JPH0665413B2 - 平板の加工方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、打ち抜きプレスを具備した切断機で、平板に
所定形状の切欠部をプレス加工により形成すると共に、
上記切欠部を有する平板を複数組のロールが連設された
曲げ加工機により把持して引き取りながら、所定形状に
順次折り曲げる平板の加工方法に関するものである。

〔従来の技術〕

従来、例えばブリキダクトを組み立てる場合、このブリ
キダクトの材料として使用されるブリキ板（平板：用途
に応じてその寸法は適宜異なる）には、予め所定のプレ
ス加工及び折り曲げ加工が施される。

即ち、上記ブリキ板は、作業者によって打ち抜きプレス
を具備した切断機に供給され、この切断機で所定形状の
切欠部がプレス加工により例えばその切断端部に形成さ
れた後、複数組のロールが連設された曲げ加工機によ
り、所定形状に順次折り曲げられる。

上記曲げ加工機の各組のロールの外周面は、上記ブリキ
板を把持して引き取りながら所定形状に段階的に折り曲
げていくために、該ブリキ板の折り曲げ過程における形
状に対応する段階的形状にそれぞれ形成されており、上
記切断機で所定形状の切欠部が形成されたブリキ板は、
上記作業者によって該ロールに供給される。

〔発明が解決しようとする問題点〕

ところが、上記従来のブリキ板の加工方法においては、
上述の如く、ブリキ板の切断機への供給、及びこの切断
機によるプレス加工後のブリキ板の曲げ加工機への供給
は、それぞれその都度作業者が行わなければならず、作
業効率が極めて悪いという問題点があった。

そこで、本発明は上記事情に鑑みて創案されたものであ
り、作業効率を飛躍的に向上させることの可能な平板の
加工方法の提供を目的とするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

上記目的を達成するために、本発明が採用する主たる手
段は、その要旨とするところが、打ち抜きプレスを具備
した切断機で適宜寸法の平板の所定位置に所定形状の切
欠部をプレス加工により形成すると共に、上記切欠部を
有する平板を複数組のロールが連設された曲げ加工機に
より把持して引き取りながら所定形状に順次折り曲げる
平板の加工方法において、上記打ち抜きプレスを上記平
板の搬送方向へ移動自在に支持し、上記切断機への平板
の供給を上記曲げ加工機のロールの引き取り作用により
行うと共に、上記平板の搬送方向端部の上記打ち抜きプ
レス上における通過を検出された時、この検出位置を基
準とした所定位置に対して上記打ち抜きプレスを作動さ
せて該打ち抜きプレスにより上記平板を挟持し、上記平
板に伴って上記打ち抜きプレスを移動させつつ該打ち抜
きプレスにより該平板にプレス加工を施す如くなした点
に係る平板の加工方法である。

〔実施例〕

以下、添付図面を参照して本発明を具体化した実施例に
付き説明し、本発明の理解に供する。

尚、以下の実施例は本発明を具体化した一例であって、
本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。

ここに、第１図は本発明の一実施例に係る平板の加工方
法を実施することのできる切断機及び曲げ加工機の斜視
図、第２図は第１図におけるＡ−Ａ′矢視図、第３図は
第１図におけるＢ−Ｂ′矢視図、第４図は第１図におけ
るＣ−Ｃ′矢視図、第５図は第１図におけるＤ矢視部詳
細図、第６図は第１図におけるＥ矢視部詳細図である。

この実施例に係る平板の加工方法は、打ち抜きプレスを
具備した切断機への平板の供給を、複数組のロールが連
設された曲げ加工機の上記ロールの引き取り作用により
行うように構成されている。

まず、第１図に基づいて、上記平板の加工方法を実施す
ることの可能な上記切断機３及び曲げ加工機４について
説明する。

上記曲げ加工機４では、フレーム５の上部に、複数組の
ロール６ａ，６ｂ、７ａ，７ｂ、８ａ，８ｂ、９ａ，９
ｂが連設されており、この各ロール６ａ，６ｂ乃至９
ａ，９ｂは、それぞれ図示せぬ伝達機構を介して駆動モ
ータに連結されている。上記各組のロール６ａ，６ｂ乃
至９ａ，９ｂの外周面は、適宜寸法のブリキ板１０（平
板）を把持して引き取りながら所定形状に段階的に折り
曲げていくために、該ブリキ板１０の折り曲げ過程にお
ける形状に対応する段階的形状にそれぞれ形成されてい
る。

従って、上記モータを回転駆動し、作業者がブリキ板１
０を上記ロール６ａ，６ｂに供給した時、このブリキ板
１０はロール６ａ，６ｂ、７ａ，７ｂ、８ａ，８ｂ及び
９ａ，９ｂに、順次把持されて引き取られながら所定形
状に段階的に折り曲げられる。

上記切断機３では、第１図乃至第６図に示す如く、上記
曲げ加工機４のブリキ板１０の搬送方向（矢印２０方
向）上流側に配置されており、この切断機３のフレーム
２の中央部には、打ち抜きプレス加工を行うためのポン
チ１１ａ，１１ｂが取り付けられた支持部材１２が配備
されている。そしてこの支持部材１２は、ダイス孔１３
ａ，１３ｂ（第３図参照）を有するプレス台１４に、上
下方向へ摺動可能に支持されている。上記プレス台１４
の下部には、単動式の油圧シリンダ１５が配備されてお
り、この油圧シリンダ１５のピストンロッド１５ａの先
端部が、上記支持部材１２に取り付けられている。上記
油圧シリンダ１５の本体１５ｂとプレス台１４との間に
は、ピストンロッド１５ａを中心に復帰用のスプリング
１６が嵌入されている。

この場合、上記ポンチ１１ａ，１１ｂ、支持部材１２、
プレス台１４、油圧シリンダ１５及びスプリング１６等
で、打ち抜きプレス１７が構成されている。

従って、上記ポンチ１１ａとダイス孔１３ａとの間、若
しくはポンチ１１ｂとダイス孔１３ｂとの間にブリキ板
１０を挿入し、油圧シリンダ１５を作動させることによ
り、支持部材１２が下方へ摺動駆動され、上記ブリキ板
１０の側部若しくは該ブリキ板１０の搬送方向端部には
プレス加工により所定形状の切欠部が形成される。その
後、上記支持部材１２はスプリング１６の弾性力により
上方へ摺動駆動されて復帰する。

尚、上記単動式の油圧シリンダ１５に代わって、複動式
の油圧シリンダを用いることにより、上記スプリング１
６を省略することも可能である。

上記プレス台１４の下方両側部には、ガイドレール１
８，１９が対向して配備されており、この各ガイドレー
ル１８，１９の側部には、それぞれ上記プレス台１４の
下面と接触し、このプレス台１４をブリキ板１０の搬送
方向（矢印２０方向）へ移動自在に支持するための複数
のカムフォロア２１が回転可能に軸着されている。上記
ガイドレール１８，１９は連結部材２２ａ，２２ｂにて
一体的に連結されており、上記プレス台１４のブリキ板
１０の搬送方向上流側の後端部には、フレーム２に回転
自在に軸着されたプーリ２３を介して、重り２４が懸架
されている（第２図及び第４図参照）。

従って、上記打ち抜きプレス１７は、前記曲げ加工機４
によって引き取られるブリキ板１０が、例えばポンチ１
１ａとダイス孔１３ａとの間を通過する際、油圧シリン
ダ１５が作動して支持部材１２が下方へ摺動駆動され、
このポンチ１１ａとダイス孔１３ａの端部とで移動する
上記ブリキ板１０を挟持することにより、矢印２０方向
へスライドする。そして、上記ポンチ１１ａとダイス孔
１３ａとで上記ブリキ板１０に所定形状の切欠部が形成
された後、上記打ち抜きプレス１７はこのブリキ板１０
との係合が解除され、上記重り２４の作用によってブリ
キ板１０の搬送方向とは逆方向（矢印２５方向）へスラ
イドする。

尚、この場合、上記重り２４に代わってシリンダを設
け、このシリンダによって上記打ち抜きプレス１７を強
制的にスライドさせるように構成することも可能であ
る。

上記連結部材２２ａ，２２ｂは、それぞれ上記フレーム
２に取り付けられた支持部材２６，２７の上面に配備さ
れており、この支持部材２６，２７の上記ブリキ板１０
の搬送方向と直角に穿設された長孔２６ａ，２７ａを介
して、ボルト２８，２８にてそれぞれ固定されている。
従って、上記ボルト２８を緩めることにより、上記打ち
抜きプレス１７は、ブリキ板１０の搬送方向と直角の方
向へ移動調整可能である。

上記フレーム２の上面には、ブリキ板１０の搬送方向と
直角方向へ移動調整可能に、位置決めガイド２９（第１
図参照）が設けられており、この位置決めガイド２９
は、ポンチ１１ａとダイス孔１３ａとの間、若しくはポ
ンチ１１ｂとダイス孔１３ｂとの間を通過するブリキ板
１０の通過位置の調整を行い、このブリキ板１０に形成
される切欠部の切欠深さを調整するためのものである。

更に、上記フレーム２の上面には、上記打ち抜きプレス
１７の側方であってブリキ板１０の搬送方向と平行に長
孔３０，３１が穿設されており、上記長孔３０の上部に
は、第６図に示す如く、アーム３２で回転自在に支持さ
れたローラ３３が突出して配備されており、このアーム
３２は、支持部材３４に軸３５を介して揺動可能に支持
されている。更に、上記アーム３２はスプリング３６に
よって常時反時計方向へ付勢されると共に、ピン３７に
よって位置規制されている。上記支持部材３４は、ブリ
キ板１０の搬送方向と平行に穿設された長孔38に、図示
せぬボルトとナット３９とによって移動調整可能に支持
されている。

上記長孔３１の下部には、第５図に示す如く、外周面に
雄ネジが刻設された反射型の光電スイッチ４０が配備さ
れており、この光電スイッチ４０は、フレーム２の内部
にブリキ板１０の搬送方向と平行に穿設された長孔４１
に、１組のナット４２にて移動調整可能に取り付けられ
ている。

上記ローラ３３は、作業者によって供給されるブリキ板
１０の搬送方向に係る前端部と係合することにより、こ
のブリキ板１０の最初の切欠部の該前端部に対する形成
位置を上記作業者に知らせるためのものであって、上記
光電スイッチ４０は、前記曲げ加工機４のロール６ａ，
６ｂによって引き取られる上記ブリキ板１０の搬送方向
に係る後端部の通過を検出することにより、このブリキ
板１０の該後端部に対する次の形成位置に切欠部を形成
すべく、前記打ち抜きプレス１７の油圧シリンダ１５を
作動させるためのものである。従って、この光電スイッ
チ４０は、上記油圧シリンダ１５の図示せぬ制御装置に
接続されている。

尚、この光電スイッチ４０に代わってリミットスイッチ
等を用いることも可能である。

次に、上記したように構成される切断機３、及び曲げ加
工機４を用いてブリキ板１０に加工を施す場合の手順に
ついて説明する。

第１図に示す如く、作業者は、適宜値の全長寸法のブリ
キ板１０を切断機３の位置決めガイド２９にこのブリキ
板１０の側部を沿わして、打ち抜きプレス１７の例えば
ポンチ１１ａとダイス孔１３ａとの間に挿入し、このブ
リキ板１０の前端部がローラ３３に当接した時停止す
る。

そして、上記打ち抜きプレス１７の油圧シリンダ１５を
作動させることにより、上記ブリキ板１０の前端部に対
する所定位置に最初の所定形状の切欠部をプレス加工に
より形成する。

更に、作業者は上記ブリキ板１０を矢印２０方向へ搬送
し、曲げ加工機４のロール６ａと６ｂとの間にこのブリ
キ板１０の先端部を挿入してブリキ板１０から手を離
す。

上記ブリキ板１０は、曲げ加工機４の各組のロール６
ａ，６ｂ乃至９ａ，９ｂに順次把持されて引き取られな
がら、所定形状に段階的に折り曲げられるが、その際、
ブリキ板１０の後端部の通過が光電スイッチ４０によっ
て検出された時、上記打ち抜きプレス１７の油圧シリン
ダ１５が作動し、支持部材１２が下方へ摺動駆動される
ことにより、上記ブリキ板１０はポンチ１１ａとダイス
孔１３ａとの間で挟持される。そして、この打ち抜きプ
レス１７は、ブリキ板１０の搬送方向へスライドしつ
つ、このブリキ板１０の後端部に対する所定位置に所定
形状の切欠部をプレス加工により形成する。

上記ブリキ板１０へのプレス加工による切欠部の形成が
完了した後、上記打ち抜きプレス１７は、重り２４の作
用によって矢印２５方向へスライドし、元の状態に復帰
する。

上記切断機３による打ち抜きプレス加工が終了したブリ
キ板１０は、連続して曲げ加工機４によって所定形状に
折り曲げられる。

即ち、上記ブリキ板１０の加工方法においては、切断機
３へのブリキ板１０の供給を、曲げ加工機４の各ロール
６ａ，６ｂ乃至９ａ，９ｂの引き取り作用により行うこ
とができるため、作業者は、ブリキ板１０の切断機３及
び曲げ加工機４への供給を一度の操作によって行うこと
ができる。

そして、ブリキ板１０の搬送方向後端部を検出すること
によりこの後端部に対するプレス加工位置が自動的に検
出されるため、このブリキ板１０においては、その搬送
方向に係る全長寸法として適宜値のものを、その所定位
置にプレス加工することができる。

〔発明の効果〕

本発明は、上記したように、打ち抜きプレスを具備した
切断機で適宜寸法の平板の所定位置に所定形状の切欠部
をプレス加工により形成すると共に、上記切欠部を有す
る平板を複数組のロールが連設された曲げ加工機により
把持して引き取りながら所定形状に順次折り曲げる平板
の加工方法において、上記打ち抜きプレスを上記平板の
搬送方向へ移動自在に支持し、上記切断機への平板の供
給を上記曲げ加工機のロールの引き取り作用により行う
と共に、上記平板の搬送方向端部の上記打ち抜きプレス
上における通過を検出された時、この検出位置を基準と
した所定位置に対して上記打ち抜きプレスを作動させて
該打ち抜きプレスにより上記平板を挟持し、上記平板に
伴って上記打ち抜きプレスを移動させつつ該打ち抜きプ
レスにより該平板にプレス加工を施す如くなしたことを
特徴とする平板の加工方法であるから、作業者は、平板
の切断機及び曲げ加工機への供給を、一度の操作で行う
ことができると共に、打ち抜きプレスを平板に伴って移
動させつつプレス加工を行うことができる。従って、こ
の平板加工を行う場合には、極めて効率良く作業を実施
することができ、しかも曲げ加工機による平板の搬送作
用を利用して打ち抜きプレスが移動されることから、打
ち抜きプレス駆動用装置の設置や電気的な同期制御を行
うことなく該打ち抜きプレスを上記平板の搬送と完全同
期の下、動作させることができる。即ち、曲げ加工機に
よる平板の引き取り作用のみにより、該平板の供給，曲
げ加工，プレス加工に伴う打ち抜きプレスの移動等を行
うことができ、システム全体の簡略化，低コスト化をも
実現することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例に係る平板の加工方法を実施
することのできる切断機及び曲げ加工機の斜視図、第２
図は第１図におけるＡ−Ａ′矢視図、第３図は第１図に
おけるＢ−Ｂ′矢視図、第４図は第１図におけるＣ−
Ｃ′矢視図、第５図は第１図におけるＤ矢視部詳細図、
第６図は第１図におけるＥ矢視部詳細図である。 〔符号の説明〕 ３……切断機、４……曲げ加工機、６ａ，６ｂ，７ａ，
７ｂ，８ａ，８ｂ，９ａ，９ｂ……ロール、１０……ブ
リキ板（平板）、１１ａ，１１ｂ……ポンチ、１３ａ，
１３ｂ……ダイス孔、１４……プレス台、１８，１９…
…ガイドレール、２１……カムフォロア、１７……打ち
抜きプレス、４０……光電スイッチ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】打ち抜きプレスを具備した切断機で適宜寸
   法の平板の所定位置に所定形状の切欠部をプレス加工に
   より形成すると共に、上記切欠部を有する平板を複数組
   のロールが連設された曲げ加工機により把持して引き取
   りながら所定形状に順次折り曲げる平板の加工方法にお
   いて、上記打ち抜きプレスを上記平板の搬送方向へ移動
   自在に支持し、上記切断機への平板の供給を上記曲げ加
   工機のロールの引き取り作用により行うと共に、上記平
   板の搬送方向端部の上記打ち抜きプレス上における通過
   を検出された時、この検出位置を基準とした所定位置に
   対して上記打ち抜きプレスを作動させて該打ち抜きプレ
   スにより上記平板を挟持し、上記平板に伴って上記打ち
   抜きプレスを移動させつつ該打ち抜きプレスにより該平
   板にプレス加工を施す如くなしたことを特徴する平板の
   加工方法。