JPH0665059A - ヒト及び動物への経皮的投与 - Google Patents

ヒト及び動物への経皮的投与

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JPH0665059A
JPH0665059A JP3143390A JP14339091A JPH0665059A JP H0665059 A JPH0665059 A JP H0665059A JP 3143390 A JP3143390 A JP 3143390A JP 14339091 A JP14339091 A JP 14339091A JP H0665059 A JPH0665059 A JP H0665059A
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acid
drug
ear
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animal
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Avi Gertner
ゲルトナー アビ
Yosef Rubinstein
ルビンシュタイン ヨゼフ
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BIIERITSUTO TORASUTO CO Ltd
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BE ERIT TRUST CO Ltd
BIIERITSUTO TORASUTO CO Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 経皮的投与に使用するための医薬組成物、そ
の上に吸収されたそのような組成物を含むマトリック
ス、動物に薬物を経皮的に投与するための非粘着性及び
非侵入性装置、及びヒトに薬物を経皮的に投与するため
の装置が供給される。 【構成】 (1)経皮的投与のために適合された有効量
の薬物;(2)経皮的輸送有効量の薬物のためのキャリ
ヤー(周囲温度で半固体及び液体であり、C8-24脂肪酸
のエステル、医薬的に許容できる脂肪酸ポリヒドロキシ
化合物及び非揮発性パラフィンから選択された少なくと
も1種の化合物を含んで成る);及び(3)いづれか存
在する皮膚不適合特徴を緩和するのに効果的な、抗炎症
剤及び抗ヒスタミンから薬択された任意の薬物のうち少
なくとも成分(1)及び(2)を含んで成る医薬組成
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、経皮的投与に使用するための医
薬組成物、その上に吸収されたそのような組成物を含む
マトリックス、動物に薬物を経皮的に投与するための非
粘着性及び非侵入性装置、及びヒトに薬物を経皮的に投
与するための装置に関する。
【0002】薬物を皮膚を通して投与するための、特に
家畜病治療使用のための種々の技法及び装置は知られて
いる。そのような技法の1つの例は、アメリカ特許第
4,026,290号に記載されており、ここで運動病緩和剤、
抗片頭痛化合物、鎮痛薬、駆虫薬、抗原虫化合物及び全
身性殺虫剤、殺ダニ剤及びダニ駆除薬を適用するために
動物の耳又は尾への装置の付着を示唆する。
【0003】家畜病治療用途における薬物の経皮的送出
しは、 "Topical Drug Delivery toCattle and Sheep",
Ian H.Pitman及びSusan J.Rostas, Journal of Pharma
ceutical Sciences、第70巻、11号、1981年11月、1181
〜1193及び同じ著者の標題"AComparison of Frozen and
Reconstituted Cattle and Human Skin as Barriers t
o Drug Penetration", Journal of Pharmaceutical Sc
iences 、第71巻、4号、1982年4月、 427〜430 ペー
ジに論ぜられている。薬物の経皮的投与は、家畜病治療
における予防薬物を投与するために提案されて来たが、
しかし、発明者の最良の知識によれば、家畜病治療の実
施においていづれの実用的な適用の有意性も有さなかっ
た。
【0004】成長調節剤及び成長促進剤(すなわちここ
で集合的には“成長促進剤”である)は、家畜病治療用
途に通常使用され、そしてしばしば、屠殺の前、便利に
除去され得ない移植を用いて適用される。哺乳類におけ
る同調化のためのホルモンは一般的に膣から投与され、
この技法は熟練を要し、そして動物への可能性ある損傷
を包含し、そして不妊症をもたらす。
【0005】アメリカ特許第 4,638,043号(Szycherな
ど) においては、支持体の連続層、感圧性接着剤、薬物
計量分配マトリックス及び任意に接着剤の第2層から構
成される薬用パッチに主に組込むために、そこに分散さ
れた計量分配薬物のためのポリウレタンマトリックスが
開示される。マトリックスはまた、層をより柔軟に軟化
し、そしてマトリックスからの及び皮膚中への薬物の輸
送を助けるために、ポリプロピレングリコール、ポリエ
チレングリコール又はグリセリンを含むことができる。
【0006】アメリカ特許第 4,767,402号(Kostなど)
において既知のように、それは、経皮的な薬物投与を高
めるために超音波の使用を開示し、大部分の薬物が治療
効率のために十分に高い速度で皮膚に侵入しないかぎ
り、比較的少数の薬物が経皮的に投与可能であることが
知られている。
【0007】アメリカ特許第 4,792,450号(Kydonieusな
ど) は、PVCを含んで成るビニルゲル層及びそこに均
等に分散された薬物を含んで成る経皮的薬物投与装置を
開示し、ここでビニルゲル層は、PVCのための主要可
塑剤及びゲルを形成するのに十分な量での非揮発性有機
ゲル形成添加剤を含んで成る。そのような添加剤の例
は、イソプロピルパルミテート、イソプロピルミリステ
ート、大豆油、ヒマシ油、アマニ油、オリーブ油、鉱
油、ペトロラタム、カプリル酸/カプリン酸トリグリセ
リド及び非イオン性界面活性剤である。
【0008】アメリカ特許第 4,818,540号(Chienなど)
は、耐湿性支持層、微少分散された妊性調節エストロゲ
ン及びプロゲスチンホルモンを含む、それに付着された
ポリマーマトリックスのディスク層及び対象物に投与単
位を確保するための接着層を含んで成る経皮妊性調節ポ
リマーマトリックス投与単位を実質的に開示する。その
装置は、好ましくは接着層に(但し、選択的に又はさら
にマトリックス層に)、皮膚透過増強剤、特に脂肪酸CH
3(CH2)n COOH(ここでnは2〜16である)、イソプロピ
ルミリステート又はデシルメチルスルホキシドを含むこ
とができる。
【0009】アメリカ特許第 4,820,525号(Leonardな
ど) は、経皮的/粘膜的医薬投与システムにおける薬物
レザバーとして、特定の性質を有する発泡ポリエチレン
の使用を開示する。従って、妊性ホルモン及びアルブテ
ロールが、透過増強剤としてメタノールを用いて、ヌー
ドマウスの皮膚又は死体の皮膚を通して、接着テープに
結合されたそのようなレザバーから経皮的に適用され
た。
【0010】アメリカ特許第 4,822,617号(Panoz) は、
その皮膚接触表面上に薬物の予定量を受けるように適合
された積層アプリケーターを含んで成る、軟膏、クリー
ム又はジェリー様キャリヤーにおける皮膚−透過性薬物
(たとえばニトログリセリン、クロニジン、メタドン及
びスコポラミン)の経皮的投与のための装置を開示し、
ここでアプリケーターは皮膚表面への薬物の単一方向移
送を確保するために耐薬物性層によりオーバーレイされ
る。典型的な態様において、アプリケーターは、活性成
分の調節された開放性を提供するために配合された吸収
性ラノリン及び白色ワセリン基材中、2%ニトログリセ
リン及びラクトースを含む軟膏の予定量により充填され
る。前記アメリカ特許のすべての全体の内容は、本明細
書に引用により組込まれる。
【0011】薬物が従来、ヒトに経皮的に投与される接
着性パッチは、長期の使用に伴って皮膚炎症及び過敏性
をもたらす。適切な皮膚部分からの毛の削り落し又は毛
のない皮膚表面の選択がまた必要である。接着性パッチ
は、一部、ヒトに比べて多量の身体の毛のために、及び
一部、接着性パッチがはげ落ちやすいために、動物のた
めにまったく不適切であろう。対照的に、本発明のマト
リックスは、本明細書に記載される装置による動物への
経皮的投与のために便利に使用され得る。さらに、これ
らのマトリックスはまた、たとえば薬物/キャリヤー組
合せを通さない包帯により腕又は脚に固定することによ
ってヒトへの使用のために容易に適合され得ることを当
業者は容易に理解する。
【0012】上記のように、ヒトへの適用のために知ら
れている、経皮的投与のために薬物を組込む接着性膏薬
は、家畜病治療使用のために一般的に不適切であろう。
しかしながら、下記に見られるように、接着剤層の使用
は、本発明を適用する場合、必須ではない。
【0013】ヒトへの経皮的投与に関するほとんどの従
来技術は、単に限定された数の薬物がこの形の投与のた
めに本来適切であると思われることがさらに注目され
る。既知の技術に比べて、本発明は、単独の薬物又は種
々の薬物の組合せが同じマトリックスから開放されて
も、これまで一般的に利用されて来たよりもヒト及び動
物に広範囲の薬物の経皮的投与の手段を付与すると思わ
れる。
【0014】発明の要約 本発明は、薬物の経皮的投与に使用するための医薬組成
物を提供し、ここで前記組成物は、下記成分: (1)経皮的投与のために適合された有効量の薬物; (2)前記薬物のための経皮的輸送有効量のキャリヤー
(ここで前記キャリヤーは、周囲温度で半固体及び液体
であり、そしてC8-24の脂肪酸のエステル、医薬的に許
容できる脂肪族ポリヒドロキシ化合物及び非揮発性パラ
フィンから選択された少なくとも1種の化合物を含んで
成る); (3)存在するかも知れないいづれかの皮膚−不適合性
特徴を緩和するために有効な、抗炎症剤及び抗ヒスタミ
ンから選択された任意の薬物のうち少なくとも成分
(1)及び(2)を含んで成る。
【0015】発明の特定の記載 例の手段によれば、本発明により供給される組成物は、
薬物として、生殖調整剤、動物成長促進剤、虫下し、抗
生物質、駆虫剤、抗炎症剤、気管支拡張剤、心血管薬、
抗アレルギー剤及び微量養分から選択された少なくとも
1種の部材を含んで成り、そして好ましくは、次のサブ
グループ: (ia)生殖調整剤:エストラジオール、フルゲスト
ン、アセテート、プロゲステロン、プロリゲストン、メ
レンゲストロールアセテート、メドロキシプロゲステロ
ン、メドロキシプロゲステロンアセテート、メゲストロ
ールアセテート及びテストステロン;(ib)動物成長
促進剤:エストラジオール、メゲストロールアセテー
ト、プロゲステロン、テストステロン、トレンブロン及
びゼロノール;(ii)虫下し:レバミゾール、イベルメ
クチン、メベンダゾール、ピランテル、アルベンダゾー
ル、フェベンテル、フェベンダゾール、フルベンダゾー
ル、オキシベンダゾール、オキシフェンダゾール、トリ
アベンダゾール、トリカルベンダゾール及びモランテ
ル;(iii) 抗生物質:半合成ペニシリン、テトラサイク
リン及びセファロスポリン;(iv)駆虫剤:メトロニダ
ゾール、シチオエート及びフェンチオン;(v)抗炎症
:ジクロフェナックナトリウム、イブプロフェン、イ
ンドメタシン、ベータメタゾン、フルメタゾン及びデキ
サメタゾン;(vi)気管支拡張剤:アミノフィリン、テ
オフィリン、テルブタリン及びサルブタモール;(vii)
心血管薬:プロパノロール、メトプロロール及びクロニ
ジン;(viii)抗アレルギー剤:クロルフェニラミン及
びメブヒドロリン;(ix)微量養分:二硫化セレニウム
及び鉄デキストランから選択された少なくとも1つ部材
を含んで成る。
【0016】本発明の医薬組成物の形で経皮的に投与さ
れ得る薬物は、個々の薬物であり、又は複数の個々の薬
物を包含し、そして定義によれば、本明細書及び請求項
における用語“薬物”はそれに応じて理解されるべきで
ある。
【0017】本発明の組成物においては、エステルのア
ルコール成分は1〜12個の炭素原子及び1〜3個のヒド
ロキシ基を含む脂肪族ヒドロキシ化合物に由来し;前記
エステルの酸成分が、カプリル酸、カプリン酸、ラウリ
ン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘ
ン酸、リグノセリン酸、オレイン酸、エライジン酸、ペ
トロセリン酸、リノール酸、α−リノレン酸(9, 12,
15−オクタデカトリエノン酸)、γ−リノレン酸リノレ
ライドン酸、11−エイコセン酸、11, 14−エイコサジエ
ノン酸、11, 14, 17−エイコサトリエノン酸、8, 11,
14−エイコサトリエノン酸、アラキドン酸、5, 8, 1
1, 14, 17−エイコサペンタエノン酸、エルカ酸及びネ
ルボン酸から選択される。キャリヤーに含まれるポリヒ
ドロキシ化合物の例はグリセロール及びプロピレングリ
コールである。
【0018】本発明は、経皮的投与に関して、上記サブ
グループ(i)〜(ix)に分かれる薬物のカテゴリーに
限定されるとして解釈されず、又は個々のサブグループ
内の特定の薬物(これらの薬物は単に例である)に限定
されるとしても解釈されないことが強調されるべきであ
る。
【0019】本発明のマトリックスのキャリヤー成分
は、薬物を経皮的に輸送するそれらの能力のために選択
されるが、それらのいくつかは、所望しない副作用、特
に、はれ及び不快さを引き起こす皮膚上の刺激効果を有
する。そのような場合、及び皮膚上の刺激効果が薬物に
より引き起こされる場合、当業者は、たとえば抗炎症剤
又は抗ヒスタミンの添加によりそのような副作用を緩和
する可能性を気づくであろう。
【0020】大豆油は本発明の内容物において薬物キャ
リヤーとして特に有用であるが発明者により見出され、
そしてこの油は皮膚と適合し、そしてたとえば炎症又は
膨脹を引き起こさないことを発明者の経験から見出され
た。従って、大豆油の構成に関しては、本発明の特定の
態様によれば、天然油がキャリヤーとして使用され得、
ここで脂肪酸含有量の主要割合は、C18-24 多不飽和脂
肪酸、すなわち分子に複数のエチレン結合を有する酸か
ら成る。より好ましくは、前記脂肪酸含有量の主要割合
はリノール酸及びリノレン酸から選択される。異なった
態様によれば、本発明の組成物中のキャリヤーは、少な
くとも1つのC18-24 脂肪酸の少なくとも1つのエステ
ル少なくとも40重量%(好ましくは、少なくとも75重量
%、より好ましくは少なくとも90重量%)を含んで成る
ことで特徴づけられる。
【0021】特定の態様において、薬物のためのキャリ
ヤーは、少なくとも1種のC8-24脂肪酸のモノグリセリ
ド、ジグリセリド、トリグリセリド及びそれらの混合物
から選択された少なくとも1種の部材を含んで成り、そ
してそのキャリヤーは好ましくは、天然脂肪及び油から
選択された少なくとも1種の部材及びそれらの画分を含
んで成り、特にピーナッツ、アーモンド、クルミ、ナタ
ネ、大豆、トウモロコシ及び液体ココナッツ油である。
たとえば、キャリヤーは、脂肪酸含有量の主要割合がC
18-24 多不飽和脂肪酸から成る天然油を含んで成り、好
ましくは脂肪酸の主要割合は、リノール酸及びリノレン
酸から選択される。
【0022】もう1つの態様において、本発明の医薬組
成物は、経皮的投与のために適合された有効量の医薬、
並びに周囲温度で半固体又は液体であるキャリヤーを含
んで成り、前記キャリヤーは、少なくとも1種のC
18-24 脂肪酸の少なくとも1種のエステル少なくとも40
重量%(好ましくは、少なくとも75重量%、より好まし
くは少なくとも90重量%)を含んで成ることでさらに特
徴づけられる。
【0023】本発明はさらに、薬物の経皮的投与のため
のマトリックスを提供し、これは、その上に本発明の医
薬組成物が吸収された、多孔性、吸収性、有孔性で及び
柔軟な積層固体支持体を含んで成る。さらに、本発明
は、動物及びヒト適用において薬物の経皮的投与に使用
するための装置を提供し、ここでこの装置は、上記マト
リックス及び前記積層固体支持体の片側に付着された柔
軟な通気性支持層(該層は前記柔軟な積層固体支持体よ
りも、前記医薬組成物のために低い吸収性を有する)を
含んで成り、そして前記積層固体支持体は好ましくは、
前記薬物のために所望する調節された又は持効性パター
ンを提供するように構成されている。そのような装置は
好ましくは、前記薬物のために所望する調節された又は
持効性パターンを提供する多層システムの片側に付着さ
れた柔軟な通気性支持層を含み、ここで前記多層システ
ムは多くの多孔性、吸収性、有孔性で及び柔軟な層を含
んで成り、そして前記積層固体支持体及び少なくとも1
種の他の層を含み、そして前記支持層は前記多層システ
ムにおける個々の層のいづれよりも前記医薬組成物のた
めに低い吸収性を有し;好ましくは、前記システムにお
ける少なくとも2種の個々の層が前記医薬組成物のため
に異なった吸収性を有する。1つの態様において、本発
明の医薬組成物は、前記積層固体支持体上に吸収される
他に、その多層システム中の少なくとも1つの層及びた
ぶんすべての層上に吸収される。
【0024】さらに、本発明の装置は、薬物のための所
望する調節された又は持効性パターンを提供し、そして
多孔性、吸収性、有孔性で及び柔軟な多くの層を含む多
層システムを含み;それは積層固体支持体及び少なくと
も1つの他の層並びに、多層システムの片側に付着さ
れ、そして前記多層システムにおける個々の層のいづれ
よりも医薬組成物のために低い吸収性を有する柔軟で通
気性の支持層を含み;好ましくは、前記システム中の少
なくとも2種の個々の層が前記医薬組成物のために異な
った吸収性を有する。この態様において、前記支持層と
は異なる前記多層システム中の層が薬物により含浸さ
れ、そして前記積層固体支持体がその上に、ここで定義
されたような薬物のための経皮的輸送有効キャリヤー及
び薬物と前記キャリヤーとの混合物から選択された物質
を吸収しており、それによって前記装置が皮膚に適用さ
れる場合、本発明の医薬組成物が前記支持層とは異なる
多層システムの層上に形成され、そして従って薬物を経
皮的に輸送するために利用可能である。支持層とは異な
る前記多層システム中の層における薬物の含浸は、適切
な層材料による薬物を含む溶液の吸収、続く凍結乾燥に
よる溶媒の蒸発により、当業者に既知のいづれかの方法
により達成される。
【0025】当業者は、ヒトに使用される接着技法が適
用できない、家畜病治療用途における薬物の投与の経皮
路の有用な利用をこれまで妨げて来た問題に気づくであ
ろう。これに関して、本発明は動物の皮膚に非粘着的に
薬物を適用するための装置を提供し、前記装置は、本発
明のマトリックスを担持し、そして動物の耳上に非侵入
的固定のために配列されている除去しうる囲い(該囲い
は、耳をおおって固定するように配置され、そして好ま
しくはそれに関係する選択可能なクロージャーを有す
る)を含んで成る。そのような装置は、好ましくは、下
記特徴: (a)前記選択可能なクロージャーが動物の頭に最っと
も近い耳の狭い部分と連結するように作用し; (b)前記囲いが内側の耳の連結部分及び外側の耳の連
結部分を含み、ここで好ましくは前記内側の耳の連結部
分は比較的硬質であり、そして前記外側の耳の連結部分
は比較的柔軟であり; (c)前記除去しうる囲いが弾性装置により一緒に連結
して強調される一対の部材を含んで成り; (d)前記除去しうる囲いが耳の皮膚の2つの反対側の
表面に前記マトリックスを適用するための手段を含んで
成り; (e)前記除去しうる囲いが構成され、そして前記マト
リックスは、前記囲いを利用する人とマトリックスとの
物理的な接触を伴わないで、前記囲いが動物の耳に固定
され、又はそれから除去され得るようにその上に配置さ
れ; (f)前記装置が囲いの内部に位置するマトリックスを
含むための別々の要素をまた含んで成り; (g)前記マトリックスが所望する調節された又は持効
性のパターンを提供するように構成され; (h)前記装置がまた、動物が処理される視覚上の指示
を提供する手段も含んで成り;そして (i)前記装置がまた、与えられた動物に適用される処
理の視覚上のコードされた指示を提供する手段も含んで
成る特徴の少なくとも1つの特徴をさらに含んで成る。
【0026】多孔性であるが、しかし非有孔性であるマ
トリックスは、皮膚表面でのマトリックス孔が薬物/キ
ャリヤーの組合せにより満たされる限り適切に通気する
ことができないので、柔軟な積層支持体(他方、本明細
書においては、“マトリックス”として記載される)に
おける穴あけは、予定される所望程度の“通気性”のそ
れへの付与を可能にすることが注目される。一般的に、
本発明は、皮膚の正の透過を伴って、及び毛の削り落し
又は他の前処理を要さないで、1種の薬物又は多種の薬
物を同時に長期間の経皮的投与を可能にする利点を有す
る。従来の技術とはひじょうに異なって、本発明は皮膚
透過増強剤の追加の使用を伴わないで操作可能であるこ
とが本発明者の経験から明らかである。薬物及びキャリ
ヤーの組合せは、好ましくは、周囲温度で液体状態で存
在するであろう。但し、本発明はまた、半固体又は半液
体であるような組合せにも拡張される。当業者は、液体
状態での薬物及びキャリヤーの組合せは、経皮的投与の
ために、実際の期間、比較的まれであることを気づくで
あろう。
【0027】可能性ある家畜病治療用途に関しての直接
の評価の他に、動物に対する実験は、可能性あるヒトへ
の適用のために、本発明の医薬組成物のイン ビボ試験
の目的のための評価としても見られる。より詳しくは、
実験用羊(40〜70kg)又は子牛 (50〜80kg)(これは成人
の体重とほぼ同じである) をそのような実験に用いるこ
とによって、その結果は、本発明の利用性の特定の表示
であると思われる。本発明の動物への経皮的投与は、耳
の毛状の表面又は毛のない表面のいづれかに適用されて
も効果的であることは発明者(下記参照のこと)により
示されており;この事実は、ヒト適用における本発明の
可能性ある利用性の追加の表示を提供すると思われる。
そのような実験を行うための装置は、下記に示される。
【0028】動物の皮膚に非粘着的に薬物を適用するこ
とによる経皮的投与のための装置は、動物の耳上に非侵
入的に固定されるように配置される除去可能な囲いを含
んで成り、そして吸収されたキャリヤー/マトリックス
組合せを含むマトリックスを組込む。そのように囲い
は、耳をおおって固定するように配置されたグローブ様
囲いであり得、そしてそれに関係する選択可能なクロー
ジャーを有する。その選択可能なクロージャーは、たと
えばジッパー又は耳の周囲をそれぞれ固定するクリップ
又は他のファスナーの配置を含んで成る。他方、除去可
能な囲いは、弾性装置により一緒に固定される一対の平
面部材を含んで成る。
【0029】上記除去可能な囲いは、耳の2つの反対側
の表面に薬物を適用するように配置され得る。他方、薬
物は、その反対側の表面の1つの表面上のみに適用され
得る。1種以上の薬物が与えられた表面上に適用され
得、又は複数の異なった薬物がその囲いの異なった表面
上に適用され得る。さらに、種々の薬物が動物の種々の
耳に適用され得る。
【0030】試験動物の無菌又は他の調製は、囲いが準
備されていない及び未処理の耳上に固定される限り、薬
物の適用の前、必要とされない。また、除去可能な囲い
は、通常の適用及び使用において、薬物がその囲いを適
用又は除去する人と物理的な接触を伴わないように配置
され得る。本発明の態様によれば、マトリックス(試験
目的のための又はヒトへの適用のための)は、薬物のた
めの所望する調節された又は持効性パターンを付与する
ように構成され得る。
【0031】前記のように、本発明の装置は、好ましく
は、薬物のために所望する調節された又は持効性パター
ンを提供する多層システムの片側に付着された柔軟な通
気性支持層を含み、前記多層システムは、積層固体支持
体(すなわちマトリックス)及び前記システムにおける
少なくとも2種の個々の層が医薬組成物のために異なっ
た吸収性を有するような少なくとも1種の他の層を含
み、そして前記支持層は多層システムにおける個々の層
のいづれよりも医薬組成物のために低い吸収性を有す
る。
【0032】当業者は、本発明は、薬物の動物への非粘
着性及び非透過性経皮的投与の実施を可能にし、その結
果、薬物の適用は予定時間で非手術的に停止され得るこ
とを理解するであろう。薬物の適用の停止は、動物の組
織に又は食品、たとえばミルクに残存する薬物の残留を
防ぐために正確に行なわれる。薬物の適用の非手術的停
止は、たとえば、屠殺された動物に残存する予定された
限界以上の薬物残留を回避するために、動物の屠殺の
前、少なくとも予定された時間で行なわれる。
【0033】薬物が繁殖動物における排卵の調節のため
の物質である場合、本発明は、群れのために同調される
予定された時間での薬物の適用及び非手術的停止を可能
にする。
【0034】特定の態様の記載 図1(A及びB)に関しては、除去可能な囲い10が動物
の耳をおおって固定するために提供されている1つの態
様が示される。この囲い10は典型的には、閉鎖された外
部端12及び開放された内部端14を有するスリーブの一般
的な形態で形成され得る。内部端14に隣接して、動物の
耳上に囲い10を保持するためにファスナー16、たとえば
ジッパー又は他のタイプの適切なファスナー、たとえば
スナップが供給される。
【0035】本発明の好ましい態様によれば、囲い10
(プラスチック又は一部プラスチック材料、たとえば熱
可塑性材料、たとえばPVC、ナイロン、ポリプロピレ
ン、ポリエチレン又はポリエステルから製造される)
は、動物の耳22のそれぞれ直面する平面と接触する2つ
の一般的に平らな表面18及び20を限定する。特定の態様
においては、例示されるように、たとえば合成ポリマー
又は半合成(たとえばセルロース誘導された)材料から
製造された薬物−担持性多孔性、吸収性有孔性固体支持
体又はいづれか他の適切なタイプの多孔性、吸収性有孔
性固体支持体の層24が供給される。層24は、薬物/キャ
リヤー組合せが皮膚と接触する場合、皮膚上での悪い効
果、たとえば炎症を防ぐために、空気への動物の皮膚の
良好な暴露を可能にするように形成されることが好まし
い。
【0036】図2(A及びB)に関しては、囲い10のも
う1つの態様が例示される。ここで囲い10は、開口部36
とかみ合う関連するファスナー34を有する2つの連結さ
れたリーフ30及び32を含んで成る。薬物を担持する多孔
性、吸収性有孔性固体支持体38は、典型的にはリーフ30
及び32のそれぞれに関連する。
【0037】図3(A及びB)に関しては、本発明のさ
らにもう1つの態様が例示され、ここで囲いは密封され
た囲いではないが、しかしむしろ、動物の耳22の一部を
取り囲む折りたたまれた配向で配置される2つのリーフ
40及び42を含んで成る。それらの2枚のリーフ40及び42
は典型的には、お互い固定され、従って従来のコイルバ
ネ機構44により耳22をつかむ。この態様は、薬物を担持
する多孔性、吸収性有孔性固体支持体を含む。
【0038】図4に関しては、大気と動物の耳との間で
直接通じ又は薬物担持の多孔性、有孔性固体支持パッド
52を通して伝わる、孔50を有する囲い10の一部の詳細が
示される。孔の供給は、図1(A)〜3(B)に例示さ
れるすべての態様に同等に適用できる。
【0039】すべての例示される態様は、本発明の好ま
しい態様に従って使用され得る囲いのいくつかの例に過
ぎない。囲いは1回の使用のために企画されており、そ
して従って使い捨て可能であり、又は多数回の使用のた
めにも用いられ得る。
【0040】囲いは、農耕用動物への処理のタイプ及び
処理の持続期間の同定の容易な手段を提供するようにコ
ードされた色又はパターンであることができる。
【0041】妊性の同時化における本発明の使用の例
は、雌羊の耳への上記のような囲いの結合による、13日
間連続してのその雌羊へのプロゲステロンの適用であ
る。前記の13日後、囲いは除去され、そして捨てられ
る。交配は、その後24時間以内に起こるべきである。い
づれにせよ動物の屠殺は、囲いの除去の後、48時間以内
で行なうべきでない。
【0042】成長促進剤の適用における本発明の使用の
例は、去勢した雄牛の耳への上記のような囲いの結合に
よる、90日間の連続してその雄牛へのエストラジオール
及びプロゲステロンの組合せの適用である。前記90日
後、囲いは除去され、そして捨てられる。動物の屠殺
は、囲いの除去の後、5日以内に行なうべきでない。
【0043】微量養分供給物、たとえばビタミン、微量
元素の適用における本発明の使用の例は、牛の耳への上
記のような囲いの結合による、90日間の連続してその牛
へのセレニウム(たとえば硫化物として)の適用であ
る。前記90日後、囲いは除去され、そして捨てられる。
囲いの適用は、子を生む前、少なくとも8週前に行なわ
れ、そして離乳の最後で停止されるべきである。
【0044】図5〜8及び11(A−E)に関しては、本
発明の好ましい態様に従って構成されそして作動する除
去可能な薬物−担持囲いの構造及び取付けが示される。
参照番号60により一般的に示される囲いは、プラスチッ
ク、金属又は他のいづれか適切な材料の孔あきウェブ材
料から典型的に形成される内部耳部分62を含んで成る。
その内部耳部分62は変形に対して耳を支持するように作
用し、そして薬物−含浸された支持体保持曲り部分64を
含み、そして前記部分64は、部分64の所望する曲率を支
持し、そして所望通りに囲いの空間を維持するブリッジ
部材及び動物の耳の内部表面に対して横たわる。外部耳
ラップ部分68及びカラー部分70は、内部耳部分62と関連
し、そして好ましくはそれと共に構成要素をなして形成
される。好ましくは、内部耳部分62は、外部耳ラップ部
分68及びカラー部分70のために使用される材料よりもい
く分硬質である材料から形成される。外部耳部分68は典
型的には、いく分ストレッチ性であるプラスチック、金
属又は他のいづれか適切な材料の孔あきウェブ材料から
形成される。カラー部分70は同一の材料から形成され得
るが、しかし制限されたストレッチ性を有すべきであ
る。初めに記載された態様で上記に示されたように、薬
物は、内部耳固定部分62の表面64上に及び外部耳ラップ
の表面74上に固定される孔あき固体支持体(たとえばパ
ッドの形で)上に供給される。
【0045】図7は、動物の耳中への内部耳固定部分62
の初期挿入を示し、そして図8は、動物の耳上への囲い
60の完全な締結を示す。カラー部分は、耳上に囲いを保
持するために動物の頭に最っとも近い耳の狭い部分のま
わりに比較的堅く調節可能的に締結される。囲いを除く
ことが所望される場合、カラー部分を通常十分にゆる
め、そして耳から囲いを滑り落とされる。例示される態
様においては、差込タイプのファスナー76が使用される
が、しかしいづれの適切なタイプのファスナーでも使用
され得ることが理解される。その例示においては、右耳
のための囲いが示される。左耳のための囲いはそれに対
応して構成される。外部耳ラップ部分上の締結配置は、
種々の異なった大きさの耳が共通する囲いによって容易
に収容され得るような配置である。しかしながら、異な
った大きさの囲いが十分に成長した牛のためには必要と
される。例示される態様において、外部耳ラップ部分
は、耳の曲率を調節するために隣接ストラップ部分82及
び84の間にスリット80を含む。囲いの構造に依存して、
このスリットは排除され得る。
【0046】羊、ヤギ及び他の小動物への使用に適切な
囲いの他の態様が、図12に示される。囲い90は、耳の増
強された支持体のために2つのブリッジ部材92及び94を
含む。図13(A,B,C,D及びE)は、図12における
線A−A,B−B,C−C,D−D及び方向Eにそって
取られた断面図である。
【0047】図14は、 110で一般的に示される"Sponte
x"(商標) 吸収スポンジにより例示される多孔性、吸収
性、有孔性固体支持体を含んで成る本発明のマトリック
スを例示し、ここで直径4mmの円形の孔あけが行なわれ
ており、その中心は約8mm離れている。使用される特定
の支持材料及び図14に示される孔あけの性質及び大きさ
は単に例示的であって、そして限定的であることは明ら
かであろう。従って、本明細書及び請求の範囲におい
て、“有孔”材料が言及される場合、この用語は、広く
解釈されるように意図される。それは、製造間で製造さ
れた孔あけ並びに製造後に製造された孔あけを含む。さ
らに、この用語は、顕微鏡の助けによりのみ明確に見ら
れ得る微小孔あけ並びに裸眼により見られ得る大きな孔
あけを包含する。適切な孔あけの大きさは、要因、たと
えば本発明の医薬組成物の種々の成分の性質及び濃度に
基づいて決定され、そして使用の間、容易に詰まらない
ような孔あけの大きさを考えて、当業者により決定でき
るであろう。
【0048】図22は、そこに付着された柔軟の通気性支
持層122 を有する、図14に示されるようなマトリックス
120 を含んで成る本発明の装置の特定の態様の側面図を
示す。図23は、そこに付着された柔軟な通気性支持層13
2 を有する、図14に示されるようなマトリックス130 を
含んで成る本発明のもう一つの態様の側面図を示し、さ
らにこれは参照番号134 により一般的に示される多層シ
ステムで包含され、そしてその多層システムは少なくと
も2つの層、すなわち層132 及び少なくとも1つの他の
層140 から成る。もちろん多層システムは、3種又はそ
れ以上の層、たとえば層142 及び144 からも構成され得
る。図23は純粋に例示的であり、そしてシステムにおけ
る層の数を限定しない。システムにおける種々の層は、
医薬組成物のために同じ、類似する又は異なった吸収性
を有し、そして前記態様の1つで薬物を経皮的に投与す
るために皮膚に最っとも近い層でそのような組成物を分
散するように構成されるであろう。
【0049】次の例においては、動物に対する実験が、
可能性あるヒトへの使用並びに可能性ある動物への使用
のためのその組成物の試験に関して、本発明の医薬組成
物のイン ビボ試験の二重目的のために行なわれること
がもちろん理解されるべきである。これらの例において
は、プロゲステロン、エストラジオール及びテストステ
ロンから選択された1又は2種の薬物、又はすべての3
種の薬物を含むある組成物並びにメトロキシプロゲステ
ロン(アセテートとして)、レバミゾール又はイベルメ
クチンを含む他の組成物が調製され、そしてそれらの組
成物が、ヒトの治療のためのモデルとして動物に経皮的
投与される。これらの薬物は本発明の典型的な非制限的
態様を示し、これはまた他の薬物の経皮的適用にも適用
できることがもちろん理解されるであろう。これらの実
験は、一方では、1種又は多種の薬物(同時に)が本発
明に従って経皮的に投与されることを示す。多くの薬物
の同時投与の可能性は、それが便利であり、そしてま
た、患者のコンプライアンスを確保するために重要なも
のである。なぜならば、患者は、投与されるべき別々の
薬物の数の上昇と共に投与量を誤る傾向があることが知
られているためである。他方、試験されるプロゲステロ
ン、エストラジオール及びテストステロンは、プロゲス
チン、エストラゲン及びアンドロゲンの種類を代表する
ものとして見なされ得ることが理解されるであろう。エ
ストロゲン置換は、閉経及び閉経後の女性における所望
しない症状を緩和することが知られており;それはま
た、プロゲスチンによるエストロゲンの補足がまた有益
であることを報告している。またエストロゲン+プロゲ
スチンの組合せは、避妊のために使用され得る。アンド
ロゲン療法は、エストロゲン及び/又はプロゲスチン療
法のように多くの用途が知られている。
【0050】メドロキシプロゲステロン(アセテートと
して)に関しては、ホルモンの不均衡(有機的な病理
学、たとえばフィブロイド又は子宮癌の不在下で)によ
る二期無月経又は異常な子宮出血の治療のためには、通
常の投与量は5〜10日間毎日、5〜10mg(錠剤)であ
り、そして手術不可能な、再発性の及び転移性の子宮内
膜癌腫又は腸癌腫の臨時的な療法及び緩和処置のために
は、まず、1週当たり 400〜1000mgが雑菌水溶液の形で
筋肉内投与され、その用量は、改良点が数週間又は数か
月以内に示される場合、一カ月当たり 400mgに減じられ
る。
【0051】レバミゾールは駆虫剤として広く使用さ
れ、そして胃腸及び全身の線虫に対して広い活性を有
し;特に、それは、通常の投与量形が錠剤 (50〜150mg)
である場合、アスカリアシス (ascariasis)(回虫) 及び
アンシロストミアシス(ancylostomiasis)(十二指腸虫)
の処置のために使用される。それはまた、免疫調節作用
も、評判によれば有する。それは通常、塩酸塩として経
口投与される。イベルメクチンは、12mgの一回の経口投
与量(又は約 200μg/kg体重)が通常である場合、ヒ
トにおけるオンコセルカ症の処置に有効であることが最
近示された。
【0052】本発明は、次の非制限的な例により示され
るであろう。
【実施例】
例1:薬物−大豆油混合物の調製及びそれを含むマトリ
ックス 400mg/Lのブチル化されたヒドロキシトルエン(酸化
防止剤)を含む大豆油を38℃で加熱し、そしてプロゲス
テロンを添加し(18.7g/Lの大豆油を得る)、その混
合物を15分間十分に攪拌し;その生成物を“A”として
ラベルした。
【0053】生成物“A”に、17β−エストラジオール
を添加し(10.7g/Lの濃度の大豆油が得られた)、そ
の混合物を再び、15分間38℃で十分に攪拌し;その生成
物を“B”としてラベルした。
【0054】生成物“B”に、テストステロンを添加
し、(23.6g/Lの濃度の大豆油を得る)、その混合物
を再び、38℃で15分間十分に攪拌し;その生成物を
“C”としてラベルした。
【0055】生成物 "A", "B" 、及び“C”を用い
て、上記図14に示される"Sponter"(商標) 吸収性スポン
ジの断片を含浸した。このようにして生成されたマトリ
ックスを、下記試験で使用した。
【0056】例2:雌羊へのプロゲステロンの経皮的投
方法 :この研究は、無発性期の間、通常周期をなす判明
された妊性の混合された交配(表1)の5匹の性的に成
熟した雌羊に対して及び適切な栄養食事に対して1990年
5月に行なわれた。雌羊は、イスラエルの中央平原領域
において羊小屋で育成された 200匹の羊の群れの一部で
あった。
【0057】
【表1】
【0058】図3(A及びB)に示されるような囲い10
0 を用いた。囲い100 の要素は、図2(A−D)及び図
4(A−E)に関して記載された要素に類似する。個々
の耳装置は、プロゲステロンの量に関して、2つの類似
する薬物マトリックス102 を含んだ。上記図1に示され
るタイプのマトリックスに類似するタイプの2つのマト
リックスのそれぞれは、約 60cm2の表面積を有し、そし
て15mLの生成物 "A"(例1で調製されたような) 及びプ
ロゲステロン約 276mgを含んだ。マトリックスは、動物
の耳の1つの個々の側上の皮膚表面に接触して維持され
た。その皮膚表面は、2種の薬物マトリックスを含む装
置の結合の前、毛削りされておらず又はいづれかの手段
でも調製されなかった。マトリックスは雌羊1及び3上
に連続して10日間維持され、そして雌羊2,4及び上に
連続して13日間維持された。
【0059】プロゲステロン含有装置を付ける前、朝、
静脈から血液サンプルを、頸静脈から2日間連続して採
取した。2回目の血液サンプルが採取された後、12時間
後、装置を付けた。この後、12時間後、朝、血液サンプ
ルを採取し、そして次に個々の装置が除去されるまで土
曜日を除く毎朝採取した。個々の装置が雌羊1及び3か
ら除去された後、12時間後、朝、血液サンプルを採取
し、そして続く2日間、朝に採血し;装置は13日後、他
の雌羊から除去された。次に、すべての5匹の雌羊に 6
00i.u.のPMSGを注射した(同調処置の最後での標準の実
施として)。PMSG投与の後、48時間後、血液サンプルを
すべての5匹の羊から採取し、そして24時間後、最後の
血液サンプルを採取した。プロゲステロンの血清レベル
を、D.P.C.Coat-A-Count方法を用いて固相ラジオイムノ
アッセイにより二重反復アッセイした。最後の血液サン
プルが採取された後、円形の生検(直径5mm)を個々の
羊から採取し、ここで3種は処理された耳から及び3種
は未処理の耳(対照)からであった。1つの生検は耳の
中央から採取され、そして他の2つは耳の端の周囲から
採取された。
【0060】耳サンプルを4%ホルムアルデヒド緩衝溶
液に保存した。耳サンプルの横断面を、ヘマトキシリン
及びエオシンにより染色し、そして続いて、認定された
毒物病理学者により顕微鏡で試験された。
【0061】結果:前処理されたプロゲステロン血清レ
ベルは平均約0.3ng/mLであった。装置が付けられた
後、12時間後に採取された朝の血液サンプルからのプロ
ゲステロン血清レベルは、前処理された値よりも全羊に
おいて高く、そして0.5〜1.7ng/mLの範囲であり、1
ng/mLの平均上昇が存在した。処理期間の間、プロゲス
テロン血清レベルは0.4〜9.4ng/mLの範囲であった。
すべての5匹の羊に、持効性プロフィールを観察した。
装置が羊1及び3から除去された(10日目)後、24時間
後採取された朝でのサンプルからのプロゲステロン血清
レベル(最初の後処理血清サンプル)は、前処理の値と
異なっておらず、そして次の7日間そのような存続し
た。装置が他の3匹の羊から除去され、そしてPMSGが注
射された後、48時間後、最初の血液サンプルを採取し
た。これらのサンプル及び24時間後に採取された血液サ
ンプルからの血清プロゲステロンレベルは平均0.3ng/
mLであり、すなわち前処理レベルと同じであった。13日
間処理された3匹の羊についての研究の間の平均プロゲ
ステロン血清レベルは、図15に示される。
【0062】装置が付けられた耳は、わずかな毛の損
失、3匹の場合、わずかな鱗苞及びわずかな拡散性表皮
肥厚を示した。他方、観察された軽い傷は、実験室で製
造された原型装置における構造的な欠点によるものであ
る証拠が存在し、これは標準の製造モデルでは回避でき
るはずである。
【0063】例3:単一マトリックスから家畜へのいく
つかの薬物の経皮的投与 方法 :この研究は、個々の室に保持され、そして通常通
りに食物を与えられた6匹の健康なホルスタイン牛に対
して1990年5月に行なわれた。その場所は、イスラエル
の中央平原における酪農家であった。
【0064】
【表2】
【0065】図3(A及びB)に示されるような囲い10
0 を用いた。囲い100 の要素は、図2(A−D)及び図
4(A−E)に関して記載された要素に類似する。個々
の耳装置は、活性剤の量に関して、2つの類似する薬物
マトリックスを含んだ。上記図1に示されるタイプのマ
トリックスに類似するタイプの2つのマトリックスのそ
れぞれは、約 60cm2の表面積を有し、そして約10mLの生
成物“B”又は "C"(例1で調製されたような) を含ん
だ。マトリックスは、動物の耳の1つの個々の側上の皮
膚表面に接触して維持された。その皮膚表面は、2種の
薬物マトリックスを含む装置の結合の前、毛削されてお
らず又はいづれかの手段でも調製なかった。5匹の雄牛
に適用されるマトリックスは約97mgの17β−エストラジ
オール及び約 187mgのプロゲステロンを個々のマトリッ
クスに含んだ。雌牛に適用されるマトリックスはエスト
ラジオール及びプロゲステロンの他に、約 230mgのテス
トステロンを個々のマトリックスに含んだ。薬物マトリ
ックスは、雌牛(番号6)上に連続して6日間維持され
た。雄牛上では、マトリックスは、番号1及び5上に連
続して8日間、番号2及び3上に連続して13日間及び番
号4上に連続して16日間維持された。
【0066】装置を付ける前、朝、静脈から血液サンプ
ルを、頸静脈から3日間連続して採取した。3回目の血
液サンプルが採取された後、12時間後、装置を付けた。
この後、12時間後毎朝、血液サンプルを採取し、そして
次に個々の装置が除去されるまで土曜日を除く毎朝採取
した。個々の装置が除去された後、12時間後、朝、血液
サンプルを採取し、そして続く3日間、朝に採血した。
【0067】プロゲステロン、17β−エストラジオール
及びテストステロン(雌牛に対してのみアッセイされ
た)の血清レベルを、D.P.C.Coat-A-Count方法を用いて
固相ラジオイムノアッセイにより二重反復アッセイし
た。最後の血液サンプルが採取された後、6個の円形の
生検(直径5mm)を個々の牛から採取し;ここで3種は
処理された耳から及び3種は未処理の耳(対照)からで
あった。1つの生検は耳の中央から採取され、1つは耳
のひだから採取され、そして他の1つは耳の端の周囲か
ら採取された。
【0068】耳サンプルを4%ホルムアルデヒド緩衝溶
液に保存した。水和化し、そしてパラフィンワックスに
埋封した後、耳サンプルの横断面を調製した。その断面
を、ヘマトキシリン及びエオシンにより染色し、そして
続いて、認定された毒物病理学者により顕微鏡で試験さ
れた。
【0069】結果:前処理されたエストラジオール(<
10pg/mL)及びプロゲステロン(<0.1ng/mL)血清レ
ベルはすべての6匹の牛において検出の下限よりも低
く、そしてこの期間での雌牛におけるテストステロンレ
ベルは検出の限界よりもまた低かった(<0.1ng/m
L)。処理の間、プロゲステロン、エストラジオール及
びテストステロン(雌のみ)の血清レベルは、アッセイ
の検出の限界以内であった。プロゲステロン血清レベル
は0.1〜2.2ng/mLの範囲であり、エストラジオールレ
ベルは13〜1616pg/mL及びテストステロンレベルは2.6
〜10ng/mLであった。6匹のうち5匹において、これら
の物質の血清レベルを、装置が付けられた後、12時間後
に採取された最初の血液サンプルに検出した。装置が除
かれた後、12時間後での最初の血液サンプルにおけるプ
ロゲステロンの血清レベルは検出できず、そしてすべて
の雄牛において、エストラジオールも検出不可能であっ
た。雌牛からこの時点で採取されたテストステロン血清
レベルは0.3ng/mLであった。
【0070】6匹の牛のうち2匹において、装置の取り
付けに続くこれらの薬物のレベルはばらばらであり、そ
して他の4匹においては、持効性プロフィールが観察さ
れた。持効性プロフィールの2つの例が図16及び17に示
されている。
【0071】装置が付けられた耳は、多くの場合、わず
かな拡散性表皮肥厚を示した。他方、観察された潰瘍形
成は、実験室で製造された原型装置における構造的な欠
点によるものである証拠が存在し、これは標準の製造モ
デルでは回避できるはずである。
【0072】結論:利用された装置は、動物の皮膚と適
合しながら、野外条件下で長期の間、いくつかの薬物を
単一のマトリックスから家畜に同時に経皮的投与するこ
とを可能にすることが示された。さらに、薬物の血液レ
ベルは、装置の除去の後、急速且つすばやく前処理レベ
ルに戻る。
【0073】例4:経皮的に投与される薬物のためのキ
ャリヤーとしての種々の油に対する動物試験 方法 :この研究は、1990年9月、イスラエルの中央平原
領域に位置する農場で行なわれた。生後4〜5カ月で及
び体重45〜55kgの混合交配(Merino/Romanoff及びMeri
no/Finnish Landrace)の雄子羊に、1日1度、干し草
及び市販の濃縮食物ペレットを供給し、そして過剰量の
水を自由に与えた。次の非揮発性油、すなわち(1)ピ
ーナッツ油、(2)アーモンド油:クルミ油の90:10混
合物、(3)ナタネ油、(4)大豆油、(5)トウモロ
コシ油、(6)液体ココナッツ油、(7)グリセロー
ル、(8)プロピレングリコール及び(9)パラフィン
油に基づく9種の医薬組成物を、3〜4匹の子羊のグル
ープで試験した。9種の組成物のそれぞれを、 100mgの
油と薬物としての17β−エストラジオール 500mg及び酸
化防止剤としてのブチル化されたヒドロキシトルエン40
mgとを38℃で一晩混合することによって調製した。植物
油(1)〜(6)の脂肪酸含有率及び油(1)〜(9)
の個々におけるエストラジオール濃度を測定し、そして
結果は下記表3に示す。
【0074】
【表3】
【0075】実験は予備原型耳装置により行なわれた。
個々のそのような装置に、マトリックスを取り付けた。
マトリックスは、直径4mmの円形の孔あけが作られ、そ
の円の中央はそれぞれ約8mm離れている4mmの厚さの S
ponterR 吸収性スポンジから製造された。マトリックス
の表面積は110cm2(それぞれ耳の外部及び内部表面をお
おう 55cm2の表面)であった。このマトリックスを、試
験下で組成物16mLにより含浸し、そして約50gの重量の
システム(付着される含浸されたマトリックスを有する
耳装置)を子羊の耳上に固定した。耳の皮膚表面は、装
置の固定の前、毛削りされておらず又はいづれかの手段
で調製された。そのシステムは、連続して4日間固定さ
れた後、子羊の耳から除去された。
【0076】皮膚の薬物透過は、研究の期間にわたって
ある間隔で血清における17β−エストラジオール濃度を
測定することによって評価された(固相ラジオイムノア
ッセイにより)。乾(0700−0800)、静脈血液サンプル
を、装置を固定する前、連続して3日間、頸静脈から採
取し;2匹を除くすべての動物において、血清は測定可
能量の17β−エストラジオール(<10pg/mL)を含ま
ず、但し、12.3及び17.1pg/mLを含んだ。次に装置を取
り付け、そして血液サンプルを、装置の取り付け後、2
時間で及び連続して朝に採取した。4日間の固定の後、
装置を除去し、装置の除去後連続して3日間、朝に血液
サンプルを採取した。子羊の耳から装置を除去した後、
その処理部位及び全体の耳を調べた。医者の調査に続い
て、検体サンプルを耳から採取した。これらの結果は表
4に要約される。
【0077】
【表4】
【0078】表4の手引き:エストラジオール血清濃度 0−:動物は有意な量、>20pg/mL有さなかった。 0 :1/3以上の動物は有意な量、>20pg/mL有さな
かった。 a−:少なくとも2/4の動物が19.5pg/mL以上有し
た。 a :すべての動物は19.5pg/mL以上であった。 b :すべての動物は28pg/mL以上有した。 c−:少なくとも2/3の動物が少なくとも30pg/mLを
有した。 c :すべての動物は38pg/mL以上有した。 c+:すべての動物は42pg/mL以上有した。 d :すべての動物は57pg/mL以上有した。 e−:3/4の動物が70pg/mL以上有した。 e :すべての動物は67pg/mL以上有した。 f−:すべての動物は92pg/mL以上有した。 f :すべての動物は 145pg/mL以上有した。 g :すべての動物は 300pg/mL以上有した。投与後の耳の物理的な観察 §:少なくとも50%の動物に異常性が検出されなかっ
た。 ■:少なくとも2/3の動物にひじょうにわずか/中ぐ
らいの腫脹が検出された。 ◆:少なくとも2/3の動物に潰瘍、痂皮形成又は中ぐ
らいの/重度の腫脹が検出された。
【0079】結果の論議:すでに指摘されたように、耳
装置は原型であった。従って、この論議は、それらが追
加の調査のための必要性を強調する予備結果として見な
され、そしてキャリヤーとして試験された物質が皮膚を
通して薬物を運ぶことにおいて効果的であるかどうかを
主として伝え、そしてこれらの物質の皮膚適合性の徴候
を主として得る傾向がある制限を受けるであろう。これ
らの制限を受ける次の傾向が、血清へのエストラジオー
ルの経皮的輸送に関して観察され得る。
【0080】投与後、2時間後、キャリヤー効能の降順
は次の通りであり:6>8>9>1,2>3〜5>7、
そしてグリセロールを除くすべての場合、試験動物の血
清におけるエストラジオールの有意に高められた濃度が
存在し、液体ココナッツ油は最っとも効果的なキャリヤ
ーであり、続いてプロピレングリコールである。
【0081】投与後1日で、その降順は6>8>4>1
>2,3>5>7,9になり;この段階で、液体ココナ
ッツ油及びプロピレングリコールに続いて第3番目の大
豆油は、2時間段階でよりもより効果的になり、そして
パラフィン油の初期効能は低下した。
【0082】投与後4日で、その降順は6>1>2>8
>4,5>3,7,9になり;この段階で、ナタネ油
は、明らかに比較的効果がないものとしてグリセロール
及びパラフィン油と同じになり、そしてピーナッツ油及
びそれよりも低いアーモンド油/クルミ油の90:10混合
物は薬物キャリヤーとしてそれらの性能を改良した。
【0083】表4から見られるように、ほとんどの場
合、薬物は、装置が除去された後、動物の血清に存続せ
ず、その結果はまったく驚きにあたいしない。しかしな
がら、例外的に、コーン油及びプロピレングリコールに
より経皮的に担持される薬物は、装置の除去の後、1〜
2日間、血清における有意な存在を維持する。
【0084】試験動物の耳への投与の効果に関しては、
液体ココナッツ油及びプロピレングリコールの場合、潰
瘍の散在する発見がたぶん、偶然の外傷(すなわちひっ
かくことによって)により引き起こされ、そして従っ
て、これらの特に有効な薬物キャリヤーの利用性に悪影
響をもたらさないはずであると思われる。一般的には、
植物油及びプロピレングリコールは経皮的に投与される
ための薬物のためのキャリヤーとして特に効果的である
が、しかしグリセロール及びパラフィン油は、それにも
かかわらず、この目的のためにいくらかの用途を見出す
ことができる。
【0085】この例に使用されるスクリーニング法が、
新規性及び発明性の両者を有するより一般的な方法の態
様であると思われる限り、予備選択された薬物のための
キャリヤーと予備選択された薬物との混合物のヒト及び
/又は家畜への経皮的投与について可能性を試験するた
めの方法が本明細書に開示されており、ここで前記方法
は、予備選択された時間、動物の皮膚に非粘着的にマト
リックス(その上に吸収された混合物を有する多孔性、
吸収性、有孔性固体支持体を含んで成る)を適用し、そ
して予備選択された期間、薬物のその動物における血液
レベルをアッセイすることを含んで成る。
【0086】例5:雄牛の内部及び外部耳皮膚表面を通
しての相対的な薬物の侵入 本発明の組成物の経皮的投与の特定の例においては、問
題の薬物が動物の片耳又は両耳のいづれかの内部及び外
部皮膚表面の両者に適用される装置(時々、AV-DDSとし
て言及される)が使用されて来た。この研究は、これら
の2種の異なった皮膚表面を通しての薬物の相対的侵入
を試験することに向けられる。
【0087】方法:この研究は、1990年8月、イスラエ
ルのある平原に位置する酪農場で行なわれた。次の年齢
及び体重を有する5匹の健康な雄ホルスタイン牛に対し
て研究が行なわれた:#245 、2.5か月、〜60kg;#60
4 、2.5か月、〜70kg;#621、2.5か月、〜70kg;#2
98 、2.5か月、〜75kg;及び#307 、3か月、〜90k
g。個々の牛を個々の室に維持し、食物を与え、そして
通常通りに処理した。実験は、実験室製造耳装置原型及
び予備実験室製造投与形により行なわれた。個々の耳装
置に、動物の耳の片面に適用されるべき1つの投与形及
び同じ耳の他面に同時に適用されるべき異なった投与形
が取り付けられた。耳の皮膚表面は、動物の耳に装置を
付ける前、毛削りされておらず又はいづれの手段でも調
製されなかった。
【0088】個々の投与形のためのマトリックスは、直
径4mmの円形孔あけが行なわれ、その中央はそれぞれ約
8mm離れている4mmの厚さの SpontexR 吸収性スポンジ
から製造された。個々のマトリックスの表面積は 60cm2
であり、そして言及したように、耳の片面のみに適用さ
れた。個々のマトリックスは、取り付ける前、 275mgの
プロゲステロンを含むように大豆油中、25mg/mLのプロ
ゲステロン(Sigma) の混合物、又は 165mgのエストラジ
オールを含むように大豆油中、15mg/mLの17β−エスト
ラジオール(Sigma) の混合物11mLにより含浸された。含
浸されたマトリックスが組込まれているAV-DDS装置を、
個々の動物に連続して2日間維持した。朝(0700〜080
0)での静脈血液サンプル(10mL)を、薬物の投与前、
1又は2日で(連続的)、装置の取り付けのすぐ前、及
び次にその後、1及び2日で個々の動物の頸動脈から採
取した。薬物の血清濃度を固相ラジオイムノアッセイに
より二重反復アッセイした。
【0089】実験1 #245, #604 及び#621 の牛上に付けられた装置は、
内部耳表面と直接接触してプロゲステロン投与形及び同
じ耳の外部表面と直接接触してエストラジオール投与形
を維持した。#298 及び#307 の牛上に付けられた装置
は、外部耳表面と直接接触してプロゲステロン投与形及
び同じ耳の内部表面と直接接触してエストラジオール投
与形を維持した。
【0090】実験2 薬物の動物の血清レベルが前記実験1におけるのと同じ
値を有することが決定された後、装置は#621 の牛上に
取り付けられ、そして内部耳表面と直接接触して11mLの
大豆油(薬物を含まない)及び同じ耳の外部表面と直接
接触してエストラジオール投与形を維持し、そして#29
8 の牛上に取り付けられた装置は外部耳表面と直接接触
して11mLの大豆油(薬物を含まない)及び同じ耳の内部
表面と直接接触してプロゲステロン投与形を維持した。
【0091】2つの装置を#307 の牛上に固定した(個
々の耳上に1つの装置)。左耳上に固定された装置は、
その耳の外部表面と直接接触して11mLの大豆油(薬物を
含まない)及び同じ耳の内部表面と直接接触してエスト
ラジオール投与形を維持し、そして右耳上に固定された
装置は、その耳の内部表面と直接接触して11mLの大豆油
(薬物を含まない)及び同じ耳の外部表面と直接接触し
てプロゲステロン投与形を維持した。結果 :結果は下記表5に示される。プロゲステロン(<
0.1ng/mL)及びエストラジオール(<10pg/mL)の前
処理血清レベルは、両実験において、全牛における検出
の限界よりも低いことが注目される。実験1において
は、プロゲステロンは、処理期間の間に採取されたすべ
ての血液サンプル(#298 の牛を除く)に検出され、こ
こでプロゲステロンは2日目に検出されたが、1日目に
は検出されなかった。エストラジオールは、処理期間の
間に採取されたすべての血液サンプルに検出された。実
験2においては、プロゲステロンは、処理期間の間、#
298 及び#307 の牛から採取されたすべての血液サンプ
ルに検出された。エストラジオールは、その処理の間、
#621 及び#307 の牛から採取されたすべての血液サン
プルに検出された。
【0092】結論:耳の毛のある外部皮膚表面又は耳の
ロウ状の内部皮膚表面のいづれかを通してのいづれかの
薬物の侵入の間には有意な差異は存在しなかったことが
下記表の結果から注目される。
【0093】
【表5】
【0094】例6:羊へのメドロキシプロゲステロンア
セテートの連続した経皮的投与 方法 :この研究は、1990年10〜11月の間、イスラエルの
中央平原領域に位置する農場で行なわれた。6匹の子羊
に、1日1度、市販の濃縮食物ペレットを供給し;干し
草及び水は自由に利用できた。2回の実験を行なった。
それぞれの実験においては、異なったメドロキシプロゲ
ステロンアセテート(MPA) 投与形が、実験に従ってマト
リックスに吸収された(前記マトリックスは、前で詳細
に説明されたようなAV-DDS装置中に組込まれた)。
【0095】初めの実験においては、2匹の雄子羊に対
して行なった。 MPA 800mgを大豆油70mLと共に37℃で一
晩攪拌し、その混合物を110cm2の有孔性スポンジマトリ
ックス(55cm2が外部及び内部耳表面に適用される) 中に
含浸し、その結果、個々のそのようなマトリックスはMP
A 182.86mgを含んだ。2種のそのようなマトリックスを
動物当たりに使用し(個々の耳に同時に)、そして耳上
に連続して11日間維持し;耳表面は、マトリックスを組
込む装置を適用する前、毛削りされておらず又はいづれ
の手段でも調製されていない。静脈血液サンプル(10m
L)を、装置の適用の前、次にその後1,2及び4時間
後、個々の羊の頸静脈から続く13日間、毎朝(0700−08
00)採取した。
【0096】第2実験においては、2匹の雄及び2匹の
雌子羊が使用され、多量のMPAが使用され、そのMP
Aは大豆油中、25mgの MPA/mLの濃度をもたらした。個
々の有孔性スポンジを、8mLの大豆油により含浸し、数
分間放置し、次のMPA含有組成物8mLにより含浸せし
めた。スポンジと同じ態様で孔あけされた3層の吸収性
紙タオルをスポンジをおおうために個々のシステムに結
合し、その孔あけされたタオルをMPA含有組成物16mL
により含浸し、それによって個々の投与形は 600mgのM
PAを含んだ。前記のようにして組立てられたシステム
を、左耳上に固定し、そしてそれぞれ9及び11日間(2
匹の雄子羊の場合)及び15日間(雌子羊の場合)動物上
に維持した。静脈血液サンプル(10mL)を、装置の適用
の前、次にその後1,2及び4時間後、システムが除去
されるまで毎朝 (0700−0800)(ある場合、システムの除
去の後) 、個々の子羊の頸静脈から採取した。MPAの
生物利用性を、0.25ng/mL(PPB) の検出の下限を有する
ガスクロマトグラフィー法により測定されるMPA血清
濃度をアッセイすることによって決定した。
【0097】結果:MPAは、システムの結合の前、子
羊のいづれの血清にも検出され得なかった。最初の実験
(図20を参照のこと)においては、MPAは、装置が適
用された後1時間後の1匹の羊(#99)及び他の場合、
4時間後の1匹の羊(#96)からの血液サンプルに検出
された。MPAは11日間の処理期間を適しての羊(#9
6)からの血液及び10日間の羊(#99)からの血液に検
出された。装置が#96の羊から除去された後48時間で、
MPAは検出され得なかった。
【0098】第2実験(図21を参照のこと)において
は、その結果は第1実験に類似した(但し、次の差異が
存在した)。#770 の羊において、MPAは、装置が固
定された後1時間後の血液サンプルに検出され、そして
他の3匹の羊においては、MPAは、装置の固定後2時
間で同様に検出された。雌羊(#770 及び#771)におい
ては、処理の期間は15日であり、そしてMPAは、#77
0 の羊のためにはその期間を通して検出され、そして#
771 の羊のためには、それは14日間検出された。装置が
除去された後24時間で、MPAは、4匹の子羊から採取
された血液サンプルに検出されなかった。
【0099】結果の論議:MPA投与形を含む装置によ
る処理の前、MPAは、子羊から採取された血液サンプ
ルのいづれにも検出され得なかった。処理が開始された
後2時間で採取された血液サンプルのほとんどにおい
て、及び処理の開始後4時間で採取された血液サンプル
のすべてにおいて、MPAは検出された。MPA血清濃
度は、処理期間の間に採取された血液サンプルにおいて
は0.25ng/mL(検出の下限)〜2.0ng/mLの範囲であっ
た。第1及び第2実験の両者は類似する結果を与えた。
【0100】この研究の結果は、MPAが羊に長期間、
経皮的に投与され得ることを示す。従って、羊へのMP
Aの経皮的投与に基づくこの実験は、雌羊における同調
された発性の誘発のためへの本発明の利用性を示し、そ
してさらに、ヒトへの経皮的投与におけるMPAの可能
性ある使用のためのモデルを提供する。
【0101】例7:同調された発情の誘発のために雌羊
へのメドロキシプロゲステロンアセテートの経皮的投与 この例は、野外条件下で正常な交配時期の最後で雌羊に
発情を人工的に誘発するために使用される場合、その経
皮的技法の評価を提供し、そしてヒトへの経皮的投与に
おけるMPAの可能性ある使用のためのモデルとしても
存在する。
【0102】方法:この研究は、1990年の最後の週〜19
91年の最初の週において連続して13日間にわたって、正
常な交配時間の最後で、実証された妊性の24匹の性的に
成長したMerino/Cambridge 雌羊に対して行なわれた。
イスラエルの中央平原における羊小屋に収容された雌羊
を、適切な栄養状態で維持し、そして水は自由に利用で
きた。24匹の羊のうち22匹を、既知の膣内方法に従って
メドロキシプロゲステロンアセテート(MPA) により処理
し、そして他の2匹は本発明に従ってMPAにより処理
された。13日の期間の最後で、個々の雌羊はPMSG(Inter
vet) 600i.u.を注射され、発情が、48時間後、スタンデ
ィングヒート法(standing heat method)により決定さ
れ;発性を示す雌羊を人工的に授精せしめた。
【0103】MPA投与形を調製し、そして次の手段で
使用した。MPA(Sigma)と大豆油との混合物(23mg/mL)
を37℃に加熱し、そして一晩攪拌した。パイロット製造
手段で製造された2つの耳装置のそれぞれに、単一のマ
トリックスを固定し、個々のマトリックスは約110cm
2(すなわち、 55cm2が内部及び外部耳表面に適用され
る)の表面積を有し、そして直径4mmの円形孔あき(そ
の中央は約8mmの距離で離れている)を含む厚さ4mmの
SpontexR 吸収性スポンジから成る。個々のマトリック
スを、大豆油8mLによりまず含浸し、そして次に、数分
後、MPA/大豆油の混合物8mLにより含浸した。次
に、前記スポンジと同じ態様で孔あけされた3層の吸収
性紙タオルをスポンジ上に積層し、そしてMPA/大豆
油の混合物16mLにより含浸し、従って個々の投与形は23
×24=552mg のMPAを含んだ。指摘されるように、M
PA/大豆油の混合物を含む装置を、動物の耳上に固定
し、そして連続して13日間維持し;耳の皮膚表面は前も
って毛削りされておらず、又はいづれかの手段でも調製
されていない。
【0104】結果:13日の期間の最後で、膣内スポンジ
を除去し(しかし、22匹の雌羊のうち3匹から落ちてい
た)、そして耳装置をはずした。発情が合計24匹の羊の
うち21匹に観察され、すなわち、スポンジが落ちた3匹
を除くすべての羊から観察された。続く人工授精に基づ
いて、すべての21匹の羊が妊娠した。この研究は、本発
明に従っての経皮的方法が、野外条件下で雌羊における
同調発情を達成できることを示す。
【0105】例8:羊へのレバミゾールの連続した経皮
的投与 序論 :レバミゾールは駆虫薬として広く使用されてお
り、そして胃腸及び全身の線虫に対して広範囲の活性を
有し、そして免疫調整作用も有する。レバミゾールは、
寄生虫の神経筋肉麻痺を導びく、線虫節の刺激剤であ
る。その作用の機構により、そのピーク血液濃度は、そ
の濃度の持続期間よりもその抗寄生活性により適切であ
ることが報造されている。
【0106】家畜においては、レバミゾールのピーク血
液レベルは、皮下投与後1時間以内で生じる。次にこれ
らの濃度は急速に低下し、そして合計投与量の90%が24
時間以内でほとんど尿に排出される。
【0107】レバミゾールは回虫の神経システムに対し
て作用するので、それは殺卵性ではない。レバミゾール
は投与後急速に排出される事実を考慮すれば、これは、
既知技術に従って投与される場合、再発生に対して限定
された保護を提供するに過ぎない。
【0108】従って、それは、レバミゾールの駆虫作用
が、一回の投与後、延長され得る場合、好都合であり、
そして再発生に対して良好な保護を提供する。この研究
の目的は、本発明の経皮的投与システムへのレバミゾー
ル及び組成物の組込みは、現在の投与モデルにより達成
される期間よりも一層長い期間にわたって維持されるレ
バミゾール血液レベルを達成し得るかどうかを決定する
ことである。
【0109】方法:この研究は、1990年10月、イスラエ
ルの中央平原に位置する農場で行なわれた。生後5〜6
か月で及び45〜55kgの体重の混合された交配の雄子羊
(Merino/Romanoff及びMerino/Finnish Landrace)
は、干し草及び市販の食物ペレットを1日1回与えら
れ、そして過剰の水が与えられた。羊は、グループI
(3匹の子羊)、II(2匹の子羊)及びIII(3匹の子
羊) にランダムに分けられ、そして個々のグループは別
々の畜舎に収容された。
【0110】静脈血液サンプル(10mL)を、処理の前及
び処理の開始後、1,2及び4時間後、個々の子羊の頸
静脈から採取した。次に血液サンプルを、グループI及
び IIIにおいて次の4日間、及びグループIIにおいては
8日間(3日目を除く)、毎朝(0700−0800)、採取し
た。
【0111】グループIは、Laboratorios Calier S.A.
(Barcelona, Spain)により市販されている7.5%の溶液
(Caliermisol) の形での 225mgのレバミゾール溶液3mL
の1回の筋肉内注射により処理された。グループII及び
IIIは、異なったレバミゾール投与形を含むAV-DDS装置
により処理された。これらの実験においては、パイロッ
ト製造工場で製造された予備原型耳装置が使用された。
そのような個々の装置に、マトリックスが固定された。
マトリックスは、直径4mmの円形孔あき(その中央は約
8mmの距離で離れている)を有する厚さ4mmの Spontex
R 吸収性スポンジから製造された。マトリックスの表面
積は110cm2(55cm2の表面がそれぞれ耳の外部及び内部表
面を被覆する)であった。
【0112】20gのレバミゾール−HCl 、25mLの液体コ
コナッツ油及び 100mLの大豆油の混合物を37℃で一晩攪
拌した。グループII(投与形 "A")においては、個々の
マトリックスはレバミゾール混合物16mLにより含浸さ
れ、そしてシステム(含浸された固体マトリックスを有
する耳装置)の重さは約50gであった。グループIII(投
与形 "B")においては、個々のマトリックスはまず、ヒ
マワリの種子の油8mL及び次にレバミゾール混合物16mL
により含浸され;そのシステムの重さは約57gであっ
た。グループII及び IIIに個々の投与形で含まれるレバ
ミゾールの合計量は2560mgであった。耳の皮膚表面は、
システム(AV-DDS)の固定の前、毛削りされておらず又は
いづれの手段でも調製されなかった。レバミゾールの皮
膚透過性を、ガスクロマトグラフィー法により血清中の
レバミゾールの濃度を測定することによって評価した。
アッセイの検出の限界は、0.05μgのレバミゾール/mL
であった。
【0113】結果:表6は、投与後の指摘された時間で
のグループI,II及び IIIについての血清レバミゾール
の量を示す。投与の前、レバミゾールは検出されなかっ
た。これらの結果は、図18(グループI)及び図19(グ
ループII及びIII)にグラフで示される。
【0114】
【表6】
【0115】結果の論議:急速且つ持続したレバミゾー
ル血清濃度が、投与形“A”及び“B”の両者により達
成された(但し、“A”の場合の濃度は低かった)。よ
り持効性のレバミゾールが、ポア−オン調製によるより
も投与形“B”により達成された(但し、ポア−オン調
製のピークレベルよりもいく分低い濃度ではあるが)。
レバミゾールの透過の速度に関しては、本発明の経皮的
投与は筋肉内注射に類似するが、しかしピーク血清濃度
の場合、投与形“B”はポア−オン調製に類似する。し
かしながら、経皮的に投与される投与形“A”及び
“B”の両者は、筋肉内注射及びポアーオン調製の両者
に比較して、持続した血液レベルの期間は時間でよりも
日数で測定され、従って再発に対して改良された保護性
を提供することにおいて独得である。また、本発明の投
与モデルは外用性であるので、処理は、システムの除去
により簡単にいずれの時間にでも停止され得る。
【0116】例9:羊へのイベルメクチンの連続的な経
皮的投与 予論 :1981年に紹介されたイベルメクチン、すなわち半
合成高分子環状ラクトンは、羊、馬、ブタ及び牛におけ
る内因性及び外因性寄生虫の治療において広く使用され
て来た広範囲の駆虫薬の種類に属する。上記で指定され
たように、それは最近、ヒトにおけるオンコセルカ症の
治療の見込みを示して来た。それは、80%より少なくな
い22, 23−ジヒドロアベルメクチンB1a及び20%よりも
多くない22, 23−ジヒドロアベルメクチンB1bを含んで
成る類似体の混合物である(但し、2つの化合物の駆虫
活性においては差異はない)。
【0117】イベルメクチンは、経口又は皮下投与の
後、全身に吸収されるが、しかし皮下的に投与される場
合、より高い程度で吸収される。投与の経路及び使用さ
れる配合物の性質はその素因に影響を及ぼす。投与され
たイベルメクチンの量のほとんどは、糞に排出され、残
りは尿に排出される。薬物残留物は、他の食用組織にお
いてよりも肝臓及び脂肪において高いことが報告されて
おり、そして残留物の主成分は未変化のイベルメクチン
であった。
【0118】他の駆虫薬に関しては、効力は、処理され
た動物内での薬物の効能及びその残留時間の両者、又は
その運動プロフィールにより深く影響される。特に動物
の健康においてのみ及び主に牛に制限される適用性に関
する薬物投与のいくつかの態様が、処理された動物にお
ける活性薬物の残留時間を高めるために開発されて来
た。これらは独得な注射用製剤、ポア−オン調製物及び
反芻類への丸薬を包含する。
【0119】AV-DDSシステムは、持続する薬物レベルの
特徴及び所望に応じて処理を停止する能力を達成するた
めに開発されて来た。このシステムは、動物の耳上に容
易に固定され得、所望に応じて容易に除去され得、そし
てまた処理を受ける動物の眼による同定を可能にする外
因性非侵入性システムである。そのシステムは、2つの
成分、すなわち装置自体(所望する処理の期間、皮膚と
直接接触して薬物投与を維持する)及びそれに取り付け
られた経皮的投与形を包含する。
【0120】方法:この研究は、生後約4か月で体重30
〜35kgの混合交配 (Merino/Cambridge)の9匹の子羊に
対して、1990年11月の間、イスラエルの中央平原に位置
する農場で行なわれた。子羊は3種の実験グループ(グ
ループ当たり3匹)に分けられ、個々のグループは別々
の畜舎で維持され;それらは市販の濃縮食物ペレットに
より1日1回供給され、干草及び水は十分に供給され
た。実験1及び2においては、1%(w/v)の牛用注
射の形でのイベルメクチン("Ivomec"(R), Merck, Sharp
and Dome, B.V., Haarlem, Netherlands)が使用され;
実験3においては、この市販の製剤から抽出されたイベ
ルメクチンが使用され、そしてこの抽出物はまた、分析
工程のための標準としても作用した(抽出効率は約90%
であった)。
【0121】実験1 "Ivomec"(10mgのイベルメチクンを含む溶液1mL)を、
2匹の雄羊(#657 及び#651)及び1匹の雌羊 (#775)
中に皮下注射した。静脈血液サンプル(10mL)を、薬物
の投与前及びその後1,2及び4時間後、個々の子羊の
頸静脈から採取した。次に血液サンプルを次の5日間、
毎朝採取した。
【0122】実験2 この実験は、2匹の雄子羊(#663 及び#671)及び1匹
の雌子羊 (#763)に対して行なわれた。個々の子羊の左
耳(皮膚表面は毛削りされておらず又はいづれの手段に
よっても調製されていない)に、直径4mmの円形孔あけ
されている(その中心はそれぞれ約8mmの距離で離れて
いる)4mmの厚さのSpontex(R)吸収性スポンジとして含
むAV-DDS装置を固定した。個々のマトリックスの表面積
は110cm2であり、すなわち 55cm2がそれぞれ耳の外部及
び内部表面に適用された。個々のマトリックスは、固定
する前、16mLの大豆油により含浸された。スポンジと同
じ態様で孔あけされた3層の吸収性紙タホルを、因々の
マトリックスに積層し、その紙タホルは16mLの"Ivomec"
により含浸された。従って、個々のマトリックスは約 1
60mgのイベルメクチンを含み、その調製物は投与形
“A”として本明細書において言及される。システム
は、連続して7日間、子羊#663 、連続して16日間、子
羊#671 及び連続して18日間、子羊#763 上で維持され
た。静脈血管サンプル(10mL)を、薬物の投与前及びそ
の後1,2及び4時間後、個々の子羊の頸静脈から採取
した。次に、その血液サンプルは、それぞれ続いて8,
17及び18日間、毎朝採取された。
【0123】実験3 この実験は、2匹の雌子羊(#760 及び#778)及び1匹
の雄子羊 (#665)に対して行なわれた。Oehler及びMill
er(Journal of the Association of OfficialAnalytica
l Chemists, USA, 1989, 72(1) : 59) に従って"Ivome
c"から抽出されたイベルメクチンを含む組成物を調製し
た(そして、HPLCに基づいて測定し、検出の下限は3ng
/mLである)。その組成物を調製するために、約90%の
イベルメクチンを含むこの抽出物を大豆油に溶解し、約
10mg/mLの薬物の濃度を得た。個々の子羊の左耳(皮膚
表面は毛削りされておらず又はいづれの手段によっても
調製されていない)に、直径4mmの円形孔あけされてい
る(その中心はそれぞれ約8mmの距離で離れている)4
mmの厚さのSpontex(R)吸収性スポンジとして含むAV-DDS
装置を固定した。個々のマトリックスの表面積は110cm2
であり、すなわち 55cm2がそれぞれ耳の外部及び内部表
面に適用された。個々のマトリックスは、固定する前、
8mLの大豆油により含浸され、数分間放置され、そして
次に16mLの組成物により含浸された。従って、個々のマ
トリックスは約 160mgのイベルメクチンを含み、その調
製物は投与形“B”として本明細書において言及され
る。システムは連続して16日間、個々の子羊上で維持さ
れた。静脈血液サンプル(10mL)を、薬物の投与の前、
及びその後1,2及び4時間後、個々の子羊の頸静脈か
ら採取した。次に、その血液サンプルは、続いて19日
間、毎朝採取された。
【0124】結果:HPLCにより測定される場合のイベル
メクチン血清濃度は下記表7に示される。薬物の投与の
前、イベルメクチンは子羊の血清のいづれにも検出され
なかった。
【0125】実験1においては、3匹の子羊のそれぞれ
に10mgのイベルメクチンを皮下注射し、この薬物はま
ず、投与後4時間で子羊#651 から採取された血液サン
プルに及び投与後24時間で子羊#657 及び#775 から採
取された血液サンプルに検出された。イベルメクチン
は、子羊#651 において4日まで、採取された血液サン
プルに、子羊#657 及び#775 において、5日まで、採
取された血液サンプルに検出された。
【0126】実験2においては、3匹の子羊が記載のよ
うにして投与形“A”により処理され;イベルメクチン
は血液サンプルのいづれにも検出されなかった。実験3
において、投与形“B”を用いる場合、イベルメクチン
が、投与後4時間から13日目まで子羊#665 から採取さ
れた血液サンプル;24時間から17日目まで子羊#760 か
ら採取された血液サンプル;2日目から14日目まで子羊
#778 から採取された血液サンプルに検出された。
【0127】結果の論議 純粋なイベルメクチンは容易に得られない事実により、
投与形“B”を調製するために上記のようにして、市販
の配合物から約90%純度の生成物としてこの薬物を抽出
し、そして分析方法における対照として作用せしめる必
要があった。イベルメクチンはガラス及びプラスチック
の多くの表面に結合する性質を有するものとして報告さ
れているので、本発明の研究に報告されるイベルメクチ
ン血清濃度は、分析用容器がそのような結合を妨ぐため
に被覆されていないためにたぶん低い評価であるように
思える。これらの困難性にもかかわらず、イベルメクチ
ンは、投与形“B”が記載のようにAV-DDS装置中に組込
まれている上記実験3に示されるように、長期間、羊に
経皮的に投与され得ることが結論づけられ得る。この投
与形の原始的な性質のために、イベルメクチンは13日間
及びたぶんさらに長い期間、経皮的に投与され得ること
が示された。
【0128】本発明のイベルメクチンの経皮的投与の利
点は、この薬物の血清濃度が長期間維持され得、そして
その処理が、皮膚からその投与形を単純に除去すること
によって容易に停止され得ることである。
【0129】
【表7】
【0130】本発明の利点 経皮的投与の既知システムは1種の特定の薬物の適用に
実際限定され;それらは一般的に、3〜4日間(又は例
外的に約7日まで)の適用に制限され;そしてそれらは
通常、毛表面への適用のために不適切である。
【0131】対照的に、本発明の医薬組成物は、同時投
与のために多くの薬物を含むことができ、これは便利で
あり、そして患者のコンプライアンスを確保する。その
医薬組成物を含む本発明の装置は必要に応じ2〜3週間
又はそれ以上の間、適用され得、そして毛のない皮膚表
面での適用に制限されず;さらに存在するシステムとは
異なって、本発明の装置は皮膚を洗うために除去され、
そして同じ部位に続いて、再適用され得る。
【0132】従来の方法に比べて本発明の追加の利点
は、投与された組成物のpHを調整することが不必要であ
り、又は投与された薬物がキャリヤーに完全に溶解性で
あることを確保することが不必要であり;本発明の調製
法は複雑でなく;そして同じ又は類似するキャリヤーが
異なった薬物のために効果的である。
【0133】これまでの経験においては、本発明に従っ
て投与される薬物は一般的に、他の添加された成分の不
在下で有効である。本発明の特定の態様が上記に示さ
れ、そして/又は記載されて来たが、それは本発明を制
限するものではなく、多くの変法及び修飾が当業者によ
り行なわれ得るであろう。従って、本発明の本質的な概
念、精神及び範囲は、特許請求の範囲からより理解され
るであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(A及びB)は、本発明の好ましい態様に
従って動物の耳への薬物の経皮的投与のための除去可能
な囲いのそれぞれの図及び断面図である。
【図2】図2(A及びB)は、本発明のもう1つの好ま
しい態様に従って動物の耳への薬物の経皮的投与のため
の除去可能な囲いのそれぞれの図及び断面図であり、図
2(A)は開放された配向での囲いを示し、そして図2
(B)は閉鎖された配向での囲いを示す。
【図3】図3(A及びB)は、本発明のさらにもう1つ
の好ましい態様に従って動物の耳への薬物の経皮的投与
のための除去可能な囲いのそれぞれの図及び断面図であ
る。
【図4】これは図1(A)−3(B)のいづれかの囲い
の一部の拡大された断面図である。
【図5】これは本発明の好ましい態様に従って構成さ
れ、そして操作可能な、動物の耳に薬物を経皮的に投与
するための装置の前部及び裏部の図である。
【図6】これは本発明の好ましい態様に従って構成さ
れ、そして操作可能な、動物の耳に薬物を経皮的に投与
するための装置の前部及び裏部の図である。
【図7】これは動物の耳上に部分的に固定される図5及
び6の装置の図である。
【図8】これは動物の耳上に完全に固定される図5及び
6の装置の図である。
【図9】これは本発明の例に使用される動物の耳に薬物
を適用するための実験的な装置の前部及び裏部の図であ
る。
【図10】これは本発明の例に使用される動物の耳に薬物
を適用するための実験的な装置の前部及び裏部の図であ
る。
【図11】囲い(A,B,C,D及びE)は、図5におけ
る線A−A,B−B,C−C,D−D及びEの方向にそ
って取られた図である。
【図12】これは本発明のもう1つの好ましい態様に従っ
て構成され、そして操作可能な、動物の耳に薬物を経皮
的に投与するための装置の前部の図である。
【図13】図13(A,B,C,D及びE)は、図12におけ
る線A−A,B−B,C−C,D−D及びEの方向にそ
って取られた図である。
【図14】これは本発明に有用な支持体の態様を示す図で
ある。
【図15】これは本発明の態様に従っての医薬組成物の形
でのそれらの投与後の時間に対する薬物の血清レベルの
変動を示す。
【図16】これは本発明の態様に従っての医薬組成物の形
でのそれらの投与後の時間に対する薬物の血清レベルの
変動を示す。
【図17】これは本発明の態様に従っての医薬組成物の形
でのそれらの投与後の時間に対する薬物の血清レベルの
変動を示す。
【図18】これは本発明の態様に従っての医薬組成物の形
でのそれらの投与後の時間に対するレバミゾール血清レ
ベルの変動を示す。
【図19】これは図18に類似するが、しかし本発明の態様
と従来技術とを比較するグラフである。
【図20】図20(A及びB)は、本発明の態様の医薬組成
物の形での投与の後の時間に対するメドロキシプロゲス
テロンアセテート血清レベルの変動を示す。
【図21】図21(A,B,C及びD)は、本発明の態様の
医薬組成物の形での投与の後の時間に対するメドロキシ
プロゲステロンアセテート血清レベルの変動を示す。
【図22】これはマトリックスと共に他の成分を有する本
発明の特定の態様の装置の側面図である。
【図23】これはマトリックスと共に他の成分を有する本
発明のもう1つの特定の態様の装置の側面図である。
【符号の説明】
10, 60, 90…囲い 12…外部端 14…内部端 16, 34…ファスナー 18, 20…平らな表面 24…支持体の層 30, 32, 40, 42…リーフ 36…開口部 38…支持体 50…孔 52…支持パッド 62…内部耳部分 64…曲り部分 68…外部耳ラップ部分 70…カラー部分 80…スリット 82, 84…ストラップ部分 92, 94…ブリッジ部分 110, 120, 130 …マトリックス 132 …支持層 134 …多層システム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 653393 (32)優先日 1991年2月11日 (33)優先権主張国 米国(US)

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薬物の経皮的投与に使用するための医薬
    組成物であって、下記成分: (1)経皮的投与のために適合された有効量の薬物; (2)前記薬物のための経皮的輸送有効量のキャリヤー
    (ここで前記キャリヤーは、周囲温度で半固体及び液体
    であり、そしてC8-24の脂肪酸のエステル、医薬的に許
    容できる脂肪族ポリヒドロキシ化合物及び非揮発性パラ
    フィンから選択された少なくとも1種の化合物を含んで
    成る); (3)存在するかも知れないいづれかの皮膚−不適合性
    特徴を緩和するために有効な、抗炎症剤及び抗ヒスタミ
    ンから選択された任意の薬物のうち少なくとも成分
    (1)及び(2)を含んで成る組成物。
  2. 【請求項2】 前記薬物が、生殖調整剤、動物成長促進
    剤、虫下し、抗生物質、駆虫剤、抗炎症剤、気管支拡張
    剤、心血管薬、抗アレルギー剤及び微量養分から選択さ
    れた少なくとも1種の部材を含んで成る請求項1記載の
    組成物。
  3. 【請求項3】 前記エステルのアルコール成分が、1〜
    12個の炭素原子及び1〜3個のヒドロキシ基を含む脂肪
    族ヒドロキシ化合物に由来し;前記エステルの酸成分
    が、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、パルミチン
    酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリ
    ン酸、オレイン酸、エライジン酸、ペトロセリン酸、リ
    ノール酸、α−リノレン酸(9, 12, 15−オクタデカト
    リエノン酸)、γ−リノレン酸リノレライドン酸、11−
    エイコセン酸、11, 14−エイコサジエノン酸、11, 14,
    17−エイコサトリエノン酸、8, 11, 14−エイコサトリ
    エノン酸、アラキドン酸、5, 8, 11, 14, 17−エイコ
    サペンタエノン酸、エルカ酸及びネルボン酸から選択さ
    れ;そして前記脂肪族ポリヒドロキシ化合物がグリセロ
    ール及びプロピレングリコールから選択される請求項1
    記載の組成物。
  4. 【請求項4】 前記薬物のためのキャリヤーが、少なく
    とも1種のC8-24脂肪酸のモノグリセリド、ジグリセリ
    ド、トリグリセリト及びそれらの混合物から選択された
    少なくとも1種の部材を含んで成り、たとえば天然脂肪
    及び油から選択された少なくとも1種の部材及びそれら
    の画分を含んで成る請求項1記載の組成物。
  5. 【請求項5】 前記キャリヤーが、脂肪酸含有量の主要
    割合がC18-24 多不飽和脂肪酸から成る天然油を含んで
    成る請求項4記載の組成物。
  6. 【請求項6】 前記薬物が、次のサブグループ:(i
    a)生殖調整剤:エストラジオール、フルゲストン、ア
    セテート、プロゲステロン、プロリゲストン、メレンゲ
    ストロールアセテート、メドロキシプロゲステロン、メ
    ドロキシプロゲステロンアセテート、メゲストロールア
    セテート及びテストステロン;(ib)動物成長促進
    :エストラジオール、メゲストロールアセテート、プ
    ロゲステロン、テストステロン、トレンブロン及びゼロ
    ノール;(ii)虫下し:レバミゾール、イベルメクチ
    ン、メベンダゾール、ピランテル、アルベンダゾール、
    フェベンテル、フェベンダゾール、フルベンダゾール、
    オキシベンダゾール、オキシフェンダゾール、トリアベ
    ンダゾール、トリカルベンダゾール及びモランテル;(i
    ii) 抗生物質:半合成ペニシリン、テトラサイクリン及
    びセファロスポリン;(iv)駆虫剤:メトロニダゾー
    ル、シチオエート及びフェンチオン;(v)抗炎症剤
    ジクロフェナックナトリウム、イブプロフェン、インド
    メタシン、ベータメタゾン、フルメタゾン及びデキサメ
    タゾン;(vi)気管支拡張剤:アミノフィリン、テオフ
    ィリン、テルブタリン及びサルブタモール;(vii) 心血
    管薬:プロパノロール、メトプロロール及びクロニジ
    ン;(viii)抗アレルギー剤:クロルフェニラミン及び
    メブヒドロリン;(ix)微量養分:二硫化セレニウム及
    び鉄デキストランから選択された少なくとも1つ部材を
    含んで成る請求項2記載の組成物。
  7. 【請求項7】 前記エステルのアルコール成分が1〜12
    個の炭素原子及び1〜3個のヒドロキシ基を含む脂肪族
    ヒドロキシ化合物に由来し、そして前記エステルの酸成
    分が、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、パルミチ
    ン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセ
    リン酸、オレイン酸、エライジン酸、ペトロセリン酸、
    リノール酸、α−リノレン酸(9, 12, 15−オクタデカ
    トリエノン酸)、γ−リノレン酸リノレライドン酸、11
    −エイコセン酸、11, 14−エイコサジエノン酸、11, 1
    4, 17−エイコサトリエノン酸、8, 11, 14−エイコサ
    トリエノン酸、アラキドン酸、5, 8, 11, 14, 17−エ
    イコサペンタエノン酸、エルカ酸及びネルボン酸から選
    択される請求項6記載の組成物。
  8. 【請求項8】 前記薬物のためのキャリヤーが、少なく
    とも1種のC8-24脂肪酸のモノグリセリド、ジグリセリ
    ド、トリグリセリト及びそれらの混合物から選択された
    少なくとも1種の部材を含んで成り、たとえば天然脂肪
    及び油から選択された少なくとも1種の部材及びそれら
    の画分を含んで成る請求項6記載の組成物。
  9. 【請求項9】 前記キャリヤーが、脂肪酸含有量の主要
    割合がC18-24 多不飽和脂肪酸から成る天然油を含んで
    成る請求項8記載の組成物。
  10. 【請求項10】 成分(1)及び(3)が請求項1に定義
    された通りであり、そして成分(2)が薬物のための経
    皮的輸送有効量のキャリヤー(該キャリヤーは周囲温度
    で半固体及び液体であり、そしてC18-24 脂肪酸の少な
    くとも1種のエステル少なくとも40重量%を含んで成
    る)により構成される請求項1記載の組成物。
  11. 【請求項11】 薬物の経皮的投与のためのマトリックス
    であって、その上に請求項1記載の医薬組成物が吸収さ
    れた、多孔性、吸収性、有孔性で及び柔軟な積層固体支
    持体を含んで成るマトリックス。
  12. 【請求項12】 薬物の経皮的投与に使用するための装置
    であって、請求項11記載のマトリックス及び前記積層固
    体支持体の片側に付着された柔軟な通気性支持層(該層
    は前記柔軟な積層固体支持体よりも、前記医薬組成物の
    ために低い吸収性を有する)を含んで成る装置。
  13. 【請求項13】 前記積層固体支持体が前記薬物のために
    所望される調節された又は持効性パターンを提供するよ
    うに構成される請求項12記載の装置。
  14. 【請求項14】 薬物の経皮的投与に使用するための装置
    であって、前記薬物のために所望される調節された又は
    持効性パターンを提供する多層システム(該システムは
    請求項11記載のマトリックスを組込む)を含んで成り、
    前記多層システムが、前記医薬組成物が前記支持体上に
    吸収される医薬組成物の他に前記多層システムの少なく
    とも1つの層上に吸収されている多くの多孔性、吸収
    性、有孔性で及び柔軟な層を含んで成ることを特徴とす
    る装置。
  15. 【請求項15】 下記特徴: (i)前記多層システムの片側に付着された柔軟な通気
    性支持層を含み; (ii)前記システムにおける少なくとも2種の個々の層
    が前記医薬組成物のための異なった吸収性を有し; (iii) 前記医薬組成物が、存在するいづれかの支持層
    を除く多層システムのすべての層上に吸収される特徴の
    少なくとも1つの特徴の存在によりさらに特徴づけられ
    る請求項14記載の装置。
  16. 【請求項16】 薬物のための所望する調節された又は持
    効性パターンを提供し、そして多孔性、吸収性、有孔性
    で及び柔軟な積層固体支持体及び多くの多孔性、吸収
    性、有孔性で及び柔軟な層並びに多層システムの片側に
    付着され得、そして前記多層システムにおける個々の層
    のいづれよりも、請求項1記載の医薬組成物のために低
    い吸収性を有する柔軟で通気性の支持層を含んで成る多
    層システムを含む装置であって、前記支持層とは異なる
    前記多層システム中の層が薬物により含浸され、そして
    前記積層固体支持体がその上に、薬物のための経皮的輸
    送有効キャリヤー及び薬物と前記キャリヤーとの混合物
    から選択された物質を吸収しており、それによって前記
    装置が皮膚に適用される場合、前記医薬組成物が前記支
    持層とは異なる多層システムの層上に形成され、そして
    従って薬物を経皮的に輸送するために利用可能であり、
    前記キャリヤーは周囲温度で半固体及び液体であり、そ
    してC8-24脂肪酸のエステル、医薬的に許容できる脂肪
    族ポリヒドロキシ化合物及び非揮発性パラフィンから選
    択された少なくとも1種の化合物を含んで成り、そして
    前記多層システムにおいて、好ましくはその中の少なく
    とも2種の個々の層が請求項1記載の医薬組成物のため
    に異なった吸収性を有することを特徴とする装置。
  17. 【請求項17】 動物の皮膚に非粘着的に薬物を適用する
    ための装置であって、請求項11記載のマトリックス又は
    請求項11〜16のいづれかの装置を担持し、そして動物の
    耳上に非侵入的固定のために配列されている除去しうる
    囲い(該囲いは、耳をおおって固定するように配置さ
    れ、そして好ましくはそれに関係する選択可能なクロー
    ジャーを有する)を含んで成る装置。
  18. 【請求項18】 下記特徴: (a)前記選択可能なクロージャーが動物の頭に最っと
    も近い耳の狭い部分と連結するように作用し; (b)前記囲いが内側の耳の連結部分及び外側の耳の連
    結部分を含み、ここで好ましくは前記内側の耳の連結部
    分は比較的硬質であり、そして前記外側の耳の連結部分
    は比較的柔軟であり; (c)前記除去しうる囲いが弾性装置により一緒に連結
    して強調される一対の部材を含んで成り; (d)前記除去しうる囲いが耳の皮膚の2つの反対側の
    表面に前記マトリックスを適用するための手段を含んで
    成り; (e)前記除去しうる囲いが構成され、そして前記マト
    リックスは、前記囲いを利用する人とマトリックスとの
    物理的な接触を伴わないで、前記囲いが動物の耳上に固
    定され、又はそれから除去され得るようにその上に配置
    され; (f)前記装置が囲いの内部に位置するマトリックスを
    含むための別々の要素をまた含んで成り; (g)前記マトリックスが所望する調節された又は持効
    性のパターンを提供するように構成され; (h)前記装置がまた、動物が処理される視覚上の指示
    を提供する手段も含んで成り;そして (i)前記装置がまた、与えられた動物に適用される処
    理の視覚上のコードされた指示を提供する手段も含んで
    成る特徴の少なくとも1つの特徴をさらに含んで成る請
    求項17記載の装置。
  19. 【請求項19】 家畜病治療用途において薬物を投与する
    ための技術であって:動物の皮膚に請求項11記載のマト
    リックス又は請求項12〜16のいづれかの装置を非粘着的
    に適用し;そして予定された時間で薬物の適用を非手術
    的に停止する段階を含んで成る技術。
  20. 【請求項20】 前記予定された時間が、動物の屠殺の
    前、予定された期間で設定される請求項19記載の技術。
  21. 【請求項21】 前記薬物が繁殖動物における排卵の調節
    のための物質であり;前記マトリックスが群れの多くの
    動物の耳の皮膚に適用され;そして前記予定された時間
    が前記多くの動物のために同時性をもつ時間である請求
    項20記載の技術。
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