JPH0667682U - 自己昇降式足場装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 鋼杭の補修時に、その周囲に対する取付けお
よび取外しが簡単であり、かつ高所作業に対しても容易
にその足場を昇降でき、足場構築費用の低減をはかりう
る自己昇降式足場装置を提供することを目的。 【構成】 鋼杭４の外周に挟持可能な半割締付式のフロ
ータ１の上部に、同様な半割締付式の作業足場２を、両
者を上下に連結する１対の門型主柱５を介して、上下に
昇降自在に載置することにより構成。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、鋼管杭製の桟橋などの水上鋼杭の塗装などの補修作業時の足場とし て使用する自己昇降式足場装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、上記のごとき水上にある鋼杭の塗装などの補修作業をする際には、その 鋼杭の接水部分にダイバーがフロータの付いた足場装置をバンドなどで締め付け 、さらに鋼杭の高所部に補修のためには、下部の足場装置の上に順次足場を積み 重ねて行く作業を行なっており、その組付作業およびその撤去時の解体作業も大 変である。

【０００３】 従って、このような鋼杭の補修用の足場構築および解体には繁雑な手作業と、 多くの作業員を要し、その費用がかさむという問題があった。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、前記従来の問題点を解決するためになされたものであり、水面上に 設けられた鋼杭の補修時に、その鋼杭の周囲に対する取付けおよび取外しが簡単 であり、かつ高所作業に対しても容易にその足場を昇降でき、足場構築費用の低 減をはかりうる自己昇降式足場装置を提供することを解決課題としたものである 。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記の課題を解決するための手段として、本考案の自己昇降式足場装置は、鋼 杭の外周に挟持可能で、かつ取外し可能な半割締付式のフロータの上部に、半割 式の作業足場を、両者を上下に連結する１対の門型主柱を介して、適宜な昇降装 置により上下に昇降自在に載置することにより構成され、上記のごとき作業足場 を上部に載置したフロータを補修する鋼杭位置まで曳航し、鋼杭を挟持して締付 けて、フロータ上の作業足場から鋼杭の補修作業ができ、しかもその作業足場を フロータに対して上下に昇降させて、高所の補修も容易に行なうことができる。

【０００６】

【実施例】

以下図面を参照して本考案の実施例を説明するが、図１は本考案の自己昇降式 足場装置の一実施例における全体斜視図で、図２は図１の作業足場の平面図、図 ３は図１のフロータの平面図、図４は図１のＡ−Ａ方向の概略側面図、図５は図 １のＢ−Ｂ方向の概略側面図、図６は図４の作業足場の降下時の概略側面図であ る。

【０００７】 まず、この自己昇降式足場装置は、下部に図３に示すような半割締付式のフロ ータ１と、その上部に載置される図２に示す半割式の作業足場２とからなり、こ れらはいずれも締付ボルト３で両端を接続した２つ割りになっており、補修しよ うとする図１の一点鎖線で示す水上に立設された鋼杭４の外周に挟持できるよう になっている。

【０００８】 次に、上記のフロータ１と作業足場２とは左右１対の門型主柱５、すなわち合 計４本の昇降ロッド５Ａにより連結されているが、これら門型主柱５の上端は作 業足場２の下面にヒンジ６で回動可能に取付けられ、その下端はフロータ１を貫 通の上、各２本の昇降ロッド５Ａが連結材５Ｂで連結されており、１対の門型主 柱５により作業足場２とフロータ１とを上下に連結しているので、両者がほぼ平 行に安定して支持されることになる。

【０００９】 また、これら昇降ロッド５Ａが貫通するフロータ１の各貫通部には、それぞれ ロッドガイド７設けられ、さらにフロータ１上には図３のごとく作業足場２を載 置する複数のストッパ８が立設されており、図２に示す作業足場２の鋼杭４を挟 持する部分には複数のガイドローラ９と左右各１基のハンドウインチ１０が設け られている。

【００１０】 さらに、上記作業足場２をフロータ１上に昇降自在とするため、一端をフロー タ１上の各ワイヤー止め１２に係止した２本のワイヤー１１を、各門型主柱５の 下部の連結材５Ｂのシーブブロック１３で変向させ、再びフロータ１上のガイド シーブ１４経由、作業足場２上のハンドウインチ１０を巻き上げることにより、 この作業足場２がフロータ１上の任意の高さに昇降自在になっており、その任意 の位置でハンドウインチ１０のストッパで係止可能になっているが、作業足場２ を安定させるために、作業足場２には鋼杭４に対する固定バンド１５が設けられ ている。

【００１１】 次に、以上の構成からなる自己昇降式足場装置の使用要領につき説明すると、 図６の格納状態で水面Ｗ上を作業現場までフロート１の浮力によりこの装置を曳 航し、補修しようとする鋼杭４に対しフロータ１と作業足場２とを半割開放の状 態から鋼杭４を挟持するようにセットし、締付ボルト３を締付けして鋼杭４に固 定させる。

【００１２】 ここで、作業足場２に設けられたガイドローラ９を鋼杭４の外径に合わせて調 整の上締付け、左右のハンドウインチ１０を同様に回転して作業足場２を図４お よび図５に示す所要の高さ位置に昇降させ、所要位置で固定バンド１５のボルト を締付け、作業足場２の安定を良くした上で鋼杭４の補修作業を行なう。 一方、補修作業の完了後は上記と逆の操作を行なって再び図６の状態に格納し て、曳航により他の作業場所に移動する。

【００１３】 なお、上記の実施例の装置は、垂直に立設させた鋼杭４の補修用に使われる例 を示しているが、傾斜して設けられた鋼杭の場合に対しても、作業足場２とフロ ータ１とを傾斜した状態の門型主柱を介して昇降自在に載置すれば本考案の装置 を適用可能である。 また、作業足場２をフロータ１からさらに高い位置まで昇降する必要がある場 合は、門型主柱５の長さを長くすれば良いが、水深が浅くて長い門型主柱５の採 用ができない時には、その門型主柱５を２つ折り、または３つ折りなどの多段式 の折りたたみ方式を採用することで対応できる。

【００１４】 さらに、上記作業足場２の昇降装置として、この実施例ではハンドウインチ１ ０によるワイヤー１１の巻き取り方式を採用しているが、これには限定せず、ラ ックアンドピニオン方式などどのような昇降の手段を用いてもよい。

【００１５】

【考案の効果】

以上に説明したように、本考案の自己昇降式足場装置によれば水上に設けられ た鋼杭の補修作業時に、その補修足場を鋼杭の周囲に容易に、かつ迅速に取付け ることができ、安定した状態での作業ができると共に、高所作業に対してもその 作業足場を自己操作により容易に昇降できるので鋼杭補修作業の能率の向上と、 足場構築費用の低減がはかれるという効果がある。

【００１６】 また、本考案の足場装置は、そのフロータによって必要な現場に水上を曳航に より容易に移動でき、運搬費用も安価になるという利点がある。 さらに、足場を取付けるために、杭にブラケット等を溶接する必要がないので 、溶接による杭の損傷がない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の自己昇降式足場装置の一実施例におけ
る全体斜視図である。

【図２】図１の作業足場の平面図である。

【図３】図１のフロータの平面図である。

【図４】図１のＡ−Ａ方向の概略側面図である。

【図５】図１のＢ−Ｂ方向の概略側面図である。

【図６】図４の作業足場の格納時の概略側面図である。

【符号の説明】

１ フロータ ２ 作業足場 ４ 鋼杭 ５ 門型主柱 ５Ａ 昇降ロッド ６ ヒンジ １０ ハンドウインチ １１ ワイヤー

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 鋼杭の外周に挟持可能な半割締付式のフ
   ロータの上部に、半割式の作業足場を、両者を上下に連
   結する１対の門型主柱を介して、上下に昇降自在に載置
   した自己昇降式足場装置。