JPH0669256U - 高炉用冷却盤 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 炉内煉瓦が損耗した高炉に於て、長期休風や
大がかりな冷却システムの改造を要することなく、高い
冷却効果を確保する。 【構成】 高炉の炉壁を冷却するべく冷却水が流通可能
な中空体からなり、鉄皮の外面に配列されたフランジに
接続される高炉用冷却盤を、フランジに設けられた開口
を介して鉄皮を水平方向に貫通する部分と、炉壁内面に
沿って延在する部分とを連続的に形成してなるものとす
る。 【効果】 高炉鉄皮の保護及び長寿命化の達成。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、高炉の炉体冷却を行うための冷却盤に関し、特に炉内煉瓦が損耗し た後に設置する高炉用冷却盤に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

高炉の炉体冷却を行うために、炉壁内面に設けられた耐火煉瓦に中空の銅鋳物 からなる冷却盤を埋め込み、この冷却盤内に冷却水を流通させるようにした冷却 システムが一般に採用されている（特公平３−５７１６１号公報参照）。この冷 却盤は、炉体鉄皮に形成された開口から炉内煉瓦中に水平に突入しており、炉内 煉瓦に直接接触してこれを冷却し、その損耗速度を遅延させ、その結果、炉体鉄 皮の損耗に至る期間を延長しようとするものである。

【０００３】 ところで、炉内煉瓦は、稼働年数を経るに従って損耗してその厚さを減少する が、大幅に損耗すると冷却盤が炉内に露出してしまう。この冷却盤は、炉内煉瓦 に接触して始めてその冷却機能を発揮するものであり、このように冷却盤が炉内 煉瓦から露出した状態では、炉体鉄皮への冷却作用が極端に低下してしまう。そ こで従来は、不定形耐火物を鉄皮内面に定期的に吹き付けることにより、鉄皮保 護を行うようにしている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかるに、炉内煉瓦の損耗後に炉内に吹き付けられた不定形耐火物は、十分な 冷却効果が与えられないために比較的早期に損耗、脱落してしまい、定期的に補 修を行う必要があった。

【０００５】 他方、冷却盤に代わる鋳鉄製の水冷板を炉内から取付ける方法も知られてはい るが、冷却システムの大幅な改造や鉄皮の改修工事を要し、長期休風を余儀なく されるため、現実的とは言い難い。

【０００６】 本考案は、このような従来技術の不都合を解消するべく案出されたものであり 、その主な目的は、炉内煉瓦が損耗した高炉に於て、長期休風や大がかりな冷却 システムの改造を要することなく、高い冷却効果が得られるように改善された高 炉用冷却盤を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

このような目的は、本考案によれば、高炉の炉壁を冷却するべく冷却水が流通 可能な中空体からなり、鉄皮の外面に配列されたフランジに接続される高炉用冷 却盤であって、前記フランジに設けられた開口を介して前記鉄皮を水平方向に貫 通する部分と、炉壁内面に沿って延在する部分とを連続的に形成してなることを 特徴とする高炉用冷却盤を提供することによって達成される。

【０００８】

【作用】

このような構成によれば、現行の冷却盤取付フランジを流用し得るため、既存 設備の取り合い寸法および冷却システムをそのまま用いることができる。しかも 炉壁内面に沿って延在する部分によって赤熱鉄皮部（現行の冷却盤が設けられて いない部分）の冷却をも強化することが可能となる。

【０００９】

【実施例】

以下に添付の図面に示された具体的な実施例に基づいて本考案の構成を詳細に 説明する。

【００１０】 図１及び図２は、本考案に基づき構成された冷却盤１を示している。この冷却 盤１は、炉内煉瓦２の損耗が特に著しい部分に後付けされるものであり、高炉鉄 皮３の外面に設けられた既存の冷却盤取付フランジ４を利用して取付けられる。

【００１１】 冷却盤１は、中空に形成された冷却箱５と、冷却箱５に冷却水を流通させるた めの給排水管６と、冷却箱５の外面の略全面に施こされたキャスタブル７（アル ミナからなる不定形耐火物の被覆）とからなっている。そして冷却箱５の内部に は、中央が仕切られた水路８ａ・８ｂが設けられている。

【００１２】 この冷却盤１は、ガスシール伸縮管９を介してフランジ４に接続される。

【００１３】 給排水管６は、フランジ部中央の開口１０を介して高炉鉄皮３を水平方向に貫 通しており、その炉内端部に冷却箱５が一体的に接続されている。冷却箱５は、 給排水管６の軸線に対して下向きにＬ字状に屈曲して接続されており、高炉鉄皮 ３の内面に沿って延在している。

【００１４】 フランジ４は、図２に示すように、高炉鉄皮３の外面に互いに適宜な間隔をお いて互違いに配列されており、通常は水平方向冷却盤１１が炉内煉瓦２中に突入 するように設けられている。ここで炉内煉瓦２が損耗すると、在来の水平方向冷 却盤１１の端部が炉内に露出し、最悪の場合はその露出部分が溶損し、冷却効果 が失われてしまうことがある。そこで本考案に於ては、このように炉内に露出し た水平方向冷却盤１１を取り外し、かつ炉内煉瓦２の損耗後に付着した炉内付着 物を除去し、上記した炉壁内面に沿う冷却盤１を取付けるものとしている。

【００１５】 この冷却盤１は、炉口に設けられたマンホールからワイヤーロープなどで炉内 へ吊り下ろしたうえでフランジ４の開口１０から給排水管６を外部へと引出し、 その端部をガスシール伸縮管９を介してフランジ４に接続固定し、さらに高炉鉄 皮３とキャスタブル７との間隙に不定形耐火物１２を圧入充填することにより、 炉壁内面に一体化されている。

【００１６】

【考案の効果】

このように本考案によれば、既存設備をそのまま用い、現行の水平方向冷却盤 にて冷却し得ない高炉鉄皮に対する冷却効果を確保し得るので、経済的に、かつ 長期休風による生産性の低下を招くことなく、高炉鉄皮の保護及び長寿命化を達 成し得る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案が適用された高炉シャフトの要部縦断面
図。

【図２】図１に於ける矢印II方向から見た部分的な立面
図。

【符号の説明】

１ 冷却盤 ２ 炉内煉瓦 ３ 高炉鉄皮 ４ フランジ ５ 冷却箱 ６ 給排水管 ７ キャスタブル ８ａ・８ｂ 水路 ９ ガスシール伸縮管 １０ 開口 １１ 水平方向冷却盤 １２ 不定形耐火物

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 高炉の炉壁を冷却するべく冷却水が流通
   可能な中空体からなり、鉄皮の外面に配列されたフラン
   ジに接続される高炉用冷却盤であって、 前記フランジに形成された開口を介して前記鉄皮を水平
   方向に貫通する部分と、炉壁内面に沿って延在する部分
   とを連続的に形成してなることを特徴とする高炉用冷却
   盤。