JPH0670128B2 - ポリフェニレンオキシドの製造法 - Google Patents

ポリフェニレンオキシドの製造法

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JPH0670128B2
JPH0670128B2 JP61228970A JP22897086A JPH0670128B2 JP H0670128 B2 JPH0670128 B2 JP H0670128B2 JP 61228970 A JP61228970 A JP 61228970A JP 22897086 A JP22897086 A JP 22897086A JP H0670128 B2 JPH0670128 B2 JP H0670128B2
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oxygen
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勝弘 安部
一憲 矢野
隆平 松居
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【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明はポリフェニレンオキシドの製造法に関する。詳
しくは、核置換フェノール類を低酸素濃度の酸素含有ガ
スで酸化重合させてポリフェニレンオキシドを製造する
方法に関する。
<従来の技術> 核置換フェノール類を溶媒および触媒の存在下に酸素含
有ガスで酸化重合させてポリフェニレンオキシドを製造
する方法は公知である。例えば特公昭36−18692号公
報、特公昭45−30354号公報、特公昭60−46129号公報等
において、芳香族炭化水素または芳香族炭化水素とアル
コール類からなる混合溶媒中で、銅化合物またはマンガ
ン化合物と塩基、アミン類またはキレート化剤などの配
位子を組み合わせた触媒の存在下に、酸素含有ガスとし
て空気または純酸素を用いて核置換フェノール類を酸化
重合させてポリフェニレンオキシドを製造する方法が示
されている。これらの方法は通常、酸化重合反応が実質
的に溶液状態で進行するような溶媒と反応条件を選ぶ方
法(以下、溶液重合法と言う)である。溶液重合法の他
に、核置換フェノール類の酸化重合反応をポリフェニレ
ンオキシドに対する良溶媒と貧溶媒との特定の割合での
混合溶媒中で行わせ、ポリフェニレンオキシドを生成と
同時に反応系中に粒子として沈澱させる方法(以下、沈
澱重合法という)も公知である(特開昭60−163925号公
報参照)。
<発明が解決しようとする問題点> しかし、上述の溶液重合法においては酸化重合反応の進
行、すなわち生成するポリフェニレンオキシドの重合度
の上昇と共に反応系の粘度が増加し、これに伴って反応
混合物の撹拌負荷の増大や反応系の除熱効率の低下とい
った不都合な現象が起こる。また、上述の沈澱重合法は
このような好ましくない現象を起こさないという点では
有効な方法ではあるものの、得られるポリフェニレンオ
キサイドの収率が低い、あるいは反応器壁へポリマーが
付着する等の別の問題点を有しており、満足できるもの
ではない。
本発明の目的は溶液重合法の利点を損うことなく、且
つ、上述の撹拌負荷の増大や反応系の除熱効率の低下と
いった不都合な現象を引き起こす原因となっている反応
系の粘度の増加を抑制し得る改良された溶液重合法によ
るポリフェニレンオキシドの製造法を提供することにあ
る。
<問題点を解決するための手段> 本発明者らは、核置換フェノール類の酸素含有ガスによ
る酸化重合反応が実質的に溶液状態で進行する反応系に
おいて、酸化重合反応の進行と共に起こる撹拌負荷の増
大や反応系の除熱効率の低下といった不都合な現象を引
き起こす原因となっている反応系の粘度の増加を抑制す
る方法を確立すべく鋭意研究を続けてきた。その結果、
公知の方法で用いられてきた濃度よりはるかに低い濃度
の酸素を含む酸素含有ガスを用いた場合に、充分高分子
量のポリフェニレンオキシドが得られる等の利点を損う
ことなく、且つ、反応系の粘度の増加が顕著に抑制され
るという驚くべき事実を見い出し、本発明を完成させる
に至った。すなわち、本発明は、溶媒および触媒の存在
下に核置換フェノール類を酸素含有ガスで酸化重合させ
てポリフェニレンオキシドを製造する方法において、酸
化重合時の系の圧力を8kg/cm2以上として、酸素含有ガ
スとして酸素ガスと不活性気体からなり酸素濃度が5容
量%以上12容量%以下である酸素含有ガスを酸化重合時
に用いることを特徴とするポリフェニレンオキシドの製
造法である。
本発明において用いられる核置換フェノール類とは一般
式〔I〕 (式中、R1,R2,R3,R4およびR5はそれぞれ水素、ハロゲ
ン、炭化水素基、シアノ基、ハイドロカルボノキシ基ま
たは置換ハイドロカルボノキシ基のいずれかであり、そ
れらの少なくとも一つは水素であり、かつ少なくとも一
つは水素以外のものである)で表わされる化合物であ
り、具体例としては2−メチルフェノール、3−メチル
フェノール、2−エチルフェノール、2−メチル−6−
ベンジルフェノール、2,6−ジメチルフェノール、2−
メチル−6−エチルフェノール、3−メチル−6−t−
ブチルフェノール、2,6−ジアリルフェノール、2,6−ジ
フェニルフェノール、2,6−ジクロロフェノール、2,6−
ジブロモフェノール、2,6−ジメトキシフェノール、4
−シアノフェノール、2,3,6−トリメチルフェノール、
2,3,5,6−テトラメチルフェノール、2,6−ジエトキシフ
ェノール、2−エチル−4−ステアリルオキシフェノー
ル、2,6−ジ(クロロフェノキシ)フェノール、2,6−ジ
メチル−3−クロロフェノール、2,6−ジメチル−4−
クロロフェノール、2,6−ジメチル−3−クロロ−5−
ブロモフェノール、2,6−ジ(クロロエチル)フェノー
ル、2−メチル−6−イソブチルフェノール、2−メチ
ル−6−フェニルフェノール、2,6−ジベンジルフェノ
ール、2,6−ジトリルフェノール等が挙げられる。これ
らはそれぞれ単独もしくは他のものと共に用いることが
できる。これらの中で好ましい核置換フェノール類とし
ては2,6−ジメチルフェノール、2,3,6−トリメチルフェ
ノール等を挙げることができ、特に好ましくは2,6−ジ
メチルフェノールを挙げ得る。
本発明に於ける触媒とは従来知られている核置換フェノ
ール類の酸化重合触媒一般のことであり、特に制限は無
く、銅化合物あるいはマンガン化合物と各種配位子との
組み合わせがその代表的なものである。
銅化合物の例としては塩化銅(I)、臭化銅(I)、ヨ
ウ化銅(I)、シアン化銅(I)等の第一銅塩、塩化銅
(II)、臭化銅(II)、ヨウ化銅(II)、炭酸銅、シュ
ウ酸銅、ナフテン酸銅等の第二銅塩が挙げられる。
これらの銅化合物と組み合わされる配位子の例としては
各種のアミンが挙げられる。それらの具体例としてはn
−プロピルアミン、n−ブチルアミン、iso−ブチルア
ミン、n−ヘキシルアミン、2−エチルヘキシルアミ
ン、エチレンジアミン等の第一級アミン、ジエチルアミ
ン、ジ−n−プロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン、
ジ−n−ヘキシルアミン、ジ−n−オクチルアミン、ピ
ペリジン、2−ピペコリン、N,N′−ジメチルエチレン
ジアミン等の第二級アミン、トリエチルアミン、トリ−
n−ブチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、ピ
リジン等の第三級アミンを挙げることができる。
銅化合物と配位子との組み合わせからなる好ましい銅系
触媒の例としてヨウ化第一銅とn−ブチルアミン、塩化
第二銅とジエチルアミン、臭化第二銅とジ−n−ブチル
アミン等の各組合わせを挙げることができる。
本発明の実施に当たって上記銅化合物は、使用される核
置換フェノール類1モル当たり0.001〜0.05モル、好ま
しくは0.005〜0.01モルの割合で使用される。また、上
記アミンは使用される核置換フェノール類1モル当たり
0.01〜15モル、好ましくは0.02〜0.2モルの割合で使用
される。銅化合物およびアミンの使用割合が上記範囲を
はずれた場合は実用的な分子量のポリフェニレンオキシ
ドが得られないので好ましくない。
マンガン化合物の例としては塩化マンガン、臭化マンガ
ン等のハロゲン化マンガン、硝酸マンガン、硫酸マンガ
ン、炭酸マンガン、ギ酸マンガン、酢酸マンガン、シュ
ウ酸マンガン、ナフテン酸マンガン等の無機酸あるいは
有機酸のマンガン塩、マンガン酸ナトリウム等のマンガ
ン酸塩、過マンガン酸カリウム、過マンガン酸カルシウ
ム等の過マンガン酸塩、水酸化マンガン、酸化マンガン
が挙げられる。これらは無水物でも水和物でも好適に使
用することができる。これらの中で好ましいマンガン化
合物としては塩化マンガン、臭化マンガン、酢酸マンガ
ン等を例示できる。
これらのマンガン化合物と組合わされる配位子の例とし
ては周期律表IA族金属の水酸化物、アルコキシド類およ
びフェノキシド類、IIA族金属の水酸化物および酸化物
から成る群から選ばれた塩基性化合物、各種キレート化
剤、アルカノールアミン類およびアミン類を挙げること
ができる。これらの配位子は単独で、もしくは何種類か
を組合わせて使用される。
塩基性化合物の具体例としては水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム、ナトリウムメチラート、カリウム−t−ブ
トキシド、カリウムフェノキド、水酸化カルシウム、水
酸化マグネシウム等が挙げられる。
キレート化剤の例としては一般式〔II〕で表わされるオ
ルトヒドロキシアゾ化合物、一般式〔III〕で表わされ
るω−ヒドロキシオキシム、および一般式〔IV〕で表わ
されるオキシン誘導体等が挙げられる。
(式中、AおよびBは同種または異種のアリーレン環で
あり、オルト位置のアリーレン環炭素原子にそれぞれ直
接結合した水酸基およびアゾ基を有する少くとも2価の
アリーレン環である。) (式中、R1,R2及びR3は水素、非環式有機基及び環式有
機基から成る群からそれぞれ独立に選ばれた基であ
る。) (式中、R4〜R9は水素、炭素数1〜5のアルキル基、炭
素数1〜5のアルコキシ基、ハロゲン原子、水酸基、ニ
トロ基及びアミノ基から成る群からそれぞれ独立に選ば
れた基である。) 一般式〔II〕で表わされるオルトヒドロキシアゾ化合物
の具体例としてはオルト(2−ヒドロキシフェニルア
ゾ)フェノール、オルト(2−ヒドロキシ−5−ニトロ
フェニルアゾ)フェノール、1−(1′−ヒドロキシナ
フチル−2′−アゾ)−4−スルホ−6−ニトロ−β−
ナフトール(商品名エリオクロームブラックT(半井化
学薬品(株)製)〕、2−(2′−ヒドロキシ−4′−
スルホナフチル−1′−アゾ)−α−ナフトール等を挙
げることができる。これらのうちでは1−(1′−ヒド
ロキシナフチル−2′−アゾ)−4−スルホ−6−ニト
ロ−β−ナフトールが好ましい。
一般式〔III〕で表わされるω−ヒドロキシオキシムの
具体例としてはベンゾインオキシム、アニソインオキシ
ム、フロインオキシム、α−ヒドロキシブタノンオキシ
ム、フェニルヒドロキシブタノンオキシム、p−ジメチ
ルアミノベンゾインオキシム、アセトインオキシム等が
挙げられる。これらのうちではベンゾインオキシムが好
ましい。
一般式〔IV〕で表わされるオキシン誘導体の具体例とし
てはオキシン、5−メチルオキシン、5−メトキシオキ
シン、5−クロロオキシン、5−ヒドロキシオキシン、
5−アミノオキシン、2−メチルオキシン等が挙げられ
る。これらの中ではオキシンが好ましい。
アルカノールアミン類の例としては第1級アミノ基また
は第2級アミノ基を有するアルカノールアミン類を挙げ
ることができ、その具体例としてはモノエタノールアミ
ン、ジエタノールアミン、N−メチルエタノールアミ
ン、N−エチルエタノールアミン、N,N′−ビス(2−
ヒドロキシエチル)−エチレンジアミン等が挙げられ
る。好ましいアルカノールアミン類はモノエタノールア
ミンおよびジエタノールアミンである。
アミン類の具体例としては銅化合物の配位子の例として
列挙した前記のアミン類を挙げることができる。好まし
いアミン類の例としてはジ−n−ブチルアミン、ピペリ
ジン、ピペコリン等の第二級アミンが挙げられる。
前述のように、本発明においては触媒を選ばないのであ
るが、マンガン化合物と配位子との組合せからなるマン
ガン系触媒について特に好適な触媒を挙げるならばマン
ガン化合物−塩基性化合物−アルカノールアミン類−ア
ミン類の4元系およびマンガン化合物−塩基性化合物−
オルトヒドロキシアゾ化合物−アミン類の4元系であ
る。
本発明の実施に際してのマンガン系触媒の各成分の使用
量は、選択される組合わせによってそれぞれ好適な範囲
が異なるので一概に定めることはできないが、上記好ま
しいマンガン系触媒として挙げた2つの4元系について
示すならば次のとおりである。即ち、マンガン化合物は
使用される核置換フェノール類1モル当たり0.0001〜0.
1モル、好ましくは0.0002〜0.01モルの割合で、アルカ
ノールアミン類は同じ基準で0.005〜0.3モル、好ましく
は0.01〜0.1モルの割合で、及びアミン類は同じ基準で
0.001〜0.2モル、好ましくは0.005〜0.05モルの割合で
それぞれ使用される。又、塩基性化合物は使用されるマ
ンガン化合物1モル当たり10〜1000モル、好ましくは50
〜200モルの割合で、およびキレート化剤は同じ基準で
1〜20モル、好ましくは2〜5モルの割合でそれぞれ使
用される。各成分の使用割合が上記の各基準範囲をはず
れた場合は実用的な分子量のポリフェニレンオキシドが
得られないか、あるいは品質の劣ったポリフェニレンオ
キシドしか得られないので好ましくない。
本発明において使用される溶媒は核置換フェノール類の
酸化重合反応に対して不活性で、かつ反応条件下におい
て反応混合物を実質的に溶液状に保つ有機溶媒であれば
よく、特に限定されるものではない。好適な例としては
ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ニト
ロベンゼン等の芳香族炭化水素類、および芳香族炭化水
素類とメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノ
ール等のアルコール類との混合溶媒を挙げることができ
る。特に好ましい有機溶媒はベンゼンとメタノールとの
混合溶媒、およびトルエンとメタノールとの混合溶媒等
である。
本発明の実施に当たり、上記有機溶媒は使用される核置
換フェノール類の濃度が5〜35重量%、好ましくは10〜
25重量%になるような割合で使用される。濃度がこの範
囲をはずれた場合は実用的な分子量のポリフェニレンオ
キシドが得られないので好ましくない。
本発明の目的は、酸素ガスと不活性気体からなる低酸素
濃度の酸素含有ガスを用いることによって初めて達成さ
れるのであるが、本発明でいう低酸素濃度とは5容量%
以上12容量%以下の濃度であり、また、不活性気体とは
窒素、ヘリウム、アルゴン、二酸化炭素等の酸化重合反
応に対して影響を与えない気体である。好ましい不活性
気体として窒素を挙げることができ、また、好ましい酸
素含有ガスとして酸素と窒素の混合気体または空気と窒
素の混合気体を挙げることができる。好ましい酸素濃度
は8〜11容量%である。酸素含有ガスの反応系への供給
速度は除熱等を考慮して任意に選ぶことができるが、通
常は仕込み核置換フェノール類1モル当たり純酸素とし
て10Nml/分以上が採用される。酸素含有ガスと反応混合
物とは十分に接触させることが必要であり、このための
手段として例えば、強撹拌下に酸素含有ガスを反応混合
物中に吹き込む等の慣用の気液接触の手段が用いられ
る。反応の方式としては回分式及び流通式のいずれも採
用可能である。
本発明においては反応時の系の圧力は重要であり、8kg/
cm2以上、好ましくは9Kg/cm2以上の圧力が必要である。
反応系の圧力が8kg/cm2より低い場合には重合速度が遅
いので好ましくない。高圧側は特に制限は無いが、経済
面の要請等から通常20Kg/cm2以下が好ましく適用され
る。
反応温度は、反応系を液状に保ち円滑な反応が進行する
範囲で選ばれ、通常0〜100℃、好ましくは10〜60℃で
ある。反応温度が0℃より低い場合は重合速度が遅いた
め、また、100℃より高い場合は殆んど重合が進行しな
いため、共に好ましくない。
反応時間は、触媒の量、核置換フェノール類の濃度ある
いは酸素含有ガスの供給速度等、選んだ条件によって異
なるが、一般に0.5〜20時間が好ましく選ばれる。
溶媒および触媒の存在下に低酸素濃度の酸素含有ガスを
用いて核置換フェノール類の酸化重合反応を所定時間行
った後、生成したポリフェニレンオキシドは溶媒に溶解
した実質的に溶液状の反応混合物として得られる。反応
混合物から最終製品としてのポリフェニレンオキシドを
取り出す為の後処理方法としては各種の方法を採用でき
る。例えば系中の触媒を失活させるために塩酸あるいは
酢酸等の酸によって反応混合物を処理した後、アルコー
ル等のポリフェニレンオキシドに対する非溶剤と接触さ
せ、得られたスラリーを固液分離、洗浄及び乾燥に供す
る方法、反応混合物を水洗したあと分液し、分液後の有
機相中の有機溶媒をスチームストリッピングにより留去
することによってポリフェニレンオキシドの水分散スラ
リーを得、固液分離及び乾燥に供する方法等を挙げるこ
とができる。固液分離には遠心分離機、デカンター、真
空過機等の慣用の固液分離手段が用いられる。乾燥に
は真空乾燥機、ロータリードライヤー、パドルドライヤ
ー、フロードライヤー等の通常の装置を使用できる。
本発明は、核置換フェノール類の酸化重合反応が実質的
に溶液状態で進行する反応系のみならず、生成したポリ
フェニレンオキシドのいくらかの部分が固体粒子として
存在する反応系、すなわち溶液重合法と沈澱重合法が共
存しているような反応系の粘度の増加を抑制する必要が
ある場合にも適用し得る。
<実施例> 以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、
本発明はこれらの実施例によりその範囲を限定されるも
のではない。なお、実施例中における反応混合物の粘度
は、サンプリングした反応混合物について東京計器
(株)製粘度計「ビスコニックERD型」を用いて30℃で
測定したE型粘度である。また、ポリフェニレンオキシ
ドの還元粘度(ηsp/c)はポリフェニレンオキシドの濃
度が0.5g/dlであるクロロホルム溶液について25℃で測
定した値である。
実施例1 撹拌機、温度計、コンデンサー及びオートクレーブの底
部まで届いた空気導入管を備えた容量10のジャケット
付きオートクレーブにベンゼン3570g、メタノール1220
g、2,6−ジメチルフェノール1222g(10モル)および水
酸化ナトリウム24g(0.6モル)を仕込み、均一な溶液と
なした後、該溶液にジエタノールアミン28.4g(0.27モ
ル)、ジ−n−ブチルアミン15.5g(0.12モル)および
塩化マンガン四水和物0.99g(0.005モル)をメタノール
100gに溶解した溶液を加えた。ついで、内容物を激しく
かきまぜながら、これに酸素濃度が11容量%に調製され
た酸素と窒素との混合気体を10/分の速度で吹き込ん
だ。反応温度および反応系の圧力をそれぞれ35℃および
10Kg/cm2に維持しながら反応操作を続け、混合気体の吹
き込み開始から7時間経過した時点で溶液状の反応混合
物の一部を抜き取ると同時に混合気体の供給を停止し
た。抜き取った反応混合物を速やかに粘度測定に供し、
また、反応混合物の残りは酢酸65g(1.1モル)とメタノ
ール5300gの混合物中へ投じた。得られたスラリーを減
圧過し、湿潤状態のポリフェニレンオキシドを単離し
た。該ポリフェニレンオキシドをメタノール7200gで洗
浄した後、150℃で一夜減圧乾燥し、乾燥状態のポリフ
ェニレンオキシド1180gを得た。測定して得られた結果
を第1表に示す。
実施例2〜3,比較例1〜2 混合気体中の酸素濃度および混合気体の吹込み速度をそ
れぞれ第1表に示す値に替えた以外は実施例1と同様に
2,6−ジメチルフェノールの酸化重合および後処理を行
い、得た結果を第1表に示す。
<発明の効果> 本発明によれば、溶媒および触媒の存在下に核置換フェ
ノール類を酸素含有ガスで酸化重合させてポリフェニレ
ンオキシドを製造する方法において、酸素濃度が12容量
%以下である酸素含有ガスを用いることによって、反応
系の粘度の増加を抑制するという顕著な効果を奏するこ
とができる。従って、本発明は反応系の粘度の増加に伴
って起こる反応混合物の撹拌負荷の増大や反応系の除熱
効率の低下という従来法の問題点を飛躍的に解決するこ
とができ、反応装置の設計上および製造コスト上等にと
って極めて有利な方法である。
実施例および比較例によって示した通り、本発明によれ
ば反応混合物の粘度を顕著に抑制でき、且つ、得られる
ポリフェニレンオキシドの生産性(反応時間、収率)を
低下させることなく、十分に実用性のある分子量を有す
るポリフェニレンオキシドが得られる。
本発明で得られるポリフェニレンオキシドはポリスチレ
ン系樹脂、ポリアミド系樹脂等との組成物とし、優れた
機械的・熱的性質を有する各種の有用な高分子製品に成
形することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 立上 義治 大阪府高槻市塚原2丁目10番1号 住友化 学工業株式会社高槻研究所内 (72)発明者 藤原 正博 大阪府高槻市塚原2丁目10番1号 住友化 学工業株式会社高槻研究所内 (72)発明者 安部 勝弘 三重県四日市市東邦町1番地 三菱油化株 式会社樹脂研究所内 (72)発明者 矢野 一憲 三重県四日市市東邦町1番地 三菱油化株 式会社樹脂研究所内 (72)発明者 松居 隆平 三重県四日市市東邦町1番地 三菱油化株 式会社樹脂研究所内 (56)参考文献 特開 昭59−199716(JP,A) 特開 昭62−184023(JP,A) 特開 昭62−185711(JP,A) 特開 昭50−77498(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】溶媒および触媒の存在下に核置換フェノー
    ル類を酸素含有ガスで酸化重合させてポリフェニレンオ
    キシドを製造する方法において、酸化重合時の系の圧力
    を8kg/cm2以上として、酸素含有ガスとして酸素ガスと
    不活性気体からなり酸素濃度が5容量%以上12容量%以
    下である酸素含有ガスを酸化重合時に用いることを特徴
    とするポリフェニレンオキシドの製造法。
JP61228970A 1986-09-26 1986-09-26 ポリフェニレンオキシドの製造法 Expired - Lifetime JPH0670128B2 (ja)

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JPS62184023A (ja) * 1986-02-10 1987-08-12 Asahi Chem Ind Co Ltd 2,6−ジ置換フエノ−ル重合体の製造法
JPS62185711A (ja) * 1986-02-12 1987-08-14 Asahi Chem Ind Co Ltd 2,6−ジ置換フエノ−ル重合体の製造方法

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