JPH0669087B2 - 電荷蓄積領域を有する赤外線放射検知装置 - Google Patents

電荷蓄積領域を有する赤外線放射検知装置

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JPH0669087B2
JPH0669087B2 JP59206964A JP20696484A JPH0669087B2 JP H0669087 B2 JPH0669087 B2 JP H0669087B2 JP 59206964 A JP59206964 A JP 59206964A JP 20696484 A JP20696484 A JP 20696484A JP H0669087 B2 JPH0669087 B2 JP H0669087B2
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は赤外線放射検知器に関し、特に電荷蓄積領域を
持つMIS赤外線放射検知器に関する。
<従来技術及びその問題点> 現在ある赤外線放射検知器は、多数の物理的制約及び電
気的制約を持つ。従来技術の装置は、一般に光導電回路
と呼ばれる光抵抗素子を使用する。この装置では、半導
体素子が抵抗負荷素子と直列に配線され、電圧が印加さ
れると電流が流れる。半導体基板の抵抗値は、赤外線放
射の量に応じて変化する。この赤外線放射に半導体装置
がさらされて電流が半導体内を流れるようになり負荷抵
抗は変化する。このような赤外線検出装置を180又はそ
れ以下のアレイで使うことは、実用化されている。ただ
し、物理的制約のため180より多い素子を含むアレイに
この赤外線検知器を使うことは非常に困難である。例え
ば、P=i2Rで示すジコール効果に従つて半導体装置で
は、電力が消費されてしまう。これらの装置を動作させ
る為には、検知器は90゜Kより下の温度に保たれなくて
はならない。これらの装置で大規模アレイが構成される
時にクーラーに大きな負荷が加わるので熱を移動させる
のが極めて困難になる。光抵抗素子の他の重大な欠点と
しては、基板をエッチングする能力の範囲内では幾何学
的寸法の設計上、物理的な制約が存在するということで
ある。これらの装置に関する第3の問題点は、これらの
装置がGR雑音コンポーネントであるということである。
発生雑音は、価電子帯から伝導帯へ電子がでたらめに移
動する為に発生する。再結合雑音もまた伝導帯から価電
子帯への電子の移動によつて生まれる発生雑音とは無関
係にでたらめに発生する。従つて、赤外線検知器を提供
する新しい方法をみつけることが望まれている。
本発明は、赤外線放射を検知する為に金属−絶縁層−半
導体(MIS)検知器を使用する。MIS装置では電流が流れ
ない。従つて光抵抗素子に関する主要な問題点は解決さ
れる。さらに、電流が流れずかつ電力は公式 によつて決まるのでクーラー上の熱負荷は低減される。
MIS装置では、Cの値が極めて小さいので消費電力は、
無視できる程度である。MIS装置の他の長所は、セット
時間の間にある程度の量の電荷が集収された後は、電圧
が印加されなくなるので再結合雑音が存在しないことで
ある。雑音は、発生雑音だけになるのでこの特徴だけで
も雑音を半分に低減することができる。
以下に示す刊行物は、本発明と同じ技術分野に関連する
ものである。即ちジヨンウイリー&サンの著作権1982
年「化学技術辞典」第3版601〜611頁。この刊行物は、
MIS装置について説明し、MIS装置に関する等式を掲載す
る。この刊行物は、本発明の発明者の1人によつて書か
れたものであつて参照としてこの明細書に含まれてい
る。電位井戸の形成にランプ電圧を使用することを説明
する第2の刊行物は、「ランプゲート電圧を使う制限降
伏電圧金属絶縁物半導体HgCdTe内での電荷容量の増加」
という表題がつけられている。この輪文は、アプライド
フイジツク レター37巻4号に掲載され1980年8月15
日に発行され著作権は、アメリカンインステイテユート
オブ フイジツクに属する。これもまた本明細書中で
参照として使われている。
ここで動作可能なMIS赤外線検知器を製造する上でこの
他の問題点とぶつかる。MIS装置を赤外線検知器として
有効に使用するには、それ以前にこれらの問題を解決し
ておかなくてはならない。3〜5ミクロン又は8〜12μ
mの間の波長を持つ赤外線放射の計測することが要望さ
れる。これは、特に関心の持たれる赤外線波長であるか
らである。
300゜Kでの赤外線放射のピーク出力の波長は、10μmで
ある。これは、この範囲の波長で動作する赤外線放射検
知器は、この回りの多数の対象物も300゜Kになつてしま
うので非常に早く飽和してしまうという問題が生ずるこ
とを示す。従つてこのような温度に於て所望の赤外線放
射の量を全て計測し、MIS装置を飽和させないようにす
ることが望ましい。この温度範囲での光子密度は、非常
に高く、一般に5×1017光子/cm2−秒ストラジアンよ
り高い密度である。この程度の光子密度は非常に高い密
度であるので既知のMIS装置をすぐに飽和させてしま
う。
本発明は、MIS装置を光容量素子として使用する。金属
プレートはバルク即ち半導体基板上に、間に絶縁層を介
して配置される。パルス電圧が金属プレートに印加され
る時電位井戸が金属プレート下のバルク材料内に形成さ
れる。N型半導体である場合、電位井戸は、基板内のそ
の部分から電子がおしだされる現象及び正孔を発生する
フオトンの効果を示すものである。正孔は、基板表面に
引きつけられ電荷が集収するので電圧として現われる。
多数の正孔が表面の方に移動する時には、井戸が一杯に
なつてゆき飽和する。この時点では、さらにフオトンが
存在しても電位井戸内にこれ以上電荷を発生させること
はない。
電位井戸をさらに大きくし、もつと多くの電荷を保持で
きるようにして装置が非常に短期間で飽和してしまうこ
とがないようにするための従来の解決方法ではパルス電
圧を増加するという試みがある。使用される基板が本発
明と同様に小さなバンドギヤツプしか持たないHgCdTeで
ある場合パルス電圧が1ボルトより大きくなると、価電
子帯から電子がトンネリングを起こし、フオトン以外に
よつて生じたトンネル効果によつて余分な正孔が生まれ
てしまう。トンネル効果は電位井戸の電位を小さくして
しまう。パルス電圧が大きすぎる場合、HgCdTe又はその
他のバンドギヤツプの小さな半導体基板は、特にトンネ
ル効果に影響を受けやすい。
MIS装置のタイミングもまた問題である。パルス電圧は
短期間に金属層に印加されなくてはならない。そこで金
属層の電圧は電位井戸内に発生する電荷の量に追随して
ドリフトするようにしなければならない。半導体基板が
さらされる赤外線放射の量を決定するためには、電位井
戸が飽和する直前に半導体基板と金属層との電圧差が決
定されなくてはならない。これは、飽和に達する時間は
非常に短期間になりがちで計測される波長の赤外線放射
の強度が高いと、あまりに早く電位井戸が飽和するので
金属層に電圧が印加され金属層の電圧が浮動した後で基
板と金属層との電圧差を計測することが極めて困難であ
つた。
本発明は、MIS装置は赤外線放射検知器として使用する
従来技術の欠点を解決するものである。
従つて本発明の目的は赤外線放射検知器として使用する
場合に優れた特性を持つMIS装置を提供することであ
る。
本発明の他の目的は、MIS装置を使つて赤外線放射を検
知する改良された方法を提供することである。
本発明のさらに1つの目的は、装置が赤外線放射にさら
された時に電位井戸に発生する電荷を検知ゲートの電圧
と接続されていない電圧を持つ蓄積領域に転送する手段
を提供することである。
<問題点を解決する為の手段> 本発明は、従来のMIS赤外線放射検知器に関連する問題
点を解決する。本発明は、下の基板に達するようにフオ
トンを通過させる領域の面積よりずつと大きな面積の電
位井戸を形成するものである。この構成は、ゲートの下
の基板内にできる電位井戸に与えられるフオトン密度を
下げる効果がある。これによつて赤外線放射検知領域が
電荷蓄積領域とが結合される。この電荷蓄積領域は、電
位井戸内で発生される電荷全てを蓄積できる。所望の波
長の赤外線放射強度が高く、基板がこの波長の赤外線放
射に対する感度を持つため検知ゲート即ち透過ゲート
は、ゲート領域全体に対し小さな割合に保たなくてはな
らない。
第1実施例では、赤外線放射検知領域をおおう透明ゲー
トとそれよりずつと厚みのある記憶領域とを含み一体と
して一層の金属層として両ゲート全体が構成される。こ
のことによつて全ての時間でゲート全体の電圧は、同一
になりゲートの全長に相当するその下の基板内部位に同
一の大きさの電位井戸が形成される。パルス電圧をゲー
トに印加することができゲートの電圧は装置が赤外線放
射にさらされると浮動する。本発明による非常に大きな
電荷蓄積井戸の飽和時間より短い所定時間の期間経過後
ゲートと基板との間の電圧差が決定される。この値は、
装置がさらされた赤外線放射の量と比例する。ゲート
は、基板内の好ましくない領域に電位井戸ができないよ
うにいずれの側部もチヤンネルストツプでアイソレート
されるか又は、既知の方法でアイソレートされる。
第2実施例では、透明ゲートは蓄積ゲートとは別の金属
ストリツプで形成される。転送ゲートが2つのゲートの
間に配置される3ゲートMIS装置を形成する。この実施
例では、非常に薄い金属層である検知ゲートにはパルス
電圧又はランプ電圧が印加され、基板内に電位井戸を形
成する。電位井戸内に電荷が集収し始めると、転送ゲー
トがオンになり検知ゲートの下の電位井戸が飽和する前
に電荷を蓄積領域に転送してしまう。電荷が蓄積領域内
に蓄積された後で電荷の量は、厚い金属層とその下の蓄
積領域ができている基板との電圧差を決定することによ
つて読出される。この実施例は、検知ゲートには、ラン
プ電圧を印加しあるいは選択的に定電圧を印加すること
もできるので非常に有効である。この場合、検知ゲート
の電圧を計測しない為検知ゲートは、ゲート電圧を浮動
にする必要がなくなる。検知ゲートは、蓄積ゲートに影
響をうけないで一定の電圧に保たれることが可能であ
り、一方蓄積ゲートの電圧は、蓄積領域内に蓄積される
電荷の量を決定する為に浮動していなければならないこ
とになる。ランプ電圧が検知ゲートに印加される場合、
このことは特に有効である。
所定の傾斜及び周波数のランプ波が基板上の検知ゲート
として働く金属層に印加された場合電位井戸を非常に大
きく作ることが可能であることがわかつた。これによつ
てHgCdTeのようなバンドギヤツプの小さい半導体の物理
的特性に合わせてパルス電圧を印加すると、現在可能な
電位井戸の数倍にも及びかなりの量で井戸の深さを深く
することができる。これによつて検知ゲートとしては、
非常に小さな領域を使つて非常に大きな電位井戸を作り
だすことができる。この深い電位井戸が電荷で満たされ
てゆくのとともにランプ電圧も一定に増加してゆくので
電位井戸はさらに深くなつて所定の時間の経過前に井戸
が飽和するのを防ぐことができる。ランプ電圧がピーク
に達すると、転送ゲートが全部の電荷を電荷蓄積領域に
転送する。蓄積領域の電圧は浮動し、検知ゲートに与え
られるランプ電圧の増加にあわせて増加する必要はなく
なる。蓄積ゲート下の蓄積領域内に蓄積される電荷は、
電荷蓄積ゲートとして働く金属層とその直下の基板との
電圧差をその電荷の量に比例させて変化させる。この量
は、検知ゲートにさらされた赤外線放射の量に比例す
る。
第2実施例の選択しうる実施例に於ては単一の蓄積領域
に数個の検知領域を接続し、この蓄積領域に電荷を転送
する。所望の数の検知ゲートを1つにして多重化を可能
にするため大規模な蓄積領域が使用可能である。本実施
例では転送ゲートを使用することによつて複数の検知領
域が単一の蓄積領域に接続されこの蓄積領域で蓄積され
る電荷が読出されることになる。従つて読出された電荷
は、接続されるうちの1つの検知領域又は数個の検知領
域を合わせた量を示すことになる。本実施例では、蓄積
領域は検知領域を選択するマルチプレクサーとして働い
ている。選択的に蓄積領域を非常に大容量に形成し、多
数の検知領域の電荷量を加算するために使用することも
できる。
<実施例> 本発明である赤外線検知器を構成する個々のMIS装置
は、赤外線装置内のアレイとして配置される。アレイ
は、直線連続アレイ又は、面積(行列)アレイである。
赤外線放射をアレイ内の特定検知器に焦点をあわす為に
アレイの前にレンズが記置される。アレイを移動させる
ことによつて又は、アレイ上に画像を結ぶように操作す
る照準装置を移動させることによつて特定の角度の間で
画像区域ミラーを回転させて画像がアレイ上にあたるよ
うに配置する。画像がアレイ上に結ばれると各々の別個
の検知器は、画像の最小分解部分の放射に所定の時間さ
らされる。個々の検知器が光にさらされる上記所定の時
間は、放射継続時間(dwell time)として知られる。
放射時間は、正確なデータを受けとるのに充分な長さを
持つようにすることが望ましいが放射時間は、アレイ内
の個々の装置内のゲートが飽和状態となることがない程
度短い期間である必要がある。画像がアレイ内の個々の
検知器の上を横切ると、個々の検知器に電荷が発生す
る。
放射時間全体にわたつて発生する電荷を集収することが
望ましい。ここで生じる問題としては、放射時間の間に
装置自体の中で無視できない量のバツクグラウンド放射
が発生してしまうことである。レンズと動作温度300゜K
の検知器の間にある全ての物がかなりの放射光を発生す
る。個々の装置は、放射時間中にこのバツクグラウンド
放射にさらされる。この時、いずれの箇所でも飽和状態
をおこさずに放射時間全体を通して発生する電荷を集収
できるように個々の検知器は、読出されるべき信号やバ
ツクグラウンド放射によつて飽和状態になることがない
程度の充分な蓄積容量を持たなくてはならない。
このアレイ内の個々の検知器は、8ミクロンから12ミク
ロンの間の波長を持つ赤外線照写に対し特に光感度が高
いように構成されている。本実施例のHgCdTe基板はニツ
ケル及び/又はアルミニウムの金属ゲートとの組合せで
使用される。本発明で使用可能な金属のうち、数種を以
下に示す。即ち、薄い金属層で形成する検知ゲートに
は、Ni(ニツケル)、Cr(クロム)Fe(鉄)が使用可能
であり、厚い金属層で形成する蓄積領域ゲートには、Ni
Crが使用可能である。この他の基板材料での代用も可
能であり、本発明で特定した材料のかわりに他の金属層
を使用可能であることも当業者であれば明らかである。
アンチモン化インジウム、ヒ化インジウム、ガリウムヒ
素、シリコン、テルル化すず鉛又は、その他適当な超格
子構造等のいずれの半導体基板もMIS装置として有効に
利用可能であり本発明で使用される基板である。本発明
で使用される絶縁物層には、酸化されたHgCdTe(700
Å)基板上に形成したZnS(硫化亜鉛)が含まれ、SiO2
は低い誘電率を持つにもかかわらずこれも絶縁物として
使用可能でありPb2F3又はその他の絶縁物も使用可能で
ある。当分野の通常の当業者であれば多数の基板材料、
絶縁物材料及びその他の種類の金属も本発明の趣旨によ
つて限定される範囲内で種々の点で代用することができ
る。
本発明は、n形半導体に関し説明してゆくが本発明は、
P形半導体にも等しく応用可能であることは明らかであ
る。
赤外線放射で関心の持たれる特定の波長での使用に望ま
しいMIS装置の電位井戸の容量は非常に小さい。装置の
電位井戸の容量が非常に小さいために赤外線放射に装置
がさらされている間に発生する電荷を蓄積する為に従来
技術が使用される場合装置は飽和点にあまりにも早く達
してしまう。これは放射継続時間の間に集収しなくては
ならないデータの量が装置の電位井戸の容量よりかなり
大きいためである。ゲートと基板との間の電圧差を大き
くし電位井戸の容量を増加させようとする方法を用いる
場合、トンネル効果による電荷で電位井戸が満たされて
しまう。トンネル効果によつて多数の正孔又は電子を発
生することになる。この正孔又は電子が電位井戸を飽和
させる。またトンネル効果が赤外線放射以外によつて正
孔又は電子を発生させてしまう。硫化亜鉛のキヤパシタ
ンス値のような他の物理的制限が電位井戸の容量を増加
する上での障害となる。
第1図には、MIS装置内での電位井戸の形成の従来技術
を図示する。第1図は、MISゲートの下の半導体基板内
に電位井戸を作りだす従来技術の方法を示す。第1図に
示す通り、金属MISゲート上に電圧が印加される時、電
位井戸が形成される。MISゲートを通つてその下の半導
体基板にフオトンが達する時、フオトンのエネルギーに
よつて自由正孔が生まれる。自由正孔は、基板表面に向
かつて移動し電位井戸内に集収する。第1図に示す通
り、電位井戸の体積は、電位井戸の長さ、幅及び電位差
(深さ)を知ることで計算可能である。これらの値は、
当分野で知られるいくつかのフアクターによつて変更さ
れうる。絶縁物内に形成されるチヤンネルストツプは、
金属層のMISゲートと組合わせて電位井戸の長さ及び幅
を規定する為に使用されている。第1図の断面の特徴は
エネルギーバンドモデル図として第2図に示される。
第2図は、縦軸に電圧電位、横軸に距離をとつた図表で
ある。金属層絶縁物層半導体基板は、この図表では、こ
れらのそれぞれの物理的位置関係に基づき図示されてい
る。この表の電位は、フエミル準位と伝導帯及び価電子
帯が示されている。第2図は、MISゲートに電圧が印加
された状態を示す。図からは伝導帯及び価電子帯の電位
が上昇しておりこの電位の上昇は、半導体装置内の深い
位置より表面近くにおける方がはるかに大きいことがわ
かる。電子は、表面から遠のく方向に力が加わり第2図
で黒点として示すように伝導帯内へと入りこむ。図中の
Qdは、正の電荷を表わす。正の電荷は、電子に半導体表
面から離れようとする力が加わりドーナ不純物又はエネ
ルギー状態がイオン化状態で留まつているために全体と
して電気的電荷の密度が高くなるために発生するもので
ある。Qpは正孔を示し、正孔は、半導体装置が所定の波
長の赤外線照写にさらされた時に発生し、半導体表面の
方へと移動する。第2図は、本発明での装置の動作の一
部を示す。本発明では、MISゲートに印加される電圧電
位は、トンネル効果を起こさないような充分低い値に保
たれ、従つてQpとして示されるような余分な正孔が半導
体基板内の領域内に発生することはない。
第3図及び第4図は、本発明の実施例を示す。第3図
は、絶縁物層44が直接その上に形成されているHgCdTe基
板46を示す。絶縁物層44内部には、フィールドプレート
48が形成されている。このフィールドプレート48は、半
導体基板内の電位井戸が形成される位置を規定するチヤ
ンネルストツプとして働く。ゲート領域は、電位井戸が
できる領域に相当し、電位井戸の深さは部分的にゲート
に印加される電圧によつて決まる。透明ゲート50は、赤
外線放射に対し半透明であるような非常に薄い金属層で
形成する。このゲート50は不透明ゲート54と物理的に接
続している。不透明ゲート54は、赤外線放射が通過でき
ずその下のHgCdTe内に達することがないような充分厚い
金属層で形成する。電位井戸60は、透明ゲートの真下の
基板内に形成されるので半導体基板が赤外線放射にさら
される時、電荷が発生し正孔は、表面の方に移動するの
で電圧電位差を生ずる。本発明では、赤外線放射に対し
半透明である検知ゲートを不透明な蓄積ゲートと接続す
ることによつてこの電位井戸のできる面積をかなり増加
させており、従つてさらに深い電位井戸をこれらゲート
の下の半導体基板内に形成している。本発明であるこの
特殊な構成によれば電位井戸を作る面積を増加させるこ
とによつて電位井戸の体積を非常に増大させることがで
きる。
本発明は、また電位井戸の形成される基板の小さな部分
のみを赤外線放射にさらすことによつて強度の高い赤外
線放射光束にさらされても電位井戸が飽和しないように
している。この新規な特徴によつて電位井戸を形成する
ために10倍以上の電圧がゲートに印加された場合にでき
る井戸の大きさと同様の大きさの電位井戸を形成したの
と同様の効果を持つ。この特徴は、MIS装置を赤外線検
知器として使う上での重大な進歩である。この改良によ
つて装置が赤外線放射光源に最長の放射継続期間を通し
てさらされた時も半導体基板を非飽和状態で保つことが
可能になつた。
不透明ゲート54は、蓄積ゲートと呼ばれる。物理的に透
明ゲート50と接続している不透明ゲート54は、透明ゲー
ト下の蓄積領域と一体となつて真下に単一の蓄積領域を
作る。蓄積領域は、赤外線放射によつて生じた全ての自
由正孔の蓄積に使用可能である。自由正孔は、自由に、
ゲート領域全体の内側の範囲内で半導体基板の表面全体
に沿つて移動してゆきもはや、透明ゲートのある位置の
半導体表面に限り移動するのではない。
第3図の装置は以下の寸法を持つようにして製造されて
いる。即ち、検知ゲートの厚さは30Åから100Åの間の
厚さで形成する。蓄積ゲート54は、300Åと2000Åの間
の厚さを持つように形成する。絶縁物層44は、検知ゲー
ト50と基板との間の厚さが500Åと2000Åの間の厚さを
持つように形成する。反射防止の為のコーテイングとし
て検知ゲート50をおおう絶縁物層の厚さはほぼ8000Åに
なるよう形成する。第3図に示すような動作可能な装置
を作るためにはここで示した寸法を使うことが有効であ
ることがわかつている。蓄積ゲート54の厚さは、検知ゲ
ート50の厚さの10倍というレンジで厚くなつていること
がわかると思う。両ゲートの双方の厚さを限定する要素
としては、検知ゲートの厚さがそこを赤外線放射束が通
過できるような厚さにし、蓄積ゲートの厚さは、そこを
赤外線放射束が通過することのないように阻止するよう
な厚さにしなくてはならず且つ、両ゲート領域全体の下
に単一の電位井戸を形成するように一枚の金属層として
働くような厚さにしなくてはならないという点である。
この装置は、例えばニツケルを検知ゲートとして使い、
アルミニウムを蓄積ゲートとして使うといつたように異
種の金属を組合わせて使用し製造することができこの他
の金属同志を組合せて使つて、また両方のゲート全体に
1つの金属を使つて製造することも可能である。
ここでは特定の寸法及び厚さを記述したがこれらの値
は、例として示したにすぎないことを理解してほしい。
検知ゲートの持つ必須の特徴は、赤外線放射束に対し透
明であるということである。同様に不透明蓄積ゲートの
1つの必須の特徴は、赤外線放射に対し不透明であると
いうことである。絶縁物層は、装置内で機能できる適当
な寸法で形成されなくてはならない。3ゲート構造にす
る場合でも同様の特徴を持つことが重要である。
本発明の装置の製造方法は、当分野で既知の技術に従
う。この装置は、第1図の装置を製造する技術と同一の
技術で製造される。この技術は、従来技術の装置の1部
である第1図に示される装置を製造する技術として当業
者に知られている。第3図及び第4図に示される装置の
製造方法は、本明細書の記載及びここに示される寸法と
添付図面が与えられることによつてMIS装置製造分野の
当業者には明らかであろう。
電位井戸を作りだす為のパルス電圧がゲート全体に対し
印加された後で電圧をゼロにしゲートの電圧電位を基板
電位に対し浮動させる。検知ゲートを通過した赤外線光
によつて発生した自由正孔として表わされる電荷の量
は、放射時間の最初から最後まで全体を通して集収す
る。放射時間の終わりには、電圧が検出される。この電
圧は、検知ゲートにさらされる赤外線放射の量に比例す
る。電位井戸を形成するため、検知ゲートの真下の基板
領域は、赤外線に対し光感度を持つ領域である。検知ゲ
ートは、そこを赤外線放射が通過しその下の光感度半導
体基板に達するような特性を持つように充分薄い層とし
て形成される。本実施例では、不透明ゲートが蓄積ゲー
トと呼ばれるにもかかわらず透明ゲート及び不透明ゲー
トを含むゲート全体の下の基板内に蓄積領域を形成す
る。不透明ゲート54の下の基板部分は、赤外線放射にさ
らされないが光感度領域で発生した電荷を蓄積するため
に使用される。
図で示す本実施例で使用される特定の基板材料はHgCdTe
であつて、HgCdTe基板には電圧が印加されると第2図に
示すような伝導帯と価電子帯のパターンが現われる。Hg
CdTeを使つてMIS装置を製造するには蓄積ゲートと検知
ゲートとの面積比を7対1にすると非常に有効であるこ
とがわかつている。このようにHgCdTeを使うMIS装置に
形成される電位井戸は、飽和することがないように充分
な大きさを持つにもかかわらずその他の問題が生じない
程度の規模で形成される。使用される基板,絶縁物,金
属の寸法に応じて、検知ゲートの面積の2倍、3倍10倍
それ以外の倍率の面積を持つ蓄積ゲートを使用すること
も当然可能である。蓄積領域は、集収する電荷を全て保
持できるような大きさを持たなくてはならない。蓄積領
域のサイズ及びこの領域との面積比は、使用される材料
放射時間、検知ゲート領域のサイズ及びその他の要素に
応じて変更される。蓄積領域のサイズ及び検知領域との
理想的面積比は応用例ごとに変更される。この装置は、
赤外線検知器として適当ないずれの超格子構造を持つ材
料によつても製造可能である。使用される材料のタイプ
によつて、蓄積ゲートの面積と検知ゲートの面積との間
の理想的比率は変更されることがある。
電荷を蓄積する領域は、放射時間全体を通して集収した
電荷又は、3ゲート構造を使用した場合、複数の検知領
域から転送される電荷を全て保持できる程度の大きさを
持つということが重要である。1つのゲートのみ持つ構
造では、電荷蓄積領域は、検知領域と蓄積ゲートの下の
領域とが結合して構成する。3ゲート構造では、電荷蓄
積領域は蓄積ゲートの下の基板領域のみに形成される。
能動領域、即ち薄い金属層の検知ゲート領域のサイズは
各応用例に基づき分解精度の要求、光学器の焦点距離及
びその他の要素によつて決定される。硫化亜鉛絶縁物層
を設けたHgCdTe基板を使用し、透明ゲートとしてニツケ
ルを使用し、蓄積ゲートとしてアルミニウムを使用する
場合、蓄積ゲートの面積が検知ゲートの面積の7倍の大
きさを持つようにすると特に有効であることがわかつて
いる。当然ながら、多数のその他の金属、絶縁物及び基
板材料がここで前に説明した通り使用可能であり本発明
に使用されうるこれらの材料についての特定の実施例
は、前に記載した。
このタイプの装置は、第5a図及び第5b図に示されてい
る。検知ゲート50は、黒い色の領域として見える。(図
には、そのように示してはいない。)検知ゲート50は、
非常に薄い金属層なので下の半導体基板がすけて見える
ため、ゲート50は黒い領域として見えるのである。リー
ド52は、不透明なゲートの第1の小さな部分でゲート領
域に接続されているのがわかる。これは、さらに透明ゲ
ート50に接続された後で大きな不透明ゲート部分54と接
続される。このゲート部分54が蓄積領域を規定してい
る。装置のアレイは第5b図に示され、それぞれ各個の装
置全体が示されている。各々の装置からのびるリード52
は、それぞれ適当な電極に接続される。基板は、各々の
ゲートの為の共通電極配線を持つ。54で示す蓄積ゲート
領域が図示されていて、本実施例では、蓄積領域が検知
ゲートの面積のほぼ7倍の大きさの面積を持つことが図
からわかる。蓄積領域の体積も同様に増加し、両ゲート
領域の下の電位井戸の深さは同一である。
第6図は、第3図の断面図で示す装置の他の実施例を示
す。この実施例では、検知ゲートは装置の中央に配置さ
れる。不透明ゲート54′はその下に形成される蓄積領域
54′を表わし、蓄積領域54′は検知ゲート52′の両側に
等間隔に位置されることは重要で注意を要する。
第6図、第5a図第5b図及び第3図に示す電極は、装置の
ゲートのいずれの部分にも接続可能である。ゲート全体
は、延在する各部全体で同一電位にある単一の金属スト
リツプで形成する。電極は第3図の透明ゲート50に接続
されるように図示されるが第5a図、第5b図、第6図の場
合では、ゲート全体のうち蓄積ゲート部分と接続してい
るように図示される。電極はゲート部分に好きなように
接続されゲート全体が同一電位に保たれるので電極は、
ゲートのどの部分にでも接続可能であることがわかる。
同様に、第6図に示す両側の蓄積ゲートに蓄積される電
荷は、単一の電極によつて検出される。この電極は一方
の蓄積ゲートにのみ接続される。第6図のアレイは、第
5a図、第5b図の場合より赤外線放射検知領域の配置密度
がはるかに向上しているのがわかるであろう。また各検
知ゲートに対応する蓄積ゲート同志が非常に接近して配
置され従来可能であつた集積度よりさらに高集積での装
置の搭載が可能となつたことも理解されよう。第5a図、
第5b図及び第6図は本発明の実施例を示す。
第3b図は本発明で使用されるタイミング表を示す。図か
らリセツトパルスが印加された後、わずかの期間の後に
注入パルス及びクランプパルスが印加される。サンプル
パルスは、印加されたリセツトパルスの直前のサンプル
を示す。第3b図に示すタイミング表は本発明に使用する
と有効であることがわかつている各々のパルス間の相関
関係をそれぞれ示す。実際のクロツクレート及びシーケ
ンスは、所望の応用例に応じていくらか変更可能である
ことはわかるであろう。
第3図第4図に示す装置は、当業者に周知の追加的制御
コンポーネントと接続されなくてはならない。これらの
制御コンポーネント及びその他のサポート用構成部は、
当業者に周知のものでありここで開示する本発明につい
ての応用も明らかであるため、図で示してはいない。例
えばD.C.電力供給部を接続しなくてはならない。必要な
リセツトパルス,クランプパルス,サンプルパルス,注
入パルス及び参照バイアス電圧を装置に提供する為の手
段も接続しなくてはならない。相関ダブルサンプリング
増幅器等の適当な検知回路がMISゲート上の電位の変化
を検出する為に必要になる。検知器を持つMIS装置につ
いては、よく知られる通り、装置は、低温にさらし冷や
さなくてはならない。8〜12ミクロンの波長に対するオ
ペレーシヨンではこの装置は、85゜より下の温度まで冷
却しなくてはならない。この文節であげられるサポート
構成部及び読出し可能な出力を持つ完全に動作可能な装
置に必要とされるその他のサポート構成部はこのような
装置を作る分野の当業者にとつて明らかである。
第4図は、本発明の第2実施例である。第4図の実施例
では、検知ゲート70は、蓄積ゲート72と物理的には、分
離している。転送ゲート74は、これら2つのゲートの間
に配置され、従つて第4図の装置は、3ゲート赤外線放
射検知器である。3ゲート構造の設計を用いると、多数
の利点がある。この構成によつて個々の検知ゲートの制
御が可能になる。さらにこれによつていずれの検知ゲー
トからも完全に独立して個々の蓄積ゲートを制御するこ
とができるようになる。転送ゲートもまた所望の時間に
独立して制御され望み通り同期させることができる。第
7図に示す通りいくつかの検知領域で生まれた電荷を単
一の蓄積領域内で蓄積することも可能である。これによ
つて個々の検知ゲートを異なる時間位相でオンにしてゆ
き、選択された検知器の検出が可能になる。もう1つの
重大な利点は、画像分解度が低くてもよい場合には、数
個の検知器が同時に読出されて非常に高い信号を提供す
ることができるということである。第4図に示す実施例
のまた他の長所としては、もし望ましい場合には、転送
ゲートを通して検知ゲートの多重化が可能になる点であ
る。この構成によつて単一蓄積領域によつて多重化され
る数個の検知ゲートのいずれか1つに蓄積される電荷が
蓄積可能になり、他の領域に蓄積される他の検知ゲート
の電荷又は数個の検知ゲートの組に蓄積される電荷は、
この蓄積領域では蓄積されない。他の利点は、第4図に
示す実施例は、検知ゲートに鋸歯状電圧の印加が可能な
点である。この特徴はこの中で説明したいくつかの応用
例でかなり有利である。
第4図に示すように検知ゲート電圧として鋸歯状電圧を
使用することは、このMIS装置の基板及び金属に関して
特に重要である。徐々に電位が増加する鋸歯状電圧が金
属ゲートに昨加される場合上記ゲートの真下の半導体基
板内で電位井戸が徐徐に深くなる。鋸歯状に電圧をす早
く増加すると、電位井戸を作るためにパルス電圧又は、
定常態でDC電圧を使つて従来可能だつた大きさよりはる
かに大きな電位井戸が形成可能になる。この場合パルス
電圧を半導体基板に印加する場合のようにあまり大きな
電位井戸を形成せず、むしろ電圧を徐々に上げて電位井
戸を徐々に大きくするようにしなくてはならない。鋸歯
状電圧印加の最初の部分では、非常に浅い電位井戸が形
成され、鋸歯状電圧が増加すると電位井戸の深さが徐々
に増加するので体積も増加する。この技術を使うと電子
のトンネル効果のために電位井戸が破壊されることなく
ずつと高い電圧を半導体基板に与えることができる。
鋸歯状電圧の傾斜を特定の場合にあわせて適当に選択す
れば電圧をあげても電子のトンネル効果の発生を減らす
ことができることがわかつている。鋸歯状電圧の傾斜
は、赤外線放射の検出が有効に行われるようにフオトン
の発生レートによつて決まる閾値量より大きな増加を示
さなくてはならない。半導体基板が赤外線放射にさらさ
れると、フオトンの吸収により電位井戸に電荷が集束し
始める。電位井戸が飽和しないように電位井戸は、赤外
線放射によつて生じる電荷で電位井戸が満たされる速度
より速い速度で深さを深くしてゆかなければならない。
鋸歯状電圧の傾斜は、たとえ放射継続時間の期間中、最
大強度の光束にさらされた場合においてもいつ何時も検
知ゲート下の電位井戸が飽和してしまうことのないよう
に急勾配であることが重要である。鋸歯状電圧の周波数
は、放射継続時間及び電荷集収する所定の時間に従つて
調整される。この中で特定した材料であるHgCdTe基板で
使用される典形的ランプ電圧は100kv/秒で印加され有
効周波数は、100kHzのレンジである。
ランプ電圧についての特に詳しい説明は、「ランプゲー
ト電圧を使う降伏制限金属絶縁物半導体HgCdTe装置での
電荷容量の増加」という輪文に記述される。3ゲートMI
S検知器のタイミング表は、第4b図に示す。ランプ電圧
を検知ゲートに印加しかつ時間インパルスを転送ゲート
に印加する為のシーケンスが図示される。また、リセツ
トパルス クランプパルス サンプルパルス及び入力パ
ルスも示されている。これらのパルスは、実現可能な実
施例の一例であつて、3ゲート装置で使用される他の実
現可能なシーケンスを排斥するものではない。3ゲート
装置は、所望の応用例に応じて異なるタイミング位相を
使用することができるので特に有利である。
第4a図に示す装置は、別個の蓄積ゲートを持つ。蓄積ゲ
ートは、読出しゲート72とも呼ばれる。放射時間を通し
て検知ゲート70の下の基板内に集収したある量の電荷
は、蓄積領域72に転送されここで読出される。3ゲート
形の設計を用いると蓄積領域76も読出し領域ゲート76と
して使用されるので特に有効である。第3図で示すよう
な装置の設計では、蓄積ゲートと検知ゲートは、全体と
して単一の金属層として形成されお互いに直接接続され
ている必要があつたので蓄積ゲートは検知ゲートと同一
電位であつた。検知ゲートにパルス電圧が印加されてか
ら電圧がとり除かれるのでゲート全体の電位は、半導体
基板がさらされる赤外線放射によつて発生され集収する
電荷に従つて浮動する。第3図の装置ではより大きな電
位井戸を形成する為に、検知ゲートにランプ電圧を印加
した場合、ゲート電圧は浮動することがないのでこの装
置でランプ電圧を使用することはできない。
第4図に示す設計では、検知ゲートの電位は転送ゲート
及び蓄積ゲートの電位に影響をうけない。装置に望まれ
る特性に応じて検知ゲート又は蓄積ゲートに独立にパル
ス電圧又はランプ電圧が印加される。ランプ電圧が検知
ゲートに印加され前記の通り電位井戸を大きくしてい
き、次に放射継続時間を通して集収した電荷が蓄積ゲー
ト即ち読出しゲートに転送される。半導体基板にさらさ
らた赤外線放射量を示す正孔によつて読出しゲートの電
位は浮動するようになる。一定体積の電位井戸を持つよ
うにしたい場合検知ゲートには一定に保たれて電圧が印
加される。あるいは、放射継続時間の長短、その他の検
出される赤外線放射に関する物理的特性や特定の応用に
応じてパルス電圧又は、ランプ電圧が与えられる。蓄積
ゲートの電位は、常に独立して浮動しているか又は所望
の特性の電位井戸を形成するため、異なる位相で、パル
ス電圧が蓄積ゲートに印加されている。このことは、MI
S装置を赤外線検知器として使用する上で非常に有効で
あり第4図の装置構造の重要な特徴である。
検知ゲートの厚さは、30から100Åの範囲で設定され
る。蓄積ゲート及び転送ゲートの厚さは、300から200Å
の範囲を持つように形成する。検知ゲートの下の絶縁物
層の厚さは800から2000Åの範囲を持つように形成す
る。
第4図の装置は、所望の電位電圧を検知ゲート70に印加
し、電位井戸78を形成する一方同時に赤外線放射源に半
導体基板80をさらすことによつて動作している。転送ゲ
ートにはバイアスがかけられ、検知ゲートが飽和する前
に検知ゲートから蓄積ゲートに電荷を転送させている。
この動作は、放射時間の終わり又は、放射時間中の所定
時間におこるように調整されている。転送ゲートは金属
層にパルス電圧を印加することによつて動作する。パル
ス電圧を加えられると検知ゲートの間の基板内には、電
位井戸が形成される。転送ゲートは、いずれの、蓄積ゲ
ート及び検知ゲートからも物理的に分離独立しているが
半導体基板を介してある面積において真下の他の2つの
ゲートと重なつている。これによつて自由正孔は、検知
ゲートから半導体表面に沿つて蓄積ゲートまで移動する
ことができるようになる。蓄積ゲートは、表面付近でこ
の自由正孔を蓄積する。正孔は自由に移動してゆき検知
ゲートの電位が瞬間的に下がると、蓄積ゲートの方へと
押し出される。次に転送動作が完了すると転送ゲートの
電圧を下げこれ以上電荷が検知ゲートから蓄積ゲートに
移動しないようにする。半導体基板電圧に対する蓄積ゲ
ートの電圧は、この時に読出し可能となり所定時間の期
間中に半導体基板がさらされた赤外線放射の量を決定す
ることができる。この検出動作では、蓄積ゲートは、他
の2つのゲートと独立して読出しゲートとして働く。読
出しゲート72は電荷を蓄積し、電圧の読出しをおこなう
一方、検知ゲートは、赤外線放射検出の為の次のサイク
ルを開始する動作が可能である。これは、第3図に示す
装置ではなかつた追加の長所である。
第7図は、3ゲート型装置の設計の実施例を示す平面図
である。第7図に示す実施例は、3対1のマルチプレク
サである。3つの検知器からのバス82,84,86は、異なる
タイミング位相で且つ異なるパルスレートでパルスが印
加され電荷が蓄積領域に蓄積される。各々の検知器から
のバスを1つにして同一位相でパルスを印加し、いつし
よに蓄積領域内で保持することもできる。第7図に示す
通り蓄積ゲート即ち読出しゲート72が3つの検知ゲート
のいずれか1つから電荷を受け入れるような構成になつ
ている。ある応用例では、3つ以上多くの検知ゲートを
1つの蓄積ゲートに接続し多重化する構成に適している
ことはわかるであろう。また応用例の要望にあわせて1
つの検知領域に対し一つの蓄積ゲート領域を接続する構
成にするにも適している。
3ゲート形の設計に関する特に重要な長所としては、複
数の検知ゲートから与えられる自由正孔が転送ゲートに
よつて共通の蓄積領域に転送可能になつた結果検知ゲー
トの多重化が可能になつたことである。記憶ゲート領域
の面積は好きなだけ増やし、電圧の読出しを行い赤外線
放射の量を決定する以前の段階で所望の数の検知ゲート
を多重化する。この長所は、電圧の読出し工程の前に多
数の転送ゲートを使つて行うマルチプレクス機能を通し
て実現される。また、この長所は必要とされる増幅回路
と相互接続の数を減らすことができるのでMIS装置赤外
線放射検知器の大規模アレイに応用すると有効である。
分解度は低くてもよい時は、大きな信号が必要なら数個
の検知器を同時に読出し非常に高い電圧信号を提供する
こともできる。
本発明は、この中で多数の実施例に関して説明してき
た。各々の実施例は、本発明を明らかにしているが第2
図から第7図に示す設計が与えられた通常の当業者であ
れば明らかであるように他の改変変更もこの添附特許請
求の範囲より明らかになる本発明の趣旨内で可能である
ことは、理解されよう。例えばこれら発明の趣旨は2ゲ
ート形装置の設計にも応用可能である。2ゲート形装置
の設計では、蓄積ゲートは、検知ゲートと重なるように
配置し、かつ検知ゲートの上に形成するので蓄積ゲート
は物理的に検知ゲートと接続されることはなくお互いに
絶縁されていない。蓄積ゲートと基板との間の距離をあ
まりとらずに電位井戸の形成を防ぐ。これによつて検知
ゲートと蓄積ゲートの間を分離し、蓄積ゲートが、転送
バイアスを提供し検知ゲートから蓄積ゲートに電荷を転
送する。この蓄積ゲートで電荷が蓄積され読出される。
本発明の他の応用例としては、シリコン基板に関するも
のである。この応用では、MIS装置の形式が使用されな
い。絶縁物層を間に介さず金属層を使つてシリコン基板
内に電位井戸を形成すること及びこの装置を赤外線放射
検知器として使用することは知られている。このタイプ
の装置は通常、金属ゲートを通してくる光よりむしろ裏
側からくる赤外線放射を受けとる。金属ゲートは基板に
バイアスをかけ電位井戸を形成する。このタイプの装置
では、電荷を蓄積するためにシヨツトキー障壁を容量素
子の一部として使つて電荷を蓄積しており絶縁物は使用
しない。望ましければこのタイプの装置で絶縁物層を使
わずに本発明を実施することも可能でる。
<効果> 本発明に従えば、MIS装置を検知器としても、充分な大
きさの電位井戸が提供されるので放射時間を通して強度
の高い赤外線放射に装置がさらされても飽和することが
ない。
従つて従来技術の問題点を解決し、改良した特徴を持つ
赤外線検知器をMIS形装置で提供することができた。さ
らにMIS装置による赤外線放射を検出する新規な方法を
提供し、第2実施例の長所として電位井戸に発生する電
荷を蓄積ゲートに転送する手段を提供し、種々の長所を
提供するものである。
これまでに記載してきた実施例、変形は本発明の趣旨内
にあることは理解されよう。本発明はここに記載した特
定の実施例のみをカバーしようとするものではなく、本
明細書の記載から当業者に明らかである本発明の実施例
変形は全て添附特許請求の範囲に含まれることは明らか
でる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、従来のMIS装置の断面図である。 第2図は、本発明のオペレーシヨンに従うMISゲート装
置のフエミル準位に関する伝導帯及び価電子帯を示す図
である。 第3a図は本発明の第1実施例の断面図である。 第4a図は、本発明の第2実施例の断面図である。 第3b図及び第4b図は、それぞれ第3a図及び第4a図に示す
実施例のタイミングチヤートである。 第5a図及び第5b図が本発明の実施例の1つの平面図であ
る。 第6図は、本発明の他の実施例の平面図である。 第7図は、本発明の上記第2実施例の平面図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 チヤールズ ジー.ロバーツ アメリカ合衆国テキサス州マツキニイ,ル ート6 ボツクス 80 (56)参考文献 特開 昭58−12362(JP,A) 特開 昭56−68071(JP,A) 特開 昭57−204684(JP,A) 特開 昭53−45119(JP,A)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a) 半導体基板と、 (b) 上記半導体基板上の絶縁層と、 (c) 赤外線検知領域と、この領域に連続する追加領
    域とを含む電荷蓄積領域を形成する上記絶縁層上のゲー
    トと、 (d) 上記ゲートの電圧を測定することにより上記電
    荷蓄積領域に蓄積される電荷の量を調べる手段と を含む赤外線放射検知装置。
  2. 【請求項2】(a) 半導体基板と、 (b) 上記半導体基板上の絶縁層と、 (c) 赤外線検知領域を形成する検知ゲートと、 (d) 所定の放射継続時間中に発生される所定量の電
    荷を保持する為に充分な赤外線検知領域に対する面積比
    を有する電荷蓄積領域を形成する蓄積ゲートと、 (e) 上記赤外線検知領域から上記電荷蓄積領域へ電
    荷を転送する手段と、 (f) 上記電荷蓄積領域を形成する蓄積ゲートの電圧
    を測定することにより上記電荷蓄積領域に蓄積される電
    荷の量を調べる手段と を含む赤外線放射検知装置。
JP59206964A 1983-10-03 1984-10-02 電荷蓄積領域を有する赤外線放射検知装置 Expired - Fee Related JPH0669087B2 (ja)

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DE2943143A1 (de) * 1979-10-25 1981-05-07 Siemens AG, 1000 Berlin und 8000 München Infrarotempfindler x-y-ccd-sensor und verfahren zu seiner herstellung
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