JPH0667769U - 収納箱のダンパー装置の構造 - Google Patents

収納箱のダンパー装置の構造

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JPH0667769U
JPH0667769U JP1312293U JP1312293U JPH0667769U JP H0667769 U JPH0667769 U JP H0667769U JP 1312293 U JP1312293 U JP 1312293U JP 1312293 U JP1312293 U JP 1312293U JP H0667769 U JPH0667769 U JP H0667769U
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浩 前田
精一 佐藤
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加藤発条株式会社
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(57)【要約】 【目的】従来のダンパー装置の問題点を有効に解決しう
る収納箱のダンパー装置の構造を提供すること。 【構成】ピストン作動部と、ダンパー部とを備えた収納
箱のダンパー装置1であって、前記ピストン作動部で
は、シリンダー2内に、Oリング25等のシール部材を
介してシリンダー2の内壁面に内接し摺動自在に作動す
るピストン3が配設され、前記シリンダー2先端に配設
されたキャップ7には、曲面状のガイド面8が形成され
ており、前記ピストン3と前記キャップ7間の第1空間
部11にスプリング12を配設し、前記ピストン3に一
端が連結された線条材6を前記ガイド面8を介して沿設
し、前記ダンパー装置1を前記収納箱30の所定位置に
固定するとともに、前記線条材6の他端を前記ダンパー
装置1の取付位置と対向する前記収納箱30の周辺部材
31に連結してなるダンパー装置1の構造において、当
該ダンパー装置1の前記シリンダー2が前記収納箱30
とあらかじめ一体成形されていることを特徴としてい
る。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、車両のインストルメントパネルに配設されるグローブボックス等の 収納箱に設けられるダンパー装置の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
グローブボックス等の収納箱には、該収納箱が急激に開いたり、不快な衝撃音 が発生するのを防止するために、緩衝作用を行うダンパー装置が設けられること が多い。 このようなダンパー装置としては、実開昭63−1986752号公報及び実 開平2−147350号公報において開示されたものなどがある。
【0003】
【考案が解決しょうとする課題】
しかしながら、これらの従来例では、ダンパー装置のシリンダー部は収納箱と は別体のものとして、あらかじめ製作されているため、コスト的に高価となりが ちであった。 また、ダンパー装置のシリンダー部が別体であるため、当該シリンダー部を収 納箱に取付ける作業が必要となり、従来は図11に示すようにダンパー装置のシ リンダー部101をねじ102や他の適宜クリップ等で収納箱103に固定して いたが、取付け作業の分だけ工程数が増加する不具合があり、図11に示すよう にシリンダー部101と収納箱103との間のスペースS1も大きくなってしま っていた。
【0004】 さらに、上記両従来例では、ダンパー装置のピストンロッドにひも等の線条体 の一端を固定し、ピストンロッドと反対側の端末固定部に線条体の他端を固定す るようにしているが、この線条体の中間部には、線条体の配設方向を変えるため のガイドローラ等のガイド部材が必要となっている。 このようにガイド部材自体が余分に必要である他、このガイド部材を所定位置 に取り付けるためのスクリューボルトやナット等の固定部品が別個に必要となる 。
【0005】 また、ピストンロッドとガイド部材とが干渉しないためには、それなりの相当 なスペースが必要となる。 よって、前記固定部品や干渉防止スペースを確保するために、グローブボック ス等の収納箱の容量スペースがその分だけ削られて小さくなってしまうという問 題があった。
【0006】 さらに、上記ガイド部材やその固定部品の取付のために、車両組立時あるいは ダンパー装置の組立時に余分な取付工数が必要になるという不具合があった。 しかして、本考案はかかる従来のダンパー装置の問題点を有効に解決しうるグ ローブボックス等の収納箱のダンパー装置の構造を提供することを目的とするも のである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本考案においては、ピストン作動部と、ダンパー部 とを備えた収納箱のダンパー装置であって、前記ピストン作動部では、シリンダ ー内に、Oリング等のシール部材を介してシリンダーの内壁面に内接し摺動自在 に作動するピストンが配設され、前記シリンダー先端に配設されたキャップには 、曲面状のガイド面が形成されており、前記ピストンと前記キャップ間の第1空 間部にスプリングを配設し、前記ピストンに一端が連結された線条材を前記ガイ ド面を介して沿設し、前記ダンパー装置を前記収納箱の所定位置に固定するとと もに、前記線条材の他端を前記収納箱の周辺部材に連結してなるダンパー装置の 構造において、当該ダンパー装置の前記シリンダーが前記収納箱とあらかじめ一 体成形されていることを特徴とするものである。
【0008】
【実施例】
以下、本考案に係る収納箱のダンパー装置の好適な実施例につき図面に基いて 詳細に説明する。 図1乃至図6は本考案の一実施例を示すものであり、本実施例にかかるダンパ ー装置1は、グローブボックス30の背面位置で当該グローブボックス30に一 体に固定されている。
【0009】 本実施例のダンパー装置1は、ピストン作動部と、ダンパー部とからなるが、 図2及び図3において図示される様に、前記ピストン作動部においては、シリン ダー2が前記グローブボックス30と同一素材により、あらかじめ一体成形され ていることを最大の特徴としている。 即ち、シリンダー2のみはグローブボックス30と、あらかじめ工場にて一体 成形され、ダンパー装置1のピストン作動部の他の構成部品と、ダンパー部の構 成部品とが、シリンダー2に後から組み付けられているものである。
【0010】 図6等に示すようにシリンダー2内には、Oリング25等のシール部材を介し てシリンダー2の内壁面に内接し摺動自在に作動するピストン3が配設されてい る。 また、ピストン3には補助部材5が取付けられており、この補助部材5にひも 等の線条材6の一端が固定されている。 前記シリンダー2の先端にはキャップ7が配設されており、このキャップ7に は、曲面状のガイド面8が形成されている。 なお、キャップ7は図4のB−B断面図である図5に示すように、シリンダー 2の先端部に形成された一対の係止孔4キャップ7の係止部10が嵌合して係止 されている。
【0011】 前記ピストン3の補助部材5に一端が連結された線条材6は、ガイド面8を介 してダンパー装置1の外部側に方向を変えて沿設され、線条材6の他端は、図1 及び図2に示すようにグローブボックス30の背面に対向する位置のインストル メントパネル31等の周辺部材に連結されている。 なお、線条材6の他端は、図示しない適宜な連結部材を介してインストルメン トパネル31に固定してもよく、また、条件によっては連結部材を省略して、線 条材6を直接インストルメントパネル31に連結することもできる。
【0012】 図2に示すように前記ピストン3と前記キャップ7間の第1空間部11には圧 縮スプリング12が配設されている。 シリンダー2の他方端には、図6に示すように中央部に空気の流通孔13を穿 設した後壁14が形成されており、図3に示すようにピストン3が先端方向に移 動すると、シリンダー2内にピストン3と後壁14とにより第2空間部19が画 成されるようになっている。
【0013】 前記ダンパー部は、本実施例では、オリフィス15とワンウェイ方式のバルブ 16とで構成されている。 オリフィス15は、ピストン3の後壁14側の中心部に、流通孔13に対向し て形成されている。 また、バルブ16は、後壁14の外側部に形成された外周面が円筒状の第1部 材17と、この第1部材17に嵌着された第2部材18とで画成された空間部に 、前記流通孔13を閉塞可能な態様で配設されている。本実施例ではバルブ16 はゴムシートで成形されている。
【0014】 なお、バルブ16とその周囲の第1部材17及び第2部材18との間には、若 干のクリアランスがあり、また、第1部材17と第2部材18との接合部にも若 干の空隙部20が形成されており、この空隙部20に連通して第2部材18には 空気孔21が形成されている。
【0015】 このような構成からなる本実施例においては、グローブボックス30が閉止状 態にあるとき、図示しないプッシュボタン式もしくはプルハンドル式のロックを 解除すると、グローブボックス30は、ヒンジ32を回転中心として、その自重 により開方向への回転モ−メントが働くため、線条材6が引張られ、ピストン3 はスプリング12の付勢力に抗して、開方向(図2において右方向)に移動して ゆき、線条材6はガイド面8を介して徐々に引き出されてゆき、グローブボック ス30が開き始める。
【0016】 この開動作の際は、グローブボックス30は、ダンパー装置1のオリフィス1 5による通常の緩衝作用を受けつつ、円滑に開方向に開いてゆき、ピストン3は 線条材6に引っ張られて、図3に示す開放状態の位置まで移動してゆくものであ る。 この際、第2空間部19内が負圧状態となるため、バルブ16は流通孔13を 閉塞して外部からの空気の流入は無い。
【0017】 また、閉止動作においては、スプリング12の付勢力により上記したと逆方向 にピストン3が移動してゆき、これに伴い線条材6もシリンダー2内に引き込ま れてゆき、図2に示す閉止状態位置でグローブボックス30がロックされること となる。 この際、流通孔13を介してバルブ16が押圧され、第2空間部19内の空気 は、バルブ16とその周囲の第1部材17及び第2部材18との間のクリアラン スから空隙部20を通り、この空隙部20に連通した第2部材18の空気孔21 から外部に排出されるため、閉止動作は空気抵抗を余り受けずに、円滑かつ迅速 に行うことができる。
【0018】 このように、本実施例では、シリンダー2が前記グローブボックス30と、あ らかじめ一体成形されているため、従来の如くシリンダー2を別体として製作す る必要がなくなり、コスト的に安価となる。 また、シリンダー2が一体であるため、当該シリンダー2をグローブボックス 30に取付ける作業が不要となり、省力化が可能となる。 さらに、図10に示すようにシリンダー2がグローブボックス30と一体であ るため、図11に示す従来例と比較して、スペースS2はスペースS1よりも小 さくなり、スペース面で有利となり、グローブボックス30とインストルメント パネル31との間の隙間を小さくして、その分だけグローブボックス30の容量 を大きく設定することができる。
【0019】 また、線条材6が従来のダンパー装置におけるピストンロッドの役割を兼ねて おり、また、可撓性を有する線条材は、キャップ7から外部に延長する際に任意 方向に向きを変えることが自在に可能であるため、上記従来例のようなガイドロ −ラ−等のガイド部材や、その固定部材が不要となる。 また、線条材6は、キャップ7の曲面状のガイド面を介して向きを変化するよ うになっているため、線条材6が傷つくおそれもない。
【0020】 なお、上記実施例では、グローブボックス30の背面に水平方向にシリンダー 2を一体成形した例を示したが、背面に鉛直方向に一体成形してもよく、また図 7に示すように、グローブボックス30の一方の側面位置に水平方向(もしくは 鉛直方向)に一体成形することも可能である。 さらに、図8に示すようにグローブボックス30の壁面隅角部に鉛直方向に一 体成形したり、あるいは、図9に示すようにグローブボックス30の底部に水平 方向に一体成形し、線条材6をグローブボックス30の側面位置に配置した適宜 なガイド部材33を介して延長するように構成することもできる等、本考案の要 旨を逸脱しない範囲内で種々の変形例が可能なことは言うまでもない。
【0021】
【考案の効果】
上記の如く構成された本考案によれば、以下の効果を奏し得る。 (1) 従来の如くシリンダーを別体として製作する必要がなくなり、コスト的に安 価となる。 (2) シリンダーをグローブボックス等の収納箱に取付ける作業が不要となり、省 力化が可能となる。 (3) 従来例と比較してスペース面で有利となる。 (4) 独立したガイド部材が不要となるため、構成部品が減少し、組み付け工数も 低減するから、コストダウンが図れる。 (5) ピストンロッドが不要のため、ピストンを小型化でき、単品コストが低減す る。 (6) ピストンロッド及びガイド部材がないため、より小さいスペ−スでダンパー 装置を取付けることができ、これにより、収納箱の容量も大きく設計することが 可能となる。 (7) 線条材を任意方向に変化させて延長しうるため、収納箱及びその周辺部材の 適宜位置にダンパー装置を取付ける事ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ダンパー装置の取付け態様を示す説明図であ
る。
【図2】ダンパー装置の構成を示す断面図である。
【図3】ダンパー装置の作用を示す断面図である。
【図4】図1のC方向矢視図である。
【図5】図4のB−B線要部断面図である。
【図6】ダンパ−部の構成を示す要部断面図である。
【図7】ダンパー装置の他の取付け態様を示す説明図で
ある。
【図8】ダンパー装置の他の取付け態様を示す説明図で
ある。
【図9】ダンパー装置の他の取付け態様を示す説明図で
ある。
【図10】シリンダーの形成態様を示す説明図である。
【図11】従来のダンパー装置の取付け態様を示す説明
図である。
【符号の説明】
1 ダンパー装置 2 シリンダー 3 ピストン 5 補助部材 6 線条材 7 キャップ 8 ガイド面 11 第1空間部 12 スプリング 13 空気流通孔 14 後壁 15 オリフィス 16 バルブ 25 Oリング 30 グローブボックス(収納箱) 31 インストルメントパネル(周辺部材) 32 ヒンジ

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】ピストン作動部と、ダンパー部とを備えた
    収納箱のダンパー装置であって、前記ピストン作動部で
    は、シリンダー内に、Oリング等のシール部材を介して
    シリンダーの内壁面に内接し摺動自在に作動するピスト
    ンが配設され、前記シリンダー先端に配設されたキャッ
    プには、曲面状のガイド面が形成されており、前記ピス
    トンと前記キャップ間の第1空間部にスプリングを配設
    し、前記ピストンに一端が連結された線条材を前記ガイ
    ド面を介して沿設し、前記ダンパー装置を前記収納箱の
    所定位置に固定するとともに、前記線条材の他端を前記
    収納箱の周辺部材に連結してなるダンパー装置の構造に
    おいて、当該ダンパー装置の前記シリンダーが前記収納
    箱とあらかじめ一体成形されていることを特徴とする収
    納箱のダンパー装置の構造。
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