) 1994-03-15

Family

ID=15082549

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4132488A Pending JPH0671166A (ja) 1992-05-25 1992-05-25 物質および/または熱交換塔用の充填材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0671166A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
RU2800161C1 (ru) * 2022-01-13 2023-07-19 Василий Васильевич Трифонов Секция регулярной насадки для тепломассообменного аппарата

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
RU2800161C1 (ru) * 2022-01-13 2023-07-19 Василий Васильевич Трифонов Секция регулярной насадки для тепломассообменного аппарата

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4296050A (en) Packing element for an exchange column
EP0728035B1 (en) Structured packing elements
EP0259062B1 (en) Corrugated packing
CN1034394C (zh) 化工蒸馏塔用催化剂-降液管-塔盘
US6277340B1 (en) Structured packing and element therefor
EP0293003A1 (en) Packing element for exchange column
GB2061127A (en) Fluid contacting apparatus
KR20190140450A (ko) 물질 전달 칼럼을 위한 구조화된 패킹 모듈
JPH0475779B2 (ja)
US5188773A (en) Tower packing with small and large louvers and mixing method
US5185106A (en) Tower packing with small louvers and mixing method
KR960000016B1 (ko) 루버(louver)를 가진 탑 충전물
US20010051119A1 (en) Structured packing and element therefor
JPH0671166A (ja) 物質および/または熱交換塔用の充填材
US6266880B1 (en) Process for producing a material and heat exchange device
JP3184922B2 (ja) 物質及び/又は熱交換塔用の充填材
JPH05301041A (ja) 物質及び/又は熱交換塔用の充填材
JPH06121924A (ja) 物質及び/又は熱交換塔用の充填材
JP4634033B2 (ja) パッキングモジュールのためのストリップ、対応するモジュールおよび設備
JPH0682192A (ja) 物質及び/又は熱交換塔用の充填材
JPH0842994A (ja) 偏流を防ぐ物質及び/又は熱交換塔用の充填材
CA2053971C (en) Tower packing with small and large louvers
JPH09103671A (ja) 物質及び/又は熱交換塔用の充填材
JPH09915A (ja) 物質及び/又は熱交換塔用の充填材
JPH06101990A (ja) 物質及び/又は熱交換塔用の液体分配器