JPH0668609B2 - Ｘ線フイルムカセツテオ−プナ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の利用分野〕 本発明はＸ線フイルムカセツテの蓋を自動的に開放し
て、撮影済のＸ線フイルムを取り出したり、未使用のＸ
線フイルムを装填するためのＸ線フイルムカセツテオー
プナに関する。

〔背景技術〕

Ｘ線フイルムカセツテへＸ線フイルムを自動装填する場
合、及び撮影済みのＸ線フイルムをＸ線フイルムカセツ
テから自動的に取出す場合にはこのカセツテをＸ線フイ
ルム装填・取出し装置へ送り込み、外光を遮断した状態
でカセツテの蓋が開放される。

この装填・取出し装置では、ピンがカセツテの蓋係止部
材を押圧し、蓋係止部材による蓋係止を解除して蓋の開
放を可能とする開蓋機構が設けられており、自動的にカ
セツテの開蓋がなされるようになつている。

ところが、Ｘ線フイルムカセツテは使用されるＸ線フイ
ルムの大きさに応じて複数種類のサイズが用意されてい
る。このためオープナでは、これらの異るサイズのカセ
ツテが挿入された場合にも、確実に開蓋した後に蓋を開
放してＸ線フイルムの出し入れを行う必要がある。これ
を確実にするため、従来は操作員があらかじめ定められ
た位置へカセツテを挿入するようになつており、カセツ
テ挿入位置がずれると、開蓋動作、Ｘ線フイルムの確実
な装填及び取出しが妨げられる原因となる。

〔発明の目的〕

本発明は上記事実を考慮し、Ｘ線フイルムカセツテのサ
イズに拘らず、挿入位置が限定されることのないＸ線フ
イルムカセツテオープナを得ることが目的である。

〔発明の概要〕

本発明はＸ線フイルムカセツテの側縁に当接してカセツ
テを側縁延長方向に搬送する複数の基準ローラと、Ｘ線
フイルムカセツテの他の側縁に当接してカセツテを側縁
延長方向に搬送すると共に前記基準ローラと接離可能な
複数の移動ローラと、この移動案内手段を基準ローラへ
と接近させて両ローラ間にＸ線フイルムカセツテを挾持
させるベルト駆動手段と、前記搬送されたＸ線フイルム
カセツテの側縁に対応しカセツテ内へ押込まれることに
より開蓋動作を行うブツシヤーと、前記ブツシヤーによ
り開蓋されたＸ線カセツテが前記両ローラにより蓋開放
位置に搬送された後蓋を開放するアームと、を有するこ
とを特徴としている。

本発明では、任意位置へのカセツテ挿入で、基準ローラ
と移動ローラとでカセツテが挾持され、位置決めされる
と共にローラで駆動され、プツシヤーにより開蓋され
る。開蓋されたカセツテは再び基準ローラと移動ローラ
とで蓋開放位置へと移動しアームによって蓋が開放され
る。

〔発明の実施例〕

第１図には本実施例に用いるＸ線フイルムカセツテ10が
示されている。このカセツテ10は本体12と、この本体12
へ一端が軸支された蓋14とを有しており、内部にＸ線フ
イルム15が装填された後に蓋14が閉止される。この蓋14
には一対のラツチ16がスライド可能に取付けられてお
り、圧縮コイルばね（図示省略）によつて蓋14から突出
する方向に付勢されている。このためこのラツチ16は、
蓋閉止状態では、本体12の周囲から立設される側壁20の
内側段部20Aへ係合されており、これによつて不用意な
蓋開放が阻止されている。この側壁20には貫通して本体
12の前方縁24へ開口した挿入孔22が設けられており、ラ
ツチ16の先端が前方縁24から若干量入り込んだ位置すな
わち内側段部20Aに係合する位置に停止している。

この挿入孔22は側壁20の高さの中間点からずれた位置に
設けられており、この実施例では中間点よりも上端面に
近い位置に開口している。従つてカセツテ10が裏返しの
状態でガイド28上にあれば、挿入孔22は側壁20の高さの
中間点よりも下端面寄り（ガイド28寄り）に配置される
ことになる。

なおこのラツチ16の一部に蓋14の上面に突出した操作部
29となつており、作業員がこの操作部29を圧縮コイルば
ねの付勢力に抗して移動させれば、ラツチ16が側壁20の
内側段部20Aから外れ、蓋14を開放できる。また、本体1
2の側壁20には全周にわたつて略半円状の溝30が形成さ
れて案内手段の当接用となつている。

第２図には基台32上へ搭載されたガイド28を含んだカセ
ツテオープナの平面図が示されている。この場合32の手
前側はカセツテ10の挿入口とされており、カセツテ10が
矢印Ａ方向に挿入される。

基台32の片側にはブラケツト34が固着されており、この
ブラケツト34へ３本の垂直軸36が立設されており、それ
ぞれ基準案内手段としてのローラ38（38A〜38C）が軸支
され、カセツテ10の一方の側縁の溝30へ当接するように
なつている。また垂直軸36は図示しないモータにより駆
動可能となつている。

一方、基台32の他の片側にはブラケツト40が配置されて
おり、一対のガイドバー42に案内されている。これらの
ガイドバー42はローラ38の接離方向に長手方向とされて
いる。ブラケツト40には３本の垂直軸44が立設され、そ
れぞれローラ46（46A〜46C）が固着されている。これら
のローラ46はローラ38に対応しており、ブラケツト40と
共にローラ38へ接離できるようになつている。

基台32には一対のスプロケツト48が軸支され、タイミン
グチエン50が巻掛けられている。このタイミングチエン
50の一部は係止ブロツク52を介してブラケツト40へ係止
されている。一方のスプロケツト48へ固着された歯車54
はモータ56の出力軸へ固着されたウオーム歯車58とかみ
合つてモータ56の駆動力を受けている。従つてモータ56
の回転でブラケツト40がブラケツト34と接離するように
なつている。

第３図に示される如く、垂直軸44は上端部及び下端部付
近にプーリ60が軸支されており、これらのプーリ60の外
周溝へ引張コイルばね62の中間部が巻掛けられている。
これらの引張コイルばね62の両端部はブラケツト40へ螺
合されたビス64へ係止されている。従つて引張コイルば
ね62は軸線がＵ字状となつており、垂直軸44をその軸心
を垂直に維持しながらローラ38から離間する方向へ若干
量だけ移動可能としている。この移動は第３図に示され
るリミツトスイツチ66で検出される。

なお、この垂直軸44の移動量を規制するために、ブラケ
ツト40には長孔68が形成されており、垂直軸44をブラケ
ツト40へ軸支する軸受70はこの長孔68に沿つて移動可能
となつている。

また垂直軸44の下端部へ固着された歯車72は、モータ
（図示省略）の出力軸へ固着された歯車74とかみ合つ
て、ローラ46へ駆動力を与える構成である。

基台32にはガイド28の前端部に対応して、カセツテ10が
直上に至つたことを検出するための近接スイツチ等より
なる検出スイツチ76A,76B,76C,76D,76Eがローラ38側か
らローラ46側へ向けて所定間隔で配置されている。これ
らの検出スイツチ76A〜76Eはカセツテオープナへカセツ
テ10が挿入された状態及びカセツテ10の幅寸法を検出す
るためのものである。

検出スイツチ76Aの後方で最前列のローラ38A付近には、
カセツテ10の前方縁24がローラ38Aに当接するまで矢印
Ａ方向へ挿入されている状態を検出する検出スイツチ78
Aがガイド28へ取りつけられている。

またローラ38Cの近傍及びローラ38B,38C間には検出スイ
ツチ78B,78Cがそれぞれガイド28へ取りつけられてお
り、カセツテ10の前方縁24をこれらのスイツチの検出位
置で停止させてＸ線フイルム15の装填位置及び取り出し
位置とするようになつている。

ガイド28の後端には第４図にも示されるストツパ80が立
設され、カセツテ10の前方縁の当接用とされ、カセツテ
オープナへのカセツテ挿入量を規制するようになつてい
る。このガイド28の後端に対応して検出スイツチ78Dが
設けられ、カセツテ10のストッパ80への当接状態を検出
できるようになつている。このストツパ80へカセツテ前
方縁が当接した状態で、カセツテ10の後方縁位置を検出
し、同一幅寸法であるが長さの異る２種類のカセツテ
（一例として幅寸法40cm、長さ寸法30cmと幅寸法40cm、
長さ寸法20cmの２種類のカセツテ）を検出できるように
検出スイツチ78Eがガイド28へ取りつけられている。

検出スイツチ78Cの近傍にはカセツテの裏面形状の相違
（一例として裏面の凹凸の有無）を検出して異種のカセ
ツテを判別する検出スイツチ82がガイド28へ取りつけら
れている。

ストツパ80の後方には一対のプツシヤ84が配置され、図
示しない駆動装置の駆動力を受けてカセツテ10へと接近
し、ピン86がカセツテ10の挿入孔22へ挿入されてラツチ
16を押圧し、開蓋動作を行うようになつている。この開
蓋時の反力を受け止めるために、ガイド28上には複数の
ストツパ（図示省略）が突出する構成である。

これらのプツシヤ84に隣接して、ロツカアーム88が基台
32へ軸支されており、図示しない駆動装置の駆動力を受
け、先端部のローラ90がカセツテの蓋14を押圧し、閉蓋
動作を行うようになつている。

第４図に示される如く、挿入されたカセツテ10の上方に
は蓋開放用のアーム92が配置され、ブラケツト94で基台
32へ軸支されている。このアーム92は先端部に吸盤96を
有し、負圧源からの負圧で蓋14を吸着し、アーム92の回
動で蓋14を開放できる構成である。

また、ストツパ80の上方にはフイルム取出しアーム98が
軸100で軸支され、先端部から垂下される吸盤102が負圧
源からの負圧でカセツテ内の撮影済Ｘ線フイルム15を吸
着し、一対の搬送ローラ104へと案内するようになつて
いる。搬送ローラ104から送られるＸ線フイルム15は図
示しない現像装置へと送られる。

この取出しアーム98の下方には、一対のフイードローラ
106が配置されており、図示しないマガジンから未使用
のＸ線フイルム15をカセツテ本体12内へ送り出すように
なつている。

次に本実施例の作用を説明する。

カセツテ10は第２図に示される如く、矢印Ａ方向にカセ
ツテオープナへ挿入される。操作員は、ローラ38,46間
の任意の位置へカセツテ10を挿入できる。

カセツテ10の挿入により、検出スイツチ76A〜76Eのいず
れかが、カセツテ10の挿入を検出し、モータ56を駆動し
てブラケツト40をローラ38方向へと駆動する。これによ
りローラ46はカセツテ10の一方の側縁に当接し、他方を
ローラ38へ押圧し、ローラ38,44間にカセツテ10を挾持
する。この移動の途中でカセツテ10の側縁が検出スイツ
チ78Aを作動させると、その後モータ56は制御装置から
の所定数のパルスに相当するだけ回転して停止する。こ
のようにカセツテ10がローラ38,46で挾持された状態
で、検出スイツチ76A〜76Eの検出状態によりカセツテ10
のサイズが検出される。

ローラ46Aのブラケツト40に対する移動を検出するリミ
ツトスイツチ66は、カセツテ10が挿入方向を間違えて挿
入された場合（例えばカセツテ10の側縁から挿入される
横向き位置で挿入された場合）にローラ46Aが引張コイ
ルばね62を所定の範囲を越えて伸長して移動するので、
誤挿入を検出できる。

なお、ローラ38,44はカセツテ10の側縁溝30へ入り込ん
でカセツテ10を挾持するので、カセツテ10はガイド28か
ら若干量浮上される。

その後、ローラ38A〜38X,46A〜46Cが図示しないモータ
の回転力を受けて矢印Ａ方向にさらにカセツテ10を移動
し、前方縁24をストツパ80へ当接させる。ここで、プツ
シヤ84が駆動され、ピン86はラツチ16を押圧して開蓋動
作を行う。この開蓋動作は、既にカセツテ10が基準案内
手段であるローラ38へ当接して位置決めされているた
め、正確になされる。

カセツテ10が誤操作による、横向き位置で挿入されて、
かつ前記リミツトスイツチ66の検出が不可能な場合に
も、ピン86がカセツテ10の挿入孔22へ挿入されないの
で、リミツトスイツチ66の作動により誤操作であること
が容易に検出される。

カセツテ10の蓋14のラツチ16が内側段部20Aから外れた
後は、ローラ38,46の駆動で、カセツテ10は検出スイツ
チ78C位置まで入口方向へ戻される。この位置で第４図
に示される如く、吸盤96が蓋14を開放し、吸盤102が取
出しアーム98の回動で降下し吸盤102はカセツテ10内の
フイルム15を吸着する。この吸着後に、取出しアーム98
は吸盤102を持上げ、フイルム15の先端を搬送ローラ104
間へ挿入する。この搬送ローラ104の回転で、撮影後の
Ｘ線フイルム15は現像装置へと送り込まれる。

ここで、カセツテ10は、検出スイツチ78Bの検出状態
（第４図一点鎖線位置）まで、ローラ38,46の回転で再
び挿入される。ここでフイードローラ106間から新規の
Ｘ線フイルム15がカセツテ本体12内へ装填される。この
装填後はカセツテ10が再び、検出スイツチ78Cの検出状
態まで戻される。

ここで、吸盤96で吸着されている蓋14の吸着を解き、再
び検出スイツチ78Dの位置まで挿入する。しかる後ロツ
カアーム88が回転して、蓋14が閉止され、ラツチ16は内
側段部20Aへ係合する。この蓋閉止動作が終了すると、
カセツテ10は矢印Ａ方向と逆方向へローラ38及びローラ
46の駆動により送り出される。

従つて操作員は、新規の未使用フイルムが装填された後
のカセツテをオープナから受け取ることができる。

〔発明の効果〕

本発明は上記の構成としたので、Ｘ線フイルムカセツテ
の挿入位置を限定する必要がなくなる優れた効果を有す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例に用いるＸ線フイルムカセツテ
の斜視図、第２図は基台及びガイドの平面図、第３図は
第２図III線矢視図に相当する斜視図、第４図はカセツ
テの蓋開放状態を示す側面図である。 10……カセツテ、12……本体、15……Ｘ線フイルム、3
8,46……ローラ、50……タイミングチエン、56……モー
タ、76,78……検出スイツチ。

フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭50−157087（ＪＰ，Ａ) 特開 昭51−113485（ＪＰ，Ａ) 実開 昭55−144346（ＪＰ，Ｕ)

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】Ｘ線フイルムカセツテの側縁に当接してカ
   セツテを側縁延長方向に搬送する複数の基準ローラと、
   Ｘ線フイルムカセツテの他の側縁に当接してカセツテを
   側縁延長方向に搬送すると共に前記基準ローラと接離可
   能な複数の移動ローラと、この移動案内手段を基準ロー
   ラへと接近させて両ローラ間にＸ線フイルムカセツテを
   挾持させるベルト駆動手段と、前記搬送されたＸ線フイ
   ルムカセツテの側縁に対応しカセツテ内へ押込まれるこ
   とにより開蓋動作を行うプツシヤーと、前記プツシヤー
   により開蓋されたＸ線カセツテが前記両ローラにより蓋
   開放位置に搬送された後蓋を開放するアームと、を有す
   ることを特徴としたＸ線フイルムカセツテオープナ。