JPH0670380U - 頭部装着型映像表示装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ＨＭＤと頭部との密着性を向上させ、所定位
置に保持することを可能にする。 【構成】 映像を表示する映像表示素子及び映像表示素
子に表示された映像を観察者の眼球内に投影する投影光
学系を保持する頭部装着型映像表示装置本体と、頭部装
着型映像表示装置本体を観察者の頭部に装着させる保持
部材を有する頭部装着型映像表示装置において、頭部装
着型映像表示装置本体と保持部材の少なくともいずれか
が観察者の頭部と接触する領域にエアーバッグを有し、
かつ上記エアーバッグの内部の空圧を調整可能とするエ
アーバッグ調整手段を有することを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は顔面や頭部に装着して個人的にテレビジョン等の映像や画像を拡大し て見ることができる頭部装着型映像表示装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、映像を表示する映像表示素子と、映像表示素子に表示された映像を観察 者の眼球内に投影する投影光学系を備えた頭部装着型ディスプレイ（ＨＭＤ）を 頭部に保持する方法として、側頭部から後頭部までをバンドで締めるものが提案 されている。例えば、図７に示すように、スキーのゴーグル形状のように作成し たＨＭＤ１には、液晶カラーテレビ２Ｌ、２Ｒが取付けられるとともに、その左 右両側片部に、ヒンジ部３を介して左右ヘッドバンド４、５を取付け、左ヘッド バンド４の先端外側及び右ヘッドバンド５の先端内側には、フック状及びループ 状の面ファスナー６、７を固着し、左右ヘッドバンド４、５の内側には左右のヘ ッドホン８、９をスライド自在に取付けている。なお、右ヘッドバンド５の外側 には、アンテナ１１が取付けられた箱型の画像表示回路１０を右ヘッドホン９に 連結させてスライド自在に取付けている（特開平３ー２０３４７８号公報）。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、前述したようなＨＭＤの装着方式では、頭部との密着性がそれ ほどよくなく、そのため重心が前方に偏っているＨＭＤでは、下方へずり下がっ てしまうという問題がある。

【０００４】 本考案は上記課題を解決するためのもので、頭部との密着性を向上させ、所定 位置に保持することができる頭部装着型映像表示装置を提供することを目的とす る。

【０００５】

【課題を解決するための手段】 本考案は、映像を表示する映像表示素子及び上記映像表示素子に表示された映 像を観察者の眼球内に投影する投影光学系を保持する頭部装着型映像表示装置本 体と、上記頭部装着型映像表示装置本体を上記観察者の頭部に装着させる保持部 材を有する頭部装着型映像表示装置において、上記頭部装着型映像表示装置本体 と上記保持部材の少なくともいずれかが上記観察者の頭部と接触する領域にエア ーバッグを有し、かつ、上記エアーバッグ内部の空圧を調整可能とするエアーバ ッグ調整手段を設けたことを特徴とする。

【０００６】

【作用】

本考案は、空圧により膨張、収縮するエアーバッグによりＨＭＤを頭部に装着す るようにしたものであり、装着時にＨＭＤに内蔵させた電動式または手動式ポン プあるいは口等により、またバッファ用のエアーバッグ等に溜め込んでおいた空 気で装着用エアーバッグを膨らませて頭部に保持する。エアーバッグの膨らみに より均一に内側へ向かう力でＨＭＤが頭部に密着保持されるので、装着性が向上 し、また空圧は圧力調整が容易であり、最適な保持圧力を容易に得ることが可能 である。

【０００７】

【実施例】

図１は本考案のＨＭＤの第一実施例を示す斜視図、図２は図１に示すＨＭＤの 上面図である。図中、２０はＨＭＤ、２１，２２はバンド、２３はバックル、２ ４，２５はエアーバッグ、２６はすべり止めパット、２７，２８は小型電動ポン プ、２９，３０はチューブ、３１，３２は空気取り入れ口、３３はポンプ駆動ス イッチである。

【０００８】 本実施例のＨＭＤ１には左右のバンド２１，２２が取付けられており、バック ル２３で長さを調節して頭部に装着できるようになっている。左右のバンド２１ ，２２の内側には、すべり止めパット２６をつけたエアーバッグ２４，２５がつ いており、ＨＭＤに内蔵した左右の小型電動ポンプ２７，２８を駆動することに より、空気取り入れ口３１，３２、チューブ２９，３０を通して空気が送り込ま れるようになっている。なお、小型電動ポンプはポンプ駆動用スイッチ３３の操 作により駆動される。

【０００９】 このような構成において、まず、エアーバッグ内に空気がない状態で、使用者 はＨＭＤ１をかぶり、長さ調節用バックル２３でバンドを装着に適した長さに調 節する。次いで、ポンプ駆動用スイッチ３３を押して小型電動ポンプ２７，２８ を駆動すると、エアーバッグ内に空気が送り込まれてエアーバッグ２４，２５が 膨らんでいく。エアーバッグ内の空気圧によりＨＭＤがしっかりと頭部に保持さ れるぐらいまで膨らめば、使用者はスイッチ３３から手を離せばよい。

【００１０】 本実施例によれば、頭部への装着性がよく、また内側へ（頭部側へ）向かう力 が全体的に均一に働くので、従来のように力のかかる特定箇所が痛くなるという ような不都合はない。なお、上記説明ではエアーバッグに空気を送るポンプは電 動式としたが、手動式としてもよく、また、特にポンプを用いなくても、エアー バッグにチューブを取付け、観察者の口等で空気を送り込める構成にしても構わ ない。

【００１１】 図３は本考案の第二実施例を示すＨＭＤの要部斜視図、図４は図３の上面図で ある。 本実施例は、第一実施例に対してエアバッグ４０の形状を異ならせたものであ り、他は同じである。図３に示すように、エアーバッグ４０はでこぼこ状に形成 されており、図４に示すように、装着したときに、このでこぼこ形状がすべり止 めの効果を増大し、また微小なすきま４１が沢山できるので、通気性も良くする ことができる。

【００１２】 図５は本考案の第三実施例を説明する図、図６はおでこスイッチと解除スイッ チを説明する図である。 本実施例は、バッファ用エアーバッグを使用するようにしたもので、ポンプ５ ０により加圧されるバッファ用エアーバッグ５２と装着用エアーバッグ５６との 間は、おでこスイッチ５４、解除スイッチ５５により開閉制御されるチューブ開 閉制御装置５３で連通、遮断できるようになっている。なお、電源５８はエアー バッグ調整手段を動作させるための電源である。

【００１３】 次に、使用方法について説明すると、まず、ポンプ５０により空気取り入れ口 ５１より空気を取り込んでバッファ用エアーバッグ５２に圧力を高めた状態で空 気を溜める。なお、バッファ用エアーバッグとポンプとは、ここではＨＭＤ本体 内に組み込まれている。この時点では装着用エアーバッグ５６とバッファ用エア ーバッグ５２とをつなぐチューブは、チューブ開閉用制御装置５３で閉められて おり、装着用エアーバッグ５６内には空気は入っていない。次に、使用者はＨＭ Ｄをかぶり、丁度よい位置で支え、ＨＭＤ内側についているおでこスイッチ５４ （図６参照）をおでこで押すと、電源５８によってチューブ開閉用制御装置５３ が開き、バッファ用エアーバッグ５２の高圧の空気は装着用エアーバッグ５６内 に送られる。エアーバッグの内側には圧力センサ５７が設けられており、所定値 以上の圧力を検出すると、この検出信号でチューブ開閉用制御装置５３が閉じて 空気を送るのが停止される。そして、バッファ用エアーバッグ中の空圧を下げる ために、ポンプにより空気を排出する。

【００１４】 ＨＭＤを外すときには、ＨＭＤ本体についている解除スイッチ５５（図６参照 ）を押す。このときチューブ開閉用制御装置５３が開き、装着用エアーバッグ５ ６内の空気は圧力が低くなっているバッファ用エアーバッグ５２へと戻り、装着 用エアーバッグは収縮する。なお、バッファ内に溜め込んでいる空気は、次に装 着するときに利用可能である。

【００１５】 本実施例では、装着前にバッファ用エアーバッグに空圧を高くして溜め込んで おくことができるので、装着時には瞬時に装着用エアーバッグを膨らませること ができる。

【００１６】

【考案の効果】 以上のように本考案によれば、空圧により膨張・収縮するエアーバッグを、バ ンドやエアーバッグの内側に配置することによって、ＨＭＤと頭部との密着性を 向上させ、所定位置に保持することが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案のＨＭＤの第一実施例を示す斜視図で
ある。

【図２】 図１に示すＨＭＤの上面図である。

【図３】 本考案の第二実施例を示すＨＭＤの要部斜視
図である。

【図４】 図３の上面図である。

【図５】 本考案の第三実施例を説明する図である。

【図６】 おでこスイッチと解除スイッチを説明する図
である。

【図７】 従来のＨＭＤ装着方法を説明する図である。

【符号の説明】

２０…ＨＭＤ、２１，２２…バンド、２３…バックル、
２４，２５…エアーバッグ、２６…すべり止めパット、
２７，２８…小型電動ポンプ、２９，３０…チューブ、
３１，３２…空気取り入れ口、３３…ポンプ駆動スイッ
チ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 映像を表示する映像表示素子及び上記映
   像表示素子に表示された映像を観察者の眼球内に投影す
   る投影光学系を保持する頭部装着型映像表示装置本体
   と、上記頭部装着型映像表示装置本体を上記観察者の頭
   部に装着させる保持部材を有する頭部装着型映像表示装
   置において、上記頭部装着型映像表示装置本体と上記保
   持部材の少なくともいずれかが上記観察者の頭部と接触
   する領域にエアーバッグを有し、かつ、上記エアーバッ
   グ内部の空圧を調整可能とするエアーバッグ調整手段を
   設けたことを特徴とする頭部装着型映像表示装置。